新型コロナ対策 関連コラム

【イベントレポート】SPクラブ危機管理セミナー「株主総会の危機管理~コロナ禍での株主総会対策を踏まえて」を開催しました

2021.02.25
SPクラブ危機管理セミナー「株主総会の危機管理~コロナ渦での株主総会対策を踏まえて」イメージ映像またはチラシ

2021年2月19日(金)にSPクラブ危機管理セミナー「株主総会の危機管理~コロナ禍での株主総会対策を踏まえて」を開催しました。

本セミナーは、対話型の株主総会や会社法・コーポレートガバナンスコードの改正の動向を留意しつつ、オンライン株主総会や新型コロナウィルス対策について危機管理の視点から解説しました。

セミナー概要

総合研究部 上席研究員(部長) 西尾 晋

1.最近の法改正等の動向に関して 株主総会に影響しそうな事項

2.2020年の株主総会~コロナ禍の株主総会を読み解く~

3.ハイブリッド型バーチャル株主総会に関して

4.事前準備編

5.株主総会運営における危機管理

講演

最近の法改正等の動向に関して 株主総会に影響しそうな事項

2021年3月より適用される改正会社法について、株主総会に影響する事項について解説しました。また、コーポレートガバナンスコード、スチュワードシップコードを踏まえ、株主総会に参加する個人株主を中心とした株主との対話実現に向け、実務上の対応について解説しています。

2020年の株主総会~コロナ禍の株主総会を読み解く~

2020年のコロナ禍の株主総会の動向を振り返り傾向について説明しました。また、書面やインターネットによる議決権行使の要請、マスクの着用・アルコール消毒の徹底、換気・座席配置等の会場設営など具体的な感染症感染拡大防止措置について解説しました。これらを踏まえて、2021年も継続して株主総会における新型コロナウィルス対策が必要性や具体的に取るべき措置について言及しました。

ハイブリッド型バーチャル株主総会に関して

バーチャル株主総会について、2020年の実施企業の分析や経済産業省の実施実例を踏まえて留意点について解説しました。また、バーチャル株主総会の動議における課題について、近時の裁判例も踏まえて留意点について言及しました。これらを前提にオンライン開催における実務上の課題や対応策について解説しました。

事前準備編

個人株主による濫用的な株主提案、運動型株主、クレーマー株主の弾頭等、参加株主の多様化に伴う最近の株主総会におけるリスクと対策のあり方について説明しました。また、株主が多様化することによる多様な質問がなされること、地震発生時の避難誘導、動議・退場を想定したリハーサル、円滑な受付対応などの想定されるリスクに対する事前準備の重要性に言及しました。

株主総会運営における危機管理

個人株主の不規則発言により議場が混乱した事例、濫用的とも思える質疑応答・株主提案により円滑な株主総会が阻害された事例、ソーシャルメディアサービスにおいて内部事情が書き込まれた事例について問題点と対応策について説明しました。また、いずれも株主総会対策として軽視できないにも関わらず、十分なリハーサルが行われていないケースが散見されることに言及し、あるべきリハーサルについて説明しました。

質疑応答

【Q】

バーチャル出席型の総会において、株主による質問において特定の従業員の名前を挙げて誹謗中傷する内容であった場合に取り上げないことは恣意的な対応となりますか?

【A】

リアル総会とパラレルに考えますが、権利濫用に当たるもの、個人名を挙げ誹謗中傷する質問は、総会の会議の目的事項に当たらないため、質問としてとりあげなかったとしても恣意的対応とは言えません。

もっとも、質問株主が自身の発言はどうなったと問い合わせがなされる可能性があるため、制止するなど警告しておくことが必要となります。また、発言がやまない場合に、当該株主との通信を切ることやログアウトさせるなど、リアル総会における「退場」に該当する手法・対応方針を事前に決めておく必要があります。

【Q】

コロナ対策としてバーチャルでの開催における質疑応答において、リアル参加者の質疑応答については、同時配信しない運用は問題ありませんか?

【A】

まず、配信先が幅広く不特定多数人が閲覧できる形で配信される、あるいは株主に限定されて配信されるのか、で検討を要します。前者の場合、肖像権やプライバシーの観点から発言内容や音声を配信しないことは問題ないと考えられます。また、後者の場合、リアル総会で質問する株主は、他の株主に発言を聞かれてしまうことが前提になります。しかしながら、オンライン参加者が録画等を行っている可能性を否定できず、これを会社が抑止できませんので、プライバシーの観点から配信の対象から外すことは問題ないと考えられます。また、招集通知や質疑応答前に配信している旨を株主に告げ、事後配信することの可否や質問前に配信対象とするかの確認を行うことも一つの運用方法と考えます。

お客様の声

  • 私自身は総会の経験がない中で、実際にあった事例を交えて具体的な説明であり、実務に役立つ内容だったと思います。
  • 整理されて、大変分かりやすいご説明で、よく理解できました。やはりご専門の方は違うという印象です。ありがとうございました。
  • とても有益なセミナーであり、無料で申し訳無いぐらいです。ハイブリッド型バーチャル総会のパート、そして事前準備のパートなど、実務に関して具体的なお話、示唆をいただき大変参考になりました。

次回セミナー

3月12日に「企業が向き合うべき「ハラスメント」問題」 を予定しております。

「カスタマーハラスメント」や「ハラスメント未満」のトラブルに対し、組織としてどう対応し、体制を整えていくか、そのポイントを解説いたします。詳細は以下のページをご覧ください。

【3月12日WEB配信】企業が向き合うべき「ハラスメント」問題

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