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2021年5月14日に開催された本セミナーでは、17年間のリスクホットライン®の運用実績をもとに、内部通報窓口の運用や関連法・ガイドラインが求めるポイントについて解説しました。
セミナー概要
講師:総合研究部 上席研究員(部長) 久富直子
1.リスクホットライン®の最新の運用状況
2.内部通報のこれまでの変遷と最近の動向
3.事前にいただいたご質問への回答
4.まとめ
講演
1.リスクホットライン®の最新の運用状況
リスクホットライン®は2003年7月から運用が開始された社外通報窓口です。17年間の運用実績を踏まえ、内部通報の傾向や最新の状況について以下のような点について解説しました。
- 利用のハードルを下げた場合の内部通報の傾向としては、人間関係に起因するものが約6割を占める。
- 2020年6月の(通称)パワハラ防止法の施行を受け、300人以下の小規模な企業において社外通報・相談窓口を設置する企業が増加。
- 2020年7月以降コロナ禍の不安からか自殺に関するワードが含まれる通報が増加。
- 2021年3月は、望まない退職や異動に関する通報が急増。
- 4月は、早くも「辞めたい」という新入社員からの通報も複数寄せられた。
2.内部通報のこれまでの変遷と最近の動向
以前は「通報が少ない企業が問題のない企業」と考えられていたが、近年では「通報が一定数ある方が健全な企業」という考えが主流となってきており、内部通報制度の実効性が重視されてきていることを説明しました。
また、内部通報制度認証(WCMS)については、商事法務研究会が4月に公表した、「内部通報制度認証(WCMS)申請・審査の実態概況報告 ー 登録事業者100社の概況と審査の概要 ー 」の紹介や、改正公益通報者保護法を巡っては、消費者庁が4月末に公表した「公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会報告書」をもとに新たに注目すべき指針が求める重要ポイントなどについて解説しました。
さらに、17年間の運用実績に鑑み、内部通報制度が「上手く機能しない企業の特徴」と「上手く機能している企業の特徴」について、トップの意識が何よりも重要であることを中心に熱く紹介しました。
3.事前にいただいたご質問への回答
内部通報の運用面や、通報者・被通報者への対応方法など、事前にいただいていた以下のような質問に対して解説しました。
Q. リモートでヒアリングを行う際の留意点
Q. 不当な要求をしてくる(もしくは通報者サイドにも非がある場合の)通報者への適切な対応のあり方
Q. テレワーク体制下における内部通報制度運用の留意点
Q. グローバル対応のホットラインの設計における留意点や実例等
Q. (第三者外部)通報窓口を置くことによって発現された効果
4.まとめ
最後に、ミドルクライシス®の概念を切り口に、社内にあるリスクを早期発見する手段としての内部通報制度の重要性と時代に合ったコンプライアンス解釈の重要性を説明しました。
お客様の声
- 内部通報は件数が少ない方が良いと思っていましたが、今日の講義でそうでないことがわかり勉強になりました。
- 法改正の説明や具体的な通報内容など、現場に即した説明で参考になりました。
- 他社の取組み事例、内部通報制度で注意する点をわかりやすく解説いただきました。とても参考になりました。
- 内部通報制度を上手く機能する企業の共通項で、うまく運用している具体例が参考になりました。
今後も定例セミナーなどを通して会員企業様がよりご満足いただける場をご提供できるよう、当社一同全力を尽くしてまいります。今回ご都合が合わなかった皆様も、次回はぜひご参加いただけますと幸いです。
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