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【イベントレポート】BCP意見交換会~BCPをわかりやすく解説、一緒に検討します~

2022.09.01
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8月5日(金)に、BCP(事業継続計画)ご担当者様のお悩み相談にお答えする「BCP意見交換会」を開催いたしました。昨年はSPクラブ会員企業様限定の「BCP cafe」というイベントでしたが、今回は、SPクラブ会員・非会員問わず参加者を募集して開催いたしました。

BCP イメージ

第1部 基調講演

プログラム

第1部 基調講演
第2部 パネルディスカッション(事前にいただいたご質問への回答)

講師

当社顧問 株式会社リコー リスクマネジメント・リーガルセンター 荻原 毅 氏
執行役員(総合研究部担当)主席研究員 西尾 晋
総合研究部 専門研究員 大越 聡

参加企業業種

医薬品・化粧品小売業、不動産業、生産用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、食料品製造業、飲食料品卸売業、製造業

講演

基調講演では、「BCP簡易診断の結果から見えてきた企業の課題」と題して、企業におけるBCPの課題や、水害時の対応のポイントについて解説いたしました。

BCM簡易診断の結果から見えてきた企業の課題 4つの切り口

SPNにて提供しているサービス「BCM簡易診断サービス」を通して浮かび上がってきた、BCP/BCM上の企業の課題について解説いたしました。本レポートではその一部を抜粋し紹介いたします。

予測
ハザードマップ分析がおろそかになっている企業が多い

ハザードマップは防災の基本ですが、ここまで取り組めていない企業も少なくありません。本社だけでなく拠点のハザードマップ分析まで行い、まずは従業員が生き残るため、その地の被災リスクを確認することが欠かせません。

予防
非常時通信を確保していない

現在でも携帯電話で連絡している会社は多くありますが、大規模地震発生時には電話が通じないことも多いため、非常用通信など、電話に頼らない連絡手段の確立が必須です。

対応
対策本部の立ち上げ基準が決まっていない

対策本部の立ち上げの基準を「震度5弱」と記載していても、それを県単位で考えるのか、市区町村の単位で考えるのかまで記載しきれていないケースもあります。SPNは、「●●の範囲で震度●が発生したら自動的に立ち上げ」などのような、自動的な立ち上げをお勧めしています。

事業継続
優先業務の選択ができていない

BCPの本質的な考え方は選択と集中です。災害発生時に、ライフラインも止まり、人も資源も限られた中でどの事業を残すのか、優先的に対処する企業は何なのかを全社的に考えることが必要です。部署最適ではなく全社最適になっているかがポイントです。

水害対応のポイント

水害は、地震と異なり天気予報などによる予測が可能です。水害時はいかに早めに避難するかが重要で、「避難指示」が出てからの避難では手遅れです。そこで参考になるのが「タイムライン」という考え方です。国土交通省では、台風到来に備えた72時間前からの事前の行動を公表しています。

タイムライン

参考:「タイムライン」(国土交通省)

水害の対応においては、あらかじめ会社として「どのレベルに達したらどのような行動をとるか」を決めておくことが有効です。そしてその予測に基づき避難や減災対策(補強や、モノの移動)を行い、被害を最小限に食い止めることができます。

第2部 パネルディスカッション

第2部のパネルディスカッションでは、参加者の皆様から事前にいただいた質問にへの回答を中心に、参加者の皆様の事例やご意見もいただきながら進行いたしました。
本レポートでは、その内容を一部ご紹介いたします。

1.BCPの実効性について

BCPを策定された企業の多くが、「このBCP、作ってはみたものの本当に災害が発生したら動けるものなのだろうか?」というお悩みをお持ちです。

そんなお悩みを解決するためには訓練が有効です。

「一口に「訓練」といっても、その内容は「演習(Exercise)」と「訓練(Drill)」の2つに分けられます。

この場合の「訓練(Drill)」とは、所定の業務や手順を正しく、より確実に(またはより速く)実行できるようになるのが主な目的です。一般的な避難訓練などがこれにあたります。これに対して「演習(Exercise)」とは、計画やマニュアルの内容を含む、インシデントへの備えが妥当かどうかを確認・検証するのが主な目的です。災害対策本部の立ち上げ訓練など、さまざまな図上訓練などがこれにあたります。

演習の中でも、ワークショップを通して頭を悩ませ、課題を見つけることも大切です。『クロスロード』というワークショップでは、災害時に発生する「ジレンマ」を題材とし、「Yes」「No」の判断をしてもらうことで、災害対策本部要員のイマジネーション能力を高めるとともに、BCPの見直しにつなげていきます。

また、BCPの訓練を行うときには、できるだけ最悪の事態を想定し、過酷なシナリオを準備することで、BCPの問題点を見つけ、BCPの改善に役立ちます。失敗を恐れ、簡単なシナリオで100点の訓練を行うよりも、過酷なシナリオの下で多くの課題を見つける訓練の方が「良い訓練」といえるでしょう。

その他にも、「BCM簡易診断サービス」でも「予測」「予防」「対応」「事業継続」BCP/BCMの取り組みに関する診断が可能です。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

2.その他のディスカッションテーマ

  • 災害時の給与支払いについて
  • BCPの周知について
  • 水害時の対応
  • 重要業務の洗い出し
  • 地政学とBCP

など

お客様の声/さいごに

90分の時間をとっていたパネルディスカッションはあっという間に終了し、「時間が短かった」とのお声をいただきました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、参加者同士のディスカッションが十分にできないという課題もございましたが、終了後のアンケートにおいては「役立ち感(業務に生かせるか)」について、回答者のすべての方に「とても満足」または「満足」とのご回答をいただきました。

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