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【イベントレポート】VUCA時代における、IPO準備(DX、労務管理、反社排除)注目ポイント

2023.02.16
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2022年12月6日に、株式会社チームスピリットとの共催セミナー「VUCA時代における、IPO準備(DX、労務管理、反社排除)注目ポイント」を開催いたしました。当社講演部分では、IPO準備会社が整備すべき反社排除の内部統制あるべき姿を解説したほか、「労務コンプライアンス」の重要性についても解説しました。

※「VUCA」とは、社会やビジネスにおいて将来の予測が困難になっている状態を示す造語で、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの語から成ります。

プログラム

単なる「デジタル化」で終わらせない、 組織改善につながる「真のDX」とは(14:00~14:30)

講師:荻島 将平(株式会社チームスピリット 戦略企画室 マネージャー エバンジェリスト)

IPO準備会社が知っておきたい反社会的勢力排除体制~
取引先チェック効率化の社内反社排除の実務~(14:30~15:00)

講師:芳賀 恒人(当社 取締役副社長 首席研究員)
1.反社会的勢力とは?
2.反社会的勢力を巡る最新の動向
3.反社リスク対策の勘所
4.反社チェックのポイント
5.まとめ

労務コンプライアンスの必要性
~「守り」だけではなく「攻め」も重要!~(15:00~15:30)

講師:安藤 未生(当社 総合研究部 上級研究員)
1.IPOが頓挫しかねないケース
2.守り(法令遵守・訴訟対策)の視点でのポイント
3.攻め(企業価値向上・競争優位性の獲得)の視点でのポイント
4.「労務コンプライアンス」とは

※本レポートでは、当社講演分についてレポートいたします。

IPO準備会社が知っておきたい反社会的勢力排除体制

反社会的勢力とは?~時代とともに姿かたちは変わっている!~

IPOにおいて大変重要な取り組み課題のひとつである「反社会的勢力対応(反社リスク対策)」ですが、そもそも「反社会的勢力」とは何でしょうか。注意しなければならないのは、反社会的勢力は時代とともに姿かたちがかわるという点です。暴力団対策法などによって「暴力団員」の数は一見減少していますが、準暴力団(半グレ集団)など、様々な形態で「反社会的勢力」は存在しています。企業の反社会的勢力対応においては、暴力団等と何らかの関係が疑われ、最終的には「関係を持つべきでない相手」として、企業が個別に見極め、排除していく必要があるのです。

反社リスク対策の実態~反社リスク対策に関する実態調査(2021年)から~

当社が2021年に実施した「反社会的勢力対応の実態調査(2021年)」において、「反社リスク対策の実効性は、全体的に反社会的勢力の不透明化や手口の巧妙化の実態に対峙できるレベルにない」ことが浮き彫りになりました。反社会的勢力は潜在化しているにもかかわらず、日頃、企業のチェックは社名や代表者名のチェックにとどまり、問題が発見されない結果、反社リスクが軽んじられてしまう負の連鎖が生じています。反社リスク対策は、形式的なものではなく、実効性を持った取り組みが求められます。

反社に強い会社になる!~コンプライアンスのど真ん中で対応する~

反社の範囲は広がっており、その見極めや対応にあたっては世の中の目線を意識する必要があります。反社リスク対策の取り組みの肝は、コンプライアンスと内部統制をしっかりとすることです。これが、反社会的勢力に対してガードの固さを見せることとなります。こうした会社になるためには社内の仕組みを整えること、経営トップが社内にメッセージを発すること、そして第一線の担当者が高い意識を持ち、リスクセンスを磨いていく取り組みが必要です。

労務コンプライアンスの必要性

IPOの「守り」の視点=法令遵守のポイント~簿外債務は早急に洗い出す!

IPOでは、簿外債務を早急に洗い出すことが重要です。簿外債務とは、会計帳簿、貸借対照表に計上されていない債務のことです。その中に偶発債務が含まれますが、これは、現時点においては債務にはなっていないものの、将来、一定の条件が揃った場合に債務となる可能性があるものです。具体的には、訴訟で敗訴した場合の賠償金などが該当します。簿外債務があると、正しい企業価値の計算ができません。特に、サービス残業等による未払賃金のように、損益計算書にも直接影響が出るものがあると、IPOでは致命的となってしまいます。

IPOの「攻め」の視点=企業価値向上のポイント~人件費(コスト)から人的資本(アセット)へ!

IPOでは人事に関する方針を明確化することが必須になってきます。そして、2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等において、人的資本についての開示をすることになります。この人的資本の開示について、重要な資料を2つご紹介します。

  • 人的資本可視化指針」(内閣官房)
    ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標という4つの要素に沿った開示を求めていて、開示事項を独自性と比較可能性の2類型に分けて、それぞれに応じた個別事項の具体的内容の検討を行うことを求めています。

「労務コンプライアンス」とは?~社会からの要請にも応える「攻め」の取り組みで選ばれる企業へ~

当社が考える「労務コンプライアンス」とは、法律の義務を守るだけでなくモラル等も遵守し、法律の努力義務や国の推奨事項についても真摯に対応し、さらに社会からの要請に広く応えるための攻めの取組みを通じて、選ばれる企業を目指すというものです。

ここまで踏み込むことで、企業価値の向上や豊富な人材の獲得につながると考えています。

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