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内部通報制度簡易診断とは
内部通報制度は、組織の自浄作用の向上やコンプライアンス経営の推進に寄与し、企業価値の向上にもつながる制度です。
内部通報制度簡易診断は約40問の質問項目に基づき、内部通報制度の整備状況について、「企業姿勢」「規定面」「運用面」の視点から実効性を総合評価し、改善策についてアドバイスします。
実施要領
診断形式:当社独自作成のチェックリストを用いたヒアリング形式
所要時間:1時間30分から2時間程度
診断から報告までの期間:2週間程度
診断結果:項目ごとの整備レベルおよび評価を「診断結果報告書」にてレポートします。
貴社の取り組み状況をわかりやすく数値化するとともに、当社が独自に設定した
「あるべき姿」に対する達成度(A~Eの5段階で評価)とともにご報告いたします。
事例1:内部通報制度の運用に行き詰まりを感じていたA社
①内部通報制度簡易診断を受けた経緯
A社では社内に内部通報窓口は設置したものの、通報件数は0件のまま推移。A社の担当者様は「通報件数0件だから社内に問題はないと判断してよいのか」と疑問に思いながらも有効な手立てを打てずにいました。
ある日、地域合同労働組合から突然A社に団体交渉の申し入れがありました。A社の社員が「会社から違法な配転命令を受けた」と地域合同労働組合に相談したことが発端でした。
A社の内部通報窓口が機能していれば、今回のように突然社外との対応に迫られる前に、会社として何らかの対処ができた可能性があるため、当社の内部通報制度簡易診断を受けることになりました。
② 診断結果
総合評価はⅮ評価(5段階のうち下から2番目)で、形式的かつ限定的にしか整備されていない状況であり、現行制度の見直しと再周知からはじめる必要があるという診断結果でした。
評価のポイント
- 内部通報制度に特化した規程が整備されていませんでした。コンプライアンス規程や就業規則に内部通報窓口に関する定めはありましたが、内容は十分ではありませんでした。
- 窓口を設置した際と入社時の研修以外に社内周知が行われていないため、時間の経過とともに社員が窓口の存在や利用方法などを忘れている可能性がありました。
- 対応が属人的になっており、担当者が交代すると対応に差が出てしまう懸念がありました。
- 通報者の保護対策について、規程で明文化されていないため、社員に「安心して窓口を利用できない」と感じさせていた可能性があります。
報告書(サンプル)
※赤字がA社の結果(総合評価:D評価)、青字は他社(総合評価:A評価)
③ 改善に向けて
- 内部通報制度の規程の整備・通報者の保護対策の明文化については、当社からサンプルをご提供するとともに、消費者庁のガイドラインの今後の改正動向なども情報提供いたしました。
- 社内周知については、当社から周知ツールのサンプルをご提供いたしました。
- 対応が属人的になっている点については、追加業務(有償)としてマニュアルの作成や研修の開催について当社がお手伝いをさせていただきました。
事例2:内部通報制度認証(WCMS)の取得を目指すB社
① 内部通報制度簡易診断を受けた経緯
株式市場の市場区分の見直しに伴い、「プライム市場」を選択することを予定しているB社では、コーポレートガバナンスの強化のため、内部通報制度認証(WCMS)を取得し、市場選択を有利に進めたいと考えていました。
そこで、B社の内部通報制度が内部通報制度認証(WCMS)の基準を満たしているかを確認するため、当社の内部通報制度簡易診断を受けることになりました。
② 診断結果
総合評価はA評価(5段階のうち最高評価)で、全体的には通報への対応体制を含め、内部通報制度がおおむね問題なく機能している状況でしたが、「企業姿勢」はD評価(5段階のうち下から2番目)でした。
評価のポイント
- 経営トップから内部通報制度に関するメッセージが発信されていませんでした。経営トップによるメッセージの発信は、内部通報制度認証(WCMS)を取得するための必須事項です。ここで言うメッセージの内容は、コンプライアンス全般についてのみならず、内部通報制度に特化したものを指します。
- その他は概ね問題なく運用されているようですが、内部通報制度認証(WCMS)を取得するためには、調査実施における秘密保持の徹底についての具体的な取り組みも必須条件ですので、情報共有の範囲を明確化することも求められます。
- さらに、内部通報制度認証(WCMS)を取得するためには、案件終了後のフォローアップ(報復行為が行われていないか、再発防止が機能していないかの確認など)も重視されます。
報告書(サンプル)
※赤字がA社の結果(総合評価:D評価)、青字は他社(総合評価:A評価)
③ 内部通報制度認証(WCMS)の取得に向けて
これまで内部通報制度認証(WCMS)を取得してきた企業が審査の過程で補正を受けることが多い項目について、当社からアドバイスをいたしました。
また、審査に必要な書類をB社のご担当者様が準備され、その内容確認ついて追加で当社にご依頼があり、お手伝いをいたしました。
最後に
内部通報制度は、自社の状況に応じて適宜ブラッシュアップを行い、従業員にとって使いやすく、組織の自浄作用が発揮できるように構築していくことが求められます。
また、上場企業においては厳格にコンプライアンス経営が求められ、内部通報制度の構築もその中に含まれています。株式市場の市場区分の見直しに伴い、「プライム市場」の基準はさらに厳しいものになるという見通しがあります。
皆さん、ぜひこれを機に一度、当社の内部通報制度簡易診断を受けてみませんか?
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