暴排トピックス

取締役副社長 首席研究員 芳賀恒人

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1.暴力団排除条例(以下「暴排条例」)Q&A

昨年10月までに全国で暴排条例が施行されましたが、ここでは、暴排条例に関して皆さまからよく聞かれる質問に解説していきたいと思います。
暴排条例は、地域により細かな違いはあるものの、それらの差異に囚われることなく、暴排条例制定の主旨に照らして、企業としてどのように理解しておくべきかの観点でのお話となります(ただし、ここに示す見解は筆者の私見によるものであることをあらかじめお断りしておきます)。

Q1取引先の経営者の親族がグレーの可能性があります。取引を即時中止すると事業に大きな影響を与えるおそれがあるため、様子見をしていますが問題ないでしょうか。

A1仮に「経営者の親族」が暴力団員等であるとしても、その事実だけで当該企業との関係を即解消すべきということではないと思われます(ただし、そのような風評が根強く自社のレピュテーション上に問題が生じるような場合、そのことを理由としない形で関係解消が求められることはあり得るでしょう)。

一方で、「経営者の親族」が暴力団員等に該当し、当該企業の経営に重大な影響を及ぼしているのであれば、当該企業とは速やかに関係を解消すべきだと言えます(具体的には、全銀協の取引約定書等に規定されている「共生者」の5類型のうち「暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること」に該当するとみなされる可能性があります)。

さらに、関係を解消すべき場面においても、政府指針(平成19年6月)の解説では、状況に応じて、①直ちに契約等を解消する、②契約等の解消に向けた措置を講じる、③関心を持って継続的に相手を監視する(=将来における契約等の解消に備える)という対応があり得るとされています。

そのうえで、暴力団員等に該当すると自社で判断したのであれば、関係を解消するという企業姿勢を速やかに明確にすること(しておくこと)、その後の対応・検討の記録を詳細に残しておくことが、万が一の際の説明責任や関係解消のためにまずは必要なアクションだと言えます。

警察からの情報により確証が得られた場合はもちろんのこと、疑わしいことを認識しながら徒らに関係を継続すること自体、暴排条例の主旨に反し、後日、利益供与違反とされる可能性が否定できないことをふまえれば、企業としては、企業姿勢としての「取引可否判断」を速やかに行いつつ、具体的な手法やタイミングについては、慎重に慎重を重ね、いつでも関係を解消できるよう常に注意を払いながら取り組み続けるべきだと言えるでしょう。

Q2製品を販売した後に、販売先が暴力団員等であったことが判明した場合、メーカー保証に基づいたアフターサービスの提供は助長取引に当たりますか。修理を行わなかったことで安全性に問題が生じ、第三者に損害を与えるリスクもあります。

A2例えば、暴力団関係企業に対して、その事業に用いる機械設備を納入した事例を想定すると、その機械設備のメーカー保証に基づいたアフターサービスの提供も、厳密に言えば利益供与に該当する可能性があると考えられます。

もっとも、相手が暴力団関係企業であると知らずに行った契約に定められた義務の履行であり、かつ、そのアフターサービスの提供をしないことで安全性に問題が発生し、第三者に危害が及ぶ可能性があるといった状況では、「やむを得ない」場合と認められると考えられるでしょうし、悪質であるとか意図的であるとは言えない、このような微妙な事例まで警察が勧告するとは考えにくいように思われますし、現実的な対応としては、そのような状況を警察に相談しておく方が、第三者からの通報などにより突然指摘や指導を受けるリスクを軽減することにもなると言えるでしょう。

ただし、現時点で相手が暴力団関係企業であると「知って」いる以上、レピュテーション・リスクの観点からも、その対応には常に細心の注意を払わなければならず、契約の更新については拒絶することが求められます(漫然と契約を更新すると利益供与違反とされる可能性があることに注意が必要です)。

2.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴対法」)の改正

先日、暴対法の改正案が国会で成立しました。

そもそも同法は、暴力団等の行為を規制するための法律ですが、今回の改定においては、事業者との関係で言えば、禁止行為である「暴力的要求行為」に新たに「金融・不動産などの事業者への不当な要求」が追加される、地域住民等の代わりに都道府県暴力追放運動推進センターによる事務所使用差止請求が新たに認められる、といった点が特筆されます。また、事業者に「暴力団に利益を与えることのないよう努める」として、暴力団排除を事業者の(努力)義務と明確化した点は、暴排条例の主旨を法令化したという意味でも注意が必要となります。

なお、具体的には、以下のような内容が挙げられていますので、あわせてご確認ください。

  • 対立抗争を行っている組織を、新たに「特定抗争指定暴力団」と指定して罰則を強化する(違反すれば中止命令を出すことなく摘発できる)
  • 危険な手段で市民に危害を加える組織を「特定危険指定暴力団」と指定して罰則を強化する
  • 「暴力的要求行為」への金融・不動産などの事業者への不当な要求の追加
  • 事業者側にも暴力団に利益を与えることのないよう「努力義務」を明記
  • 組事務所使用差し止め請求の暴追センターの代行を認める

▼警察庁:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の概要

3.生活保護と暴力団

さいたま市が生活保護の支給状況を調べたところ、過去5年間に暴力団員10人が受給しており、うち4人は既に脱退するなどしていることから支給を続けているということが報道されています。

これまでは、福祉事務所のケースワーカーが相手の言動や態度から「疑わしい」と判断したり、県警からの通報があった場合などに限り、暴力団員かどうか確認してたということですが、今年3月に出された厚生労働省の通知で、暴力団員は生活保護費が資金源になる恐れがあることから支給の対象外とされたこともあり、同市では生活保護の申請者全員に暴力団員でないことを確認する方針を明らかにしています。

これまでも暴力団員による生活保護の不正受給の問題は数多く露呈しており、暴力団の資金源となっていた可能性が指摘されていますが、一方で、元暴力団組員の生活保護却下取り消しを求める裁判も続いています。

【注】第一審においては、宮崎地裁が男性の主張が認められ、「組に脱退届を出すなどしており、組員とは認められない。さらに最低限度の生活を維持できない状態だった。」として、男性からの生活保護の受給申請を却下した宮崎市の処分を取り消して「警察情報に頼ることなく、関係者等への確認調査を行うべき」と指摘するなど宮崎市には厳しいものでした。その後の控訴審判決では、組事務所に男性のネームプレートが保管されていたことや、男性が高利貸しによる返済金を受け取っていたことなどから「暴力団組織や関係者と強く結びついていたと言える」「最低限度の生活は維持できていた」として、宮崎市の対応を適法と認めています。

翻って、企業における反社会的勢力の見極め調査(反社チェック)においても、東京都暴排条例における事業者の努力義務(第18条)を持ち出すまでもなく、

  • 「疑わしい」兆候を収集し確認する(疑わしい場合は確認する)こと
  • 契約時における暴力団排除条項(暴排条項)等を整備し、実際に締結しておくこと

が必須レベルとなっていますが、本事例でも登場する厚生労働省の通達やさいたま市の対応においては、「申請者全員について事前に暴力団員かどうかを確認する」レベルが求められていることをふまえれば、企業においても、単に「疑わしい点がある」からチェックするという受動的な対応ではなく、入口(新規)時点で能動的にチェックする(見つけにいく)体制の強化に取り組む必要があると言えるでしょう。

4.英大手銀行がマネー・ローンダリングへの関与を認める

英大手銀行のメキシコ子会社は、顧客口座が麻薬カルテルやその他の非合法資金の資金洗浄に使われている疑惑があったにもかかわらず、同行傘下の米銀を通じて何十億ドルもの資金を送金、規制当局や同行の内部コンプライアンス専門家の長年にわたる度重なる警告にもかかわらず、同行幹部は疑惑口座を閉鎖せず、利益追求に走っていたとのことです。

さらには、同行が関与したマネー・ローダリングのスキームのひとつとして、日本の某地銀が、トラベラーズチェックの決済を通じて、ロシア人の中古車ビジネスに絡む犯罪に関係していたと米上院小委員会の報告書において指摘されており、それに対する反論として、同行内調査委員会による報告書も公表されています。

▼北陸銀行:「米国上院議会常設調査小委員会の報告書における香港上海銀行(HSBC)

同行は、取引相手はロシアではなく日本国内の中古車販売業者で、同エリアの商慣行に基づく取引にトラベラーズチェックが使用されていたこと、したがって、相応の監視体制に基づく業務を行っていること、実際に財務省の資産凍結対象者リストと照合した結果問題がなかったこと、ヒアリング等からも不自然な取引は見つからなかったことなどから、全く問題がない旨を報告しています。

ここでは、その真偽についてお話することはしませんが、注意しなければならないのは、例え、自らの取引が適正であると主張しても、その取引先が、実際にマネー・ローダリングに関与していたり、それと疑わしい商取引を行っていた場合など、あるいは、不当な利得を得ている「真の受益者」に対する一連の資金の流れの中に自らも位置している場合には、結果的に「マネー・ローンダリング・スキーム」に関与しているとみなされる可能性があるということであり、同行においてもそれは例外ではありません。

上記報告書では「日本の法律に基づいて」とか、「外為法に基づく財務省のリスト」によるスクリーニングといった記述がみられますが、疑念の払拭にグローバルな視点が求められる状況であることをふまえ、グローバルな制裁リスト・資産凍結者リスト等によるスクリーニングの実施や、トラベラーズチェックの当初所持人のみならず関係法人の利害関係者等に範囲を拡大したスクリーニングの実施といったより深度のある調査を行う必要があると言えるかもしれません。

本事例でも言えると思いますが、マネー・ローンダリングへの関与が疑われることは、国際的には致命的なダメージを受けることになり、金融機関のみならず一般の事業者においても、今後、自らのサプライチェーン等の中で関係のある一連の取引先の健全性についても厳格に確認していくことが求められるとの認識が必要です。

5.暴力団対策と警察の不祥事

大変残念なことに、暴力団対策を先導すべき警察と暴力団との癒着という不祥事が相次いで露呈しています。

例えば、福岡県警の警部補らが、暴力団員に捜査情報を漏えいする見返りに現金を受け取っていたというもの。当該警部補は、贈賄容疑で逮捕された男2人について「暴力団に関係しているという認識はあった」と供述、両容疑者は、暴力団の構成員や準構成員ではないが、暴力団の関係先に出入りするなど暴力団と接点があると報道されています。

また、上記とは別に、福岡県警が今年、指定暴力団工藤会の関係先を捜索した際、捜査手法に関する県警内部文書が見つかっていたことも報道されています。

「警察対暴力団」から「市民対暴力団」へと暴力団排除のパラダイムシフトが進む中、警察における暴力団対策・暴力団捜査の現場にも意識の変革や慣行・慣例の抜本的な見直しが求められていることは言うまでもなく、企業においても、全ての役職員の意識を変えていくことの困難さ、社会の目の厳格化の流れに適応できず現場に潜むリスクが急に顕在化する(従来はあまり取り上げられなかった問題の表面化)といったリスクを認識するための「他山の石」としていくべきではないでしょうか。

6.「入れ墨で通学拒否は差別」として専門学校を提訴

入れ墨を理由に通学を拒まれたのは人格権の侵害だとして、大阪市の男性が、除籍になった専門学校に慰謝料など計約230万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが報道されています。

学校側は「風紀を乱すもので、通学を拒むのは適法だ」として争う構えであり、男性側は「服を着ていれば他人の目には触れず、就学拒否は差別だ」と主張しているようです。さらに、学校側は、「授業で(施術時の体を観察するため)裸になる必要があり、入れ墨での出席は許されない」とも。

ご存知の通り、入れ墨を施す行為については、厚生労働省より、「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日医政医発第105号厚生労働省通知)」という通達が出ており、「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」については、「医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること」が明記されており、入れ墨を入れる行為が犯罪を助長する可能性もあると言えます。また、入れ墨を原因とする感染症についても問題視されています。

一方、神戸市では、昨年「須磨海岸を守り育てる条例」を施行し、第7条(行為の禁止)において、「他の者に不安を覚えさせ,他の者を畏怖させ,他の者を困惑させ,又は他の者に嫌悪を覚えさせることにより,当該他の者の海岸の利用を妨げること」の中に「入れ墨その他これに類する外観を有するものを公然と公衆の目に触れさせること。」として、そのような行為を禁止しています。

さらに、入れ墨と暴力団等との相関関係の高さを考慮すれば、とりわけ施設運営事業者には、治安の維持のために水際での排除に向けた取組みも十分理解できるところであり、ファッション的なものも含めた「入れ墨の禁止(排除)」には、施設管理権や契約自由の原則といった相当の根拠があると言えます。

本事案において、暴力団排除の観点が存在するか否かは不明ではありますが、それとは別次元で「入れ墨排除」の根拠が存在するということもあり、今後の裁判の行方に注目していきたいと思います。

7.福岡県暴排条例組員入店禁止の標章交付

福岡県警は、改正した福岡県暴力団排除条例に基づき、暴力団組員の立ち入りを禁止する店(福岡市の中洲など特定地域に所在する飲食店等が対象)に掲示するための標章の交付を行っています。

標章は、福岡県公安委員会が発行する「暴力団員立入禁止」と書かれたB5判のアルミ複合板で、無料で配布され、当該標章を入り口に掲示する店に組員が入ったり、標章を破損させたりすれば警察側から中止命令が出され、従わないと50万円以下の罰金が科されることが福岡県暴排条例第14条に新たに明記され、この8月からの施行となっています。

そして、最近の報道によれば、既に78%の店からの申込みを受領したとされていますが、残念なことに(特に暴力団抗争が激しい)北九州地区だけは、他地区より低い割合となっている現状があり、「入店を拒みやすくなる」との声が聞かれる一方で、「報復されるのでは」との懸念の声も聞かれるとのことで、一筋縄ではいかない暴力団対策の難しさが垣間見えます。

ただし、全国でも初の取組みであり、法律ではなく条例であることのメリット(地域の特性や事態の深刻度合いに応じて、柔軟な取組みを推進できるよう条例となっている)を最大限に活かした施策であると評価できますし、みかじめ料の撲滅(資金源を断つ)といった効果が期待されることから、他の自治体においても同様の取組みが推進されることを期待したいと思います。

8.ゴルフ詐欺

暴力団員であることを隠してゴルフを行う「ゴルフ詐欺」を取り締まる動きが顕著となっており、7月には、「直参」と呼ばれる山口組の直系組長6人を一斉に逮捕する事案もありました。

しかしながら、「ゴルフ詐欺」をめぐる詐欺罪の成立は司法判断が割れているのが現状であり、この4月には、暴力団関係者の利用を禁止している長野県内のゴルフ場で、組員だということを隠してプレーしたなどとして詐欺罪に問われた山口組系暴力団幹部に対する裁判(名古屋地裁)で無罪が言い渡された一方、共犯とされる元風俗店経営者には同じ罪状で有罪が言い渡されています。

【注】ゴルフ場の会員である元経営者は暴力団関係者の利用禁止を知っていたとする半面、同伴した暴力団幹部がそこまで認識していたとは断定できないと判断されたものです。

その一方、同様の詐欺事件で、宮崎地裁は5月、「暴力団関係者の利用禁止を知っていた」との認定を前提にしたうえで「利用の申し込み自体が人を欺く行為」として、山口組系組員に有罪を言い渡しています。

暴力団排除を推進するゴルフ場側としては、「暴力団お断り」の姿勢の明確化と徹底した周知が求められていることは当然のこととして、法的対応の観点からも、施設内への掲示、利用申込み時に「暴力団関係者ではない」旨を自ら誓約する書面を提出させるといった具体的な対応まで求められていることを認識する必要があります。

9.暴排条例勧告事例

(1)大阪府

大阪府警察のホームページには、大阪府暴排条例の適用事例が10例紹介されています(以下は大阪府警HPからの引用となります)。

▼大阪府警察:「大阪府暴力団排除条例適用事例」

①月極駐車場の経営を営む事業者が、暴力団山口組傘下組織組事務所に隣接する駐車場の賃貸借契約を同組織組員と交わし、暴力団の活動を助長し、又は運営に資することとなる利益の供与をしたもの。(平成23年6月事業者、暴力団組長に指導書を交付)

②レンタカー会社営業所長は、暴力団山口組定例会等で使用することと知りながら、同組傘下組織組員とレンタカー(マイクロバス)の貸渡契約を交わし、ブロック長である暴力団山口組幹部組員に暴力団の活動を助長し、又は運営に資することとなる利益の供与をしたもの。(平成23年7月営業所長、山口組幹部組員に指導書を交付)

③駅前再開発に伴う解体工事を受注するため、暴力団山口組傘下組織組長に工事契約の仲介を依頼し、暴力団の威力を利用して解体工事を受注した見返りに、謝礼名目で現金を供与したもの。(平成23年8月解体業者、暴力団組長に勧告書を交付)

④酒屋を営む事業者が、暴力団山口組傘下組織組員が経営するヤミ券売場と知りながら同ヤミ券売場にビール樽を納品し、暴力団の活動を助長し、又は運営に資することとなる利益の供与をしたもの。(平成23年8月事業者に指導書を交付)

⑤山口組二次組織組長等は、暴力団排除条例で暴力団事務所の開設及び運営が禁止されている区域(学校等一定の施設の周囲200メートルの区域内)であるにもかかわらず、平成23年10月に組事務所を移転し、暴力団事務所を開設・運営したもの。(平成23年10月山口組二次組織組長、若頭、本部長を通常逮捕)

⑥衣類販売業者の社長は、暴力団山口組二次組織の組員が使用することを知りながら、山口組の代紋の刺繍を入れた通称戦闘服を作成、販売し、山口組二次組織組長に対し、暴力団の活動を助長し、又は運営に資することとなる利益の供与をしたもの。(平成23年10月事業者、山口組二次組織組長に指導書を交付)

⑦印刷業者は、暴力団山口組三次組織組長が発出する破門状等の印刷物を作成、販売し、同組本部長に対して、暴力団の活動を助長し、又は運営に資することとなる利益の供与をしたもの。(平成23年12月印刷業者、山口組二次組織本部長に指導書を交付)

⑧複写機レンタル業の代表者は、暴力団山口組二次組織組員が経営するヤミ券売場を知りながら、複写機をレンタルする契約を交わし、山口組二次組織特別相談役に、暴力団の活動を助長し、又は運営に資することとなる利益の供与をしたもの。(平成24年1月レンタル業者、山口組二次組織幹部に指導書を交付)

⑨コンビニエンスストアの経営者は、暴力団山口組傘下組織の活動を助長等することを知りながら、常態的に同組組員の車両を同店の駐車場に無償で駐車することを容認して、利益の供与をしたもの。(平成24年6月コンビニエンスストア経営者、山口組傘下組織組長に勧告書を交付)

⑩物品製造・販売会社は、暴力団の活動を助長等することを知りながら、暴力団山口組傘下組織幹部から、盆栽1鉢を市場価格を超える金額で購入し、相当の対償のない財産上の利益の供与をしたもの。(平成24年6月事業者、山口組傘下組織幹部に勧告書を交付)

(2)宮城県

宮城県警のHPには、平成23年の宮城県内における勧告事例が5つ紹介されています(以下は宮城県警HPからの引用となります)。

▼宮城県警:暴力団排除条例ページ

①風俗営業店の経営者が、暴力団員が客引きをした客を、無償で引き受けることにより、暴力団員から役務の供与を受けたもの

②武道指導者が、暴力団員に対し、毎月上納金を渡していたほか、無償で武道の指導をする方法により、暴力団員に対し利益の供与をしたもの

③ガソリンスタンド店長が、暴力団員の使用する乗用車を長時間無償で駐車させる方法により、暴力団員に利益の供与をしたもの

④飲食店経営者が、暴力団員に対し、その威力を利用する目的で、無償で飲食物の供与をしたもの

⑤飲食店経営者が、威力を利用する目的で暴力団員を雇用し、給与支払いの名目で暴力団員に現金を供与したもの)

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