HRリスクマネジメント トピックス
職場におけるトラブルは複合的。社内の様々な関係者の協力を得て、複数の視点で捉えなければ、解決が難しい問題も多々あります。でもやっぱり最後は「人」!HRリスクマネジメントが重要です。
職場のトラブルを減らしたい!もっと自然に力を発揮できる職場にしたい!と、エス・ピー・ネットワークに生息する動物たちは、今日もチャットで議論します。
みみずくさん:
SPNの森のお目付け役。愛らしいフォルムと裏腹に、猛禽類らしい鋭い目線で最新のリスクをチェック!さらに森の仲間たちの文章もチェック!夜行性?うーん、夜中に起き出して活動を始めるから、夜行性なのか早起きなのか…?
黒豹さん:
黒いのは、ゴルフや釣りなどアウトドアライフのせい? SPNの大阪の森や福岡の森を棲み処としていたこともあり生息域は広い。約20年前に内部通報窓口の受託運営サービス「リスクホットライン®」を立ち上げたのは実は…。
モモンガさん:
小さな皮膜で滑空する夜行性。特定社会保険労務士、産業カウンセラー、ファイナンシャルプランナー。そこそこ長い会社員経験をおなかの袋から取り出しながらSPNと会員企業様の森を飛び回ります。
リスちゃん:
森の中を駆け回り、皆さんのお困りごとに対応します。気が付けばこの森に来て6年が経ちました…。最近は森を飛び出し駆け回ることもしばしば。変わらずご相談にお答えしていきますよ。
ペルシャ猫さん:
ゆったりと過ごすことが好きな猫。ゆったりと過ごしたいが、過ごせなかった過去を持つ。社会保険労務士のほか財務会計の資格もあり、人事労務と財務会計分野の実務経験が長い。SPNの森では日増しに内部通報制度との縁が深くなっています。
ネコさん:
当相談室の留守番ネコ。猫なで声と鋭い爪をあわせ持ち、企業内での人事実務経験が豊富。保有資格は、社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント等。学生の頃は、自分が将来こんな仕事をするとは、想像もしていなかったニャー。
今月は、営業職のAさんからのご相談です。
この3月で、社会人生活も丸3年になります。営業の仕事にもそこそこ慣れましたし、お客様や上司、同僚にもまぁ恵まれており、今の会社に特別な不満はありません。ただ…最近、ちょっと「転職」に興味がわいてきてしまいました。
学生時代の友人が「やりたいことを見つけた!」といって転職し、今とてもイキイキしているんです。年始に久しぶりに会ったのですが、あんなにも仕事のことを楽しそうに話す姿を見たのは初めてで。「今、キャリアアップを実感している」と断言した友人の笑顔が、あまりにも輝いていて…うらやましいな、と思ってしまいました。
私には、仕事のことで、そこまで話したいと思えるようなエピソードもないし、情熱もありません。キャリアアップなんて、考えたことさえありませんでした。
もちろん、転職だけが全てではないとは、わかっています。でも、どうしたらあの友人のようにイキイキできるのかな、キャリアアップってどうしたらあんなに実感できるんだろう、って…そんなことばかり考えて、自分も何かしなければいけないんじゃないかと、正直、焦っているんです。
友人さんのお話は、Aさんにはかなり刺激的だったようだニャ。
転職によってイキイキしている人がいる一方で、「いよいよこれから!」のところで若手が辞めてしまうと嘆いている会社さんもたくさんあります。キャリアアップにもいろいろな道があるはずなのだけれど…。Aさん、SPNの森のみんなが一緒に考えるニャ!
〈隣の芝生は青く見える(?)〉
Aさんには隣の芝生がかなり青く見えているんですね。友人の状況が、自分のそれよりもかなり良く思えてしまっている…。 | |
とりあえず、「気持ちはわかるが、焦らなくていいよ」と言いたいですね。 | |
この森の、川の向こうの部署でも、最近若い人が辞めちゃったしなぁ。特にキャリアチェンジというわけではないそうで、また「同じような仕事」をするなら、別に辞めなくたっていいのにーって思った。ただ、「お給料が上がる」と言われるとツライ…。 | |
成功した人を見ると羨ましくなる気持ちはわかりますけどね…。私は「隣の芝生は青いもの」だと思って生きています。 | |
そのAさんの友人だって、見栄を張って良いことばかり言っているのかもしれないですしね。 | |
あるあるですよね! | |
転職したからには、「成功した」と自分自身も思い込みたいということもあるかもしれませんしね。 | |
うん。前の会社を「本当にやりたい仕事を見つけたんです!」とか言って辞めていたら…ありそう。 |
〈「やりたいことを見つけた」って、本当?〉
「やりたいことを見つけた」と言って辞める方、多い印象があります。 | |
私が前の森を辞めた時もそうだったような (||′д`)o=3=3ガハゲヘゴホガハ; | |
違う何かをやりたくなって辞めるのは、もうそれでいいと思うんです。でも、なんとなく辞めて、結局同じような仕事を探すのはちょっと…。で、見つけたという「やりたいこと」も、ふわっとしている人がいるのが気になります。 | |
Aさんはキャリアアップについて考えたこともないとのことなので、まずはご自身のキャリアについて考えを整理するのが第一歩ではないでしょうか。 | |
その通りだよね。キャリアアップというより、そこからがスタートではないかと。キャリアは自分の手で作り上げるものだと思うので。 | |
ほんと。整理してみたら、Aさんは、今の会社でもキャリアアップできるかもしれないよね。今の会社の良さに気付けていないだけということもあり得るし。先日ある大手ゲームメーカの人と転職の話になったのですが、その会社では、「やりたいことが見つかった」として一旦転職したものの、「戻りたい」と言って戻ってくる人が最近やたらと増えていると言っていました。 | |
「やりたいことを見つけたから」と言えば、咎められないと思っているんじゃないかな、と。 | |
表向きの理由でしかないということですよね? | |
うん。結局、今のところで「働き続けるのがイヤだな」と思うから辞めたいのだけれど、体よく辞めたいから、若い人なら「本当にやりたいことを見つけました!」とか言ってるんじゃないかと。上の年齢層の人が「親の介護のため」と言って辞めるのも、多くは「今の状態が続くのがイヤだったから」じゃないかと。「郷里に帰って親の面倒を見る」と言って辞めた人が、ずーっと会社の近くに住み続けていて、スーパーで同僚とばったり鉢合わせ、なんていう話もよく聞きますよ…。 |
〈「置かれた場所」でも咲けるんじゃないかな〉
中華の巨匠・脇屋シェフの自伝『厨房の哲学者』では、父親の思いつきで決まった中華料理店への就職から中国料理界の巨匠となった人生について綴られていて、「夢がなくても心配することはない。何かにがむしゃらに打ち込む間に、見えてくる夢というものは確かにある。実はそういう夢の方が多いのではないか。いや、そういう夢こそがほんとうの夢なのではないか」というメッセージがありました。 武者小路実篤の「この道より 我の生きる道なし この道を歩く」という言葉が脇屋シェフを奮起させたそうです。 |
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おぉ…。 | |
脇屋シェフにインタビューをしたテレビ局の社員も「自分は入社時に『ワイドショーをやりたくない』と上層部に訴えたが、ワイドショーの部署に配属された。今思うと、ワイドショーの経験をして本当に良かったと思っている。自分よりも上層部の方が見る目があったということだ。自分の希望よりも、誰かに強制的に決められた道の方が正しいこともある」と発言していました。 | |
置かれた場所で咲きなさい、ということだね。 | |
シスターの…渡辺和子さんの著書でもありましたね。 | |
選択肢のひとつとして転職があるのはわかりますが、あまり考えずに「転職ありき」で考えてしまうと見失うものも多い気がします。今の道でできることがあるのに、自分の可能性を見失ってしまったらもったいないですよね。 | |
ホントにそう思う! | |
転職は「流行り」なのか。そういう時代だと思いこまされている? | |
転職サービスが増えましたからね…。そういう会社の戦略に踊らされている可能性もありますね。 | |
TVのCMに踊らされている気はします。 | |
そうそう。最近「転職エージェント」のCMがやけに増えたと感じます。それだけニーズもあり、業界は繁盛しているんでしょうね。ただ、安易に転職を考えて失敗する人も増えている気がする。最近、応募書類の経歴で転職回数があまりにも多いがために書類選考で見送らせてもらうことが増えているのは間違いないです。 | |
そうですね。仰るように、キャリアの整理ができていなくて、転職ありきで考えてしまうと、次のところでも、「ここが違う」「これじゃない」となって…何度も転職を繰り返すことになりそうです。 | |
確かに。「現在、何に不満を持っているのか」「転職先に何を求めているのか」「自分はどのような働き方をしたいのか」「自分に何ができるのか」といった自己分析がちゃんとできていないと転職に失敗するように思います。 | |
採用する側のときは、辞める前に、従来の環境でどれだけジタバタしたかをしっかり聴いていました。やりたいことがあるなら、それに近付けるような勉強をしたり、異動の希望を出したり、提案したり、自分からお手伝いを申し出たり、できることはいろいろあるので。今とは全然違う職種に就きたいと言いつつ、その職種がどんな仕事をするのかもよくわかっていない、調べてもいない人だと、「このままでは転職は難しいだろうなぁ」と思います。 |
〈日本におけるキャリアの構築って…〉
結局、確固とした自分とか社会人やビジネスマンとしてのスキルを確立できない状態では、「自分はこうなりたい」とか「こうしたい」っていうのも根拠が薄くなるよね。 | |
日本の場合は学校教育も含めて入社後に職業教育をすることが大前提ですから、ある程度働かないことには始まらないんですよね…。逆に言うと、欧米では、ビジネススクール(MBAを取得できる教育機関)やグランゼコール(高度専門職業人を養成するためのフランス独自の高等教育機関)を卒業したエリートは、就職した瞬間からエグゼンプト(アメリカにおける自ら時間管理を行うことが適切な労働者)やカードル(フランスにおけるホワイトカラー上層部)と呼ばれる高給の管理職である一方で、普通の大学や高校等を卒業した若者はインターンシップ等で苦労してようやく就職しても、ずっとヒラ社員のままで、管理職の募集に応募して採用されない限りは管理職に自動的に昇進するということはないんですよね。欧米のように学生の段階でその後の将来が決まってしまう(管理職は最初から管理職、ヒラ社員は一生ヒラ社員)と、格差が広がるだけという問題はあります。実際に頑張って働いてみてから将来が決まっていく日本の方が、欧米より夢があるのかもしれないですね。 | |
欧米では、子供の頃から自分のキャリアについて考えることが、ある意味仕組み化されているのですね。日本でも、何度も転職して、そのたびにキャリアアップして成功している人はいますが、そういう人の言う「転職回数は気にすることはない!」という言葉を鵜呑みにするのは危険かな、と思います。そういう人は、明確に自身のキャリアプランや将来のビジョンがあって、戦略的に転職をしているものですし、転職するまでのストーリーにも説得力があるので、成功しているのだと思います。そういったキャリアのビジョンがないまま、あいまいに転職を繰り返してしまえば、転職理由に説得力もストーリーもないですから、「ただ仕事が続かない人」と採用側に映ってしまいますよね。続かない人を採用するのはリスクですから、採用側からは敬遠されてしまいますね。 | |
そうね。採用する時は、転職回数が多くて、特に1、2年で転職ばかりしている人は避けちゃうかなぁ。 | |
うーん。ネコも転職回数は多いので…。半年で辞めた会社が2社あって、そのときの退職理由としては、 その1:「クライエントの社長さんの懐さえ潤えばいい」という自社の社長の考えに反感しかなくて、会社のためにも、従業員のためにもなる仕事をしたかったから。(コンサル→一般企業の人事総務) その2:面接で聞いたよりも労働時間があまりにも長く、しかも遠くて、地元のスーパーの閉店時間より前に帰って来れなくなり、純粋に生活できなくなった。近くの会社で落ち着いて働きたかったから。(一般企業の人事→一般企業の人事) という感じで、すぐ辞めるにも、理由はあるんですよ。 それに、傍目にも明確に「キャリアアップ」と受け取れるような、上のポジションとか高待遇を目指すばかりでなく、興味を持った方向に「寄って行けたらいいな」という、関連分野への横異動もあると思うのね。キャリアチェンジというか…チェンジほどじゃなくても、今までの経験を活かして別の仕事を、みたいな。まずは横異動して、別の領域に挑戦するのも…うん、キャリアアップだよね。出世とか、お給料とかだけではないんですよ。 |
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以前は、キャリアアップといえば、社内でどこの部署でどういうポジションでバリバリやりたい!みたいなのがほとんどだったな。 | |
こういう希望が通らなくて、外に活路を見出すという人もいそうですね。 | |
もっと頑張りたい人が、「一般職にはそこまで求めない」などと言われて転職するケースも、昔は結構ありました。 | |
ゆるブラックとか、パープル企業とかいわれるように、労働時間やハラスメントを気にしすぎて、チャレンジングな仕事を若手に振れないという会社側の苦労もあったりしますね。 | |
それで転職を考えるというのは自然だと思うけど、明確なキャリアプランもスキルもないのに転職ってリスクだと思うんだよね。 | |
キャリアの「アップ」の方向は、自分で決めるものだと思うんです。方向性も決めずに動けば、何をもってキャリアアップというかもあいまいになります。 | |
何をもって「アップ」なのか…? | |
さっきも言ったように、出世だけがキャリアアップではありませんから。傍目にはわかりにくくても、自分が望んだ方向へ進めるならキャリアアップです。だから、「自分が何を望んだか」次第で、「アップ」の基準も変わります。 |
〈とりあえず「やってみる」ことも大事だよ?〉
どんでん返しみたいな話をして恐縮ですが「取りあえず飛び込んでみる」というのも1つの決断のような気もします。 | |
まさにリスクを取る。 | |
結局、やってみないと分からないことも多いですし…。 | |
そうね。新卒での入社先なんて、まさに「やってみなけりゃわからない!」で決めるしかないし。それも自分で決めた道! | |
確かに。最初の会社の影響は大きいよね。 | |
そうやって考えると「運」に左右されるのが現実なのかもしれないですね。 | |
本当にそうですね。正直私も、この森に来た当時は、3年後もこの森で働いているとは思っていませんでした…。 | |
えぇ…! | |
(笑) | |
私も、入社時に3年後にいるかな?と思っていた会社に、結局20年近くいました…。 | |
「3年後もこの森で働いているイメージができていなかった」という方が正確かもしれません。それでも6年経って今ここにいるわけですし、そういう意味でも、「やってみないとわからない」を実感しています。 |
〈スキルアップ、キャリアアップへの道〉
リスクを取っても、スキルの幅を広げるための転職ということもありますしね。 | |
スキルの「幅を広げる」のも、何をもって「広がった」と考えるか、という視点もあるよね。広く浅く、横にも広がるし、狭く深く、縦にも広がるし。 | |
私が前の森で教わったのは「労務の担当者は労務の知識だけを持っていても駄目だ」でした。結局、業界に関することや財務会計なども含めてあらゆる知識が必要になるんですよね。 | |
それわかるー。でも、勉強することは良いことだと思うけど、全く関係ない領域のスキルをぽつんと持つのは、活かしにくいよね。資格ビジネスみたいなのに乗せられて、「資格さえ取れれば道が開ける!」みたいに思い込むのは、ちょっとなぁ。 | |
勉強するといえば、もし自分が学生に戻れるなら、色々なアルバイト、ボランティア、インターン、海外に行ってみる、などの経験を沢山したいと思います。色んな種類のバイトをして、「仕事」の経験で学び、「労働の現場」での自分を知ることが大事だったな、と今にして思います。 | |
ネコは、アルバイトはいろいろやったよ…。巫女さんは、やりたかったけど機会がなくてできなかったのが心残り(笑) | |
学生の時のバイトは時給ありきで考えていたので、私ももっとちゃんと考えて色々やっておけばよかった…と今になって思います。 | |
僕は、直感で決めた進路だったんだけど、当時は終身雇用だと疑っていなかった。だから、社内でどういうルートで上がっていくかに関心があった。もちろん、希望通りいかないのが人事なので、それで色々視野が拡がった気がします。この仕事、この会社だけじゃないなと。 | |
私は大学時代に父方の祖母が癌に罹患したことがきっかけで、急遽、医療行政の方に進みましたが、今思うとそれも大事な縁だったんだなと思います。前の森があって今があるので、前の森に感謝をしています。 | |
本当にそのとおりですね。転職は考えたこともなかったけど、前の森で仕事を客観的に捉えられるようになったら、自然に視野が拡がった。 | |
キャリア教育って、とても重要なものなんだと思います。自分でどういう方向に行きたいのか、どんな働き方をしたいのかを、消去法じゃなく、探っていくみたいなタイミングは、成長の過程で何度か必要なんじゃないかな。ちょっと立ち止まって考えて、今の仕事が「進みたい方向」とぴったり一致していなかったとしても、今の仕事の中で少しでも興味を持てることを深めてみるとか、希望の分野につながるエッセンスを探すとか、そういう「意味付け」をすることが大事なんですよね。 | |
今でも強く思うけど、英語をちゃんとやっていたら、絶対違う世界にいたなと。キャリアプランを明確に持つって大事。でも、今の仕事(この仕事)は好きでやってる実感がある。 | |
英語は本当にそうですね…。仕事の幅が相当変わりますし、市場が爆発的に拡大します。 |
〈「やりがい」だけが全てじゃないよ!〉
またどんでん返しのようなことを言って申し訳ないですが、そもそも仕事にやりがいって必須なんですかね?取りあえず生活するために仕事をする人生だってアリのような気が…。仕事だけに生きているわけではないというか…。 | |
うーん。でも、イヤだなーと思う仕事でも、なぜだかエイヤー!で頑張れることってあるじゃないですか。そのパワーの源のうちの一つが「やりがい」なんじゃないかなと。だから「やりがい」じゃなくてもいいんだと思います。ペルシャさんの働きぶりを見ていると、他に何かあるんだろうなーという気がしますが。 | |
やりがいとか意味付けは、僕は大事だと思っている。東日本大震災で両親となかなか連絡がつかなかった時、自分に何ができるんだってすごく自問した。自分はリスクにきちんと向き合って、そこで得たものを社会に還元することしかできない、今できることを精一杯がんばってレベルアップしていこうって強く思ったところから、自分が変わった。転職してからなんだけどね。 | |
責任感とか、達成感とか、貢献したい気持ちとか、自分の爪痕を残したいとか、生きている意味がほしいとか、没頭できるとか。言葉はいろいろで、「やりがい」という言葉がしっくりくるとは限りませんよね。 | |
仕事そのものにやりがいを見出せなくても「仕事終わりにビールをしこたま飲むことが最高!」でも全然良いような気がしています。 | |
めっちゃいい! | |
わたし、まさにコレよ(笑)!!でも、SPの森は「やりがい」を見つけやすい森だと思うな。 | |
別の森に行ったクマ社労士さんは、終了した案件の資料を「済」のフォルダーに移すときの「よっしゃ!」が、エネルギー源だった…的なことを聞いたような気がします。 | |
それ聞いたことある。 | |
むしろ「やりがいがなければ駄目」みたいな価値観が、Aさんのような人に蔓延しているなら、そもそも他にももっと良いことがあるかもしれないと考えてみてほしいと思ったりします。 | |
そうねー。ほんとそう。「やりがい」なんて、パワーの源のほんの一部なのに。 | |
もちろん、色んな形があっていい。ビールもいいし。ひとかどの人間になりたいっていうのもあるし。 | |
好きなドラマを見るとかでもいいんじゃないかと(笑) | |
ドラマでも、ライブでも、「月曜から夜ふかし」でも。 | |
具体的な番組名が(笑)私は1月にMr.children、2月に(チケットを獲れれば)L’Arc-en-Ciel、3月はMISIAのライブに行きます( ̄― ̄)ニヤリ | |
そうですよね。ペットを養うため、推しを推すために収入を上げる!とかでも十分かと。なにかしらの「働く理由」に自分が納得できれば、それでもう十分だな、と思います。 | |
転職でしか変われない、やりがいを見出せない、成長できない、と思いこんでいるのかな、Aさんは。 | |
「やりがい」と言われると、なんとなく大層なものでなければいけないような気がしてしまうのも少しわかります。こういう風に視野を広げる機会が、Aさんにもあるとよいですね。 |
〈キャリア教育って、大事〉
キャリアって、もっと柔軟に考えていいのにね。やっぱりキャリア教育、大事! | |
キャリア教育ってやっぱり大学生のときまでにすべきだよな。最初の会社の影響力大きいし。 | |
そうですね。実際のところ、医療系や農業などしか実習を含めたキャリア教育がないですからね…。 | |
そもそも思い込みとか知識が不足している状態で、SNSとかで情報収集していると、どんどん「転職バイアス」が強化されていくんだろうな。 | |
だいたいSNSで投稿しているような人は、一部しか人に見せてないんですよね。実体験に勝る知識なしって感じがします。 | |
しかも、リサーチする側もどうしても成功した事例を選んで読むようになるはず。 | |
現実は失敗の方が多そうですよね…。 | |
失敗事例は、「自分はそうならない」と思いこむ材料になるし。 | |
失敗事例は、「何が何でも今の会社にしがみつきたい人」の目にはすぐ飛び込んでくるのでしょうけどね。「だから転職は絶対にできないんだ!」って、そういう思いを強化する。怖い世の中。結局、自分にとって好ましいものしか見えなくなる。 | |
確証バイアスだね。結局、「転職もありかも?」と中途半端な状態で情報収集すると、「転職はいいぞ」というフィルタ―バブルに閉じ込められることになる。そういう情報に踊らされている面もあるんだろうね。 | |
やっぱり、ちゃんとしたキャリア教育って大事だと思うなー。 | |
従来の日本式のキャリア教育だと、会社が「自社用のキャリア」を教育するので、そういう環境にいると「キャリアは会社が与えてくれるもの」という受け身体勢ができてしまうのではないかという気がします。最近は、「自律的なキャリア」という言葉や考えが叫ばれていますが、自分に腹落ちするのは、なかなか大変ですよね。本質的なキャリア教育とは何なのでしょうね? | |
自分が行きたい方向を自分で見つけて、自分で向かえるような力をつけるのがキャリア教育なんじゃないかな。だから、転職だけじゃない。自分でも気付かないうちに、今の仕事の中に「案外、悪くないぞ」とか、「実はけっこう好き」みたいなことを見つけていたりもするものだし。やりたいことがあるなら、まずは「社内でできないかな?」とも考えられるし。たまに自分の気持ちを見つめ直すことって大事。 | |
キャリア教育のことをしっかり学びたくなってきた。 | |
会社でもやっていいんですよ、キャリア研修。去年、ある会社さんからオーダーをいただいて、やりましたよ。 | |
自分が行きたい方向を自分で見つけて、自分で向かえるような力をつけさせるためには、例えばどういう方法があるの? | |
まずはキャリアとは、の知識を入れて、自己分析。で、世の中の仕組みを知りましょう。その上で、どんな戦略で自己実現していくか考えてみましょう。で、今何をすべきかなー?みたいな。 | |
Aさんには1~2年くらいのスパンで、転職先の情報収集と今の仕事の見極めをお勧めするというのはいかがでしょう? | |
そうですよね。今できることをしっかりやりながら視野を広げて、自らをステップアップしたうえでキャリアアップを目指す的な感じですかね。 |
〈道は一つではない!〉
キャリアって、1つの正解はないと思います。「思い切って決断して、取りあえず飛びこんで良かった」人もいれば、「誰かに強制的に決められた道で頑張っていたら花開いた」人もいますから。 | |
僕の今の専門は強制的に決められた道なんだけどね(笑) | |
私もそうです(笑) | |
ネコも、キャリアの選択・スタートの時点で、あまり選択肢がなかったからなぁ。お金があまりかからない領域からしか学校の進路は選べなかったし、就職氷河期だったし。進んだ先で、何とか生き残ることを考えていたら、今はこうなっているという。 | |
私の人生も成り行き任せですわ。 | |
私は大学3年の終わりに急遽、方向転換して2~3か月で国家公務員の試験を受けて、その間に祖母が癌に罹患して医療関係に行きたくなり、国家公務員の働き口の中に医療系の独立行政法人があるということを、官庁訪問(国家公務員試験の合格予定者が官庁に訪問して説明会に出席したり面接を受けたりすること)で初めて知った感じです。もう本当に偶然(笑) | |
「なりたい自分」って、そんなに限定的じゃなくていいはずなんだよね。安易な自己分析だと、変に偏った「こうじゃなきゃダメだ」に陥りがち。「一流企業に入って」とか「研究職じゃないと」「絶対にこの分野!」とか。「何に惹かれてそう思っているんだろう」を深く掘り下げてみると、いろいろな道が見えてくるのにね。 | |
転職を「環境」や「会社名」で安易に選ぶのも、今の時代はリスクが高いと思うので、それも書いておきますね。私はみみずくさんと同じで、終身雇用の風潮がまだあったので、大企業に入ってしまえば一生安泰かと思っていたのですが、ある時期から人事戦略として「黒字リストラ」をするようになり、5年ごとにリストラが行われて、明確な理由もなく、年齢の壁などで退職勧奨される人たちを見て、ここにこれ以上いても病むな…と思って転職を考えました。実際に、前の会社の方に会うとメンタルで休職してる、してた、嫌気がさして辞めた、という方が結構いて、悲しくなります。 |
〈「なりたい自分」って何?「なってしまった自分」でいいんじゃない?〉
置かれた場所でベストを尽くすうちに、世界が拡がり、目標も明確になっていった感じがする。「自らをステップアップして、キャリアアップを明確にしていく」ってことなんだよね。 | |
Aさんには、人を羨んでばかりいる人間にはなって欲しくないな。先日、役所広司さんがテレビのインタビューで「足るを知る」という話をしていましたが、私も昔、祖父によく「足るを知る!」と諭されました。「人を妬んだり羨んだりしなさんなよ」とも。お蔭で、日々幸せだと思いながら過ごせています(笑)でももっと欲を持ったほうが良かったのかしら…。 | |
役者の神様がそんなことをおっしゃっていたんですね。確かに、今の自分がいかに恵まれているかを自覚することも大事ですね。今のところ戦争中ではないんですよ、日本は!(極端?) | |
Aさんは、仕事にも慣れてきて不満もない状況ということなので、「なりたい自分」かどうかはわかりませんが、振り返れば上手くいっていることもそれなりにあるのではないでしょうか。 | |
「なりたい自分」ってなんでしょうね?高校生くらいまではぼんやりと絵の仕事をしたいとか思っていたりもしましたが、結局学生時代にあんなに好きだった絵も、就職してから全然描かなくなりましたし…。成り行きで形成された今の自分が嫌いなわけでもなく、特に後悔もないので、「なってしまった自分」でも良い気がしました。 | |
「なってしまった自分」。まさにそのとおりだ。 | |
人間なんて、なりたいようになるものですよ。結局、体の向きがこっちに向いていれば、とりあえずとことこ歩けば、自然と、今の「なってしまった自分」にたどり着くんです。 | |
おお。名言ですね。 | |
「なってしまった自分」に満足できたほうが幸せですよね。 | |
満足できるように、自分がなっているだけですよ。 | |
うむ。深いですね。 | |
全ては偶然じゃなくて必然、って… | |
急に陳腐な(笑) | |
「がむしゃら行進曲」でも言っていますし(笑)自分がどうしてこうなったのかを紐解くのが、まずは自己分析なんだと思います。 | |
こういう話って「(自分にふさわしくないという意味合いで)私にはどうしてこんな男ばっかり寄ってくるんだ」と嘆く人に対し、傍からみると「いや、お似合いだよ」というのと似てます?(笑) | |
(笑) | |
(爆笑) |
〈Aさん、焦らないで!〉
なかなか自己分析とか振り返るとか、難しい…。 | |
過去をふり返ってみたら、案外自分で大事なことを決めて、進んでいたりするんですよね。その「気持ちが動いた瞬間」みたいなのを聴いていくと、自己分析はどんどん深まるんですよね。 | |
キャリア教育の第一歩はなるほど、そこからですね。 | |
キャリアコンサルタントは、そのお手伝いをする人です。 | |
自己分析のために誰かに相談するのってどうなんですかね?当然、相談する相手の人選が重要ですが、客観的に見てもらうメリットはありつつ、相手の利害に左右されるデメリットもありますよね…。投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は人に勧められた投資で失敗した苦い経験から「相談して決めようと思う時、私は鏡を見るんだ」と言っているらしいですが。 | |
うん…キャリアコンサルタントって、転職支援の会社にけっこういるしね…。でもまぁ、本来のキャリアコンサルタントは、自分をふり返ったり、どんな道を望んでいるかを深掘りしたりするのをお手伝いするだけで、あーしろこーしろは言わないものなんですけどね。それより、占いみたいなので自己分析したつもりになる方が心配かな。 | |
良いキャリアコンサルタントがいたら話を聞いてみたいな。 | |
ニャン…一応、ネコもキャリアコンサルタントの国家資格持ってるんですけど…。 | |
おお、そうだった!今後その辺りの話しも聞かせてくだされ。 | |
Aさんもすぐに転職ではなく、一度落ち着いて、誰かに相談してほしいですね。 | |
1on1で、上司が相談にのれたらいいかも。 | |
上司に「辞めてほしくない」という意図があると、本当に本人のために相談に乗ってもらえない(本当は辞めた方が良いのに、辞めない方向に誘導しようとする)かもしれないですよ…。 | |
うーん、確かに、ただ「辞めさせないこと」を目指されると、ダメだね。でも、今の仕事の意義と、本人の行きたい方向の関連付けとかは、上司がヒントを出せそうなんだけどなー。 | |
Aさんの場合は、「なぜ焦ってしまうのか」を自分自身が気付くことも大事かなと思います。モヤモヤの原因と解決策を自分で自覚できるまでは、色々な人と話をしたり、社内も社外も観察したりしながら、キャリアプランを練ることに専念する、という事が大事なのではないでしょうか。 | |
少なくとも1年くらいは時間をかけた方が良い気がします。 | |
その間に、もう1度、今の仕事、会社でしっかりがんばってみるっていうのもやってほしいですね。視野が拡がるかも。 | |
私も前の森で入職3~4年目くらいに法人の全ての資金を管理する部署に異動になって「この仕事向いてないかも」と思ったことがあるんですが、結局もう1年我慢したら法人の中で一番資金面に強くなりました。決算係という部署の人たちよりも決算に詳しくなっちゃいましたし。1年様子みるだけでも全然違う気がします。 | |
1年あれば自らをステップアップすることができる。そこでもう一度、考えたら、もっといいキャリアプランを考えられるはず! |
「HRリスク」とは、職場における、「人」に関連するリスク全般のこと。組織の健全な運営や成長を阻害する全ての要因をさします。
職場のトラブル解決とHRリスクの低減に向けて、エス・ピー・ネットワークの動物たちは今日も行く!
※このコーナーで扱って欲しい「お悩み」を、随時募集しております。