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  • 孤独・孤立対策担当大臣から皆さまに向けて(内閣官房)/ギャンブル等依存症問題啓発週間(消費者庁)/ポストコロナ時代のデジタル活用(総務省)/プラットフォームサービス研究会(総務省)

危機管理トピックス

孤独・孤立対策担当大臣から皆さまに向けて(内閣官房)/ギャンブル等依存症問題啓発週間(消費者庁)/ポストコロナ時代のデジタル活用(総務省)/プラットフォームサービス研究会(総務省)

2021.05.17
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更新日:2021年5月17日 新着16記事

落ち込んでいる女性を慰める人

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

内閣官房
  • 「孤独・孤立対策担当大臣から皆さまに向けて」について掲載しました。
  • 新型コロナウイルス感染症対策
内閣府
  • 令和3年第6回経済財政諮問会議
  • 新型コロナウイルス感染症の影響下における中小企業の経営意識調査
消費者庁
  • 第29回消費者教育推進会議
  • 5/14~5/20はギャンブル等依存症問題啓発週間です。
国民生活センター
  • 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」の受付状況について(2)-「予約代行する」、「接種の説明に行く」など言われても、すぐには応じない!-
  • 【若者向け注意喚起シリーズ<No.1>】美容医療サービスのトラブル-「10万円」のつもりが「70万円」の契約!?即日施術は避けリスク等の確認を!-
  • やめられない!? 占いサイトに気を付けて
厚生労働省
  • 第12回 「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」資料
  • 外国人雇用対策の在り方に関する検討会(第4回)会議資料
  • 第6回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 資料
総務省
  • 「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会ワーキンググループ(第10回)
  • プラットフォームサービスに関する研究会(第27回)配布資料

~NEW~
首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第64回(令和3年5月14日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、報告日別では、ほぼ上げ止まりから横ばいで、直近の1週間では10万人あたり約31人となっている。発症日別でもほぼ上げ止まり。全国的な感染拡大という状況ではなく、地域差が大きく見られ、急速に増えているところと、定常状態から減少傾向にあるところが混在している。重症者数、死亡者数も増加が続いており、更に増加する可能性が高い。
    • 実効再生産数:全国的には、低下傾向で推移しており、直近(4/25時点)で0.99となっている。
    • 今後、緊急事態宣言の効果およびGWの影響が、新規症例数の増減として観察される。しかし、GW中は診療および検査数が減少し、診断や検査の報告も遅れることからGW明けの報告数が大きくなっていることも留意する必要がある。
  • 感染状況の分析【地域の動向等】 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。実効再生産数は、1週間平均の直近(4/25時点)の値
    1. 関西圏
      • 大阪、兵庫を中心に、医療提供体制や公衆衛生体制の非常に厳しい状況が継続。救急搬送の困難事例が継続し、一般医療を制限せざるを得ない危機的な状況が続いている。また、自宅および宿泊療養中の症状の悪化に対して迅速な対応が困難となっている。必要な医療を受けられる体制を守るためには、新規感染者数の減少を継続させることが必須。
      • 大阪、兵庫、京都、奈良では全年齢層で新規感染者数が高い水準であり、特に、20-30代が高くなっている。大阪では、まん延防止等重点措置(重点措置)の開始から5週間、緊急事態措置の開始からは2週間経過。先週今週比は直近の約1週間は1以下で推移し、新規感染者数も減少に転じているが、約68と非常に高い水準。
      • 大阪では、夜間滞留人口・昼間滞留人口が、1度目の緊急事態宣言時の最低値水準にまで急減したあと下げ止まり。大阪、兵庫、京都で実効再生産数は0.88、0.94、0.91となっており、今後新規感染者の減少が見込まれるが、減少が継続するか注視が必要。
      • 兵庫、京都、奈良、和歌山では、新規感染者数は減少傾向だが、約49、33、42、14と和歌山以外は依然として高水準。滋賀では再度増加の動きが見られ約25と高い水準ある。
      • 関西圏の周辺自治体も感染者数の動向に注視する必要がある。
    2. 首都圏(1都3県)
      • 東京では、重点措置の開始から1ヶ月、緊急事態措置の開始からは2週間経過、埼玉、千葉、神奈川では、重点措置の開始から3週間経過した。東京、埼玉では、新規感染者数が上げ止まっているとは判断できない。千葉、神奈川では上げ止まりから横ばい傾向。東京、埼玉、千葉、神奈川の新規感染者数は、約41、21、15、19。20-50代が多数を占めている。先週今週比は低下傾向で、GW後に概ね1以下。実効再生産数は1.10、1.01、1.09、1.02であり、横ばいから微増が続く可能性。
      • 東京では、感染は都心を中心に周辺にも広がりが継続。夜間滞留人口・昼間滞留人口は減少が継続し、2回目の宣言中最低値よりも25%低い水準に到達。直近では下げ止まりつつあるも顕著な増加には転じていない。
      • 埼玉、千葉、神奈川では、夜間滞留人口・昼間滞留人口ともに2回目の宣言中の最低値に到達したが、GW後半からGW後にかけて下げ止まり。千葉・神奈川では昼間滞留人口が増加に転じている。
      • 首都圏の今後の人流の推移と、人流の減少による新規感染者数へ影響を注視する必要。
    3. 中京圏
      • 愛知では、重点措置の開始から3週間経過、本日から緊急事態措置が開始。新規感染者数は増加が継続し、約40。先週今週比は3月下旬から約7週間1以上を継続。20-30代が中心だが、ほぼ全世代で新規感染者数が増加傾向。医療および保健所への負荷が増加し、医療提供体制が厳しい状況。名古屋市をみると飲食店、医療機関、介護施設、学校、スポーツ施設、デパート、外国人コミュニティなど多様なクラスターが発生。
      • 夜間滞留人口は継続して減少し、2回目の緊急事態宣言時の最低値を下回る水準にまで到達。一方、昼間滞留人口はGW後半から増加に転じている。実効再生産数は1以上が続いており、新規感染者数の増加が継続する可能性。
      • 5月9日から岐阜、三重に重点措置が適用されたが、岐阜では新規感染者数が急増しており、約38。発症日別でも増加が継続。先週今週比は4月上旬から約5週間1以上を継続。今後も増加が継続する可能性。三重では、4月末から新規感染者数は減少傾向。先週今週比も5月になり1以下で、新規感染者数は約16まで減少。
    4. 九州
      • 福岡では、本日から緊急事態措置が開始されたが、4月中旬以降、20-30代を中心として新規感染者数の急増が続いており、約57。先週今週比は4月上旬から5週間1以上を継続。重症者数も大きく増加。病床の占有率も急速に高まっており、医療提供体制への負荷が大きくなっている。
      • 夜間滞留人口・昼間滞留人口ともに減少するも、2回目の緊急事態宣言時の最低値水準には依然として届かず。実効再生産数は1以上が続いており、新規感染者数の急速な増加が続く可能性。
      • 九州各県でも、新規感染者数が大きく増加しており、九州全体に感染が拡大。特に、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎では、それぞれ約42、25、34、42、30と高水準。鹿児島では横ばいで約21となっている。長崎、宮崎、鹿児島では先週今週比も2週間1以上を継続。福岡を除く各県計の実効再生産数は、1.00であるが、報告日別の感染者数の動きをみると、今後も増加が継続する可能性がある。
    5. その他まん延防止等重点措置地域(北海道、沖縄、愛媛)
      • 北海道では、5月9日から重点措置が適用されたが、札幌市で若者を中心とする新規感染者数の増加が継続し、約47と高い水準。発症日別の感染者数も増加が続く可能性。札幌市は約86とより高い水準で、GW終盤から札幌から道内各地へ感染が拡大している状況。先週今週比は4月上旬から約5週間1以上を継続。実効再生産数は1.30と高い水準。また、札幌の医療提供体制は厳しい状況で、市外への広域搬送事例も見られている。GWに伴う人の移動や会合などの影響で札幌以外の報告も増加、今後も感染拡大が予想される。北海道全体の感染レベルを下げるための更なる取組が必要。
      • 沖縄では、重点措置の開始から1ヶ月経過。新規感染者数は、4月半ば以降減少傾向が続いていたが、再度増加の動きがみられ、約37と引き続き高水準。20-30代が中心だが、病床の逼迫が厳しい中で、入院者数の増加が危惧される。今後、GWに伴う観光客など人の移動の影響に注意が必要。
      • 愛媛では、まん延防止等重点措置の開始から2週間経過。4月下旬以降新規感染者数が減少傾向となり、約10まで減少。
    6. 上記以外の地域
      • その他の地域でも、感染者数が急速に増加する地域や継続的に増加が続いている地域がある。
      • 特に、岡山、広島では、新規感染者数が約47、32と非常に高く、先週今週比1以上が岡山では6週間、広島では4週間を超えており、関西や、愛知での上昇の際と同様の傾向が見られる。実効再生産数も1.27、1.48と高水準であり、今後も感染の拡大が続く可能性がある。比較的人口規模も大きく、周辺への影響も懸念され、感染のレベルを下げるための特段の取組が求められる。
      • 福島、群馬、石川、山口、香川では新規感染者数が15を超えており、特に、群馬、石川、香川では新規感染者数が約27、29、28と高い水準、実効再生産数が1.55、1.10、1.68となっている。群馬、香川では先週今週比1以上が2週間以上継続しており、医療提供体制への影響が危惧される。また、福島は会津地区で新規感染者数が急増し、同地区では50を超えている。
  • 変異株に関する分析
    • 英国で最初に検出された変異株(B1.1.7)の割合が、スクリーニング検査では、西日本では概ね7割を超える水準となっており、従来株からほぼ置き換わったと推定される。東京でも6割程度、北海道でも8割程度など他の地域でも置き換わりが進んでいる。また、感染研による民間検査機関でのスクリーニングの分析では、多くの地域で既に変異株へ置き換わっている。
    • 現段階では、年代特異的な感染拡大の傾向は見られておらず、小児の症例数が顕著に多いとは認められない。
    • B1.1.7は、非N501Y変異株に比べて特に40-64才の重症化リスクが高まっている所見があるが、更なる精査が必要である。
  • 必要な対策
    • 緊急事態宣言が延長されたが、これに伴う取組により、感染を着実に抑える必要がある。このため、緊急事態措置区域とされた地域及びまん延防止等重点措置区域とされた地域では、これらの措置の適用に当たって講ずべきとされた取組を着実に行うとともに、変異株(VOC)の感染性の高さも踏まえ、今後もタイムリーに対策を検討し、実施していくことが求められる。
    • 上記の他、岡山、広島、九州各県をはじめ新規感染者数が高い水準にあり、かつ急激に増加・継続している地域では、医療提供体制への負荷も既に大きくなりつつあり、必要な取組を速やかに実施・強化すべきである。
    • また、各自治体で取組を進めるに当たっては、公衆衛生および感染症の専門家の助言を対策に役立てる会議体などの仕組みを設け、早い段階からの取組や今後の見通しを踏まえた医療提供体制を確保するための連携体制の構築などを機動的に行うことが求められる。
    • クラスターの多様化がみられ、飲食店に限らず、職場、部活やサークル活動、カラオケなど様々な場所での感染が報告されている。職場での感染も目立ってきており、テレワークの活用等により出勤を抑制するとともに出勤した場合でも、食事など感染のリスクとなる場を避けるなど対策の強化が求められる。
    • マスクの着用等基本的な感染予防の重要さを発信することが必要。また、密閉、密集、密接の重なる三密の場面だけでなく、二つあるいは一つだけの要素でも感染のリスクがあり、そうした場面を避けるべきことについても改めて周知が必要。
    • B1.1.7への置き換わりが進む中で、地域ごとの感染状況や疫学情報についての評価・分析を踏まえつつ、新たな変異株への対応も強化するため、ウイルスゲノムサーベイランスによる実態把握に重点をおいて対応を行うことが必要。特に、新たにVOCと位置づけられた1.617(インドで最初に検出された変異株)については、ゲノムサーベイランスにより全国的な監視を行いつつ、L452R変異を検出するPCR検査を実施して監視体制を強化するとともに、積極的疫学調査等により、国内における感染拡大を可能な限り抑えていくことが必要。また、インド、パキスタン、ネパールに関する水際措置の強化が行われたが、今後も、国外での発生状況等も踏まえて、迅速に対応することが必要。
    • ワクチンについて、立証されている発症予防効果に加え、各国での実使用後になされた研究等から重症化予防効果、感染予防効果を示唆する報告がなされている。ワクチン接種が広く進み、こうした効果が発現されれば、重症者数、さらには感染自体が抑制されることも期待される。高齢者へのワクチン接種が始まっているが、国と自治体が連携して、可能な限り迅速・効率的に多くの人に接種を進めることが必要。

~NEW~
経済産業省 日本軽金属株式会社名古屋工場のJIS認証取消報告がありました
  • JISマーク表示制度の登録認証機関である一般財団法人日本品質保証機構(JQA)が、日本産業規格(JIS H 4000)の認証製造業者である日本軽金属株式会社の名古屋工場に対して審査を行った結果、JISマーク認証の取消しを行った旨の報告がありました。
  • 報告の内容
    • 本日、産業標準化法の鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格への適合性の認証に関する省令第22条第4項に基づき、JISマーク表示制度の登録認証機関である一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」という。)から以下の報告がありました。
    • JQAは、認証製造業者である日本軽金属株式会社の名古屋工場に対し、2021年4月22日、23日に審査を実施したところ、一部の製品においてJISの規定と異なる方法で試験片を採取して引張試験を実施したにもかかわらず、製品にJISマークを付して、継続的に出荷していた事実を確認しました。
    • JQAは、審査内容の検討の結果、日本産業規格への適合性の認証に関する省令に定める基準を満たしておらず、その内容が重大であると判断し、2021年5月14日付で、同工場の認証を取り消しました。

~NEW~
内閣官房 「孤独・孤立対策担当大臣から皆さまに向けて」について掲載しました。
  • 皆さんこんにちは。孤独や孤立感の中で様々な悩みを持っていらっしゃる方々に何が出来るかを政策として実行していくための大臣を拝命しています坂本哲志です。
  • 今の社会いろいろな問題があり、毎日が凄いスピードで過ぎて行きます。そんな中、一つのことでつまづくと一人で悩んでしまい出口が見えなくなってしまいます。
  • ちょうど5年前、熊本地震がありました。午前1時過ぎの真夜中でした。私は熊本の自宅でそれを体験しました。柱時計やタンスが倒れ、金魚を入れていた水槽が割れ、瓦が落ち玄関のドアは開かなくなりました。妻、子供や孫たちと近くの中学校のグラウンドに避難し、余震が続く中、一夜を明かしました。
  • 朝、一帯を見回ると大変な状況でした。山や橋、トンネルが崩れ、ほとんどの家屋は全壊か半壊でした。皆さん呆然としておられました。私もただただ考え込むばかりで、この地域の国会議員として、この後、果たして地域を立て直す事が出来るんだろうかと、一人閉塞感と孤独感に悩みました。
  • 避難所に多くの方々が布団などを持ち込み家族ともども不安におののいておられました。「これからどうなる」その気持ちは私と一緒でした。この時私は皆さんと同じ立場にいる、皆さんに相談しながらこれから一つ一つ復旧を進めて行くことが最も大切だ、と決意しました。話を聞き、相談する、そしてつながりを保っていくことの繰り返しが一番大切な事だと、分かりました。熊本地震の復旧・復興はその後、順調に進んでいます。
  • 孤独・孤立対策担当室が発足した時、職員の皆さんに私は、2019年の東大の入学式で社会学者の上野千鶴子先生の来賓あいさつを引用しました。それは「あなた方は頑張って選抜されてここに来た。しかしこれからは頑張っても公正に報われない社会があなたたちを待っている。大学で学ぶ価値とは、既にある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身につける事なのです」というものです。
  • 孤独・孤立を担当する職員の皆さんには「これまでのお役所仕事とは違う風景の中に立つのだから、これまでの役所で身につけた知とは違った知を身につけて対応して欲しい」という事を言いたかったのです。
  • 孤独・孤立で悩んでいる皆さんもこれまで頑張って来られたと思います。しかし、頑張っても頑張ってもどうしようもない状況に追い込まれるときは必ず誰にでもあります。
  • そんな時はいろいろな方々とつながって、相談して新たに進む知を生み出すことです。相談することは恥ずかしいことではありません。新たな知を探すための一つの方法なのです。
  • 私も大臣として悩み、孤独感に陥るときもあります。そんな時は誰でもいいから相談すること、打ち明ける事、と思っています。そこからしか新しい知は生まれません。皆さんとともに進んで行きます。

~NEW~
内閣官房 新型コロナウイルス感染症対策
  • 国民の皆さんにお伝えしたいことのポイント
    • 緊急事態宣言区域では、感染拡大の主な起点となっている飲食の場面に対する対策の更なる強化を図るとともに、変異株の感染者が増加していること等を踏まえ、人の流れを抑制するための措置等を講じるなど、徹底した感染防止策に取り組みます。
    • まん延防止等重点措置区域においては、都道府県が定める期間、区域等において、飲食を伴うものなど感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている場面等に効果的な対策を徹底します。特に、緊急事態宣言区域で厳しい措置がとられることを踏まえ、隣接地域への感染の滲み出しを防ぐため、各都道府県の判断で対策強化を可能とします。
    • その他の感染の再拡大が認められる地域では、政府と都道府県が密接に連携しながら、重点的・集中的なPCR検査や営業時間短縮要請等を実施するとともに、まん延防止等重点措置を機動的に活用するなど、速やかに効果的で強い感染対策等を講じます。
  • 緊急事態宣言区域の皆さまへのお願い
    1. 外出・移動
      • 日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛について協力してください。特に、20時以降の不要不急の外出自粛、混雑している場所や時間を避けて行動すること、感染対策が徹底されていない飲食店等の利用は厳に控えることの徹底をお願いします。
      • 他の地域への感染拡大を防止する観点から、不要不急の都道府県間の移動は、極力控えてください。
      • 医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外です。
    2. 催物(イベント等)などの開催
      • 催物(イベント等)は、都府県が設定する人数上限5000人かつ収容率50%などの規模要件に沿った開催を行うとともに、開催は21時までとしてください。併せて、開催に当たっては、業種別ガイドラインの順守を徹底し、催物前後の「三つの密」や飲食を回避するための方策を徹底してください。
    3. 施設の使用
      • 酒類又はカラオケ設備を提供する飲食店等(飲食業の許可を受けていないカラオケ店及び利用者による酒類の店内持込みを認めている飲食店を含みます。)は休業要請にご協力ください(酒類・カラオケ設備の提供及び利用者による酒類の店内持込みを取り止める場合は除きます。)。
      • それ以外の飲食店は、20時までの営業時間の短縮にご協力ください。(宅配・テイクアウトは除きます。)
      • 多数の方が利用する施設で、建築物の床面積の合計が千平方メートルを超える施設は、イベント関連施設を除き、20時までの営業時間の短縮にご協力ください。また、イベント関連施設は、都府県が設定する人数上限5000人かつ収容率50%などの規模要件に沿った施設の使用や21時までの開催にご協力ください。
      • 事業者は、業種別ガイドラインを遵守してください。
      • 都府県から飲食店に対して、「入場者の整理等」「入場者に対するマスクの着用の周知」「感染防止措置を実施しない者の入場の禁止」「会話等の飛沫による感染の防止に効果のある措置(飛沫を遮ることができる板等の設置又は利用者の適切な距離の確保等)」などの措置の要請があった場合は、協力してください。また、人が密集することなどを防ぐため、「入場者の整理等」を行う場合は、入場整理等の実施状況をホームページなどを通じて広く周知してください。
      • 路上・公園等における集団での飲酒はしないでください。
    4. 職場への出勤・テレワーク
      • 事業者は、在宅勤務(テレワーク)の活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の7割削減に努めてください。
      • 20時以降の不要不急の外出自粛を徹底することを踏まえ、事業の継続に必要な場合を除き、20時以降の勤務を抑制してください。
      • 職場に出勤する場合でも、時差出勤、自転車通勤等の人との接触を低減する取組を強力に推進してください。
      • 事業者は、在宅勤務(テレワーク)の活用等による出勤者数の7割削減の実施状況を自ら積極的に公表してください。
    5. 以上のほか、感染状況を踏まえ、都府県知事の判断により、催物(イベント等)の開催や、施設の使用等について、お願いが行われることがあります。詳細は、各都府県のホームページなどをご覧ください。
  • まん延防止等重点措置区域の皆さまへのお願い
    • 道県知事が定める期間及び区域(措置区域)においては、飲食店(宅配・テイクアウトを除く。)は20時までの営業時間の短縮にご協力ください。また、知事の判断により、飲食店に対して酒類の提供(利用者による酒類の店内持込みを含みます。)を行わないよう要請があった場合は、酒類の提供を行わないでください。
    • 昼カラオケ等でクラスターが多発している状況に鑑み、例えば、昼営業のスナック、カラオケ喫茶など、飲食を主として業としている店舗において、カラオケを行う設備を提供している場合、当該設備の利用は自粛してください。
    • 道県から飲食店に対して、「入場をする者の整理等」「入場をする者に対するマスクの着用の周知」「感染防止措置を実施しない者の入場の禁止」「会話等の飛沫による感染の防止に効果のある措置(飛沫を遮ることができる板等の設置又は利用者の適切な距離の確保等)」などの措置の要請があった場合は、協力してください。なお、人が密集することなどを防ぐため、「入場をする者の整理等」を行う場合は、道県からの要請に従ってください。
    • 大規模な集客施設等において、道県から20時までの営業時間の短縮や入場整理等について働きかけがあった場合は、協力してください。その際、施設内外に混雑が生じることがないよう、入場整理を徹底するとともに、その旨をホームページなどを通じて広く周知してください。
    • 業種別ガイドラインの遵守をお願いします。原則として措置区域内の全ての飲食店等に対して実地で働きかけを行い、ガイドラインを遵守していない飲食店等は、個別に要請を行うこともあります。
    • 路上・公園等における集団での飲酒はしないでください。
    • 住民の方は、時短要請がされている時間帯に、飲食店にみだりに出入りしないでください。また、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛や混雑している場所や時間を避けて行動し、感染対策が徹底されていない飲食店等や営業時間短縮の要請に応じていない飲食店等の利用は自粛してください。加えて、不要不急の都道府県間の移動、特に緊急事態措置区域との往来は、厳に控えてください。
    • 催物(イベント等)は、主催者は、道県が設定した規模要件等(人数上限5000人等)に沿って開催してください。
    • 事業者は、職場への出勤等について、「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を徹底してください。特に、緊急事態措置の実施期間においては、緊急事態措置区域等への出勤について、在宅勤務(テレワーク)の活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の減に努めてください。
    • 事業者は、在宅勤務(テレワーク)の活用等による出勤者数の7割削減の実施状況を自ら積極的に公表してください。

~NEW~
内閣府 令和3年第6回経済財政諮問会議
▼資料3-1 経済・財政一体改革の推進(有識者議員提出資料)
  • 新型感染症の影響と経済財政状況
    • 各国経済は、新型感染症への対応により危機的状況に直面したが、その後の回復に向けた動きの中で、大きな国際競争が進展しつつある。日本経済がその中で勝ち抜いていくためには、新型感染症への対応、デジタル化・グリーン化への攻めの対応に加えて、長年言われてきた「日本問題」、つまり、年功序列、高コスト構造、硬直的産業・就業構造といった従来型の経済構造をグローバルな変化に対応したものへといかにスピード感もって変えられるかがカギである。「経済あっての財政」の考え方の下、そうした取組を通じて、付加価値を高め、稼ぐことのできる(経常黒字を継続できる)強い経済を構築していくことが、財政健全化にも不可欠となる。
    • 日本経済は、海外経済が持ち直す中、新型感染症に対し累次の対策等を講じたことで、主要先進国の中でも大きな落ち込みを避けられており、今後、ワクチン接種等を通じて経済活動の正常化が進めば、実質GDPがこの秋にも新型感染症前の水準を回復すると見込まれている。ただし、足下では3回目の緊急事態宣言が発出・延長されており、下振れリスクに十分注意する必要がある。
    • 財政面では、新型感染症による経済の落ち込みを下支えする観点から、機動的かつ大胆な財政出動を行ったこと等により、国・地方PBは足元で一時的に改善軌道から大きく乖離する見込みである。引き続き、新型感染症の影響など経済状況に応じた機動的・弾力的なマクロ経済運営を行い、経済の下支え・回復を最優先に取り組む必要があるが、各国とも、財政出動を行う中でその財源を賄う措置を講じようとしていることも踏まえ、わが国も財政健全化に向けしっかりと取り組んでいくべきである。
  • 経済・財政一体改革に向けて
    • 足元依然として大きなGDPギャップが存在する中、15か月予算を着実に執行していくとともに、引き続き、新型感染症の影響など経済状況に応じた機動的・弾力的なマクロ経済運営を実施すべき。また、新型感染症の影響で職を失ったり、事業が困難な状況におかれている方々など厳しい状況にある方々には、これまでの経済対策や予備費等も活用しながら、きめ細かく対応していくべき。
    • コロナ禍で若者・子育て世代を中心に将来不安が拡大。社会保障への要望も高まっている。将来世代の不安を取り除くためにも、全世代型社会保障改革を今後もしっかり進め、社会保障の持続可能性を確保する必要。そのため、PB黒字化、債務残高対GDP比縮減の財政健全化目標を堅持すべき。
    • これまで歳出の目安が目標達成のための財政規律としての役割を果たし、歳出抑制効果をもたらしており、団塊の世代の75歳入りも踏まえれば、2022年度以降にも適用すべき。少なくとも団塊の世代が75歳以上になるまでの間、社会保障は高齢化による増加分、非社会保障はこれまでの取組を継続、地方は一般財源総額をこれまでと実質的に同水準を確保、といった現在の目安の仕組みを堅持すべき。
    • 新型感染症によって、経済財政状況は大きく変化している一方で、世界経済も足元大きく回復しつつある。こうしたことを踏まえ、年度内にエビデンスベースで経済・財政両面からしっかりとした検証を行う。
    • 新たな国際経済秩序の下で、今後取り組むべき構造改革・国際経済戦略の基本的考え方を、以下の要素を盛り込みながら諮問会議の下、有識者の参加を得て検討すべき。
      • レジリエントなサプライチェーンの構築、レアアース・水資源の確保、グローバル・ネットワークの構築など戦略的な対外経済関係の構築とそれに向けた産業政策のレバレッジ化
      • 経済社会生活のあらゆる面でのデジタル・オンラインの最大活用と基礎インフラ化
      • 2050年カーボンニュートラル実現に向けた経済社会構造の展開
      • 民間の知恵・資金・人材の活用(研究開発、人材投資・若手人材登用、知的財産活用、迅速な社会実装化)、寄付促進やNPO支援など共助の仕組みの拡充
  • 今後の中期的な重点課題
    1. マクロ経済運営の重点課題
      • デジタル・グリーン等を成長の原動力として生産性の向上と賃金所得の拡大を通じた経済の好循環を実現するとともに、コロナ禍で明らかになったグローバルサプライチェーンの脆弱性を克服し、特定国に依存しないレジリエントな対外経済関係を構築することで、海外需要を戦略的に取り込み、中小・中堅企業・地方の活性化につなげるべきである。
      • 生産性の向上・イノベーション牽引と賃金所得の拡大を通じた経済の好循環の実現
        • デジタル人材の強化、高付加価値産業・成長産業への失業なき人の移動促進、非正規等をはじめとする雇用環境の改善推進、女性・若者の活躍推進、最低賃金を含む賃上げモメンタムの継続・強化
        • 電動車化の流れを踏まえた自動車部品メーカーの構造転換やドローン・ロボット等へのシフトといった戦略的産業振興(特区の活用・産官学人材の集積等)
        • レジリエントなサプライチェーンの戦略的構築に向けた対日直接投資の拡大(グリーン・デジタルなどの今後の成長分野における海外からの技術・ノウハウ・資金の積極活用)
        • 2050年カーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素を軸として成長に資する政策を推進する、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底する、公的部門の先導による脱炭素実現を徹底する、という3つの考えの下で取り組み、経済成長の喚起と温暖化防止との両立を図り、将来世代への責務を果たす。
      • レジリエントな対外経済関係・サプライチェーンの構築と海外需要の戦略的な取り込み
        • インド太平洋地域との経済連携の強化や多様な協力推進、サプライチェーンの多元化・強靭化
        • JETROを通じた中小・中堅企業へのプッシュ型輸出振興・海外進出支援、インバウンド・農林水産物・食品輸出の再生・拡大等を通じたGNIの拡大
    2. 歳出・歳入改革の重点課題
      • デジタル、グリーン、地方活性化、子ども・子育て・若者への重点的・継続的な資源配分(メリハリ付け)
      • 団塊世代の75歳入りを目前にし、出生数が大きく落ち込んでいる現在、社会保障改革を継続・拡大(デジタル活用の徹底、現役世代の負担軽減に向けた全世代型社会保障改革、若者・子育て世代対応の強化、格差是正の強化、予防の徹底・健康づくりの推進)
      • 非社会保障を含めた歳出全般について、徹底したワイズスペンディングの実行・効果を示せない歳出の削減(その実効性を高めるための経済・財政一体改革エビデンス整備プラン(仮称)の策定・実行等)
      • 歳入面での応能原則の強化
  • 日本経済の底上げに向けて 基本認識
    • 新型感染症への対応について、引き続き、焦点を絞った感染防止策と経済支援、ワクチン接種の拡大を推進する。そのうえで、デジタル・グリーン・人材を中心とした生産性向上の取組を通じて所得・雇用の増加につながる経済の好循環の拡大を実現し、今年度後半にはコロナ前の水準を回復し、自律的な経済成長軌道に乗せていく必要がある。そのブースターとなるのが最低賃金を含む賃上げである。また貧困化を防ぐためにも、最低賃金については、今年度後半から、しっかりと引き上げるべきであり、それを実現させる環境を整備し、日本全体の賃金水準の引上げにつなげていくべき。
    • 今年の春闘でも、中小企業は賃上げを継続し人材の確保を図るなど前向きの動きが続いている。デジタル化など生産性向上や海外展開等を目指す中小企業への支援を強化するとともに、大企業との取引における価格転嫁の円滑化を図り、中小企業全体の生産性向上と最低賃金を含む賃金の底上げに向けた環境を整備すべき。さらに、新型感染症の影響を大きく受ける企業に対しては、事業・雇用の維持や事業再構築等の支援に万全を期すとともに、今後の需要喚起に向けて、別途しっかり支援すべき。
    • 欧米では、働く人への分配強化の観点から、新型感染症下の厳しい経済状況の中にあっても、昨年、今年と着実に最低賃金が引き上げられてきている。一方、我が国では、昨年及び今年と一般労働者の賃上げが継続される中、最低賃金は昨年横ばいになるなど、一般労働者との賃金格差が拡大している。また。仮に最近の所定内労働時間の動きを反映すると、最低賃金の下での所得は、都道府県によっては生活保護水準ギリギリとなっている。貧困化を防ぐためにも、能力開発や就業支援の強化と最低賃金の引上げは、不可欠な取組である。
    • 特に、(1)今年4月以降、中小企業にも同一労働同一賃金が適用される中で、最低賃金引上げと合わせて、正規・非正規や男女間の賃金格差の是正と雇用の正規化を進めるとともに、最低賃金引上げによる賃金格差是正を通じて、(2)都心からの人材流入が起こりつつある地方において人材を確保するチャンスとして、生かしていくべき。
▼資料4-1 経済・財政一体改革の当面の重点課題~文教・科学技術~(有識者議員提出資料)
  • 新型感染症の下では、オンライン教育の対応の遅れや自治体間の格差といった課題が明らかになったが、少子化が進行する下で、新しい付加価値を創造できる経済社会を構築するには、教育の質を高めることが喫緊の課題である。合わせて、世界レベルのイノベーション創出に向け、研究力を向上させることも不可欠である。学校の一人一台端末の導入や10兆円規模の大学ファンドの創設等を梃子に、改革をより大胆に進める必要がある。また、これら諸課題には、スピード感を持って取り組み、具体的な成果につなげていくことが重要である。
  • 具体的には、以下の経済・財政一体改革の重点課題について、諮問会議の専門調査会である経済・財政一体改革推進委員会等で議論してきた別紙の取組と合わせ、緊急時対応、平時の構造改革の両面から、政策効果を具体的にデータで示す等、エビデンスベースでの改革に果断に取り組むべき。
  • オンライン教育・デジタル人材育成等
    • 一人一台端末配置済の全小中学校で、オンライン教育の日常的な活用を今年度中に開始すべき。できない小中学校のある都道府県・市町村には、その理由と対処方針、いつまでに開始するのか、年内に工程表の公表を求め、個別最適な学び、学習環境の格差防止の推進につなげていくべき。
    • デジタル教科書は、一人一台端末に一体として搭載されるべきソフトであり、端末配置の意義を確実なものにするためにも、端末と同様、導入拡大と内容の充実に着実に取り組むべき。また、それを十分に活用できる教員側の体制づくりも不可欠。上記の各自治体での取組、さらには2020年度以降の小中高校でのデジタル教科書の導入拡大計画やその進捗を踏まえ、教員のICT活用・指導力の育成、外部のICT人材による支援、学校のネットワーク環境の安定性の確保等、デジタル教科書・教材の普及・活用のための対策を、国主導の事業により、早急に具体化すべき。
    • 授業目的公衆送信補償金については、昨年度は新型感染症の下で特例的に無償化されたが、予算措置を適切に反映し保護者等の無償化を継続するなどして、デジタル教科書・教材の当面の普及加速につなげるべき。
    • 地域によってICT化を支える人材の配置に遅れがみられ、教員の端末活用スキルにもばらつきがみられる。各自治体でICT支援員を確実に配置するなど、外部のICT人材による支援を着実に進め、研修の充実等と合わせ、教員のICT活用・指導力の向上につなげるべき。
    • 家庭によっては端末を持ち帰って利用するための高速通信環境が不十分であり、落ち着いて学習できる環境も限られている。低所得世帯の生徒向けの機器貸与等の施策を速やかに実施するとともに、図書館・公民館等における無料の学習スペースの開放を推進すべき。
    • 大学入学共通テストの受験料等を負担できるかどうかが大学進学の機会格差を生むことがないよう、高等教育無償化のための給付型奨学金の支給対象となる学生については、受験料を免除するなどの措置を講じるべき。
    • デジタル人材を全国的に育成するため、教育機関における育成カリキュラムや教育コンテンツを抜本的に強化すべき。専門機関におけるトップレベルの高度デジタル人材の育成、スーパーシティ・スマートシティや企業・地域との連携強化を通じた人材育成が必要。また、この分野に対する大学・高専・専門学校の教育課程を拡充すべき
  • 研究開発・大学改革の強化
    • 世界レベルのイノベーション創出に向け、10兆円規模の大学ファンドを着実に実現するとともに、同ファンドに参画する大学には、経営と教育研究の長を分離しプロによる経営を徹底する、外部資金を拡大するなど、イノベーション創出につながる大学改革を求めるべき。
    • 博士号取得者の増加・活躍に向け、創発的研究支援事業や10兆円規模の大学ファンド等を活用した経済的支援は、優れた研究と研究者個人に直接的に給付する柔軟な仕組みとした上で、事業全体を充実させるべき。
    • 新たな研究成果やイノベーションの創出には、研究の多様性が不可欠である。大学における若者・女性・外国人の大胆な登用、社会人の受入れにKPIを掲げ、見える化を徹底すべき。
    • キャリアの多様化を通じて研究の多様化を実現するためにも、博士号取得者については、基礎研究に加え社会実装の素養も育成するなど、イノベーション創出を目指す企業との円滑なマッチングが促される教育プログラムも提供するとともに、企業における採用状況を見える化するなど、博士人材を巡る採用環境を改善すべき。

~NEW~
内閣府 新型コロナウイルス感染症の影響下における中小企業の経営意識調査
  • 主な結果
    • 最低賃金の引上げを含む賃金相場が上昇した場合の対応策について
      • 中小企業は、賃金相場の上昇への対応策として、「人件費以外の経費削減」のほか、「業務効率改善への取組による収益力向上」、「製品サービスの新開発/提供方法の見直し」等の前向きな取組を上位に挙げており、また、「設備投資の抑制」よりも「システムや設備の導入による生産性向上」の割合が上回る。
      • 「雇用の削減」と回答した割合が1割程度。とりわけ、地方(C・Dランク※地域)の中小企業ほど、「雇用の削減」と回答した割合は低い。
    • 最低賃金の引上げを含む賃金相場の上昇に対応するために必要な支援策について
      • 最低賃金近傍の従業員を抱える中小企業は、「景気対策」を最も必要な支援として回答、次いで、「生産性向上に向けた設備投資支援」、「人材育成・教育訓練・技能訓練支援」。
      • 他方、賃上げに積極的な中小企業は、「生産性向上に向けた設備投資支援」、「人材育成・教育訓練・技能訓練支援」を「景気対策」より優先して回答。
    • 非正社員の賃上げを実施することによる効果・負担について
      • 賃上げで見込まれる効果については、「社内人員の士気向上・定着」が最も回答割合が高い。
      • 賃上げで見込まれる負担としては「利益の圧縮」と回答した割合が高く、「投資向けの資金の減少」は最も低い。
    • 同一労働同一賃金への対応について
      • 2021年4月施行の同一労働同一賃金について、処遇改善などの対応を予定している企業は約4割。
    • テレワークについて
      • テレワークを導入している中小企業は2割程度、今後取り組むことを予定している企業を合わせると約3割。テレワークを導入しない理由としては、「テレワークに適した仕事がない」、「業務の進行が難しい」、「顧客など外務への対応に支障がある」が多い。回答企業全体と最低賃金近傍の従業員を抱える企業との回答傾向の違いはほとんどない。
  • 感染症拡大前(2019年)から感染症拡大後(2020年)にかけて、“売上減”を回答した企業の割合は23%から70%に増加。“採算赤字”を回答した企業の割合は22%から50%に増加。現在の経営課題として、「コロナ感染拡大による売上減」と回答した企業の割合は65.5%。本調査において半数を超える企業がコロナ感染拡大により経営に悪影響が生じている。
  • 「人件費以外の経費削減」の回答割合が高い業種は、「運輸業・郵便業」。「業務効率改善への取組による収益力向上」の回答割合が高い業種は、「製造業」。「製品サービスの新開発/提供方法の見直し」、「販路拡大等による収益力向上」、「既存製品、サービスの値上げ」の回答割合が高い業種は、「宿泊・飲食サービス業」。「システムや設備の導入による生産性向上」の回答割合が高い業種は「宿泊・飲食サービス業」で、「設備投資の抑制」を大きく上回る。「正規雇用者の削減」、「非正規雇用者の削減」の回答割合が高い業種は、「宿泊・飲食サービス業」。
  • 「賃上げ実施予定」の回答割合は、正社員向けの回答割合(36%)が非正社員向け(24%)を上回る。「賃上げ実施予定」の回答割合は、正社員/非正社員とも、最低賃金近傍の従業員を抱える企業が高い。3割程度の企業が賃上げを実施するかどうか未定。
  • 同一労働同一賃金の対応について、何らかの対応を予定している企業は回答者全体で4割程度、最低賃金近傍の従業員を抱える企業で5割。「非正社員はいるが対応をする予定はない」は2割程度。対応内容として最も高いのは「非正社員の基本給の増額」。最低賃金近傍の従業員を抱える企業は非正社員の「基本給」、「賞与」、「退職金」、「各種手当」、「福利厚生」の増額・拡大の回答割合が、回答者全体と比較して高い。
  • 時短要請を受けたと回答した企業の割合は、5.9%。「宿泊・飲食サービス業」では、時短要請を受けたと回答した企業の割合は4割を超える。
  • 時短要請を受けた企業は、「雇用調整助成金」や「融資支援」、「GoToキャンペーン」を利用した割合が高い。時短要請を受けた企業で「従業員による休業支援金」を利用した割合は2割程度。
  • コロナ支援策全般に認知度は8割以上と高い。「融資」は利用した割合が40%超、「雇用調整助成金」は利用した割合が30%超。
  • 「小規模事業者持続化補助金」を利用した割合は3割程度。「キャリアアップ助成金」、「ものづくり補助金」、「トライアル雇用助成金」は1割程度。「キャリアアップ助成金」、「業務改善助成金」、「人材確保等支援助成金」、「産業雇用安定助成金」、「トライアル雇用助成金」、「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」は認知度が5割以下。
  • 「所得拡大促進税制」、大企業が主に取り組むべき「下請け取引ガイドライン」、「パートナーシップ構築宣言」を利用した割合は1割未満で、認知度ともに低い。

~NEW~
消費者庁 第29回消費者教育推進会議
▼【資料1-2】社会のデジタル化に対応した消費者教育に関する分科会取りまとめ(概要)
  1. 検討の基本的視点
    • デジタル社会形成基本法案の基本理念:全ての国民がデジタル技術の恵沢を享受できる社会の実現等
    • 消費者教育が目指す自立した消費者(「被害に遭わない」+「より良い社会の発展に関与(消費者市民社会の形成)」)
    • 消費者教育としても、生活をより豊かにするためにデジタル技術の積極的な活用を促す視点が重要
  2. デジタル化に対応した消費者教育
    • デジタルサービスの仕組みやリスクの理解
      • インターネット上の取引における契約
      • デジタルサービス利用による個人情報の提供と広告表示
      • キャッシュレス決済の活用に伴う支出管理
    • 批判的思考力に基づく的確な判断
      • デジタル技術を活用した情報の収集・発信
    • 幼児期~中学生期
      • オンラインゲームの課金トラブル等
    • 高校生期・成人期(特に若者)
      • 成年年齢引下げの影響
    • 成人期(一般)
      • 保護者が子どものインターネット利用状況を把握し、話し合ってルール作り
    • 成人期(特に高齢者)
      • デジタル活用のメリット、安全・安心に利用するための注意点
      • 基本的な使い方の習得
  3. 国における今後の課題
    • デジタル化に対応した消費者教育をデジタル技術も活用し、地方公共団体とともに以下のとおり一層推進すべき。
      • 各主体による消費者教育の取組の把握と連携の促進(団体情報バンクの構築、コーディネーターの活用等)
      • 担い手への支援・育成(分かりやすくシンプルな教材開発、最新のトラブル事例の提供、オンライン講座の推進等)
      • 誰一人取り残さないデジタル化のための支援(高齢者向け消費者教育を担うサポーターの育成支援等)
      • デジタルメディアを活用した効果的な情報提供(SNSや動画の活用等)
      • スピード感を持った対応、デジタル化に対応した消費者教育の継続した検討が必要
  4. 各主体の取組の現状と課題(ヒアリング調査より)
    1. 事業者・事業者団体 消費者団体等
      • 若年者・保護者向け取組:自主的な取組として各サービスを安心・安全に利用するための注意事項について教材の作成・提供
      • 高齢者等向け取組:基本的な操作方法から、活用方法、トラブル回避方法について啓発活動。教員や相談員など、消費者教育の担い手への情報提供の取組
      • 課題:個々の事業者の取組となっている。取組の認知不足・人材不足、最新の相談事例の入手、教材等の情報鮮度の維持
    2. 国・地方公共団体
      • 若年者・保護者向け取組:インフラ整備として学校の端末整備、学習指導要領に基づく情報教育の取組の充実。e-ネットキャラバンの取組 等
      • 成人向け取組:事業所での従業員向け消費者教育研修支援(教材作成や講師派遣事業)
      • 課題:情報教育との一層の連携。事業所での従業員向け消費者教育の取組が多くない
    3. 消費者団体等
      • 高齢者向け取組:地域における啓発活動を担う人材の育成。新型コロナウイルス感染症の影響により、消費者教育の手法にデジタル化の進展(メールでの啓発やオンライン講座の開催、一人で学べる動画教材の提供等)
      • 若年者・保護者向け取組:子どもとメディアに関する意識調査の実施。トラブルや家庭内ルールの現状について周知・啓発リーフレットの配布 等
      • 課題:デジタル関連の専門人材を擁する業界団体等の支援・連携。地域におけるWi-Fi等デジタル環境の整備
    4. 地域におけるデジタル化に対応した消費者教育の充実
      • 基本的な技術や情報モラルについては、学校教育における情報教育、ICTリテラシーに関する各種啓発活動(e-ネットキャラバン)等においても取り扱われている。 ⇒ 消費者教育として重点化すべき内容について前頁のとおり整理
      • 国・地方公共団体、事業者、消費者団体等において関連する取組が実施されており、それぞれの内容は充実。しかし、現状は各主体の取組があまり認知されておらず、広がりが限定的。また、担い手支援や、デジタル化に取り残される層への支援等が課題。

~NEW~
消費者庁 5/14~5/20はギャンブル等依存症問題啓発週間です。
  • ギャンブル等依存症とは、ギャンブル等にのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患の一つです。これにより、日常生活や社会生活に支障が生じることがあります。
  • 例えば、うつ病を発症するなどの健康問題や、ギャンブル等を原因とする多重債務や貧困といった経済的問題に加えて、家庭内の不和などの家庭問題、虐待、自殺、犯罪などの社会的問題を生じることもあります。
  • ギャンブル等依存症は、適切な治療と支援により回復が十分に可能です。しかし、本人自身が「自分は病気ではない」などとして現状を正しく認知できない場合もあり、放置しておくと症状が悪化するばかりか、借金の問題なども深刻になっていくことが懸念されます。
  • そこで、ギャンブル等依存症に関する注意事項や、対処に困った場合の相談窓口をお知らせします。相談の内容に応じ、これらの窓口をご利用ください。
  • なお、ギャンブル等依存症対策については、ギャンブル等依存症である方やそのご家族を含む国民の皆様への周知啓発や教育に関する取組、回復支援や治療に関する取組、借金の問題を抱えた方への相談支援の取組等が進められているほか、競技施行者・事業者による広範な取組も進められております(具体的施策は、ギャンブル等依存症対策推進基本計画(平成31年4月19日閣議決定)をご覧ください。)。
  • これらは、ギャンブル等依存症対策基本法に基づき設置されるギャンブル等依存症対策推進本部の総合調整の下、各省庁の連携を確保しながら推進されており、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)は、同本部の副本部長に特定されています。
  • ギャンブル等依存症からの回復に向けて
    • 本人にとって大切なこと
      • 小さな目標を設定しながら、ギャンブル等をしない生活を続けるよう工夫し、ギャンブル等依存症からの「回復」、そして「再発防止」へとつなげていきましょう(まずは今日一日やめてみましょう。)。
      • 専門の医療機関を受診するなど、関係機関に相談してみましょう。
      • 同じ悩みを抱える人たちが相互に支えあう自助グループに参加してみましょう。
    • 家族にとって大切なこと
      • ギャンブル等をしている方に、家族の行事を顧みなくなった、家庭内の金銭管理に関して暴言を吐くようになった等の変化が見られる場合、ギャンブル等へのめり込み始めている可能性を考慮しましょう。
      • 家族だけで問題を抱え込まず、家族向けの自助グループに参加するなど、ギャンブル等依存症が疑われる方に振り回されずに健康的な思考を保つことが何よりも重要です。
      • 自助グループのメンバーなど、類似の経験を持つ人たちの知見などをいかし、本人が回復に向けて自助グループに参加することや、借金の問題に向き合うことについて、促していくようにしましょう。ギャンブル等依存症が病気であることを理解し、本人の健康的な思考を助けるようにしましょう。
      • 借金の肩代わりは、本人の回復の機会を奪ってしまいますので、家族が借金の問題に直接関わることのないようにしましょう。
      • 専門の医療機関、精神保健福祉センター、保健所にギャンブル等依存症の治療や回復に向けた支援について相談してみましょう。また、消費生活センター、日本司法支援センター(法テラス)など借金の問題に関する窓口に、借金の問題に家族はどう対応すべきか相談してみましょう。

~NEW~
国民生活センター 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」の受付状況について(2)-「予約代行する」、「接種の説明に行く」など言われても、すぐには応じない!-
  • 国民生活センターでは、新型コロナワクチンの接種に便乗した消費者トラブルや悪質商法(ワクチン詐欺)に関する相談を受け付けるため、令和3年2月15日(月曜)より「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」を開設しています。
  • 各自治体でワクチン接種の予約が開始されていますが、「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」には自治体職員をかたり、「ワクチン接種の予約を代わりに申請する」と来訪してきたり、「ワクチン接種の説明に行く」と電話をかけ、来訪しようとする事例がみられます。そこで、被害の未然防止のために相談事例と消費者へのアドバイスを紹介します。
  • ワクチン接種に便乗した詐欺だと疑われる相談事例
    • 「ワクチン接種の予約代行をする」と市職員を名乗った人が訪ねてきた。詳しく質問しようとしたところ、ごまかして帰って行った
      • 先日、自宅マンションに「新型コロナワクチン接種の予約がなかなかとれないので、予約の代行をします」と男性が訪ねてきた。「市役所から来ました」というので部署名や担当者の名前を尋ねたところ、ごまかして帰って行った。料金については何も言っていなかった。(相談者:40歳代 男性)
    • 接種の予約をしていないのに、「ワクチン接種の説明に行く」と電話があり、個人情報の確認をされた
      • 高齢の母親が住む自治体の職員を名乗った電話があり、「新型コロナワクチン接種の申し込みを受け付けた。役員が説明に伺うので都合のいい日を教えてほしい。住所はこれで合っているか」と住所の確認をされたうえ、翌日の午後に約束をしたそうだ。予防接種の予約はしていないが、母は娘である私が予約をしたと思い、質問に答えたそうだ。(相談者:60歳代 女性、母親:80歳代)
  • 消費者へのアドバイス
    1. 自治体名を出して、「ワクチン接種の予約代行をする」と言われてもその場では応じず、お住まいの自治体に確認してください
      • 予約代行の費用として金銭を要求されたり、接種予約に関連して個人情報を聞かれたりする可能性もあるので応じないようにしましょう。
      • 接種については、市町村から「接種券」と「接種のお知らせ」が届くので、電話やインターネットで予約をする、という流れになります。予約の方法等については、「接種のお知らせ」等の記載を確認するとともに、自治体によってはホームページに電話が混み合う時間帯を記載していたり、予約をサポートする取り組みを行っていたりすることもありますので、各自治体にご確認ください。
    2. ワクチン接種に関連付けて金銭を求められたり、個人情報を聞かれたりしても応じないでください
      • ワクチン接種は無料です。「ワクチン接種の費用」、「優先して接種を受けるための費用」など、ワクチン接種に関連付けて金銭を求められても決して応じてはいけません。
      • また、行政機関(国や市区町村等)や団体等が、「ワクチン接種の説明に行く」などと来訪したり、「ワクチン接種に必要」などと言って個人情報や金融機関情報などを電話やメールで聞くことはありませんので、個人情報や金融機関情報などを聞かれても答えないでください。
    3. 少しでも「おかしいな?」、「怪しいな?」と思ったり、不安な場合はご相談ください
      • 新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン
      • 電話番号 フリーダイヤル:0120-797-188
      • 相談受付時間 10時~16時(土曜、日曜、祝日を含む)

~NEW~
国民生活センター 【若者向け注意喚起シリーズ<No.1>】美容医療サービスのトラブル-「10万円」のつもりが「70万円」の契約!?即日施術は避けリスク等の確認を!-
  • 美容医療サービスのトラブルが10~20歳代の若者に増えています。全国の消費生活センター等には、以下のような相談が寄せられています。
  • 相談事例
    • 【事例1】「10万円全身脱毛」の広告を見たが、実際は70万円の高額コースを勧められ解約したい
    • 【事例2】「手術当日に化粧できる」という二重まぶた形成術を受けたが、術後の腫れが引かない
  • トラブル防止のポイント
    • その場で契約・施術をしないようにしましょう
    • クリニックの広告には「誤認させるおそれのあるビフォーアフター写真」「費用を強調した広告」などのNG表現があることを知っておきましょう
    • 施術前にリスクや副作用を確認し、医師から十分に説明を受けて検討しましょう
    • 「お金がない」なら「契約しない」ときっぱり断りましょう
    • 2022年4月から『18歳で大人』に!一人で契約できる半面、原則として一方的にやめることはできません。不安に思った時、トラブルにあった時は「188」に相談しましょう

~NEW~
国民生活センター やめられない!? 占いサイトに気を付けて
  • 内容
    • 占いサイトの広告を見て、無料で鑑定してくれるというのでサイトに登録した。占い師から「あなたには強い守護霊がいる」などというメッセージをもらい、信用してしまった。その後、占い師が指示する言葉を送り返すように言われ、返信し続けた。やりとりには有料のポイントが必要で「今やめたら幸せは来ない」と言われ、気が付いたら約120万円も支払っていた。(60歳代 女性)
  • ひとこと助言
    • 占いサイトの中には、インターネットやSNS広告等で「無料鑑定」とうたっていても有料のやりとりへ誘導させるサイトもあります。また、氏名や生年月日、メールアドレス等の個人情報を入力すると、大量の迷惑メールが届くこともあります。無料だからといって、気軽に登録しないでください。
    • やりとりをすることで有料ポイントを消化させられることがあります。金運や恋愛運等について良い言葉が書かれたメッセージが届いても、安易に返信してはいけません。
    • 怪しい、やめたいと思ったら、退会する前にやりとりの内容などをスクリーンショット等で残しておきましょう。支払った料金等の返金を求めるための証拠となります。
    • 不審に思ったり困ったりしたときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
厚生労働省 第12回 「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」資料
▼(資料4)議論の整理(案)
  • 基本的考え方
    • 労働市場全体でのマッチング機能を高めていくため、ハローワークや職業紹介事業者に加えて、求人メディアや新たな雇用仲介サービスを含め、労働市場の全体像を把握し、雇用対策を行っていくことが重要。
    • 求職者や潜在的な求職者など、働く意欲を持つ方の立場に立って、雇用仲介サービスを行う者が守るべきルール等を整備する。
    • IT技術を駆使してマッチング機能を高めている新たな雇用仲介サービスについて、労働市場において果たしている一定の役割を評価し、イノベーションを阻害しないことに留意しつつ、ユーザーが安心して利用できる環境を整備する。
  • 労働市場の整備
    1. 情報の的確性
      • 事業形態によらず、雇用仲介サービスを行う者が信頼できる情報を提供する責任は大きい。
      • 同時に、求人者が募集情報を的確に作成・表示する責任についても考えるべき。
      • 情報の転載やクローリングを事業として行う中で、最新でない情報や、問題となり得る募集情報が除去される仕組みを備えるべき。
      • 課金情報を優位に取り扱うビジネスの中で、課金した者の情報とそれ以外の検索結果が分けて表示されるようにするべきではないか。
    2. 職業情報・募集情報等の共通フォーマットの整備
      • 必要とされるスキルやタスク・業務の内容を職業横断的に整備していくことが必要。
      • 職業情報を一元化するインフラを整備しつつ、雇用仲介サービスを行う者や業界団体、職能団体が実際の募集情報と職業情報を紐付ける役割を担うべきではないか。
      • 労働条件に限らず、ミスマッチを防ぐために参考となる情報を、企業や雇用仲介サービスを行う者が提供していくべき。
    3. 公共の役割
      • 職業安定機関が労働市場全体の情報を把握した上で、雇用対策を担っていくべき。
      • ハローワークは特に就職困難者への対応を充実させ、テーマ別にノウハウを蓄積していく必要。
  • 人材サービスの整理
    • 法的な区分
      • プラットフォーム等を用いた新たなサービスについて、サービスの機能や性質に着目して、既存の雇用仲介事業と対比しながら、一定の法的整理を行うことが必要。
      • 職業紹介に近いオプションを持つ募集情報等提供の法的位置づけ。
      • 募集情報等提供とプラットフォームの区別。
      • 職業紹介、募集情報等提供、委託募集についての一定の整理。
    • 新しいサービスの把握等
      • これまで人材サービスを提供していなかった事業者が参入し、比較的参入が容易な領域となっている。労働市場において雇用仲介サービスを行う者が守るべきルールを明確にすべき。
      • 多種多様なサービスが展開されている中で、一定の基準を満たす事業者を認定し、求職者と求人者の双方に対して利用を促すべき。
      • 新しいサービスを展開している事業者を把握できていないことは問題であり、イノベーションを阻害しない形での把握の仕組みの導入を検討するべき。
  • 求職者保護
    • 個人情報等の保護
      • 日本の労働市場の特性と既存の法制度を踏まえて個人情報の保護の在り方を検討するべき。
      • 本人同意の在り方について検討し、同意の取得に際して求められるべき規約や手法などを示すことで適正化を図っていくことも考えるべき。
      • 利用の対象となる個人情報と、利用目的について、本人の意に沿う形とすることが重要。
      • 個人の秘密など第三者に提供すべきでない性質の個人情報の保護について検討するべき。
    • 求職者等の特徴・保護
      • 求職者等は人材サービスの仕組みや実態をよくわからずに利用しており、求職者等に対して人材サービスや労働市場等について有用な情報の公開等を進めるべき。
      • 求職者の中には、リコメンドを待って、声をかけられたら行くというような受け身な方もいることを意識し、雇用仲介サービスがより良い求人情報やマッチングシステムを提供しているのか考えるべき。
      • AIやマッチングアルゴリズムによるアンコンシャスバイアスの再生産や、ブラックボックス化の回避のため業界共通の見識が必要。
    • 雇用以外の仲介について
      • 非労働者とされている人でも労働者性のある人や交渉力の低い人への対応は課題ではないか。
  • 人材サービスの役割
    • 人材サービスの役割
      • 企業向けサービスである一方で、今後少子高齢化が進む労働市場にあっては、求職者に寄り添う形での事業運営を強く意識すべきであり、インセンティブ付け等によって市場全体としてもそのような事業運営を促進するべき。
      • IT化等により情報の非対称性が軽減される中で、最後に人が決断を後押しする、キャリアの相談をするといった役割は重要。
      • 雇用仲介サービスが提供する情報の質は、事業者やサービス形態によらず情報を取り扱う者の質に依存し、影響を受けている。人材サービスに従事する人材の質の確保、職業・雇用に対する理解が重要。
      • 事業を行う者として、カスタマー等からの苦情処理を確実に行うことは当然であり、特に、求職者が相談しやすいような体制を備えるとともに、サービスの内容に説明を尽くすべき。
      • 苦情処理の状況について市場全体で情報を公開することで、人材サービスの競争力を保ちながら適正化を図るべき。
    • 業界団体の役割
      • 新しく人材サービスに参入した事業者は、自らを人材サービス事業者と認識しておらず、既存の業界団体に吸収することは難しいのではないか。
      • 業界団体に入っていない新しいサービスが多く、業界団体による実態把握や適正化は難しい状況にせよ、雇用仲介サービスにおける理念や課題の共有を行っていくべき。
      • 業界団体の加入企業がより高いサービス水準を作り、事業者全体の質の向上の推進を図るべき。
      • 業界団体としても、事業者に対する苦情に、中立的に対処していくべき。

~NEW~
厚生労働省 外国人雇用対策の在り方に関する検討会(第4回)会議資料
▼【資料1】留学生の国内就職支援及び外国につながる子どものキャリア支援等について
  • 令和3年3月卒業の新規大学卒業者の内定率(令和3年2月1日現在)は89.5%(前年同 期比▲2.8ポイント)となっている。
  • ハローワークにおける留学生新規求職者数(卒業後に専門的・技術的分野での就職希望。アルバイ含まず。)は、5月に前年同月比0.2倍まで落ち込んだ後、8月の2.13倍まで急上昇し、その後、減少したが、本年1月から上昇し、直近では1.83倍(前々年同月比では1.69倍)となっている。在学中の求職が多くを占めるが、既卒の求職も25%~50%を占める
  • 外国人留学生の主な進路として、国内または国外、就職または進学の4通りの選択肢があり、様々なキャリアが考えられる。海外の四大卒業生や日本の大学等の卒業生が国内就職を希望する場合、専門知識や技術等を活かして在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」での就労が想定される
  • 高等教育機関※の外国人留学生の卒業(修了)者の進路状況の過去5年間の推移を示す。日本国内企業への就職率は上昇傾向にあり、5年間で約7ポイント増、2019年度は36.9%となった。実数でも上昇傾向にある。進学率は、低下傾向にあり、5年間で約4ポイント減、2019年で26.2%となった。※大学(大学院、専門職学位、学部)、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)、準備教育課
  • 2008/2009年の高等教育機関の外国人留学生の卒業(中退含む)者の残留率(在留資格を変更して、留学先の国に留まる者の率)のOECD諸国との国際比較を示す。日本の残留率は、2008年時点で20.9%とされ、OECD諸国中11位となっている。なお、日本の国内就職率は一環して上昇しているため、順位は改善している可能性がある
  • 日本語教育機関の外国人留学生の卒業者の進路状況の推移を示す。進学率は、減少傾向(5年間で約4ポイント減)にあるものの、2019年でも76%と高い水準を維持している。就職率は、7%(2019年)に過ぎないが、上昇傾向(5年間で2ポイント)にある
  • 外国人雇用サービスセンター(外国人向けハローワーク:東京、愛知、大阪、福岡)を、留学生を含む高度外国人材の就職支援拠点と位置付け、ハローワークの全国ネットワークを活用し、留学早期の意識啓発からマッチング・定着に至るまで、各段階で多様な支援メニューを提供。また、一部の新卒応援ハローワークに留学生コーナーを設置し、外国人雇用サービスセンターと連携し、担当者制によるきめ細やかな就職支援を実施。⇒コロナ禍で留学生の就職活動に厳しさが見られる一方で、大規模な集合イベントの開催が困難であるため、関係機関と連携しつつ、オンラインによるセミナーや企業面接会等を開催
  • 外国人留学生のうち、高度人材の卵は、大学などの在籍者。大学などの留学生のうち、毎年度の卒業生は約6.2万人で、そのうちの2.9万人が、大学(学部・院)の卒業生
  • 進路希望調査では、日本において就職を希望する外国人留学生が65%に上る一方で、実際に日本で就職する大学などの留学生は、卒業生の37%に留まる。政府目標として、卒業生の日本就職率を50%に引き上げることを目指す。
  • 外国人留学生や高度外国人材へのアンケート調査(複数回答可)によると、就職活動上の課題として、「日本の就職活動の仕組みがわからない」、「留学生用就職情報の充実」を挙げる者が多く、日本特有の就職活動への情報不足が見て取れる。他方、企業から見ても、コミュニケーション能力に加え、「日本企業における働き方の理解が不十分とする企業も多く、日本の企業に特有の文化・雇用慣行に関する情報不足も課題である。
  • 協定の締結によるメリット
    • 留学早期からハローワークが関与することで、留学生が日本特有の就職活動のトラックに乗り遅れることを防ぐ。
    • 大学からハローワークに対し、留学生の関心・課題などの情報が共有されることで、これまで以上に個々の留学生の状況を踏まえた効果的なアプローチが可能となる。
    • ハローワークが提供する就職ガイダンスや個別相談などの支援について、大学側から(留学生の評価などを通じた)フィードバックを受ける仕組みにより、絶えず質の高いコンテンツが提供可能となる。
    • 既卒者への継続的な支援の実施。民間就職支援機関が得意としない入社後の職場定着支援について、企業サイドへの働きかけや研修プログラムの提供などにより、就職後のフォローも手厚く実施。
    • 新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい就職活動が続く中で、大学とハローワークが連携し、留学生が誰ひとりこぼれ落ちることがないよう、全力で支援。
    • 7~12歳(小学校相当年齢)、13歳~15歳(中学校相当年齢)、16~18歳(高校相当年齢)の在留外国人数の推移を見ると、2012年から2019年(各年12月末現在)にかけて増加してきたが、2020年(6月末現在)では若干減少している。2012年と2020年を比較すると、7~12歳が約38%、13~15歳が約10%、16~18歳が約5%増加している。
  • 7~12歳(小学校相当年齢)、13歳~15歳(中学校相当年齢)、16~18歳(高校相当年齢)の在留外国人数の構成比を国籍別に見ると、いずれの年齢層でも中国、ブラジルで約半数を占める。在留資格別に見ると、永住者、定住者、家族滞在の占める割合が大きい。16~18歳(高校相当年齢)では、他の年齢層と比べて家族滞在の割合が減少し(13.3%)、留学が13.6%を占める
  • 外国人がその保護する子を公立義務教育諸学校へ就学させることを希望する場合、国際人権規約等を踏まえ、無償で受け入れており、日本人児童生徒と同一の教育を受ける機会を保障。公立学校における日本語指導が必要な児童生徒(日本国籍含む)は10年間で1.5倍増(平成30年度に5万人超)。他方、こうした児童生徒のうち2割以上が、日本語指導等の特別な指導を受けることができていない。また、令和元年度の調査では、約2万人の外国人の子供が、就学していないか、就学状況が確認できていない状況にあることが明らかに。⇒外国人の子供の就学促進を図り、日本語指導が必要な児童生徒に対する指導・支援体制を充実させるとともに、日本人と外国人の子供が共に学ぶ環境を創出することにより、活力ある共生社会の実現を図る
  • 学歴別の就職者数を見ると、高校以上での就職が圧倒的に多い。
  • 高校生の就職・採用活動に当たっては、国(厚労省、文科省)、高校、主要経済団体の申し合わせにより年間スケジュールが定められており、ハローワークでは、企業の求人内容について確認等を行うこととされている。
  • 外国につながる高校生のキャリア教育に関する課題
    • 未来を描きづらい外国につながる高校生たち
      • (前略)このような状況がなぜ生まれてしまうのでしょうか。そこには、外国につながる高校生にとって、未来を描きづらいことが関係します。特に、(1)日本語ができないことや文化の違いから、学校で友達ができずに孤立してしまう、(2)保護者が日本語ができない、保護者との関係性が良くないなどの家庭事情から身近に相談ができる大人がいない、などがあります。言語や文化の違いに加えて、複雑な家庭環境や経済的な困難など複合的な課題が絡むことで、外国につながる高校生は外からは見えにくい困難を抱えているのです。
    • 居場所づくり×キャリア教育のポイント
      • 複合的な課題の解決法として、高校生自らが悩みを話せる場としての居場所が、大きな役割を果たします。その居場所に、具体的に進路について考えることのできるキャリア教育の機会と組み合わせることで、より充実したサポートを高校生に提供することができます。(後略)
    • アドバイス
      • 外国につながる高校生を対象とした居場所づくりやキャリア教育の取組は、小学生や中学生へのサポートと比べると、まだ事例も限られています。そのため、学校内ではノウハウが少ないです。その場合、経験のある外部人材や団体と連携した実施を試みるとよいでしょう。(後略)
  • OECD諸国等の技能水準(スキルレベル)の定義等(OECD等文献レビュー)
    1. 国際標準職業分類における技能水準(スキルレベル)の概念
      1. 国際労働機関(ILO)の国際標準職業分類(ISCO-08)では、職務間の類似性の判断、分類項目の上位段階への集約等は、スキルに基づいて行われる。スキルとは、職務を遂行する能力を指す概念であり、スキルレベルとスキルの専門分野の二つの面がある(西澤(2012)p.15)。
      2. スキルレベルは、職務自体の困難さや職務範囲の広さに関係した概念であり、①主な仕事の性質、②課業の遂行に必要な正規教育のレベル、③課業の遂行に必要なOJTや過去の経験によって分類される(Mair&Hunter(2018)、西澤(2012))。
      3. スキルレベルと、必要な正規教育のレベル(ISCED-97)との対応は、レベル4(high)が、大学院、中期大学(学士)、レベル3(high)が、短・中期大学、レベル2(medium)が、高卒後教育(大学以外)、前期・後期中等教育、レベル1(low)が、初等教育となっている(西澤(2012))(ILOSTAT)。
    2. 日本標準職業分類における技能水準(スキルレベル)の扱い
      • 総務省が作成している日本標準職業分類は、ISCOとの整合性を図ってきたが、スキルレベルの概念は取り入れていない。その理由としては、教育と職業との対応関係が緊密でない日本において、スキルレベルの考え方が日本の職場の実態に適合的でないためとしている。(西澤(2010))。
    3. 国際標準職業分類における単純労働者の定義について
      • ISCO-08では、スキルレベル1で単純労働者(elementary occupation)を設定。主に身体を使って行う単純かつ定型的・反復的な作業であり、
        • 作業の遂行に特別の資格・知識・技能・経験を要しないこと、
        • 就労当日のうちに作業を遂行することが可能、
        • 監督者の指示のもとに行う定型的作業であって、判断を要する事態への対処は行わない、という特徴がある(西澤(2012)p.70)。
      • 日本標準職業分類では、ISCO-8の「単純労働者」に相当する区分として、「労務作業者」という大分類を設定することを検討したが、適当でないとされた。その理由としては、スキルレベル概念を採用していないことに加え、労務作業者に分類される仕事は、単純作業的な仕事に限定されず、仕事の遂行において判断が求められ(遂行上の裁量の余地があり)、作業分野の独自の知識と技能を必要とするためとしている(西澤(2010)32)
    4. スキルレベルと外国人受入制度
      1. OECD,EU諸国では、非高度技能職の移民労働者は、低学歴の自国民への悪影響を避けるため、低学歴の非高度技能労働を目的とする労働移民については、高度技能者に比較して、厳しい規制を行っている。多くの国が、労働移民に対して、技能に関する基準を設けている(OECD/EU(2016))。一部の国は、高度技能と非高度技能を区別しないことで非高度技能労働者も受け入れている(OECD2019)。
      2. OECD,EU諸国では、高度技能労働者か非高度技能労働者で受入制度を区分けしており、中等技能者に焦点を当てた受入制度は見受けられない。(OECD(2019))

~NEW~
厚生労働省 第6回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 資料
▼資料1 とりまとめ(素案)
  • 第1 大麻規制のあり方 今後の方向性
    1. 大麻規制のあり方
      • 現在、大麻取締法においては、大麻草の部位による規制を行っているが、実態としては、THCという有害成分に着目して取締りを行っていることから、成分に着目した規制にすべきではないか。
      • 規制対象となる大麻由来成分を利用した医薬品について、現行の麻薬及び向精神薬取締法に規定される免許制度などの流通管理の仕組みを導入することを前提として、使用が可能となるよう見直すべきではないか。
      • 大麻取締法に使用罪がないことによって大麻を使用している者が2割いることやいわゆる「麻酔い」が確認されなかったことを踏まえ、他の薬物法規と同様に大麻取締法に使用罪を導入することをどう考えるか。
    2. 普及啓発の強化
      • 若年者の大麻事犯が増加し続けていることに対して、大麻の乱用については、(1)開始時期が早いほど、(2)使用量が多いほど、(3)乱用期間が長いほど依存症になるリスクが高まることなど、大麻の有害性に関する正確な情報を取りまとめ、SNSを活用したわかりやすい広報啓発活動等に取り組むべきではないか。
      • 大麻については、医薬品として用いるものや、THCが含有されていない産業用のものなどと、単に嗜好として用いられ乱用されているものを、きちんと区別して情報提供していくべきではないか。
    3. 産業用大麻の取扱い
      • 神事などに使用される大麻草は、大麻取締法上の免許を取得した大麻栽培者によって栽培されているが、合理的でない規制の見直しや指導の弾力化を行うべきではないか。
      • 現在、都道府県ごとに策定されている大麻取扱者の免許基準について、統一を図るべきではないか。
  • 第2 社会復帰支援を柱とする薬物乱用者に対する再乱用防止対策 今後の方向性
    1. 再乱用防止対策、社会復帰支援策のあり方
      • 薬物事犯者の薬物再乱用の防止を目指し、厚生労働省や法務省では、刑事司法関係機関等における社会復帰に繋げる指導・支援、医療提供体制及び地域社会における本人・家族等への支援体制等の充実・強化に取り組み、一定の成果を挙げている一方で、それぞれの取組に関して、課題も認められている。薬物事犯者に対する息の長い支援を目指し、中長期的な視点も含め、関係機関が連携しながら、以下のような総合的な取組を進めていく必要がある。
      • 刑事司法関係機関等における社会復帰に繋げる指導・支援
        • 治療・支援が十分に行き届いていない満期釈放者、保護観察の付かない執行猶予者や起訴猶予となる者に対しても治療・支援が届くようにすべきではないか。
        • 保護観察期間終了後の対象者に対して、自発的な治療・支援につながるような取組が必要ではないか。
        • 米国のドラッグコート等薬物依存症からの効果的な回復措置として実施されている取組も参考にしつつ、社会復帰を促進するため、刑事司法関係施設で行われている施設内処遇及びそれに続く社会内における処遇や支援を効果的に行うための方策(例:社会奉仕活動や治療プログラムへの参加)を中期的に検討すべきではないか。
      • 医療提供体制に係る取組の継続
        • 居住地域にかかわらず、薬物依存症者が適切な治療や支援を受けられるように、専門医療機関、相談拠点の整備を引き続き進めるべきではないか。
        • 地域支援の受け皿となるこれらの機関で治療・支援を行う者の育成を引き続き進めるべきではないか。
      • 地域社会における本人・家族等への支援体制の充実
        • 刑事司法関連機関、地域の医療・保健・福祉機関、民間支援団体等との連携体制の構築に関して、それぞれの機関における役割や取組について相互理解を一層深めるべきではないか。
        • 広く国民に対して、薬物の有害性等について正確な情報を提供するとともに、乱用を繰り返すと薬物依存症という健康問題になること、薬物乱用は犯罪行為であることの認識を共有するための普及・啓発活動を進め、薬物依存症からの離脱や社会復帰を目指す者を支援する社会を目指すべきではないか。
    2. 麻薬中毒者制度のあり方等
      • 麻薬中毒者制度については、制度の実態がないことから、廃止も含め、見直す必要があるのではないか。
      • 麻薬中毒者制度を見直すまでの間、制度における医師の届出義務と、医師の守秘義務の関係性が明確となるよう自治体、関係機関等に周知するべきではないか。
  • 第3 医療用麻薬及び向精神薬の規制 今後の方向性
    1. 麻薬の流通管理、適正使用
      • 医療用麻薬について、不適切な使用がなされないような対策を講じつつ、適正使用の普及・啓発を引き続き推進すべきではないか。
      • 麻薬が医療目的で適正使用される場合も不正流通により悪用される場合も一様に「麻薬」と呼んでいるため、麻薬全体に対する負のイメージを与えていることから、適切な名称を検討すべきではないか。
      • 麻薬の厳格な管理を維持しつつ、弾力的な運用が可能となるよう麻薬元卸売業者と麻薬卸売業者の役割について見直すべきではないか。
    2. 向精神薬の流通管理、適正使用
      • 向精神薬について、関係機関とも連携し、適正な使用を推進するための施策を講じるべきではないか。
      • 向精神薬等のうち、特に不正流通や不適切な使用が行われるおそれが高いものについては、行政による流通管理の監視指導が行えるような枠組みの創設等について検討すべきではないか。
  • 第4 普及啓発及び情報提供 今後の方向性
    • 若年者の大麻事犯が増加し続けていることに対して、大麻の乱用については、(1)開始時期が早いほど、(2)使用量が多いほど、(3)乱用期間が長いほど依存症になるリスクが高まることなど、大麻の有害性に関する正確な情報を取りまとめ、SNSを活用したわかりやすい広報啓発活動等に取り組むべきではないか。【再掲】
    • 大麻については、医薬品として用いるものや、THCが含有されていない産業用のものなどと、単に嗜好として用いられ乱用されているものを、きちんと区別して情報提供していくべきではないか。【再掲】
    • 広く国民に対して、薬物の有害性等について正確な情報を提供するとともに、乱用を繰り返すと薬物依存症という健康問題になること、薬物乱用は犯罪行為であることの認識を共有するための普及・啓発活動を進め、薬物依存症からの離脱や社会復帰を目指す者を支援する社会を目指すべきではないか。
    • 一次予防、二次予防、三次予防、それぞれの目的を踏まえ、普及啓発活動を進めていくべき。
▼資料3
  • 長期間使った場合、THCには精神依存と身体依存の双方の危険性があるということが報告されており、特にTHCの濃度が高い製品を使うことは、依存に陥るリスクが極めて高いということが証明されている。
  • THCを長期間使用していく中で、いわゆる認知機能の変化ということで、学習、記憶、判断力に影響があるということが諸外国の報告の中で明らかになっている。
  • 大麻ワックスや大麻オイルのような製品が近年出回ってきている背景には、乾燥大麻の中に含まれるTHCの濃度が増え、THC自体を抽出することが容易になってきており、大麻の性質が変わってきていることがある。
  • THC濃度の高い大麻の品評会というものが世界で開かれており、濃度が高いものは非常に高値で取引されるという事実がある。こういった濃度の高いものが出ているということを認識する必要がある。
  • 2000年ぐらいまでTHC濃度は3~4%で推移していたが、その後18年間にわたって急激に含有量が増えてきたという印象を受ける。
  • THCの濃度が増加している件について、日本では繊維に利用する場合やCBDを利用する場合、THCの濃度を高める必要はないように思われるが、嗜好目的で使うニーズが海外にあり、それに応じて効率的にTHCが取れるように品種改良がされ、違法な栽培や販売につながっているのではないか。
  • 若い年代で大麻を使い始めることによって依存症になるリスクが上がり、13歳から18歳までに使い始めた場合は、22歳から26歳までに使い始めた場合にくらべて5倍から7倍依存症になるリスクが高い。
  • 17歳以前に大麻を使い始めた場合、大麻の使用頻度が上がるにつれ、28~30歳時点で依存症として診断されるリスクが量依存的に増えていく。
  • 大麻の使用による青少年期の問題として、高校を卒業できなくなる、単位を取得できなくなるリスクが上がり、ほかの違法薬物を使うリスク、自殺の企図といったリスクも、大麻の使用頻度が増えると同時に増えていく。
  • 大麻について規制緩和が進んでいる海外においても、年齢制限が課せられていることは非常に重要で、若年者が使うべきではないというメッセージになっている。
  • オンタリオ州では、大麻の合法化により2017年から2019年にかけて使用率は増加しているが、長い目で見るとあまり変わっていない。
  • カナダやアメリカ等において、若者を大麻から遠ざけるために合法化したにもかかわらず、結局は若者に蔓延してしまっているという話も聞く。
  • アメリカでは、違法薬物の生涯経験率が4割以上であり、大麻を嗜好品として使用していく方がよいのではないかという流れがある。
  • アメリカは州の自治が非常に高いため、一部の州で大麻が合法化されているが、連邦法では依然として大麻はSchedule1ということで、規制されている薬物である。また、実際は、例えば年齢制限や使用する場所、購入量の制限があり、大麻の影響下での自動車運転等は禁止というところで、ルールとして明確に規定されている。
  • 大麻を合法化したことで、交通事故が増えたり、大麻製品の使用による緊急搬送が増えるということも確認されている。
  • CBD製剤ということで医療用に使われる可能性があるのであれば、今後、我が国でCBD製剤の利用がスムーズに進む体制作りも検討する必要がある。
  • 大麻植物由来の医薬品というものについて、医薬品として必要なのであれば、適切な規制の枠組みの中に入れて、日本でも製造販売が可能になるようにすることも重要である。
  • 医療用大麻という形で今後日本でも施行されるようになった場合に、単に使用者だけが処罰対象となるよりかは、処方する医師など流通の体制もやらなければならない。
  • 大麻医薬品について、法的な枠組みが決められると、逆に興味本位で使われる人も少なくなり、罰則が設けられることにより使用して良い悪いという白黒がはっきりするのではないか。
  • 「大麻」や「麻薬」という言葉は、受け取る側としてはかなりスティグマが強いという部分がある。
  • 1961年の麻薬に関する単一条約の前文には、なぜ法と刑罰をもって薬物を規制するのかという理由として、「人類の健康と福祉に思いをいたし」と書いてあるが、最近では、国際的には、規制というものが人類の健康や福祉を阻害する状況になっているのではないかという声も上がっている。
  • 罰則は「犯罪の抑止」というものも大きな目的としており、罰則を定めることによって違法行為を抑止していくという考え方がある。その中で、違法だが非刑罰化、というのは今の日本の刑法の中であまり存在せず、おそらく検討もされていないので、非刑罰化するという今の刑法の考え方を変えていくのは難しいのではないか。
  • 抑止の目的だけで犯罪として規定して罰則を設ければ、それで効果が上がるという観点だけで罰則を設けるのはまずい。実際に重要なのはそれをどう適用していくかだ。実際、違法化された刑罰であっても、検挙率が非常に低ければ非常に犯罪が蔓延する傾向が一般的に強い。
  • 単に法定刑の引上げをすれば、犯罪が減少するというものではない。併せて、法執行の在り方や違反者に対する働きかけ、例えば、薬物事犯の場合には、依存者に対する処遇や治療、一般の人々や児童に対する教育や啓蒙、マスコミによる適正な報道が合わさって、法規制の目的を達成することができるということを念頭に置く必要がある。
  • 厳罰化するのは何のためなのか、こういう健康被害が起きている、交通事故が増えていたり暴力事件が増えているなどのデータは検証されなくていいのか。単に大麻事犯が増えているから厳しくするということだけで本当にいいのかということも検討すべきではないか。
  • 同じTHCという物質を規制しているにもかかわらず、経緯上、植物規制の大麻取締法と、成分規制の麻向法に股裂きの状態になっていることから、THCに着目して取締りを行っているという実態に併せた薬物規制法として整理すべき。
  • 薬物が合法化されれば組織犯罪を抑え込めるといったことは、実際そうではないのだと思った。
  • 法律で年齢制限をかけたとしても、薬物が未成年に渡るのを防ぐことは、カナダのように譲渡を厳罰化しても難しい。アメリカの州の例でも明らかかと思う。
  • 手を出さない、持ち込ませないという一次予防、早期発見・早期治療の二次予防、社会復帰としての三次予防、それぞれの側面から考えていくことが基本であると考える。
  • 違法薬物を使用して逮捕された方は、孤立化が進んだり、それにより薬物への依存がより進んだりして、社会的な資源とのつながりというものがつくれない状態にまで陥ってしまうことがある。
  • 処罰より治療を選べる仕組みが必要であり、社会の中で包摂された環境で、薬物事犯の方が逮捕されたとしても生活を続けていけることが、持続可能で、誰一人取り残されない社会と感じている。
  • 依存症といっても千差万別であるが、大麻単独でダルクに来る依存症者は見たことがない。
  • 罪として罰するということであれば、治療をセットで議論をしないといけないと強く思っている。
  • 規制強化や取締りは大事であるが、一番大事なのは、違法化しても犯罪を犯すことをいとわず使ってしまう依存症の方を治療すること、回復支援すると、薬物を欲しがる人を減らすことである。
  • 日本では薬物事犯は起訴されても、多くの事犯が全部執行猶予となり、治療、社会復帰の観点が非常に弱いため、再乱用につながっていることから、どのように刑事手続から治療や社会復帰につなげていくかが課題である。
  • 違法化されたら刑事手続にすぐに乗るわけだが、そこからどのように処遇や教育、社会復帰に向けていくのかということを、トータルとして考えた上で犯罪化、刑罰化するのか考えていかなければならない。
  • 日本において、最大の問題は刑務所に代わる受け皿がないことである。
  • 大麻の場合、起訴された者については、ほとんどの者が全部執行猶予で保護観察がついていないということで、犯罪化されているのに手続に乗せて、結局有罪となって刑罰が科せられるが、全部執行猶予になってそれで終わりというのは、非常に大きな問題である
  • 全部執行猶予になっても単純執行猶予で治療には結びついていない。犯罪化されても刑罰だけ科して治療には結びついていないという、このことが再乱用、再犯につながる大きな背景になっているのではないか。
  • 若年者の医療用麻薬に対する誤解もあることから、医療用麻薬の正しい理解と適正使用を推進していくべき。「麻薬」と「医療用麻薬」の区分について、正しい理解が進んでいないといったところが問題。
  • 「ダメ、ゼッタイ。」については、予防しなければ駄目だというので、始めていない人、特に若者に対して、例えば母親が「やっては駄目」と言うように、そういう人たちに向けてできた言葉である。依存に陥ってしまった人たちに対し呼びかけしただけでは問題は解決できない。
  • 「ダメ。ゼッタイ。」という用語について、これは薬物乱用はだめ、絶対ということであって、医療用麻薬の適正使用は推進すべきものである。条約上でそうなっているし、実際にもそのように行われるべきことである。
  • 麻薬と向精神薬について、乱用防止教育が行き過ぎてしまっており、必要な治療が提供できないと感じる。
  • 『ダメ。ゼッタイ。』に表される一次予防は、日本においては、薬物乱用を始めていない人たちに対しての標語である。したがって、対象者というのは、不幸にして薬物の使用を始めてしまって、勇気を持ってやめようと闘っている人たちではないことに留意する必要がある。
  • インターネットやSNSで興味本位で薬物を手にしやすくなるような情報が飛び交っていることが、生涯経験率が増加していることと関連しているのではないか。
  • マリファナを使っている映像やアメリカやカナダで売られているような製品の紹介などが、誰でもいつでもどこでもアクセスできてしまう状況になっており、若者の薬物使用に影響は少なからずあるのではないか。
  • これまででは、努力して取りにいかないと情報にアクセスできなかった子供たちが、誰でもスマホを持つ時代となり、簡単に悪いものだと思わないで薬物にアクセスできる状況になっている。それに負けない強い発信力が必要である。
▼資料4
  • 各国とも大麻の生涯経験率が最も多い。日本における違法薬物の生涯経験率は、諸外国と比較して低い。特に大麻については、欧米では20~40%台であるのに対し、日本では1.8%と圧倒的に低い。
  • 大麻使用と精神障害との関連について
    • 2016年2月17日、米国医師会雑誌の精神分野専門雑誌「JAMA Psychiatry」において、大麻使用と精神障害の関連性を示す論文が発表された。
    • 同論文では2度の調査が行われており、1度目の調査で大麻を使用した経験があると回答した者について、3年後に行われた2度目の調査における精神障害の発生との関連を調査している。
    • 調査の結果、大麻使用経験のある者が使用障害(ある物質の使用により問題が生じているにもかかわらず、その使用を続ける行動パターンがみられるもの)を発症するリスクは、大麻使用経験がない者に比べ、アルコールが2.7倍、大麻が9.5倍、大麻以外の薬物が2.6倍、ニコチンが1.7倍であったことから、同論文では「大麻の使用は、いくつかの物質使用障害のリスクの増加と関連している」と結論づけている。
    • 2019年2月13日、米国医師会雑誌の精神分野専門雑誌「JAMA Psychiatry」において、青年期における大麻使用と若年成人期におけるうつ病、不安神経症及び自殺傾向との関連性を示す論文が発表された。
    • 同論文では23,317人からなる11の研究について分析を行い、青年期に大麻使用経験のある者が若年成人期にうつ病等の疾患を発症するリスクは、大麻使用経験がない者に比べ、うつ病が1.37倍、自殺企図が3.46倍であったと報告している。
    • また、推定人口寄与危険度(7.2%)、米国の18歳から34歳の若年成人期の人口(約7,087万人)、うつ病発生率(8.1%)から、大麻使用が原因でうつ病になった若年成人は約41万人に達するとし、「大麻を使用する青年の高い有病率は、大麻に起因するうつ病と自殺傾向を発症する可能性のある多数の若者を生み出す」と結論づけている。
  • 大麻取締法において使用罪が規定されていないことの認識及び大麻の使用罪が規定されていないことと大麻を使用したこととの関係について、厚生労働省と警察庁との間で協議し、警察庁において調査を実施。調査数631人
    1. 大麻取締法において使用罪が規定されていないことの認識
      • 大麻の使用が禁止されていないことを知っていた 472人 74.8%
      • 大麻の使用が禁止されていないことを知らなかった 132人 20.9%
      • 不明 27人 4.3%
    2. (知っていたと回答した472人のみ)大麻の使用罪が規定されていないことと大麻を使用したこととの関係
      • 大麻使用罪がないことを知っていたことが、大麻を使用する理由(きっかけ)となった 27人 5.7%
      • 大麻使用罪がないことを知っていたため、大麻の使用に対するハードルが下がった 72人 15.3%
      • 大麻の使用が禁止されているか否かに関わらず、大麻を使用した 346人 73.3%
      • その他 27人 5.7%
  • 麻薬等の薬物の中には、適正に使用されることにより医療上有用であることが知られており、医薬品として用いられている薬物もある。これらの薬物を、医療用麻薬、医薬品である覚醒剤原料等と称している。
  • 処方箋医薬品の中には、疾病の診断が困難である、重篤な副作用の早期発見が求められる、不適切使用・不正流通を防ぐ等の観点から、承認条件により専門医等による処方等が求められている医薬品がある。
  • コンサータ錠の場合、医師・薬局・患者を登録することにより、医薬品の安全性を確保するとともに、不正流通が起きないような管理体制が構築されている。

~NEW~
総務省 「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会ワーキンググループ(第10回)
▼資料2 報告書(案)
  • 今後のデジタル政策の基本的な方向性
    1. 若年層から高齢者まで全ての国民利用者によるデジタル活用(受容面)
      • デジタル社会の実現は、全ての国民利用者がその利益を享受できることが前提となる。そのためには、年齢、障害の有無、所得の多寡、居住地域、デジタル機器・サービスに対する習熟度や親しみの程度など、国民の多様性を十分に理解し、その多様性から生じる課題に対応することが必要である。
      • 一方で、コロナの拡大に伴い、非接触・非対面での生活を実現するために半ば強制的にデジタルサービスの活用が求められる状況で、例えば高齢者にとってはデジタル端末の操作が分からない、利用に不安がある、用語が難しいといった問題が、ビジネス利用者や学生にとってはオンラインでのコミュニケーションが困難、オン・オフの意識の切替えが困難、デジタルサービスは使いこなせるが自宅がリモートでの仕事・学習環境に適していないといった様々な問題が生じており、デジタル技術・サービスが国民の多様性に対応できていないという課題が顕在化した。
      • 今後、誰もが参画でき、個々の能力を発揮できる包摂性・多様性のあるデジタル社会を形成するためには、信頼性が高く有用な情報が流通する安心・安全な情報環境や利用者自身による情報リテラシーの向上、全ての国民利用者が必要に応じたデジタル技術・サービスを活用できるための支援の仕組みの構築などを通じて、若年層から高齢者まで全ての国民利用者によるデジタル活用の浸透を実現することが必要である。
    2. 企業・行政等におけるデジタル技術の導入(需要面)
      • 全ての国民利用者によるデジタル活用を進めるためには、各利用者がその恩恵を感じて能動的にサービスを利用するようになる必要がある。そのためには、サービスを提供する側の企業や行政等においても、利用者のニーズに対応したデジタル活用を進める必要がある。
      • 一方で、我が国企業のデジタル活用は、米国や中国などのDXをリードする海外企業に比べて遅れを取っていることや、その目的が効率化に偏重していることなどが課題として指摘されている。また、行政においても、オンライン行政サービスの利用方法が複雑であることや、利用できるサービスの種類が少ないことなどが指摘されており、多様なニーズに対応するサービスの提供が課題となっている。
      • こうした課題に対応するには、企業や行政等においても、デジタル技術の導入により効率化を追求するだけではなく、利用者に対して新たな価値を提供するDXを進める必要がある。そのためには、新たな価値の創出の源泉となるデータの活用が重要であり、企業や行政自身が保有するリアルデータの活用や、組織を超えたデータの連携・活用、これらを実現するための組織能力の向上等が必要である。
    3. デジタル活用を支える情報通信基盤の充実と国際競争力の強化(供給面)
      • コロナの影響により、オンラインでの活動が増加していることから、サイバー空間とフィジカル空間をつなぐ役割を果たすためのインターネットに接続する環境の重要性は、以前にも増して高まっている。
      • 一方で、情報通信基盤としての光ファイバの整備は全国的な普及が進んでいるものの、利用者の少ない地方部でのインフラの維持や、IoT等の活用による産業利用の可能性がある場所へのエリア展開、通信トラヒックの混雑緩和などの課題が未だ残っている。また、様々な領域における経済安全保障や海外の巨大デジタル企業への富の集中が重要な課題となる中、サプライチェーンリスクへの対応や我が国のデジタル企業の競争力強化が急務となっている。
      • これらの課題に対応するため、デジタル企業や関係する研究機関等は、全ての利用者や組織のデジタル活用を支えるとともに、新たな需要を作り出し、我が国の経済再生や国際競争力の強化に努めることが必要である。
  • 取組の方向性
    1. 包括的なデジタル活用支援推進事業への取組
      • デジタル活用支援推進事業の全体構想と事業の実施計画を策定した上で、携帯ショップのスマホ教室や郵便局の空きスペースなど既存のリソースを効果的に活用しつつ、助言・相談の場を求める方々に十分な支援が届けられるよう周知・広報、標準教材等の作成、デジタル活用支援を実施する側の人材を確保するための人材育成、デジタル活用支援の実施ガイドラインの作成、行政との連携など、包括的な取組を進めることが求められる。
    2. 若年層向けリテラシー施策のオンライン化・情報共有
      • eネットキャラバンや地域ICTクラブなどの若年層向けデジタルリテラシー施策について、オンラインでの実施を可能にし、かつ、地域横断的にノウハウの共有やニーズ・シーズのマッチングを行うための環境整備を行うことが求められる。
    3. 若年層から高齢者へのデジタルリテラシー共有の仕組み構築
      • 若年層向けリテラシー施策によって学んだ利用者が、地域の高齢者に対してデジタル活用について教える機会を創設したり取組意欲を喚起したりすることが求められる。これにより、学んだ内容の定着や実践を促進するとともに、地域におけるデジタル活用支援の担い手として育成することが可能となる。
    4. 偽情報・誤情報に騙されないためのリテラシー向上支援
      • 偽情報・誤情報については、メディアやNPOなどによるファクトチェックの取組の推進と合わせ、情報の受信者である利用者がそれらの情報に騙されないためのリテラシーを身につけるための対策が求められる。
    5. データ連携を促進する取組
      • 各組織が保有するデータの流通を促進し、新たな価値を創出するため分野横断的なデータ流通に取り組む必要があることから、例えば、パーソナルデータの流通・活用について、本人関与の下でデータ利活用を促進する仕組みとして、情報銀行やPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)などのデータ連携を促進する取組の検討を深めることが必要である。
    6. 企業・行政等におけるデジタル人材の確保
      • 企業や行政等におけるデジタル人材の確保策の検討、例えば求められる人材の専門的スキルを証明するための認定スキームや当該スキルの獲得・維持に必要な研修制度等の仕組み、必要な専門性を満たす人材をマッチングできる仕組み、それぞれの組織におけるデジタル人材の活用・位置付けの在り方等のベストプラクティスの共有などについて、具体的方策を検討するための場が必要である。
    7. ローカル5Gの普及展開
      • 様々な分野・場面におけるローカル5Gの導入を推進していく観点から、官民間の行政情報の交換・連携や、全国的な普及啓発活動に加え、制度に関する検討などの普及展開に向けた取組を行うことが求められる。
    8. eKYCの安全・信頼性の確保及びeKYC活用のユースケースの拡大
      • デジタル空間での安心・安全な民間の取引等において必要となる本人確認について、公的個人認証サービス(JPKI)の利用に加え、本人確認手法の一つであるeKYC(electronic Know Your Customer)を提供する事業者の安全・信頼性の確保の在り方等について、具体的方策を検討するための場が必要である。また、eKYCを活用したユースケースについて金融及び携帯電話サービス以外の分野等への拡大を図ることが求められる。
    9. 5Gソリューションの共有の仕組み構築
      • 5G時代における企業DXの推進のため、ローカル5G等の開発実証を進めつつ、その成果等を含むソリューションを、企業や行政等が利用しやすい仕組みを構築することが求められる。
    10. テレワーク定着に向けた検討の加速
      • 急速に普及したテレワークについては、既存のデジタルツールを積極的に活用することにより様々な課題を解決できることや、生産性の向上やDXの推進、有能な人材の確保など、企業等の経営層にとっても様々な効果をもたらし得ることなどが期待できることから、「「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース」の場で、より検討を深める。
    11. 各種のセキュリティガイドライン等の普及促進
      • テレワークやクラウド活用の増加、IoTの普及等に対応した総合的なセキュリティ確保の取組が求められる。特にテレワークの急速な普及を踏まえて、テレワーク時のセキュリティに関するガイドラインの普及を促進するべきである。
    12. サイバーセキュリティ情報の収集基盤及び人材育成基盤の構築
      • サイバーセキュリティ対処能力を向上させるため、サイバーセキュリティに係る情報を国内で収集・蓄積・分析・提供するための基盤や、それを活用したサイバーセキュリティ人材の育成基盤を構築し、産学の結節点として開放するとともに、そうした人材を訓練する場やプログラムを構築することが求められる。
    13. ネットワークの安全・信頼性確保のための電気通信事業者による積極的なセキュリティ対策の推進
      • 電気通信事業者におけるサイバーセキュリティ対策及びデータの取扱いに係るガバナンスの強化など、電気通信事業者のネットワークへのサイバー攻撃のリスクや脆弱性に対して適切かつ積極的な対策を講じることにより、ネットワークの安全・信頼性を確保し、ユーザが安心してデジタルサービスを利用できる環境を確保することが求められる。
    14. ブロードバンドの整備・維持
      • 希望する全ての地域でデジタル社会の最重要基盤となるブロードバンドが利用できるよう、早期の全国展開に向けた取組を進めるとともに、ブロードバンドのユニバーサルサービス化に向けた検討のとりまとめを行い、所要の措置を講ずることが求められる。また、ブロードバンド基盤の担い手に関して「公」から「民」への移行の推進に取り組むことも求められる。
    15. 通信トラヒックの混雑緩和
      • 「新たな日常」の定着により急増するインターネットトラヒックに対応するため、大規模なイベントトラヒックに関する配信情報を事業者間で事前共有する仕組みの構築等、通信事業者とコンテンツ事業者間の連携強化に取り組むことが求められる。
    16. IXの地域分散・データセンターの最適配置
      • インターネットのネットワーク構造の非効率の解消や都市部の災害時を想定した耐災害性強化のため、東京・大阪に集中するIX(トラヒックの交換拠点)の地域分散を図るとともに、地政学の視点を踏まえたデータセンターの国内立地・最適配置を促進することが求められる。
    17. 安心・安全で信頼できる通信サービス・ネットワークの確保
      • 自然災害やサイバー攻撃等のリスクの深刻化、情報通信ネットワークの産業・社会基盤化及びその構築・管理運用の高度化・マルチステークホルダー化の進展等を踏まえ、通信事故の調査機能の強化等、事故報告・検証制度の見直しや、電気通信事業者におけるサイバーセキュリティ対策及びデータの取扱いに係るガバナンスの強化に取り組むことが求められる。
    18. 新たな需要を喚起する5Gの国内整備の推進
      • 超高速・多数同時接続・超低遅延を実現する5Gが新たな需要を喚起することを見据え、5G投資促進税制等により安心・安全でオープンな5Gの国内整備を推進することが求められる。
    19. 基盤技術等の研究開発・投資及び戦略的な標準化・知的財産権の取得
      • 大量の通信トラヒックやインターネット上での取引等の機微な情報通信を支える光ネットワークの高速・大容量化に関する研究開発、Beyond5G実現に向けたハード・ソフト含む多様な技術、その研究開発に必要となるテストベッド、より安全なサイバー空間を実現する基盤技術等の研究開発・投資とともに、それらの戦略的な標準化や知的財産権の取得等の取組を行うことが求められる。また、仮想化、ソフトウェア化の進展に伴い複雑化する通信ネットワーク環境において、障害発生時に原因特定を容易にする監視技術や障害を自動復旧する技術の研究開発等の取組を行うことも求められる。
    20. 最先端デジタル技術の開発・展開
      • Society5.0の実現に向けてBeyond5Gを中心とした情報通信ネットワーク基盤の構築のため、Beyond5G推進戦略を踏まえ、国際共同研究を拡充するなど国際連携のもとで産学官が一体となった総合的な取組を推進することが求められる。
    21. 5Gインフラ整備の成果を活用した国際展開
      • 5G投資促進税制等により整備された安心・安全でオープンな5Gの成果を、オープン化や仮想化に係る国際的な動向や関係国間の連携を踏まえつつ、我が国企業の5G設備の国際展開の取組に活用していくことが求められる。
    22. デジタルインフラ・ソリューションの海外展開
      • 官民の連携体制や官民ファンドなどデジタル技術の海外展開を推進する枠組みを活用し、5G、光海底ケーブルを含む安全で信頼性の高いデジタルインフラや、医療ICT、農業ICTといったデジタルソリューションの海外展開に向けた取組が求められる。
    23. グローバル連携を通じたデジタル環境整備
      • 日米首脳共同声明を踏まえ、第三国を含むデジタル分野の日米協力を前提とした、パートナーシップを確立し、安全な連結性及び活力あるデジタル経済の促進に向けた取組が求められる。また、グローバルな情報流通の基盤となる海底ケーブルについて、我が国の国際的なデータ流通のハブとしての機能の維持・強化の観点から、経済安全保障上の懸念を把握・共有するための枠組み・体制の検討及び構築を推進することも求められる。
    24. データ流通に関する国際的議論のリード
      • 「自由で開かれたひとつのインターネット空間」を維持するため、有志国を中心とした国際連携の強化及びインターネット・ガバナンスの強化に関する国際的検討への取組が求められる。また、「DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)」の考えに基づき、データ流通、電子商取引を中心とした、デジタル経済に関する国際的なルール作りを、国際機関や産業界等、多様なステークホルダーを交え、加速させていくことも求められる。

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第27回)配布資料
▼資料3-2 ディープフェイクについて
  • 「ディープフェイク」は、「ディープラーニング」と「フェイク」を組み合わせた造語。現在では人工知能を用いて、実際には存在しないリアルで高精細な人物の映像・動画を制作する行為や、それらで制作された映像・動画について指すことが多くなっている。本来は人物の動画、画像、音声を人工的に合成するための処理技術の一種(マイクロソフト「Spot the Deepfake」より)。広大な撮影スタジオや、専用の撮影・編集機材を用いなくても、PCなどの環境で動画等を作ることができるため、映画制作等において貢献する。
  • ディープフェイクが注目を集めたきっかけは、2017年、あるポルノ映像が作成されネット掲示板上に投稿されたことによる。ハンドルネームが「ディープフェイクス(deepfakes)」であった。
  • 2020年11月の米大統領選において「ディープフェイク」を用いた偽情報が制作され出回ることが懸念されたが、実際にはそのような状況にはならなかった(事例はゼロではなかった)。
  • 「ディープフェイク」は、「チープフェイク」と対義して使われることもある。「チープフェイク」は動画の再生速度を調整したり、画像編集ソフトを用いて画像の必要な部分を切り取る等の簡単な処理で作成する技術等を指す。なお、日本でも話題になった、米民主党の下院議長ナンシー・ペロシ氏が酔って話しているように見えた動画は、元の動画の再生速度を遅くして制作されており、「チープフェイク」に分類できる。
  • ディープフェイクは、海外の事案が多いが、2020年10月には、わが国において自らの有料ウェブサイトや海外サイトにディープフェイクポルノ動画をアップロードしていたとして大学生とシステムエンジニアの男2人が逮捕された。
  • ディープフェイクで作成された動画は増加傾向にある。オランダの情報セキュリティ調査会社の「Sensity(旧Deeptrace)」は、約500の情報源を対象に監視活動を通じてディープフェイク動画の検出を行っている。2020年12月には8.5万件の動画を検出した。同社が活動を始めた2018年以降、6か月ごとに約2倍のペースでディープフェイク動画が検出されている。
  • ディープフェイクの脅威に晒されている国は、米国が42%と最も高いが、日本は5.6%と5番目にランクされている。また、ディープフェイク動画の分野は、「エンタテイメント」55.9%、「ファッション」23.9%、「政治」4.6%の順で高くなっている。動画の内容はポルノが多いと言われており、対象者のプライバシーや肖像権保護の観点から問題視されている。
  • ディープフェイクで作成された動画を検出する技術・ツールが開発されている。Microsoft「Video Authenticator」、Sensityの「DEEPFAKE DETECTION」等、実用化したサービスもある。また、トルコの情報セキュリティ企業の「deepware」は、対象動画がディープフェイクの可能性があるかどうかを判断できるツール「DEEPWARE SCANNER(β版)」を開発し公開している。
  • ディープフェイクの脅威に対抗するための専門組織も立ち上げられている。例えば、米国の情報セキュリティ企業の「マカフィー」ではAIを活用しディープフェイクの検出を行う「ディープフェイクラボ」を2020年10月に設立した。しかし、ディープフェイク制作技術も同時に進歩しており、完全に抑え込めた状況にはなく、検出のための研究開発も進められている。
  • 一般の人がディープフェイクについて自己学習できるオンライン教材も存在する。Microsoft、ワシントン大学(UW)のCenter for an Informed Public、USA Today、Sensityは共同で「Spot the Deepfake(仮訳:ディープフェイクを見つけよう)」をウェブ上で公表した。学習者は10問のクイズに答えながらディープフェイクの特徴を学ぶことができる。
  • ディープフェイク検出技術の公募コンテスト。Facebook、Microsoft、ミュンヘン工科大学、フェデリコ2世ナポリ大学、コーネル工科大学、MIT、オックスフォード大学、UCバークレー、メリーランド大学カレッジパーク校、ニューヨーク州立大学オルバニー校、PartnershiponAIが立ち上げた。ディープフェイク動画と本物の動画を識別するもので、2019年12月から2020年5月まで開催。優勝賞金は総額100万ドル、1位には50万ドルが授与された。2、114チームが参加した。
  • 結果
    • コンテスト用に制作し、あらかじめ公開していた動画(パブリックデータセット:115,000本)を対象とした場合、トップのチームがフェイク動画を識別できた精度は、82.56%であった。
    • 一方、コンテスト参加者に予め提供されていなかった動画(ブラックボックスデータセット:識別を困難にする加工も施された10,000本)を対象とした場合には、トップチームがフェイクを識別できた精度は、65.18%であった。
    • パブリックデータセットとブラックボックスデータセットでは、評価順位に大きな違いがあり、既知のデータから、新たな事例に対応することの困難さも明らかになった。
  • 日本では、文部科学省が定めた戦略目標「信頼されるAI」の下、2020年に科学技術振興機構(JST)の5つの戦略目標の中に、「信頼されるAI」も研究領域として位置づけられ、公募の結果5件が採択された。国立情報学研究所(NII)越前功教授が研究代表者となり、「インフォデミックを克服するソーシャル情報基盤技術」は、2020年12月から5.5年間かけて、取り組まれる。同研究は、「AIにより生成されたフェイク映像、フェイク音声、フェイク文書などの多様なモダリティによるフェイクメディア(FM)を用いた高度な攻撃を検出・防御する一方で、信頼性の高い多様なメディアを積極的に取り込むことで人間の意思決定や合意形成を促し、サイバー空間における人間の免疫力を高めるソーシャル情報基盤技術を確立する。」ことを目的としている。
  • まとめ(本日時点)
    • ディープフェイク動画は、まだたくさん世の中に出ている状況ではない
      • ディープフェイクは、専門環境が不要でPCで作成でき、従来よりもコストをかけずにリアルな動画等を制作できる技術。しかし、高精細な動画を制作しようとした場合には、現状では一定のスキルが求められ、かつ手間暇がかかる。前述したトム・クルーズのディープフェイク動画においては、制作者は、AIの画像学習に2か月、動画撮影に2日、編集に24時間かけている。
      • 2020米国大統領選においても、事前に懸念されていたようなディープフェイク動画が多く出るような状況にはなかった。簡単で安価なツールを使い、画像やテキストなどのディープフェイク以外の効果的な偽情報を生成できたためと分析されている。
    • ディープフェイク制作技術は進化し続けている
      • ディープフェイクの検知技術の開発を行った、国立情報学研究所の越前功教授によると「ディープフェイク動画は精度は上がり、人目では判別がつきにくくなってはいるが、時間軸でみたときにまだ違和感が出てくる状態。一方で、ディープフェイクで作った静止画像は人目では真偽の判別が難しい、よりリアルなレベルになっている。」と、画像・動画制作技術は進化し続けているとの指摘がある(ヒアリングによる)。
      • また、前述した「deepfake detection challenge」では、主催者側で、識別を困難にする加工が施され、予め提供されていなかった動画を用意し、それらを対象に検出を行った結果、トップチームが識別できた精度は65%であった。検出精度は完璧とは言いづらい状況である。
      • 今後、新たなディープフェイク画像・動画等が出てくる可能性があり、検出技術の開発も進める必要がある。
▼資料4 フェイクニュース生成・拡散のメカニズム
  • フェイクニュースは、インターネットにおけるニュースの生態系(生成・拡散の構造)の問題である。
  • 既存メディアのようなプロフェッショナルメディアが、フェイクニュースに対抗するために記事書く際に、うわさを権威づけたり、より拡散してしまったり、しないように注意して取り扱うべきである(クレア・ウォードル)。
  • 日本では、テレビと新聞が全国をネットワークしており、インターネットではポータルサイトのヤフーが大きな影響力を持っている。インターネットのニュースでは、ミドルメディアが話題や議論の流れに影響を与えている。
  • ミドルメディアは、マスメディア(テレビやポータルサイト)とパーソナルメディア(ソーシャルメディアを含む)の中間的存在。ネットの話題や反応を取り上げるニュースサイト、まとめサイト、トレンドブログなどが代表例。
  • 「フェイクニュース」はいきなり生まれるのではなく、ミドルメディアを中心にし、ソーシャルメディアやマスメディアを行き来しながら、メディア間の相互作用で成長する。
  • メディア間の相互作用により成長した「フェイクニュース」は、記事配信を通して大きな影響力を持つポータルサイトに到達。ポータルサイトから、ミドルメディアやソーシャルメディアに拡散する。これを「フェイクニュース・パイプライン」と呼ぶ。
  • ミドルメディアを中心とした「フェイクニュース」の生成・拡散過程は、メディアによる「非実在型デマ」#東京脱出や「デマ」指摘がある千人計画問題でも同様の構造となっている。
  • ファクトチェック活動の課題
    • 対象がリベラル寄りで偏っているという指摘。
    • 政治家が対立する候補や政党を攻撃し、自らの立場を強める「ファクトチェックの武器化」が起きている(デューク大学レポータズ・ラボのマーク・ステンセル)。
    • 有権者が支持する候補者にとって有利な内容や相手候補者を貶める内容のファクトチェック結果を選択的シェアする傾向がある。
  • ソーシャルメディア研究で知られるダナ・ボイドは、信頼できる情報源が共有されていない社会では、批判的思考を重視するメディア・リテラシー教育が自分の信念を強化する方向に働き、むしろ逆効果になる可能性を指摘している。
  • 「フェイクニュース」対策の課題
    • 汚染されたニュース生態系の改善なくして「フェイクニュース」問題の解決は困難である。
    • ファクトチェック活動や、メディア・リテラシー教育も、ニュース生態系と無縁ではなく、構造を踏まえた活動や教育が求められる。
  • 「フェイクニュース」への対策案
    • 汚染されているニュース生態系の改善につながる複合的な対策が必要。
      1. プラットフォーム
        • 「フェイクニュース」を拡散しているアカウントやサイトの削除や広告の停止。
        • ポータルサイトやニュースアプリ等で、こたつ記事に代表される低品質記事の配信や表示を停止し、クオリティの高い報道に資金が流れる構造を作る。
      2. 既存メディア
        • こたつ記事をやめ、クオリティの高い報道に注力する。
      3. ファクトチェック団体など
        • ファクトチェック活動の透明性確保、説明責任を高める。
      4. 削除や停止のためには「フェイクニュース」アカウントやサイトを特定し、判断し、共有する仕組みが必要。
        • 表現の自由に配慮した、自主的な仕組みづくりが重要。
      5. 学際的な研究推進機関が必要。
        • テクノロジーと社会などの複合分野の研究者による立体的アプローチ。
        • 既存メディアやファクトチェック団体、プラットフォーム事業者(特にデータ提供は必須)との連携。
        • 研究対象のフォーカス。誤報やメディア批判が「フェイクニュース」として扱われ研究が推進される危険性。

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