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  • モデル・リスク管理に関する原則(案)(金融庁)/ポスト・コロナ時代のSDGs達成へ向けて(外務省)/「新しい生活様式」熱中症予防行動のポイント(厚労省)/第五次薬物乱用防止五か年戦略(厚労省)

危機管理トピックス

モデル・リスク管理に関する原則(案)(金融庁)/ポスト・コロナ時代のSDGs達成へ向けて(外務省)/「新しい生活様式」熱中症予防行動のポイント(厚労省)/第五次薬物乱用防止五か年戦略(厚労省)

2021.06.28
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更新日:2021年6月28日 新着26記事

コロナ禍 人ごみ

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

内閣府
  • 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
  • 経済財政諮問会議 令和3年会議情報一覧
消費者庁
  • 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について
  • 電話勧誘販売業者【東京電力エナジーパートナー株式会社】に対する行政処分について
国民生活センター
  • 高齢者の自宅の売却トラブルに注意-自宅の売却契約はクーリング・オフできません!内容をよくわからないまま、安易に契約しないでください-
  • 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」の受付状況について(3)-ワクチンの接種に関連した連絡だからといって安易に対応するのは危険!!-
厚生労働省
  • 第40回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年6月23日)
  • 「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました
  • 「裁量労働制実態調査」の結果を公表します
  • 「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和2年度)」を公表しました~相談件数は微減、紛争解決援助件数は増、調停件数は減~
  • コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム~もっとあなたを支えたい~(第5回)会議資料
  • 「第五次薬物乱用防止五か年戦略」フォローアップについて(令和2年の薬物情勢公表)
  • 「大麻等の薬物対策のあり方検討会」とりまとめを公表します~大麻等の薬物対策のあり方に関する基本的な方向について~
経済産業省
  • IoT製品・システムを安全に実装するための国際規格が発行されました つながる世界に安全と安心を
  • 「アジアCCUSネットワーク」が立ち上がりました
  • AI分野や制度運用調和における新たな協力に合意しました
  • 不公正貿易報告書及び経済産業省の取組方針を取りまとめました
総務省
  • 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第32回)
  • 「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会(第4回)
  • 統計局 令和2年国勢調査 調査の結果
国土交通省
  • 令和3年版国土交通白書 危機を乗り越え豊かな未来へ
  • 都道府県を越えた広域連携に係る意識調査結果の公表~自然災害の激甚化、人口構造の変化、新型コロナ等へ対応するための広域連携のニーズを確認!~
  • 宅配便の再配達率は約11.2%~令和3年4月の調査結果を公表~
  • 「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0」を公表~ドローン物流の社会実装を推進します~

~NEW~
金融庁 「モデル・リスク管理に関する原則(案)」の公表について
▼(別添)モデル・リスク管理に関する原則(案)
  • モデルに伴うリスクが金融機関に幅広い悪影響を与え得ることに鑑みると、規制目的か否かに関わらず、重大なリスクをもたらすモデルはそのリスクを管理する必要がある。金融機関の様々な業務でモデルが広範に使用されるようになった今、その必要性はさらに増している。モデルは、これまで数十年間にわたり、金融商品のプライシングや価値評価、健全性に係るリスク計測(信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスク等)において広く使用されてきたが、近年、その利用範囲を拡大させている。一例を挙げると、引当、マネー・ローンダリング対策(AML)、不正検知、アルゴリズム取引等の領域は、ますますモデルに基づくものとなっている。これらのモデルには、コンピューターの計算能力の向上や、機械学習・人工知能の手法の深化といった技術発展の成果を活用したものも多い。
  • 金融機関を取巻く不確実性の高まりも、モデル・リスクを管理する必要性を高めている。多くのモデルは、過去に基づく将来の予測や、観測されたものに基づく観測されないものの推定を目的としている。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って生じた経済及び金融市場の混乱は、過去に観測されたパターンが将来においても成り立つとは限らないという事実を再認識させ、モデルに内在するリスクを浮き彫りにすることとなった。不確実性の高い環境において、金融機関が技術発展の成果を取り込むためには、モデル・リスクの実効的かつ能動的な管理が必要不可欠となっている。
  • 「モデル」とは、定量的な手法(複数の定量的な手法によって構成される手法を含む。)であって、理論や仮定に基づきインプットデータを処理し、アウトプット(推定値、予測値、スコア、分類等)を出力するものをいう。モデルには、インプット又はアウトプットの全体又は部分が定性的なものや、インプットが専門的判断に基づくものも含まれる。
  • 「モデル・リスク」とは、モデルの誤り又は不適切な使用に基づく意思決定によって悪影響が生じるリスクをいう。モデル・リスクは、金融機関の健全性の低下、法令の違反、企業価値の毀損等の要因となり得る。一般的に、モデル・リスクは、(1)意図した用途(モデルの目的)に照らしてモデルに根本的な誤りがあり、不正確なアウトプットを出力する場合、(2)モデルが不適切に使用されている場合(想定した使用の範囲外での使用や、モデルの限界を超える使用を含む。)に発現し得る。
  • 3つの防衛線
    • 健全なモデル・リスク管理の要点は、実効的なけん制が行われるための態勢を構築することにある。これは、けん制を評価するリスク文化の醸成、モデルの透明性の確保、モデルに対する健全な懐疑心、モデルを「ブラック・ボックス」化させない努力等の上に成り立つものである。
    • 他のリスク領域と同様に、モデル・リスク管理において実効的なけん制を確保する基本的な枠組みは「3つの防衛線(3線モデル)」である。モデル・リスク管理における3つの防衛線は、以下の形をとると考えられる。
    • 第1の防衛線(以下「1線」という。)は、モデルを所管する又はモデルの開発若しくは使用に直接関係する部門・個人で構成される(モデル・オーナー、モデル開発者、モデル使用者等)。
    • 第2の防衛線(以下「2線」という。)は、1線に対するけん制を通じてモデル・リスクを管理する部門・個人で構成され、モデル・リスク管理態勢の維持、規程等の遵守状況及びモデル・リスク全体に対する独立した立場からの監視、モデルの独立検証等の役割を担う。
    • 第3の防衛線(以下「3線」という。)は、内部監査部門で構成され、金融機関のモデル・リスク管理態勢の全体的な有効性を評価する。
    • 3つの防衛線における組織構成のあり方や役割と責任の割り当てには様々な形が考えられ、防衛線の完全な分離が現実的でない場合もあり得る。どのような態勢であれ、金融機関は、自社のモデル・リスク管理態勢において、いかに実効的なけん制を確保するかを検討する必要がある
  • モデル・ライフサイクル
    • モデル・リスク管理における実効的なけん制は、「モデル・ライフサイクル」(モデルの特定、リスク格付の付与、開発、使用、変更、使用停止等の、モデルが経る一連の流れをいう。)の各ステージにおいて行われる必要がある。モデル・ライフサイクルに沿ったモデル・リスク管理の一例としては、以下が考えられる。
    • モデル・リスク管理の対象とする「モデル」を定義し、その定義に基づいて「モデル」を特定する。その上で、特定したモデルを包括的な「モデル・インベントリー」(金融機関が特定したすべてのモデルの情報を記載したデータベースをいう。)に記録する。
    • 各モデルに対してリスク評価を行い、リスク格付の付与を行う。リスク格付は、モデル・リスク管理におけるリスクベース・アプローチの基礎として、検証の深度や頻度といった統制のレベルを決定する重要な要素となる。
    • 開発プロセスでは、モデルで用いられる手法や仮定、モデルの限界等がモデル・リスク管理における関係者へ十分かつ確実に伝達されるように、包括的なモデル記述書を作成する。
    • モデルの使用開始前には、1線がモデル・テスト(開発時の点検)を行う。また、2線が独立した立場から検証を行い、検証結果を踏まえてモデルの使用を承認する。
    • モデルの使用開始後には、1線がモデルに対する継続モニタリング、2線が再検証を実施し、モデルが意図したとおりの性能を示すことが出来ているかを評価する。重要な欠陥等が発見されたモデルについては、2線が使用を制限する権限を持つ。
    • モデルに重要な変更が加えられた場合には、必要に応じて追加的な検証を実施する。
    • 2線は自社全体のモデル・リスクを評価し、評価結果を取締役会等に報告する。
    • 内部監査を担う3線は、金融機関のモデル・リスク管理態勢の全般的な有効性を評価する。
    • 上記すべてのプロセスを方針及び規程によって明確化し、各プロセスにおける結果は適切に文書に残しておく。
  • リスクベース・アプローチ
    • リスクベース・アプローチは、モデル・リスク管理の重要な基礎をなす概念である。モデル・リスク管理におけるリスクベース・アプローチとは、金融機関が、モデルに内在するリスクを評価し、評価結果に基づいてリスクを管理することをいう。金融機関は、あるモデルに対してリスクが高いと判断した場合には、そのリスクに適切に対処し、必要に応じてリスクを軽減すべきである。一方、リスクが低いと判断した場合には、それに応じた措置を採ることも可能である。こうしたアプローチによって、金融機関はリソースを効率的に配分し、モデル・リスクを実効的に軽減することが可能となる。なお、モデル・リスク管理において、金融機関は、個々のモデルが有するリスクだけでなく、自社が使う様々なモデルを総体として捉えたときのリスク(異なるモデル間の相互依存関係等)も勘案し、適切に対応する必要がある点には留意が必要である。
    • リスクベース・アプローチは、自社のモデル・リスクに対する許容度と整合的なものである必要がある。金融機関は、自社が有するモデル・リスクの水準と性質を深く理解し、許容可能な水準までモデル・リスクを効果的に軽減すべきである。
  • モデル・リスク管理に関する原則
    • 原則1-ガバナンス:取締役会等及び上級管理職は、モデル・リスクを包括的に管理するための強固なモデル・リスク管理態勢を構築すべきである。
    • 原則2-モデルの特定、モデル・インベントリー管理及びモデル格付:金融機関は、管理すべきモデルを特定し、モデル・インベントリーに記録した上で、各モデルに対してリスク格付の付与を行うべきである。
    • 原則3-モデル開発:金融機関は、適切なモデル開発プロセスを整備すべきである。モデル開発においては、モデル記述書を適切に作成し、モデル・テスト(開発時の点検)を実施すべきである。
    • 原則4-モデル承認:金融機関は、モデル・ライフサイクルのステージ(モデルの使用開始時、重要な変更の発生時、再検証時等)に応じたモデルの内部承認プロセスを有するべきである。
    • 原則5-継続モニタリング:モデルの使用開始後は、モデルが意図したとおりに機能していることを確認するために、1線によって継続的にモニタリングされるべきである。
    • 原則6-モデル検証:2線が担う重要なけん制機能として、金融機関はモデルの独立検証を実施すべきである。独立検証には、モデルの正式な使用開始前の検証、重要な変更時の検証及びモデル使用開始後の再検証が含まれる。
    • 原則7-ベンダー・モデルと外部リソースの活用:金融機関がベンダー・モデル等や外部リソースを活用する場合、それらのモデル等や外部リソースの活用に対して適切な統制を行うべきである。
    • 原則8-内部監査:内部監査部門は、3線として、モデル・リスク管理態勢の全体的な有効性を評価すべきである。

~NEW~
外務省 2030アジェンダの履行に関する自発的国家レビュー2021~ポスト・コロナ時代のSDGs達成へ向けて~
▼概要
  • 巻頭メッセージ(菅総理(SDGs推進本部長)による)
    • 新型コロナウイルスの感染拡大により、人間の安全保障が脅かされており、持続可能な開発目標(SDGS)の達成に向けた取組を一層加速させることが求められています。2030年までに、このSDGSの達成を実現するためには、世界が団結して取り組むとともに、各国が、前例にとらわれない戦略を立てて、取組を拡大・加速していかなくてはなりません。多国間主義アプローチを重視する日本は、自らが率先して、こうした国際社会の努力をリードしていく決意です。
    • 私はこれまで、人間の安全保障の理念に立脚し、「誰の健康も取り残さない」という考えの下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを推進すると共に、グリーン社会の実現やデジタル改革に向けた取組などを進めてきました。ポストコロナ時代におけるSDGSの達成に向けては、あらゆる分野において革新的なイノベーションを活用し、様々な政策を総動員し、未来を先取りする社会変革に取り組まなければなりません。
    • 特に、気候変動問題は、人類全体で解決を目指すべき待ったなしの課題です。そのため、気候変動への対応が、日本、そして、世界経済を長期にわたり力強く成長させる原動力になるとの考えの下、日本は、2030年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、更に、50%の高みに向けた挑戦を続け、2050年には、カーボンニュートラルの実現を目指します。
    • 日本は、新型コロナからの「より良い回復」を遂げるため、この自発的国家レビュー(VNR)にとりまとめたビジョンや取組、現状を踏まえ、あらゆる国・地域、組織・団体、市民社会、そして個人との協力を深めながら、SDGS達成の実現に向けた取組を加速してまいります。
  • 各目標の達成状況
    1. 政府による評価
      • 再エネ比率は18%(2019年度)にまで拡大。導入量は再エネ全体で世界第6位(2018年)、太陽光発電は世界第3位(2018年)となり、再エネの導入は着実に進展している。温室効果ガスの総排出量は、2014年度以降、6年連続減少。
      • 学習指導要領の改訂が行われ、持続可能な開発のための教育(ESD)の理念が盛り込まれた。
      • 女性活躍は一定の前進が見られているが、日本のジェンダー・ギャップ指数の総合順位は156か国中120位。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、女性に特に強く表れている。
      • 2020年は11年ぶりに自殺者数が増加し、特に女性の自殺者数は前年と比べて935人増加。
      • 2018年の「相対的貧困率」(貧困線に満たない世帯員の割合)は15.4%(対2015年マイナス0.3ポイント)。新型コロナウイルス感染症の拡大は、今後の状況変化を要注視。
    2. 円卓会議民間構成員による評価
      • 経営陣のSDGs認知・定着率は85%(2020年、「SDGs実態調査」)となり企業経営にSDGsが浸透。一般のSDGs認知度は50%を初めて超えた(2021年、朝日新聞調査)。
      • 2020年初頭からコロナ克服のための国際協調に取り組み、COVAX、ACTアクセラレーターの創設や資金拠出にも積極的に取り組んだことは高い評価。
      • 国内では300を超える自治体がゼロカーボンシティを表明。企業レベルにおいても、「SDGs実態調査」では90%以上の企業が脱炭素化に向けた取組を進めている。2050年に実質的排出をゼロにするという目標に鑑みると、再エネの大幅な増加には未だほど遠い。
      • 京都コングレスを開催して国際的な役割を果たしており、司法・犯罪対策、途上国の法制度整備に取り組んでいる。
      • 貧困率は2018年で15.4%、6人に1人が貧困。子どもの貧困率は13.5%で7人に1人の子どもが貧困。
      • 外国籍の児童・生徒のうち、6人に1人(約16%)が小学校・中学校に通えていない。
      • ジェンダーギャップが深刻化。新型コロナウイルス感染症の拡大で家賃延滞等が発生。「生理の貧困」問題も顕在化。女性の自殺率は、2020年10月の調査によれば前年比86%増。20代、40代では2倍に増加。

~NEW~
内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
▼6月 閣議関係資料
  • 日本経済の基調判断
    1. 現状【判断維持】
      • 景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している。
      • (先月の判断)新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している
    2. 先行き
      • 先行きについては、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
  • 政策の基本的態度
    • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組むとともに、決してデフレに戻さないとの決意をもって、新型コロナウイルス感染症の感染対策に万全を期す中で、雇用の確保と事業の継続を通じて、国民の命と暮らしを守り抜く。あわせて、グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策の4つの課題に重点的な投資を行い、長年の課題に答えを出し、力強い成長を実現するため、6月18日に、「経済財政運営と改革の基本方針2021」等を閣議決定した
    • 新型コロナウイルス感染症に対しては、6月20日に緊急事態措置の区域から9都道府県を除外し、沖縄県を対象に緊急事態措置、10都道府県を対象にまん延防止等重点措置を実施している。引き続き、ワクチン接種の迅速な実行、感染拡大の抑制を最優先に対策を徹底するとともに、経済への影響に対しては、重点的・効果的な支援に万全を期す。さらに、成長分野への民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、民需主導の成長軌道の実現につなげる。政府は、令和2年度第3次補正予算及び令和3年度予算を迅速かつ適切に執行する。引き続き、感染状況や経済的な影響を注視し、状況に応じて、予備費の活用により臨機応変に必要な対策を講じていくとともに、自律的な経済成長に向けて、躊躇なく機動的なマクロ経済政策運営を行っていく。
    • 日本銀行においては、6月18日、引き続き企業等の資金繰りを支援していく観点から、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの延長を決定した。日本銀行には、感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。
  • 輸出・生産
    • 海外経済の回復を背景に、輸出は緩やかな増加が続いている。品目別にみると、自動車関連財は横ばいだが、情報関連財や資本財が牽引。
    • 製造業の生産は、5G関連などで需要が旺盛な電子部品・デバイスや設備投資向けの生産用機械を中心に持ち直し。世界の半導体の出荷見通しは、2021年が上方修正され、2022年も増加が見込まれており、半導体製品に対する強い需要は当面続く見込み。
  • 企業収益・倒産・業況・企業物価
    • 輸出・生産の増加を受けて、1-3月期の企業の経常利益は、製造業を中心に増加。倒産件数は、資金繰り支援もあり、低水準。
    • 5月の景気ウォッチャー調査の現状及び水準判断DIは、緊急事態宣言の影響もあり、小幅の低下。しかし、先行き判断DIは、ワクチン接種の進展への期待感等もあり、3か月ぶりの上昇。
    • 5月の国内企業物価は、石油・石炭製品や非鉄金属などの価格上昇を受け、上昇(前月比+0.7%)。
    • 設備投資(シェア:機械投資46%、構築物投資25%、ソフトウェア投資10%、R&D投資18%)
    • 企業収益の持ち直しもあり、機械投資はこのところ増加している。ソフトウェア投資は横ばいとなっている。
    • 2021年度の設備投資は、法人企業景気予測調査(4-6月期調査)をみると、前年度比7.4%増の見通しと高い伸びを維持。その内訳をみると、ソフトウェア投資の大幅増加が見込まれている。
  • 雇用情勢
    • 失業率は雇用調整助成金等により上昇が抑制されており、4月は2.8%。雇用者数は、均してみると、昨年6月以降持ち直しが続いている。また、女性の非正規雇用者は、2019年対比で58万人減少する一方で、正規雇用者は同72万人増加し、同一労働同一賃金導入に対応した正規化の動きが続く。
    • 4月の賃金動向は、所定内給与等の増加により、持ち直しの動き。連合第6回回答集計の賃上げ率は、厳しい中にあって、全体は1.79%、中小企業は1.74%と2012~13年の水準を上回っている。夏のボーナスは、前年を下回る見込みであるが、2012~13年の水準は上回っている。
    • 足下のハローワーク求人には、持ち直しの動きがみられるものの、その動きは緩やかなテンポとなっている。総じてみれば、雇用情勢は、弱い動きとなっている。
  • 世界経済
    • 世界経済は持ち直しており、OECDによれば世界の実質GDPは21年半ばまでに感染症前の水準を超える見通し。ワクチン接種が進展するアメリカや英国では、財消費に加え、サービス消費についても回復の傾向がみられている。
    • アメリカでは、エネルギー価格の上昇に加え、景気の着実な持ち直しに伴い、その他の財・サービス価格も上昇しており、消費者物価の上昇率が高まっている。
  • 個人消費・住宅建設
    • 5月のカード支出に基づく消費動向をみると、ネット消費(EC)は好調である一方、サービス支出を中心に弱い動き。販売側データをみると、スーパー販売額は巣ごもり需要などもあり底堅い。外食は、特にパブ・居酒屋は低水準。
    • 5月後半から6月中旬にかけて、週当たり消費額は、2017-19年の幅を下回って推移。総じてみると、個人消費は、サービス支出を中心に弱い動きとなっている。
    • また、住宅建設は、賃貸マンションの増加に牽引され、このところ底堅い動きとなっている。

~NEW~
内閣府 経済財政諮問会議 令和3年会議情報一覧
▼第9回経済財政諮問会議 第12回成長戦略会議 議事要旨
  • 新浪議員
    • 今日はとりわけ今後の感染症対策について申し上げたい。途上国を中心とした開発の加速や地球温暖化の進行によって、20世紀以降、新しい種類のウイルスが世界で大きく増加をしている。そこに、近年のグローバル化の急速な進展が相まって、ウイルスの蔓延が起こっており、近い将来パンデミックが再び襲来することは間違いない。もちろん、カーボンニュートラルをいち早く達成し、温暖化の進行を防いでいくことは大変重要だが、感染症の発生要因の一つである、途上国による過度な開発をやめてもらうことも不可欠。そのための国際協力を進めるためにも、是非ともG20等の場で日本がこの問題を積極的に取り上げていっていただきたい。
    • 他方、日本経済社会の安定・発展の生命線であるグローバル化を止めるというのは日本にとっては国策上、大変難しくむしろ日本はグローバル化を進展させる役割を担っている。
    • いずれにしても、再びパンデミックが日本に来てしまうことを前提に、日本を感染症への対応力が強靱なレジリエントな社会にしていくことが喫緊の課題。
    • 骨太方針案にも明記いただいているように、国産ワクチンの開発・生産体制を強化し、必要な財源を思い切って確保していただきたい。様々な事情でワクチンを打てない、打たないという方々もいらっしゃること、また、ワクチンの効果が完璧でもない部分もあることを踏まえれば、是非ともイノベーティブな治療薬の開発ができる体制づくりをしていただきたい。治療薬の研究開発の支援や早期承認の仕組み構築などにも取り組んでいただきたい。
    • そして、ワクチンパスポートを早期に導入していただきたい。外需の取り込みが大変重要であり、日本がここに遅れると経済の回復もより遅れることになるため、一刻も早い実用化をお願いしたい。
    • 財政の健全化についても申し上げたい。財政健全化については、何といってもデジタルの活用が鍵。特に社会保障分野については一気呵成に進めるべきであり、生産性を上げることで、低コストで質の良いサービスが提供できるようになる。このシステムを早期に構築していくことが重要。その上で、これもデジタル活用の一環である、データを活用したEBPMに基づくワイズスペンディングの徹底が必要であり、改めてその重要性を申し上げたい。
    • 最後に、骨太方針38ページに記載されている専門調査会の設置について。繰り返しになるが、経済社会生活面でのデジタル活用や民間活力の徹底活用、戦略的な対外経済関係の構築といった、将来のあるべき経済社会に向けた構造改革・対外経済関係の基本的な考え方、言わば超骨太方針と言うべきものについて、経済財政諮問会議としてしっかりと取り組んでいきたい。
  • 柳川議員
    • 一つは、財政健全化をしっかり堅持していくこと、その上で、世界の大きな構造変化に合わせて新しい経済システムを構築し、潜在成長率をしっかり引き上げていくこと。それこそが将来の安心につながることであり、この冒頭の副題にある、グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策という4つの柱を重点的に行っていくことが重要だと思っている。
    • そのときにやはり大事なことは、これも何度か申し上げているが、スピード感が決定的に重要で、いつまでたっても実行できないということではなく、しっかりと実行していくことが大事だと思うし、先ほど新浪議員からもお話があったが、デジタル化を活用してEBPMをしっかり進めていく。もう少し言えば、プロセス管理あるいは成果の管理をそれによってしっかり行っていくことが大事だと思っており、その点で言えば、大きな枠組みの変化をしっかり捉えた政策づくりが望まれているというのがポイントである。
    • 個別のところで言えば、若い世代、子ども・子育て世代の安心を作っていくということがこれからの経済活性化の鍵なのだろうと思っている。その点で言えば、この4つの柱の中の連携が重要であり、例えば活力ある地域ということで言えば二地域居住、二地域就労、ワーケーションをずっと強調してきた。このワーケーションを推進していくときに、やはりお子さんがいらっしゃる家庭もあるわけで、そうすると、例えば保育で、もともと居住しているところで園に入っていたりすると、ワーケーションで行ったところで子供が幼稚園に入れるのかどうか、保育を受けられるのかどうかというところの課題が出てくる。
    • この点は、例えばワーケーションだけではなくて里帰り出産で長期間地元に帰って出産するときも同じ。そういうところの柔軟性をしっかり確保し、安心した子育て、安心した二地域就労ができる環境を作っていくことが重要だと思う。
    • 最後に、これも何度も申し上げているが、やはり人材育成が非常に大きな鍵で、安心や安定性の確保という意味で言えば、非正規の方で離職してしまった方が、市場のニーズに合った能力をしっかり身につけていく。それはみんなが安心して働けるようになるための大きなポイントだと思うので、そのために、例えば求職支援制度などをしっかり強化していくということも記載しているが、これらを推進していくことが大事だと考えている
  • 三村氏
    • 今回の成長戦略は、経済や医療の安全保障、大都市への人口集中、気候変動・大規模災害など、コロナ禍を契機に顕在化した社会経済課題の解決を目指しつつ、同時に成長による経済力強化のための幅広い政策が織り込まれた。「社会経済課題の解決」と「成長による経済力強化」を車の両輪として同時に追い求める内容となっており、このことを高く評価したい。是非ともスピード感を持って着実に実行していただきたい。その上で3点述べさせていただく。
    • 第一に、デジタル化やグリーン対策を、成長の原動力として強力に推進すべきである。その際、カーボンニュートラルの実現に向け、政府には、民間のイノベーションへの挑戦を力強く促す積極的な支援を求めたいと思う。また、増大する電力需要を賄い経済と環境の両立を実現するためには、原子力の活用が不可欠である。安全性を最優先として再稼働、新増設、リプレースなどに真正面から取り組むべきと考えている。
    • 第二に、生産性向上等に取り組む中小企業への支援、地方への人の流れの拡大、観光地の再生、農林水産業の成長産業化など、地域経済活性化のための的確な諸施策が出そろい、心強く思っている。なお、中小企業の円滑な事業再生が可能となるよう、私的整理のガイドライン策定等の対応を、できるだけ早期にお願いする。
    • 第三に、実行計画の冒頭で、生産性向上の成果を賃金として分配し、事業拡大を通じた成長を図る「成長と分配の好循環」の道筋が明確に示されたことを高く評価する。その上で、最低賃金については、感染症の影響を受けて極めて厳しい経営環境の企業もある足下の状況を踏まえれば、今年も現行水準が維持されることを強く望むものである。これから開催される中央及び地方の審議会において、客観的データに基づく慎重かつ公正な検討がなされることを強く期待している。
  • 竹中氏
    • 先ほど決定された骨太方針に関しては、今回のコロナ禍で明らかになった問題点、例えば医療体制の課題であるとか国と地方のガバナンスの問題、非常時における柔軟な対応の欠如といった問題について、これを是正する措置を取るという姿勢が明確に示された点は高く評価されると思う。
    • その上で、成長戦略会議のほうで議論された、これは幅広い政策課題が議論されたわけだが、とりわけ2点についてコメントさせていただく。
    • 第一は、いわゆるSPAC市場の創設を念頭に検討を進めるということが明記された点である。日本の産業界では、新陳代謝がなかなか進まない、とりわけスタートアップの力が弱いことが議論されてきた。これを解決するには多くのことが必要だが、その一つとして、上場の機会をより柔軟に提供する新しいSPAC市場が世界的に注目をされている。
    • これは上場に向けた時間的な制約を克服する手段であると同時に、今の仕組みでは上場時の値決めが低めになって企業の資金調達が制約される傾向があるという批判にも対応するものである。投資家保護と両立させながら、是非この検討を早く進め、できれば年内、遅くとも年度内に方向性が示されることを期待している。そのためのフォローアップも必要である。
    • 第二は、これも産業の新陳代謝と関連するが、日本では企業の退出コストが非常に高く、これを低くするための様々な工夫が必要である。そのための一つの方策として、事業再編のための質的整理をより速やかに活用できることが期待される。
    • 今、コロナ禍で手厚い支援策が取られ、日本経済は失業率が低く、企業倒産も今のところ低く抑えられている。これは世界の中で見て極めて大きな成果と言える。ただし、今後、ポストコロナの出口を考えるとき、過剰債務を抱えた企業の問題はいろいろな形で表面化すると思われる。
    • 菅内閣のリーダーシップで、今、ワクチン接種がすさまじい勢いで加速し、イギリスやアメリカの例を見るとわかるように、これは経済開発のスピードを予想以上に速めると思う。現実に国際機関は今年の経済見通しを大幅に上方修正している。つまり、日本でもアフターコロナの局面を迎えるタイミングが従来の予想以上に早く訪れるだろうと考えられる。このような点も踏まえて、今回の成長戦略には私的整理の問題が提起された。問題は、そのスピード感だと思う。早急に議論を詰めて、できれば来年の通常国会でそのための法案を提出し、その後、速やかにガイドラインが示されるよう、格段の御尽力を期待している。
    • 最後に、健全な競争政策の確立のために公正取引委員会のアドボカシー機能強化、そのための体制強化を是非お願いしたい。

~NEW~
消費者庁 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について
  • 消費者庁は、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じ、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品に対し、緊急的措置として、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から表示の適正化について改善要請(別紙1)を行うとともに、SNS等を通じて一般消費者等への注意喚起(別紙2及び別紙3)を行いました。
  • 新型コロナウイルスについては、その性状特性が必ずしも明らかではなく、かつ、民間施設における試験等の実施も困難な状況にあります。また、一部の大学等の研究機関において、食品成分により新型コロナウイルスの不活化を実証したとする研究結果が報告されておりますが、いずれも試験管内での実験結果であり、当該食品成分を含む特定の健康食品を摂取することによる新型コロナウイルス感染や重症化の予防効果が実証されているものではありません。
  • このような現状において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品については、現段階においては客観性及び合理性を欠くものであると考えられ、一般消費者の商品選択に著しく誤認を与えるものとして、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の規定に違反するおそれが高いものと考えられます。
  • そこで、消費者庁では、今般の緊急事態宣言が発出された令和3年4月以降、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示について、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から緊急監視を実施しているところです。
  • 現在までのところ、インターネット広告において健康食品の販売をしている43事業者による49商品について、一般消費者が当該商品の効果について著しく優良等であるものと誤認し、新型コロナウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、当該表示を行っている事業者等に対し、改善要請を行いました。
  • また、改善要請の対象となった事業者がオンライン・ショッピングモールに出店している場合には、当該ショッピングモール運営事業者に対しても情報提供を行いました。
  • 消費者庁では、引き続き、不当表示に対する継続的な監視を実施し、法に基づく適切な措置を講じてまいります
  • 表示されていた効果等
    • コロナウイルス感染症患者の死因となる重篤な急性呼吸器症候群、肺炎を治すための既存の有効な方法として、ビタミンCの使用は臨床的にも実証
    • 1日3gのビタミンCが新型コロナ予防に効果的
    • ビタミンDでコロナ予防、○○サプリがお勧め!
    • 柿渋含有飴において 新型コロナウイルスの不活化を実証
    • 「柿渋でコロナ無害化」○○大学が発表
    • 柿タンニン×茶カテキンの抗ウイルス力に着目!実験で柿タンニンと茶カテキンが、それぞれ新型コロナウイルスを不活性化する効果を確認
    • コロナ対策に!チャーガ茶、世界的な研究施設が「新型コロナに効く」と認めたキノコ
    • コロナに負けるな!チャーガ茶で免疫力UP
    • 新型コロナウイルスを予防する効果的な対策は、チャーガ茶を飲むだけ
    • チャーガ茶、コロナに負けない抗酸化作用で免疫アップ、アガリクスの23倍の抗酸化作用
    • 新型コロナウイルスの増殖を抑制する5-ALA(5-アミノレブリン酸)
    • ○○大学が5-ALA(5-アミノレブリン酸)による新型コロナウイルス感染症原因ウイルスの増殖を阻害するとの研究結果を発表
    • ○○大学から、最新の新型コロナの現状を踏まえた科学的根拠のあるラクトフェリン摂取の推奨がなされています
    • 新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス対策に「月桃抽出液」をお勧めです!

~NEW~
消費者庁 電話勧誘販売業者【東京電力エナジーパートナー株式会社】に対する行政処分について
  • 業務停止命令
    • 東電EPは、令和3年6月26日から同年12月25日までの間、電話勧誘販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
      1. 東電EPが行う電話勧誘販売に関する役務提供契約の締結について勧誘すること。
      2. 東電EPが行う電話勧誘販売に関する役務提供契約の申込みを受けること。
      3. 東電EPが行う電話勧誘販売に関する役務提供契約を締結すること。
  • 処分の原因となる事実
    • 消費者庁は、東電EPにおいて、以下のとおり、特定商取引法に違反する行為をしており、電話勧誘販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
      1. 勧誘目的等の明示義務に違反する行為(勧誘目的不明示)(特定商取引法第16条)
        • 東電EPは、遅くとも平成30年6月以降、東電EPと電気小売供給契約を締結中の相手方に対し、本件ガス小売供給契約の締結について電話勧誘販売をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「現在ですね、○○様の東京電力のご契約ですが、割引のないプランとなっておりますので、お高い可能性がございますので、お安いプランへの切替をご案内させていただきました。」、「ご契約いただいております料金プランについてご連絡をいたしました。」などとあたかも契約中の電気小売供給契約についての連絡事項の伝達のために電話したかのように告げるのみで、その電話が本件ガス小売供給契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げていない。
      2. 役務の対価についての不実告知(特定商取引法第21条第1項第2号)(※2)
        • 東電EPは、遅くとも令和元年11月以降、電話勧誘販売に係る本件電気小売供給契約及び本件ガス小売供給契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、両契約をまとめて東電EPと締結しても、その電気料金は、消費者が契約中のある特定の事業者の電気料金と比較して、一律に年間1,200円程度安くなる事実はないにもかかわらず、「年間1,224円の割引を付けられるんですね。」、「従来プランと比べて、毎年1,200円お安くすることができます。」などと、あたかも、東電EPと本件電気小売供給契約及び本件ガス小売供給契約の両方をまとめて締結すれば、その電気料金は、消費者が契約中の当該特定の事業者の電気料金と比較して、一律に年間1,200円程度安くなるかのように告げている。
      3. 役務の対価についての事実不告知(特定商取引法第21条第1項第2号、同条第2項)(※2)(※3)
        • 東電EPは、遅くとも平成31年4月以降、電話勧誘販売に係る本件電気小売供給契約及び本件ガス小売供給契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、電気の月間使用量が300kWhを超えると、東電EPの料金プランの電気及びガスの当該月の料金の総額の方が、消費者が契約中のある特定の事業者の料金プランの電気及びガスの当該月の料金の総額よりも高くなることが一般的に起こるにもかかわらず、「弊社では電気とガスの両方ともお安くご利用いただけるようになったので、」、「○○様が私共の東京電力に戻ることでですね、電気もガスも両方ともお安くなりまして。」、「今回お切替いただくことによってお得にお使いいただけるお客様でございます。」、「電気とガスのお得なセットプランのお切替のご提案で。」などと、本件電気小売供給契約及び本件ガス小売供給契約をまとめて東電EPと締結すると、電気及びガスの料金の総額が、消費者が契約中の当該特定の事業者の電気及びガスの料金の総額よりも安くなる旨を強調して告げるのみで、故意に当該事実を告げていない。
        • ※2 上記(2)及び(3)の違反事実は、少なくとも、従前東電EP(東電EP設立前の東京電力株式会社も含む。)と電気小売供給契約を締結していたことのある相手方で、勧誘時には他の事業者と電気及びガスの小売供給契約を締結している者に対して、東電EPと本件電気小売供給契約及び本件ガス小売供給契約を締結することについて勧誘をする際に認められるものである。
        • ※3 上記(3)の違反事実は、少なくともある特定の事業者の電気及びガスの料金プランとの比較において認められるものである。

~NEW~
国民生活センター 高齢者の自宅の売却トラブルに注意-自宅の売却契約はクーリング・オフできません!内容をよくわからないまま、安易に契約しないでください-
  • 全国の消費生活センター等に、「強引に勧誘され、安価で自宅を売却する契約をしてしまった」「解約したいと申し出たら違約金を請求された」「自宅を売却し、家賃を払ってそのまま自宅に住み続けることができるといわれ契約したが、解約したい」といった、自宅の売却に関する相談が寄せられています。
  • 消費者が所有する自宅を不動産業者に売却した場合、クーリング・オフはできません。契約の内容をよく理解しないまま、安易に売却の契約をしてしまうと、特に高齢者の場合、住む場所が見つからなかったり、解約の際に違約金を支払うことで生活資金が少なくなったりするなど、今後の生活に大きな影響が生じる可能性があります。
  • そこで、60歳以上の消費者が契約当事者となっている自宅の売却トラブルに関して、相談事例を紹介し、消費者への注意喚起を行うとともに、関係機関に要望を行います。
    1. 相談事例
      • 長時間の勧誘を受け、説明もなく書面も渡されないまま強引に売却契約をさせられた:一人暮らしの自宅に突然、不動産業者が2人で訪ねて来た。住んでいるマンションを売らないかと勧められ、とにかく売れ売れと夜9時半まで居座られた。翌日も2人で訪ねてきて朝10時から夜7時頃まで居座られた。「マンションを売ったら入所できる施設は探してあげる」と言われ、新型コロナウイルスの感染状況等で気が弱くなっていたこともあり、結局売ることになってしまった。何か書面に署名押印したが、業者からは会社案内のパンフレットしかもらっていない。買い手が待っていると言われたが、契約をなかったことにしてほしい。
    2. その他、以下のような相談も寄せられています。
      • 有利な話があると長時間勧誘され売却と賃貸借の契約をさせられた
      • 強引に安価な売却契約をさせられ、解約には高額な解約料がかかると言われた
      • 嘘の説明を信じて、自宅の売却と賃貸借の契約をしてしまった
      • 自宅の売却をしたようだが覚えておらず、住むところがないため解約したい
      • 売却後、住宅のシロアリ駆除費用の負担を求められた
      • 登記情報を参考にしたという売却の勧誘はがきが来て迷惑だ
    3. 相談事例からみた問題点
      • 迷惑な勧誘、長時間の勧誘や嘘の説明によって消費者が望まない契約をしてしまう
      • 契約内容等について消費者の理解が不十分なまま契約してしまう
      • 判断能力が低下している消費者が契約し、後になって家族等が気づき、トラブルになる
      • 契約内容によっては、売却後に住宅の修理等の費用負担を求められることがある
    4. 消費者へのアドバイス
      • 自宅を不動産業者に売却した場合、クーリング・オフはできません
      • よくわからないことや納得できないことがあったら、解決するまで契約はしない
      • 勧誘が迷惑だと思ったらきっぱりと断り、今後勧誘しないように伝えましょう
      • 不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談してください

~NEW~
国民生活センター 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」の受付状況について(3)-ワクチンの接種に関連した連絡だからといって安易に対応するのは危険!!-
  • 国民生活センターでは、新型コロナワクチンの接種に便乗した消費者トラブルや悪質商法(ワクチン詐欺)に関する相談を受け付けるため、令和3年2月15日(月曜)より「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」を開設しています。
  • 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」には引き続き自治体や公的機関の職員をかたった電話や、ワクチンの接種に便乗した不審なショートメッセージ(以下「SMS」)が届いている事例がみられます。また、ワクチン接種の予約後などに、自治体名を名乗る連絡があると接種に関する連絡と思い、不意の電話や訪問に対応してしまう場合もあります。そこで、今後の被害発生の防止のため、相談事例と消費者へのアドバイスを紹介します。
    1. ワクチン詐欺が疑われる相談事例
      • 大規模接種会場の予約情報を尋ねる不審な電話がかかってきた
      • 「ワクチン受付中」という内容のSMSが届いた
      • ウェブサイトでワクチン接種を申し込んだが、不審なサイトだったのではないか
    2. 消費者へのアドバイス
      • アドバイス
        • ワクチン接種に関連した電話やSMSなどには注意が必要です
        • 不意の電話や訪問に対しては、公的機関が広報誌やウェブサイトなどで公表している問い合わせ先を確認したうえで、消費者から連絡をすることが有効です。
        • また、知らない番号からのSMSに記載されているURLのリンク先は、詐欺的なサイトにつながる可能性があるので、タップ(クリック)しないでください
      • 新型コロナワクチンの接種は無料です。国や自治体が、ワクチン接種のために金銭や個人情報を電話やメール等で求めることはありません
    3. 少しでも「おかしいな?」、「怪しいな?」と思ったり、不安な場合はご相談ください
      • 新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン
        • 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」をご利用ください
        • 電話番号 フリーダイヤル:0120-797-188
        • 相談受付時間 10時~16時(土曜、日曜、祝日を含む)

~NEW~
厚生労働省 第40回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年6月23日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、報告日別では、減少傾向が続いており、直近の1週間では10万人あたり約8となっている。感染拡大が見られていた地域では概ね減少傾向となっている。新規感染者数の減少に伴い、重症者数、死亡者数も減少傾向が続いている。また、感染者に占める高齢者割合は低下傾向。しかし、人流の増加傾向が見られ減少速度が鈍化する地域もあり、そうした地域では、今後リバウンドが懸念される。特に、東京を中心とする首都圏では下げ止まりから横ばいとなってきており、リバウンドを起こさないための対策の徹底が必要。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(6/6時点)で0.80と1を下回る水準が継続。
  • 感染状況の分析【地域の動向等】 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
    • 沖縄
      • 新規感染者数は約40と依然として高い水準であるが、減少が継続している。20-30代が中心。病床使用率は高水準となっているが、新規感染者数の減少に伴い、自宅療養や入院等調整中は減少に転じ、入院率は上昇している。今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、新規感染者数が減少に転じた後、夜間滞留人口・昼間滞留人口とも増加に転じており、今後も滞留人口の増加傾向が継続するか注視が必要。
    • 首都圏(1都3県)
      • 東京、千葉では、新規感染者数は横ばいから増加に転じる動きが見られ、それぞれ約20、12。東京では特に20代が多く、都心部で感染者数が高い状況。埼玉、神奈川では減少傾向で、それぞれ約7、14。東京では、夜間滞留人口の増加が続いていたが、先週に入り微減、今後の動きを注視する必要。千葉、神奈川の夜間滞留人口は横ばいから微減。埼玉では増加の動き。対策への協力が得られにくくなっていることが懸念され、特に東京で滞留人口の増加傾向が続くと、リバウンドに向かうことが強く懸念され、警戒が必要。
    • 関西圏
      • 大阪、兵庫、京都では、新規感染者数の減少傾向が続き、それぞれ約7、3、4。新規感染者数の減少に伴い、入院者数、重症者数も減少するなど改善が見られるが、高齢者施設等でのクラスターは継続して発生。大阪では、夜間滞留人口・昼間滞留人口の増加が継続、3回目の宣言開始時の水準に戻っている。兵庫では夜間滞留人口は2回目の宣言中最低値より低い水準を維持。京都では直近の1週間で再び増加。今後も新規感染者の減少が見込まれるが、滞留人口の動向とともに注視が必要。
    • 愛知
      • 新規感染者数の減少が続き、約8。新規感染者数の減少に伴い、入院者数、重症者数の減少が見られ、病床使用率、重症病床使用率は低下傾向。夜間滞留人口は低い水準に抑えられており、今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、こうした傾向が継続するか注視が必要。
    • 北海道
      • 新規感染者数は減少が続き、約8。感染の中心である札幌市でも減少が続き、約15。今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、減少が続いていた夜間滞留人口が増加に転じた後、直近の1週間ではほぼ横ばい。新規感染者数の減少傾向が継続するか注視が必要。札幌では病床使用率が高い状況。
    • 福岡
      • 新規感染者数の減少が続き、約5。新規感染者数の減少に伴い、入院者数、重症者数の減少が見られ、病床使用率、重症病床使用率は低下傾向。夜間滞留人口は、低い水準を維持。今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、こうした傾向が継続するか注視が必要。
    • 上記以外
      • 山梨では新規感染者数が約19。クラスターの発生による増加がみられ、留意が必要。
  • 変異株に関する分析
    • 1.617.2系統の変異株(デルタ株)は、クラスターが複数報告されている。スクリーニング検査の割合(機械的な試算)は、クラスターの影響により数十%程度となっている地域もあるが、全国的には3%程度となっている。しかし、今後置き換わりが進むとの指摘もあり、注視していく必要がある。また、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)よりも感染性が高いことが示唆されている。ワクチンについては変異株に対しても二回接種後には有効性を示す研究結果も報告されている。引き続き、分析を進めていく必要がある。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • 6月21日から多くの地域で緊急事態措置やまん延防止等重点措置(重点措置)の解除や緩和が行われた。これは、市民や事業者の協力により、新規感染者数の減少や医療提供体制への負荷の低減という効果が着実に現れた成果である。今後、急激なリバウンドを避けるためには、今後も人々の協力が不可欠である。
    • 今後も全国的に新規感染者数の減少傾向が続く可能性があるが、これまで解除後速やかに人流の増加やリバウンドが起こった経験や、アルファ株及びデルタ株によりこれまでより感染拡大が速く進む可能性があることも踏まえると、今後のリバウンドが強く懸念される。特に、全国への影響も大きい東京において、重点措置による対策の徹底による人流および接触機会を抑制できないとリバウンドが起こることが強く懸念される。
    • 一方で、ワクチンの接種が高齢者中心に進んでおり、高齢者の重症化が抑えられることが期待されるものの、デルタ株への置き換わりが進む可能性もあり、リバウンド後に感染者数の急速な増加が続けば、結果的に重症者数も増加し、医療のひっ迫につながる可能性もある。
    • このため、先般取りまとめられた「令和3年6月21日以降における取組」に基づき、職域接種なども含めワクチン接種を着実に進めるとともに、感染の拡大を抑制するための必要な取組を今後も継続すべきである。また、感染の状況を踏まえ、対策の強化を含めた機動的な対処が重要。各自治体でも、感染拡大の予兆があれば、必要な対策をタイムリーに実施していくことが必要。
    • 置き換わりも懸念されるデルタ株については、全陽性者の約4割を目指したL452R変異株スクリーニングにより全国的な監視体制を強化するとともに、変異株に対する積極的疫学調査や検査の徹底等により、感染拡大を可能な限り抑えていくことが必要。また、水際対策についても、引き続き迅速に対応することが必要。
    • また、ワクチン接種が進められる中、感染状況への影響および、入院者数や入院率、重症者数の推移、それに伴う医療提供体制の負荷の状況などを適切に評価しながら、今後の対策を考えることが必要。

~NEW~
厚生労働省 「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました
  • 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、「新しい生活様式」として、一人ひとりが感染防止の3つの基本である。1.身体的距離の確保、2.マスクの着用、3.手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の対策を取り入れた生活様式を実践することが求められています。これから、夏を迎えるにあたり、皆様には、例年よりもいっそう熱中症にもご注意いただきたく、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」における熱中症予防のポイントをまとめました。
    1. マスクの着用について
      • マスクは飛沫の拡散予防に有効で、「新しい生活様式」でも一人ひとりの方の基本的な感染対策として着用をお願いしています。ただし、マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。
      • したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
      • マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。
      • 外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。
    2. エアコンの使用について
      • 熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。
    3. 涼しい場所への移動について
      • 少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効です。一方で、人数制限等により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合もあると思います。その際は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。
    4. 日頃の健康管理について
      • 「新しい生活様式」では、毎朝など、定時の体温測定、健康チェックをお願いしています。これらは、熱中症予防にも有効です。平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできます。日ごろからご自身の身体を知り、健康管理を充実させてください。また、体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

~NEW~
厚生労働省 「裁量労働制実態調査」の結果を公表します
▼別添 調査結果の概要
  1. 適用事業場調査
    1. 適用労働者がいる適用事業場における1か月の労働時間の状況の平均(1人当たり)は171時間36分、1日の労働時間の状況の平均は8時間44分(労働日数加重平均により算出した値)、1か月の労働日数の平均(1人当たり)は19.64日である。
    2. 裁量労働制に対する意見別事業場割合は、専門型裁量労働制の適用労働者がいる適用事業場においては、「特に意見はない」(39.5%)が最も高く、次いで、「今のままでよい」(37.9%)、「制度を見直すべき」(15.8%)である。企画型裁量労働制の適用労働者がいる適用事業場においては、「制度を見直すべき」(39.7%)が最も高く、次いで、「今のままでよい」(33.9%)、「特に意見はない」(23.8%)である。
  2. 非適用事業場調査
    1. 非適用事業場における1か月の労働時間の平均(1人当たり)は169時間21分、1日の労働時間の平均は8時間25分(注1)、1か月の労働日数の平均(1人当たり)は20.12日である。
    2. 裁量労働制に対する意見別事業場割合は、専門型裁量労働制対象業務従事労働者がいる非適用事業場においては、「特に意見はない」(55.1%)が最も高く、次いで、「分からない」(19.3%)、「今のままでよい」(15.7%)である。企画型裁量労働制対象業務従事労働者がいる非適用事業場においては、「特に意見はない」(51.9%)が最も高く、次いで、「分からない」(19.0%)、「今のままでよい」(17.5%)である。
  3. 適用労働者調査
    1. 適用労働者における1週間の平均労働時間数は45時間18分、1日の平均労働時間数は9時間0分、1週間の平均労働日数は5.03日である(労働者調査における1週間の平均労働時間数、1日の平均労働時間数及び1週間の平均労働日数については、1週間に実際に働いた労働時間の合計を1時間単位で回答した調査票のみを集計しているもの)。
    2. 適用労働者における健康状態の認識状況別労働者割合は、「よい」(32.2%)が最も高く、次いで、「ふつう」(29.4%)である。
    3. 適用労働者における裁量労働制が適用されていることに対する満足度別労働者割合は「満足している」(41.8%)が最も高く、次いで、「やや満足している」(38.6%)である。
    4. 裁量労働制に対する意見別労働者割合は、専門型裁量労働制の適用労働者では、「今のままでよい」(33.0%)が最も高く、次いで、「特に意見はない」(28.8%)、「制度を見直すべき」(28.3%)である。企画型裁量労働制の適用労働者では、「今のままでよい」(41.0%)が最も高く、次いで、「特に意見はない」(26.4%)、「制度を見直すべき」(26.0%)である。
  4. 非適用労働者調査
    1. 非適用労働者における1週間の平均労働時間数は43時間2分、1日の平均労働時間数は8時間39分、1週間の平均労働日数は4.97日である。
    2. 非適用労働者における健康状態の認識状況別労働者割合は、「ふつう」(33.8%)が最も高く、次いで、「よい」(30.0%)である。
    3. 裁量労働制に対する意見別労働者割合は、専門型裁量労働制対象業務従事労働者では、「特に意見はない」(35.0%)が最も高く、次いで、「制度を見直すべき」(25.2%)、「今のままでよい」(19.7%)である。企画型裁量労働制対象業務従事労働者では、「特に意見はない」(34.7%)が最も高く、次いで、「制度を見直すべき」(23.8%)、「今のままでよい」(21.4%)である。

~NEW~
厚生労働省 「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和2年度)」を公表しました~相談件数は微減、紛争解決援助件数は増、調停件数は減~
▼報道発表資料全体版
  • 厚生労働省は、このたび、都道府県労働局や公共職業安定所(ハローワーク)における「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和2年度)」を取りまとめましたので、公表します。
  • ハローワークに寄せられた障害者差別および合理的配慮に関する相談は246件で、対前年度比3.1%減と、僅かに減少しました。一方、労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は12件と前年度の3件から増加、障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は5件と前年度の13件から減少しました。(詳細は「集計結果の主なポイント」参照)
  • 厚生労働省では、雇用分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る制度※の施行状況を踏まえ、制度のさらなる周知に努めます。同時に、公共職業安定所などに寄せられる相談への適切な対応と紛争解決のための業務の的確な実施に取り組んでいきます。
  • 集計結果の主なポイント
    • 公共職業安定所に寄せられた障害者差別および合理的配慮に関する相談は246件で、対前年度比3.1%減となった。このうち障害者差別に関する相談は69件で、対前年度比8.0%減となり、合理的配慮の提供に関する相談は177件で、対前年度比1.1%減となった
    • 公共職業安定所が行った事業主への助言件数は54件で、対前年度比28.9%減となり、指導件数および都道府県労働局長が行った勧告件数は、前年度に引き続き、ともに0件となった
    • 労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は12件(前年度3件)となった
    • 障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は5件(前年度13件)となった

~NEW~
厚生労働省 コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム~もっとあなたを支えたい~(第5回)会議資料
▼【資料】プロジェクトチーム報告書案
  • コロナ禍の対応としてすぐに取り組むこと
    1. 雇用・人材開発支援
      • 個人向けの支援策(教育訓練給付、求職者支援訓練、高等職業訓練促進給付金等)について、認知度を高め、支援対象者の利用に向けた心理的ハードルを下げることができるよう、web サイト強化に加えて、広報チャネル(支援団体、労働組合等)の多様化やチラシ等におけるメッセージの工夫を図る。
      • 個人向け・企業向けいずれの支援策についても、ポストコロナの時代にも活用できるような雇用促進のための好事例の収集及び発信の強化を図る。
      • 全国の社会福祉協議会の窓口職員向けに、ハローワークの各種サービスや支援策を分かりやすく紹介したリーフレットを配布することにより、現場レベルでの福祉と雇用の連携を図る。
      • 求職者の方々に訓練受講に関する具体的なイメージを持っていただき、求職者支援制度の活用促進につなげるため、厚生労働省HPにおける掲載内容の見直しを行う。具体的には、動画を活用した制度の分かりやすい解説に加え、訓練受講者の生の声(訓練受講の経緯、訓練の内容や訓練の効果、訓練を契機とした職種転換、育児と訓練の両立等)を掲載・随時更新する。また、就職に向けた意欲喚起につなげるため、訓練受講後の就職先等の例を併せて掲載する。
      • HPの見直しに加え、都道府県労働局を通じて、各地域の社会福祉協議会・生活困窮者自立支援機関・福祉事務所・地方公共団体等のHPへの掲載を働きかけ、求職者支援制度の活用促進を図る。
      • デジタル分野をはじめとする各分野の訓練コースについて、求職者の関心が高まるよう、訓練内容のほか、訓練修了生の声・就職先・就職率等を盛り込んだリーフレットを作成し、厚生労働省のSNSを活用した情報発信に取り組む。
      • 教育訓練給付について分かりやすく解説したリーフレットの作成に加え、厚生労働省HPの掲載内容の見直しを行う。
      • 具体的には、労働者向け・教育訓練施設向けといった対象者別に掲載内容を分かりやすく整理することに加え、関係省庁等のHPにおける関連ページとのリンクを効果的に充実させる。
      • 厚生労働省HPの見直しに加えて、勤務先を通じて労働者への制度周知につなげるため、ハローワークの給付窓口に加えて、雇用保険の適用窓口や求人窓口においても事業所向けの制度周知を強化する。また、日本商工会議所をはじめとする主要経済団体・各種業界団体・労働組合を通じた周知も行う。
    2. 自殺防止・生活支援
      • コロナ禍において増加している女性や若者の自殺の原因動機や背景について分析を進め、それを踏まえた自殺対策を推進する。
      • web検索の結果、自殺関係の相談窓口が多数出てきて利用者が混乱することがなくなるよう、また、一つの相談ダイヤルが混雑して繋がらず、悩んでいる方との貴重な接点が失われるといったことがなくなるよう、厚生労働省が案内する相談窓口のネット上における表示を分かりやくするとともに、各相談窓口の応答率の改善を図った上で、混雑時には各窓口が連携できるような仕組みについて、相談実施団体と協議しつつ検討を行う。
      • また、「自殺は誰にでも起こりうる危機」という認識の下、「周囲に頼ることは恥ずかしいことではない」とのメッセージを国民に発信するとともに、自殺防止のweb検索に連動した窓口案内の更なる充実を図ることで、相談しやすい環境づくりを進める。
      • いわゆる「ウェルテル効果」(マスメディアの報道に影響されて自殺が増える現象)を防止するため、引き続き、有名人の自殺報道のたびにWHOの自殺報道のガイドラインの遵守を報道機関に求めていく。
      • インターネット上の投稿から相談支援を働きかける取組を行う民間団体、地域の支援団体とのコンソーシアム(共同事業体)による相談支援を行う民間団体等、先進的な取組を行う団体に対する支援を強化する。
      • 地域における自殺対策を推進するため、地方自治体に対し、地域毎の自殺データや先進事例の提供を引き続き行う。
      • 緊急小口資金や総合支援資金の特例貸付の償還免除要件の周知を徹底する。
      • 生活保護について、昨年以降HP上で取組をまとめ、厚生労働省作成のリーフレットで制度を周知するとともに、Yahoo!のバナー広告、Googleの検索機能、TwitterやFacebookを通じた広報といった新たな取組を始めており、引き続きこうした広報を行っていく。
      • ホームレスの方など住まいが不安定な方に必要な支援が届くよう、各自治体に対して、NPO等支援団体と連携して情報発信に取り組むよう促すとともに、女性向けに一部の自治体が既にハローワークと連携して実施している面接時のスーツの貸し出し等の就労支援等について、コロナ禍の状況を踏まえ、その拡充等について検討を行う。
      • 困窮状況が見えにくい方なども含め、地域住民の複合化・複雑化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制の整備を進める。
      • 困っている方々の目線に立った「アウトリーチ型支援」をNPO等と連携を図りながら、取り組んでいく。
    3. 職場における環境整備支援
      • テレワークは、時間制約の多い女性にとっても働きやすく、またウィズコロナ・ポストコロナの「新たな日常」「新しい生活様式」に対応した働き方であり、今年3月に策定した「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を労使双方に分かりやすく周知するとともに、テレワークの相談支援や中小企業向けの助成金等の活用をはじめ、良質なテレワークの導入・定着に向け、引き続き、テレワーク関係省庁(総務省、経済産業省、国土交通省等)との連携の強化を図っていく。
      • 企業内において職場環境の整備を進めていく際には、経営者のコミットの有無が鍵であることを踏まえ、各種助成金(不妊治療、テレワーク、男性育休等)における経営者のコミットの条件付けを検討する。
      • 具体的には、それぞれの助成金の趣旨目的や、要件の厳格化による執行率への影響も踏まえつつ、人事担当者にとってもWin-Winになるような形で、具体的な対応の在り方について、令和4年度予算編成過程で検討する。
      • フリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、事業者とフリーランスの取引について独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法、労働関係法令の適用関係の明確化等をした、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(関係省庁連名で今年3月に策定)について、関係省庁と連携して周知を行うとともに、昨年11月に設置した「フリーランス・トラブル110番」において、フリーランスと発注事業者等との間のトラブル等について相談対応を実施する。また、今年4月から、労働者災害補償保険の特別加入制度の対象範囲を芸能従事者やアニメーション制作従事者等に拡大したところであり、今後とも労災保険の特別加入の拡大等、フリーランスの方のセーフティーネットのあり方について検討する。 (※) 上記のガイドラインにおいて、フリーランスは、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」と定義されている。
    4. 子育て支援
      • 自治体のひとり親家庭支援窓口に対し、職業訓練前の段階からワンストップで寄り添い型の支援を行い、個々人のニーズに応じて高等職業訓練促進給付金等の支援メニューを組み合わせて活用することや、地域の実情に応じて、メールやwebサイト、SNS等も含めて接しやすいツールを用いた積極的な支援策の周知をすることを依頼し、ひとり親に確実に支援情報を届け、就労を通じた自立に繋がるよう支援する。
      • 女性の活躍と子育ての両立を推進するため、ベビーシッター等の子育てにかかる経費の負担軽減策について、関係省庁と連携しながら、予算・税制の両面から検討する。
      • 妊娠・出産する女性全てに配付される母子健康手帳の情報浸透力の高さを踏まえ、多様な就労形態(雇用以外の働き方を含む。)に対応した母子健康手帳の記載修正を検討する。具体的には、「職業生活に係る記載」について有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和を反映することを含め、見直しを検討する。
      • 不妊治療は、個人の問題でも女性だけの問題でもなく、社会の問題や男女共通の問題であるという認識の下、不妊に悩む方に対して、当事者の視点に立って、ニーズに応じた不妊治療がなされるとともに、医療機関における治療内容等が適切に情報提供されるよう、令和4年度の保険適用に向けて、関係団体等とも連携して検討する。
      • なお、医療機関において、広告の際には、想定される治療を含めた標準的な費用を分かりやすく示すことが必要であり、治療の際にも、患者に対して丁寧に説明するよう努めなければならないということについて、今後とも周知していく。
      • 不妊治療等への社会全体の理解・関心を深めるため、内閣府とも連携し、メディアを通じた情報発信を積極的に行っていく。
    5. コロナ禍でお困りの方向けのデジタル広報・ナビゲーションの強化
      • スマートフォンが相当に普及していることや、支援窓口に対面・電話相談する心理的・時間的障壁が低くないことを踏まえ、フィンランドにおけるAIを活用した情報連携・発信の取組(Aurora AI)も参考にしながら、スマートフォンのアプリを通じた広報を今年度から速やかに強化することを検討する。スマートフォンを持っていない方にも配慮し、厚生労働省のwebサイトにおいても、アプリと同様の体系や分かりやすさで支援情報を整理する。
      • なお、経済財政運営と改革の基本方針(令和3年6月18日閣議決定)において、「マイナンバー制度を活用し、リアルタイムで世帯や福祉サービスの利用状況、所得等の情報を把握することにより、プッシュ型で様々な支援を適時適切に提供できる仕組みの実現に向けた工程を次期デジタル・ガバメント実行計画で具体化する。」とされており、厚生労働省としても、しっかり検討していく。
    6. 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策webサイトのプレイアップ
      • 新型コロナウイルス感染症に対する各種支援策情報を集約し、チャットボット等の機能も搭載されている内閣官房新型コロナウイルス感染症対策のHP(ワンストップ支援情報サイト)のプレイアップを行う。
    7. 内閣官房孤独・孤立対策担当室における取組
      • 孤独・孤立に悩む方の目線に立ち、情報提供の手法や利便性の観点からの向上を図るために必要な視点等を整理し、孤独・孤立対策のHP改編を行う。

~NEW~
厚生労働省 「第五次薬物乱用防止五か年戦略」フォローアップについて(令和2年の薬物情勢公表)
▼「第五次薬物乱用防止五か年戦略」フォローアップの概要
  • 令和2年の薬物情勢
    • 薬物事犯の検挙人員は、14,567人(+707人/+5.10%)と前年より増加した。うち、覚醒剤事犯の検挙人員は、8,654人(-76人/-0.87%)と前年に引き続き1万人を下回った。一方、大麻事犯の検挙人員は、5,260人(+690人/+15.10%)と7年連続で増加し、過去最多を更新した。
    • 覚醒剤の押収量は824.4kg(-1,825.3kg/-68.89%)、乾燥大麻の押収量は299.1kg(-131.0kg/-30.46%)と、いずれも前年より減少した。
    • 一方、コカインの押収量は821.7kg(+181.8kg/+28.41%)、MDMA等錠剤型合成麻薬の押収量は106,308錠(+32,393錠/+43.82%)と前年より大幅に増加した。
    • 薬物密輸入事犯の検挙件数は、286件(-278件/-49.29%)、検挙人員は330人(-265人/-44.54%)と、いずれも前年より減少した。
    • 30歳未満の検挙人員は、覚醒剤事犯は前年より減少したが、大麻事犯は7年連続で増加して過去最多を更新し、大麻事犯全体の検挙人員の66.7%(+9.3P)となった。
    • 覚醒剤事犯の再犯者率は、68.6%(+2.6P)と14年連続で増加し、過去最高を更新した。
    • 危険ドラッグ事犯の検挙人員は、159人(-41人/-20.5%)と前年よりさらに減少した。
  • 目標1 青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用未然防止
    • 薬物の専門知識を有する各関係機関の職員等が連携し、学校等において薬物乱用防止教室を実施したほか、各種啓発資料の作成・配付を行った。〔文科・警察・法務・財務・厚労〕
    • 乱用の拡大が懸念される若年層に対し、薬物乱用の危険性・有害性に関する正しい知識を普及するため、新入社員等を対象とした薬物乱用防止講習や児童・保護者等を対象とした出前講座の実施、有職・無職少年を対象とした薬物乱用防止読本の作成・配布、政府広報としてインターネット広告やラジオ番組等による情報発信等の広報啓発活動を実施した。〔内閣府・警察・総務・文科・厚労〕
    • 各種運動、薬物乱用防止に関する講演、街頭キャンペーン等、地域住民を対象とした広報啓発活動を実施するとともに、ウェブサイトやリーフレット等の啓発資材に相談窓口を掲載し、広く周知した。〔内閣府・警察・消費者・法務・財務・文科・厚労〕
    • 海外渡航者が安易に大麻に手を出さないよう、法規制や有害性を訴えるポスターの活用を図ったほか、ウェブサイトやSNS等で注意喚起を実施した。〔警察・外務・財務・厚労〕
  • 目標2 薬物乱用者に対する適切な治療と効果的な社会復帰支援による再乱用防止
    • 「依存症対策総合支援事業」の実施により、依存症専門医療機関及び依存症治療拠点機関の選定を推進するとともに、「依存症対策全国拠点機関設置運営事業」により医療従事者の依存症治療に対する専門的な能力の向上と地域における相談・治療等の指導者となる人材の養成を実施した。〔厚労〕
    • 薬物事犯により検挙され、保護観察処分が付かない執行猶予判決を受けた者等、相談の機会が必要と認められる薬物乱用者に対して、再乱用防止プログラムの実施を強化するとともに、パンフレットを配布して全国の精神保健福祉センターや家族会等を紹介するなど情報提供を実施した。〔厚労・警察〕
    • 薬物事犯者の処遇プログラムを担当する職員への研修等の実施により、職員の専門性向上を図るとともに、関係機関と連携し、各機関が有する責任、機能又は役割に応じた支援を切れ目なく実施した。〔法務・厚労〕
    • 保健所、精神保健福祉センター、民間支援団体等と連携して家族会等を実施するとともに、再非行に走る可能性のある少年やその保護者に対し、積極的に指導・助言等の支援活動を行った。〔法務・厚労・警察〕
  • 目標3 薬物密売組織の壊滅、末端乱用者に対する取締りの徹底及び多様化する乱用薬物等に対する迅速な対応による薬物の流通阻止
    • 通信傍受、コントロールド・デリバリー等の捜査手法の効果的な活用に努め、薬物密売組織の中枢に位置する首領や幹部に焦点を当てた取締りを推進した結果、令和2年中、首領・幹部を含む暴力団構成員等4,408人を検挙した。〔警察・法務・財務・厚労・海保〕
    • 令和2年中、麻薬特例法第11条等に基づく薬物犯罪収益等の没収規定を66人に、同法第13条に基づく薬物犯罪収益等の追徴規定を211人にそれぞれ適用し、没収・追徴額の合計は約1億6,010万円に上った。〔法務〕
    • 迅速な鑑定体制を構築し、未規制物質や新たな形態の規制薬物の鑑定に対応するため、資機材の整備を行うとともに、薬物分析手法にかかる研究・開発を推進し、会議等を通じ関係省庁間で情報を共有した。〔警察・財務・厚労・海保〕
    • 大麻の乱用拡大や諸外国における大麻を使用した医薬品の上市等を踏まえ、医学、薬学、法学の有識者を構成員とする「大麻等の薬物対策のあり方検討会」を開催し、今後の薬物対策のあり方などについて議論を行った。〔厚労〕
  • 目標4 水際対策の徹底による薬物の密輸入阻止
    • 関係機関間において緊密な連携を取り、捜査・調査手法を共有した結果、統一的な戦略の下に効果的、効率的な取締りが実施され、令和2年中、水際において、約1,906キログラムの不正薬物の密輸を阻止した。〔警察・財務・厚労・海保〕
    • 麻薬等の原料物質に係る輸出入の動向及び使用実態を把握するため、国連麻薬統制委員会(INCB)と情報交換を行うとともに、関係機関と連携し、麻薬等の原料物質取扱業者に対し、管理及び流通状況等にかかる合同立入検査等を実施した。〔厚労・経産・海保〕
    • 訪日外国人の規制薬物持ち込み防止のため、関係省庁のウェブサイト等での情報発信に加え、民間団体等に対して広報協力の働きかけを行うとともに、国際会議や在外関係機関を通じて広報・啓発を実施した。〔警察・財務・厚労・海保〕
  • 目標5 国際社会の一員としての国際連携・協力を通じた薬物乱用防止
    • 国際捜査共助等を活用し、国際捜査協力を推進するとともに、国際的な共同オペレーションを進めた結果、薬物密輸入事案を摘発した。〔法務、警察、財務、厚労、海保〕
    • 第63会期国連麻薬委員会(CND)会期間会合、アジア太平洋薬物取締機関長会議(HONLAP)臨時会合等に出席し、参加各国における薬物取締状況や薬物の密輸動向及び取締対策等に関する情報を入手するとともに、国際機関や諸外国関係者等と積極的な意見交換を行い、我が国の立場や取組について情報共有を図った。〔警察・外務・財務・厚労・海保〕
  • 当面の主な課題
    • 令和2年の我が国の薬物情勢は、大麻事犯の検挙人員が7年連続で増加し、5年連続で過去最多を更新するなど、大麻乱用の拡大が顕著であり、「大麻乱用期」とも言える状況となっている。特に、30歳未満の大麻事犯は、大麻事犯全体の65%以上を占めており、若年層における乱用拡大が懸念されている。一方で、諸外国において大麻に由来する医薬品が上市され、国際会議等においても大麻の医療用途等への活用に向けた議論が行われている。こうしたことから、取締りのより一層の強化や若年層に焦点を当てた効果的な広報・啓発活動を推進するとともに、「大麻等の薬物対策のあり方検討会」における議論の結果も踏まえ、社会状況の変化や国際的な動向等も踏まえた今後の薬物対策のあり方について、引き続き検討する必要がある。
    • また、本年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が見込まれており、今後、貨物等に隠匿して密輸入する事犯等の増加が懸念されることから、国内外の関係機関が連携を強化し、コントロールド・デリバリー捜査を積極的に活用するなど、徹底した水際対策を実施する必要がある。
    • 覚醒剤事犯の検挙人員は前年に引き続き1万人を下回ったものの、再犯者率は14年前から現在まで上昇し続け、上昇に歯止めがかかっていない状況であることから、関係省庁との連携を強化し、薬物乱用者に対する適切な治療・処遇と効果的な社会復帰支援をこれまで以上に推進する必要がある。

~NEW~
厚生労働省 「大麻等の薬物対策のあり方検討会」とりまとめを公表します~大麻等の薬物対策のあり方に関する基本的な方向について~
▼「大麻等の薬物対策のあり方検討会」概要
  • 設置趣旨
    • 我が国における薬物行政については、戦後制定された薬物4法を基本として、取締りをはじめとした各種施策が実施されてきたところであるが、このような取組の結果、違法薬物の生涯経験率は諸外国と比較して、著しく低くなっているなど、高い成果を挙げてきている。(違法薬物の生涯経験率は、欧米では30%から40%程度であるが、日本は2%程度。)
    • 一方で、大麻事犯が増加傾向にあり、特に、若年層における大麻乱用の急増や、再犯率が増加しているとともに、大麻ワックスなど人体への影響が高い多様な製品の流通が拡大している。
    • また、昨今、医療技術の進展等を踏まえ、諸外国において、大麻を使用した医薬品が上市されているとともに、CND(国連麻薬委員会)においても、大麻の医療用途等への活用に向けた議論が進められているところである。
    • このような社会状況の変化や国際的な動向等も踏まえつつ、今後の薬物対策のあり方を議論するため、標記検討会を設置する。
  • 大麻等の薬物対策のあり方検討会とりまとめ(ポイント)
    1. 成分に着目した規制
      • 大麻取締法においては、大麻草の部位による規制を行っているところであるが、実態としてはTHC(テトラヒドロカンナビノール)という有害成分に着目して取締りを行っていることや、規制すべき物質は有害な精神作用を示すTHCであることから、大麻草が含有する成分(THC)に着目した規制に見直すことが適当である。
    2. 大麻から製造された医薬品の施用に関する見直し
      • WHO勧告により大麻から製造された医薬品の有用性が認められる等、近年の諸外国の動向やその医療上の有用性を踏まえて、現行の麻薬及び向精神薬取締法に規定される免許制度等の流通管理の仕組みの導入を前提として、大麻から製造された医薬品の製造や施用を可能とすべきである。
    3. 大麻の「使用」に対する罰則
      • 法制定時に大麻の使用に対する罰則を設けなかった理由である「麻酔い」は現状において確認されず、大麻から製造された医薬品の不正使用の取締りの観点や他の薬物法規との整合性の観点からは、大麻の使用に対し罰則を科さない合理的な理由は見い出し難い。
      • また、使用に対する罰則が規定されていないことが、「大麻を使用してもよい」というメッセージと受け止められかねない状況にあることから、他の薬物法規と同様、大麻の使用に対し罰則を科すことが必要であるという意見が多かった。
      • 一方、国際的な回復支援の流れに逆行することになるのではないか、使用罪の導入が大麻使用の抑制につながるという論拠が乏しい、大麻事犯の検挙者数の増加に伴い、国内において、暴力事件や交通事故、また、精神障害者が増加しているという事実は確認されておらず、大麻の使用が社会的な弊害を生じさせているとはいえない、刑罰により罰することは孤立を深め、スティグマを助長するなどの理由から、3名の委員より反対意見があった。
    4. 再乱用防止と社会復帰支援の推進
      • 刑事司法関係機関等における社会復帰に繋げる指導・支援、医療提供体制に係る取組の継続及び地域社会における本人・家族等への支援体制の充実により、再乱用防止と社会復帰支援を進めていく必要がある。

~NEW~
経済産業省 IoT製品・システムを安全に実装するための国際規格が発行されました つながる世界に安全と安心を
  • 日本発の「IoTセキュリティガイドライン」、「つながる世界の開発指針」に基づいたIoTシステムの安全安心を確保する国際規格が発行されました。
  • 本規格がIoT製品・サービスの開発や保守において広く活用され、つながる世界の安全安心な発展に寄与することが期待されます。
    • 背景
      • IoT(Internet of Things)の進展に伴って様々な機器・デバイスがインターネットに接続され、新たな製品やサービスが提供されてきていますが、一方で、セーフティ・セキュリティのリスク増加が懸念されています。これらの製品やサービスの開発・運用に携わる者のセーフティ・セキュリティに関する設計・保守・運用の取組は個別には行われているものの、国際的な標準は存在していませんでした。
      • 本格的なIoT社会の到来に向け、日本では、2016年3月に内閣サイバーセキュリティセンターが「安全なIoTシステムのためのセキュリティに関する一般的枠組」を、さらにIoT推進コンソーシアムが2016年7月に「IoTセキュリティガイドライン」を策定して公表しました。これらの中には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の社会基盤センターが公表している「つながる世界」シリーズの内容も盛り込まれています。
      • IoT社会の安心・安全の確保のためのセーフティ・セキュリティの基準は、国際的にもそのニーズが認識されていることから、「IoTセキュリティガイドライン」などをベースにした規格を国際標準化機関であるISO/IEC JTC 1/SC 27(情報セキュリティ、サイバーセキュリティ及びプライバシー保護)に、「IoTセキュリティガイドライン」に加え「安全なIoTシステムのためのセキュリティに関する一般的枠組」やIPAの「つながる世界」シリーズをベースにした規格をISO/IEC JTC1/SC41(IoTとデジタルツイン)に、それぞれ提案し標準化活動が進められてきました。この内、JTC1/SC41に提案の「ISO/IEC 30147:2021 Internet of Things (IoT) – Integration of IoT trustworthiness activities in ISO/IEC/IEEE 15288 system engineering processes」が国際標準規格として成立し、2021年5月に出版されました。
    • 規格の内容
      • ISO/IEC 30147は、IoT製品やサービスにおけるトラストワージネスの実装・保守のためのシステムライフサイクルプロセスを提供するものであり、一般的なシステムライフサイクルプロセスの国際規格ISO/IEC/IEEE 15288:2015を適用・補完する内容となっています。ここで、トラストワージネスとは、セキュリティ、プライバシー、セーフティ、リライアビリティ、レジリエンスなどによって、システムがその関係者の期待に応える能力のことです。
        • ISO/IEC/IEEE 15288:2015 (対応JIS)X0170 一般的なシステムライフサイクルプロセス(システムを開発し利用するための工程、作業、行動)
        • ISO/IEC 30147:2021 (対応JIS)- IoT製品やサービスにおけるトラストワージネスの実装・保守のためのシステムライフサイクルプロセス(ISO/IEC/IEEE 15288:2015を補完)
    • 期待される効果
      • 本規格がIoT製品・サービスの開発や保守において広く活用され、安全安心な社会の発展に寄与することが期待されます。

~NEW~
経済産業省 「アジアCCUSネットワーク」が立ち上がりました
  • 国際エネルギー機関(IEA)によると、CCUSは世界全体をネットゼロ排出の経路にのせるために、2050年までに世界全体の累積削減のうち10%以上の貢献量が推計されております。グローバルCCSインスティチュートによれば、ASEAN各国にはそれぞれ100億トンを超える貯留可能容量があるとされています。また、21日にIEAが新たに公表した特別報告書「東南アジアにおけるCCUSの機会(The opportunity for CCUS in Southeast Asia)」では、今後も化石燃料の需要が残る東南アジア地域において、CCUSが果たす役割は大きく、2030年では約3500万トン、2050年では2億トン超の回収量が必要と見込まれており、このレベルを達成するためには、2030年までに毎年10億米ドル超の投資が必要とされています。
  • こうした背景を踏まえ、経済産業省と東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)は、2021年6月22日、23日にかけて「第1回アジアCCUSネットワークフォーラム」を開催しています。22日、フォーラムのオープニングセッションにおいて、梶山大臣より、アジア全域での二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)活用に向けた環境整備や知見を共有する国際的な産学官プラットフォームとして「アジアCCUSネットワーク」の立ち上げを発表しました。「アジアCCUSネットワーク」には、ASEAN10カ国、米国、豪州及び日本が参加するとともに、既に100を超える国際機関・企業・金融機関・研究機関等がアジア全域でのCCUSの発展というビジョンに賛同し、その活動に参画していることが発表されました。
  • 加えて、梶山大臣からは、日本のアジア地域でのCCUS発展への貢献の事例として、以下のような事例が説明され、明日23日(水曜日)のフォーラムにおいて、「ジャパンCCUSショーケース」セッションにおいても各事業者からの説明がある旨、併せて説明しました。
    • 油ガス田や発電所、製造業、バイオマス、CCS実証センター等が立地する「苫小牧CCUS・カーボンリサイクル実証拠点」における産業間連携のビジョンの策定
    • 革新的な分離回収技術の開発や、本日事業者の採択が公表された船舶による長距離CO2輸送の実証
    • インドネシアにおける二国間クレジット制度(JCM)を活用したCCUS実証に向け、新たに日インドネシア事業者間でMOUや共同スタディ合意を締結し、更なる共同調査を開始予定
    • 米国・豪州における日本のモニタリングや圧入技術の活用実証などの国際連携
    • CCUS技術事例集の策定とアジアCCUSネットワークを通じた共有(第1弾は2021年8月公開予定)
  • 閣僚セッションにおいては、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピン、シンガポール、タイ、豪州及び米国の閣僚等が参加し、各国がアジアCCUSネットワークの立ち上げに祝意を示しました。
  • 6月23日(水曜日)の2日目のセッションにおいては、上記協力事例を含む日本のCCUSの取り組みについての紹介に加えて、アジアCCUSネットワークの今後の活動方針の紹介に加えて、アジアCCUSネットワーク関係各国、国際機関、民間企業金融機関等からの参加を得て、CCUSへの投融資活性化に向けた議論を行う予定です。

~NEW~
経済産業省 AI分野や制度運用調和における新たな協力に合意しました
  • 日米欧中韓の特許庁(以下、「五庁」といいます。)への特許出願(約273万件(2019年))は、世界の特許出願件数(約322万件(2019年))の約85%を占めています。
  • この五庁は、2007年より長官会合を継続して開催し、審査結果の相互利用、手続の簡素化、審査の質の向上等の課題について、複数の作業部会(WG1: 分類関連、WG2: 情報関連、WG3: 審査関連、PHEP: 制度運用調和関連、NET*1/AIタスクフォース: 新技術・AI関連)等で検討を行ってきました。 *1「NET」:New Emerging Technologies(新技術)
  • 今次会合は、日本国特許庁のホストによりテレビ会議形式で開催しました。
  • 会合の結果
    1. 新技術・AI分野の協力に関する作業ロードマップ
      • 五庁は、新技術・AI分野の協力に関する作業ロードマップに合意しました。今後、新技術・AI関連発明における審査実務の比較研究といった法的側面や、新技術・AIの特許庁業務への適用について、各作業部会で具体的な作業を進める予定です。この作業の進展により、ユーザーが各国で新技術・AI関連発明について権利を取得する際の予見可能性の向上、新技術・AIの活用による庁内業務の効率化と高品質化、その結果としてユーザーサービスの適時性や正確性の向上が期待されます。
    2. 制度運用調和に関する新規プロジェクトの立ち上げ
      • 五庁は、特許図面のサイズやカラー・モノクロ等の要件の調和を目指すプロジェクトと、特許権の権利移転書類の様式の調和等を目指すプロジェクトの立ち上げに合意しました。これらのプロジェクトを通じ、各国における手続の共通化が進み、ユーザーの利便性が向上することが期待されます。
    3. ポストコロナ時代を見据えた今後の五庁協力
      • 五庁は、ポストコロナ時代において、手続の電子化や、審査官と出願人等とのオンラインでのコミュニケーションの拡充により、ユーザーの利便性を向上することの重要性を確認し、ユーザーニーズに応えることのできるよう引き続き五庁で協力していくことを確認しました。
    4. 社会課題の解決において知的財産権が果たす役割
      • 五庁は、社会課題の解決のための各庁における取組を共有し、知的財産権がそのような課題の解決において重要な役割を果たすことを確認しました。そして、知的財産権の社会課題の解決における貢献を対外発信し、知財に関する理解を広げていくことの重要性を五庁で共有しました。

~NEW~
経済産業省 不公正貿易報告書及び経済産業省の取組方針を取りまとめました
▼不公正貿易報告書を受けた経済産業省の取組方針(2021年6月25日公表)
  • 産業構造審議会通商・貿易分科会不公正貿易政策・措置調査小委員会が本日公表した2021年版不公正貿易報告書は、WTO協定を始めとする国際ルールに照らして疑義がある主要国の貿易政策・措置につき、広範な指摘を行っている。
  • WTOの紛争解決手続(DS)は、措置の是正を勧告するに留まらず、勧告の履行の監視手続や履行されない場合の対抗措置等も備えていることから、DSによる勧告の履行率は高く、WTOルールの実効性の維持に貢献している。1995年のWTO発足以来、DSが活用された案件は601件に上る(2021年6月25日現在)。
  • 我が国は、ルール不整合な他国の措置による自国の不利益を解消すること、また、先進国と発展途上国の対立の先鋭化など通商をめぐる環境が劇的に変化し、マルチのルール構築がますます難しくなっている中で、一つの方策として、先例の蓄積によってルールを発展させることを目指し、我が国が当事国として協議を要請した28件含め、DSを積極的に活用してきた。我が国としては、個別案件については、引き続き二国間・多国間協議・DS等を活用しながら積極的に解決を図る方針である。
  • 一方で、WTOの紛争解決制度に関しては、2019年12月以降、上級委員会が機能を停止している。我が国は、これまでも提案を出すなど、積極的に議論を行ってきたところであるが、上級委員会の機能の早期回復と、恒久的な紛争解決制度の改革に向けて、引き続き、加盟国間の議論を推進していく。
  • 近年、一部の新興国による市場歪曲的な措置により、多角的自由貿易体制の基礎である競争基盤あるいは市場の機能が歪められかねないとの懸念が広がりつつある。また、昨年来の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療関連品の輸出規制など世界全体で「自国優先」「保護主義」的な貿易制限措置も講じられており、危機的状況を隠れ蓑にした過度な措置により、多角的自由貿易体制の基礎である競争基盤や市場機能が歪められないよう注意していかなければならない。
  • こうした動きに対しては、WTOや日米欧三極貿易大臣会合などを通じ、公平な競争条件(levelplayingfield)確保に向けたルール形成等の取組を更に進めることで、「自由で、公平で、透明で、予見可能性のある安定的な貿易投資環境」を維持する。また、新型コロナウイルス感染症に対処するために各国が講じている貿易・投資に関する措置も含めて、WTOやG20による継続的な監視・フォローアップを行うとともに、WTO改革を通じたWTOの機能強化を図っていく。コロナ危機の中、社会のあらゆる領域で進むデジタル化に対応して、新たな国際ルール作りを進めるとともに、不当な越境データ移転規制に対処していく。さらに、一部の国による安全保障を理由とした措置についても、過度に広範なものとならないよう、注視・対処していく
  • 以上から、2021年版不公正貿易報告書で指摘された政策・措置を踏まえ、特に以下の案件に優先的に取り組むこととしたい。
    1. WTO紛争解決手続を開始したもの
      • 下記案件については、我が国がWTO紛争解決手続に付託しており、同手続を通じて措置の撤廃・是正を求めていく。
      • 中国:ステンレス製品に対するアンチ・ダンピング(AD)措置【協議要請】
      • 韓国:自国造船業に対する支援措置【協議】(国土交通省の取組 本件は、国土交通省が取組を進めているものであり、経済産業省は、法的観点から助言を提供。)
      • 韓国:ステンレススチール棒鋼に対するサンセット・レビュー(アンチ・ダンピング(AD)措置の継続に係る期末審査)【上級委】
      • インド:ICT製品に対する関税措置【パネル】
      • インド:熱延コイルに対するセーフガード(SG)措置【上級委】
    2. WTO紛争解決手続の開始も視野に二国間・多国間協議を通じて問題解決を図るもの
      • 下記案件については、二国間協議やWTO通常委員会等を通じて問題解決を図りつつ、WTO紛争解決手続の活用の可能性を検討していく。
      • 中国:産業補助金
        • 中国:サイバーセキュリティ法及び関連規則
        • 中国:強制技術移転
        • 中国:AD措置の不適切な運用
        • ベトナム:サイバーセキュリティ法・個人情報保護政令案
        • フィリピン:自動車に対するセーフガード措置
        • 米国:1962年通商拡大法232条に基づく輸入制限措置
        • 米国及び新興国:サンセット・レビュー手続及び不当に長期にわたる対日AD措置
    3. WTO勧告の早期履行等を求めていくもの
      • 下記案件については、我が国等がWTO紛争解決手続に付託した結果、措置のWTO協定整合性の確保を求めるWTO勧告が採択されているところ、勧告の早期かつ完全な履行やWTO勧告の趣旨に則った適切な対応を求めていく。
        • ブラジル:自動車等に対する内外差別的な税制恩典措置
    4. 措置の詳細や運用が不明であるものの貿易・投資への影響が大きく、その運用について特に注視が必要なもの
      • 下記案件については、未だ制度の詳細が明らかでなかったり、我が国による働きかけ等を通じて措置国において一定の対応がとられているものの、制度設計や当該対応の実施状況如何によっては、貿易・投資に大きな影響が生じうることから、引き続きその運用について特に注視していく。
      • また、新型コロナウイルス感染症に関する数量制限や政府調達等の各国措置についても、WTO協定と整合性のない措置が取られることがないよう、また必要以上に措置が継しないよう注視していく。
        • 中国:外商投資法
        • 中国:輸出管理法
        • 米国:ゼロイング(AD税の不適切な計算方式)(ターゲット・ダンピングを通じたゼロイングの濫用を含む)
        • インド:個人情報保護法案・国家電子商取引政策案
        • インド:貿易救済措置の不適切な運用

~NEW~
総務省 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第32回)
▼参考資料 論点整理
  • 携帯電話ショップでの手続時間等について、その短縮に向けたMNOの取組は進展していると考えられるのではないか。
  • したがって、引き続き、総務省において各社の取組をフォローアップすることが適当ではないか
  • 今後、通信契約を含むIoT製品が普及していく中では、例えば、料金徴収の仕組みによっては利用者が請求について認識しないなど、「モノ」を買ったとの認識しかないことを起因とするトラブルに繋がる可能性があるのではないか。
  • 他方、現時点では、SIM搭載型など、即座に電気通信事業法の消費者保護ルールの適用を受け得るIoT製品は限定的であり、具体的な課題は必ずしも明らかにはなっていない。このことを踏まえれば、IoTサービスの進展に関して生じ得る消費者保護上の具体的課題について、引き続き洗い出しを進めることが適当ではないか
  • 電気通信サービスの電話勧誘という手法に内在する問題やいわゆる「アウトサイダー」によりトラブルが生じている場合が少なくないことを踏まえれば、業界団体等による自主的取組の強化だけでは限界があり、これ以上の抜本的な改善は困難ではないか。そうであれば、電話勧誘による契約に関し、更なる制度的措置を講ずることが適当ではないか。
  • 具体的には、消費者団体からの意見等を踏まえると、不招請勧誘の禁止、電話勧誘拒否登録簿制度の導入、要式契約化(書面等で消費者からの明示的な同意が確認出来た時点をもって契約を成立とする)、説明書面を交付の上で契約前の説明を行うことの義務化、その他の措置が考えられるが、実効性や遵守費用を勘案すればどのような措置を講ずることが適当か
  • 電気通信サービスにおいて、契約の対称性を求めることは適当か。具体的には、ウェブで契約が可能なサービスの解約については、ウェブで可能とすべきか。当該サービスをウェブで受け付けないことに合理性はあるか。また、全ての電気通信事業者においてウェブによる解約を可能とすることが適当か。
  • 電気通信事業者がウェブ解約を実施する場合、留意すべき点はあるか。
  • 現在利用している端末を移行先でも利用可能か否かは電気通信事業者の乗換において重要な情報であると考えられる。一方で、電気通信事業者は他事業者の端末について正確な情報を有しているわけではない。これらを踏まえ、電気通信事業者は、自社の回線で利用可能な端末について、どの程度の情報を掲載することが適当か
  • FTTH等のベストエフォート型の固定通信サービスについても移動通信サービスと同様に、役務提供開始日を初期契約解除の起算点にすることにより、実際にサービスを利用して通信品質を評価した上で初期契約解除制度を利用できるようになる、工事の遅延等により希望する時期にサービスの利用ができない場合にも初期契約解除制度を利用できるようになる、契約を認識していない消費者にとっては、初期契約解除制度が利用しやすくなる、といった効果が期待できる。この点を踏まえ、ベストエフォート型の固定通信サービスの初期契約解除の起算点を「書面受領日又は役務提供開始日のいずれか遅い日」とすることは適当か。
  • 初期契約解除が可能な期間(契約書面の受領日から8日間)について、電話勧誘等による意図しない契約の場合やサービス品質の考えるべきか。特にベストエフォート型のサービスの場合、電気通信サービスにおける長期の契約は、不確実性の均衡の保持や契約締結後の状況変化に適応する要請の観点から消費者利益を不当に阻害し得ると言えるが、どのくらいの期間であれば不当と考えられるか。
  • 利用者の合理的な選択が不当に制約されないようにするという観点から、違約金の額に対する制約についてどのように考えるべきか。著しく期待値を下回る場合に無償で解約できるようにすべきか、あるいは違約金の上限を設けることにより利用者が合理的に解約できるようにすべきか。また、後者の場合の違約金の上限額について、特定商取引法上、電気通信サービス同様に月額料金が設定されているケースが一般的である学習塾や家庭教師において事業者が消費者に対して請求し得る損害賠償等の額の上限が「一か月分の授業料相当額」※であることを参考とすることは適当か。
  • 工事費など初期費用の回収についてはどのように考えるか。他に転用できない工事費等については、その費用回収を可能とすることに一定の合理性が認められるが、それは違約金とは別個に考えるべきではないか。
  • 利用料が電気通信サービスの対価である以上、解約の誤認や解約忘れ等により利用者が電気通信サービスの提供を受けている認識がないにもかかわらず利用料金を支払うといったことがないよう適切に対処することが適当ではないか。
  • 解約の誤認や解約忘れといった問題に対応するために電気通信事業者が取るべき方策として、例えば次のような方策も含め、どのようなものが考えられるか。
    • 日常的に利用されることが想定される電気通信サービスについて、一定期間利用がないときに、その旨を書面等により利用者に通知するサービスを利用者の同意の下で提供すること。
    • 電気通信サービスの解約時において、利用者が複数のサービスを契約している場合には、全てのサービスについて解約の意向を確認すること評価に要する時間を考慮すると8日間は短いという指摘があったところ、期間を延長することが適切か
  • 電気通信サービスに特化した専門の苦情処理機関の設置について消費者団体等から強い要望がある。他方、今後、5GサービスやIoTサービス等の先進的なサービスが消費者に本格的に浸透していく時代に向けて、電気通信サービスに専門性を持ちつつも業界を区切らないADRに関して、評価・期待する旨の指摘もあった。電気通信サービスに関する消費者トラブルに迅速かつ効果的に対処する観点から、苦情相談の受付・助言に留まらず、問題の切り分けや解決のモデルケースの提示等も行い得る体制の構築について検討すべきではないか。その際、どのような機能が求められるかまた、どのような課題が考えられるか
  • 5Gエリアの利用者への訴求について、MNO各社は、5G用の新周波数によるエリアと4G用周波数から5Gに転用された周波数によるエリアが分かるエリアマップを作製するなど、取組を適切に進めていると考えられるのではないか。
  • 他方、現時点において、「超高速」の5Gサービスが提供されているエリアは十分に広くはない。MNO各社においては、この点について利用者が誤解しないよう、引き続き適切に取り組む必要があるのではないか
  • 現在のMNO各社と販売代理店との間の委託手数料の仕組みなどについて、これまで電気通信事業法上の評価は行われてこなかったが、総務省の調査及びその分析結果を踏まえると、手数料の評価基準等は、その内容によっては、法令違反を助長し得ると考えられる。この点、販売目標の設定を通じて特定の商品・サービスの販売促進を行うこと自体は、営業活動として当然許容されるものである。しかし、こうした、評価基準等が適正かつ合理的でなく法令違反を助長し得るような形で設定されている場合は、業務改善命令の対象となり得るということを明確化すべきではないか。特に、少なくとも次のような評価指標等は、通常適正かつ合理的でなく、法令違反を助長する蓋然性が高いといえるのではないか
  • 手数料の評価基準等による法令違反の助長は、必ずしも単一の評価基準等によるとは限らず、端末の卸契約等の手数料以外の部分を含めた複数の要素が複合的に作用する場合もある。また、手数料体系それ自体が非常に複雑なものとなってる。このため、適切でない手数料の評価基準等が是正されたか否かを判断するためには、実際の販売現場において法令違反が疑われる行為が行われているか否かを継続的に確認することが必要ではないか
  • 政府の基本方針である「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」を実現する観点で、「地域のICT拠点」としての販売代理店の活用が期待される。販売代理店がこうした役割を十分に果たしていくためには、意欲のある販売代理店による独自商材の取扱も含めた創意工夫が可能な限り尊重される仕組みであることが望ましい。他方、MNOが独自商材の取扱を制限する背景として、かつて、販売代理店による独自商材の販売により利用者とトラブルになった事例が多数発生したことがあることを踏まえると、無限定な独自商材の許容は好ましくない。これらを踏まえると、例えば、ブランドイメージを傷つけないといった一定の合理的な制約を前提に、独自商材の取扱は許容されてもよいのではないか。
  • また、今後、販売代理店を「地域のICT拠点」として活用する取組を推進する観点から、総務省では、高齢者や障害者に対し、スマートフォンの操作方法やオンラインによる行政手続き等について身近な場所で講習会を行ったり、相談を受け付けたりする「デジタル活用支援推進事業」の実施に当たって、販売代理店を活用することとしている。こうした点を踏まえ、更なる販売代理店の活用方策も検討することが適当ではないか

~NEW~
総務省 「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会(第4回)
▼参考資料 懇談会における主な意見
  • 「デジタルの格差」が大きな問題。ユーザフレンドリー、インクルーシブなデジタル化を進める必要がある。(熊谷構成員(WG第1回))
  • 高齢者や情報弱者となりつつある人へのきちんとした発信や説明、勉強の機会を与えることも含めて、個人の問題への対処も重要な課題である。(宍戸構成員(WG第1回))
  • 多様性への対応が必要。今までは一律な対応しかできなかったものが、デジタル活用によってより細やかに多様性での対応ができるようになる。(長田構成員(WG第1回))
  • ヒューマンコンピューターインタラクション的に、ユーザインターフェース3を改善し、高齢の方たちがより自然な形でサービスを受けられたり、移動できたりといったサポートができないといけない。(徳田構成員(第1回))
  • ICTが学校教育の中にも一般化されつつある中、若年層の段階から主体的に自分で取り組む経験が大事。(米田教諭(WG第6回))
  • e-ネットキャラバンは、多様な講師陣に加え、多様なニーズに応えてくれるため、教員や保護者の学びにもなる。今後は、オンラインでの実施に加え、持続可能な組織・体制づくりや、ICTの「陰」の部分への対応だけでなく、「いい面」についても触れていくことが重要。(米田教諭(WG第6回))
  • デジタルの中での犯罪も多種多様なものが今後出てくるだろう。デジタル活用にはよい側面だけではないことに注意しなければならない。(大橋構成員(WG第1回))
  • 地域ICTクラブの取組は、現状、資金やノウハウがまだまだ不足している。コロナ禍でオンラインが特別なものではなくなった今、全国の同じような志を持つ人とつながり、勉強会に参加することで情報を得て、限られた予算の中で実施できるものを真似して、コンテンツの一部として取り入れるなどが必要。(I Love つづき(WG第5回))
  • ネットリテラシーの向上は、若者から高齢者、全ての世代に必要。偽情報や誹謗中傷については、総務省でも対策が進められているが、引き続き対応が必要。(主婦連合会(WG第4回))
  • 国の基本方針で、誰一人取り残さない、といっているため、早い段階から目標をきちんと持って取り組むべき。(長田構成員(WG第5回))
  • 人を教えるということの全体のリソースというのも、ある程度限りもあるであろう。役所で雇う活用支援員もいていいし、民間のビジネスやNPOの方々、大学とか学校もあったほうがいい。人を教えるということでいうと、全体の縦割りを排して、あらゆるリソースを総動員してやるという体制が日本全体として組めるといい。(越塚構成員(WG第5回))
  • (総務省のデジタル活用支援推進事業について)令和3年度では全国で1,000か所で実施とのことだが、この数では全ての高齢者に行き渡ることは難しい。また、実施に当たっては、全国に8,000ある携帯ショップのリソースを活用することが現実的であるが、このような公的な活動にコミットしていることが携帯ショップという業態の将来にとっても役に立つということが示せるとよい。また、実際の携帯ショップで実施するに当たっても完全なボランティアではやはりなかなか難しく、品質や責任も伴うため、ある程度は有償にする必要がある。また、支援員の質の確保のためには、研修や資格が必要。周知広報は自治体や教育委員会と協力すべき。(安念構成員(WG第5回))
  • いながらにしてサービスが受けられるようにするということが非常に大切。(安念構成員(WG第5回))
  • 一次窓口的なもの、電話でもメールでもSNSでも、デジタル化に関して悩みがあるという話が来たときに、ここに聞けばいい、こういう検索をしてみればいい、ここに電話したら分かるかもしれないなどの示唆をするようなサポートをする人がいたらいい。(田澤構成員(WG第4回))
  • 日本企業のICT投資目的が業務効率向上に偏重していることは問題。(粟飯原構成員(WG第1回))
  • コスト削減に主眼を置いたデジタル投資ではなく、リモート社会に対応してビジネスモデルを変革するようなDX投資を促進すべき。その際、リアルデータとサイバーの融合を図っていくことが必要。(熊谷構成員(WG第2回))
  • 利用者目線での活用という点では、多様な民間ビジネスの参入が不可欠。総務省としては、ビジネスや企業をどう育成・発展させるかという観点での検討が重要。(柳川構成員(第1回))
  • 5Gの時代になると、ステークホルダーも多様化するため、それを巻き込んで、つないで、市場のパイを広げていくような活動が必須になる。(森川構成員(第1回))
  • DXはビジネスモデルが重要。最後にどうマネタイズするかが問題。日本全体の底上げは小さいDXの塊だろう。(越塚構成員(WG第8回))
  • 意識改革やベストプラクティス共有のための、デジタル化を推進する場が各地方に必要ではないか。(森川主査(WG第2回))
  • 中小企業が日本のクラウドサービスを積極的に活用するメリットを創出したい。(粟飯原構成員(WG第3回))
  • 利用者に特別な能力を要求しないようなサービスの提供、デジタル化をあまり意識しないサービスを本来は目指すべき。(柳川構成員(第3回))
  • 医療、介護、モビリティ等企業が保有するデータに関しては、公共性の高いものについては原則としてオープン化をしていく必要がある。(熊谷構成員(WG第1回))
  • 基本はデータが自動的にプログラムtoプログラム、マシンtoマシンできちんと連携できる枠組みが、分野を飛び越えてもっと広くできるようになることが大事。(徳田構成員(第1回))
  • パイを増やすという意識に立てば、データを連携して市場を広げ、皆がウィンウィンの関係を作り上げることも可能かもしれない。(森川構成員(第18回))
  • データのプラットフォームが産業政策としても重要。企業の中ですらデータが連携されていない。政策としては、分野間、分野内、社内、個人などのデータ連携を進めていくことが必要ではないか。政府が日本最大のデータプレイヤーとして、これを最大限に生かしてデータ戦略を牽引していくことが重要。(越塚構成員(WG第1回))
  • データの取引市場や、市民に開かれた形でのデータの共有ができるような基盤を作っていくことが必要。(大橋構成員(WG第2回))
  • デジタル庁が出来たとしても政府と自治体の行政関係構造が変わるわけではないので、全国的な視点で行政組織全体の連携の在り方等について方向性を盛り込むべき。(柳川構成員(第3回))
  • 政府と自治体が組織の壁を越えて相互に連携し、我が国のデジタル改革を進めていくべき。(村井座長(第3回))
  • 民間ビジネスの活性化には、支える人材と知的財産・無形資産も重要。特に地域活性化という観点では、人の問題は避けて通れないため、具体的な局面において、各地方でどのような人材を活用・育成していくかが検討課題ではないか。(柳川構成員(第1回))
  • 日本の場合はITスペシャリストなどの専門家がベンダやキャリアやサプライサイドに行ってしまい、エンドユーザ側には就職しない。社会に均等にばらまかれず、専門知識のアンバランスが存在。(徳田構成員(第2回))
  • ユーザ企業への労働力シフトが大事。日本がデジタル先進国に比べて最も異なる特徴は人材の偏りである。これに対するソリューションは、労働力や経済の中での仕掛けに税制などが使えるのではないか。(村井座長(第2回))
  • 自治体を中心とした地域社会においてもデジタル人材の育成が必要であり、地域課題を地域自身で解決できるようにする必要がある。行政においても、柔軟に民間企業との間で人材が行き来することできる仕組みを構築してはどうか。(NTTデータ(WG第8回))
  • 社会の中にIT人材を位置づけるということが政府として必要である。(越塚WG主査代理(第2回))
  • ユーザ企業にデジタル人材がいないことについて困っていないことが問題。ベンダに任せておけば良いという丸投げ体質を転換することは難しいが、ユーザ企業がデジタル人材を抱えて成功しているベストプラクティスを拾い上げて、そのメリットが実感できる制度を導入するなど具体的な施策が必要。(大谷構成員(WG第2回))
  • これからデジタル庁を設置し、本格的にデジタル化を進めていく際には、デジタル化することだけが目的となっている分野が多々ある中で、目的を見誤らないように意識をしてチェックする仕組みが必要。(長田構成員(第3回))
  • より利用者が受容しやすくなるようなサービス提供、あるいはサービス提供を促進するような仕組みづくりというのが重要。その目線が結局のところ、利用者にあまり負担をかけないようなサービスのできる人を増やすというところにつながってくる。(柳川構成員(第3回))
  • 現役世代のITの基本的素養を学び直すことが問われているのではないか。デジタルに関する問題解決能力であるコンピテンシーについては、EUやほかの国で使われている指標をうまく導入しながら検討していくことが重要である。(大谷構成員(第3回))
  • デジタルを前面に出すのではなく、問題解決、課題解決を図る際にそれを支える技術がデジタルであることが望ましい。デジタル化、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションのそれぞれの段階について、自分や組織がどこまで到達しているのか確認できることが望ましい。(徳田構成員(第3回))
  • デジタル空間での安心安全な取引においては、電子的に本人確認を行える環境が必要。本人確認手法の一つであるeKYC(electronic Know Your Customer)は、身元確認情報等の扱いや精度やなりすまし対策などが様々であるため、利用企業にとってわかりやすい基準があるとよい。(日本電気(WG第7回))
  • 地域にサテライトオフィスを整えても、企業の側にそれを活用し、テレワークを受け入れる体制が整っていない。企業の働き方の質を変えることが必要。(田澤構成員(WG第2回))
  • テレワークの導入について現場が不安に思っているところをデジタル活用で解決するという見本が見せられたらよい。(田澤構成員(WG第1回))
  • テレワークという狭義のICT活用にこだわらず、様々な形の小さな企業でも役に立つ好事例を発信していきたい。これが地道だが一番の近道。色々なところで発信することでムーブメントは起こる。(東京商工会議所(WG第6回))
  • 中小企業の場合は、コロナ禍では困ったのでテレワークをやったが、環境もないし、ルールもままならない。そのため良い事例ができず元に戻っている。(WORK SMILE LABO(WG第6回))
  • セキュリティの確保、利用者の安心・安全の確保が今後のデジタル化の進展において大きな意味をもってくるのではないか。(大谷構成員(第1回))
  • 情報、コンテンツ、ネットワーク、機器等すべてについて、デジタル社会・公共の場としてのネットワークとその上を流れるコンテンツが、人々が公につながることとの関係で非常に重要となってくる中、安全、信頼を確保する必要がある。(宍戸構成員(WG第1回))
  • 急速なテレワークの普及の一方で、重要なデータが様々なところでリークする可能性がある。重要なデータを保護するため、ゼロトラストアーキテクチャなど、新しいセキュリティの枠組みを見直すことが必要ではないか。(徳田構成員(第1回))
  • すべての分野で一斉にセキュリティを高めるというのは難しいため、まずは、強固にすべきという業種を決めて最先進国にレベルを合わせていくことが必要ではないか。(粟飯原構成員(WG第1回))
  • 5GやBeyond5Gといった新しい情報インフラ基盤を整備し、次のステップのデジタル利活用に向けての青写真を作っておくことが必要。(徳田構成員(第1回))
  • 新たなサービスがいろいろな領域で花開くという認識でもって光ファイバや5Gといった情報通信基盤に継続的に投資し続けることが大切。(森川構成員(第1回))
  • コネクティビティの確保が大事。ワークスタイルのバリエーションや様々な場所・地域で仕事をしている人がいることも含め、自治体との強い連携も踏まえて総務省に取り組んでもらいたい。(村井座長(第1回))
  • ハードの部分でいうと、電波と固定の両面でICTインフラをしっかり作っていくことが必要。(大橋構成員(WG第2回))
  • 総務省としては、どこでもブロードバンドにつながることをきちんと確保すること、その維持をできていくようにしていくことも大切な役割。(長田構成員(第1回))
  • 固定、電波を問わずデジタル基盤の維持が困難な部分がある。インフラの整備に加えて「維持」も総務省の重要な役割。(長田構成員(第2回))
  • 需要からインフラを考えるのではなくて、インフラが需要を生み出す部分もあるだろう。(大橋構成員(WG第1回))
  • データセンターが東京圏と大阪圏に集中しているというリスクは分散すべき。(村井座長(第2回))
  • 避難所をITでつなぐなど、災害への対応が必要。色々な災害が想定される日本ならではのデジタル活用になるのではないか。(熊谷構成員(WG第1回))
  • 公共の設備に災害対策用に用意されている通信手段を、平時にも活用しておくことが、いざというときのリソースを考えた準備にもなる。(大谷構成員(WG第2回))
  • 災害への対応が必要。色々な災害が想定される日本ならではのデジタル活用になるのではないか。(熊谷構成員(WG第1回))
  • 通信については、5Gだけではなく、電波政策(Beyond5G)についても国際連携や協調、国際競争が期待されている。(村井座長(第3回))
  • Beyond5Gやポスト5Gの窓口が開かれて、6Gに向けての電波利用が大いに広がった。今一度電波の有効利用を含めて電波政策について広く見直すことが必要。(徳田構成員(第3回))
  • 日本の弱点は要素的には良い物があるが、それらを汲み上げてプラットフォームを作れない部分。全体アーキテクチャは国全体で整理した方が良い。(徳田構成員(第2回))
  • プラットフォームオールではないが、プラットフォームファーストである必要がある。信頼性の高いバックエンドが大事。(越塚構成員(WG第1回))
  • 現在は、ウィズコロナの状態である種定常的に人々が生活を始めているが、どのように社会経済活動とのバランスをとっていくかという点で、非接触・遠隔・超臨場感のような三密を避けた状態で社会経済活動を持続できる様々な手法を開発していかなければならない。(徳田構成員(第1回))
  • 次の10年、Beyond5Gに向けて、新しい基礎研究、基盤研究を行うことが必要。(徳田構成員(第1回))
  • 日本のICT産業のプレゼンスが低下している原因は、投資不足だけではなく、研究開発がハードに寄りすぎており、研究開発の多様性が欠けている点にもある。顧客のニーズを踏まえた技術開発を行わないと、技術がビジネスにつながらない。研究開発の予算・リソース配分を併せて考えるべき。(森川主査(WG第2回))
  • 新しいライフスタイルを実現するために必要になるIoT、プラットフォーム、AI、XR、ロボティクスなどの要素技術を、それぞれの連携を考えながら、磨いていくことが重要。(KDDI(WG第8回))
  • 知財やビジネスモデルも含めた、幅広い観点からの戦略的標準化政策が、Beyond 5Gを見据えると重要になってくるのではないか。(柳川構成員(WG第1回))
  • データの主権を考えたときに、色々なクラウドアクトが全世界有るが、万が一日本以外の外資系パブリッククラウドサービスを使うと、データの主権を先方が持ってしまう。データの主権統治の重要性を鑑みて、ぜひ日本の技術で、日本のクラウドで作っていただきたい。(楽天(WG第7回))
  • デジタル化とグリーン化は密接に関係。リモート社会の構築は、交通量の減少等を通じて温暖化ガスの排出の削減につながることが期待されるが、他方で電力消費量も急激に増えるため、デジタル機器やネットワークの省電力化を急ぐことが必要。両者の取組を進める必要。(熊谷構成員(WG第2回))
  • 計算機の使用により大量に電力を消費するICTを使うと、環境に対してあまり良くないと思っている人もいるため、カーボンニュートラルを前面に打ち出していくことが必要。(徳田構成員(第2回))
  • デジタル化を支えるベンダ等の国際競争力を高めるべき。米中対立で露呈したサプライチェーンリスクを避けるためには日本のデジタル関係企業の競争力の回復が必要。(熊谷構成員(WG第2回))
  • サプライチェーンの変化としては、各国が外国に依存していたものを国内回帰させたり、一元的にルートをつくっていたものを多元的なルートにしていかなければならないという動きや、経済安全保障の強化、いろいろなものの自給・自立などの動きが世の中の変化として出ている。(日本電信電話(WG第7回))
  • 日本のデジタル企業の開発力が落ちていることが問題。バックエンド側での開発環境やシステム管理・運用のための技術力、巨大システムの中で実用レベルを確保するといった技術力のてこ入れが必要。(越塚構成員(WG第2回))
  • 海外という目線で、国際的なマーケットのどこの部分を取りにいくというところを真剣に考えて、国のビジョンなども設計していかないと本当にまずい。(日本IT団体連盟(WG第3回))
  • Beyond5Gなど新たな社会を支える情報通信基盤については、日本の技術だけで全部作ることは不可能。戦略的に国際連携を広めて、日本の強い技術や、実際に国際標準化に貢献できるものが取り上げられて、世界各国で使われるような技術になっていくことをベースに考える必要がある。(徳田構成員(第3回))
  • どういう形でグローバルな生き残りを日本の産業や企業は図っていくのかという観点から見ると、国際競争力の強化は圧倒的に重要だと思う。(柳川構成員(第3回))

~NEW~
総務省統計局 令和2年国勢調査 調査の結果
▼結果の概要
  • 2020年10月1日現在における我が国の人口は1億2622万7千人となっており、2015年に比べ、人口は86万8千人減少している。
  • 5年ごとの人口増減率の推移をみると、1945年~1950年はいわゆる第1次ベビーブーム等により15.3%と高い増加率となったが、その後は出生率の低下に伴って増加幅が縮小し、1955年~1960年には4.7%となった。その後、第2次ベビーブームにより、1970年~1975年には7.0%と増加幅が拡大したものの、1975年~1980年には4.6%と増加幅が再び縮小に転じた。2010年~2015年には0.8%減と、1920年の調査開始以来、初めての人口減少となり、2015年~2020年には0.7%減(年平均0.14%減)と引き続き人口減少となっている。
  • 人口を男女別にみると、男性は6136万人、女性は6486万7千人となり、女性が男性より350万7千人多く、人口性比は94.6となっている。
  • 男女別人口の推移をみると、戦前の1940年までは男性が女性を僅かに上回り、人口性比は100.0~101.0で推移していたが、戦争による男性の死亡によって男女別構成が大きく変化し、1945年には89.0と著しく低下した。その後、第1次ベビーブーム等により、1950年には96.2に上昇し、1975年には第2次ベビーブームの影響で96.9に上昇した。しかし、その後は、高齢者の増加に伴い、人口性比は緩やかに低下している。
  • 国際連合の推計によると、2020年の世界の人口(年央推計)は77億95百万人で、各国の人口をみると、中国が14億39百万人と最も多く、次いでインド(13億80百万人)、アメリカ(3億31百万人)と続いており、我が国の人口は世界で11番目となっている。
  • また、2015年~2020年の人口増減率をみると、人口上位20か国の中で減少となっている国は日本のみである。
  • 我が国の人口密度は338.4人/km2で、国際連合の推計による世界の人口密度(年央推計)の59.9人/km2の5.6倍となっている。また、人口1千万以上の国について人口密度をみると、バングラデシュが1,265.2人/km2と最も高く、次いで韓国(527.3人/km2)、ルワンダ(525.0人/km2)と続いており、我が国の人口密度は世界で11番目となっている。
  • 人口を都道府県別にみると、東京都が1406万5千人と最も多く、全国の11.1%を占めている。次いで神奈川県(924万人)、大阪府(884万3千人)、愛知県(754万6千人)、埼玉県(734万7千人)、千葉県(628万7千人)、兵庫県(546万9千人)、北海道(522万9千人)などとなっている。人口上位8都道府県で6402万6千人となっており、全国の5割以上(50.7%)を占めている。
  • また、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の人口は3693万9千人で、全国の約3割(29.3%)を占めており、2015年に比べ、80万8千人増加している。一方、最も少ないのは鳥取県で55万4千人となっている。
  • 2015年~2020年の人口増加数を都道府県別にみると、東京都が54万9千人と最も大きく、次いで神奈川県(11万4千人)、埼玉県(8万人)などとなっており、9都府県で人口増加となっている。また、人口増加率をみると、東京都が4.1%と最も高く、次いで沖縄県(2.4%)、神奈川県(1.3%)などとなっている。
  • 一方、人口減少数をみると、北海道が15万3千人と最も大きく、次いで新潟県(10万2千人)、福島県(8万人)などとなっており、38道府県で人口減少となっている。また、人口減少率をみると、秋田県が6.2%と最も高く、次いで岩手県(5.3%)、青森県(5.3%)などとなっている。
  • 2015年~2020年に人口が増加した9都府県について人口増加率をみると、2010年~2015年に比べ、東京都(2.7%から4.1%へ1.4ポイント拡大)、千葉県(0.1%から1.0%へ0.9ポイント拡大)、神奈川県(0.9%から1.3%へ0.4ポイント拡大)、福岡県(0.6%から0.7%へ0.1ポイント拡大)、埼玉県(1.0%から1.1%へ0.1ポイント拡大)の5都県で増加幅が拡大している。
  • 一方、人口が減少した38道府県について人口減少率をみると、岩手県(3.8%から5.3%へ1.5ポイント拡大)、新潟県(3.0%から4.4%へ1.5ポイント拡大)、山口県(3.2%から4.4%へ1.2ポイント拡大)、長崎県(3.5%から4.7%へ1.2ポイント拡大)、山形県(3.9%から4.9%へ1.1ポイント拡大)など33道府県で減少幅が拡大している。
  • 人口密度を都道府県別にみると、東京都が6,410.4人/km2と最も高く、全国平均(338.4人/km2)の18.9倍となっている。次いで大阪府(4,641.0人/km2)、神奈川県(3,824.5人/km2)などと続き、全国平均を上回っているのは15都府県となっている。一方、人口密度が最も低いのは、北海道の66.7人/km2で、次いで岩手県(79.3人/km2)、秋田県(82.5人/km2)などと続き、全国平均を下回っているのは32道県となっている。
  • 人口を市町村別にみると、東京都特別区部が974万5千人と最も多く、次いで横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市、福岡市、川崎市、神戸市、京都市、さいたま市、広島市、仙台市と続いており、これら12市が人口100万以上となっている。また、21大都市の人口増減率をみると、特別区部が5.1%と最も高く、次いで福岡市(4.9%)、さいたま市(4.8%)などとなっている。
  • 人口階級別にみると、人口5万未満の市は272市から290市に増加、人口5千未満の町村は267町村から290町村に増加し、市町村の人口規模は小さくなっている。また、市町村数の46.1%を占める市が、人口の91.8%を占めている。
  • 全国1,719市町村について、2020年時点の境域で5年間の人口の増減をみると、人口が増加したのは302市町村で、全体の17.6%を占めている。一方、人口が減少したのは1,416市町村で、全体の82.4%を占めている。特に5%以上人口が減少した市町村は全体の50.9%を占め、半数を超えている。
  • 2020年時点の境域で市町村の人口増減率をみると、人口増加率が10%以上の市町村は10市町村で、人口減少率が10%以上の市町村は245市町村となっている。2015年~2020年の人口増加数が最も大きい市町村は、東京都特別区部の47万2千人で、次いで福岡県福岡市(7万5千人)、神奈川県川崎市(6万4千人)などとなっている。一方、人口減少数が最も大きい市町村は、福岡県北九州市の2万2千人で、次いで新潟県新潟市(2万人)、長崎県長崎市(2万人)などとなっている。人口増加率が最も高い市町村は福島県飯舘村の3,117.1%で、次いで福島県葛尾村(2,238.9%)、福島県楢葉町(279.5%)などとなっている。また、人口減少率が最も高い市町村は、熊本県球磨村の34.1%で、次いで奈良県野迫川村(20.3%)、長野県平谷村(19.6%)などとなっている。
  • 2020年10月1日現在における我が国の世帯数は5572万世帯で、2015年から227万1千世帯の増加、4.2%増となっている。世帯数の推移をみると、調査開始から一貫して増加を続けているものの、1975年~1980年以降5~7%台で推移してきた増加率が、2010年~2015年は2.9%と低下し、2015年~2020年では4.2%となっている。
  • 2015年~2020年の世帯数の増減を都道府県別にみると、高知県、秋田県、長崎県、山口県、岩手県、青森県を除く41都道府県で増加している。世帯増加率は、沖縄県が9.3%と最も高く、次いで東京都(7.7%)、埼玉県(6.1%)などとなっている。
  • 1世帯当たり人員は2.27人で、2015年の2.38人から減少している。1970年以降について5年ごとの推移をみると、1970年から2020年までの世帯増減率は、いずれも人口増減率を上回っている。その結果、1世帯当たり人員は、1970年の3.45人から徐々に減少を続け、1995年には2.85人と初めて3人を下回り、2020年には2.27人と更に減少している。
  • 1世帯当たり人員を都道府県別にみると、山形県が2.68人と最も多く、次いで福井県(2.64人)、佐賀県(2.60人)などとなっている。一方、1世帯当たり人員が最も少ないのは、東京都の1.95人で、次いで北海道(2.12人)、大阪府(2.14人)などとなっている。2015年~2020年の1世帯当たり人員の増減を都道府県別にみると、全ての都道府県で減少している。

~NEW~
国土交通省 令和3年版国土交通白書 危機を乗り越え豊かな未来へ
▼資料1
  • 現在、我が国は「新型コロナウイルス感染症」と「災害の頻発・激甚化」という危機に直面。過去の危機においてより良い社会を実現したように、現在の危機もこれを乗り越え、変化に対応するよう社会システム等を変革し、「豊かな未来」を実現するべき。
  • 現在直面する危機と過去の危機
    1. 新型コロナウイルス感染症
      • 新型コロナウイルスは感染力が強く、多くの感染者、死亡者が発生。
      • 感染拡大防止のための緊急事態宣言や水際対策等により、人出が減少し、経済的にも大きな打撃
      • 少子化が加速する可能性もある。
    2. 災害の激甚化・頻発化
      • 近年、豪雨災害が激甚化・頻発化し、各地で甚大な被害が発生
      • 令和2年7月豪雨では、橋梁・道路の流出、特別養護老人ホームでの人的被害が発生
      • 今後30年以内に南海トラフ地震や首都直下地震が発生する確率は70%程度と切迫
    3. 過去の危機と変化
      • 阪神・淡路大震災
        • 住宅・公共建築物の耐震補強
        • 地震予知から事前防災へのシフト
        • GISの整備の本格化
        • 災害ボランティアの定着・地震保険の普及
      • 東日本大震災
        • 津波防災地域づくりの促進
        • 帰宅困難者対策の強化
        • 道路ネットワークの強化
        • 防災意識の高まり
        • 避難所における生活環境の整備
  • 危機による変化の加速と課題等の顕在化
    • 社会の存続基盤の維持困難化
      • コロナ禍による外出抑制等に伴う人流減少、国際的往来制限等に伴うインバウンド消失を受け、公共交通(特に航空等の長
      • 距離輸送)及び観光業は、深刻な状況・人口減少等により地域の公共交通は厳しい状況にあり、特に人口減少が進行する地方部ではその維持が困難となっているため、医療、福祉、買い物等へのアクセスも難しく、地域の持続自体が困難に。
      • 人口減少等により地域の公共交通は厳しい状況にあり、特に人口減少が進行する地方部ではその維持が困難となっているため、医療、福祉、買い物等へのアクセスも難しく、地域の持続自体が困難に。
    • 災害リスクの増大や老朽化インフラの増加
      • 近年の災害により気候変動による水災害の激甚化・頻発化、災害リスク地域への人口集中、高齢単身者世帯増加による防災力低下が顕在化
      • 令和2年7月豪雨では、高齢者福祉施設の避難確保、橋梁流出等課題が顕在化・防災・減災等の基盤となるインフラ老朽化
    • 多様化を支える社会への変革の遅れ
      • コロナ禍によりテレワークが普及し、働き方だけでなく、住まい方、生活様式等も多様化が加速
      • 東京都の転出超過が継続し、東京一極集中の傾向に変化
      • 日本は世界との比較で、柔軟な働き方、女性活躍は遅れている
    • デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れと成長の停滞
      • コロナ禍を契機に、DXの必要性と遅れが認識された
      • 日本は人口減少・高齢化、DXの遅れ等により、経済成長が停滞
      • 社会システム維持、持続的な成長確保のため、DX推進が重要
    • 地球温暖化の進行
      • コロナによる経済の落ち込みを契機に、各国は地球温暖化対策を経済成長の鍵とするグリーン・リカバリー方針を表明
      • 日本も長期目標として、2050年カーボンニュートラル実現を決定
  • 豊かな未来の実現に向けて
    • 持続可能で暮らしやすい社会
      • 多核連携型の国土
      • 生活サービスが持続する社会
      • 人の賑わいがある社会
      • いのちと暮らしが守られる社会
      • 【施策】
        • 航空・空港の経営支援施策パッケージ
        • JR北海道・四国・貨物への経営支援
        • 地域公共交通計画による最適な交通の構築
        • 地域観光事業支援の実施と感染状況等を踏まえたGoToトラベルの取扱い
        • 既存観光拠点の再生・高付加価値化推進を支援
        • 二地域居住、地方移住の推進
    • 災害からいのちとくらしが守られる社会
      • 防災・減災が主流となる社会:災害から国民の命と暮らしを守るため、行政機関、民間企業、国民一人ひとりが、意識・行動・仕組みに防災・減災を考慮することが当たり前となる社会
      • 【施策】
        • 「流域治水」の推進
        • 被害対象減少のための土地利用誘導
        • 要配慮者利用施設の避難実効性確保
        • 橋梁・道路の流失防止対策
        • マイタイムライン等安全・安心な避難の備え
    • 一人一人が望む生き方を実現できる社会
      • 自由な働き方が可能な社会
      • 真の共生社会
      • 多様なニーズを満たす社会
      • 対流・交流活発化社会
      • 【施策】
        • 地方都市のテレワーク拠点整備支援
        • 「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくり
        • 賑わいのある道路空間の構築
        • 旅行消費額増加に向けた取り組み
    • 成長が持続しゆとりを得られる社会
      • 商品・サービスが高度化する社会
      • イノベーションが促進される社会
      • 海外市場・人材を取り込む社会
      • 【施策】
        • MaaSのデータ基盤整備・社会実装の推進
        • スマートシティの社会実装の促進
        • 「ヒトを支援するAIターミナル」の実現
    • 地球環境の保全に貢献する社会
      • 脱炭素社会
      • 自然共生社会
      • 気候変動適応社会
      • 循環型社会
      • 【施策】
        • 次世代自動車の普及促進に向けた環境整備
        • LCCM(ライフサークルカーボンマイナス)住宅等の普及
        • 洋上風力発電、太陽光発電等、自然エネルギーの導入促進
        • ゼロエミッション船、カーボンニュートラルポート等における水素・アンモニアの活用促進

~NEW~
国土交通省 都道府県を越えた広域連携に係る意識調査結果の公表~自然災害の激甚化、人口構造の変化、新型コロナ等へ対応するための広域連携のニーズを確認!~
▼別紙
  • 7割を超える自治体(都道府県、政令市、市町村)において、都道府県を越えた広域連携が行われている。分野別について見ると、防災分野、観光交流・景観・文化保全分野で特に積極的に実施されている。
  • H21年度とR2年度で比較可能な6分野についてみると、従前から連携が進んでいた防災分野や観光交流・景観・文化保全分野においては、さらに連携が進み、また、福祉・医療分野、産業・産学連携分野、環境・リサイクル分野においても連携が進んだ。
  • 都道府県を越えて連携して行う事業としては、連携により効率・効果が高まるもの(観光、産業、物流及び農業分野におけるマーケティングや情報発信など)、連携による相互補完が必要・有効なもの(防災分野における相互支援など)が多かった。
  • 環境・リサイクル分野における「自然・生物環境保全活動」、交通分野における 「公共交通機関の利用促進」など、解決すべき課題自体が広域的な性質を有しているものも多かった。
  • 現在実施中の連携事業については、全ての分野で、9割以上の事業について現状通り実施または拡大・強化していく予定との意向が示された。拡大・強化していく予定である事業の割合が最も高いのは産業・産学連携分野であった。
  • 新たな連携事業の将来的ニーズについては、いずれの分野でも「わからない」と回答した自治体が半数以上を占めたが、その中で、新たな連携事業の将来的ニーズがあると回答した自治体が多かったのは、現状でも積極的に連携事業が行われている防災分野や観光交流・景観・文化保全分野であり、その次に新たな連携事業の将来的ニーズがあると回答した自治体が多かったのは現状では実施が少ない環境・リサイクル分野や交通分野であった。
  • 防災分野
    • 大規模災害を想定し、連携体制の強化志向が目立つ。行政間での連携支援制度は進んでいるが、より広域に、多くの連携協定を締結する必要があると考えている自治体が多くあった。また、広域避難、仮設住宅用地、災害ごみ処理、物資調達などを分業する必要性も挙げられている。
    • コロナ禍下では避難所が想定より低密度でしか使えないため、新たな避難所の確保・広域避難対策が必要との認識もあった。
  • 観光交流・景観・文化保全分野
    • 地域の観光資源を活用し、広域連携でサービスの高付加価値化、競争力の高い魅力的な地域づくりにつなげるという考え方が基本となり、広域周遊ルートに関する事業などが挙げられた。
    • 新たな要素としては、新型コロナウイルスの影響に関連するものが多い。アフターコロナにおいては、自治体単独での施設の財政状況や運営体制が悪化する中、コロナ対策のノウハウ横展開、広域連携による事業実施の意義は増大していると考えられている。
  • 環境・リサイクル分野
    • 廃棄物関連では、災害対応での連携ニーズが多くみられるほか、廃棄物による環境への負荷の低減を広域で取り組む必要性が回答されている。
    • 再生可能エネルギー関連では、圏域全体の低炭素化、都市と地方での電力融通等の必要性が回答されている。
    • 現状の取組として挙げられていなかったカーボンオフセットの将来的な取組の必要性も挙げられている。
  • 交通分野
    • 広域的な視点で公共交通ネットワークの維持を検討することの必要性が回答されている。
    • 緊急輸送道路など、防災面からみて必要な道路整備等に関するニーズもみられた。
  • その他分野
    • 新技術を活用した課題解決のニーズがみられる(行政DXの推進、インフラから政策課題解決に至るまでのDX導入、MaaSや農業AI、キャッシュレス等)。
  • 最近の社会における課題や変革(ニーズの背景・理由)について、最も多く挙げられたのは「自然災害の増加・激甚化」で、以下「急激な人口構造の変化」「新型コロナウイルス感染症の影響」と続く。環境・リサイクル分野における災害廃棄物対応など、防災に絡んだ分野横断的な取組のニーズが挙げられている背景に「自然災害の増加・激甚化」がある。最近新たに生じた課題である「新型コロナウィルス感染症の影響」や「SDGsへの対応」を背景とした将来的ニーズとして、観光交流・景観・文化保全分野におけるwith/afterコロナにおける旅行ニーズ、旅行形態の変化への対応や、環境・リサイクル分野におけるカーボンオフセットへの取組などがある。
  • 現在連携を行っていない理由としては、全分野において「広域的に解決すべき課題がない」との回答が大勢を占めた。他の理由として、多くの分野において人材と予算の確保の困難さが挙げられている。連携先との役割分担についての合意が困難であるとの理由も比較的多く見られた。
  • 連携事業を進める上での課題としては、防災分野、福祉・医療分野、その他の分野以外では「必要運営資金(予算)の確保が困難」との回答が多い。その他には「必要な人材の確保が困難である」「連携する自治体、団体間の協力関係が不十分」「役割分担の明確化が不十分」があげられている。防災分野では、事業を進める上での課題を回答した自治体の割合は、他分野に比べ比較的少ない。
  • 予算(財源)・人材に関する主な課題
    • 予算(財源)や人材確保の必要性が多く挙げられている。(観光交流・景観・文化保全分野、産業・産学連携分野、防災分野、教育分野)
    • 専門人材、財源の不足が課題とされている。(物流分野)
    • 県単位での自治体間連携では気候変動、生態系、コロナ禍での農産物価格安定化等、大きなテーマが想定されているが、調整、継続への仕組み、人材・財源等に課題がある。(農業振興分野)
  • 連携体制に関する主な課題
    • 連携事業において、発案者や大規模自治体等、中心的な役割を担う自治体に負荷が集中することへの懸念が見られた。(観光交流・景観・文化保全分野)
    • 近隣自治体との連携では同時に被災することが想定されることから、県外・広域自治体間での連携の必要性は認識されているが、避難先への物理的距離が遠くなると事前の調整や実際の避難が困難となることが考えられ、連携先の決定に課題があるとの意見が多く見られた。また、防災以外での連携交流(姉妹都市等)がないと連携先としては想定しにくいとされ、全国的な総合調整機能、マッチング組織等の必要性が指摘された。
  • 防災分野
    • 医療圏での構想、県ごとの構想(地域医療構想)等、医療分野独自の圏域を重視する傾向にある。このため、県境を越えて協議する場がないことや、市町村単位だけでなく医療圏としての調整が必要であることが課題とされている。(福祉・医療分野)
    • 災害廃棄物処理においては、防災分野同様、近隣との協定は同時被災となり協定が機能せず、遠隔地では時間やコストが嵩むという課題がある。また集中する処理施設への搬入などにおいては調整機能・協力体制が必要との指摘がある。(環境・リサイクル分野)
    • 広域的な地域公共交通機関の維持のため、費用負担、ルート設定、役割分担などについて、自治体間及び関係民間団体との調整が困難とされている。
  • 交通分野
    • 教育委員会など、県域を基準とする組織との協力体制構築が難しいこと、自治体間の役割分担、広域的な機能を有する事業実施に向けた中心自治体の存在の必要性等が指摘された。(教育分野)

~NEW~
国土交通省 宅配便の再配達率は約11.2%~令和3年4月の調査結果を公表~
  • 令和3年4月の宅配便再配達率は約11.2%でした。
  • 国土交通省では、トラックドライバーの人手不足が深刻化する中、再配達の削減を図るため、宅配ボックスや置き配をはじめ多様な方法による受取を推進しています。
  • 今回の調査結果は前年同月(約8.5%)と比べて約2.7%ポイント増となりましたが、これは全国一律の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言発出による外出自粛要請等の影響があった前年同月と比べ、在宅時間が減少したこと等が影響したものと考えられます。なお、今回の調査結果は緊急事態宣言が発出されていない昨年10月(約11.4%)と比較すると約0.2%ポイント減となりました。
  • 今後も本調査を通して再配達の発生状況を継続的に把握し、関係する皆様とともに再配達削減に取り組んでまいります。
  • 近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(EC)が急速に拡大し、宅配便の取り扱い個数が増加している一方、宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなど、重大な社会問題の一つとなっています。
  • 国土交通省では、こうした問題に対応するため「総合物流施策大綱」において宅配便の再配達率の削減目標(2020年度10%程度→2025年度7.5%程度)を設定し対策に取り組んでおり、この対策の成果を継続的に把握し、施策の進捗管理を行うことを目的として、宅配便の再配達率のサンプル調査を実施しております

~NEW~
国土交通省 「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0」を公表~ドローン物流の社会実装を推進します~
▼ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.2.0(概要)
  • 2019年度に国においてドローン物流のビジネスモデル検討の中間とりまとめを整理(第1回~第4回)したところであるが、2020年度以降ドローン物流の実用化に向けた計画策定や機体の導入等に対する支援が国により行われているほか、全国各地においても多様な実証事業が進められている。
  • ドローン物流の社会実装をより一層確実なものにしていくためにはドローン物流に関する課題を抽出・分析し、その解決策や持続可能な事業形態を、整理することが必要であるため、有識者や関係事業者・自治体からなる検討会を開催し、「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン2.0」を策定。(2021年6月25日公表
  • ドローン物流の社会実装をより一層推進していくためには、ドローン物流に関する課題を抽出・分析し、その解決策や持続可能な事業形態を整理することが必要。
  • このため、ドローン物流サービスにこれから着手する主体を対象とすることを念頭においた手引きとして、導入方法や配送手段などに関する具体的な手続きを整理。
  • 本ガイドラインは、レベル3飛行によりドローン物流事業を計画する者を対象。
  • ドローン物流の導入に際して、事業計画者は、初めに「地域が抱える課題を整理」し、その「課題解決方法としてのドローンの有効性」を確認した上で、利用者の視点に立脚し、「いつ」「どこへ」「何を」運ぶかなど「活用方法の具体化」を図ることが重要。
  • 地域が抱える課題の整理
    • 物流網の維持
    • 地域医療の担い手の減少
    • 過疎化
  • 事業コンセプトの構築の後、検討・実施体制の整備を行うことが重要であるため、(1)サービス利用者の明確化、(2)サービス提供体制の構築、(3)地元地方公共団体、住民理解と協力の確保等の検討を行うことが必要。なお、事業推進のため、(4)プロジェクトマネージャーを選定することが望ましい
  • 検討・実施体制の検討後、ドローン物流サービスの提供に関する「(1)ユースケースに応じた機材の選定」、「(2)離着陸場所、飛行ルート及び運航頻度」、「(3)利用者インターフェース」、「(4)荷物等の管理・配送」、「(5)保険への加入」及び「(6)収支改善方策」の検討を実施。
  • ドローン物流サービスの提供にあたって、「飛行マニュアルの整備」、「落下リスクの小さい場所の選定」、「航空機や他の無人航空機との相互間の安全確保」、「第三者の立入管理」、「安全対策、事故時の対処方針」等、飛行の安全に万全を期すことが重要。

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