危機管理トピックス
ソーシャルボンドガイドライン(金融庁)/コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム報告書(厚労省)/外国人雇用対策の在り方に関する検討会中間取りまとめ(厚労省)/令和3年版通商白書(経産省)/防災行動計画(国交省)
更新日:2021年7月5日 新着32記事
【新着トピックス】
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
- 経済産業省 「令和3年版通商白書」を取りまとめました
- 内閣府 宇宙開発戦略本部 第24回会合 議事次第
- 警察庁 令和3年5月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
- 警視庁 クロスボウの規制と無償回収について
金融庁
- 外国人の受入れ・共生に関する金融関連施策について
- 「監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」の公表について
- 「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」及び「金融機関のシステム障害に関する分析レポート」の公表について
- 「ゼロトラストの現状調査と事例分析に関する調査報告書」の公表について
- 「ソーシャルボンド検討会議」(第4回)議事次第
首相官邸
- 小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第16回)
- 新型コロナウイルス感染症対策の進捗に関する関係閣僚会議
法務省
- 7月は「再犯防止啓発月間」です
- 第71回“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~
消費者庁
- 第20回消費者契約に関する検討会(2021年7月2日)
- 「令和2年度大学生のキャッシュレス決済に関する調査・分析 報告書」を公表しました
- 「令和2年度地方公共団体における食品ロス削減の取組状況について」公表しました
国民生活センター
- 液体芳香剤の誤飲 重症になることも
- 新たな“もうけ話トラブル”に注意-オンラインサロンで稼ぐ!?-
- 「訪日観光客消費者ホットライン」専用ホームページ及び多言語チャットボットを開設しました
厚生労働省
- 職域接種に関するお知らせ
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
- 「コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム」の報告書を公表します
- 第1回がんの緩和ケアに係る部会(資料)
- 「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」の報告書を取りまとめました
- 「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の中間取りまとめを公表します
総務省
- 「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会報告書の公表
- ブロードバンド基盤の在り方に関する研究会 中間取りまとめ(案)に対する意見募集
- 「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース(第4回)
国土交通省
- 「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会」における中間報告の公表について
- 防災情報を報道・伝達する際のポイントや留意点をまとめました~ 「防災用語ウェブサイト」をオープン ~
- 強大な台風発生のおそれ段階から、リスクコミュニケーションを展開~国土交通省の防災行動計画【第1版】作成~
- 総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~
~NEW~
経済産業省 「令和3年版通商白書」を取りまとめました
▼通商白書の概要
- 当面の間、感染症との共生を余儀なくされるウィズ・コロナの状況が継続する環境下で、米国新政権の政策転換に呼応して、地政学的な地殻変動は更に動きを増し、我が国を取り巻く国際的な政治環境は、新たな段階に入ってきている。先行きが不透明な世界経済と新たな国際政治情勢を踏まえ、我が国における今後の通商政策と企業活動が前提とすべき4つの大きな国際潮流を述べていく。
- 第1に、政府の経済面における役割の拡大である。コロナショックの影響が長期化する中で、各国は世界金融危機時の対応を上回る規模で、コロナ禍で経済的なダメージが集中した産業や家計を中心として積極的な経済対策を講じている。政府の経済対策の中には、救済のみならず、社会のデジタル化やグリーン社会の実現といった、コロナ後を見据えた経済構造への移行や適応のための支援も含まれている。こうした大きな政府の動きは、政府の役割の質的な強化を模索する動きととらえることもできる。すなわち、コロナ危機に効果的に対処するためのデジタル社会をスピーディに実現するための政府の主体的関与や、カーボンニュートラルの実現に向けた民間投資を促すための、明確な方針や支援策の提示による企業にとっての予見可能性の向上といった政府の役割を重視する動きである。
- 第2に、各国における経済安全保障強化の流れである。近年、主要国において、経済安全保障に関する取組が強化されており、企業の事業活動に与える影響も大きくなりつつある。そのような中で新型コロナウイルス感染症の拡大は、サプライチェーンのぜい弱性を顕在化させたことから、主要国はサプライチェーンの強靭化という観点も含めた経済安全保障の強化に取り組んでいる。その際注目すべきは、先端技術の開発・育成・管理やサプライチェーンの強靱化の取組において有志国による連携を模索する動きが広がりを見せてきていることである。企業においては、各国の外交的立ち位置と経済安全保障の政策動向を強く意識した上で、事業戦略を立てることがますます重要になってきている。
- 第3に、国際経済活動における共通価値への関心の高まりである。2021年1月の米国政権交代以降、米国のパリ協定復帰や欧州との連携の動きが始まるにともない、国際的な連携を共通価値という軸からも強化していこうとする動きがさらに強くなりつつある。パリ協定が求める水準と整合した温室効果ガス排出削減目標(SBT)を定める企業は年々増加しており、米・欧州各国における人権デュー・ディリジェンス法制は域外企業も対応が必要となるものもある。国際的に共有されている価値と合わない事業活動について一定の制約が課されるリスクが顕在化している一方、こうした共通価値をこれまで以上に意識し、社会課題の解決に向けて貢献してくことは、新たなビジネスチャンスともなり得る。
- 第4に、ビジネスのデジタル化である。コロナウイルス感染拡大は、デジタル化の流れを加速させた。もっともデジタル化の動きは2000年代を通じて進んできたものである。このことは世界的な資金フローにも表れており、ロイヤリティやライセンス料といった無形資産への支払いが大きく増加している一方、直接投資のフローは緩やかな伸びに止まる。これは、海外ビジネスにおいて資本を投下せずに、アライアンスを活用し、知的資産の対価を得るビジネスモデルが主流になっていることの現れともいえる。一方で日本は、直接投資フローとロイヤリティ等の支払いが同様に伸びており、資本関係による強固な関係性を保ちつつ、知的資産の対価も得るモデルといえる。ウィズ・コロナの世界においても、国際取引のもたらす便益を引き続き享受していくためには、デジタル技術に適応したビジネスモデルや社会インフラの構築が不可欠となっている。同時に、企業の拠点配置や国際分業の在り方も変容させていくことが重要であり、プライバシー保護やセキュリティなどの信頼確保と自由なデータ流通が両立する国際ルールの策定が急務となっている。
- レジリエントなサプライチェーンの構築に向けて
- アジアワイドのサプライチェーンの変化
- 昨年の白書では、我が国のサプライチェーンにおいて、近年、輸入先の集中度が高まってきたことを明らかにした。他方で、中期的な趨勢として見れば、立地企業数や直接投資残高のシェアのいずれにおいても、日本企業の中国立地は2012年頃をピークとして縮小傾向にあり、マクロで見れば、緩やかではあるもののアジア域内での生産拠点の分散化が進みつ2つある。その結果、いくつかの主要な機械部品では中国からの輸入シェアが頭打ちとなり、タイ、ベトナム、インドネシア等のシェアが増加している。これは、コストやビジネス環境の安定性等も総合的に考慮して新規拠点を選定する「チャイナ+1(プラスワン)」の取組を日本企業が広く採用してきたことも影響していると考えられる。
- サプライチェーンリスクと危機からの復旧
- コロナショックによるサプライチェーンの途絶は、直接の取引先に止まらず、多段階にわたるサプライチェーン全体を把握する必要性を改めて明らかにした。また、今後想定をしていなかったリスクがサプライチェーンに障害をもたらす可能性もある。実際に、既存のBCP(事業継続計画)については機能しなかったとの評価も一定程度見られる。一過性の災害に止まらない多様なリスクに対応したBCPの策定やサプライチェーンマネジメントの重要性が認識されつつある。
- サプライチェーン管理における考慮事項の多角化
- 経済安全保障の要請や価値への関心が高まる国際潮流の中で、サプライチェーン管理において考慮すべき事項はより複雑化・高度化している。まず、世界の多くの国で温室効果ガスの排出量ネットゼロに向けた取組が進むことが見込まれる中、自社のみならず取引先も含めたサプライチェーン全体でのCO2を管理する動きがさらに広がると予想される。さらに、外国の人権デュー・ディリジェンス法制にはすでに当該国で事業を行う日本企業も対応しているところであるが、そのような法律を定める国が欧州を中心に広がりつつある。加えて、財やセクターによっては、経済安全保障の観点から講じられる各国の輸出・調達規制等の遵守が求められることも考えると、企業がサプライチェーンを取り巻く状況を把握して対応策を講じる要請は、かつて以上に高まっている。こうした情勢に対応するためには、一次サプライヤーに止まらないサプライチェーンの把握が第一歩となる。さらに、環境や人権といった共通価値が競争環境に取り込まれていることを認識し、法律のみならず自社を取り巻くステークホルダーの期待も踏まえつつ取組を深化することが求められる。
- デジタル技術の活用によるサプライチェーンの強靱化
- 以上のような変化を踏まえると、デジタル技術の活用によるサプライチェーンの「可視化」は、自然災害や地政学上の影響に対応した代替生産や増産、柔軟な販売戦略を可能とすることでレジリエンスに資するのみならず、環境や人権といった要請への対応を容易にする観点からも、その重要性が増している。サプライチェーンの管理のために、医薬品等の分野ではブロックチェーン等の技術が利用されはじめており、いわゆる「すりあわせ型」の製品に関しても、最終製品メーカー手動で多段階の把握がなされている事例もある。こうした取組を進めるためには、技術の導入だけではなく、サプライチェーンを構成する企業全体の認識共有が必要となる。加えて、サプライチェーンにおける企業間の情報共有が円滑かつ信頼性を維持したかたちで実施されるためにグローバルなデータガバナンスの枠組構築に取り組んでいく必要がある。
- 国際的な貿易手続の円滑化・デジタル化の推進
- 国際的な貿易手続きのデジタル化・円滑化の取組は、先に述べた企業のサプライチェーンの管理を補完するものである。従来、貿易手続は貿易コストの中の一定の割合を占めることが認識されており、WTO協定や各種の経済連携協定においては貿易手続の円滑化の観点から、通関手続の透明性の向上、電子化の推進等の取組がなされている。近年、世界的に新たな機能を備えた貿易プラットフォームが台頭しているが、日本においても、業種横断の企業コンソーシアムによる貿易プラットフォームが登場したほか、政府による港湾手続のデジタル化や経済連携協定の活用の際に必要な原産地証明手続のデジタル化等の取組も進められている。このような企業や政府の貿易手続の円滑化・デジタル化の推進は、サプライチェーン管理の強靱化に貢献することが期待される
- アジアワイドのサプライチェーンの変化
- 共通価値を取り込む新たな成長の要請
- サステナブル・インクルーシブな未来社会に向けた企業行動への期待の高まり
- 環境・人権などの「価値」への関心は、昨今、改めて国際的に大きなうねりとなってきている。それを顕著に表す3つの側面を述べる。
- 第1に、2006年の責任投資原則(PRI)、GPIFによるESG指数の採用等に見られるESG投資の拡大である。資本市場や海外の規制当局による情報開示対象の拡大の動きも踏まえると、情報開示の要請の拡大を、企業は市場に対する「説明責任」として捉えるのみならず、企業経営の変革の機会と捉えることも重要であろう。
- 第2に、企業の競争環境にも影響するかたちで社会的課題への取組への関心が高まっていることである。SDGsやサステナビリティというグローバルに共有された価値観によって創り出される市場は、その価値観に共感する人が多いほど拡大する。日本に限らず、グローバルでみても若い世代がこうした「価値」を重視する傾向が顕著に表れていることに鑑みると、市場機会の獲得や労働市場での人材獲得にあたって、共通価値を経営の中に適切に位置づけることは、企業が競争優位を確保するためにも不可欠となっている。
- 第3に、政府の対外経済政策の一部として、サプライチェーン全体を通じた共通価値の実現に制度的な枠組みを構築しようとする欧米各国の動きが顕著になっていることである。欧米各国は、人権・民主主義といった基本的価値を対外経済政策の要素として位置づけ、先に述べた人権デュー・ディリジェンスや関連した開示義務を自国で設立された企業以外の企業にも適用したり、各国独自の制裁措置を講じる動きが強まっている。
- 日本企業の動きをみてみれば、SDGsの認知は広がりつつある一方、企業にとってのリスクや機会が共通価値を重視する潮流の中で変わりつつあることの認識や、企業の価値創造を支える無形資産への投資については十分とは言いがたい。サステナビリティという未来志向の価値観の影響力が強まる中で、サステナビリティの貢献に資する無形資産を認識し、これまで以上に投資をすることが必要となっている。さらに、資本市場から適切な評価を受けるためにも、それらが企業価値の向上に結びつくことを的確に「表現」することも重要である。
- サステナブル・インクルーシブな成長ニーズへの対応
- SDGsやESG投資のあり方を具体的に考える際に、多くの社会的、経済的、環境的課題に直面しているアジア新興諸国(インド・ASEAN等)の「持続可能性」と「包摂性」のあり方に目を向けることには意義がある。アジア新興諸国の現地のニーズをきめ細かに掘り下げ、諸課題の解決や価値の実現に向けた取組を行うことや、新たなアライアンスを模索することが、アジア新興国と日本企業の新たな関係構築にも資すると考えられる。
- サステナブルな価値創造を行う企業行動に向けて
- 貧困からの脱出を含めたwell-beingの実現が社会的に喫緊の課題である国も多い。そのような国において、企業によるヘルスケア、教育などの本業での事業活動を通じた直接的な貢献と、雇用や地域経済への貢献などの間接的な貢献の双方がwell-beingの実現を支えるものといえる。しかし、企業がそのような事業活動を現地で長期的に継続していくには、現地の人々との問題意識の共有など、共通の目的意識を持つことが肝要である。企業独自で事業活動の一環として、現地の人々と価値観を共有する事例もある。他方、長期的な時間軸で事業を遂行していくには、様々な壁もあり、多様なパートナーや機関との連携によるインフラ戦略や直接的・間接的な「価値」の創出に向けた国内外の取組を官民でも構築・実行していく必要がある
- サステナブル・インクルーシブな未来社会に向けた企業行動への期待の高まり
- 信頼あるグローバル・バリューチェーンの構築に向けた対応
- 政府の役割が拡大している中で、経済安全保障への対応が常態化し、共通価値への関心が高まっているウィズ・コロナの世界で、通商政策はどうあるべきか。大きな方向性を提示する。
- 世界で進行する地殻変動
- グローバル・バリューチェーンの管理は、経済安全保障や、環境・人権等の共通価値への関心の高まりへの対応など、考慮すべき変数が増加し、複雑化している。かかる複雑化に対応するため、デジタル技術やデータを利活用してバリューチェーンを確立することが企業経営や政策における大きな戦略課題となっている。加えて、自由主義、開放型経済社会システムを維持・発展させるためにも、自由貿易をアップグレードしていく必要性が高まっている。すなわち、自由なモノの移動や国境を越えた複層的なサプライチェーンを支えるビジネス・投資環境の整備に加えて、持続可能性や公正性、社会正義の実現に向けた規範作りが課題となっている。
- 経済安全保障と産業競争力の強化に向けた取組
- 我が国の経済安全保障を確保するためには、海外における生産拠点の集中度の高い重要な物資等について、調達先の集中度の低減に取り組むとともに、生産拠点多元化支援や海外企業との戦略的提携といった、米国をはじめとする同志国との「信頼」を軸としたグローバル・サプライチェーンを構築することが重要である。
- デジタル分野での課題と取り組み
- 企業のビジネス機会を阻害しうるデジタル保護主義の拡大を防ぎ、プライバシー保護やセキュリティなどの信頼確保と自由なデータ流通が両立する国際ルールの策定、すなわちDFFTの実現に向け日本が主導して取組み、データがもたらす新たな価値の創造と経済発展に貢献していくことが重要である。
- 共通価値(環境・人権等)への対応
- 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略に基づき、グリーン成長を巡る戦略競争を主導する側にまわり、米欧と連携して協力を具体化するとともに、国際ルールの形成を進め、内外一体の産業政策を着実に進めていくことが重要である。また、グローバルな企業経営にとって「人権」を含む社会課題への対応を経営戦略に組み込む国際的潮流への適応は急務となっており、昨年10月に策定した「国別行動計画」の周知などを通じ、「ビジネスと人権」に関する我が国企業の理解の促進を図るとともに、こうした取組を強化することが企業価値向上につながっていくという環境醸成をしていくことが重要である。
- 自由貿易体制のアップグレード
- 我が国企業の「強み」を活かしたグローバル・バリューチェーンの更なる高度化を実現するためには、現下の諸課題に対応した経済秩序の形成と官民の戦略的連携が必要である。具体的には、①ワクチン等の輸出制限や国内産業保護のための関税引き上げといった自国優先・保護主義的な貿易制限措置の常態化のおそれや、②外国政府・企業の市場歪曲的措置等による「公平な競争条件」の毀損、③経済活動のデジタル化に対応した国際的なルールの未整備、が課題となっている。このため、WTO、EPAのようなハードローだけでなく、ソフトローとしてのOECDやAPEC等での規範作り(例:データガバナンス)、日本の強みを活かすバリューチェーンの官民作り込み(例:サプライチェーン強靭化イニシアティブ、米欧との協力)など、複層的なアプローチが重要である
- 世界で進行する地殻変動
- 政府の役割が拡大している中で、経済安全保障への対応が常態化し、共通価値への関心が高まっているウィズ・コロナの世界で、通商政策はどうあるべきか。大きな方向性を提示する。
~NEW~
内閣府 宇宙開発戦略本部 第24回会合 議事次第
▼資料3 宇宙基本計画工程表改訂に向けた重点事項(案)のポイント
- 宇宙安全保障の確保
- 安全保障における宇宙の役割が拡大
- 米国では、極超音速滑空弾等への対応策として小型衛星コンステレーション構築の動きが加速
- 準天頂衛星システム、情報収集衛星、通信衛星、SSA衛星等の宇宙システムを着実に整備。
- ミサイル防衛等のための衛星コンステレーションについて、米国との連携の可能性も念頭に検討を行い、先行的な技術研究に着手。
- 机上演習の取組強化、宇宙システムのサイバーセキュリティ対策のための民間向けガイドラインの開発。
- 災害対策・国土強靭化や地球規模課題の解決への貢献
- 災害対策・国土強靭化が喫緊の課題となる中、衛星による貢献の可能性
- 2050年カーボンニュートラル達成に向けた宇宙からの貢献への期待
- 被災状況を大小様々な衛星により迅速かつ効果的に把握できる体制構築に向け、官民共創で観測衛星システムの開発を推進。これにより、統合型G空間防災・減災システムの構築にも貢献。
- 衛星等を活用した国際的な温室効果ガス観測ミッション構想の策定・推進。宇宙太陽光発電の実用化に向けた取組の推進。
- 宇宙科学・探査による新たな知の創造
- 欧米や中国等の火星探査計画が活発化
- アルテミス計画について、着実に取組を進める必要
- 2029年度の人類初の火星圏からのサンプルリターン実現に向け、2024年度に火星衛星探査計画(MMX)の探査機を確実に打ち上げ。
- アルテミス計画について、米国との合意に基づき、ゲートウェイの機器開発等の取組を進める。また、今後の持続的な月面活動を視野に、産業界とともに、有人与圧ローバの研究開発や、活動基盤を支える技術の開発を推進。
- 宇宙を推進力とする経済成長とイノベーションの実現
- デジタルトランスフォーメーションを支えるインフラとしての役割が拡大
- 新たな宇宙活動のための制度環境整備の必要性
- 衛星データの利用拡大に向けて、自治体等とも連携し、地域の課題解決につながるデータ利用ソリューションの集中的な開発・実証を推進。
- 米国との連携なども視野に入れながら、宇宙港の整備などによるアジアにおける宇宙ビジネスの中核拠点化を目指して、必要な制度環境を整備。
- 宇宙空間の資源探査・開発等について、新たな法律に基づき、必要な制度整備を推進。
- 2021年度中目途に、軌道上サービスについての我が国としてのルール整備を目指す。
- 産業・科学技術基盤を始めとする我が国の宇宙活動を支える総合的基盤の強化
- 海外で小型衛星コンステレーションの構築に向けた取組が加速
- 光通信等の次世代の宇宙技術が、民生・安保の分野を問わず、必要不可欠に
- 我が国独自の小型衛星コンステレーションの構築に向けて、省庁横断でのアンカーテナンシー等により、官民連携の下、戦略的な取組を推進。
- 衛星開発・実証プラットフォームの下で、将来を見据えた基盤技術(AI・宇宙コンピューティング、光通信、量子暗号通信、先進的なセンサ等)の開発を推進。
- 将来宇宙輸送システムについて、抜本的な低コスト化等の実現に向けて、国際的な市場動向を踏まえつつ、官民共創で研究開発を推進。
~NEW~
警察庁 令和3年5月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
- 令和3年1月~5月における特殊詐欺全体の認知件数は5,519件(前年同期5,745件、前年同期比▲3.9%)、被害総額は106.4億円(109.8憶円、▲3.1%)、検挙件数は2,444件(2,706件、▲9.7%)、検挙人員は853人(940人、▲9.3%)
- オレオレ詐欺の認知件数は1,112件(844件、+31.8%)、被害総額は30.9億円(25.3憶円、+22.1%)、検挙件数は501件(883件、▲43.3%)、検挙人員は243人(245人、▲0.8%)
- 預貯金詐欺の認知件数は1,212件(1,769件、▲31.5%)、被害総額は16.1億円(22.1憶円、▲27.1%)、検挙件数は932件(311件、+199.7%)、検挙人員は301人(294人、2.4%)
- 架空料金請求詐欺の認知件数は786件(693件、+13.4%)、被害総額は27.4億円(26.0憶円、+5.4%)、検挙件数は105件(261件、▲59.8%)、検挙人員は50人(65人、▲23.1%)
- 還付金詐欺の認知件数は1,319件(643件、+105.1%)、被害総額は15.2億円(8.7憶円、+74.7%)、検挙件数は177件(179件、▲1.1%)、検挙人員は38人(17人、+123.5%)
- 融資保証金詐欺の認知件数は77件(173件、▲55.5%)、被害総額は1.3億円(1.8憶円、▲27.8%)、検挙件数は10件(66件、▲84.8%)、検挙人員は5人(19人、▲73.7%)
- キャッシュカード詐欺盗の認知件数は951件(1,531件、▲37.9%)、被害総額は13.7億円(23.2憶円、▲40.9%)、検挙件数は704件(964件、▲27.0%)、検挙人員は202人(283人、▲28.6%)
- 口座開設詐欺の検挙件数は267件(293件、▲8.9%)、検挙人員は153人(185人、▲17.3%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は833件(1,017件、▲18.1%)、検挙人員は661人(834人、▲20.7%)、携帯電話契約詐欺の検挙件数は69件(90件、▲23.3%)、検挙人員は59人(75人、▲21.3%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は10件(9件、+11.1%)、検挙人員は5人(7人、▲28.6%)、組織的犯罪処罰法違反の検挙件数は56件(33件、+69.7%)、検挙人員は13人(9人、+44.4%)
- 被害者の年齢・性別構成について、特殊詐欺全体では、男性26.2%:女性73.8%、60歳以上91.6%、70歳以上76.0%、オレオレ詐欺では、男性19.1%:女性80.9%、60歳以上97.1%、70歳以上94.8%、融資保証金詐欺では、男性75.0%:女性25.0%、60歳以上26.5%、70歳以上11.8%、65歳以上の割合について、特殊詐欺88.3%(男性23.2%、女性76.8%)、オレオレ詐欺96.8%(18.9%、81.1%)、預貯金詐欺98.5%(17.2%、82.8%)、架空料金請求詐欺49.0%(53.1%、46.9%)、還付金詐欺94.6%(25.6%、74.4%)、融資保証金詐欺16.2%(81.8%、18.2%)、金融商品詐欺50.0%(14.3%、85.7%)、ギャンブル詐欺22.6%(57.1%、42.9%)、交際あっせん詐欺0.0%、その他の特殊詐欺40.0%(25.0%、75.0%)、キャッシュカード詐欺盗97.8%(19.7%、80.3%)
~NEW~
警視庁 クロスボウの規制と無償回収について
- 令和3年6月16日に銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律が公布され、公布日から9か月以内の政令で定める日に施行されることとなりました。
- 改正法の施行日以降は、クロスボウの所持が原則禁止され、許可制となり、不法所持には罰則(3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)があります。
- 改正法の概要は、下記リンクでご覧ください。
▼警察庁 クロスボウの所持が禁止されます!
- クロスボウの無償回収について
- 改正法の公布に伴い、現在お持ちのクロスボウの処分をご検討中の方に対しては、各警察署において、クロスボウの無償回収を実施しています。
- 回収対象
- クロスボウ本体
- クロスボウの部品(弦・滑車・固定装置等)
- 矢
- その他関係物品(ケース・箱・説明書・調整器具等)
- 手続き時に持参するもの
- 所有者本人が手続きをする場合
- 回収対象(上記)の物品
- クロスボウ等処分依頼書(警察署に来署後、記載していただいても構いません。)
- 来署者の身分を確認する書類(身分証明書):「身分証明書」は、運転免許証、マイナンバーカード、戸籍謄本又は戸籍抄本(戸籍の附票の写しが添付されているものに限る。)、住民票の記載事項証明書、国民健康保険等の被保険者証、旅券等の公的機関が発行したものとなります。
- 所有者本人以外が手続きする場合
- 回収対象(上記)の物品
- クロスボウ等処分依頼書
- 来署者の身分を確認する書類(身分証明書)
- 委任状
- 所有者本人が手続きをする場合
- 回収期間
- 改正法の公布の日(令和3年6月16日)から経過期間(改正法の施行の日から起算して6か月を経過する日までの間)が終了する日までの間
- 回収場所・問合せ先
- 最寄りの警察署の生活安全課 銃砲許可担当係
- 留意事項
- 来署される前に、管轄の警察署へご連絡をお願いします。
- 所有者以外の方が来署された場合において、書類の不備や不明点があるとき等は、所有者ご本人に連絡をすることがあります。
- この手続きは、情勢に応じて変更することがあります。
~NEW~
金融庁 外国人の受入れ・共生に関する金融関連施策について
▼別添2 外国人の方の預貯金口座・送金利用について-外国人材の受入れに関わる皆様に知っていただきたいこと-
- 外国人材受入れに関する金融庁としての取組
- 金融機関に対する要請
- 多言語対応の充実や、在留カードによる本人確認手続きの明確化を求めると共に、銀行口座開設におけるマネロン・テロ資金供与対策に留意するよう要請。
- パンフレットの作成・配布
- 外国人材の受入れ関係者(企業等)向けパンフレットや、外国人向けパンフレット(14か国語)を作成し、銀行口座や海外送金利用時の留意点を明記。
- 周知活動の実施
- 外国人の方の口座開設等の金融サービスの利便性向上が一層図られるよう、金融機関や外国人材受入れ企業等に対する周知活動を実施。
- 金融機関に対する要請
- 入国したばかりで日本に不慣れな外国人の方
- 口座開設において、主に言語や口座開設上必要不可欠な手続きの複雑さが課題となっている場合があります
- したがって、受入れ企業の皆様におかれましては、外国人の方の置かれている状況に応じて、以下を行っていただきますようお願いします。
- 口座開設手続きへの同伴
- 口座開設手続きのサポート
- 金融機関との会話のサポート(通訳等)
- 勤務の証明 等
- 金融機関は、自らが取り扱う商品・サービスが、マネロンやテロ資金供与に利用されないように、国際社会の要請や関係法令の趣旨に従う必要があります。その対応として、口座開設時及び開設後も必要に応じて、以下のような事項を確認しています。(確認が取れない場合、口座が開設できなかったり、開設後の口座が使用できなくなることがありますので、金融機関から確認を求められた場合は、ご協力いただく必要があることを外国人の方にご説明ください。)
- 氏名 住所 生年月日:(日本国籍を持っていない場合のみ)在留資格・在留期間(満了日)
- 国籍 職業 取引目的 :経済制裁対象国等との取引・資産の有無 等
- したがって、金融機関での口座開設にあたっては、以下のものが必要になります。予め準備するよう、外国人の方へお知らせください。なお、必要となる証明書等は、金融機関によって異なる場合があります。
- 本人確認書類
- 氏名、住所(日本の住所)、生年月日が記載された写真付きの本人確認書類が(場合によっては複数)必要となります。
- 在留カード・パスポート など
- 印鑑・サイン
- 口座開設の申込書に押印いただく必要がある場合があります(サインによる代替が可能な金融機関もあります)。
- 印鑑を利用する場合、作成方法についてもご説明ください。
- 社員証等
- 社員証等の勤務実態が確認できる書類をお持ちください。
- 外国人の方が上記書類を所持していない場合は、手続きの場に同伴し、勤務の証明をお願いします。
- 金融機関が、勤務先へ電話等により勤務実態の確認をする場合があります。
- 本人確認書類
- 外国人の方に、母国へ送金したいといったニーズがある場合は、銀行や資金移動業者による送金サービスについて、ご案内をお願いします。なお、送金の目的や原資などをお伺いし、銀行や資金移動業者の判断で送金サービスの受付をお断りすることがあります。
- 外国人の方が以下のようなケースに該当する場合は、金融機関での手続きが必要であることを伝えてください。また、外国人の方の置かれている状況に応じて、受入れ企業の皆様におかれても、金融機関に御連絡いただく等の対応をお願いします。
- 住所や在留資格、在留期間が変わったとき
- 退職をしたとき
- 通帳やキャッシュカードをなくしたとき
- 外国人の方と連絡が取れなくなったとき 等
- 外国人の方が在留期間が終わるなどの理由で帰国することとなったとき
- 犯罪行為であるとの認識が薄いまま、小遣い稼ぎ等を目的として口座を売却する事例が多発しています。
- 売却された口座は、振り込め詐欺等の犯罪収益の受渡しに使用されることがあります。そういった行為に関わると、法令による処罰や、国外退去処分・入国禁止となる場合があります。
- したがって、外国人の方・受入れ企業の皆様におかれては、以下に留意のうえ、御対応をお願いします。
- 外国人の方
- 帰国することとなったときは、原則金融機関の窓口に行き、口座を解約する必要があります。
- 例外的な事情(再入国の予定があり、引き続き口座利用が見込まれる場合など)がある場合は、金融機関と相談する必要があります
- 受入れ企業の皆様
- 状況に応じて外国人の方に対し、以下などをお願いします
- 口座解約の働きかけ(金融犯罪に係る注意喚起を含む)
- 金融機関と相談するよう助言
- 金融機関への連絡、口座解約手続きへの同席
- 状況に応じて外国人の方に対し、以下などをお願いします
- 外国人の方
- 以下の行為は「犯罪」です。受け入れた外国人の方が絶対に関わらないよう、注意喚起してください
- 地下銀行・ヤミ金融
- 地下銀行:免許を持たずに銀行業を行うことや登録を受けずに資金移動業を行うこと
- ヤミ金融:登録を受けずに貸金業を行うこと
- マネー・ローンダリング
- マネー・ローンダリング:犯罪による収益を、その出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関による収益の発見や検挙を逃れようとする行為のこと
- 口座の売買・譲渡
- 口座を他人に使わせること(通帳やキャッシュカードを売却・譲渡・貸与することも含む)
- 偽造クレジットカードや偽造キャッシュカードの使用
- 地下銀行・ヤミ金融
- 【注意】口座売買等に関する情報は、金融庁・財務局または警察までご連絡ください。金融庁・財務局の職員や銀行員等がキャッシュカードのカード番号や暗証番号を聞くことは絶対にありません。外国人の方が騙されないように注意喚起をお願いします。
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金融庁 「監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」の公表について
▼(別紙2)PDFのアイコン画像です。 監査に関する品質管理基準(抄)新旧対照表
- 監査チームとは、監査実施の責任者及び監査業務に従事する補助者をいう。補助者には、監査事務所及び監査事務所が所属するネットワークの内外の者で、個々の監査業務において、監査手続を実施する者が含まれる。
- 監査事務所は、監査業務の質を、主体的に管理し、合理的に確保するために、監査事務所が実施する業務の内容及び状況並びに監査事務所の性質及び状況を考慮した上で、職業的専門家としての判断に基づき、品質管理システムを適切に整備し、運用しなければならない。
- 監査事務所の最高責任者は、品質管理システムに関する説明責任を含む最終的な責任を負わなければならない。
- 監査事務所は、品質管理システムの整備及び運用に関する責任者並びにモニタリング及び改善プロセスの運用に関する責任者を明確にしなければならない。
- 監査実施の責任者は、監査事務所が設けた品質管理システムに準拠し、監査業務における品質管理に責任を負わなければならない
- 監査事務所は、品質管理システムの整備及び運用の状況を適切に記録し、保存するための方針又は手続を定め、それらが遵守されていることを確かめなければならない。
- 監査事務所は、以下の項目からなる、品質管理システムを設けなければならない。
- 監査事務所のリスク評価プロセス
- ガバナンス及びリーダーシップ
- 職業倫理及び独立性
- 監査契約の新規の締結及び更新
- 業務の実施
- 監査事務所の業務運営に関する資源
- 情報と伝達
- 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス
- 監査事務所間の引継
- 監査事務所は、監査業務の質を合理的に確保するために必要であると判断する場合には、これら以外の品質管理システムの項目を設けなければならない
- 監査事務所のリスク評価プロセス
- 監査事務所は、品質目標の設定、品質リスクの識別及び評価、品質リスクへの対処からなるリスク評価プロセスを整備し、運用しなければならない。
- 監査事務所は、監査業務の質を合理的に確保するために必要であると判断する場合には、本基準に規定されている品質目に加え、監査事務所が必要と考える品質目標を設定しなければならない。
- 監査事務所は、設定した品質目標の達成を阻害しうる品質リスクを識別して評価しなければならない。
- 監査事務所は、評価した品質リスクに対処するための方針又は手続を定め、これを実施しなければならない。
- ガバナンス及びリーダーシップ
- 監査事務所は、品質管理システムの基礎となる環境を確立するために、ガバナンス及びリーダーシップに関する品質目標を設定しなければならない。当該品質目標には、(1)健全な組織風土の醸成、(2)最高責任者等の品質に関する説明責任を含む責任の明確化、(3)最高責任者等が果たすべき主導的役割、(4)適切な組織構造と職務分掌、(5)業務運営に関する資源の適切な利用に関する目標を含めなければならない。
- 職業倫理
- 監査事務所は、職業倫理の遵守を品質目標として設定しなければならない。当該品質目標には、監査事務所及びその専門要員並びに当該監査事務所が所属するネットワーク等による職業倫理の遵守に関する目標を含めなければならない。
- 監査事務所は、職業倫理の遵守に対する脅威を識別して評価し、それに対処するための方針又は手続を定めなければならない。また、監査事務所は、職業倫理に抵触する事項を発見し、対処するための方針又は手続を定めなければならない。
- 監査実施の責任者は、職業倫理を遵守するとともに、補助者が職業倫理を遵守していることを確かめなければならない。
- 専門要員とは、監査事務所に所属する社員(監査法人の場合)又は業務執行責任者(個人事務所の場合)及び監査事務所の専門的な業務に従事するその他の者をいう。
- 当該監査事務所が所属するネットワーク等には、監査業務に従事する際に求められる職業倫理に関する規程が対象とする、当該監査事務所が所属するネットワーク、当該ネットワークに属する他の事務所、外部の業務提供者その他の者が含まれる。
- 外部の業務提供者とは、品質管理システムの運用又は監査の実施において使用される、業務運営に関する資源を提供する、監査事務所、当該監査事務所が所属するネットワーク及び当該ネットワークに属する他の事務所の外部の個人又は組織をいう。
- 独立性
- 監査事務所は、独立性の保持を品質目標として設定しなければならない。当該品質目標には、監査事務所及びその専門要員並びに当該監査事務所が所属するネットワーク等による独立性の保持に関する目標を含めなければならない。当該品質目標については、監査事務所及び当該監査事務所が所属するネットワークに属する他の事務所が提供する非監査業務が独立性に与える影響を考慮しなければならない。
- 監査事務所は、独立性の保持に対する脅威を識別して評価し、それに対処するための方針又は手続を定めなければならない。また、監査事務所は、独立性を侵害する事項を発見し、対処するための方針又は手続を定めなければならない
- 監査事務所は、専門要員の独立性が適切に保持されていることを確かめなければならない。
- 監査実施の責任者は、独立性を保持するとともに、補助者が独立性を保持していることを確かめなければならない。
- 監査契約の新規の締結及び更新
- 監査事務所は、監査契約の新規の締結及び更新に関する品質目標を設定しなければならない。当該品質目標には、監査契約の新規の締結及び更新に際し、監査業務の内容、経営者の誠実性、監査事務所の能力等を考慮するとともに、監査事務所の財務上及び業務上の目的を優先することなく、適切に判断することに関する目標を含めなければならない。
- 監査事務所は、監査契約の新規の締結及び更新の後に、当該契約の解除につながる可能性のある情報を把握した場合に対処するための方針又は手続を定めなければならない。
- 監査実施の責任者は、監査契約の新規の締結及び更新が、監査事務所の定める方針又は手続に従って適切に行われていることを確かめなければならない。また、監査実施の責任者は、当該契約の新規の締結及び更新の適切性に重要な疑義をもたらす情報を入手した場合には、監査事務所に、当該情報を速やかに報告しなければならない
- 監査事務所は、より質の高い監査の実施を目指すために、監査業務の実施に関する品質目標を設定しなければならない。当該品質目標には、(1)監査実施の責任者及び監査業務に従事する補助者による責任ある業務遂行、(2)補助者に対する適切な指揮、監督及び監査調書の査閲、(3)職業的専門家としての適切な判断並びに懐疑心の保持及び発揮、(4)監査業務に関する文書の適切な記録及び保存に関する目標を含めなければならない
- 監査事務所は、より質の高い監査の実施を目指すために、業務の実施における専門的な見解の問合せに関する品質目標を設定しなければならない。当該品質目標には、専門性が高く、判断に困難が伴う事項及び見解が定まっていない事項について専門的な見解の問合せを行い、監査業務の実施及び監査意見の形成において当該見解を十分に検討することに関する目標を含めなければならない。
- 監査事務所は、より質の高い監査の実施を目指すために、業務の実施における監査上の判断の相違に関する品質目標を設定しなければならない。当該品質目標には、監査チーム内又は監査チームと審査の担当者等との間の判断の相違を適切に解決することに関する目標を含めなければならない。
- 監査業務に係る審査
- 監査事務所は、原則として全ての監査業務について、監査チームが行った監査上の重要な判断及び監査意見を客観的に評価するために、審査に関する方針又は手続を定めなければならない。なお、監査報告の対象となる財務諸表の社会的影響が小さく、かつ、監査報告の利用者が限定されている監査業務については、審査に関する方針又は手続において、意見が適切に形成されていることを確認できる他の方法が定められている場合には、審査を要しないとすることができる。当該審査に関する方針又は手続には、審査の担当者の選任、審査の担当者及び監査チームの責任、審査の実施並びに審査の記録及び保存を含めなければならない。
- 監査事務所は、審査に関する方針又は手続に従って、審査の担当者が、十分な審査時間の確保を含めて、適性、能力及び適切な権限を有すること、並びに審査の担当者として、客観性及び独立性を保持するとともに、職業倫理を遵守することを確かめなければならない。
- 監査事務所は、審査に関する方針又は手続に従って、審査における審査の担当者及び監査チームの責任が果たされていることを確かめなければならない。
- 監査事務所は、審査に関する方針又は手続に従って、審査の担当者が監査の計画、実施及び報告における重要な事項、判断及び結論について、適時に適切な審査を行っていることを確かめなければならない。
- 監査事務所及び審査の担当者は、審査に関する方針又は手続に従って、監査業務に係る審査の内容及び結論を、監査調書として記録及び保存しなければならない
- 監査事務所の業務運営に関する資源
- 監査事務所は、品質管理システムの整備及び運用を可能とするために、監査事務所の業務運営に関する資源に関する品質目標を設定しなければならない。当該品質目標には、人的資源、テクノロジー資源、知的資源等の監査事務所の業務運営に関する十分かつ適切な資源の取得又は開発、維持及び配分に関する目標を含めなければならない。人的資源に関する品質目標については、専門要員に対する適切な採用、教育、訓練及び評価を考慮しなければならない。テクノロジー資源に関する品質目標については、監査事務所におけるITの統制を含むITへの対応に関する事項を考慮しなければならない。
- 監査実施の責任者は、監査チームが監査事務所の業務運営に関する十分かつ適切な資源を適時に利用可能かを判断し、不十分又は不適切であると判断した場合には、適切な措置を講じなければならない。
- 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス
- 監査事務所は、品質管理システムの整備及び運用の状況に関する情報を適時に把握するとともに、識別した不備に適切に対処するためのモニタリング及び改善プロセスを整備し、運用しなければならない。当該モニタリングには、品質管理システムに関する日常的監視及び完了した監査業務の定期的な検証が含まれる。
- 監査事務所は、モニタリング、改善活動の実施、監査事務所の外部からの検査及びその他の関連する情報から得られた発見事項を評価し、品質管理システムに不備が存在するかを判断しなければならない。
- 監査事務所は、識別された不備の根本原因を調査し、当該不備が品質管理システムに及ぼす影響を評価することによって、不備の重大性及び影響を及ぼす範囲を評価しなければならない。
- 監査事務所は、識別された不備の根本原因分析の結果を踏まえ、不備に対処する改善活動を実施しなければならない。モニタリング及び改善プロセスの運用に関する責任者は、不備と関連する根本原因に対処するために、当該改善プロセスが適切に整備され、運用されているかを評価しなければならない。また、モニタリング及び改善プロセスの運用に関する責任者は、改善活動が適切に整備されていない、又は適切に運用されていないと判断した場合には、適切に対応しなければならない。
- モニタリング及び改善プロセスの運用に関する責任者は、品質管理システムに関する最高責任者並びに品質管理システムの整備及び運用に関する責任者に対して、実施したモニタリングの内容、品質管理システムの不備とその評価結果及び不備に対処する改善措置について適時に報告しなければならない。
- 監査実施の責任者は、監査事務所から伝達された特定の監査業務に関する発見事項が監査意見の適切な形成に影響を与えていないこと及び必要な措置が適時かつ適切に講じられたかを確かめなければならない。
- 監査実施の責任者は、監査事務所から伝達された監査事務所及び監査事務所が所属するネットワークのモニタリング及び改善プロセスに関連する情報を理解し、実施する監査業務への影響を考慮することによって、適切な措置を講じなければならない。また、監査実施の責任者は、監査業務全体を通じて、モニタリング及び改善プロセスに関連する可能性のある情報に留意し、必要に応じて監査事務所に伝達しなければならない。
~NEW~
金融庁 「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」及び「金融機関のシステム障害に関する分析レポート」の公表について
▼「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」概要
- ITコストの効率性・適切性について「システム経費/預金量」を指標として確認。昨事務年度と同様、信用金庫は地域銀行と比較して、システムに係るコスト効率が良いという結果であった。
- ITガバナンスの発揮状況は、「ITリソース」の分野で地域銀行、信用金庫ともに「はい」(=取組みを実施している)の回答割合が最も低く、特に「IT人材の確保・育成」に課題を抱えていることがわかった。
- 新たなIT・デジタル技術の取組みに関する回答のうち、クラウド、AI技術、RPAについては、地域銀行の方が取組みが大きく進んでいることがうかがえた。
- 地域銀行の方が、預金量に対するシステムコストが高くなっている要因として、勘定系システムに勘定処理以外の様々な機能を盛り込んだ結果、預金や為替といった銀行システムの基本機能(非戦略領域)と、その他の経営支援といった戦略領域が整理できておらず、システムが複雑化・肥大化していることが、一因であると推測される。従って、次世代の基幹系システムにおいては、API接続の利用や、疎結合なシステム構成などを用いて、これらの課題を解消していくことが求められる。
- ITガバナンスの発揮状況のうち「ITリソース」の項目について、各金融機関では、日々進化するIT・デジタル技術を新たなビジネスや既存業務に活用するIT企画力を持ち合わせた人材が必要となってきており、今後はより戦略的な「IT人材の確保・育成」が求められる。
- 地域銀行の共同センターに関する課題を踏まえ、今事務年度、基幹系システムの移行コスト低減の可能性について、外部の有識者(ベンダー、ITコンサルティング会社等)からヒアリングを行った。
- コスト低減に向けた取組み
- ツールを用いたデータ移行
- 共同センターの基幹系システムのスイッチングコストにおいて、総勘定元帳のデータ移行に係る費用が大きいことから、効率化のためにツールを活用することが有用であり、多くの場合において活用されている。
- 機能カスタマイズ・事務の削減
- 基幹系システムのスイッチングにおいて、主に勘定系システムに関連する商品やサービスを移行先に継承するため、移行先勘定系システムの機能と移行元勘定系システムの機能を比較し、なるべく機能カスタマイズを最小化することで、移行費用を低減することが考えられる。
- スイッチングしやすいシステム構成(コア領域と戦略領域の分離など)
- スイッチングしやすいシステム構成として、勘定系システムを「非戦略領域」と位置づけ、機能追加を厳選し、コンパクト化する事例や、オープン系システムへの転換でコスト削減を図っている事例もある。
- ツールを用いたデータ移行
- 国内大手銀行における海外拠点では、共通パッケージの利用などで事務・システムの標準化が進む一方、海外拠点特有の要因によってプロジェクトが遅延する事例も散見されている。
- 海外での拠点網の拡大に伴い、グローバル全体で適切にシステムを運営するために、グローバルITガバナンスの一層の強化が必要であるとの課題が認められた。
- 今事務年度の調査結果概要
- グローバルIT戦略/組織
- グローバル全体のITを統括する本邦CIOの下に地域(リージョン)を統括する責任者(地域CIO等)が設置され、地域責任者が各拠点(ローカル)を統括する体制を構築している。
- こうした仕組みの中で、本邦CIO、地域CIO等、地域責任者による連携を維持・強化し、機能を適切に発揮していくことが課題となっている。
- IT投資管理/リソース管理
- 海外システムの開発では、一定の基準で本邦本部が関与する仕組みが出来ており、開発状況は経営会議などへ付議・報告がなされ、システム投資効果検証も行われている。
- 地域内での基幹系システムの共通化によるコスト削減や、海外拠点での大量/高価な製品の調達の本邦集約化による交渉力強化など、IT投資の効率化の事例が見られる。
- 海外拠点固有の課題
- 国内とは異なる海外拠点の環境により、以下のような海外拠点固有の課題が発生している。
- 海外拠点ごとの当局要請・規制に対応するため、独自にシステムを開発し、拠点がサイロ化。
- 国内比人材の流動化が激しく、CIOなどの高度IT人材でも転出が発生し、安定的な確保が出来ていない。
- 国内とは異なる海外拠点の環境により、以下のような海外拠点固有の課題が発生している。
- システム開発課題(事例)
- 海外拠点が独自の開発・管理手法を行い、地域/本邦本部へ適切な報告がされず、進捗・品質の状況把握が不十分であった。
- 少人数で属人的にシステム管理・運用がなされ、ドキュメンテーションが適切に行なわれていない。システム更改にあたり現行システム仕様が把握できず、不十分な要件定義によりプロジェクトが遅延した。
- グローバルIT戦略/組織
- デジタライゼーションの進展等により、金融業にも新たな変化が生じている。これらの動きに対して業務の特性を把握し、システムリスクの変化をとらえ、モニタリングのあり方も随時工夫をしていく。
- 金融業の新たな変化
- 令和2年6月5日に成立した法律※3により、「金融サービス仲介業」が新たに創設された。これまでの仲介業とは異なり、所属制を採用せず1つの登録で銀行・証券・保険等全ての分野の金融サービスの仲介が可能となった。
- 金融サービス仲介業者について、業界全体の動向を踏まえつつ、各金融機関との顧客データ連携方式などについて、そのシステムの安定性・安全性の確保について、必要に応じて対話の実施を検討していく。
- 今後の経済活動の中心となる、デジタルネイティブ世代の獲得などを目的として、提供する全てのサービスがスマートフォンで完結する新しい銀行を設立する事例も出て来ている。
- 金融庁ではこうした新しい銀行の免許申請がなされた場合には、システムリスクの面からは、監督指針に定めるシステムリスク管理態勢などの観点から審査を行う。なお、金融機関へのヒアリングにおいては、日本銀行との連携強化を開始している。
- 当局の今後の取組み
- 「事例集」の活用促進
- 「ITガバナンスの論点」に示した考え方・着眼点に参考事例を取りまとめた事例集について、引き続き、金融機関や有識者との対話等を通じて得られた有益な情報などを反映していくとともに、広く活用を促していく。
- 「基幹系システム・フロントランナー・サポートハブ」を通じた支援
- 基幹系システムに関する先進的な取組みについて、今後も引き続き、金融機関に早い段階から本サポートハブを活用してもらうことで、双方向の議論を重ねながら、金融庁として後押しをしていく。
- 金融業の変化に合わせた審査・審査後のモニタリングのあり方の検討
- 金融サービス仲介業や新しい銀行の登録・免許審査、さらに審査後のモニタリングにおいて、業務やシステムの特性を踏まえてリスクを把握し、システムリスク管理態勢の審査・モニタリングのあり方について機動的に検討していく
- 「事例集」の活用促進
▼金融機関のシステム障害に関する分析レポート
- 主な障害傾向
- システム統合・更改に伴い発生したシステム障害
- これまでに公表した分析レポートでは、システム統合・更改に係るプロジェクトについては、大規模かつ専門性が高いものであることから、プロジェクトの特質に基づいたプロジェクト管理態勢の整備や、設計レビュー体制の強化等を課題として取り上げている。
- 前回のレポート公表後、金融機関の合併に伴うシステム統合をはじめとして、新たな勘定系システムへの移行や現行システムのクラウドサービスへの移行など、様々な大規模プロジェクトが進められている中、システム稼働時に振込の遅延など、顧客の決済に影響を及ぼすような事案が数多くみられた。
- これらの障害の原因は、旧システムの仕様の理解不足やテストのパターン不足等が挙げられ、この背景にレガシーシステムの有識者の高齢化等による人材不足があると考えられる。有識者不足によるリスクを低減するため、システム仕様や作業手順書等の「IT 資産の整備」のほか、IT 人材の育成が引き続き課題となっている。
- プログラム更新、普段と異なる特殊作業などから発生したシステム障害
- 作業影響の検討不足
- 本番環境において、様々な特殊作業を行わなければならないプロジェクト等があり、これらの作業に起因する障害が多くみられた。中には、一部システムが停止したことに起因してATM等の周辺システムに影響する事例が複数みられた。
- これらに共通する問題点として、作業に起因してどのような障害が発生し得るのか想定できていないなど適切にリスクを認識するに至っていないことや、コンティンジェンシープラン(以下、「CP」という。)の整備が不十分なまま作業が実施されたことが挙げられる。
- また、作業自体については、システム全体を見渡すことができる有識者参加のもとでレビューを行うなどにより、品質を確保することが重要である。
- 設定ミス・作業の誤り
- 本番環境のシステムにおける作業誤りや、委託先における作業の誤りを看過するなどの管理面・人的側面に起因する障害が多くみられた。特に、委託先における作業の実態を把握していなかったような事例もみられており、いかに委託先の作業を適切に管理するかが課題となっている。
- また、導入したデータベース等の製品に対する知見不足により、設定不備が発生するといった事案もみられ、機器等を導入する際の選定手順等も適切なものにしていく必要がある。
- さらに、障害発生時の作業が適切に行われず、障害の時間を長引かせるような事例など、あらかじめ作業手順を確立できていないことにより問題が大きくなるような事例も複数みられた。
- 様々な事態を想定し作業手順書等の充実を図るとともに、それらの内容に効率性も含めて問題がないか定期的に点検を行うなど、作業品質を向上させていくことが課題となっている。
- 作業影響の検討不足
- 日常の運用・保守等の過程の中で発生したシステム障害
- サードパーティの提供するサービス等の要因
- これまでに公表した分析レポートでは、複数の金融機関に影響を及ぼしたインターネットバンキング(以下、「IB」という。)に関するワンタイムパスワード(以下、「OTP」という。)認証システムの障害を取り上げ、CP の実効性の向上を課題としてきた。
- 前回のレポート公表後においても、サードパーティの提供するサービスの障害によって、多くの金融機関に影響を及ぼす事例が複数みられた。
- 特に、金融機関だけで障害を未然防止することが困難なクラウドサービス等の障害も増加しており、障害を想定した代替手段の確保やサードパーティとの不断の情報連携等の取組が必要となる。
- 冗長構成が機能しない障害(ハードウェア・回線等)
- 昨年の分析レポートにおいて、障害に備えた冗長構成2が意図どおりに機能しない障害について取り上げたが、その後も同様の事例(障害が発生したにも係わらず副系に切替わらなかったなど)が複数みられた。冗長構成は、特に可用性が求められるシステムで用いられているため、障害が発生した場合、顧客に大きな影響を及ぼすなど、重大な障害となるケースがある。
- こうしたことから、冗長構成が意図どおりに機能するように実効性を確保することはもとより、意図どおりに機能しないことも想定し重要な業務が継続できるような方策の準備や、障害検知及び対応の早期化に係る取組が課題である。
- サードパーティの提供するサービス等の要因
- サイバー攻撃、不正アクセス等の意図的なもの
- 本人確認の設計に係る事案
- スマートフォンを用いて、インターネット口座振替サービス等の方法により預金口座と連携させる決済サービスを提供する事業者が多数登場しているが、この仕組みを悪用し、連携を行う預金口座の預金者になりすまして不正な取引を行う事案が発生した。
- また、金融商品取引業者を中心にインターネットを通じた株取引ツール等への不正アクセスが行われる事案が発生している。特に、フィッシングサイトを含む別のサイト等から過去に流出したIDやパスワードで様々なサイトへのログインを試みるリスト型攻撃と呼ばれる手口がみられた。
- これらへの対応として、補償方針の策定・実施や利用者相談に真摯に対応するための態勢整備に加え、実効的な認証方式の導入等不正防止対策が急務である。また、パスワード等の漏えいに備え、利用するサービスの内容及びリスク特性に応じて、多要素認証等を用いて安全性を確保することが課題となっている。
- クラウド事業者等の提供するサービスのセキュリティに係る事案
- クラウド事業者をはじめとする外部委託先等の提供するサービスについては、当該サービスへの不正アクセスに起因して多くの金融機関に影響を及ぼす事例が複数みられただけでなく、クラウドサービス内に保存されている情報が、設定不備等により第三者にアクセスできる状態となり、漏えいするといった事案も複数みられた。
- クラウドサービスにおけるシステム開発を外部ベンダーに委託しているようなケースも多く、クラウドサービスの仕様やアップデート情報等に関する知識習得や情報収集を含め、十分な態勢整備が行われないまま、クラウドサービスを利用している事例もみられた。
- サービス品質等の管理が行き届かなくなるリスクやセキュリティ面のリスクが考えられる中、アウトソーシング可能な業務範囲の明確化といった対策も含めて、全体の態勢を整備していくことが課題となっている。
- 本人確認の設計に係る事案
- システム統合・更改に伴い発生したシステム障害
- 今後の金融庁の取組
- 金融庁は、各金融機関のシステムリスク管理態勢の整備等の取組が円滑に進められるよう以下の取組を実施する。
- 各金融機関においては、金融システムの安定や利用者保護の観点からシステムリスク管理態勢の整備や高度化に向けた創意・工夫を積み重ねることが期待される。
- システム障害の発生を踏まえたモニタリング
- デジタライゼーションの進展やコロナ禍による IT サービスの利用増加等の顧客の動向変化は、情報システムへの依存による利便性の向上と引き換えに、システムリスク管理の重要性が高まる要因となり、大規模な障害が頻繁に発生すれば、金融機関に対する信頼性が揺らぎかねない。
- 金融庁では、金融機関のシステムの安定稼働に向けて、障害発生時には、必要に応じ原因・事後改善策のヒアリングなど、モニタリングを中心に実施してきたところである。
- 昨今の状況を踏まえ、今後も、こうした取組を継続するとともに、障害発生の重要度や管理態勢上のリスクが認められる場合には、検査を含めた更に深度ある検証を行うなど、実効的かつ効果的なモニタリングを進めていく。
- システム統合・更改に関するモニタリング
- 経営統合に伴うシステム統合だけでなく、将来を見据えた大規模なシステム更改も行われるなど、大規模なプロジェクトがいくつもの金融機関において予定されている。
- こうした経験の少ない大規模プロジェクトに関するモニタリングにおいては、単に進捗状況の把握にとどまらず、過去の事例も踏まえて、問題となりやすい事項について詳細に検証・議論するなど、対話を通じて金融機関の自律的な改善を促すことに力点を置いてきた。
- 今後も、こうした取組を継続するとともに、リスクの高いプロジェクトには検査を含めた更に深度ある検証を行うなど、リスクに応じた効果的かつ効率的なモニタリングを進めていく。
- サードパーティの提供するサービスなどの新たなリスクへの対応
- デジタライゼーションへの対応について、適切なITマネジメントの下でリスクを踏まえつつ、柔軟かつ迅速に取り組んでいくことが重要となる。特に、クラウド等のサードパーティが提供するサービスを利用する金融機関が増加する中、導入・運用時に適切にリスク管理ができるような態勢を整備することが必要となる。
- サードパーティの提供するサービスに関するリスクへの対応は、以前より公益財団法人金融情報システムセンター(以下、「FISC」という。)等と連携し対応を進めてきたところであるが、今後も新たな事案が認められた場合には、各金融機関の取組の参考とするため、事例等の公表を行っていく。金融機関側でのコントロールが難しいリスクとその対策については、引き続き、FISC等と連携の上、調査検討を進めていく。
- システム障害の発生を踏まえたモニタリング
~NEW~
金融庁 「ゼロトラストの現状調査と事例分析に関する調査報告書」の公表について
▼(別添)PDFファイルを開きますゼロトラストの現状調査と事例分析に関する調査報告書
- ゼロトラストとは、特定の技術や製品、ソリューションを指す言葉ではなく、「企業のネットワークやデバイスからのアクセスを暗黙に信頼せず、常にアクセスの信頼性を検証することで企業の情報資産やIT資産を保護すること」に焦点をあてたセキュリティの考え方である。
- 2004年頃から、ネットワークの境界での静的な防御には限界があるとの考えが示され、ネットワークの位置に基づく暗黙の信頼、すなわち境界線を除去するという非境界化の議論が開始された。その後、2010年頃に非境界型の考え方を進化させたゼロトラストというコンセプトが提唱された。
- 以降、クラウドサービスの利用拡大やリモートワークの普及により、ゼロトラストという考え方を取り入れたセキュリティモデルへの関心が高まり、ゼロトラストという言葉が広く使用されるようになったが、ゼロトラスト・アーキテクチャは製品やベンダーによって多様な実現方法があるため、用語や概念が統一されていない状況であった。そのような中、2020年8月に米国国立標準技術研究所(NIST)が、用語と概念の共通基盤を形成することを試み、『Zero Trust Architecture(NIST SP800-207)』1を発行した
- ゼロトラストの原則
- NIST SP800-207の「2 ゼロトラストの基本」では、ゼロトラスト・アーキテクチャの設計・展開にあたって、以下の7つの原則を理想的な指針として挙げている。これらの原則は、NIST SP800-207が理念的な目標として定めているものであり、採用するゼロトラストの戦略によっては、これらのすべての原則を、完全に満たさないゼロトラスト・アーキテクチャもあり得るとされている。各原則の概要は、以下のとおりである。
- すべてのデータソースとコンピューティングサービスをリソースとみなす
- 企業が所有するすべてのリソースを対象とする。対象にはSaaS(Software as a Service)などのクラウドサービスも含まれる。また個人所有端末(BYOD7)を利用して、企業リソースへアクセスする場合には、BYODも対象に含む。
- ネットワークの場所に関係なく、すべての通信を保護する
- 企業内ネットワークかどうかに関係なく、リソースへのアクセス要求を行うすべての通信の機密性・完全性を確保する。
- 企業リソースへのアクセスは、セッション単位で付与する
- リソースへのアクセスが許可される前に、アクセス元の信頼性を評価する。またアクセスの許可は、タスクを実行するための最小限の権限で許可されるべきである。セッション単位でのアクセス付与について、セッション開始やトランザクション実施前に、認証・認可が直接発生しない場合もあるとしているが、アクセス対象のリソースが変わる場合は、常に認証・認可を実施するべきとしている。
- リソースへのアクセスは、クライアントアイデンティティ、アプリケーション/サービス、リクエストする資産の状態、その他の行動属性や環境属性を含めた動的ポリシーにより決定する
- アクセス元のユーザーアカウントに関する情報(ID・パスワード、所属部門、役職等)や、ユーザーの行動履歴、アクセス元のリソースの状態(証明書、OS のバージョン、ネットワークの場所等)等をもとに、対象ユーザーからリソースへのアクセス可否を動的に決定する。
- すべての資産の整合性とセキュリティ動作を監視し、測定する
- 個人所有端末(BYOD)等も含めたデバイスやアプリケーションは、本質的に信頼されないものとして、すべて監視する必要がある。監視の結果、脆弱性があると判断されたデバイスがある場合は、パッチ等を適用させる、接続を拒否する、権限を制限する等の対応を行うこととなる。
- すべてのリソースの認証と認可を動的に行い、アクセスが許可される前に厳密に実施する
- すべての企業リソースに対するアクセスに対して、継続的にアクセスの信頼性を動的ポリシーにて再評価する必要がある。トランザクション全体に渡って継続的な監視を行い、セキュリティ、可用性、ユーザビリティ等のバランスを考慮した上で、必要に応じて再認証を行う。
- 資産、ネットワークインフラストラクチャ、通信の現状について可能な限り多くの情報を収集し、セキュリティ態勢の改善に利用する
- リソースのセキュリティ状況や、ネットワークトラフィック、アクセス要求に関するデータを収集し、動的ポリシーの作成に使用する。(使用するデータの例は「3.1.4. ポリシーエンジンのトラストアルゴリズム」参照)
- IT環境にこれらの原則を取り入れると図表3-1のようになる。これらの原則を実装するための具体的な技術要素はNIST SP800-207では指定されておらず、様々な技術による実現方法が考えられる。また、これらの原則は、基本的には社内のビジネスプロセスを対象とし、インターネットユーザー等の不特定多数のユーザーとのビジネスプロセスには適用されないことを前提としたものである。ただし、登録顧客等の内部ポリシーを適用可能な外部ユーザーについては、対象となる場合がある
- すべてのデータソースとコンピューティングサービスをリソースとみなす
- NIST SP800-207の「2 ゼロトラストの基本」では、ゼロトラスト・アーキテクチャの設計・展開にあたって、以下の7つの原則を理想的な指針として挙げている。これらの原則は、NIST SP800-207が理念的な目標として定めているものであり、採用するゼロトラストの戦略によっては、これらのすべての原則を、完全に満たさないゼロトラスト・アーキテクチャもあり得るとされている。各原則の概要は、以下のとおりである。
- 金融業界におけるビジネス環境の変化
- 「2.2.1.デジタル技術の進展によるIT環境の多様化とサイバーリスクの高まり」に記載したようなデジタル社会への変革とそれを取り入れた働き方は、金融業界でも同様に広がっている。
- たとえば、金融機関の顧客サービス面では、インターネットとスマートフォンの普及などにより、顧客はオンデマンドで自身のライフスタイルに適した金融サービスや金融機関を求めるように変化してきている。同時に、金融機関側も顧客志向を強めている。顧客の取引情報や行動履歴等のデジタル化された大規模データを収集、分析、活用し、顧客ニーズに適した金融サービスを開発することが命題になる中で、自社の所有するデータのみならず業界内外の企業とのデータ連携、あるいはIoTデータの活用などにも積極的に取り組んでいる。
- また、金融機関の労働環境面でも変革が進んでいる。金融機関の社員の働き方といえば、数年前までは支店や事務所で執務するのが当たり前であったが、足下では、少子高齢化を迎える中での柔軟な働き方の実現のためや、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策のため、多くの金融機関にもリモートワークが普及している。
- IT環境の変化とサイバーセキュリティリスクの高まり
- 上述したビジネス環境の変化に対応するため、多くの金融機関では、いくつかの共通的な取り組みが見られる。その1つが、クラウドサービスの利用の拡大である。クラウドサービスを利用することで開発スピードや拡張性あるいは最新技術の活用容易性を手に入れ、ビジネスの成長を加速させている。セキュリティ対策もクラウドに対するセキュリティリスクを踏まえた対応を進めている。もう1つの取り組みとして多く見られるのが、リモートワークの活用である。金融機関では、リモートワーク下でもセキュリティを保ちながら業務を行うための取り組みとして、セキュリティ設定を強化した専用のリモート端末やVPN、仮想デスクトップ(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)等の導入や拡張を進めている。
- 以前より金融機関は、他業界の企業と比べて積極的にセキュリティ対策に取り組んでいる。具体的には、入口対策、内部対策、出口対策を組み合わせた多層防御の考え方を取り入れ、重要なITシステムやデータは堅牢なデータセンター内に設置し、社内のネットワークから分離して保護してきた。しかしながら、上述したクラウドサービスを利用するITシステムの増加やリモートワーク環境の拡大により、外部からのサイバー攻撃を受ける対象となるアタックサーフェスが増え、サイバーセキュリティの固有リスクが高まっている。また、そのリスクに対応するためのセキュリティ管理負荷も高まっている。
- 金融機関におけるゼロトラストに関する検討状況
- 一部の金融機関では、ゼロトラスト・アーキテクチャに関する具体的な検討や導入を進めているが、金融機関全体としては少ない状況である。その背景として、金融分野はサービスの安定供給や顧客情報保護を重視しながら、早くからITの利活用が進んだ業界でもあることから、既存のITシステムや境界型セキュリティの考え方が既に浸透・定着しており、比較的新しいセキュリティの考え方であるゼロトラスト・アーキテクチャの検討や導入が現段階では少数であることが挙げられる。
- ゼロトラスト・アーキテクチャの検討や導入を進めている金融機関は、主にリモートワークの推進やクラウドサービスの活用を目的としている。
- 本調査では、ゼロトラスト・アーキテクチャの導入に向けた具体的な検討を進めている金融機関の事例が確認できた。その事例では、コミュニケーションツールや情報系システムのクラウド化が進む中で、将来的なデータ利活用を考えると、基本的にデータをクラウド上に集めてシステム間で連携させていく方針としており、勘定系システムやCRMシステムのクラウド化も進めている。また、顧客向けサービス向上のため、外出先からも社内のITシステムに接続できるリモート端末の環境を構築してきたが、社内と社外で異なる端末であることの不便さ、端末管理負荷やコストの高まり、VPNの接続帯域の限界等の課題があった。クラウド化やリモートワークを進めていくために必要なIT基盤を再検討した結果、まずはクラウドサービスで提供されている認証の仕組みを導入し、将来的にゼロトラスト・アーキテクチャへの移行を視野に入れながら検討を進めている。
- 一方で、メリット、デメリットを検討した結果、ゼロトラスト・アーキテクチャは当面導入しないと判断している金融機関もある。その理由は、現状実現したいことは既存IT環境で対応可能であること、ゼロトラストに関するソリューションが発展途上であること、導入コストが高いことなどである。その場合でも、ゼロトラストの原則を参考にして、認証の強化、内部通信の暗号化、通信のモニタリング強化など、内部対策の強化に取り組んでいる。
- また、まだ調査や検討に着手できていない金融機関もある。検討が進んでいない理由として、ゼロトラストの検討以前に、自社の脆弱性対策やアクセス管理等の対策が十分にできていないのではないかと感じ、まずは基本的な対策について考え直していることを挙げている金融機関もあった。
- 金融機関におけるゼロトラスト・アーキテクチャ導入状況
- 本調査では、リモート端末とクラウドサービスを対象にゼロトラスト・アーキテクチャを導入している国内金融機関が確認できた。その事例では、接続元ネットワークの位置情報やデバイスのパッチ適用状況やマルウェア検知情報を取り入れた認証・認可をクラウド上で実現している。ただし、NIST SP800-207の原則にあるような多様な情報を含めた動的ポリシーを用いての認証・認可や、ログの監視・分析と通信の遮断・制限までは実現できておらず、今後段階的に取り組んでいく状況である。
- NIST SP800-207で示されているゼロトラスト・アーキテクチャを完全に実装できている事例は金融以外の国内の一般企業でも少なく、既存のITシステムやデータを多く保有する企業が完全なゼロトラスト・アーキテクチャに移行することは容易ではないと言える。
- 海外金融機関の取り組み状況
- 本調査では、NIST SP800-207の原則で示されているような、多様な情報で構成された動的ポリシーに基づいたアクセスの認証・認可を実現している事例は、海外金融機関でも確認できなかった。また、グローバルで事業を展開している海外金融機関からは、ITシステムやネットワークが複数の国に跨っているため、現状では移行への障壁が大きいとの意見があった。
- したがって、海外金融機関も国内金融機関と同様にゼロトラストという考え方には強い興味をもっているものの、短期的にゼロトラスト・アーキテクチャへの移行は難しいと考えており、今後も情報収集や関連製品動向の分析などを進めながら、段階的に取り組みを検討していくというのが総体的な動向である。
- 一方で、一部の海外金融機関では、ゼロトラスト・アーキテクチャの導入事例も見られた。導入の背景は、日本と同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応として、リモートワーク環境の整備ためにゼロトラストという考え方を採用したという事例である。具体的には、短期間で安全なリモートアクセスを実現するための手段として、クラウドサービス型のSDP(Software Defined Perimeter)をネットワークソリューションとして導入し、ゼロトラスト・アーキテクチャの取り組みの第一歩としている事例があった。
- また逆の事例として、ゼロトラスト・アーキテクチャは当面導入しないと判断している海外金融機関も確認できた。ただし、当該海外金融機関は、以前から内部不正を重要なリスクと認識し、ITシステム面・運用面での内部不正対策に長年取り組んでいる。境界型セキュリティを採用しつつも、内部ネットワークとそれを利用するユーザーを暗黙に信頼するという考えではなく、以下のような対策の継続的な高度化を推進している事例であった。
- ユーザーによるデータへのアクセス状況やデータの移動状況、ネットワークトラフィック状況等について、UEBA(User and Entity Behaviour Analytics)などの収集・解析ツールを駆使しながら監視し、不審な動きを24時間365日の体制で調査・対応する態勢を整備・運用している。
- マルウェアのラテラルムーブメント(水平移動)を防ぐために内部ネットワークのセグメントの細分化を設計レベルで検討し実装する。
- 最小権限の原則、Need to Knowの原則に従って個々のアプリケーションやデータへのアクセスを制限するとともに、必要に応じて多要素認証を採用している。
- 内部ネットワークに利用されているひとつひとつのネットワークデバイスを堅牢な状態に維持する。
- このような多層かつ高度な内部対策へも取り組んでいるといった背景もあり、当該金融機関は、現段階ではゼロトラスト・アーキテクチャへの移行は考えていなかった
~NEW~
金融庁 「ソーシャルボンド検討会議」(第4回)議事次第
▼資料2 ソーシャルボンドガイドライン(案)
- ソーシャルボンドによる調達資金は、ソーシャルプロジェクトに充当されるべきである。ソーシャルプロジェクトとは、特定の社会的課題(social issue)の解決への貢献を目指すプロジェクトであって、かつ、当該プロジェクトにより、対象となる特定の人々に対してポジティブな社会的な効果をもたらすこと(ただし、当該効果は必ずしもこれらの人々だけにもたらされるものに限られない。)を目的とするものをいう。
- 調達資金の充当先となる適格なソーシャルプロジェクトは、特定の社会的課題に対し、明確な社会的な効果を有するべきである。当該社会的な効果は、発行体が評価すべきであり、可能な場合には定量化することが望ましい。
- ソーシャルプロジェクトが対処する社会的課題とは、社会全体又は対象となる特定の人々の幸福(well-being)を脅かすものをいう。社会的課題は、その時々において変わり得るが、ソーシャルプロジェクトが対処する社会的課題は、当該社会において客観的に認識されている課題であるべきである。このため、社会的課題を把握するに当たっては、2015年9月の国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」をはじめとする国際的な合意等を踏まえて、また、特に我が国の文脈においては「SDGs アクションプラン」18等を踏まえて検討することが考えられる。
- 発行体は、社会的な持続可能性に関する自らの包括的な目標、戦略、方針等(中期経営計画、サステナビリティ戦略、CSR 戦略等)を踏まえた上で、対処する社会的課題及び具体的なソーシャルプロジェクトを特定することが望ましい
- ソーシャルプロジェクトの定義は、セクターや地域によって異なり得る。ソーシャルプロジェクトの「事業区分」及び各事業区分に対応する事業の細目の例としては、付属書1に記載されるようなものが考えられる(あくまで例示であり、これらに限定されるものではない。)。一つのソーシャルプロジェクトが、複数の「事業区分」にまたがる場合もある。
- ソーシャルボンドの具体的な資金使途の例としては、付属書2に記載されるようなソーシャルプロジェクト(これらの事業に係る資産、投融資又は、研究開発費、人材教育費、モニタリング費用のような関連費用若しくは又は付随費用を含む。)が考えられる(あくまで例示であり、これらに限定されるものではない。)。付属書2は、SDGs アクションプラン等を踏まえて社会的課題として想定されるもの(あくまで例示である。)、及び国内外における民間企業等によるソーシャルボンドの発行事例等を勘案して、具体的なプロジェクトの例を示したものである。
- ソーシャルプロジェクトによりポジティブな社会的な効果が期待される「対象となる人々」の定義は、地域の文脈によって異なり得る。その例としては、付属書1に記載されるような人々が考えられる(あくまで例示であり、これらに限定されるものではない。)。 なお、ソーシャルプロジェクトが一定の社会全体が直面する課題を対象とする場合など、その性質によっては、対象となる人々として「一般の大衆(general public)」が想定される場合があり得るが、その場合においても、一般の大衆のうち、当該プロジェクトによって特に裨益する人々のセグメントを特定することが望ましい。
- ソーシャルプロジェクトが、本来想定されるポジティブな社会的な効果とは別に、付随的に、環境・社会に対しネガティブな効果をもたらす場合がある。「明確な社会的な効果を有するソーシャルプロジェクト」とは、そのようなネガティブな効果が本来想定されるポジティブな社会的な効果に比べ過大にならないと発行体が評価するプロジェクトである。
- 調達資金の使途は、目論見書などの法定書類その他の書類によって投資家に事前に説明されるべきである。
- 調達資金の使途の投資家への説明は、投資家その他の市場関係者が資金使途の適切性を評価できるようにするため、ソーシャルプロジェクトの「事業区分」及び「対象となる人々」を示して行うべきである。「事業区分」の細目、事業の詳細や「対象となる人々」をターゲットとする理由を説明することが望ましい。
- 調達資金の使途となる個別のソーシャルプロジェクトが具体的に確定している場合には、当該ソーシャルプロジェクトを明示して行うことが望ましい。
- ソーシャルプロジェクトが、本来想定されるポジティブな社会的な効果とは別に、付随的に、環境・社会に対しネガティブな効果を持つ場合には、投資家その他の市場関係者がその効果を適切に評価できるよう、発行体は、そのネガティブな効果の評価や、対応の考え方等も併せて説明すべきである。
- ソーシャルボンドにより調達される資金は、当該資金により新たに立ち上げるソーシャルプロジェクトに対する初期投資のほか、既に開始されているソーシャルプロジェクトのリファイナンスに充当することも可能である。リファイナンスとして調達される資金は、既に開始されているソーシャルプロジェクトの維持という効果を持つ一方で、当該ソーシャルプロジェクト自体はリファイナンス実施前に開始されていることになるため、新規のソーシャルプロジェクトへの初期投資とは社会的な意義が異なり得る。
- これを踏まえ、ソーシャルボンドにより調達される資金のうちリファイナンスに充当される部分の概算額(又は割合)及びどのソーシャルプロジェクト(又は事業区分)のリファイナンスに充当されるのかについては、投資家向けの説明に含めることが望ましい。また、リファイナンスに充当される場合は、その対象となるソーシャルプロジェクトについて、ルックバック期間(既に開始されているプロジェクトについて、リファイナンスを充当する対象期間をいう。)を示すことが望ましい。なお、調達資金のうち(リファイナンスでなく)新規のソーシャルプロジェクトに対する初期投資に充当する部分が大きい場合には、当該初期投資に充当する資金の概算額(又は割合)を明らかにすることにより、当該ソーシャルボンドの評価の向上につながる可能性がある。長期にわたり維持が必要である資産について、複数回のソーシャルボンドの発行を通じてリファイナンスを行う場合は、発行時点において、その資産の経過年数、残存耐用年数やリファイナンスされる額を明確に開示し、社会的な効果の持続性について評価し、必要に応じて外部機関による評価を受け確認するべきである。
- 投資家に望まれる事項
- ソーシャルボンドの特徴は、調達資金の使途をポジティブな社会的な効果を生み出すソーシャルプロジェクトに限定する点にある。どのようなソーシャルプロジェクトが考えられるかについて、本ガイドラインでは具体的な資金使途の例を付属書2で示しているが、あくまでも国内外の発行事例等を踏まえた例示であり、その時々の社会の状況も踏まえて、企業の創造性やイノベーション等により多様なソーシャルプロジェクトが実施されると考えられる。発行体により、ソーシャルプロジェクトが目指す社会的な効果の適切な開示がなされることを前提に、最終的な判断はソーシャルボンドへの投資を決める個々の投資家の判断に委ねられる。したがってソーシャルボンド市場が健全に発展するためには、投資家の役割が極めて重要となる。
- このことを踏まえ、投資家は、ソーシャルボンドに関する投資判断に当たり、当該ソーシャルボンドの資金使途となるプロジェクトの社会的な効果について、適切に見極めることが望まれる。個々のプロジェクトの置かれた環境、ネガティブな効果の有無及びその影響、ソーシャルボンドを取り巻く国際的な動向等を踏まえて、個別具体的に行われることが望ましい。また、外部レビューが付されている場合には、外部レビューの結果に係る文書を十分に吟味すると同時に、外部レビューのみに依拠することなく、最終的な投資判断は投資家自身が当該ソーシャルボンドを適切に評価した上でなされることが望まれる。さらに、ソーシャルボンドへの投資後も、投資先による調達資金の管理の実態、実現した社会的な効果、状況の変化の有無等について、適切にモニタリングすることが望まれる。加えて、2020年3 月に改訂された「日本版スチュワードシップ・コード」において、スチュワードシップ責任として「運用戦略に応じたサステナビリティ(ESG 要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮」が求められることとなったこと、また、同コードが債券を含む他の資産に投資を行う場合にも適用可能とされたことを踏まえ、ソーシャルボンドへの投資を行う機関投資家は、必要に応じ、投資先である企業との建設的なエンゲージメントを行うことが望まれる。
- 以上のことが可能となるためには、投資家が適切な判断をし得るだけの実力を備えていることが必要となる。そのため、投資家は、持続可能な発展に関する高い見識を持つとともに、ソーシャルプロジェクトについての知見を蓄積し、ソーシャルボンドを取り巻く国際的な動向にも十分注意することが望まれる。
- 上記は、ESG 投資を行う機関投資家等において社会的な支持を獲得する上でも必要であり、ひいてはソーシャルボンド市場の健全な発展、持続可能な社会の形成にも資すると考えられる。
~NEW~
首相官邸 小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第16回)
▼資料2:ドローンの利活用促進に向けた技術開発について
- レベル4実現後のドローン利活用の展望
- レベル4実現により、物流、点検をはじめ各分野においてさらなるドローンの利活用拡大が期待。
- 「セキュリティの確保されたドローン開発」、「機体の安全性向上・高性能化」により、安心安全を確保するとともに、「運航体制の省人化」によってドローン利活用のポテンシャルを引き出すことが重要。
- また、これまで開発してきたドローンの運航管理システムの社会実装を進めつつ、空飛ぶクルマといった新たな航空機が登場し低高度空域の混雑が想定されることを踏まえ、「ドローン・空飛ぶクルマ・航空機の安全かつ効率的な空域共有」に向けても議論を進める必要がある。
- 今後の方向性について
- 安全安心なドローンの開発と利活用拡大
- 機体認証制度に即した試験方法開発および産業規格化
- 機体安全性向上・高性能化を実現するには、機体認証制度で求められる基準をクリアすることが必要。
- このための企業による技術開発の指針となるような産業規格を策定し、産業育成につなげるとともに機体の安全性向上・高性能化を実現する。
- 現状は第二種機体認証について産業規格化の取組を進めており、第一種機体認証は基準の検討にあわせ着手予定。
- 要素技術の高性能化について今後検討。
- 策定した産業規格は国際標準化。
- 運航の省人化
- レベル4の実現に加え、ドローンの利活用をさらに後押しするためには、ドローン運航の省人化を通してより効率的な運航を実現することが必要。
- 1運航者による複数経路×複数機といった運航では、異常発生時において、機体の自律飛行技術や運航者による安全確保措置等によって安全な運航を担保する必要がある。
- 自律飛行技術を開発するとともに、それを踏まえた運航体制をあわせて検証し、運航の省人化を実現する安全性評価手法を確立する。
- ドローン運航管理システム(UTMS)の社会実装とドローン・空飛ぶクルマ・航空機との調和
- これまでドローンの運航管理システム(UTMS)を開発。37機の同時飛行に成功@福島RTF。
- 2021年度は全国での地域実証を通じ、さらなる技術・制度課題を抽出し、レベル4下でのUTMSの社会実装を進めていく。
- さらに、2022年度以降は、空飛ぶクルマ・航空機も含めた空域共有に向けた技術的検証に取り組み、これらの空域共有に向けた議論を進める。
- 安全安心なドローンの利活用拡大に向けて(NEDOによる機体開発)
- 開発体制
- ACSL:設計・開発
- ヤマハ発動機:量産体制構築
- NTTドコモ:セキュリティ、クラウド管理 等
- 仕様
- 重量:1.7kg
- 最大飛行時間:30分
- リモートID:Bluetooth(ASTM準拠)
- 機能
- 自動飛行及びルートの自動生成機能、3方向センサによる衝突回避、画像トラッキング
- オプション
- 赤外線カメラ、マルチスペクトルカメラ、RTK等
- セキュリティ対策
- 飛行記録情報、撮影データ、通信情報の暗号化
- 国内サーバクラウドにデータ保存
- スケジュール
- 2021年4月 実機完成
- 2021年夏頃 フライトコントローラのインターフェース公開 ―生産体制整備―
- 2021年内 政府調達市場等に投入予定 電力・インフラ事業者にも売込み 米印等への海外展開
- 開発体制
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首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策の進捗に関する関係閣僚会議
▼第2回 資料
- ワクチン接種が順調に進んでいるが、今後の見通しにはまだ大きな不確実性
- デルタ型変異株の推移・感染力に大きな不確実性
- 高齢者ワクチン接種がある程度進むと、全体の重症化率は低下する
- しかしながら、高齢者以外での感染拡大で医療逼迫は起こり得る
- 慎重に経済活動を促進してくことで、再度宣言発令を回避できる
- 短期的には経済にとって負担だが、中・長期的には必ずしもそうではない
- ワクチン接種ペースの想定
- 現役世代の接種開始で、今後は1日当たり平均100万回を達成へ
- 職域接種の集中により、夏場(7~8月)は1日当たり140万回まで上振れる可能性も
- 1日100万回ケースの場合、2021年度のGDPを約1%押し上げ(経済成長率は約4%に)。サービス消費の回復前倒しで約6兆円の経済効果(GoTo再開は2022年1~3月期を想定)
- 夏場1日140万回(9月以降100万回)ケースでは、10~12月期にGoTo再開が可能に。2021年度GDPを約2%押し上げ(経済成長率は約5%に)。経済効果は約12兆円
- 1日100万回まで加速した場合、サービス業は1~2割の売上増。約30万人の雇用増加
- 夏場に1日140万回(9月以降100万回)まで加速した場合、サービス業は2~4割の売上増。約60万人の雇用増加
- 今後、徐々に新たな接種希望者の減少が問題となる可能性
- 接種が先行する米国では、接種率が4割を超えた段階で普及ペースが鈍化
- 日本も接種忌避や未決定層が多く、秋口には新たな接種希望者の減少に直面する可能性
- ワクチンの普及が遅れれば、経済正常化に時間を要し、経済効果が十分得られない
- ワクチン接種加速の日本経済への影響
- ワクチン接種ペースの加速を踏まえた疫学モデルシミュレーション
- 接種ペース加速による2021年度GDPの押し上げ効果
- 今夏は日本のコロナ禍「最後の正念場」 ― 夏場1日140万回(9月以降100万回)を実現しても、デルタ型変異株が早期に広がれば、緊急事態宣言の再発令や、まん延防止措置の延長の可能性
- 今後の課題
- 変異株や人出増加を踏まえた夏場の感染再拡大リスク評価
- 新たな接種希望者の減少によるワクチン普及の遅延
- 接種を後押しする経済的インセンティブ導入に関する提言
- 東京オリンピック・パラリンピック期間中における出勤者数削減に関する調査
- テレワーク及び休暇の取組
- テレワーク実施可能な従業員(全従業員の67%)について、テレワークによる出勤者数の削減割合(現在の取組は59%)は、オリパラ大会期間中は61%に増加し、お盆を含む期間においては休暇取得が増加することの影響もあって57%となる見込み。
- 休暇による出勤者数の削減割合については、お盆を含む期間はほぼ例年並みの見込みであるが、オリンピック大会期間で1.26倍、パラリンピック大会期間で1.13倍、本年は例年よりも休暇が多く取得される見込み
- 出勤者数削減に関する取組
- テレワーク及び休暇による出勤者数の削減割合を全従業員ベースに換算すると、現在の取組は46%となっているのに対し、オリンピック大会期間においては50%(4ポイント増加)、パラリンピック大会期間において49%(3ポイント増加)となり、お盆を含む期間においては55%(9ポイント増加)となる見込み
- テレワーク及び休暇の取組
- 感染状況について
- 全国の新規感染者数は、報告日別では、減少傾向が続いてきたが、横ばいから微増となり、直近の1週間では10万人あたり約8となっている。東京を中心とする首都圏では、増加に転じており、感染の再拡大が強く懸念される。一方で、これまでの新規感染者数の減少に伴い、重症者数、死亡者数も減少傾向が続いている。また、感染者に占める高齢者割合は引き続き低下傾向。
- 実効再生産数:全国的には、直近(6/13時点)で0.87と1を下回る水準が継続しているが上昇傾向。首都圏では1.00となっている。
- 感染状況の分析【地域の動向等】 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
- 首都圏(1都3県)
- 東京では、新規感染者数は増加に転じ、約25、先週今週比も上昇傾向で1.22。特に20代中心に10-30代が多く、学校・教育施設のクラスターも散見されている。65歳以上は少なく、5%程度。重症者数は減少傾向。埼玉では、増加に転じる動きが見られ、約9、先週今週比は1.24。千葉、神奈川は横ばいから微増で、それぞれ約13、15、先週比も直近で1を越えている。首都圏全体で20代が多い。東京では、宣言解除後の1週間で夜間滞留人口が18%増加。深夜帯も急増。埼玉、千葉、神奈川では、酒類の提供が可能となった夕方の滞留人口が顕著に増加。夜間滞留人口も増加。特に、東京で今後も感染が拡大することが強く懸念される。周辺や全国への拡大を波及させないためにも、対策の徹底が必要。
- 沖縄
- 新規感染者数は約33と依然として高い水準であるが、減少が継続している。20-30代が中心。病床使用率は高水準となっているが、新規感染者数の減少に伴い、自宅療養や入院等調整中は減少に転じ、入院率は上昇傾向。夜間滞留人口の増加が続いており、新規感染者数は高い水準にも関わらず減少速度が鈍化。今後の動向に注視が必要。
- 関西圏
- 大阪では、新規感染者数は下げ止まりから横ばいで、約8。京都、兵庫では減少傾向が続き、それぞれ約4、3。入院者数、重症者数も減少傾向で改善が見られる。大阪では、宣言権解除後の1週間で夜間滞留人口・昼間滞留人口とも急増。深夜帯も急増。兵庫、京都でも夜間滞留人口が増加。特に大阪で滞留人口の増加傾向が続くと、リバウンドに向かうことが強く懸念され、警戒が必要。
- 愛知
- 新規感染者数の減少が続き、約5。新規感染者数の減少に伴い、入院者数、重症者数の減少が見られ、病床使用率、重症病床使用率は低下傾向。今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、酒類の提供が可能となった夕方の滞留人口が顕著に増加。夜間滞留人口も増加しており、新規感染者数の減少傾向が継続するか注視が必要。
- 北海道
- 新規感染者数は減少が続き、約4。感染の中心である札幌市でも減少が続き、約9。今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、宣言解除後の1週間で夜間滞留人口が急増しており、新規感染者数の減少傾向が継続するか注視が必要。
- 福岡
- 新規感染者数の減少傾向が続き、約4。新規感染者数の減少に伴い、入院者数、重症者数の減少が見られ、病床使用率、重症病床使用率は低下傾向。今後も新規感染者数の減少が見込まれるが、酒類の提供が可能となった夕方の滞留人口が顕著に増加。夜間滞留人口も増加しており、新規感染者数の減少傾向が継続するか注視が必要。
- 上記以外
- 福井では、新規感染者数が約15。直近では減少に転じているが、飲食店関係者を中心とした増加がみられたところであり、留意が必要。
- 首都圏(1都3県)
- 変異株に関する分析
- 1.617.2系統の変異株(デルタ株)は、クラスターが複数報告され、市中での感染も観察されている。スクリーニング検査での陽性率(機械的な試算)は、全国的には5%程度と、足下では未だ低い水準ではあるものの上昇が見られる。B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)よりも感染性が高いことが示唆され、今後置き換わりが進むとの指摘もあり、注視していく必要がある。
- ワクチンについては、変異株に対しても二回接種後には有効性を示す研究結果も報告されている。引き続き、分析を進めていく必要がある。
- 今後の見通しと必要な対策
- 東京で新規感染者数が増加に転じており、東京及び首都圏における更なる感染拡大や各地への影響が強く懸念される。これまで解除後速やかに人流の増加やリバウンドが起こった経験や、デルタ株によりこれまでより感染拡大が速く進む可能性があることも踏まえると、特に、東京において対策の徹底が必要。夜遅くまで酒類の提供を行う飲食店やマスク無しの会食も散見され、飲食の場面への対策を強化していくことが重要。また、その他の地域でも、先週今週比の上昇している地域があり、同様に対策の徹底が必要。
- 緊急事態措置やまん延防止等重点措置の対象となっている地域や解除された地域の多くで、人流の急増が見られている。このため、新規感染者数の減少が鈍化あるいは下げ止まりや横ばいから増加に転じた地域もある。高齢者のワクチン接種は進んでおり、重症者数と死亡者数は減少傾向が続いているが、感染者数が急増すれば重症病床より先に入院病床がひっ迫するとの予測も示されており、感染拡大の予兆があれば機動的な介入により急拡大を抑制することが必要である。
- 先般取りまとめられた「令和3年6月21日以降における取組」に基づき、職域接種なども含めワクチン接種を着実に進めるとともに、感染の拡大を抑制するための必要な取組を今後も継続・徹底すべきである。
- ワクチンの接種が高齢者中心に進んでいる。発症予防、重症化予防と共に、感染予防効果を示唆する報告もあり、感染状況への影響、入院者数、入院等調整状況、入院率、重症者数の推移、それに伴う医療提供体制等の負荷の状況への影響などを適切に評価することが必要。また、今後も接種の促進に努めるとともに、ハイリスクな感染の場や感染経路に着目した戦略的なワクチン接種を進めることも流行制御に重要と考えられる。特に、若年層を中心に、懸念や不安の払拭が必要。
- 置き換わりも懸念されるデルタ株については、L452R変異株スクリーニングにより全国的な監視体制を強化するとともに、変異株に対する積極的疫学調査や検査の徹底等により、感染拡大を可能な限り抑えていくことが必要。また、水際対策についても、引き続き迅速に対応することが必要
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法務省 7月は「再犯防止啓発月間」です
- 平成28年12月に「再犯の防止等の推進に関する法律」(再犯防止推進法)が公布・施行されました。同法第6条には、国民の間に広く再犯の防止等についての関心と理解を深めるため、7月を再犯防止啓発月間とする旨が定められています。
- 法務省では、ふだんの生活では触れる機会の少ない「再犯防止」というテーマについて、御関心を持っていただけるよう、PRイベントや情報発信を積極的に行っています。
- #再犯防止サポーター #立ち直り のキーワードを用いた発信
- 「刑務所のその後」を知っていますか。「刑務所のその後」は、「刑務所の中」よりも、厳しい環境に置かれるかもしれません。
- 犯罪や非行から立ち直ろうとする人を地域で支える絆ややさしいまちづくりの輪が、更に広がっていけば、「新たな被害者を生まない、誰もが安心して暮らせるまち」がつくられることにつながります。
- 法務省は、「#(ハッシュタグ)再犯防止サポーター」や「#(ハッシュタグ)立ち直り」をキーワードに、ツイッターで、様々な発信を行う予定です。一緒に「#再犯防止サポーター」や「#立ち直り」の輪を広げませんか。
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法務省 第71回“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~
- “社会を明るくする運動”とは?
- “社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動です。令和3年で71回目を迎えます。
- 地域のチカラが犯罪や非行を防ぐ
- テレビや新聞では、毎日のように事件(犯罪)のニュースが報道されていますが、安全で安心な暮らしはすべての人の望みです。犯罪や非行をなくすためには、どうすればよいのでしょうか。取締りを強化して、罪を犯した人を処罰することも必要なことです。しかし、立ち直ろうと決意した人を社会で受け入れていくことや、犯罪や非行をする人を生み出さない家庭や地域づくりをすることもまた、とても大切なことです。
- 立ち直りを支える家庭や地域をつくる。そのためには、一部の人たちだけでなく、地域のすべての人たちがそれぞれの立場で関わっていく必要があります。“社会を明るくする運動”では、犯罪や非行のない地域をつくるために、一人ひとりが考え、参加するきっかけをつくることを目指しています。
- あなたもできることから始めてみませんか
- “社会を明るくする運動”では、街頭広報、ポスターの掲出、新聞やテレビ等の広報活動に加えて、だれでも参加できるさまざまな催しを行っています。イベントに参加したり、このホームページを見たりしたことなどをきっかけにして、犯罪や非行のない安全で安心な暮らしをかなえるためいま何が求められているのか、そして、自分には何ができるのかを、みなさんで考えてみませんか。
- 活動主体としての更生保護ボランティア
- 「更生保護」は、社会の中での立ち直りを導き、助け、再び犯罪や非行に陥るのを防ぐ仕組みです。その活動には、保護司や協力雇用主をはじめ、たくさんの人たちが関わっています。
- 信じてくれる人がいること。必要とされる場所があること。それは、更生への大きな支えとなります。更生保護は、社会に暮らす人たちが広く関わることで達成される取組なのです。
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消費者庁 第20回消費者契約に関する検討会(2021年7月2日)
▼【参考資料】消費者契約に関する検討会の検討状況
- 「困惑」類型のうち、強迫類似型(法4条3項1号、2号、6~8号)について、脱法防止規定を設ける
- 取引上の社会通念に照らして、民法第1条第2項に規定する基本原則(信義則)に反し、当該消費者の当該消費者契約を締結しない旨の判断を妨げる行為
- 提案について異論は見られなかったところであり、具体的な要件設定の在り方など、詳細について更に検討を行う
- 消費者の判断力の不足に着目した取消権の規定を設ける
- 消費者が加齢又は心身の故障により判断力が著しく低下していること
- 契約が当該消費者の生活に著しい支障を及ぼすものであること+事業者がこれを知りながら勧誘
- 提案については、判断力が著しく低下した消費者の取消権を設けることに異論は見られなかったところであり、消費者の判断力に関する事業者の認識に係る要件の要否やその内容、判断力の客観的な判断基準など、詳細について更に検討を行う。
- 消費者の心理状態に着目した取消権の規定を設ける
- その場において契約を締結するか否かを判断するよう迫る
- 以下のいずれかに該当する場合
- 広告と勧誘が重要部分において不一致
- 消費者と勧誘者との間に交友関係が存在
- 勧誘者が専門家
- 長時間にわたる勧誘
- 提案については、正当な理由がある場合を除く形で取消権の規定を設けることに異論は見られなかったところであり、事業者の行為態様に関する要件の在り方など、詳細について更に検討を行う。
- 情報提供の努力義務(法3条1項2号)に関し、事業者は、(1)物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものの性質に応じ、(2)事業者が知ることができた個々の消費者の年齢、知識及び経験を総合的に考慮した上で、情報を提供すべきである旨を明らかにする
- 提案については、賛成する意見が多数であった。「年齢」を考慮要素とすることの効果等を踏まえ、詳細について更に検討を行う
- 「平均的な損害」に逸失利益が含まれる場合、含まれない場合の判断基準を定める
- 提案について賛成する意見と反対する意見があった。法制化するかどうかも含めて更に検討を行う
- 逸失利益は信頼利益と履行利益のどちらにも属しうるものであり、概念を整理する必要があるのではないか。
- 原状回復を超える部分は逸失利益といえるのか
- 「平均的な損害」を検討する際の考慮要素を整理する
- 提案について異論は見られなかったところであり、具体的な考慮要素の内容等の詳細について更に検討を行う
- 以下のような説明義務を新たに設ける。
- 要件1:事業者が消費者に対して違約金条項に基づき支払いを求める場合等において、
- 要件2:当該消費者から「平均的な損害の額」の算定根拠等について説明を求められた際は、
- 効果:事業者は「平均的な損害の額」における考慮要素、算定根拠の概要及び逸失利益が含まれる場合にはその理由を開示しなければならない。
- 提案について営業秘密に触れない範囲で一定の説明が事業者に求められるという限度で賛成する意見が多数であった。事業者に説明が求められる範囲や法的効果など、詳細について更に検討を行う
- 積極否認の特則を導入する。
- 要件1:訴訟上において、
- 要件2:消費者又は適格消費者団体が主張する「平均的な損害の額」を否認する場合は、
- 効果:事業者は自己の主張する「平均的な損害の額」とその算定根拠を明らかにしなければならない
- 提案について賛成する意見が多数であった。特則を利用できる主体、違反時の効果など、詳細について更に検討を行う
- 文書提出命令の特則を導入する。
- 要件1:訴訟上において、
- 要件2:消費者又は適格消費者団体から申立てがあったときは、
- 効果:裁判所は事業者に対して、「平均的な損害の額」の立証に必要な書類の提出を命じることができる。
- 提案について賛成する意見と反対する意見があった。法制化するかどうかも含めて更に検討を行う
- 事業者が消費者契約の条項として定型約款を用いるときは、消費者に対し、定型約款の表示請求権がある旨の情報提供をすることを、事業者の努力義務として定める。
- 提案に賛成する意見が多数であった。定型約款を容易に知り得る状態に置けば十分であるとも考えられることとの関係の整理など、詳細について更に検討を行う
- 差止請求権の実効性を確保するための前提として、適格消費者団体は、事業者に対し、消費者契約の条項の開示を請求することができる旨を定める
- 提案に賛成する意見が多数であった。開示の対象を定型約款に限定するか、請求できる場合を限定するかなど、詳細について更に検討を行う
- 消費者契約法第8条により無効となる損害賠償責任の免責条項について、「法律上許される限り」等の留保文言を付しても、当該免責条項は無効であることを明らかにする規律を設ける
- 提案について、賛成する意見が多数であった。規定の要件や効果など、詳細について更に検討を行う
- 以下のような規律を設ける。
- 「消費者の作為又は不作為をもって消費者の所有権(又はこれに類する権利)を放棄するものとみなす条項」について、消費者契約法第10条第1要件を満たすことを明らかにする規律とする。
- 権利の重要性や権利の客体等については、消費者契約法第10条第2要件の判断に委ねることとする
- 提案について、規定の対象となる権利を所有権に限定する限度で賛成する意見が多数であった。法令に基づく適法な処分との関係など、詳細について更に検討を行う。
- 以下のような条項について、消費者契約法第10条第1要件を満たすことを明らかにする規律を設ける。
- 消費者の解約権の行使の方式について、消費者契約の締結の際の方式と形式的に比較して、より制約的である条項又は
- 消費者の解約権の行使の方式を制約することで、消費者の解約権の行使を困難にする条項
- 条項を使用する必要性については、消費者契約法第10条第2要件の判断に委ねることとする
- 提案について、賛成する意見と反対する意見があった。不当条項の問題とすることの是非や取引の実務への影響など、法制化するかどうかも含めて更に検討を行う
- 過量契約取消権(法第4条第4項)に関する「同種」の解釈については、(1)その目的となるものの種類、性質、用途等に照らして、別の種類のものとして並行して給付を受けることが通常行われているかどうかのみならず、(2)契約の目的となるものが当該消費者にとって代替性を有しているかどうかも考慮して判断する
- 提案について、異論は見られなかったところであり、意見を踏まえて、しかるべき時期に解釈を明らかにする
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消費者庁 「令和2年度大学生のキャッシュレス決済に関する調査・分析 報告書」を公表しました
▼概要版
- アンケート調査において、この半年間でのキャッシュレス決済の利用頻度を聞いたところ、「ほぼすべての買い物で利用している」と回答した人の割合が約18%、「買い物する際の2回に1回程度は利用している」が約42%と合わせて約6割の大学生が日常的にキャッシュレス決済を使用していることが分かった
- 消費行動調査において、回答者251人の4週間の調査期間中の決済手段ごとの利用の有無を見たところ、「利用あり」の割合が高い順に見ると「現金」が96.8%と最も高く、次いで「交通系電子マネー」(54.2%)、「クレジットカード」(53.4%)の順となっている。また、「キャッシュレス合計」は92.0%で、少なくとも1回はキャッシュレス決済を利用していた人が9割以上いた
- 消費行動調査において、回答者251人の買物総数7,520回、買物総額14,061,294円のキャッシュレス決済の比率を見ると、買物総数ベースで44.2%、買物総額ベースで46.9%と約45%であることが分かった。※本調査のキャッシュレス決済の比率は調査期間中の全ての買物(回数、金額)に占める「現金」、「金券」以外の決済手段の比率
- 消費行動調査において、買物総数7,520回を商品の購入場所がキャッシュレス決済に対応していたかどうか聞いたところ、80.4%(6,044回)の購入場所が「対応している(自分が持っている決済手段)」であり、自分が持っているキャッシュレス決済に対応していたことが分かった。※買物回数が6,351回であり、購入場所の重複があることに注意する必要がある
- 一方、「対応している(自分が持っている決済手段)」の買物総数6,044回のキャッシュレス決済の比率は54.9%(3,321回)、現金決済の比率は44.2%(2,672回)となっており、キャッシュレス決済が利用できる状況でも現金支払いをしている割合が4割以上あることも分かった。キャッシュレス決済を利用するかどうかは店舗の対応状況だけでなく、利用者それぞれのキャッシュレス決済の使い方やその時の状況が影響していると考えられる。
- 消費行動調査において、買物総数7,520回を商品の購入時に誰と一緒にいたかで分けたところ、「1人」の割合が66.8%(5,025回)、「友人」27.5%(2,071回)となっている。
- 買物する際に誰といたかと購入場所との関係を調べたところ、「百貨店」(2.7%)、「衣料品店・雑貨店」(3.3%)、「コンビニ」(6.7%)のように、「1人」と「友人」のキャッシュレス比率の差が小さいものがある一方、「居酒屋」(17.1%)、「飲食店・弁当」(20.4%)のように、差が大きいものもある。この差の要因の一つとして、「百貨店」、「衣料品店・雑貨店」、「コンビニ」の場合は、友人と一緒にいてもそれぞれの買物を自分で決済することが多いが、「居酒屋」、「飲食店・弁当」の場合は、食べ物や飲み物をシェアするため、まとめて決済する際に割り勘する必要があり、現金決済することが多くなることが考えられる。ディスカッション調査においても、キャッシュレス決済を使わない理由として「割り勘ができない」という意見が多くあがっている
- 消費行動調査において、交通系電子マネーの利用者を、交通費のみで利用した人と交通費以外でも利用した人で分けてみると、交通費のみで利用した人は56人(41.2%)交通費以外でも利用した人は58.8%(80人)となった
- ディスカッション調査において交通系電子マネーについて出た意見は、使っている理由・メリットとして「公共交通機関での利用が便利」、「公共交通機関のために利用している」という意見が多かった。一方、使わない理由・デメリットとして、「チャージに関する不便さ」、「公共交通機関のためだけの利用」という意見が多くあがった。
- クレジットカードの金額帯別の買物回数の比率を見ると、「5,001円以上」が30.6%、「1,001円~5,000円」が42.9%と総数と比較しても高いことが分かった。
- ディスカッション調査においてクレジットカードについて出た意見は、使っている理由・メリットとして「ネットショッピングでの利用」や「高額な買物の時の利用」、「ポイントを貯めるため」が多くあがった一方、使わない理由・デメリットとして、「決済手続きの煩わしさ」や「少額決済での利用への抵抗感」、「使いすぎることへの恐れ」が多くあがった
- QRコード決済の金額帯別の買物回数の比率を見ると、「500円以下」が54.9%と全体と比較しても高いことが分かった
- ディスカッション調査においてQRコード決済について出た意見は、使っている理由・メリットとして「決済が簡単にできる便利さ」や「割り勘や送金が便利」、「ポイントやキャッシュバックがお得」という意見が多くあがった一方、使わない理由・デメリットとして「起動や決済の不便さ」や「チャージの不便さ」などの意見が多く上がった
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消費者庁 「令和2年度地方公共団体における食品ロス削減の取組状況について」公表しました
▼令和2年度取組状況
- 令和2年度は全ての都道府県及び指定都市で、食品ロス削減の取組を実施(実施率100%は4年連続)。市区町村における実施割合は、60.1%であり、令和元年度と比較して、約2%増加。
- 令和2年度に、全国で最も多く取り組まれたのが「住民・消費者への啓発」で全体の約半数。次いで「子どもへの啓発・教育」、「飲食店での啓発促進」。都道府県、指定都市、市区町村別により多く取り組まれた内容に大きな差はなかった。
- 令和2年度には、全ての都道府県で「住民・消費者への啓発」を実施。このほか「飲食店での啓発促進」、「子どもへの啓発・教育」、「フードバンク活動と連携」を比較的多くの都道府県が実施。
- 令和2年度には、全ての指定都市で「住民・消費者への啓発」を実施。このほか、「子どもへの啓発・教育」、「飲食店での啓発促進」、「フードバンク活動と連携」に多くで取り組まれている。市区町村では、「住民・消費者への啓発」が最も多く行われたほか、「子どもへの啓発・教育」、「飲食店での啓発促進」等が多く取り組まれた。
- 食品ロス削減推進計画の策定について、都道府県において、「令和2年度内に策定・公表」と回答したのは、27自治体。「令和3年度以降に策定予定」と回答したのは、20自治体。指定都市において、「令和2年度内に策定・公表」と回答したのは、4自治体。「令和3年度以降に策定予定」と回答したのは、13自治体。市区町村において、「令和2年度内に策定・公表」と回答したのは、36自治体。「令和3年度以降に策定予定」と回答したのは、113自治体。約7割が「現時点では策定の予定はない」と回答。
- 食品ロス削減計画の策定に係る具体的な実績・計画を有する都道府県においては、「新規の計画を策定」と、「既存の計画の一部として対応」との回答がほぼ同程度。指定都市においては、その多くが「既存の計画の一部として対応」と回答。
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国民生活センター 液体芳香剤の誤飲 重症になることも
- 事例
- トイレに置いていた液体芳香剤を誤飲した。3回吐き、激しくせき込んだ。その後、熱が出て、呼吸が速くなった。翌日病院に行ったら化学性肺炎と診断され2週間入院した。胸部CTにて、肺の一部が空洞のようになっている箇所がみられ、治るかどうかは不明である。(当事者:1歳 男児)
- ひとことアドバイス
- 液体芳香剤は、乳幼児の手や目が届かない場所で使用・保管しましょう。
- 液体芳香剤の液は、気管に入ると化学性肺炎を生じる危険があります。誤飲しても慌てて吐かせずに、商品名と飲んだと思われる量を確認し、すぐにかかりつけ医や中毒110番等に相談しましょう。
- 液体芳香剤の液が目に入った場合は、すぐに流水で洗い流しましょう。皮膚に付いた場合は、かぶれるおそれがあるので石けんなどでよく洗いましょう。
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国民生活センター 新たな“もうけ話トラブル”に注意-オンラインサロンで稼ぐ!?-
- 全国の消費生活センター等には、以前から「スマホで簡単にもうかる」「不労所得で豊かに生活ができる」とお金もうけのノウハウを伝える等と勧誘され、情報商材(注1)やノウハウを教わるサポートの契約をしてトラブルになったという相談が寄せられています。最近では、近年利用者が増えている「オンラインサロン(注2)」を、ノウハウを伝えるツールまたはサロン自体をもうける手段として利用している手口がみられます。
- そこで、本資料ではオンラインサロンを使ったもうけ話に関する相談事例や問題点を紹介するとともに、トラブルの防止のために、消費者への注意喚起を行います。
- (注1)インターネットの通信販売等で、副業や投資等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報のこと。
- (注2)オンラインサロンとは、インターネット上の会員制コミュニティを指す。オンラインサロンには、いわゆるプラットフォーム事業者のサービスを利用したサロン(プラットフォーム型サロン)と主宰者が独自にSNS上のツールを利用してサロン(独自型サロン)を開設しているケースがある。(参考:消費者庁 第41回インターネット消費者取引連絡会(2021年5月31日)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社発表資料「オンラインサロンの動向整理」)ここでは、トラブルが多く発生している独自型サロンについて取り上げる。
- 相談事例
- SNSでDMが届き、情報商材の内容をオンラインサロンで勉強できると勧誘された
- SNSで「稼ぎ方を教えます」とDM(ダイレクトメッセージ)が届き、無料通話アプリで相手に連絡した。そこで「ブログでアフィリエイト収入が得られる」「ビジネススキルを情報商材で提供するのでオンラインサロンで勉強できる」等と勧められ、約30万円でオンラインサロンへ入会することにした。契約書はウェブ会議のやり取りで作成して交付された。実際にブログを始めたが、「オンラインサロンの人が○万円稼げました」などと偽りの発信を指示されるようになり、また、内容も稼げるものではないことがわかった。解約して返金してほしい。
- その他、以下のような相談も寄せられています。
- オンラインサロンを人に紹介すると報酬がもらえると言われた
- オンラインサロン経営のセミナーで、さらに高額なセミナーの勧誘を受けた
- オンラインサロン経営の副業を契約したが、書面を交付されなかった
- オンラインサロンを解約したいが、住所や電話番号等がわからない
- SNSでDMが届き、情報商材の内容をオンラインサロンで勉強できると勧誘された
- 相談事例からみる問題点
- SNSや友人等からもうけ話の勧誘を受けて入会するが、中身が聞いていた話と違う
- オンラインサロン自体が稼ぐ手段として使われている
- 事前に契約条件、契約内容を確認できない
- 消費者へのアドバイス
- インターネット上や友人・知人から勧誘される“もうけ話”はまず疑ってみましょう
- 人に紹介するよう言われた等、話が違うと思ったら、きっぱりと契約を断りましょう
- 契約前に契約条件、契約内容を確認しましょう。トラブルに備えてSNS等のやり取りの記録は消さずに残しましょう
- 不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談しましょう
~NEW~
国民生活センター 「訪日観光客消費者ホットライン」専用ホームページ及び多言語チャットボットを開設しました
- 国民生活センターでは、訪日観光客が日本滞在中に消費者トラブルにあった場合に相談できる電話相談窓口「訪日観光客消費者ホットライン」(以下、「訪日窓口」とする)を2018年12月に開設し、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、フランス語、日本語の7カ国語での相談対応を行っています。
- 現在、新型コロナウイルス感染拡大により外国人観光客の受け入れが厳しい状況ですが、事態収束後の速やかなインバウンド回復のための環境整備の一環として、この度、訪日窓口専用ホームページ及び多言語チャットボットを開設しましたので、お知らせします。
- これにより、訪日観光客は、専用ホームページ上のFAQや多言語チャットボットを活用して、消費者トラブルへの対応方法等に24時間365日アクセスすることが可能となります。
- 開設日
- 2021年7月1日(木曜)
- 対応言語
- 専用ホームページ
- 電話窓口情報:日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、タイ語、ベトナム語、フランス語
- 消費者トラブルFAQ、お役立ち情報など:日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)
- 多言語チャットボット(専用ホームページ内):日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)
- 専用ホームページ
- 主なコンテンツ
- 専用ホームページ
- 電話窓口情報
- 消費者トラブルFAQ(よく寄せられる相談に対する助言等をFAQ形式で掲載しています)
- お役立ち情報(日本の文化・習慣など訪日旅行に役立つ情報を掲載しています)
- 電話窓口の紹介動画
- お役立ちリンク
- 多言語チャットボット(専用ホームページ内)
- 訪日観光客の旅行中の消費者トラブルについて、チャット形式により自動で情報提供を行います。チャットボットとの対話で知りたい情報を絞り込んでいく方法のほか、質問を自由入力することにより、その質問に対する回答が得られます。
- 電話窓口情報
- 専用ホームページ
▼国民生活センター 訪日観光客消費者ホットライン
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厚生労働省 職域接種に関するお知らせ
▼新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き(第2版)
- 政府としては、自治体のワクチン接種に関する地域の負担を軽減し、接種の加速化を図っていくため、6月21日から、企業や大学等(以下「企業等」という。)において、職域(学校等を含む。以下同じ。)単位でワクチン接種を開始することとしており、高齢者への接種が早期に完了する見込みである自治体においては、その判断で、さらに時期を前倒しすることを可能としている。
- 職域単位でのワクチン接種(以下「職域接種」という。)については、市町村で実施している住民への接種と同様に、予防接種法附則第7条の特例規定に基づき、厚生労働大臣の指示のもと、都道府県の協力により、市町村において実施するものである。そのため、職域接種とは、集合契約により市町村と委託契約を結んだ医療機関が企業等の単位で、職域単位でワクチン接種を実施するという実施形態を指す。また、職域接種については、武田/モデルナ社のワクチンを使用することとしている
- 職域接種を行う企業等については、主に、以下の事項を全て満たす必要がある。
- 医師・看護師等の医療従事者、接種会場の設営・運営を担う事務スタッフ等、必要な人員を企業等が自ら確保すること(原則として市町村における予防接種体制に影響を与えないようにすること)
- 接種会場や会場設営に必要な備品等は企業等が自ら確保すること
- 企業等内において、職域接種の準備・実施のための体制を確保すること
- 同一の接種会場で2回接種を完了すること、同一の接種会場で2000回程度(1000人程度×2回)の接種を行うことを基本とすること
- ワクチンが納品される接種会場においてワクチンを適切に保管の上、接種すること
- 職域接種の接種対象者に関しては、各企業における接種能力や職場におけるクラスター対策等の観点に応じ、雇用形態によって一律に対象者を区別することは望ましくないという趣旨を踏まえつつ、公平・適切に判断すること
- 被接種者の個人情報の取扱いについて、医療機関等に準じた取扱いを行うこととし、目的外の使用を決してしないこと
- 一人ひとりが接種を受けるかどうかを自ら決定するという考え方に基づき、接種に当たっては、本人の意思を確認するとともに、接種を強制することがないよう留意すること
- 職域接種においても、ワクチンの接種を行うのは集合契約により市町村と委託契約を結んだ医療機関であるため、まず、企業等は医療機関を確保することが必要である。職域接種の実施類型としては、主に以下の3つがある。
- 【パターン1】企業内診療所等が実施する
- 企業又は組合等が開設した(又は保有する)企業内に設置された企業内診療所等が実施する。(あわせて「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの迅速な接種のための体制確保に係る医療法上の臨時的な取扱いについて(その4)」(令和3年6月14日付け事務連絡)等を参照すること。)
- 【パターン2】外部の医療機関が企業等に出張して実施する
- 企業等が準備した接種会場において外部から医師等を確保して実施する際に、出張する医師等を外部の医療機関が派遣する場合には医療法に基づく巡回健診の届出を(企業内診療所等が当該診療所以外の接種会場で実施する場合も同じ。)、医師等を個人で雇用する場合等には接種会場を新たな医療機関として開設することが必要である。
- 【パターン3】被接種者が外部の医療機関に出向いて実施
- 企業等が指定した外部の医療機関に被接種者が出向いて接種を受ける。
- この場合、外部の医療機関は、市町村の接種事業として、一般の住民に対してファイザー社のワクチン接種を実施していることも考えられるが、1会場1ワクチンを原則としているため、ファイザー社のワクチン接種を実施している当該医療機関において職域接種を実施できない。
- 産業医が職域接種に従事する場合には、衛生管理者等と連携・役割分担した上、産業保健活動を計画的に実施して差し支えない。
- なお、労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断や高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定健康診査について、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の業務を優先して実施する等により実施が困難なときは、一般定期健康診断や特定健康診査の時期を変更する等柔軟な対応を行って差し支えない。(「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施体制の構築を踏まえた特定健康診査の実施について」(令和3年4月28日付け事務連絡)及び「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施体制の構築を踏まえた労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断の実施について」(令和3年5月18日付け事務連絡)を参照すること。)
- 【パターン1】企業内診療所等が実施する
- 新型コロナワクチンの接種は、国が接種順位を設けており、その具体的な範囲は以下のとおりである。職域接種においても、当該接種順位を踏まえ、高齢者や基礎疾患を有する者が優先的に接種できる機会を可能なかぎり設けることとする。
- 医療従事者等
- 新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症疑い患者(注)を含む。以下同じ。)に直接医療を提供する施設の医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者の搬送に携わる救急隊員等及び患者と接する業務を行う保健所職員等を含む。)
- 高齢者
- 令和3年度中に65歳以上に達する方ワクチンの供給量・時期等によっては、年齢により接種時期を、細分化する可能性がある。
- 基礎疾患を有する者
- 令和3年度中に65歳に達しない者であって、以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
- 慢性の呼吸器の病気
- 慢性の心臓病(高血圧を含む。)
- 慢性の腎臓病
- 慢性の肝臓病(肝硬変等)
- インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
- 血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
- 免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む。)
- ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
- 免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
- 神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
- 染色体異常
- 重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
- 睡眠時無呼吸症候群
- 重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)
- 基準(BMI30以上)を満たす肥満の方
- 令和3年度中に65歳に達しない者であって、以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
- 高齢者施設等の従事者
- 高齢者等が入所・居住する社会福祉施設等(介護保険施設、居住系介護サービス、高齢者が入所・居住する障害者施設・救護施設等。)において、利用者に直接接する職員(市町村の判断により、一定の居宅サービス事業所等及び訪問系サービス事業所等の従事者も含まれる。)
- 上記以外の者
- 法の規定による副反応疑い報告については、「定期の予防接種等による副反応の報告等の取扱について」(平成25年3月30日健発0330第3号、薬食発0330第1号厚生労働省健康局長、医薬食品局長連名通知)を参照し、PMDAのウェブサイトから電子的に報告、あるいは当該通知に定められた様式に記載のうえPMDAの専用FAXに送付すること。以下の厚生労働省ウェブサイト上にて当該報告に係る方法・様式等の詳細を示しているため、参照の上、副反応疑い報告を行うこと。また、当該報告内容について製造販売業者又はPMDAが詳細調査を行う場合があるため、報告を行った医療機関におかれては、製造販売業者等が実施する詳細調査へご協力いただきたい。
- 収集した報告については、ワクチンの安全性評価の基礎資料として活用するため、報告に際しては、接種された新型コロナワクチンの製品名及び製造販売業者名、医学的に認められている症状名、接種前後の状況や経過、新型コロナワクチンの副反応であると疑った理由などの必要情報について、漏れることなく記入する。特に、製品名及びロット名並びに製造販売業者名については、製品別の安全性評価を行うために必要不可欠な情報であるため、必ず記入する。また、新型コロナワクチン接種後の死亡事例報告を行う場合は、上記に加え、想定される死因及び死因と判断した根拠(検査結果含む。)も記載する。接種会場から医療機関に患者を搬送した場合など、複数の医師・医療機関が症状の発生を知った場合も想定されるが、関係医療機関間で連携し、いずれかの医師等から、必要情報を漏れることなく報告する。
- 予防接種後の副反応による健康被害については、極めてまれではあるものの不可避的に生じるものであることから、接種に係る過失の有無に関わらず迅速に救済することとしている。職域接種を含む新型コロナワクチンの接種は、予防接種法附則第7条の規定に基づき、予防接種法第6条第1項の予防接種として行われるものである。このことから、同法第15条の規定に基づき、市町村長は、新型コロナワクチンを接種したことにより健康被害が生じたと厚生労働大臣が認めた者について、救済給付を行う。また、救済給付に係る費用は、同法附則第7条第3項の規定により、国が負担する。
- 医療従事者等
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厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
- 自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。
- 職場における感染防止対策の観点からも、労働者の方が安心して新型コロナワクチンの接種を受けられるよう、ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合などに活用できる休暇制度等を設けていただくなどの対応は望ましいものです。
- また、(1)ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設することや、既存の病気休暇や失効年休積立制度(失効した年次有給休暇を積み立てて、病気で療養する場合等に使えるようにする制度)等をこれらの場面にも活用できるよう見直すこと、(2)特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)や出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めることなどは、労働者が任意に利用できるものである限り、ワクチン接種を受けやすい環境の整備に適うものであり、一般的には、労働者にとって不利益なものではなく、合理的であると考えられることから、就業規則の変更を伴う場合であっても、変更後の就業規則を周知することで効力が発生するものと考えられます(※常時10人以上の労働者を使用する事業場の場合、就業規則の変更手続も必要です)。
- こうした対応に当たっては、新型コロナワクチンの接種を希望する労働者にとって活用しやすいものになるよう、労働者の希望や意向も踏まえて御検討いただくことが重要です。
- 新型コロナウイルスの感染の防止や感染者の看護等のために労働者が働く場合、労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合」に該当するでしょうか。新型コロナワクチンの接種の実施に関する業務についてはどうでしょうか。
- ご質問については、新型コロナウイルスに関連した感染症への対策状況、当該労働の緊急性・必要性などを勘案して個別具体的に判断することになりますが、今回の新型コロナウイルスが指定感染症に定められており、一般に急病への対応は、人命・公益の保護の観点から急務と考えられるので、労働基準法第33条第1項の要件に該当し得るものと考えられます。
- また、例えば、新型コロナウイルスの感染・蔓延を防ぐために必要なマスクや消毒液、治療に必要な医薬品等を緊急に増産する業務についても、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
- 新型コロナワクチンの接種の実施に関する業務についても、ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすために実施されるものであるところ、接種会場などが設けられ、迅速かつ大規模に接種が実施されるような状況下においては、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
- ただし、労働基準法第33条第1項に基づく時間外・休日労働はあくまで必要な限度の範囲内に限り認められるものですので、過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を月45時間以内にするなどしていただくことが重要です。また、やむを得ず月に80時間を超える時間外・休日労働を行わせたことにより疲労の蓄積の認められる労働者に対しては、医師による面接指導などを実施し、適切な事後措置を講じる必要があります。
- 労働時間・休日の原則及び時間外・休日労働の上限規制
- 労働基準法第32条に定められた1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働させる場合や、労働基準法第35条により毎週少なくとも1日又は4週間を通じ4日以上与えることとされている休日(法定休日)に労働させる場合は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ていただくことが必要です。
- 36協定を結んだ場合でも、時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間です(法定休日労働は含みません。)。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合には、この上限を超えることもできます(特別条項)が、その場合でも、以下とする必要があります。
- 時間外労働:年720時間以内
- 時間外労働+法定休日労働:月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
- 時間外労働が45時間を超える月:年6か月が限度
- 医業に従事する医師については、現在、上記の上限規制は適用除外とされていますが、36協定の締結に当たっては、労使当事者は、限度時間(月45時間、年360時間)を勘案することが望ましいものです。
- 労働基準法第33条について
- 災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合には、36協定を締結することなく、法定労働時間を延長して、又は法定の休日に働かせることができます(労働基準法第33条)。この時間については、上記の時間外、休日労働の上限規制の対象となりません。
- 労基法第33条に基づき時間外や休日に労働者に労働させる場合、労働基準監督署長の許可が必要ですが、事態急迫のため許可を受ける暇がない場合は、事後に遅滞なく届け出なければなりません。
- なお、労基法第33条第1項は、災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定ですので、厳格に運用すべきものです。
- また時間外労働・休日労働や深夜労働についての割増賃金の支払は必要です。労基法33条の許可申請や届出の手続等をはじめ、ご不明な点がある場合は、最寄りの労働基準監督署にお問い合わせください。
- 労働時間・休日の原則及び時間外・休日労働の上限規制
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厚生労働省 「コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム」の報告書を公表します
▼コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム報告書(概要)
- コロナ禍の対応としてすぐに取り組むこと
- 雇用・人材開発支援
- 活用好事例の収集・発信(支援策の好事例(利用者の声・就職先)の収集・発信、分かりやすいリーフレットやSNSを活用した情報発信)
- 動画の活用等の広報チャネルの掘り起こし・活性化(動画を活用した制度の分かりやすい解説、厚生労働省HPの見直し、支援団体・労働組合等を通じた周知)
- 自治体とハローワークが連携した女性向け就労支援策等(面接時のスーツの貸し出し等)の拡充検討(神奈川・京都・山形において、自治体とマザーズハローワークが連携し実施中)
- 福祉の窓口からハローワーク等の雇用サービス窓口への円滑な誘導(社協の窓口職員向けに、ハローワークの支援策を分かりやすく紹介したリーフレットを配布)
- 自殺防止・生活支援
- 自殺で悩んでいる方との貴重な接点の喪失防止(自殺関係相談窓口のweb検索結果を分かりやすく表示)
- 「周囲に頼ることは恥ずかしいことではない」とのメッセージの発信(「自殺は誰にでも起こりうる危機」という認識の下での自殺防止の検索連動窓口案内の更なる充実)
- 困っている方々の目線に立った「アウトリーチ型支援」について、NPO等との連携の実施
- 職場における環境整備支援
- 良質なテレワークの導入・定着に向けた取組の実施(ガイドラインの分かりやすい周知、相談支援・中小企業向け助成金の活用促進)
- 企業の職場環境整備への支援における経営者のコミットの条件付けの検討(経営者のコミットを各種助成金の条件とすることを検討)
- 労災保険の特別加入の拡大等、フリーランスの方のセーフティネットのあり方についての検討(子育て支援)
- ひとり親家庭に届きやすいツール(メール・web・SNS等)を活用した情報提供(自治体のひとり親家庭支援窓口を通じた積極的な支援策の周知)
- 多様な就労形態に対応した母子健康手帳の記載内容の充実の検討
- 不妊治療等への理解促進に向けたメディアを通じた積極的な情報発信
- デジタル広報・ナビゲーションの強化
- スマートフォンのアプリを通じた広報強化(今年度から速やかな実施を検討)(お困りごとに対応する支援策の有無や基本情報、使えるかどうかが容易に分かるよう強化、プッシュ通知、webサイトも整備)
- 雇用・人材開発支援
- 今後、他の分野でも検討・活用すべきこと
- 地域の支援団体(NPO等)やコミュニティ等を通じた支援対象者へのアプローチ(支援が必要な本人への直接アプローチが難しい場合に、周りにいるNPOやコミュニティー等を通じた支援策の情報提供方法を検討)
- プロジェクトチームメンバーや報道関係者へのアプローチを通じた、各種支援策の積極的な情報提供(記者クラブ等をはじめとした報道関係者に対する政策の説明・勉強会の実施)
- 自前発想を捨て、ユーチューバーやライフスタイル誌の広告記事の活用による情報発信の検討
- 厚生労働省の広報改革の加速化
- 情報コンテンツのクオリティの向上(広報資料の作成業務の一元的体制の構築など外部委託の積極活用、厚労省webサイトのコンテンツの構造化、「重点広報制度」の本格実施)
- 国民からのアクセシビリティの改善(外部プラットフォーム(Twitter・Facebook・LINE・note等)を通じた情報発信の取組の強化、ユーザー視点の広報活動のための適切なKPI設定など)
- 厚生労働省の広報体制の強化(広報に意欲のある若手職員の公募・登用、デザイン機能やデジタル広報等に係る広報室の体制増強、「ナッジ」等の新たな手法に係る研修等の実施)
- PTの議論における「新たな気づき」
- 雇用・人材開発
- ×「役所側が伝えたい情報」◎「利用者からみてわかりやすい」
- ×「利用者が全て探す」◎Yes/Noの2択で進み、支援策に行き着く
- 周りにいる仲間たち(コミュニティ)が伝える工夫(自分から役所に行く気持ち的なハードルは高い。困っている当事者は情報処理能力が低下している)
- 自殺防止
- 悩みをまず言葉にし、それを誰かと共有することも、自分の状況を客観的に理解するために必要(自殺を考える人は、自分の悩みを理解できていない)
- 今の若者は「恥をかきたくない」という意識が他の世代と比べ高い。電話はもちろんSNSですら、アプローチのハードルは高い
- 報道機関への働きかけは、新しい情報だけではなく、必要な情報を必要なタイミングで繰り返し発信すべき
- 「死にたい」とSNSで声を上げる人には、チャットボットを相談の入口として活用(実体のある誰かに見てほしいという思いもある。必要に応じて人による支援につなげていける仕組みも必要)
- 「自己責任ではない、頼ることが悪いことではない」というメッセージ
- 「助けてと言う力」(援助希求力)を小さいうちから教育していくことが重要(日本人はこの力が低いと言われている)
- 生活支援
- 従来にない対応を次々に実施しているので、メディアに扱ってもらえるまで何度も発信
- ×「お気軽に相談ください」 ◎「あなたの声をお聞かせください!」(ひとつひとつのメッセージ次第で支援につながらなくなってしまうので、自尊心を傷つけない発信が必要)
- 厚労省の情報発信
- スポーツ新聞は、柔らかいスポークスマン(厚労省が分かりやすい記事を書いて投稿するソフトな発信も重要)
- リーフレットは、対象者・サービスが一目見て分かるように
- 厚生労働省を日常に溶け込ませることで、身近に感じてもらい、若い世代に訴求していく(有事の時に頼れる存在であるためには、普段からもっと寄り添えるような、日常で目にする機会が重要)
- その他
- 若者に顕著なものとして、「さみしいという感情」がある
- コロナ禍でZOOM等を使い出し、コミュニケーションがプラスになる者(中高年層)もいる一方、既利用層(大学生等)では、リアルで友達に会えなくなり、コミュニケーションがマイナスに
- 雇用・人材開発
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厚生労働省 第1回がんの緩和ケアに係る部会(資料)
▼資料2 がんとの共生における緩和ケアに関する施策と主な議論
- 緩和ケアの質の向上策
- がん診療連携拠点病院等に関する緩和ケアの実地調査について
- 拠点病院において質の高い緩和ケアを提供するために、拠点病院は実地調査を活用するべきである。実地調査に当たっては、パイロット調査等で調査の負担を評価し、自治体の実情に合わせた調査が可能となるように取り組むべきである。
- 緩和ケア外来のあり方について
- 「緩和ケア」という言葉に対し、患者側、社会側において心理的なハードルが大きいため、主治医だけでなく、外来看護師やその他の部門と連携してアクセスできるような取り組みが必要である。緩和ケア外来については、がん治療と早期から連携して緩和ケアを提供できる緩和ケア医の育成、多職種での支援、在宅医療を行う医師に対する緩和ケアの研修、専門的な緩和ケアを提供する機関同士の連携等を進め、地域の実情に応じた取り組みがなされるべきである。
- がん診療連携拠点病院等に関する緩和ケアの実地調査について
- 緩和ケアの提供体制
- 緩和ケア研修会について
- 基本的な緩和ケアの知識を身に着けるための、緩和ケア研修会は、e-learningを導入することで、受講修了者は増加し10万人を超えている。一方で、その後の情報や技能を維持・向上するための継続研修が不十分であり、国や都道府県がその仕組みを構築する必要がある。
- 拠点病院と地域連携について
- 緩和ケアセンターは、がん診療連携拠点病院(高度型)に設置され、地域の緩和ケアにおいて、専門的な緩和ケアのネットワーク全体を統括する役割を担っている。また、地域包括ケアのネットワークにおいて、緩和ケアにはがんの専門的な対応を必要とするため、地域内の関係者の連携体制を構築し、がん治療病院と在宅側とのネットワークの構築を促していく役割を担うことを目的として、地域緩和ケア連携調整員を育成している。
- 苦痛のスクリーニングについて
- 苦痛を抱えた患者を見つけるために、2010年より拠点病院の指定要件として、苦痛のスクリーニングが追加されている。一方で、現場の医療従事者の負担が増えることや、スクリーニング結果を専門的な緩和ケアに結び付けることが困難であることが指摘されており、全体の取り組みの見直しが必要である
- 緩和ケア研修会について
- 緩和ケアに関する実地調査
- 実地調査の目的について
- 病院同士のピアレビューとの違いを理解し、棲み分けて行う必要があるのではないか。
- 〈ピアレビュー〉現場がより良い医療を提供するために、どのような工夫ができるか話し合い、診療の質を高めていくこと。
- 〈実地調査〉拠点病院等の指定要件を充足しているかを確認し、問題がある場合、改善策を話し合うことではないか。
- 実地調査の方法について
- 〈評価の方法〉
- ドナベディアンモデルの3要素(ストラクチャー、プロセス、アウトカム)に項目を分ける等、チェックリストを見直してはどうか。
- 負担を軽減できるよう、都道府県による調査をサポートできる仕組みを作るのはどうか。
- 専門的緩和ケアのコンサルテーション等、アウトカムは本調査と別で評価してはどうか。(例:関係団体)
- PDCAを基本としており、繰り返しがあってこそ改善されるのではないか。(例:次年後に報告を求める)
- 〈訪問メンバー〉
- 評価者の均質化が必要ではないか。(例:学会等が推薦した人でグループをつくり、回数を重ねる)
- 適切な評価ができるよう、評価者には全体を比較できる人がいたほうがよいのではないか。
- 〈対象施設〉
- まずは都道府県拠点を対象とし、徐々に広げていくほうが混乱が少ないのではないか。
- 指定要件上、ボーダーライン、それ以下を中心に対象としつつ、適宜制度自体を見直すことも大切。
- 対象病院については、都道府県が決定することとしてはどうか
- 〈評価の方法〉
- 実地調査の目的について
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厚生労働省 「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」の報告書を取りまとめました
▼報告書の概要
- はじめに
- 活力ある「人生100年時代」の実現に向けて、健康寿命の更なる延伸が課題となっている中、健康無関心層も含め自然に健康になれる食環境づくりの推進が急務である。「食環境づくり」とは、人々がより健康的な食生活を送れるよう、人々の食品へのアクセスと情報へのアクセスの両方を相互に関連させて整備していくものをいう。ここでいう「食品」には、食材、料理及び食事の3つのレベルがある。
- こうした中、「成長戦略フォローアップ」等において、上記の食環境づくりを推進するため産学官等の連携体制を構築することが示された。
- この食環境づくりを推進するに当たっては、今後、次期国民健康づくり運動に向けた議論が本格化していくことも見据え、国民の健康の保持増進につなげていく視点が特に重
- 要となる一方で、適切な栄養・食生活やそのための食事を支える食環境の持続可能性を高めていく視点も大切となる。
- 以上を踏まえ、自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた産学官等連携の在り方を検討するため、関係省庁との連携の下、厚生労働省健康局長の主催により、本検討会を開催した
- 自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に係る課題と動向
- 我が国の食環境を取り巻く社会情勢
- 少子高齢社会の更なる進展と迎えつつある「人生100年時代」
- 「人生100年時代」の到来を見据えると、健康寿命の延伸が大きな課題。
- 活力ある持続可能な社会の実現に立ちはだかる主な栄養課題
- 活力ある持続可能な社会の実現のためには、全世代や生涯の長きにわたり国民に大きく影響し得る、以下の栄養課題の改善・解消が必要。
- 【食塩(ナトリウム)の過剰摂取】
- 非感染性疾患(NCDs)による死亡・障害調整生命年(DALYs)に最も影響を与える食事因子は、世界的には全粒穀類の摂取不足であるのに対し、我が国を含む東アジアでは食塩の多量摂取。
- 日本人の食塩摂取量は、長期的には減少傾向だが、諸外国よりも多く、世界保健機関(WHO)が推奨している量の約2倍摂取。
- 欧米では加工食品由来の食塩摂取割合が高いのに対し、我が国は家庭内調理からの食塩摂取割合が最多(約6割が調味料)。
- 食塩摂取量が多くても食習慣の改善の意思がない者が半数以上であり、今後、減塩の取組を効果的に進めるには、健康関心度にも考慮する必要。
- 【若年女性のやせ】
- 日本人の20~30歳台女性のやせの割合は、中長期的に増加傾向であり、主な先進国の中でも成人女性のやせの割合は最も高い。
- 【経済格差に伴う栄養格差】
- 世帯年収の違いは、食品選択、栄養素等摂取量に影響。
- しかし、「食塩の過剰摂取」は世帯年収にかかわらず、共通した栄養課題。
- 持続可能な開発目標(SDGs)と今後の食環境づくりに向けた国際動向
- 国際機関等の取組
- 【SDGsと栄養改善】
- 栄養は、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」を始め、全17目標の達成に寄与。SDGsの達成には栄養改善の取組が不可欠。
- 【栄養・食生活と気候変動の相互作用に関する報告】
- 気候変動は、食料の栄養価の減少や、食料価格の高騰と栄養格差の拡大をもたらす可能性。
- 一方で、栄養状態の改善を目的とした公衆衛生政策は、食品の需要に影響を与え、温室効果ガス排出削減等に寄与する可能性。
- 【健康面(栄養面)と環境面の取組の必要性と展開例】
- 「持続可能で健康的な食事の実現に向けた指針」(国連食糧農業機関(FAO)・ WHO、2019年7月)
- 食料システムの転換に関する報告書(世界経済フォーラム、2020年1月) 等
- 【食料システム・栄養改善に関する国際会議の開催】
- 「国連食料システムサミット」(2021年9月開催予定)
- 「東京栄養サミット2021」(2021年12月開催予定)※
- 少子高齢社会の更なる進展と迎えつつある「人生100年時代」
- 産業界等の取組
- 海外の食品関連企業では、社会と環境の課題解決に向けて具体的な行動目標を示した上で進捗を明示し、ビジネスを成長させている例もある。
- 我が国の食環境を取り巻く社会情勢
- 食環境づくりの推進の方向性
- 基本理念
- 栄養面を軸としつつ、事業者が行う環境面に配慮した取組にも焦点を当てた取組として、産学官等が連携して持続可能性を高める視点を持ちながら進めていく。
- 栄養面等に配慮した食品を事業者が供給し、そうした食品を消費者が、自身の健康関心度等の程度にかかわらず、自主的かつ合理的に、又は自然に選択でき、手頃な価格で購入し、ふだんの食事において利活用しやすくする。これにより、国民の健康の保持増進を図るとともに、活力ある持続可能な社会の実現を目指す。
- 国際動向との調和を図りつつも、日本を含むアジアの食生活や栄養課題が欧米等とは異なる点があることも十分に踏まえ、推進していくことが重要である。
- 優先して取り組むべき課題
- 栄養面:特に重要な栄養課題である「食塩の過剰摂取」の対策として、「減塩」に優先的に取り組む。また、全世代や生涯の長きにわたり関係し得る他の重要な栄養課題として、「経済格差に伴う栄養格差」や「若年女性のやせ」の問題も取組対象とする。
- 環境面:関係省庁の協力を得て、事業者が行う環境面の取組にも焦点。
- 持続可能な食環境づくりに関連し得る取組として、主に直接的に環境保全に寄与するもの、情報開示等を通じて間接的に環境保全に影響を与えるものがあると考えられる。
- 対象とする食事及び食品
- 対象とする食事は、日本人の食塩摂取源に鑑み、当分の間、「内食」(家庭内調理)、「中食」(持ち帰りの弁当・惣菜等)とする(料理レシピ等を含む。)。具体的な市販食品を対象とする場合は、これらの食事に用いる一般用加工食品(容器包装に入れられた加工食品(業務用加工食品を除く)。外食は、今回の食環境づくりの今後数年間の進展状況に応じ検討)とする。
- 基本理念
- 主な取組内容
- 各関係者に期待される主な取組
- 食品製造事業者:栄養面又はこれに加えて環境面に配慮した商品の積極的開発・主流化。事業者単位又は全社的に行う栄養面・環境面の取組の推進。
- 食品流通事業者:健康関心度等に応じた販売戦略(棚割り、価格等)の推進。
- メディア:食品製造・食品流通事業者と連携した広報活動等の展開。
- 事業者共通:美味しく手軽に減塩できるレシピ開発・紹介、健康的で持続可能な栄養・食生活の重要性及びその実践に向けた工夫等に関する情報発信。
- 学術関係者:食環境づくりに資する研究の推進・成果の発信。こうした研究を基盤とした中立的・公平な立場での事業者の支援。
- 厚生労働省:国立健康・栄養研究所と協働した、事業者の取組に資する科学的データの整備・公表。健康・栄養政策研究を推進するための環境整備。
- 職能団体・市民社会等:事業者への建設的な提言、消費者と事業者の適切な仲介等。
- 取組の実効性の確保及び成果の適正な評価に関する方策
- 厚生労働省は、本取組に賛同する事業者等(メディアを含む。)の参画を得た上で、2021年夏頃を目途に、産学官等の関係者で構成される組織体を立ち上げ。
- 本組織体への参画を希望する事業者は、一定のルールの下、行動目標と評価指標を自ら設定(事業者による主体的かつ意欲的な取組になるよう、事業者が任意で行動目標を設定・遂行。)し、本組織体に登録。その上で、事業者は、行動目標の進捗状況(成果)を毎年評価し、本組織体に報告・公表(厚生労働省等が今後用意する、「環境・社会・企業統治(ESG)」評価等の向上に資する視点を加味した専用ウェブサイト等での公表を想定)。
- 参画事業者へのインセンティブ
- ESG評価向上・事業機会拡大の一助としての上記公表の仕組みの活用。
- さらに、事業者が本取組を推進している旨を、事業者が任意に表示又は標榜できるようにすることも今後検討。
- 各関係者に期待される主な取組
- おわりに
- 栄養面と環境面に配慮した食環境づくりの重要性が国際的に提起される中、この食環境づくりは、「自助」を中心とした健康の保持増進を通じ、健康寿命の延伸に資するほか、SDGsの達成にも資する具体的かつ画期的な取組である。こうした観点から、本取組は、東京栄養サミット2021の場で日本政府コミットメントとして表明することも含め、今後得られる知見や成果を、アジア諸国を始め、世界に広く発信・共有していくことを強く期待する。
- 厚生労働省は、少なくともSDGsの期限である2030年まで本取組を継続する必要がある。それ以降も関係省庁の協力を得て、発展させていくことが望まれる。
- そのためにも、今後、実施体制の強化を図り、本取組の展開と合わせ、活力ある持続可能な社会が構築されていくことを強く期待する。
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厚生労働省 「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の中間取りまとめを公表します
▼外国人雇用対策の在り方に関する検討会中間取りまとめの概要
- 外国人雇用対策の在り方と方向性(総論)
- 我が国労働市場への外国人労働者の包摂の状況や国際的な労働移動を適切に把握し、エビデンスに基づいた外国人雇用対策を講じるべき。
- 新型コロナウイルス感染症禍で起きている複層的な課題を解決するために、関係機関が得意とする分野を生かして、連携して対応していくべき。
- 日本と母国の文化ギャップの克服や、専門的・技術的分野の外国人労働者の長期キャリアを前提とした就労環境を整備していくべき。
- 外国人雇用対策は、我が国の雇用や労働市場の質を向上させるという積極的な視点をもって推進するべき。
- 各課題とその対応に関する方向性(各論)
- データ 整備の必要性
- 労働市場における外国人労働者の状況をより詳細に把握・分析すべき。
- 中長期的には、日本人と外国人が比較可能な統計等を新たに整備することも含めて検討すべき。
- 国際労働移動 送出国の視点で捉える
- 国際機関の活動等への参画を通じて国際労働移動の状況変化を把握すべき。
- ポストコロナも見据え、外国人労働者にとって日本の労働市場が円滑に機能するための職業紹介のあり方等を検討すべき。
- 文化ギャップ コミュニケーションの改善
- 職場で必要なコミュニケーション能力の見える化とそれに応じた研修、文化ギャップを克服する就業体験を促進すべき。
- 外国人労働者の職業紹介や就業環境の向上を担う専門人材の育成を検討すべき
- 支援 さまざまな要因で困窮
- NPO法人等とハローワークが連携し、困窮外国人へのアウトリーチを強化すべき。
- 地域コミュニティ等を通じた情報発信、データベース整備による求人開拓を強化すべき。
- 帰国困難者が応募可能な短期求人を民間企業・職業紹介事業者に働きかけるべき。
- 職場定着 定着を見据えた受入れ
- モデル地域と受入れから定着までの一貫した支援を実証し、成果を周知すべき。
- 各種支援ツールも積極的に活用して、雇用管理改善指導・援助を行うべき。
- 留学生 国内就職の促進
- 大学とハローワークの連携協定の締結等、就職支援を強化し、成果を横展開すべき。
- 就活や職場定着のための研修用モデルカリキュラムの普及を図るべき。
- キャリアコンサルタントの育成などキャリアアップを支援すべき。
- 子ども キャリアを拓く
- 高校・ハローワーク・関係機関が連携して、親も含めた外国につながる子どものキャリア形成支援を試行的に実施すべき。
- データ 整備の必要性
- ハローワークと多様な関係者との連携を通じた外国人支援
- 困窮外国人へのアウトリーチ・支援
- 丁寧な聴き取り・伴走型支援など、雇用と生活の両輪での支援
- 短期で就労可能な求人や職場コミュニケーション能力の明示の働きかけ
- 外国人労働者の職場・地域への定着
- 地域における受入れから定着までの一貫した支援
- 留学生の国内就職の促進
- 就職支援協定の締結等、留学早期からの就労支援
- 外国につながる子どものキャリア形成
- 親を含めた子どものキャリア形成支援を行う取組の試行実施
- 困窮外国人へのアウトリーチ・支援
~NEW~
総務省 「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会報告書の公表
▼別紙1 報告書
- 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえたデジタル政策の方向性
- 若年層から高齢者まで全ての国民利用者によるデジタル活用(受容面)
- デジタル社会の実現は、全ての国民利用者がその利益を享受できることが前提となる。そのためには、年齢、障害の有無、所得の多寡、居住地域、デジタル機器・サービスに対する習熟度や親しみの程度など、国民の多様性を十分に理解し、その多様性から生じる課題に対応することが必要である。
- 一方で、コロナの拡大に伴い、非接触・非対面での生活を実現するために半ば強制的にデジタルサービスの活用が求められる状況で、例えば高齢者にとってはデジタル端末の操作が分からない、利用に不安がある、用語が難しいといった問題が、ビジネス利用者や学生にとってはオンラインでのコミュニケーションが困難、オン・オフの意識の切替えが困難、デジタルサービスは使いこなせるが自宅がリモートでの仕事・学習環境に適していないといった様々な問題が生じており、デジタル技術・サービスが国民の多様性に対応できていないという課題が顕在化した。
- 今後、誰もが参画でき、個々の能力を発揮できる包摂性・多様性のあるデジタル社会を形成するためには、信頼性が高く有用な情報が流通する安心・安全な情報環境や利用者自身による情報リテラシーの向上、全ての国民利用者が必要に応じたデジタル技術・サービスを活用できるための支援の仕組みの構築などを通じて、若年層から高齢者まで全ての国民利用者によるデジタル活用の浸透を実現することが必要である。
- 企業・行政等におけるデジタル技術の導入(需要面)
- 全ての国民利用者によるデジタル活用を進めるためには、各利用者がその恩恵を感じて能動的にサービスを利用するようになる必要がある。そのためには、サービスを提供する側の企業や行政等においても、利用者のニーズに対応したデジタル活用を進める必要がある。また、その際には、利用者にデジタルに対する抵抗感を抱かせないインターフェイスが望ましい。
- 一方で、我が国企業のデジタル活用は、米国や中国などのDXをリードする海外企業に比べて遅れを取っていることや、その目的が効率化に偏重していることなどが課題として指摘されている。また、行政においても、オンライン行政サービスの利用方法が複雑であることや、利用できるサービスの種類が少ないことなどが指摘されており、多様なニーズに対応するサービスの提供が課題となっている。
- こうした課題に対応するには、企業や行政等においても、データの単なるデジタル化や、業務プロセスのデジタル化により効率化を追求するだけではなく、利用者に対して新たな価値を提供するという目標を設定してDXを進める必要がある。そのためには、組織の目標とデジタル活用の関係を理解した上で新たな価値の創出に向けて、その源泉となる企業や行政自身が保有するリアルデータの活用や、組織を超えたデータの連携・活用、デジタル活用による課題解決を可能とするような「デジタルコンピテンシー」を有する人材の確保、これらを実現するための組織能力の向上等が必要である
- デジタル活用を支える情報通信基盤の充実と国際競争力の強化(供給面)
- コロナの影響により、オンラインでの活動が増加していることから、サイバー空間とフィジカル空間をつなぐ役割を果たすためのインターネットに接続する環境の重要性は、以前にも増して高まっている。
- 一方で、情報通信基盤としての光ファイバの整備は全国的な普及が進んでいるものの、利用者の少ない地方部でのインフラの維持や、IoT等の活用による産業利用の可能性がある場所へのエリア展開、通信トラヒックの混雑緩和などの課題が未だ残っている。また、様々な領域における経済安全保障や海外の巨大デジタル企業への富の集中が重要な課題となる中、サプライチェーンリスクへの対応や我が国のデジタル企業の競争力強化が急務となっている。
- これらの課題に対応するため、デジタル企業や関係する研究機関等は、全ての利用者や組織のデジタル活用を支えるとともに、新たな需要を作り出し、我が国の経済再生や国際競争力の強化に努めることが必要である。
- 若年層から高齢者まで全ての国民利用者によるデジタル活用(受容面)
- 国民へのデジタル活用浸透に向けた支援強化取組の方向性
- 包括的なデジタル活用支援推進事業への取組
- デジタル活用支援推進事業の全体構想と事業の実施計画を策定した上で、携帯ショップのスマホ教室や郵便局の空きスペースなど既存のリソースを効果的に活用しつつ、助言・相談の場を求める方々に十分な支援が届けられるよう周知・広報、標準教材等の作成、デジタル活用支援を実施する側の人材を確保するための人材育成、デジタル活用支援の実施ガイドラインの作成、行政との連携など、包括的な取組を進めることが求められる。
- 若年層向けリテラシー施策のオンライン化・情報共有
- eネットキャラバンや地域ICTクラブなどの若年層向けデジタルリテラシー施策について、オンラインでの実施を可能にし、かつ、地域横断的にノウハウの共有やニーズ・シーズのマッチングを行うための環境整備を行うことが求められる。
- 若年層から高齢者へのデジタルリテラシー共有の仕組み構築
- 若年層向けリテラシー施策によって学んだ利用者が、地域の高齢者に対してデジタル活用について教える機会を創設したり取組意欲を喚起したりすることが求められる。これにより、学んだ内容の定着や実践を促進するとともに、地域におけるデジタル活用支援の担い手として育成することが可能となる。
- 偽情報・誤情報に騙されないためのリテラシー向上支援
- 偽情報・誤情報については、メディアやNPOなどによるファクトチェックの取組の推進と合わせ、情報の受信者である利用者がそれらの情報に騙されないためのリテラシーを身につけるための対策が求められる。
- 包括的なデジタル活用支援推進事業への取組
- 企業・行政等のデジタル変革の推進取組の方向性
- データ連携を促進する取組
- 各組織が保有するデータの流通を促進し、新たな価値を創出するため分野横断的なデータ流通に取り組む必要があることから、例えば、パーソナルデータの流通・活用について、本人関与の下でデータ利活用を促進する仕組みとして、情報銀行やPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)などのデータ連携を促進する取組の検討を深めることが必要である。
- 企業・行政等におけるデジタル人材の確保
- 企業や行政等におけるデジタル人材の確保策、例えば求められる人材の専門的スキルを証明するための認定スキームや当該スキルの獲得・維持に必要な研修制度等の仕組み、必要な専門性を満たす人材をマッチングできる仕組み、それぞれの組織におけるデジタル人材の活用・位置付けの在り方等のベストプラクティスの共有などについて、具体的方策を検討するための場が必要である。
- ローカル5Gの普及展開
- 様々な分野・場面におけるローカル5Gの導入を推進していく観点から、官民間の行政情報の交換・連携や、全国的な普及啓発活動に加え、制度に関する検討などの普及展開に向けた取組を行うことが求められる。
- 5Gソリューションの共有の仕組み構築
- 5G時代における企業DXの推進のため、ローカル5G等の開発実証を進めつつ、その成果等を含むソリューションを、企業や行政等が利用しやすい仕組みを構築することが求められる。
- eKYCの安全・信頼性の確保及びeKYC活用のユースケースの拡大
- デジタル空間での安心・安全な民間の取引等において必要となる本人確認について、公的個人認証サービス(JPKI)の利用に加え、本人確認手法の一つであるeKYC(electronic Know Your Customer)を提供する事業者の安全・信頼性の確保の在り方等について、具体的方策を検討するための場が必要である。また、eKYCを活用したユースケースについて金融及び携帯電話サービス以外の分野等への拡大を図ることが求められる。
- 良質なテレワーク定着に向けての施策の見直しと新たな取組の推進
- 主として出勤抑制の手段として一時的に普及したテレワークについては、既存のデジタルツールを積極的に活用することにより様々な課題を解決できることや、生産性の向上や DX の推進、有能な人材の確保など、企業等の経営層にとっても様々な効果をもたらし得ることなどが期待できることから、「「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース」の場で、良質なテレワークの定着に向けて施策を見直した上で、新たな取組を推進する
- データ連携を促進する取組
- 安心・安全で信頼できるサイバー空間の確保 取組の方向性
- 各種のセキュリティガイドライン等の普及促進
- テレワークやクラウド活用の増加、IoTの普及等に対応した総合的なセキュリティ確保の取組が求められる。特にテレワークの急速な普及を踏まえて、テレワーク時のセキュリティに関するガイドラインの普及を促進するべきである。
- サイバーセキュリティ情報の収集基盤及び人材育成基盤の構築
- サイバーセキュリティ対処能力を向上させるため、サイバーセキュリティに係る情報を国内で収集・蓄積・分析・提供するための基盤や、それを活用したサイバーセキュリティ人材の育成基盤を構築し、産学の結節点として開放するとともに、そうした人材を訓練する場やプログラムを構築することが求められる。
- ネットワークの安全・信頼性確保のための電気通信事業者による積極的なセキュリティ対策の推進
- 電気通信事業者におけるサイバーセキュリティ対策及びデータの取扱いに係るガバナンスの強化など、電気通信事業者のネットワークへのサイバー攻撃のリスクや脆弱性に対して適切かつ積極的な対策を講じることにより、ネットワークの安全・信頼性を確保し、ユーザが安心してデジタルサービスを利用できる環境を確保することが求められる。
- 各種のセキュリティガイドライン等の普及促進
~NEW~
総務省 ブロードバンド基盤の在り方に関する研究会 中間取りまとめ(案)に対する意見募集
▼別紙2 概要
- 検討の背景
- Society5.0時代を見据えるとともに、新型コロナウイルス感染症対策のための「新たな日常」の構築を可能とするテレワーク・遠隔教育・遠隔医療などのデジタル活用のために、ブロードバンドサービスが一層重要となっている。
- このようなブロードバンドサービスの利用について地理的格差の発生を防ぐため、ブロードバンド環境の確保・維持が必要。
- ブロードバンドサービス提供の現状
- ブロードバンドサービス(有線ブロードバンド:FTTH(光ファイバ),CATV等、無線ブロードバンド:LTE(第4世代移動通信システム)等)については、契約数が年々伸びている。
- 有線ブロードバンド未整備エリアの世帯数は2021年度末時点で約7万世帯(FTTH未整備世帯は約17万世帯)まで減少(99.9%が整備。)、携帯ブロードバンドは2023年度末にはエリア外世帯がゼロになる計画。
- 一方、有線ブロードバンドサービスについては、維持運用経費が事業者の大きな負担であり、引き続き維持していくためには支援が必要。
- 提供確保すべきブロードバンドサービス
- Society5.0時代を見据えるとともに、「新たな日常」においては、ブロードバンドサービスは不可欠。
- ブロードバンドサービスの中で、その提供維持のために維持運用経費について支援を行う必要があると考えられる有線ブロードバンドサービス(FTTH, CATV)を提供確保すべきサービスと位置付ける。
- 通信速度等の確保すべき品質については引き続き検討。
- 適切、公平かつ安定的な提供確保のための方策
- 利用者利益を確保する観点から、いつでもどこでも誰もが有線ブロードバンドサービスを利用できるように、サービス提供主体に対し、適正な提供条件等を確保する規律を課す。
- 対し、適正な提供条件等を確保する規律を課す(具体的な規律として、約款・料金規制等を想定)。
- 不採算地域に対する最終的な役務提供の責務(ラストリゾート事業者の責務)について引き続き検討。
- 有線ブロードバンドサービス提供主体のうち一定の基準を満たす者(一定の地域内で1者のみで役務提供しており、維持運用経費が他の地域より高い場合を想定)に対し、交付金制度により維持運用経費を支援(支援対象設備については、維持運用経費が大きくなるアクセス回線設備等・離島における海底ケーブル。また、交付金の負担対象は有線ブロードバンドサービス又は無線ブロードバンドサービスを提供する電気通信事業者)。
- 交付金による支援額算定方法は引き続き検討。
- 有線ブロードバンド未整備エリアにおけるブロードバンドサービスの提供確保方策
- 維持運用経費の交付金による支援を行うとともに、整備費について地域の実情を踏まえた財政措置などの支援策を引き続き講じることで、有線ブロードバンドの整備を一層進める。
- 残る未整備エリアをすべて有線ブロードバンドで整備することは困難であるため、携帯ブロードバンドサービスの活用を検討。
- 具体的な方策については、移動通信事業者に期待される役割が論点の一つとなっている「デジタル変革時代の電波政策懇談会移動通信システム等制度WG」の議論も踏まえて検討。
~NEW~
総務省 「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース(第4回)
▼総務省資料
- 目指すべき「日本型テレワーク」の在り方
- ポストコロナで目指すべきは、単に「離れた場所で働く」を意味する「リモートワーク」ではなく、「ICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」である「テレワーク」であると明確にすべきではないか。
- 少子高齢化による生産年齢人口の急速な減少など、日本の社会構造の大きな変化を踏まえ、これまで以上に、働く人が効率良く働くことが可能なテレワークの必要性は高まるのではないか。
- その際、単に仕事を切り分けるのではなく、現在の業務そのものやルール、方法を見直す(BPR)とともに、ICTツールの積極的な活用によりDXを推進していくことが、日本が目指すべき方向性ではないか。
- テレワークは、ただの「コスト」(子育て、介護等に時間を割く必要がある従業員へのサポートとしてやむを得ないもの)ではなく、通勤時間の削減等を通じて従業員のウェルビーイングの向上に繋がる、ひいては企業のパフォーマンス向上に繋がっていくという評価も可能ではないか。
- 新型コロナウイルス感染症によりがらりと変わった価値観も多く、従業員や経営者を含めて社会全体が意識を変えていかなければいけない。
- 中小企業を中心に、経営者に対し、直接的で訴求力のあるメリット(生産性の向上、コストの削減などの成功事例)を提示していくことも必要ではないか。
- 課題に応じた新たなICTツールの活用、テレワークを契機としたBPR、DXの推進により、日本の働き方の強みを活かした「日本型テレワーク」の実現は可能ではないか。他方、ソーシャリゼーションの面では難しさもあり、新入社員は対面を増やすなど、状況に応じた工夫は必要。
- テレワークを長く実施していた企業・団体においては生産性の低下は限定的。テレワークに慣れていくこと、テレワーク時の職場環境をリアルなものに近付けていく創意工夫によって、生産性の低下を一定程度防ぐことも可能ではないか。
- テレワークの導入・定着に向けたICTの活用
- 以前はテレワークができる仕事は限定的であったが、今は、新たなテクノロジーやICTツールを徹底的に活用することにより、デスクトップ上で仮想的な職場を再現することが可能であり、オフィスワーカーであればテレワークで実施できない業務はほとんどないのではないか。
- 「テレワークだとマネジメントができない」という意見は、先入観やICTツールを使いこなしていないという要因も大きいのではないか。
- 今後、出勤者とテレワーカーが入り混じる「まだらテレワーク」が続くと考えられる。一体感、雑談、相談しやすさを補完的に醸成したり、評価不安、孤独感を払拭するために、「メタ認知」も含めたコミュニケーションが可能となるよう、コミュニケーションを見せる「場」の設計を積極的に推進すべきではないか。
- 特に、「バーチャルオフィス」のように、情報そのものに加え、コミュニケーションが行われていること見せる機能を持つICTツールの普及を図るべきではないか。また、所属の部署外の情報も得るためにはビジネス向けの社内SNSも有効ではないか。
- チャットツールの活用や、Web会議ツールを常時接続して職場の雰囲気を伝えるといった手法も有効ではないか。例えば、Web会議ツールを使えば、顔の表情や暗黙知も伝えることができる。
- その後のステップとして、順次、人事管理、電子決裁、経費精算など、企業の状況に応じて、テレワークに適した各業務に係るCTツールの導入を図るべきではないか。
- その際、世代間ギャップを解消するため、海外では若手がシニアにメンタリングを行う「リバース・メンタリング」が活用されているが、日本でもこのリバース・メンタリングを積極的に取り入れるべきではないか
- 企業・団体の内発的取組を促すための仕組み
- テレワークは、「働き方改革×新たなテクノロジー活用」の一丁目一番地であり、働き方改革、ダイバーシティ等も含めた企業の取組の先進性を示す「リトマス試験紙」とも言っても過言ではない。
- テレワークに関連する取組について、企業規模などに応じたステークホルダーを巻き込んだ形で行動変容を促すことができないか。
- テレワークそのものだけではなく、テレワークを契機としたBPR、DXの推進、柔軟で効率的な働き方の実現、従業員のウェルビーイングの向上、優秀な人材の確保と離職率の低下、ワークライフバランスの実現など、一体的な目標を持って進めることが必要ではないか。
- 特に、最近の若年層には柔軟な働き方を可能とする職場が人気である傾向が見られることから、企業の継続的な人材確保という観点からもテレワークに係る取組を進めていくことは有効。
- 生産性の向上、ダイバーシティの推進、従業員の幸福度(ウェルビーイング)の向上といった要素から複合的に企業価値が向上するというシナリオがあるのではないか。
- テレワークを推進していくため、企業におけるどのような情報を、誰に公表(開示)して、誰がどう評価していくのかといった具体的な仕組について早急に検討すべきではないか。
- 中小企業については、平時からテレワークを実施して成功しているモデルケースを示すことによって、経営者に、自分のところでもできる、自分のところでも実施すべきと判断していただくのが最善の方法ではないか。ICTとテレワークが経営に直結して、業績向上につながると、いかに意識してもらうかがポイントではないか
- 既存のテレワーク関連施策の見直し
- 様々な角度からのテレワーク関連施策、またそれらを発信するWebサイトがすでに存在。したがって、まずは、関係府省も巻き込んだ形で、ユーザー企業の利便性を第一として施策を再設計していくことが必要ではないか。
- 特に、総務省と厚労省がそれぞれ実施しているテレワークの相談事業は一本化すべきではないか。併せて、各事業のWebサイト、事例集等についても整理を行い、テレワークに関する統一的なポータルサイトが必要ではないか。
- 総務省のサテライトオフィス整備支援については、これまで全国約40箇所で実施され、今のワーケーションの動きの基盤となったと評価できる。他方、2021年度から内閣府地方創生推進事務局の地方創生テレワーク交付金が開始されたことから、総務省のサテライトオフィス整備支援については2021年度限りとすべきではないか。
- 相談事業の一環として、テレワークマネージャーが相談企業に応じた具体的で実践的なICTツールを提案し、相談企業がそれを「お試し」で使うことができる仕組みや、特定の業種や取引先も含めた企業を跨いだ試行的な導入についても検討すべきではないか。
- その際、導入事業者側に補助金を交付するのではなく、サービス提供者側に支援を行い、多くの企業が「お試し」で使うようにことができるスキームが有効ではないか。
- テレワークマネージャーも自由にツールを使えるようにするべきではないか。
- また、「良質なテレワーク」に向け、企業等の業種や規模、個別具体的な課題に応じて、よりきめ細かな相談対応、実践的なCTツールの提案を実施すべきではないか。
- そのためにも、テレワークマネージャーのスキルの確保や育成、評価の仕組み等についても併せて検討すべきではないか
- その他
- ポストコロナに向けて、場合によっては専門家によるコンサルテーションの下、総務省(情報流通振興課)が率先してICTツールの導入やリバース・メンタリングなどに取り組むべきではないか。
- その際、 「生産性の向上」「ダイバーシティの推進」「従業員の幸福度(ウェルビーイング)の向上」の3つの要素から組織の価値向上に努めるべきではないか。
- 従業員がテレワークを行う際に要する通信費については、従業員が実際に支出した業務のための費用の実費弁済分であれば、課税の対象とならず、この実費相当額の簡便な算出方法については、国税庁が本年1月に公表した「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」において、例示として、テレワーク実施日数分の通信使用料の2分の1を支給する場合には、給与として課税しない、と示されているところ。
- 他方、簡便な方法を用いたとしても、テレワークについては、すべての従業員が毎日行うわけではなく、月によって変動もあることなどから、正確性を期すために、従業員毎のテレワーク実施日数をもとに通信費の支給額を毎月計算する必要があることは事実。
- また、テレワークに関する手当を定額で支給している企業も、この手当を給与課税の対象外とするためには、実費相当額による精算が必要となり、確かに現場の事務負担が大きくなるとのご指摘が当たる面もあるのではないかと思われることから、まずは、関係省庁と連携しつつ、企業等が従業員等に対し支給する通信費等について、実態調査に取り組むべきではないか
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国土交通省 「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会」における中間報告の公表について
▼新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会 中間報告の概要
- 目的
- 視覚障害者のホームからの転落は直近10年間で年平均75件発生、このうち、列車と接触した事故は2.1件。
- 転落事故の防止にはホームドアの整備が最も有効であるが、多くの時間や費用を要する。
- このため、ホームドアが整備されていないホームにおいて、IT等新技術を活用した対策、ホーム上の歩行訓練、鉄道利用者による協力など、視覚障害者が安心してホームを利用できる方策を検討する
- ホームからの転落事故の現状と原因分析
- 視覚障害者団体の協力のもと、視覚障害者にアンケート調査を実施し、303人から回答があった。このうち、転落経験者にヒアリング調査を依頼したところ、34人(転落件数は57件)に協力いただき以下の結果が得られた。※転落回数1回:19人、2回:9人、3回:5人、5回:1人
- ホーム中央付近を長軸方向に歩行中、本人がホーム端に接近していることに気付かずに転落
- 混雑を避けるため等の理由で点状ブロック沿いを長軸方向に歩行中、点状ブロックをそれていることに気付かずに転落
- 点状ブロック沿いを長軸方向に歩行中、他人との接触などにより転落
- 列車に乗車するために短軸方向に点状ブロック付近まで歩行しようとしていた際に転落
- 列車がホームに停車していると勘違いして短軸方向に歩行して転落
- 列車から降車して島式ホームを短軸方向に歩行していた際に反対側のホーム端に接近していることに気付かずに転落
- 転落防止対策(駅をフィールドとした実証実験等により新技術等の活用について検証)
- 駅係員等による円滑な介助を行う対策
- AIカメラを活用して駅係員等による円滑な介助を行う方法(実証実験中)
- スマホアプリを活用して駅係員等による円滑な介助を行う方法(実証実験中)
- ホーム端に接近している視覚障害者を検知して注意喚起する方法(実証実験予定)
- 長軸方向の安全な歩行経路を示す適切な方法
- ホーム中央に歩行動線の道しるべとなるマーカー(例えば、線状ブロック)を設置する案や、内方線付き点状ブロックの内側の領域を活用する案等が考えられる。
- 駅係員等による円滑な介助を行う対策
- 万が一、転落しても接触事故に至らせない対策
- ホームに設置したカメラ映像で転落した鉄道利用者をAIで認識、速やかに列車を止める方法(実証実験予定)
- ホームドア設置工事中の安全対策
- 警備員の増強、音声案内装置の設置等
- スマホを用いて視覚障害者を誘導する方法
- 点状ブロックに貼り付けたQRコード等による音声誘導(一部駅で導入済)
- 歩行訓練の実施
- 関係者が協力して、実際のホームや車両を用いた歩行訓練を実施する。
- 視覚障害者団体等:訓練の実施協力、視覚障害者等への啓発活動等
- 鉄道事業者:訓練の機会・場所の提供等
- 国・歩行訓練士養成機関:歩行訓練士の更なる養成等
- 鉄道利用者の協力
- 以下を車内のモニター表示や駅のポスター掲示等により鉄道利用者に啓発する。
- 内方線付き点状ブロック上やその近くに立ち止まったり荷物を置いて、視覚障害者の歩行動線を遮らないこと
- 「声かけ・サポート」運動などによる積極的な「声かけ」「見守り」等の実施
- 以下を車内のモニター表示や駅のポスター掲示等により鉄道利用者に啓発する。
- 転落原因等に関する更なる調査
- 転落事故の再発防止のため、列車接触事故に至らない転落案件も含めて、原因究明が必要である。
- そのための、第三者の専門的な知見も活用した調査実施体制を整備する(本検討会の活用も含む)。
- まとめ 以下の事項を本検討会で継続して議論する予定。
- 短軸方向歩行時における転落防止策(短軸方向の歩行では転落までの時間が短いことが課題)
- 新技術の実証実験の継続や関係者への情報共有
- 長軸方向の安全な歩行経路を示す適切な方法
- 実際のホームや車両を用いた歩行訓練の実施に向けた具体的な仕組みづくり
- 車両内のモニター表示や駅のポスター掲示等の具体的な方法や内容
- 転落原因究明のための具体的な調査実施体制 等
~NEW~
国土交通省 防災情報を報道・伝達する際のポイントや留意点をまとめました~ 「防災用語ウェブサイト」をオープン ~
- 水害・土砂災害の危険が高まった際に行政機関から発表される防災情報や用語について、その意味に加えて、情報が発表された際に求められる行動や、情報を報道・伝達する際の留意点などをまとめた「防災用語ウェブサイト」を本日、オープンしました。
- 国土交通省では、近年の災害の激甚化に対応するため、詳細な防災情報の提供に努めてきましたが、専門的で分かりにくいといった住民や報道機関の方々からのご指摘を踏まえ、防災用語の改善や伝え方の工夫の検討を進めてきました。
- こうした取組の一つとして、メディアの方々が防災情報を報道・伝達する際の参考に活用いただける「防災用語ウェブサイト」を本日、オープンしました。
- 本ウェブサイトは、メディアの方に限らず住民の皆様も利用可能ですので、防災用語の意味や災害時にとる行動の確認などにご活用下さい。
- 今回は第一弾として、「氾濫危険情報」や「緊急放流」など、災害の切迫性が高まった際に避難などの行動を呼びかける防災用語約80語を掲載しています。
- 国土交通省では、引き続き、掲載する用語の拡充を図るとともに、利用者のご意見などをうかがいながら改善を進めていき、住民やメディアの皆様とのリスクコミュニケーションの充実に努めてまいります。
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国土交通省 強大な台風発生のおそれ段階から、リスクコミュニケーションを展開~国土交通省の防災行動計画【第1版】作成~
▼報道発表資料
- 強大な台風の接近等、特別警報を発表する可能性がある場合に、政府は、災害発生のおそれ段階から災害対策本部を設置し、災害発生前であっても、国、地方公共団体、指定公共機関等が一体となって災害応急対策を実施(令和3年5月20日施行改正災害対策基本法)。
- 国土交通省では、あらゆる関係者が連携して災害応急対策を実施する体制を構築するため、災害発生のおそれ段階から、省を挙げたリスクコミュニケーション(住民等への的確な情報発信、避難情報を発令する市町村支援の充実、関係機関との連携強化等)を展開することとし、今般、その防災行動計画【第1版】を作成。
- 今後、強大な台風の接近等に当たっては、本計画に基づいてリスクコミュニケーションを実施するとともに、実際の災害対応で得た改善点を随時反映して計画の充実を図る。また、計画の実効性をさらに高めていくために、平常時におけるリスクコミュニケーションも強化。
- 防災行動計画【第1版】における主なリスクコミュニケーション(【○日前】は特別警報を発表すると想定される日までの日数)
- 住民等への的確な情報発信
- 合同記者会見により、気象や河川に関する今後の見通し等を解説【4日前~】
- 鉄道の計画運休の可能性など、交通に関する影響を発信【2日前~】
- 交通機関の運休など、サービス停止の情報を発信【当日】
- 避難情報を発令する市町村支援の充実
- 避難情報発令に必要な河川、砂防、海岸の情報の連絡体制(ホットライン)の構築【4日前】
- 河川、砂防、海岸に関する今後の見通しを伝達【3日前~】
- リエゾン、JETT、排水ポンプ車等を派遣【2日前~】
- リエゾンやJETTが活動を開始、排水ポンプ車等を前進配備【1日前】
- 関係機関※との連携強化 ※ 都道府県、高速道路や空港・港湾など関係施設の管理者、交通や物流などの関係事業者等
- 連絡体制の確保【4日前】
- 所管施設の点検、備蓄状況の確認等の事前対応や災害時の的確な情報提供などを指示・周知・要請【4日前】
- 「水際・防災対策連絡会議」等を通じた情報提供【3日前~】
- 住民等への的確な情報発信
- 防災行動計画【第1版】に基づくリスクコミュニケーションによる対応強化
- 住民等への的確な情報発信により、事前準備が充実、円滑な避難を実現
- 市町村への支援の充実を図ることにより、市町村がより的確に避難情報を発令
- 関係機関との連携強化により、災害応急対策が充実
~NEW~
国土交通省 総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~
- 「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」とは
- ここ数年来、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、令和元年房総半島台風・東日本台風など、気候変動の影響等により激甚な災害が頻発している状況に鑑み、災害から国民の命と暮らしを守るためには、これまでの教訓や検証を踏まえ、抜本的かつ総合的な防災・減災対策が必要です。
- 国土交通省ではその総力を挙げて、抜本的かつ総合的な防災・減災対策の確立を目指すため、令和2年1月に、新たに「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」を立ち上げました。
- プロジェクトでとりまとめた施策について
- 縦割り志向ではなく、関係者や他分野と連携することにより、防災・減災施策を強化できないか
- 国民目線に立ったわかりやすい施策となっているか
- という「連携」と「国民目線」をキーワードとして、国土交通省の防災・減災施策を総ざらいの上、ブラッシュアップを行い、令和2年7月に、施策のとりまとめを行いました。今後、関係省庁や地方公共団体など関係者と連携して、プロジェクトに基づく施策を強力に推進して参ります。
- プロジェクトの内容について、以下のとおり活用されるニーズごとに2種類のパンフレットを作成しました。ぜひご活用ください。
▼プロジェクトの内容をわかりやすくまとめたパンフレット
▼防災・減災について住民の皆様一人ひとりが今できることを中心にまとめた、主に「住民の皆様向け」のパンフレット
- 「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」の推進体制として、「国土交通省防災・減災対策本部」を設置しました。