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  • 原子力白書(原子力委員会)/公益通報者保護法に基づき事業者がとるべき措置(内閣府)/令和3年版厚生労働白書 新型コロナ感染症と社会保障(厚労省)/令和2年度雇用均等基本調査(厚労省)

危機管理トピックス

原子力白書(原子力委員会)/公益通報者保護法に基づき事業者がとるべき措置(内閣府)/令和3年版厚生労働白書 新型コロナ感染症と社会保障(厚労省)/令和2年度雇用均等基本調査(厚労省)

2021.08.02
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更新日:2021年8月2日 新着24記事

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【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

警察庁
  • 令和3年上半期における刑法犯認知・検挙状況について【暫定値】
  • 犯罪統計資料(令和3年1~6月分)
内閣府
  • 原子力委員会 原子力白書
  • 経済財政諮問会議
  • 第33回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ
  • 第348回 消費者委員会本会議
国民生活センター
  • 国民生活センターをかたる電話やメール等にご注意ください!
  • 「簡単にもうかる」という情報商材を購入し、有料のサポートプランを契約したが、解約したい
  • SNSで知り合った人に暗号資産(仮想通貨)を使った投資を勧められたが、信用できるか
厚生労働省
  • 「令和3年版厚生労働白書」を公表します~第1部のテーマは「新型コロナウイルス感染症と社会保障」~
  • 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました~働き方の変化等を踏まえた過労死等防止対策を推進~
  • 令和3年度 出生に関する統計の概況
  • 令和2年度雇用均等基本調査
  • 多様化する労働契約のルールに関する検討会 第5回資料
経済産業省
  • 「2020年経済構造実態調査」二次集計結果【乙調査編】の結果を取りまとめました
  • 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
総務省
  • 令和3年「情報通信に関する現状報告」(令和3年版情報通信白書)の公表
  • AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第15回)データ専門分科会(第13回)合同会議
国土交通省
  • マンション管理業者27社に是正指導 ~全国一斉立入検査結果(令和2年度)~
  • 「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」等の改正について

~NEW~
金融庁 「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第1回)議事次第
▼資料2 事務局説明資料
  • 「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」の設置について
    • 社会経済全体のデジタル化が進む中、ブロックチェーン技術の活用を含め、金融のデジタル化が加速。
    • こうした中、民間のイノベーションを促進しつつ、あわせて、利用者保護などを適切に確保する観点から、送金手段や証券商品などのデジタル化への対応のあり方等を検討する。
  • 関連する声明や閣議決定
    1. 7か国財務大臣・中央銀行総裁声明(抄)(仮訳)(2021年6月5日 於:イギリス・ロンドン)
      • デジタル・マネー及びデジタル・ペイメントのイノベーションは、大きな利益をもたらし得る一方、公共政策及び規制上の問題を引き起こす可能性もある。G7の中央銀行は、中央銀行デジタル通貨(CBDCs)の機会、課題、通貨及び金融の安定へのインプリケーションを探求してきており、我々は、財務省及び中央銀行として、それぞれのマンデートの範囲内で、公共政策上の幅広いインプリケーションについて、協働することにコミットする。我々は、どのCBDCsも、中央銀行のマネーの1つの形態として、流動性のある安全な決済資産として、また、決済システムのアンカーとして機能しうることに留意する。我々の目的は、CBDCsが、透明性、法の支配、健全な経済ガバナンスに対する、公的部門の長年のコミットメントに基づくことを確保することである。CBDCsは、強靭で、エネルギー効率が高く、イノベーション、競争及び包摂を支えるべきであり、クロスボーダー決済を強化しうる。CBDCsは、適切なプライバシーの枠組みの中で運営され、波及効果を最小化するべきである。我々は、共通の原則に向けて作業し、年後半に結論を公表する。
      • 我々は、いかなるグローバル・ステーブルコインのプロジェクトも、関連する法律上、規制上及び監視上の要件が、適切な設計と適用可能な基準の遵守を通して十分に対処されるまではサービスを開始するべきでないことを再確認する。我々は、国際基準設定主体による既存の規制基準の見直しを支持することを含め、共通の基準を確保するための国際的な協力にコミットしており、特定されたあらゆるギャップに対処することの重要性を強調する。我々は、グローバル・ステーブルコインに係るハイレベル勧告の実施における規制、監督及び監視上の課題の検討に関する、FSBによる進行中の作業を支持する。我々は引き続き、クロスボーダー決済の改善に向けたG20ロードマップの野心的な実施を支持し、クロスボーダー決済の4つの課題への対処に向けた目標に関するFSBの市中協議文書の公表を歓迎する。
    2. 骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2021)・成長戦略実行計画(抄)(2021年6月18日)
      • CBDCについて、政府・日銀は、2022年度中までに行う概念実証の結果を踏まえ、制度設計の大枠を整理し、パイロット実験や発行の実現可能性・法制面の検討を進める。
      • 非代替性トークン(NFT)やセキュリティトークンに関する事業環境の整備を行う。
▼資料3 松本メンバー説明資料
  • Blockchain利用のメリット
    • データ共有による透明性の高さ・改ざん検知の容易さから、手続きの検証コスト削減やデータを手元に持つことによるAPI連携を超えた効率的連携実現が上げられる。また、特定の権威的なものに依らない仕組みの運営を可能とする。
      1. 透明性の高さ
        • 全ての参加者の同じデータを手元に保有するため、各参加者のニーズに応じた利用が可能となる。Public Blockchainでの特に全ての人へチェーン上のデータが公開され活用可能となっている。
      2. 改ざんの難しさと検証の容易さ
        • 悪意ある参加者による改ざんがあったとしても容易に検出され、またコンセンサスアルゴリズムの中で拒否される。それ故、手続きが正当であることの検証が効率的に行える。
      3. プロセスの統一と自律化
        • 参加者内で一度合意され運用開始されたスマートコントラクトは自律的に想定される挙動のもとで稼働し続け、それにより参加者間のやり取りの型が統一される。
      4. オープンなエコシステム
        • 特にPublic Blockchainでの、世界中の開発者から日々様々な仕組みが提案・議論・実験されている。結果としてNFTやDeFi、DAOなど多種多様な新たな仕組みが誕生した。
  • Blockchain活用にあたっての考慮事項・デメリット
    • データが共有されるゆえのプライバシーや鍵管理についてのセキュリティ、PoWなどの場合の環境負荷や運営コストの高さ、DBとしての処理性能、技術・サービス進化の速度に対する規制の難しさ、参加者のKYCなどデメリットを吟味した上で活用する必要がある。
      1. Blockchainの課題
        • データの全参加者や全世界に公開される前提。データ化範囲を絞る、ないし適切な暗号化・秘匿化が必要となる。
        • プライバシー:データは全ての参加者や全世界に公開される前提。データ化範囲を絞る、ないし適切な暗号化・秘匿化が必要となる。
        • 鍵管理とセキュリティ:鍵の漏洩はそのまま不正な操作へつながり、またPublicなものでは切り戻しも難しい。(DAO事件、コインチェック事件等)
        • 処理性能:現状使われる多くのDBと比べ処理性能は相当に落ちるため、利用方法に工夫が必要。また大量のデータを扱う場合にも考慮必須。
      2. Public Blockchain特有の課題
        • PoWのコスト:大量の計算資源が必要、かつ競争が進むゆえに、消費されるエネルギーが莫大、環境負荷。また、地域的偏りが見られる。
        • 技術・サービス進の速度と規制:新たな仕組みがオープンに議論・実装され、自律的に運営されていく(DeFiなど)ため、規制の考慮が後追いとなる。
        • KYC・AML:取引所以外での参加者に対するKYC等の仕組みはなく、またBCによっては完全な匿名化がなされており追跡できない。
  • Blockchain活用に向けて
    • 事業で活用するには、参加者自身のデジタル化戦略が大きく影響。単にBlockchainを使えば複数者間連携が効率化するわけではなく、法や規制との整合性、社内手続きや体制の変更など技術以外も含めた広い変化が求められる。またPublic Blockchainにおいては、その安全性・安定性にも考慮が求められる。
    • なぜBlockchainを活用すべきなのか?それ以外では不可能か?という問に向き合い、想定する効果を実現するために全ての参加者や社会に求められるデジタルな変化を理解した上で導入・検証することが必須
      1. デジタル化課題
        • 社内の手続き・組織文化をデジタルに作り変えなければ、企業間の接続点がデジタルになろうと活用されない・効果が発揮さ
        • れない可能性がある。
        • 参加者間全体で一つのデジタルな手続きは型化に合意する難易度は高い。
      2. 法・制度との整合性
        • 検証コストの圧縮が可能な信頼されるタイムスタンプ付きのデータがあっても、法的な要件と整合しなければ効果は半減。
        • 例:STOにおける譲渡時の対抗要件等
      3. 安全性・安定性の課題
        • Public Blockchainでは、例えば51%攻撃やセルフィッシュマイニングといった手法が度々問題となっている。
        • 利用するBCの選択に注意が必要。
        • 秘密鍵の保護など要求されるセキュリティ的難易度は想像より高い。
▼資料4 栗田メンバー説明資料
  • 現行システムの特長と課題
    1. 特長
      • 利用者と攻撃者が物理的にアクセスできるものはセキュアな演算器により守られる
      • 様々な構成や利用の形態がある
      • 処理速度が速い(急がない処理は後から行う。取り消しもできる)
      • 分かりやすく使いやすいユーザインタフェースである
      • オフラインでも利用できる(たとえば故障や災害に強い)
      • スマートフォンのアプリの起動が不要である
      • ハードウェアとエコシステムによるセキュリティと安心感がある
      • 環境負荷が低い
      • セキュリティの第三者評価・認証や、機能・通信の互換性の検定に関する枠組みがある
    2. 課題
      • 利便性とのトレードオフで本人認証が難しい。スマートフォンのセキュリティに依存している
      • スマートフォンのアプリケーションやWebサービス、(店舗等の)端末等と連動すると、利用方法が統一されず、使いづらいと感じる利用者もいる
      • 利用者にとってサービス提供者のシステムはブラックボックスであり、利用者がサービス提供者を信頼するモデルである(利用者にとって契約の履行の確認のコストが高い)
      • 利用者にとって取り決めが分かりづらい。様々な形の契約をリアルタイムに合意形成することができない
      • 利用者のプライバシの取り扱いはサービス提供者の考え方やシステム運用による
      • 暗号アルゴリズムや運用を含めて、システム全体を品質保証し続けることは難しい
▼資料5 意見書(井上メンバー)
  • 現在、こういった資産への金融規制としての対応は、資産や取引の類型毎にさまざまです。デジタルマネーのうち前払式支払手段には資金決済法に基づく規制が適用され、通貨を隔地者間で移動することを引き受けると為替取引として銀行法や資金決済法の適用があります。暗号資産については、その現物の販売業務とカストディ業務が暗号資産交換業として業規制の対象となり、暗号資産デリバティブの販売が第一種金商業として業規制の対象となり、暗号資産デリバティブへの運用業務が投資運用業として業規制の対象となりますが、暗号資産レンディングには形式上は暗号資産交換業や貸金業の規制が基本的に及ばず、暗号資産現物への運用業務は投資運用業には該当しません。また、電子記録移転権利については、第一項有価証券として株式・社債並びの開示規制が適用され、その販売が第一種金商業として業規制の対象となり、その自己私募・自己募集が第二種金商業として業規制の対象になります。これに対し、電子記録移転権利以外の電子記録移転有価証券表示権利等は、もともと第一項有価証券である社債等をトークン化したものと、流通性を制限する技術的措置を施すことで第二項有価証券と扱われるものとに分かれ、それぞれについての開示規制と業規資料5制が適用されます。さらに、一般的に規制対象となるデジタルマネーやトークンであっても、その利用や取引の形態や場(プラットフォーム)によっては、規制の適用対象者や適用の有無が明らかでない場合もあります。
  • デジタル・分散型金融に適用される規制のあり方を考えるにあたっては、どの金融規制を考えるときもそうであるように、一定の切り口で資産ないし取引を類別し、それに見合った規制を定めていくことになります。しかし、デジタル・分散型金融については、動きの激しい分野ですから、技術の進展に応じ、あるいは規制の目的に応じて、そのような類別毎の規制がそれぞれの資産ないし取引に見合っているか否かを継続的に検討しこれを見直すとともに、類別自体が適切か否かについての継続的な検討ないし見直しが欠かせないと思います。
  • 本研究会においては、検討対象をどのように捉えるか、検討の目的や視点に応じて検討対象に対してどこから光を当て、それをどのように分類するのかといったことを、規制そのものの中身とともに、所与の前提を置かずに、考えてみたいと思います。
  • また、金融規制とは離れますが、ペイメントトークンの財産としての法的性格をどう捉えるかによって、暗号資産交換業者の破綻時の顧客の権利保護のあり方が変わりますし、セキュリティトークンの譲渡の有効要件と対抗要件をブロックチェーン上のトランザクションのみで備えられるかによって、その流通性を実際に向上させられるか否かが決まりますから、私法上の問題についても目配りしながら検討を深めたいと考えております。

~NEW~
内閣官房 第1回 ワクチン開発・生産体制強化関係閣僚会議 議事次第
▼資料2 ワクチン開発・生産体制強化に関する主な取組
  • ワクチン開発・生産体制強化に関する主な取組
    1. 喫緊の新型コロナウイルス感染症への対応
      • ICMRA(薬事規制当局国際連携組織)での議論を踏まえた国内開発企業への指導・開発推進
      • 臨床研究中核病院等の治験参加要請等の企業ニーズを踏まえた支援
    2. ワクチンの迅速な開発・供給を可能にする体制の構築のために必要な政策
      1. 世界トップレベルの研究開発拠点形成
        • フラッグシップ拠点の形成及びシナジー効果を期待できる特徴的な拠点の研究基盤の強化
      2. 戦略性を持った研究費のファンディング機能の強化
        • 各省縦割りを排した一体的かつ機動的な予算配分を行う体制として先進的研究開発戦略センター「SCARDA」の新設及び必要な研究費の確保
      3. 治験環境の整備・拡充
        • アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの充実
      4. 薬事承認プロセスの迅速化と基準整備
        • 緊急事態における特別に使用を認めるための制度の在り方の検討
      5. ワクチン製造拠点の整備
        • ワクチンとバイオ医薬品のデュアルユース設備の整備、改修支援
      6. 創薬ベンチャーの育成
        • 創薬ベンチャー企業に対する第Ⅱ相試験までの実用化開発支援等
      7. ワクチン開発・製造産業の育成・振興
        • 重点感染症に対するワクチン等の企業開発支援を行う体制の構築
      8. 国際協調の推進
        • 国際的な枠組みへの参画や、これらを通じたワクチンの供与
      9. ワクチン開発の前提としてのモニタリング体制の拡充
        • 関係機関の連携及びインテリジェンスの集約体制の構築

~NEW~
首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼新型コロナウイルス感染症対策本部(第71回)議事次第
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、報告日別では、増加が続き、直近の1週間では10万人あたり約28。今週先週比が1.54と急速に拡大している。東京を中心とする首都圏だけでなく、関西圏をはじめ全国の多くの地域で新規感染者数が増加傾向となっており、これまでに経験したことのない感染拡大となっている。また、連休による影響で、今後の報告数が上積みされる可能性も留意する必要がある。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(7/11時点)で1.27と1を上回る水準が続いており、首都圏では1.26、関西圏では1.39となっている。
  • 感染状況の分析【地域の動向等】 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
    1. 首都圏(1都3県)
      • 東京では、新規感染者数は増加が続き、約89。今週先週比は1.49と急速な感染拡大が継続。20-40代が多く、65歳以上の割合は約3%まで低下しているものの、実数では増加がみられる。本来であれば入院すべきだが自宅待機を余儀なくされる者や入院者数や調整中の者は増加が続いている。高流量の酸素投与が必要な患者も増加しているとの指摘もある。人工呼吸器又は人工心肺を使用している重症者数も増加傾向となり、年代別では40-50代が最大となっている。感染者数の急増が続けば、入院療養等の調整の遅れや一般医療も含めた医療への負担が懸念される。
      • 一方で、埼玉、千葉、神奈川でも新規感染者数は20-30代中心に増加が続き、それぞれ約43、40、45。3県とも感染者数が急速に増加。東京では夜間滞留人口が前回の緊急事態措置の際と比べ、緩やかな減少にとどまっている。一方、千葉では夜間滞留人口が増加。埼玉、神奈川では減少しているものの、大きな減少が見られておらず、東京を中心に当面は感染拡大の継続が見込まれる。
    2. 沖縄
      • 新規感染者数は増加が続き、約83。今週先週比が上昇傾向で2.15と急速な再拡大となっている。20-30代が中心だが高齢層でも増加が見られる。入院者数は増加に転じ、重症病床使用率は厳しい状況が継続。夜間・昼間とも滞留人口が大幅に減少し、今回の緊急事態措置中の最低水準に再び到達。新規感染者数の減少につながるか、注視が必要。
    3. 関西圏
      • 大阪では、新規感染者数は20-30代中心に増加が続き、約36。今週先週比は1.52と急速な感染拡大が継続。入院者数は増加傾向だが、重症病床使用率は約13%。夜間滞留人口は減少に転じたが、依然高い水準で、感染拡大が続くことが懸念される。
      • 京都、兵庫、奈良でも、新規感染者数の増加が続き、それぞれ、約19、16、14。いずれも、重症病床使用率は2割を切る水準が継続しているが、兵庫、京都では夜間滞留人口の増加が続いており、感染拡大が続くことが懸念される。
    4. 上記以外
      • まん延防止等重点措置が解除された北海道、愛知、福岡では、新規感染者数の増加傾向が続き、それぞれ約16、10、21。いずれも、病床使用率、重症病床使用率は2割を切る水準が継続。いずれも夜間滞留人口の減少が見られるが、北海道、福岡では、依然高い水準であり、感染の拡大が懸念される。
      • その他の地域でも新規感染者数の増加が見られており、茨城、栃木、石川では15を超えて増加傾向が続いている。特に、石川では飲食店などのクラスターで約38、夜間滞留人口も増加している。重症者数は1人で横ばいだが、入院者数は増加しており、留意が必要。
  • 変異株に関する分析
    • 1.617.2系統の変異株(デルタ株)は、スクリーニング検査での陽性率(機械的な試算)が、全国的には約33%で上昇が続いており、置き換わりが進んでいる。特に、東京では、4割を超えている。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • 東京、沖縄、埼玉、千葉、神奈川、大阪では、緊急事態措置やまん延防止等重点措置が講じられているが、滞留人口の減少は限定的で感染拡大を防ぐに至っていない。デルタ株への置き換わりも進む中で、これまでにない急速な感染拡大となっている。
    • 特に、東京では感染者の増加が続き、40-50代を中心に入院者の増加が続いており、既に一般医療への影響が生じている。熱中症などで救急搬送が増加するなど一般医療の負荷も増加する中で、このままの状況が続けば、通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される。埼玉、千葉、神奈川および感染が拡大している地域でも今後同様の状況が生じることが強く懸念される。こうした危機感を行政と市民が共有出来ていないことが、現在の最大の問題。
    • 7月8日に改訂された基本的対処方針及び7月16日の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長談話「夏休み期間中の感染拡大を防ぐために」に基づく対策の徹底により、感染拡大を速やかに抑えることが求められる。改めて、マスク、手指衛生、人との距離の確保などの基本的感染防止対策のほか、職場での感染防止策の強化とテレワークを徹底すべき。また、飲食の場面への対策を徹底すること。さらに、職場、学校、家庭において、少しでも体調が悪い場合、軽い症状でも早めの受診、積極的な検査につなげることが必要。こうした取組をしっかり発信していくことが重要。
    • 各自治体では、感染状況や医療提供体制の負荷の状況を踏まえ、機動的な介入により急拡大を抑制することが必要である。その際には、高齢者のワクチン接種が進んだことにより、感染者数の増加に比べて、重症者数は低くなる傾向にあるが、入院者数や自宅療養者数、調整中の者の数などその他の指標も踏まえ、公衆衛生・医療提供体制の負荷の状況や見込みをとらえることが求められる。感染拡大が一定期間は継続することも前提に、宿泊療養施設の確保や自宅療養環境の体制整備も含め医療提供・公衆衛生体制の確保・連携を進めておくことが必要。

~NEW~
消費者庁 第8回消費者裁判手続特例法等に関する検討会
▼【資料2】対象消費者への情報提供の在り方
  • 基本的な方向性
    • 行政や事業者の役割をより積極的なものとし、主体間での連携・補完により、信頼性を確保しつつ、情報提供を強化すべき
    • 各主体の基本的な役割を明確化しつつ、事案ごとに効果的な情報提供を実施する仕組みが必要
    • 情報提供の趣旨・目的や伝えるべき対象に照らし、伝達手段と内容に工夫が必要
    • 実効性が高い個別通知の十分な実施のためには、事業者において連絡先を確保するインセンティブとなる制度が望ましく、かつ、情報を有する第三者による協力が期待される
  • 情報提供の実効性を確保し、各主体の合理的な役割分担を実現するという観点から、仕組みの案についてどのように考えるか
    • これまでの議論において、情報提供の実効性確保するために重要と指摘された以下の点に対応できるか
      1. 個別通知の十分な活用
      2. 対象消費者が信頼を置きやすい情報提供の実施(情報提供主体、手法、主体間での連携・補完)
      3. 各主体の基本的な役割は明確化しつつ、事案ごとに効果的な情報提供を実施する仕組み
  • 各主体による情報提供の実効性を確保するため、手当すべき点はあるか
    • 事業者による個別連絡の履行を確認することの要否・方法
    • 団体が行う公告について、方法の適正性(合理的な方法による実施)を確保しつつ、事業者の一定額の負担を「合理的な範囲」に限定することについて、どのような方策が考えられるか
  • 対象消費者に関する情報を有している第三者が、一定の場合に、団体に対して当該情報を提供できるという規定を設けることで、情報開示の実効性が確保できるか
  • 指定法人制度を導入するとして、対象消費者への情報提供の場面で当該制度を活用するために、留意すべき点はあるか
  • 関係する主な意見
    • 第三者からの対象消費者に関する情報の提供について、請求を受ける事業者からすると、仮に個人情報保護法違反のおそれは払しょくされたとしても、任意に情報を開示することには慎重にならざるを得ない
    • 被害回復の道筋をより明確にし、かつ、必要なときにすぐに情報にリーチでき、情報収集の手間を短縮できる、個別の事案ごとの対応にとどまらない仕組み(プラットフォーム)づくりが求められる

~NEW~
警察庁 令和3年上半期における刑法犯認知・検挙状況について【暫定値】
  • 主な特徴点
    1. 認知状況
      • 令和3年上半期における刑法犯認知件数は27万7,300件で、年間の認知件数が戦後最少であった令和2年(61万4,231件)の上半期(30万7,470件)を更に下回った(前年同期比で9.8%減少。)。他方、重要犯罪の認知件数は前年同期比で2.0%の増加となった。
      • 刑法犯認知件数のうち、特に、街頭犯罪及び侵入犯罪の認知件数が大きく減少しており、前年同期比でそれぞれ16.7%、21.8%減少した。
      • 包括罪種別に見ると、刑法犯認知件数の約7割を占める窃盗犯の認知件数が大きく減少しており、前年同期比で12.0%減少した(このうち、重要窃盗犯の認知件数は前年同期比で23.3%減少。)。
    2. 検挙状況
      • 令和3年上半期における刑法犯の検挙率は46.5%、重要犯罪の検挙率は91.0%、重要窃盗犯の検挙率は74.5%であった。
      • 刑法犯、重要犯罪及び重要窃盗犯の検挙率はいずれも平成10年代半ば以降上昇傾向にあるが、本年上半期は、重要犯罪の検挙率のみ前年同期比で1.0ポイント下落している。
  • 令和3年上半期における人口千人当たりの刑法犯の認知件数は2.2件となり、戦後最少であった令和2年(年間4.9件)の上半期(2.4件)を更に下回った。
  • 令和3年上半期における街頭犯罪の認知件数は8万2,904件となり、前年同期比で16.7%減少した(侵入犯罪の認知件数は2万3,571件となり、前年同期比で21.8%減少、街頭犯罪及び侵入犯罪以外の認知件数は17万825件となり、前年同期比で3.9%減少した。)。
  • 令和3年上半期における月別の街頭犯罪認知件数を見ると、1~3月が対前年同期比でそれぞれ35.1%減少、27.3%減少、23.4%減少となっており、昨年4月以降の減少傾向が引き続いている様子が伺える。
  • 令和3年上半期における重要犯罪の認知件数は4,277件と、前年同期比で2.0%増加した。
  • 令和3年上半期の重要犯罪の認知件数を罪種別にみると、略取誘拐が196件、強制性交等が682件、強制わいせつが1,994件となり、前年同期比でそれぞれ24.8%、7.9%、9.7%増加した。
  • 刑法犯認知件数の約7割を占める窃盗犯について、令和3年上半期の認知件数は18万5,956件と、前年同期比で12.0%減少しており、近年の減少傾向が継続している。重要窃盗犯についても同様の傾向がみられ、上半期の認知件数は2万1,881件と、前年同期比で23.3%減少した。
  • 令和3年上半期における刑法犯検挙件数は12万8,979件、検挙人員は8万5,126人で、ともに令和2年の上半期(13万6,451件、8万8,336人)を下回った(それぞれ前年同期比で5.5%、3.6%減少)。少年の検挙人員は7,094人で、検挙人員全体の8.3%となった(令和2年上半期は全体の10.2%)。
  • 令和3年上半期における検挙率は、前年同時期より2.1ポイント上昇し、46.5%となった。刑法犯の検挙率は平成10年代半ば以降上昇傾向にある。重要犯罪の検挙率、重要窃盗の検挙率も同様の上昇傾向にあったが、令和3年上半期における重要犯罪の検挙率は前年同時期より1.0ポイント下落し、91.0%となった。

~NEW~
警察庁 犯罪統計資料(令和3年1~6月分)
  • 令和3年1~6月における刑法犯総数について、認知件数は277,300件(前年同期307,400件、前年同期比▲9.8%)、検挙件数は128,979件(136,451件、▲5.5%)、検挙率は46.5%(44.4%、+2.1P)
  • 窃盗犯の認知件数は185,956件(211,326件、▲12.0%)、検挙件数は79,283件(85,333件、▲7.1%)、検挙率は42.6%(40.4%、+2.2P)
  • 万引きの認知件数は44,711件(43,044件、+3.9%)、検挙件数は31,824件(31,683件、+0.4%)、検挙率は71.2%(73.6%、▲2.4P)
  • 知能犯の認知件数は17,111件(16,314件、+4.9%)、検挙件数は8,861件(8,414件、+5.3%)、検挙率は51.8%(51.6%、+0.2P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は33,725件(32,630件、+3.4%)、検挙人員は27,823人(27,621人、+0.7%)
  • 入管法違反の検挙件数は2,564件(3,092件、▲17.1%)、検挙人員は1,872人(2,234人、▲16.2%)、軽犯罪法違反の検挙件数は3,994件(3,092件、+9.3%)、検挙人員は3,989人(3,602人、+10.7%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は3,887件(3,428件、+13.4%)、検挙人員は3,065人(2,885人、+6.2%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は1,148件(1,327件、▲13.5%)、検挙人員は936人(1,096人、▲14.6%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は146件(235件、▲37.9%)、検挙人員は53人(56人、▲5.4%)、不正競争防止法違反の検挙件数は41件(33件、+24.2%)、検挙人員は42人(41人、+2.4%)、銃刀法違反の検挙件数は2,411件(2,473件、▲2.5%)、検挙人員は2,108人(2,174人、▲3.0%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は385件(413件、▲6.8%)、検挙人員は229人(209人、+9.6%)、大麻取締法違反の検挙件数は3,139件(2,598件、+20.8%)、検挙人員は2,493人(2,200人、+13.3%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は5,372件(5,321件、+1.0%)、検挙人員は3,590人(3,712人、▲3.3%)
  • 来日外国人による 重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員 対前年比較について、総数290人(262人、+10.7%)、ベトナム100人(37人、+170.3%)、中国45人(48人、▲6.3%)、フィリピン18人(12人、+50.0%)、ブラジル17人(32人、▲46.9%)、インド9人(10人、▲10.0%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・検挙人員 対前年比較について、検挙件数総数は5,469件(5,777件、▲5.3%)、検挙人員は3,068人(3,401人、▲9.2%)、暴行の検挙件数は345件(440件、▲21.6%)、検挙人員は321人(410人、▲21.7%)、傷害の検挙件数は532件(679件、▲21.6%)、検挙人員は638人(769人、▲17.0%)、脅迫の検挙件数は160件(198件、▲19.2%)、検挙人員は157人(177人、▲11.3%)、恐喝の検挙件数は189件(187件、+1.1%)、検挙人員は221人(227人、▲2.6%)、窃盗犯の認知件数は2,695件(2,663件、+1.2%)、検挙人員は462人(539人、▲14.3%)、詐欺の検挙件数は739件(753件、▲7.3%)、検挙人員は615人(532人、+15.6%)、賭博の検挙件数は16件(26件、▲38.5%)、検挙人員は67人(92人、▲32.3%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・検挙人員 対前年比較について、検挙件数総数は3,283件(3,600件、▲8.8%)、検挙人員は2,172人(2,658人、▲18.3%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は19件(29件、▲34.5%)、検挙人員は50人(80人、▲37.5%)、銃刀法違反の検挙件数は43件(72件、▲40.3%)、検挙人員は32人(57人、▲43.9%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は65件(77件、▲15.6%)、検挙人員は19人(23人、▲17.4%)、大麻取締法違反の検挙件数は554件(519件、+6.7%)、検挙人員は333人(363人、▲8.3%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は2,146件(2,354件、▲8.8%)、検挙人員は1,371人(1,634人、▲21.6%)、16.1%)

~NEW~
内閣府 原子力委員会 原子力白書
▼概要版
  • 福島の今(オフサイトの取組)
    1. 福島の復興・再生は着実に進展
      1. 福島県内の空間線量率は、海外主要都市と同水準
      2. 帰還困難区域を除き、面的除染完了、避難指示区域解除
      3. 特定復興再生拠点区域では、除染やインフラ整備等を推進
      4. 放射線被ばくによる住民への健康影響が観察される可能性は低い
      5. ほとんどの農林水産物で、放射性物質の基準値超過なし
      6. 学校、医療・介護、買物、交通インフラ等の生活環境整備が進展
      7. 新たな産業創出に向け、福島イノベーション・コースト構想を推進
    2. 一方で、復興・再生の取組は道半ば
      1. いまだ約3.6万人の福島県民が避難生活を継続
      2. 特定復興再生拠点区域外の帰還困難区域については、避難指示解除の具体的な方針が示せていない状況
      3. 農業産出額は、震災前の水準まで回復していないまま
      4. 農林水産業や観光業を中心に、風評が固定化
      5. 長期避難生活や風評被害等の「固有の課題」に加え、人口減少・少子高齢化等の「普遍的課題」も顕在化
  • 福島の今(オフサイトの取組)
    1. 原発敷地内・周辺の環境は大きく改善
      • 事故を起こした原子炉は冷温停止状態に達し、安定化
      • 原発敷地面積の約96%で、一般作業服等での作業可能
    2. 一方で、事故炉の廃止措置完了までは長い道のり
      1. 1~4号機の原子炉建屋内やその周辺は、依然として高線量な状態
      2. 30年から40年後の廃止措置完了を目指し、廃炉作業を継続中
      3. 事故の調査・分析も、取り組むべきことが山積
  • 組織文化や枠組みに係る取組
    1. 各種事故調の提言や教訓を踏まえて改善
      1. 原子力規制委員会、原子力規制庁の発足
      2. 「新規制基準」の施行、「原子力規制検査」の運用開始
      3. 平時及び緊急時の原子力防災体制の見直し
      4. 原子力事業者による自主的安全性向上に向けた新組織設立
    2. 一方で、課題も残る
      • 「世界で最も厳しい基準」を満たせば安全であるという慢心により、「新たな安全神話」が生み出される懸念
      • 事故の記憶や教訓を忘れ、同じ過ちを繰り返すリスク
  • 全ての原子力関係者が忘れてはならないこと
    1. 東電福島第一原発事故により、いまだ避難生活を続けている人がいて、避難指示が解除されていない地域があること
    2. 事故によって生じた風評が固定化され、福島の人たちを苦しめていること
    3. 二度と事故を起こさないために、原子力災害に関する記憶と教訓を忘れないこと
    4. 安全確保や信頼構築の取組に終わりはないこと
  • 全ての原子力関係者が協働して取り組まなければならないこと
    1. 福島の方々が誇りと自信を持てるふるさとを取り戻すことができるときまで、福島の復興・再生に携わっていくこと
    2. 安全確保や信頼再構築に向けた取組を継続していくこと
    3. 原子力関係機関に内在する本質的な課題の解決に向けた取組を継続していくこと
    4. 今般の原子力災害に関する記憶と教訓を風化させずに、次世代に確実に引き継ぐこと
    5. この国を担う次の世代が原子力や放射線について科学的に正しい知識を身に付け、社会の中における原子力や放射線の位置付けについて自ら考え、評価できるように、それぞれの立場で必要な支援を行っていくこと

~NEW~
内閣府 経済財政諮問会議
▼第11回経済財政諮問会議 議事要旨
  • (柳川議員) 今、井上内閣府政策統括官から説明があったように、今回の試算では税収が上振れしたので、PBが黒字化する時期が、コロナ前に試算していた姿に戻ったということは、ある意味で注目すべき試算だと思う。
    • ただ、結局のところ、我々に突きつけられている大きな課題というのは、この成長実現ケースというものをどうやってしっかり実現させるかというところにある。PB黒字化の目標も、この成長実現ケースが実現できてこそという話になる。
    • 残念ながら、これまではこういう目標を立てておきながらベースラインケースに留まってきたというのが現状で、コロナの時にはもちろんベースラインケースも実現できなかったが、現状どうやってこの成長実現ケースにしっかり乗せていくのかということが我々に課せられた非常に大きな課題なのだろうと思っている。
    • そういう意味では、この資料6-1の、やはりコロナ後を見据えた抜本的な成長力強化の取組が不可欠ということが何よりも申し上げたいメッセージであり、それについては骨太方針の方で、グリーン、デジタル、地方活性化、子ども・子育て、4分野というところで、しっかり財政税制、規制改革をしっかりやって、民間投資・民間消費を大胆に喚起することが重要と書いている。
    • その点では、やはりグリーン投資。グリーン社会の実現に向けたインフラをしっかり整備をするということが何より大事であり、当然、デジタルをしっかり使っていくこと。それから、いわゆるペントアップ需要が、コロナの状況が回復してくれば期待できるが、やはりこれが先ほどからの議論にもあったように、持続的な消費の拡大につながっていかなくてはいけないというところがあるので、その持続的な需要の喚起策と、一方では、その需要にしっかり応えられるだけの供給側の付加価値を高め、良いサービスが提供できる状態にしていくという、供給力の向上も必要となるだろうということを書いている。
    • それで、2のところの経済・財政一体改革の着実な推進だが、PB黒字化の目標は、当然、成長が実現するのであれば元の試算に戻っているわけだが、先ほど図で見ていただいたように、残念ながらコロナでGDPの水準は落ち込んでおり、伸びは戻るものの、落ち込んだ状況から延伸していくと、債務残高も増えているというところを考えると、先ほどの御説明の資料5-2の最後のところにあったように、しっかりとした債務残高の対GDP比率を安定的に引き下げていく重要性というのは、今まで以上に高まっているということが言える。
    • そういう面では、歳出・歳入両面から改革をしっかり実現させていくことが何よりも大事だということを強調して書いている。そのときには、単に支出を減らすということだけではなく、2ページに書いてあるように、安心して結婚・子育てができるような体制をつくっていく。そういう意味での正規・非正規の格差是正をしていくということも、実は、成長の基盤を構築する際の重要な要素なので、そういうものもしっかり目配りしながら進めていくことが重要だと書いている。
    • 最後に、先ほど御紹介いただいたように、過去の試算との乖離がどのようになっていたかということを、エビデンスを用いて示していただいたことは非常に評価できるところだと思っている。今後も、2025年の目標を見据えるのであれば、構造的に何が問題か、目標としたものがどこまで実現できなかったのか、単に実現できなかった、できたという話ではなく、その裏側にある構造的な課題を明らかにして、どういう対策を取っていくべきかということをしっかり議論していくべきだと書いている。
  • (梶山議員)柳川議員から御指摘があったように、コロナ後を見据えた成長力強化への取組として、グリーン・インフラの基盤整備は大変重要であり、しっかりと早期に推進してまいる。
    • 電気自動車・燃料電池自動車の普及に当たり、充電設備や水素ステーションの整備は不可欠。政府として急速充電設備を3万基設置し、遅くとも2030年までにガソリン車並みの利便性を実現するように、強力に整備を進めてまいる。また、水素ステーションについては、燃料電池自動車・燃料電池バス及び燃料電池トラックの普及を見据えて、人流・物流を考慮しながら、最適な配置となるように、2030年までに1,000基程度整備する。
    • 電力系統については、再エネの大量導入に対応しつつ、レジリエンスを抜本的に強化した次世代型ネットワークに転換していくことが重要。そのため、全国大の送電網を計画的に整備するためのマスタープランの策定を行う。さらに、洋上風力のポテンシャルの大きい北海道等から大消費地まで送電するための直流送電システムを計画的・効率的に整備すべく検討を加速してまいる。その際、経済効果の大きさや、経済安全保障の視点等も踏まえつつ、国内設備投資の促進策等についても検討してまいりたい。
    • (麻生議員)新型コロナの危機を乗り越えて、次の世代に未来につないでいく、これは我々の世代にとっての責任だということははっきりしているが、累次の補正予算による新型コロナへの対応等により債務残高が大幅に増加していることも事実。今回の中長期試算を見ると、前回よりは若干改善しているが、引き続き手を緩めることなく、2025年度のPBの黒字化とともに、債務残高対GDP比の安定的な引下げに向けて、少子高齢化という避けがたい現実の中にあって、社会保障の持続可能性を高める改革など、歳入・歳出両面の改革にしっかりと取り組んでまいりたいと考えている。
  • (十倉議員)中長期の経済財政運営について、ポイントは、現局面は政府の役割が期待される時代だということ。以下、2点申し上げる
    • 一点目は、例えばコロナや地球温暖化といった生態系の崩壊に関する問題は、市場原理では解決できない。日本はとても安全な国で、これまでは有事を想定せずにいられたが、残念ながら、コロナに代表されるような緊急事態への対応は今後必要で、そこで中心的な役割を果たしていただくのは政府だ。また、地球温暖化対策についても、欧米では大規模なグリーンディールを実施し、政府が主導して、国レベルで社会政策・産業政策を、一体的・戦略的に行っている。このように中長期の大きな政策パッケージを政府が中心となって展開することが求められている。
    • 二点目は、経済成長がなければ財政健全化の達成は困難だということ。柳川議員の御指摘のとおりである。まさに経済あっての財政だ。官民が協力できる重要分野で投資を行っていくべきだと考える。
    • 例えばグリーン分野。グリーンイノベーション基金は、研究開発フェーズであり、これは非常にありがたいが、その次のフェーズ、すなわち社会実装やインフラ投資などで今後の大規模な資金が必要になる。民間議員提出資料では、グリーン投資をファイナンスする手段の多様化や、規模の拡大を図るべきと指摘している。例えばグリーン分野への財政措置の財源として、グリーン目的の国債、グリーンボンドだが、これについても具体的な検討課題として取り上げるべきかと考える。
    • こうした財政措置と相まって、企業も資金を積極的に調達し、投資をしてまいりたいと思う。投資には政府の失敗、市場の失敗、どちらもあり得る。官民が協力して、グリーン、デジタルの分野を中心に、中長期の大きな経済政策を展開していきたいと考えている。
  • (竹森議員)手短に3点申し上げる。
    • まず、財政収支もしくはPBというのは、フローの数字で、麻生大臣がおっしゃった公債残高というのは、ストックの残高である。麻生大臣が指摘されたように、コロナでストックの数字は悪化している。その結果は、通常金利負担によってフローにも結びつくが、日本の場合、金利が非常に低いので、フローに結びつかない。そういうことで、フローはそれほど悪くなっていないが、私は、麻生大臣のおっしゃったとおり、ストックの数字に十分注意が必要だと考える。
    • 2点目、グリーン関係の支出として、10年間で2兆円を見込んでいる。これは基金として認めているが、欧米が今進めている予算の10分の1以下の規模だ。欧米が本当にこれをやるかどうか、政治的ないろいろな不確実性があるが、もし、欧米が本当に進めたときは、規模について不足感が出てくるのは間違いない。その場合に、もっと規模を増やさないと、重要な新分野で日本が切り口を開けないという問題が出てくるのではないか。
    • 3点目、労働市場について、先ほど欧米について申し上げたが、今、賃金が上がっている。とにかく急速に労働需要が盛り上がっていて、引っ込んでいた労働力が呼び返されている段階で、この勢いは日本にも来ると思う。その結果、賃上げの勢いが出てくると、インフレ率2%達成の可能性が生まれてくるので、その可能性を何とか活かすような政策を、中央銀行と政府の協力で進めていただきたいと考えている。
  • (菅議長)本日は、最低賃金の引上げに向けた環境整備及び中長期の経済・財政について議論を行った。
    • 今年度の最低賃金は、過去最高となる28円の目安額の引上げとなったが、今後、地方における議論を経て、10月より実施される。
    • 新型コロナの影響が長引く中で、多くの中小企業は厳しい業況の中にあり、売上の減少や、今回の最低賃金の引上げに伴うコスト増を十分に踏まえ、事業の存続と雇用の維持に向け、丁寧に支援していく必要がある。
    • このため、雇用調整助成金の特例的な助成率を年末まで維持しつつ、事業者の要望の強い、助成金の要件の緩和や事業再構築のための補助率の引上げを行う。さらに、新型コロナの影響や最低賃金の引上げの状況に対応し、きめ細かな支援を行ってまいる。
    • これにより、最低賃金の引上げに向けた環境整備を行い、賃金格差の拡大を是正しながら、賃上げの流れをさらに強固なものにする。
    • 今後の経済・財政運営については、まずは感染防止対策を徹底しながら、ワクチン接種を進め、1日も早く新型コロナの感染を収束させるべく全力を挙げる。
    • 昨年度の税収はこれまでで最も高い水準となった。これを反映し、本日示された経済・財政の中長期試算では、経済成長を実現し、歳出改革を続けていくことにより、2025年度にPB黒字化を実現する姿が示された。
    • ポストコロナに向けて、グリーン、デジタル、活力ある地方、少子化対策に予算、税制を大胆に重点化し、思い切った規制改革を進め、既存の仕組みをゼロベースで見直すことによって、雇用の確保、賃金の上昇、投資の拡大を実現してまいりたい。

~NEW~
内閣府 第33回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ
▼【資料1】 報告書(素案)(事務局提出資料)
  • 自主規制の意義
    • 消費者にとっての自主規制の意義
      • 自主規制は、行政規制がない分野について、積極的に規定を設けることにより、消費者利益の保護を図る機能を果たす場合がある(例えば、通信販売について、クーリング・オフ類似の制度を設ける場合等である)。
      • また、自主規制が策定され、消費者に対しても開示されることによって、消費者にとっての予見可能性を向上することが期待される。すなわち、行政規制がない場合や、あったとしても規範が抽象的であり具体的にどのように適用されるのか明らかでない場合等に、各業界の実情に関する知見や専門性等を活かして策定された自主規制が、消費者に対してルールの適用場面を明確化する役割を果たすことがある。
    • 事業者側にとっての自主規制の意義
      • 自主規制は、事業者側にとっては、各業界の実情に合わせた柔軟なルールを事業者・事業者団体が自ら策定することによって、ルールの適用場面についての予見可能性が高まるというメリットが存在する。また、個々の事業者ひいては業界全体の遵法意識が向上し、それが社会に認知されることによって、業界全体に対する信頼性の向上を図ることが期待される。
    • 規制当局側にとっての自主規制の意義
      • 近年の技術進歩やビジネスモデルの変化等に伴い次々と登場する新しい取引分野は、その内容が複雑であり、専門性も高く、さらに規制対象が流動的である場合が多い。このような場合、行政規制の整備を行うためには多大な時間や労力を要することが予想されるほか、規制対象が流動的なため、適切な規制基準をあらかじめ定めることが難しいこともある。このような取引分野について、行政規制によって詳細かつ網羅的に規制しようとすれば、行政コストが大幅に増加してしまうおそれがある。
      • これに対し自主規制は、当該取引分野を熟知した事業者・事業者団体が自ら定めるものであることから、複雑性・専門性に対応することは相対的に容易であり、国が行政規制を整備するよりも、柔軟かつ迅速な対応が可能な場合が多いと考えられる。
      • また、規制当局としては、まずは自主規制として定着した規範を、その後に行政規制とすることも考えられる。
  • 自主規制の限界
    • 本報告書では、消費者取引分野における望ましい自主規制の整備・運用の在り方について検討する。しかし、自主規制はあらゆる場面において有効に機能するわけではなく、一定の限界があることにも十分留意する必要がある。
    • すなわち、取引の適正化や消費者保護を図る上で、自主規制だけでは必ずしも十分な内容を定めることができない可能性があるほか、内容が個別的かつ専門的にすぎるものとなって、部外者にとっては分かりにくいものとなる可能性もある。また、対象となる事業者数が多いこと、アウトサイダーに対しては効果がないこと、エンフォースメントのための手段が十分に整備されない(できない)可能性もあること等の理由から、自主規制を実効的に機能させることが難しい場合もある。そもそも、自主規制を策定する主体としての事業者団体が未形成又は形成途上の業界もある。
    • 以上のように、自主規制には一定の限界も存在することから、自主規制と行政規制との間で適切な役割分担を図るという発想が必要である。特に、悪質な事業者については自発的な法令遵守を期待することは困難であることから、このような事業者への対策としては、むしろ行政が積極的な役割を果たす必要がある。
  • アフィリエイト広告 課題
    • アフィリエイト広告は悪質なお試し商法等のきっかけとなるような事例も多数あり、消費者被害の未然防止の観点から、悪質事業者の排除及び適正な広告表示に向けた取組等が行政及び事業者団体によって実施されることが重要であると考えられる。行政の取組として、消費者庁においては、令和3年3月1日付けで虚偽・誇大なアフィリエイト広告に関して注意喚起を実施し、同月3日にアフィリエイトサイトの表示内容を決定しているとして、広告主に対して景品表示法に基づく措置命令を実施している。
    • 一方、日本アフィリエイト協議会においても、悪質な事業者の情報収集を行い、その情報を関係行政機関や外部団体に共有するなど、悪質事業者排除のための取組がなされている。上記のような行政の取組とともに、事業者団体による自主規制が機能することが期待される。また、適正な広告表示に向けた取組として、事業者団体によるアフィリエイト広告に係る事業者及び個人への啓発活動を行うことも重要であると考えられる。特に、ASPにおいては、アフィリエイターを束ねる立場の事業者であることから、自社と契約するアフィリエイターの管理及び広告画面の確認等により、適正な広告表示を促進する役割も期待される
  • 後払い決済サービス 課題
    • 後払い決済サービスは悪質なお試し商法での利用例があり、被害の未然防止の観点からは、事業者による過剰与信防止や苦情処理、加盟店調査等の実施が求められるところである。
    • ヒアリングを行った後払い決済サービス事業者においては、自主的な取組を進めている様子がみられたが、事業者の自主的な取組に委ねられており、事業者ごとに対応の差が生じる可能性がある。消費者利益の観点からは、事業者間における情報共有や、業界としての統一したルールの策定が必要であると考えられる
  • ターゲティング広告 課題
    • 行政規制及び事業者団体等による自主的取組が進められているが、ターゲティング広告の仕組みは複雑であり、消費者がその仕組みを理解するのは容易ではない。今後の課題として、事業者によって開示される情報等が消費者にとって理解しやすいものになっているか、ターゲティングから離脱する際のオプトアウトの設定方法が消費者にとって利用しやすいものとなっているか等といった消費者の視点を踏まえた対応が重要である。
    • さらに、ターゲティング広告を利用する際に消費者から取得する情報が、取得された時点では個人識別性を有しなかったとしても、様々な事業者への第三者提供を通じて、個人識別性が高まる懸念もある。ターゲティング広告に関係する事業者はこの点に十分留意し、消費者の認知限界を踏まえ、消費者の期待に反して利用しないという観点から対応することが重要である。特に、機微情報等は慎重に扱うべき情報として要保護性が高いため、ターゲティング広告に利用する際は、事業者・事業者団体による自主規制が機能することが期待される。消費者利益に資する取組を行う事業者を消費者が評価し、選択することができるよう、各事業者の取組が積極的に開示されるよう促すことが必要であると考えられる
  • CtoC 取引 課題
    • 偽造や違法な商品の出品排除、苦情対応等(当事者間での解決が難しいトラブルへの関与等)は、基本的に個社の取組に委ねられている。これにより、事業者ごとに対応の差が生じる可能性があるため、消費者利益に資する先進的な取組を行う事業者を参考にし、業界として統一したルールの策定が行われることが望ましいと考えられる。
    • また、消費者利益に資する先進的な取組を行う事業者を消費者・消費者団体が評価し、選択できるよう、各事業者の取組状況が開示されるよう促すことが必要と考えられる
  • 新しい取引分野の特徴
    • 上記整理を踏まえて、新しい取引分野の特徴を明らかにする。ただし、新しい取引分野の状況は多様であり、以下で述べる特徴の全てが上記で述べた各分野に該当するとは限らないことに留意する必要がある。
      1. 行政規制の不存在
        • 新しい取引分野では、監督官庁や行政規制の適用の有無が不明確であり、そもそも行政規制が存在しないこともある。行政規制が存在しない場合、事業者・事業者団体が自主規制を整備しようとしても、手がかりとなる行政規範が乏しいため、自主規制の整備が十分に進まない可能性がある。このような場合にどのように対応していくべきかについては、後記第5・2で検討するが、上記第1・3で指摘したとおり、自主規制には一定の限界があることに留意しつつ、消費者利益確保の観点から自主規制を有効に活用していくことが必要となるとともに、自主規制の実効性が十分に確保されない場合には、行政規制の導入を検討することが必要と考えられる。
      2. 参考となる隣接分野の不存在
        • 隣接する取引分野において、一定の行政規制が整備されている場合、これを参照しつつ自主規制を整備・運用することが可能である。しかし、新しい取引分野では、隣接分野との連携が難しく(そもそも隣接分野がない可能性もある)、このような方法で自主規制を整備することが難しい場合がある。
      3. 個別の事業者による対応の限界
        • 新しい取引分野では、事業者団体が存在しない又は組織される途上にある場合がある。事業者団体が存在しなければ、自主規制の策定や遵守は個別の事業者による対応に委ねられることになる。しかし、これでは社内規則の域を出ることは難しく、とりわけ遵守状況のモニタリングや違反に対する実効性の確保が課題となると考えられる。
      4. 市場の選択圧力の弱さ
        • 市場の選択圧力が構造的に働きにくい可能性のある分野がある。例えばデジタルプラットフォームは、多面市場におけるネットワーク効果や低い限界費用等の要因によって独占・寡占に至りやすく、ロックイン(囲い込み)効果が働きやすいとの指摘がある。したがって、デジタル・プラットフォーマーについては、一般の事業者よりも市場の選択圧力が働きにくい可能性が考えられる。
  • 望ましい自主規制の整備・運用の在り方 行政規制が存在しない分野
    1. 事業者団体と行政の担う役割
      • 以下では、行政規制が存在しない分野において、自主規制の実効性を確保するために重要と考えられる要素を整理する。その際、上記第5・1で述べた共同規制の考え方を踏まえ、行政と事業者・事業者団体による適切な役割分担・連携の関係を構築することが重要と考えられる。以下で示す要素には、専ら行政がその役割を担うもの、行政と事業者・事業者団体のいずれか、あるいは両方がその役割を担うものがある。自主規制を実効的に機能させる仕組みを構築するに際しては、各要素についていずれかの側が担わなければならないことがあらかじめ決まっているわけではなく、各分野の実情に合わせて柔軟に組み合わせることが重要と考えられる。
    2. 整備段階
      1. 規範の提示
        • WGでのヒアリング等の結果からは、我が国で自主規制の整備が進んでいる分野では、自主規制がそれぞれの分野の行政規制のなかに直接位置付けられているものが比較的多いほか、直接的な位置付けがない分野においても、詳細な内容の行政規制が自主規制を策定する際の事実上の指針として機能することにより、事業者団体による自主規制の整備を促進する関係にあることがうかがわれた(上記第2・4(1)及び(2))。
        • 他方、行政規制が明確に示されていない分野については、自主規制の整備・運用が十分に進んでいない傾向にあることに鑑みれば、まずは行政において行為規範の大枠を示すことが重要と考えられる。その際、行為規範を示すための方法は法令に限定されるものではなく、ガイドライン等によることも考えられる。
      2. 事業者団体・第三者機関の創設・支援
        • 事業者団体は、自主規制を策定し、加盟事業者による遵守状況についてモニタリングを行い、違反に対してエンフォースメントを行う機関として重要な役割を果たしている。したがって、事業者団体が存在しない分野においては、行政が事業者団体の設立を促し、支援することが必要と考えられる。また、認証やモニタリングを行う第三者機関の設立についても、行政が支援することも考えられる。
      3. マルチステイクホルダープロセス・策定手続の透明性
        • 自主規制の内容を様々な利害関係者の意見を取り入れて策定すること(マルチステイクホルダープロセス)は、当該自主規制の適用を受ける事業者の活動をより適正なものにするために重要であるほか、消費者からの信頼を向上する観点からも重要であると考えられる。マルチステイクホルダープロセスを実現するための手段として、民間協議会や官民協議会の枠組みを整備・活用することも考えられる。
        • また、自主規制の策定手続が透明化されることは、規制内容の適正性の担保や消費者からの信頼性の確保の観点からも重要であり、策定手続についての情報開示を促進することが望まれる。
    3. 運用段階
      1. 自主規制遵守の実効性確保
        • 自主規制は、事業者によって遵守されなければ意味がない。遵守状況については、事業者団体等による調査・監査等の方法によって適切なモニタリングがなされるべきであり、違反に対しては何らかの制裁措置(事業者名の公表等の手段を含む)が設けられることが望ましい。
        • また、適用範囲が広く、個別の規制法令では対応することができない事案については、受け皿的に機能する行政規制が設けられていれば、その規制権限を背景として、新しい取引分野など行政規制の整備が十分に進んでいない分野における実効的な自主規制の整備・運用を促していくことも考えられる。中長期的には、このような観点も踏まえた共同規制の枠組を構築することも考えられる。
      2. 消費者をはじめとする市場のステイクホルダーからの評価
        • 消費者をはじめとする市場の関係者からからの評価は、事業者に対して、自主規制を遵守するインセンティブを与える。事業者は、消費者等からの評価を受ける前提として、自主的取組について積極的に情報開示を行うべきである。
        • それと同時に、自主規制に取り組んでいる事業者・事業者団体を適切に評価する消費者の意識の醸成も必要であるほか、消費者の利益を代表する者として、消費者団体の果たす役割も重要である。今後、消費者団体は事業者・事業者団体による自主的な取組を適切に評価できるよう、電子商取引分野をはじめとする新しい取引分野についても専門的な知見を高めていく必要があるほか、行政としてもそのような役割を担う消費者団体を育成・支援することが必要である。
        • 消費者をはじめとする市場のステイクホルダーからの評価を強化する方法としては、行政または事業者団体が優れた取組を行う事業者・事業者団体に積極的評価を与える表彰制度・認証制度等を活用することも考えられる。また、消費者団体が各事業者・事業者団体による自主的な取組について、一定の基準に基づき格付けを行い、その結果を公表するといった方法も考えられる。
      3. 紛争解決機能
        • 事業者団体の取組によって個別の紛争が解決されることは、ルールの実効性確保に資するものである。また、事業者団体によって紛争解決手段が提供されていることは、消費者からの信頼性を高めるものでもあることから、一定の紛争解決機能が整備されることが望まれる。紛争解決手続を進めるに当たっては、手続きの公平性や透明性等を確保する観点から、専門家や消費者・消費者団体等の第三者をメンバーに加えることが必要である。
      4. 自主的取組の運用状況のモニタリング
        • 個別の自主規制違反事例が適切に是正されることや個別の紛争が解決されることも重要であるが、行政ないし事業者団体が自主規制の運用状況を定期的にモニタリングすることによって、自主的取組を俯瞰的に評価し、制度全体が定期的に見直されることが望まれる。この定期的なモニタリングの枠組みの中に、消費者・消費者団体を含めることも考えられる。
      5. 運用段階の透明性
        • 自主規制の内容、遵守状況、違反に対するサンクションの発動事例等が、外部に対して開示されていなければ、行政による監視は機能しない。
        • また、消費者の立場からすれば、これらが開示されることによってはじめて、自主的取組を行う事業者・事業者団体への評価が可能となる。このため、事業者・事業者団体の自主的な取組の状況等については積極的に情報開示を行い、外部からの透明性を高めるよう努めるべきである。

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内閣府 第348回 消費者委員会本会議
▼【資料1】 公益通報者保護法の一部を改正する法律による改正後の公益通報者保護法第11条第4項の規定に基づく指針の作成について(諮問)
  • 第1 はじめに
    • この指針は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)第11条第4項の規定に基づき、同条第1項に規定する公益通報対応業務従事者の定め及び同条第2項に規定する事業者内部における公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。
  • 第2 用語の説明
    • 「公益通報」とは、法第2条第1項に定める「公益通報」をいい、処分等の権限を有する行政機関やその他外部への通報が公益通報となる場合も含む。
    • 「公益通報者」とは、法第2条第2項に定める「公益通報者」をいい、公益通報をした者をいう。
    • 「内部公益通報」とは、法第3条第1号及び第6条第1号に定める公益通報をいい、通報窓口への通報が公益通報となる場合だけではなく、上司等への報告が公益通報となる場合も含む。
    • 「事業者」とは、法第2条第1項に定める「事業者」をいい、営利の有無を問わず、一定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行を行う法人その他の団体及び事業を行う個人であり、法人格を有しない団体、国・地方公共団体などの公法人も含まれる。
    • 「労働者等」とは、法第2条第1項に定める「労働者」及び「派遣労働者」をいい、その者の同項に定める「役務提供先等」への通報が内部公益通報となり得る者をいう。
    • 「役員」とは、法第2条第1項に定める「役員」をいい、その者の同項に定める「役務提供先等」への通報が内部公益通報となり得る者をいう。
    • 「退職者」とは、労働者等であった者をいい、その者の法第2条第1項に定める「役務提供先等」への通報が内部公益通報となり得る者をいう。
    • 「労働者及び役員等」とは、労働者等及び役員のほか、法第2条第1項に定める「代理人その他の者」をいう。
    • 「通報対象事実」とは、法第2条第3項に定める「通報対象事実」をいう。
    • 「公益通報対応業務」とは、法第11条第1項に定める「公益通報対応業務」をいい、内部公益通報を受け、並びに当該内部公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその是正に必要な措置をとる業務をいう。
    • 「従事者」とは、法第11条第1項に定める「公益通報対応業務従事者」をいう。
    • 「内部公益通報対応体制」とは、法第11条第2項に定める、事業者が内部公益通報に(別添)応じ、適切に対応するために整備する体制をいう。
    • 「内部公益通報受付窓口」とは、内部公益通報を部門横断的に受け付ける窓口をいう。
    • 「不利益な取扱い」とは、公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して行う解雇その他不利益な取扱いをいう。
    • 「範囲外共有」とは、公益通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲を超えて共有する行為をいう。
    • 「通報者の探索」とは、公益通報者を特定しようとする行為をいう。
  • 第3 従事者の定め(法第11条第1項関係)
    1. 事業者は、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して公益通報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者を、従事者として定めなければならない。
    2. 事業者は、従事者を定める際には、書面により指定をするなど、従事者の地位に就くことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により定めなければならない。
  • 第4 内部公益通報対応体制の整備その他の必要な措置(法第11条第2項関係)
    1. 事業者は、部門横断的な公益通報対応業務を行う体制の整備として、次の措置をとらなければならない。
      1. 内部公益通報受付窓口の設置等
        • 内部公益通報受付窓口を設置し、当該窓口に寄せられる内部公益通報を受け、調査をし、是正に必要な措置をとる部署及び責任者を明確に定める。
      2. 組織の長その他幹部からの独立性の確保に関する措置
        • 内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に係る公益通報対応業務に関して、組織の長その他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性を確保する措置をとる。
      3. 公益通報対応業務の実施に関する措置
        • 内部公益通報受付窓口において内部公益通報を受け付け、正当な理由がある場合を除いて、必要な調査を実施する。そして、当該調査の結果、通報対象事実に係る法令違反行為が明らかになった場合には、速やかに是正に必要な措置をとる。また、是正に必要な措置をとった後、当該措置が適切に機能しているかを確認し、適切に機能していない場合には、改めて是正に必要な措置をとる。
      4. 公益通報対応業務における利益相反の排除に関する措置
        • 内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関し行われる公益通報対応業務について、事案に関係する者を公益通報対応業務に関与させない措置をとる。
    2. 事業者は、公益通報者を保護する体制の整備として、次の措置をとらなければならない。
      1. 不利益な取扱いの防止に関する措置
        • 事業者の労働者及び役員等が不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をとるとともに、公益通報者が不利益な取扱いを受けていないかを把握する措置をとり、不利益な取扱いを把握した場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
        • 不利益な取扱いが行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。
      2. 範囲外共有等の防止に関する措置
        • 事業者の労働者及び役員等が範囲外共有を行うことを防ぐための措置をとり、範囲外共有が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
        • 事業者の労働者及び役員等が、公益通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できないなどのやむを得ない場合を除いて、通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとる。
        • 範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。
  • 事業者は、内部公益通報対応体制を実効的に機能させるための措置として、次の措置をとらなければならない。
    1. 労働者等及び役員並びに退職者に対する教育・周知に関する措置
      • 法及び内部公益通報対応体制について、労働者等及び役員並びに退職者に対して教育・周知を行う。また、従事者に対しては、公益通報者を特定させる事項の取扱いについて、特に十分に教育を行う。
      • 労働者等及び役員並びに退職者から寄せられる、内部公益通報対応体制の仕組みや不利益な取扱いに関する質問・相談に対応する。
    2. 是正措置等の通知に関する措置
      • 書面により内部公益通報を受けた場合において、当該内部公益通報に係る通報対象事実の中止その他是正に必要な措置をとったときはその旨を、当該内部公益通報に係る通報対象事実がないときはその旨を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、当該内部公益通報を行った者に対し、速やかに通知する。
    3. 記録の保管、見直し・改善、運用実績の労働者等及び役員への開示に関する措置
      • 内部公益通報への対応に関する記録を作成し、適切な期間保管する。
      • 内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検を実施し、必要に応じて内部公益通報対応体制の改善を行う。
      • 内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に関する運用実績の概要を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において労働者等及び役員に開示する。
    4. 内部規程の策定及び運用に関する措置
      • この指針において求められる事項について、内部規程において定め、また、当該規程の定めに従って運用する
▼【追加資料】 公益通報者保護法の一部を改正する法律による改正後の公益通報者保護法第11条第4項の規定に基づく指針の策定について(回答)
  1. 指針の解説の作成
    1. 総論
      • 指針は、改正後の公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置を明らかにするものであることから、本来は指針自体に具体的な内容を記載することが求められるところ、消費者庁からは、指針とは別途、指針の解説(以下「解説」という。)を作成し、解説において、「公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会報告書」(令和3年4月)(以下「報告書」という。)と「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」(平成28年12月)(以下「ガイドライン」という。)の内容を統合するとの説明がなされた。
      • このため、解説を作成するに当たっては、報告書及びガイドラインとの関係を整理すること、事業者に求められる義務的事項(指針の内容を具体化した例等)及び推奨事項を明確に区分すること、指針に規定される用語の説明を解説にも掲載すること等を行った上で、事業者、公益通報対応業務従事者、労働者等が、指針と併せて解説を参照すれば必要な対応について具体的に理解することができるよう、十分に分かりやすいものとすべきである。
    2. 解説の内容
      • また、解説を作成するに当たっては、以下の事項について、特に留意すべきである。
        1. 匿名の公益通報の受付及び取扱い
          • 内部公益通報対応制度の実効性を確保するためには、顕名の公益通報と同様に匿名の公益通報も受け付けることが重要であることから、匿名の公益通報を受け付ける旨、及び匿名性が保たれるような公益通報者との連絡方法等について十分に明らかにする必要がある。
        2. 公益通報対応業務の担当部署への調査権限の付与及びその実効性確保
          • 内部公益通報対応を適切かつ実効的に行うため、事業者の組織において、公益通報対応業務の担当部署に必要な調査権限を付与するとともに、調査権限を実効的に行使できる体制を構築すべきことを十分に明らかにする必要がある。
        3. 範囲外共有の防止に関する措置
          • 範囲外共有防止の徹底を図るため、事業者の組織において、公益通報者を特定させる情報を共有する必要最小限度の人員又は部署の範囲を明確に定めるべきこと、また、公益通報者を特定させる情報を上記の範囲を越えて共有する際には、共有の目的・範囲を説明した上で、公益通報者の同意を得るべきことを十分に明らかにする必要がある。
          • また、範囲外共有がなされた場合には、事後的な救済回復の措置に限界があることから、防止に関する措置が実効的に講じられることが重要である旨、及び防止措置の具体的な内容を十分に明らかにする必要がある。
        4. 事業者による公益通報対応業務従事者に対する教育・周知
          • 事業者は、公益通報対応業務従事者が、公益通報の受付、調査、是正に必要な措置等の各局面において適切に対応し、労働者等が躊躇なく安心して通報できる環境を整えるよう、実践的な教育を実施すべきことを十分に明らかにする必要がある。
        5. 事業者における内部公益通報対応体制及びその運用の見直し
          • 内部公益通報対応体制の実効性を確保するため、事業者において、内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検等を実施し、必要に応じ、体制及び運用の見直しも含めた改善を行うべきことを十分に明らかにする必要がある。
  2. 事業者、公益通報対応業務従事者、労働者等への周知・広報の徹底
    • 内部公益通報対応体制の実効性を確保するためには、指針及び解説の内容が事業者、公益通報対応業務従事者、労働者等に適切に理解されることが重要であり、公益通報ハンドブック、リーフレット、事例集、動画、ソーシャルメディア、説明会の実施等の各種の手段を活用しつつ、指針及び解説には書き切れなかった具体的な事案への対応例等も含め、周知・広報を行うべきである。
    • なお、人的・資金的な資源に制約のある中小事業者においても適切に内部公益通報対応体制が整備されることが望まれることから、中小事業者に対してはとりわけ丁寧な周知・広報を継続的に実施すべきである。
  3. 指針等の見直し
    • 内部公益通報対応体制の実効性を持続的に向上させるため、事業者による内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検等の実施を促すとともに、指針の運用状況等に関する検証・評価の結果を踏まえ、必要に応じ、指針及び解説の内容並びに運用方法について見直しを行うべきである

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国民生活センター 国民生活センターをかたる電話やメール等にご注意ください!
  • 「国民生活センターの○○課の○○」などと、当センターや当センターの職員をかたるメールやはがき、電話等に十分ご注意ください。
  • このような電話やメール、ハガキが送られて来ても、絶対に相手に連絡をせず、すぐに、お近くの消費生活センター等にご一報ください。
  • 国民生活センターが、当センターに相談したことのない人にメールや電話等で、以下のように連絡をとることは絶対にありません。
    • 「○○金のため…」
    • 「訴訟で○○するように…」
    • 「○○の申請が必要…」
  • また、メールから国民生活センターのロゴを使ったサイト(国民生活センターをかたった偽のサイト)に誘導しようとするメール等の情報も寄せられています。
  • これまでに寄せられた相談事例 ※2021年7月26日更新
    1. 最近の事例
      • 国民生活センターの送金担当を名乗る人から、『「税処理委託」申請が必要で、いつまでも手続きを完了しない場合には、行政より強制的に自己破産していただくことなる』という内容のメールが届いた。
      • 「国民生活センターXと申します。”詐欺サイト”より押収したパソコンから顧客情報として下記アドレスが登録されております。」とどこかのサイトに誘導するリンクのついたメールが届いた。
      • 国民生活センターの職員を名乗る人から、「過去に利用した出合い系サイトで”キャンペーン”と称し、何度も課金をされた覚えはないでしょうか?示談金の支払いが可能です」という内容のメールがきた。
      • 独立行政法人国民生活相談センターというところから、「あなたが以前契約された訪問販売会社に対して、未納料金または契約不履行により当社から簡易裁判所に訴訟を提起されたことを報告いたします。至急連絡を下さい。このまま連絡がない場合は、裁判所の日程を決定する執行が行われます。」旨のハガキが届いた。私は全く身に覚えが無い。詐欺だろうか。
    2. 国民生活センターをかたるはがきの内容
    3. 確認通知書
      令和3年●月●日 管理番号(●)第●●●号
      この度ご通知致しましたのは、貴方が以前契約された訪問販売会社に対して未納料又は、契約不履行による当該会社が管轄裁判所に訴訟提起された事を報告致します。
      当該会社、訴訟内容につきましては担当職員に管理番号をお伝え下さい。国民生活相談センターは訴訟内容の正当性を確認する機関になりますので原則としてご本人様からのご連絡をお願いしております。
      尚、再三にわたる呼び出しに応じないで裁判を放置していた方が執行官立会いのもと、給料や財産を差押さえられる事例がありますので十分ご注意ください。
      ※ 至急連絡をください。このままご連絡無き場合は、裁判の日程を決定する執行が執り行われます。
      コロナウィルス感染症対策のため至急連絡をください。
      (土・日・祭日を除く) 9:00~17:00
      〒105-0022 東京都港区海岸●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
      相談窓口 03-●●●●-●●●●
      独立行政法人 国民生活相談センター
    4. 過去の事例
      • 国民生活センターのXを名乗る人物からメールが届き、記載されていたURLをクリックしたところ、国民生活センターのロゴマークが掲載されているサイトが表示された。「1通でも悪徳サイトからメールを送られている被害者様へ≪払戻し金 300,000-≫今、当センターを通して選出されている皆様へ悪徳サイトから徴収したお金を返金させて頂いております。」と書かれていた。本当に返金してくれるのか。
      • メールが届き、記載されていたURLにアクセスしたところ、国民生活センターのロゴを使ったサイトにアクセスした。
      • 内容は、「相手方の弁護士様より、ご自宅に裁判所出廷通知が送られます。裁判所出廷通知が届けば如何なる理由があろうと裁判所に出廷をしなければならなくなる事はご存じかと思います。こちらとしては本日、示談金8000万円を着金させますのでご自身の為にも迅速なご対応をお願いします」と書かれていた。国民生活センターがこのようなメールを送ることはあるのか。
      • 国民生活センターのXと名乗る男性から「あなたの個人情報が3社に漏れている。2社は削除できたが、A社だけはできない。削除するためにはあなたの代わりの人を探す必要がある」と電話があった。代わりの人を探してくれるよう頼むと「B社のYという人がみつかった。6ケタの個人情報番号を教える」と言われ、その後に電話のあったZという人にその個人情報番号を教えたら、A社の人から「なぜ、番号を教えたのか」と電話がかかってきた。これまでに2、3回電話でやり取りをして、これから再度電話がかかってくる。信用してよいか。

~NEW~
国民生活センター「簡単にもうかる」という情報商材を購入し、有料のサポートプランを契約したが、解約したい
  • 質問
    • 「簡単にもうかる」というインターネットの広告を見て、情報商材を購入した。その後、事業者から電話があり「有料プランに入らなければもうからない。高額なプランほど色々なサポートが受けられる」と言われて高額な有料プランを契約したが、指示通りに作業してももうからないので解約したい。どうすればよいか。
  • 回答
    • 契約書、広告や購入時の画面等を印刷したものやスクリーンショット、事業者とのやり取りの記録、契約に至った経緯などを整理して、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。クレジットカードで決済している場合には、直ちにクレジットカード会社にも連絡してください。
  • 解説
    1. 情報商材とは
      • 情報商材とは、インターネットの通信販売等で、副業や投資等で高額収入を得るためのノウハウなどと称し、PDFファイル等の様々な形式で販売されているものです。購入するまで内容がわからないため、広告や説明と違い、あまり価値のない情報だったという場合があります。
    2. よく寄せられる情報商材のトラブル
      • 全国の消費生活センター等には、「自宅で簡単に稼げる」「スマホやタブレットを操作するだけで1日数十万円稼げる」などといった広告を見て情報商材を購入したが、稼げる内容ではなかった、紹介されている内容が違法なものだったなどの相談が寄せられています。
    3. 電話で勧誘を受けて契約した場合
      • 電話勧誘販売によってコンサルティングやサポートプラン等の契約をした場合、法律で定められた事項が書かれた契約書面(法定書面)を受け取った日から数えて8日以内であれば、クーリング・オフにより、違約金等を支払うことなく契約解除をすることができます。クーリング・オフができる期間は限られているため、速やかに行いましょう。また、クレジットカードで決済した場合には、直ちにカード会社に連絡し、事情を説明しましょう。
      • お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。

~NEW~
国民生活センター SNSで知り合った人に暗号資産(仮想通貨)を使った投資を勧められたが、信用できるか
  • 質問
    • SNSで知り合った人から、「必ずもうかる良い話がある。日本円を暗号資産に換えて海外事業者の専用口座に送金すると高い利息がつく」と暗号資産を使った投資を勧められた。信用できるか。
  • 回答
    • 暗号資産が詐欺的な投資の勧誘に利用されているケースがよくみられます。「必ずもうかる」という投資はありえません。安易に投資することはやめましょう。取引をする前には、暗号資産交換業の登録業者であるかを必ず確認しましょう。
  • 解説
    1. 暗号資産とは
      • 暗号資産は、インターネットを通して電子的に取引されるデータであり、日本円やドルのように、国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。様々な要因によって価格が変動するため、価格が急落し、損をする可能性があります。
    2. よく寄せられる暗号資産のトラブル
      • 全国の消費生活センター等には、友人や知人、SNS、出会い系サイトやマッチングアプリ等で知り合った人に「もうかる」と勧められて暗号資産の投資をしたが、返金されない・出金できない、投資した後、事業者と連絡が取れなくなったなどの相談が寄せられています。出金できなくなるケースでは、利用している投資サイト自体が架空のものである可能性もあり、勧誘者や事業者と連絡が取れなくなると、被害を回復することは困難です。
    3. 登録業者であるかを必ず確認
      • 暗号資産交換業者は、金融庁・財務局への登録が必要です。取引を行う前に、暗号資産交換業の登録業者であるかを金融庁のウェブサイトで必ず確認してください。海外に拠点を置く暗号資産交換業者であっても、日本国内で暗号資産交換業を行う場合や暗号資産交換業に係る取引の勧誘を行う場合には登録が必要です。
      • ただし、登録業者であっても、信用性が担保されているわけではありません。暗号資産の取引にはリスクが伴うことを十分に理解するようにしましょう。
      • お困りの際にはお近くの消費生活センター(消費者ホットライン188)にご相談ください。

~NEW~
厚生労働省 「令和3年版厚生労働白書」を公表します~第1部のテーマは「新型コロナウイルス感染症と社会保障」~
▼概要版
  • 2020年4月に休業者が急増。以降、完全失業率は緩やかに上昇。非正規雇用、特に、「女性」と「宿泊・飲食業」、「生活関連サービス・娯楽業」等の特定の業種で雇用者数が顕著に減少
  • 休業、労働時間いずれも、子育て女性への影響が大きい。フリーランスで働く者の「売上高・収入の減少」ありとの回答が多い
  • これまでにない大規模な個人や世帯に対する経済的支援策を実施(リーマンショック時の支援を大幅に強化)
  • 雇用調整助成金や休業支援金等の雇用維持支援施策により、リーマンショック時に比べ、完全失業率の上昇は抑制
  • 休業の増加や時間外労働の減少により所定外給与が大きく減少。家計所得は、各種給付金等の経済的支援の影響もあり、リーマンショック時と比べて影響は小さい
  • 失業の増加が比較的抑えられていること等もあり、被保護世帯の増加は、これまでのところ、リーマンショック時に比べ抑制
  • 就業者の約3分の1がテレワークを経験。正規雇用と非正規雇用で利用に格差
  • 自粛生活により家事・育児時間の絶対量が増加し、女性の負担が相対的に増加。男性はテレワークにより軽減された時間を充て、女性は余暇を削って対応
  • 自粛生活により、高齢者の交流機会が減少、認知機能の低下やうつ傾向の増加が懸念
  • 「集う」に代えて、フードパントリー、戸別訪問(アウトリーチ)、オンライン活用など新しい手法での「つながり」が増加
  • 2020年7月以降、自殺者が増加傾向。特に女性と若者の増加が著しい
  • 自宅で家族と過ごす時間が増加する中で、配偶者からの暴力(DV)の増加が懸念される
  • 2020年の婚姻件数、妊娠届出数は減少。感染拡大による出生数の減少が懸念される
  • オンライン診療等を実施する医療機関が約17,000カ所に
  • 医療機関への受診控えのほか、健診・検診の受診率等が低下
  • 医療費も減少し、経営への影響も見られた。介護サービスでは特に通所系で一時的に大きな影響
  • 感染者の増加に伴い病床占有率が上昇。病床確保等のために様々な支援を実施
  • 患者の受入れは、地域の実情に応じ、規模が大きい医療機関を中心に行われた。病床ひっ迫等が生じた今般の経験を踏まえ、危機に強い医療提供体制の構築等が必要
  • 各国とも巨額の経済対策を実施。雇用労働者のみならず、失業給付の対象外の労働者や個人事業主などへの経済的支援を実施。失業給付中心の国では失業率が増加、雇用維持型の国ではその上昇が抑えられた。・低所得世帯や子育て世帯を対象に、各種の生活支援策を実施
  • 新型コロナウイルス感染症への対応の中で見えてきた社会保障の課題
    • 過去30年を振り返っても、阪神・淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災など幾度となく社会的危機があり、社会保障分野では、既存の制度・事業をフル活用し、不足があるときは新たな仕組みを構築し、事態に対処してきた
    • 今般の新型コロナ感染拡大により顕在化してきた5つの課題への対応を通じてセーフティネットの重層化を図ることが、今後の社会的危機への備えとなる

~NEW~
厚生労働省 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました~働き方の変化等を踏まえた過労死等防止対策を推進~
▼(別添1)「過労死等の防止のための対策に関する大綱の変更について」(概要)
  • 課題と対策の方向性
    • 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、人手不足の状態となった医療現場や一部の職場で過重労働が明らかとなるなど、新型コロナウイルス感染症への対応や働き方の変化による過労死等の発生防止が必要であること。
    • ウィズコロナ・ポストコロナの時代の新しい働き方であるテレワーク、副業・兼業、フリーランスについて次のとおり取り組むほか、調査研究等の対象とすること。
      1. テレワーク:労働者及び使用者が安心して取り組めるよう労務管理に関するルール等を明確化したガイドラインの周知、テレワークに対応したメンタルヘルス対策の手引きの作成等を行う。
      2. 副業・兼業:労働者及び使用者が安心して取り組めるよう労働時間の通算管理ルール等を明確化したガイドラインの周知、一般健康診断等の健康確保に取り組む企業への助成金等の支援を行う。
      3. フリーランス:労働関係法令の適用関係を明らかにしたガイドラインの周知を行う。長時間労働の削減に向けた取組、過重労働による健康障害の防止対策、メンタルヘルス対策・ハラスメント防止対策等の過労死等防止対策について、更なる推進を図っていくこと。また、国家公務員・地方公務員の過労死等防止対策に関しても同様に取り組むこととすること。
  • 対策の主な取組例
    • 長時間労働の実態があり、勤務間インターバル制度の導入やメンタルヘルス対策の取組が進んでいない中小規模の企業等に対する支援を行うこと。
    • 調査研究等には、重点業種等に加え、社会情勢の変化に応じた対象を追加すること。また新型コロナウイルス感染症の影響下における労働時間等の状況、テレワーク等のオンライン活用や先端技術の進展に伴う影響等についても分析すること。
    • 調査研究等の成果を活用した、事業場における過労死等防止対策のチェックリスト等の開発等を行うこと。
    • 顧客や発注者からの取引上の都合により生じる長時間労働の削減のため、BtoBのほかGtoBについても、適正な納期・工期を設定する等商慣行改善に向けた取組について周知や協力依頼を行うこと。
    • 過労死で親を亡くした遺児の抱える様々な苦しみを軽減するための過労死遺児交流会を引き続き開催するとともに、遺児の健全な成長をサポートするための相談対応を行うこと。
  • 数値目標
    • 数値目標については、現状及び各委員のご意見を踏まえて、所要の見直しを行うこと。また、公務員についても目標の趣旨を踏まえて取り組むこととしたこと。
  • 過労死をゼロとすることを目指し、以下の数値目標を設定。公務員についても、目標の趣旨を踏まえ、必要な取組を推進。
    1. 週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下(令和7年まで)
    2. 労働者数30人以上の企業のうち、
      • 勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を5%未満(令和7年まで)
      • 勤務間インターバル制度を導入している企業割合を15%以上(令和7年まで)特に、勤務間インターバル制度の導入率が低い中小企業への導入に向けた取組を推進する。
    3. 年次有給休暇の取得率を70%以上(令和7年まで)
    4. メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上(令和4年まで)
    5. 仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上(令和4年まで)
    6. ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上(令和4年まで)

~NEW~
厚生労働省 令和3年度 出生に関する統計の概況
  • 出生数の推移をみると、第2次世界大戦後、繰り延べられた結婚・出産による昭和22~24年の「第1次ベビーブーム」期(24年270万人)と、その時期に生まれた女性による46~49年の「第2次ベビーブーム」期(48年209万人)の2つの山がみられた後は減少傾向にあり、平成28年以降は100万人を下回って推移している。
  • また、合計特殊出生率は、「第1次ベビーブーム」期には4を超えていたが、その後、急激に低下し、昭和30年頃からは2前後で推移していた(「ひのえうま」の41年を除く)。第2次ベビーブーム期の46年に2.16まで回復したが、49年に2.05と人口置換水準(同年2.11)を下回り、平成17年には1.26と過去最低を記録した。18年以降は緩やかな上昇傾向にあったが、28年以降は再び低下し、令和元年は1.36となっている。
  • 妻の平均初婚年齢は上昇傾向にあり、晩婚化が進んでいる。昭和55年に25.2歳、平成6年に26.2歳と、1歳上昇するのに14年かかったところ、平成13年に27.2歳(1歳上昇するのに7年)、18年に28.2歳(1歳上昇するのに5年)、24年に29.2歳(1歳上昇するのに6年)と、上昇のスピードが速かったが、令和元年に29.6歳と、近年は緩やかな上昇となっている。
  • 母の出生時平均年齢も上昇傾向にあり、晩産化が進んでいる。平成15年に第2子が30.7歳であったが、27年には第1子が30.7歳と12年間で1人分の差が生じている。27年以降は第1子が30.7歳で横ばいとなっている。
  • 父母が結婚生活に入ってから出生までの平均期間は、第1子及び第2子はともに長くなり、第3子については6年台後半で推移している。
  • 累積出生率を出生年別にみると、39歳時点における累積出生率は、昭和55年生まれ(令和元年に39歳)の女性では1.43となっている。34歳時点における累積出生率は、昭和60年生まれ(令和元年に34歳)の女性では1.16となっている。また、29歳時点における累積出生率は、平成2年生まれ(令和元年に29歳)の女性では0.59となっている。39歳・34歳・29歳の各年齢における累積出生率は、昭和30年生まれ以降、低下傾向となっていたが、52年生まれ以降は60年生まれまでほぼ横ばいで推移している。一方、29歳の累積出生率をみると、60年生まれ以降再び低下傾向となっている。
  • 出生年別に「子を生んでいない女性の割合」(1から「第1子累積出生率」を引くことによって算出)をみると、40歳時点では、昭和28年生まれの者は10.2%であったが、世代を追うごとに上昇傾向にあり、46年生まれの者は29.4%となっている。それ以後はほぼ横ばいとなっている。また30歳時点では、昭和28年生まれの者は18.0%であったが、世代を追うごとに上昇傾向にあり、48年生まれで51.0%と5割を超え、平成元年生まれは56.6%となっており、昭和48年以降に生まれた女性については、約半数が30歳時点で子を生んでいない。なお、女性の未婚率も年を追うごとに上昇している
  • 「結婚期間が妊娠期間より短い出生」の「嫡出第1子出生」に占める割合を母の年齢階級別にみると、令和元年には「15~19歳」で8割、「20~24歳」で6割、「25~29歳」で2割、30歳以降で1割となっており、年齢層が若いほど高くなっている。近年は20歳代が緩やかに低下している。
  • 母の年齢階級別出生率を都道府県別にみると、38の都道府県で「30~34歳」の出生率が「25~29歳」の出生率を上回っている。合計特殊出生率の最も高い沖縄県は、年齢階級別出生率では「20~24歳」及び「35~39歳」で上位1位、「30~34歳」で上位2位となっている。一方、最も低い東京都は、「20~24歳」及び「25~29歳」で下位1位、「30~34歳」で下位4位である反面、「35~39歳」では上位2位となっている。
  • 合計特殊出生率が前年と比べて上昇している都道府県では「25~29歳」がプラスに寄与している。また、「25~29歳」と「30~34歳」の寄与の大きさを比較すると、「25~29歳」の方が大きいところと「30~34歳」の方が大きいところが半々である
  • 令和元年の「結婚期間が妊娠期間より短い出生」の「嫡出第1子出生」に占める割合を都道府県別にみると、東北地方及び九州地方では高率の県が多く、関東地方、中部地方及び近畿地方で低率の都府県が多くなっている

~NEW~
厚生労働省 令和2年度雇用均等基本調査
▼企業調査
  • 正社員・正職員に占める女性の割合は27.2%と、前回調査(令和元年度25.7%)より1.5ポイント上昇した。これを職種別にみると、総合職20.2%、限定総合職32.6%、一般職35.4%、その他29.5%となっている
  • 女性の正社員・正職員に占める各職種の割合は、一般職が43.0%と最も高く、次いで総合職36.0%、限定総合職11.2%の順となっている。男性の正社員・正職員に占める各職種の割合は、総合職が52.8%と最も高く、次いで一般職29.0%、限定総合職8.6%の順となっている
  • 令和2年春卒業の新規学卒者を採用した企業割合は20.6%と、前回調査(令和元年度21.2%)より0.6ポイント低下した。このうち、男女とも採用した企業が40.6%(同42.1%)と最も多くなっている。
  • 新規学卒者の採用を行った企業を規模別にみると、企業規模が大きいほど女性を採用した企業割合が高い傾向にあり、5,000人以上規模では100.0%、1,000~4,999人規模では95.8%となっている。女性を採用した企業を採用者に占める女性の割合別にみると、「80%以上」の企業割合が37.1%と最も高く、次いで「20%以上40%未満」21.7%、「40%以上60%未満」21.2%、の順となっている
  • 女性管理職を有する企業割合についてみると、課長相当職以上の女性管理職(役員を含む。以下同じ。)を有する企業割合は52.8%(令和元年度51.9%)、係長相当職以上の女性管理職(役員を含む。以下同じ。)を有する企業割合は61.1%(同59.4%)となっている。また、女性管理職を有する企業割合を役職別にみると、部長相当職ありの企業は13.1%(同11.0%)、課長相当職は20.8%(同18.4%)、係長相当職は22.6%(同19.5%)となっている
  • 規模別にみると、規模が大きくなるほど、各管理職の女性を有する企業割合が高くなる傾向にあり、5,000人以上規模では、部長相当職の女性管理職を有する企業が72.3%、課長相当職の女性管理職を有する企業が92.1%、1,000~4,999人規模では、部長相当職の女性管理職を有する企業が40.2%、課長相当職の女性管理職を有する企業が81.8%となっている
  • 課長相当職以上の管理職に占める女性の割合(以下、「女性管理職割合」という。)は12.4%と、前回調査(令和元年度11.9%)より0.5ポイント上昇、係長相当職以上の女性管理職割合は14.6%と、前回調査(同13.7%)より0.9ポイント上昇した。それぞれの役職に占める女性管理職割合は、役員では20.3%(同20.1%)、部長相当職では8.4%(同6.9%)、課長相当職では10.8%(同10.9%)、係長相当職では18.7%(同17.1%)となっている。
  • 規模別にみると、いずれの管理職割合においても10~29人規模が最も高く、部長相当職の女性管理職割合が16.6%、課長相当職が16.1%、係長相当職が27.2%となっている
  • 課長相当職以上の女性管理職割合を産業別にみると、医療,福祉(49.0%)が突出して高くなっており、生活関連サービス業,娯楽業(23.5%)、教育,学習支援業(22.5%)、宿泊業,飲食サービス業(19.0%)と続いている
  • セクシュアルハラスメントを防止するための対策に「取り組んでいる」企業割合は82.0%と、前回調査(令和元年度80.2%)より1.8ポイント上昇した。規模別にみると、企業規模が大きいほど割合が高く、5,000人以上では100.0%、1,000~4,999人では99.8%、300~999人では99.2%、100~299人では97.1%、30~99人では89.0%、10~29人では76.4%となっている
  • セクシュアルハラスメントを防止するための対策に取り組んでいる企業の取組内容(複数回答)をみると、「就業規則・労働協約等の書面で内容及び、あってはならない旨の方針を明確化し、周知している」が69.5%と最も高く、次いで、「行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、周知している」が50.5%、「当事者等のプライバシー保護に必要な措置を講じ、周知している」が50.2%、「相談・苦情対応窓口を設置している」が49.5%となっている
  • 過去3年間に、セクシュアルハラスメントに関する相談実績又は事案のあった企業は5.4%であった。規模別にみると、企業規模が大きいほど割合が高く、5,000人以上規模では77.9%、1,000~4,999人規模では61.8%となっている。相談実績又は事案のあった企業のうち、その事案にどのように対応したかをみると(複数回答)、「事実関係を確認した」が87.2%であった
  • 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止するための対策に「取り組んでいる」企業割合は76.5%と、前回調査(令和元年度75.7%)より0.8ポイント上昇した。規模別にみると、5,000人以上では99.6%、1,000~4,999人では99.8%、300~999人では97.4%、100~299人では93.6%、30~99人では84.1%、10~29人では70.1%となっている
  • 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止するための対策に取り組んでいる企業の取組内容(複数回答)をみると、「就業規則・労働協約等の書面で方針を明確化し、周知している」が60.2%と最も高く、次いで、「業務体制の整備など、事業主や妊娠した労働者その他労働者の実情に応じ、必要な措置を行っている」が47.5%、「相談・苦情対応窓口を設置している」が47.3%となっている
  • 過去3年間に、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントに関する相談実績又は事案のあった企業は0.4%であった。規模別にみると、5,000人以上規模では25.2%、1,000~4,999人規模では12.2%となっている。相談実績又は事案のあった企業のうち、その事案にどのように対応したかをみると(複数回答)、「再発防止に向けた措置を講じた」が67.9%、「事実関係を確認した」が57.8%、「被害者に対する配慮を行った」が54.9%であった
  • パワーハラスメントを防止するための対策に「取り組んでいる」企業割合は79.5%と、前回調査(令和元年度37.9%)より41.6ポイント上昇した。規模別にみると、企業規模が大きいほど取り組んでいる企業割合が高く、5,000人以上では100.0%、1,000~4,999人では99.8%、300~999人では97.4%、100~299人では94.7%、30~99人では84.3%、10~29人では74.7%となっている。
  • パワーハラスメントを防止するための対策に取り組んでいる企業の取組内容(複数回答)をみると、「就業規則・労働協約等の書面で方針を明確化し、周知している」が62.7%と最も高く、次いで、「相談・苦情対応窓口を設置している」が49.4%、「当事者等のプライバシー保護に必要な措置を講じ、周知している」が49.1%となっている
  • 過去3年間に、パワーハラスメントに関する相談実績又は事案のあった企業は9.5%であった。規模別にみると、企業規模が大きいほど割合が高く、5,000人以上規模では89.6%、1,000~4,999人規模では78.7%、300~999人規模では41.8%となっている。相談実績又は事案のあった企業のうち、その事案にどのように対応したかをみると(複数回答)、「事実関係を確認した」が88.4%、「被害者に対する配慮を行った」が77.8%、「行為者に対する措置を行った」が76.4%であった

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厚生労働省 多様化する労働契約のルールに関する検討会 第5回資料
▼資料1 無期転換ルールと多様な正社員の雇用ルール等に関する実態調査の概況
  • 有期契約労働者を雇用している事業所の割合は4割超となっている。常用労働者に占める正社員の割合は約6割、有期契約労働者の割合は約2割であり、有期契約労働者の職務タイプとしては「軽易職務型」の割合が最も高い。人事管理上、最も重要な職務タイプの割合が最も高いのは「軽易職務型」であり、次いで「正社員同様職務型」となっている。
  • 概ね企業規模が大きい程、常用労働者に占める有期契約労働者の割合が高くなっている。
  • 常用労働者に占める有期契約労働者の割合を業種別にみると、「教育、学習支援業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」の順で割合が高くなっている。
  • 有期契約労働者、無期転換者とも女性の割合が高いが、無期転換ルールによる無期転換者は独自制度による無期転換者に比べて特に女性の割合が高い。性別、年代ごとに見ると、男性の有期契約労働者では5割超が60代以上となっている。
  • 勤務地限定正社員は男性と女性の割合はほぼ同じで、年代では20代及び40代の割合が最も高い。職務限定正社員は男性の割合の方が若干高い。年代では40代、次いで20代の割合が高くなっている。勤務時間限定正社員は男性の割合の方が若干高く、年代では50代、次いで30代の割合が高い。いずれの限定区分であっても、勤務先の業種は「製造業」の割合が最も高く、「医療、福祉」、「卸売業、小売業」が続いている。
  • 無期転換ルールによる無期転換を申込む権利が生じた人がいる事業所のうち、「実際に無期転換申込権を行使した労働者がいる事業所」の割合は35.9%で、「無期転換申込権を行使せず継続雇用されている労働者がいる事業所」の割合は80.4%となっている。
  • 無期転換ルールにより無期転換申込権が生じた人のうち、「無期転換を申込む権利を行使した人」は約3割、「申込権を行使せず継続雇用されている人」は6割超、「既に退職している人」は1割未満となっている。年度別にみると、2018年度では「無期転換申込権を行使した人」の割合は32.4%であったのに対し、2019年度は19.8%であった。
  • 企業規模別に見ると、無期転換ルールにより無期転換申込権が生じた人のうち、「無期転換を申込む権利を行使した人」の割合が最も高いのは「1,000人以上」の企業規模で約4割となっているが、最も割合が低いのは「5~29人」の企業規模であり、1割未満となっている。既に退職した人の割合は、いずれの企業規模でも4~8%程度となっている。
  • 5年の通算期間を満たした労働者に対し、無期転換できることを「案内している」企業の割合は52.3%であり、「現状で案内していない」企業の割合は40.4%となっている。無期転換できる機会を案内する際、同時に無期転換後の労働条件を「案内している」企業の割合は89.3%となっている。
  • 無期転換ルールに関する内容や名称について何らか「知っていることがある」有期契約労働者の割合は56.3%、「知らない」割合は39.9%となっている。無期転換ルールに関する情報を入手したルートとしては「勤務先」の割合が最も高い。
  • 無期転換することを希望しない有期契約労働者の無期転換を希望しない理由について、最も割合が高いのは「高齢だから、定年後の再雇用だから」となっている。有期契約労働者となった理由別に見ると、「正社員としての働き口がなかったから」と回答した者で、最も割合が高いのは「頑張ってもステップアップが見込めないから」となっている。60歳以上かつ嘱託社員の就業形態の有期契約労働者を除いた結果についてみると「現状に不満はないから」の割合が最も高い。
  • 「過去2年間に雇止めを行ったことがある」割合は10.7%となっており、その理由としては「あらかじめ更新しない契約としていたため」の割合が最も高い。また、雇止めに関する考え方を聞いたところ、やむを得ない場合等には「雇止めを行う」割合は約4割となっている。
  • 雇止めをめぐって過去2年間に「トラブルになったことがある」割合は11.0%となっている。その原因としては、「雇止めの理由について納得してもらえなかったため」の割合が最も高く、次いで「更新後の労働条件について納得してもらえなかったため」となっている。
  • 仕事がほぼ同じ正社員と比較した待遇について、不満があるという無期転換社員の割合は52.7%。その不満の内容について、「不合理な賃金差がある」の割合が最も高い。また、正社員と比較した待遇差について、会社から説明があったという無期転換社員は15.7%、説明がなかったの62.0%。
  • 多様な正社員がいる企業は全体で18.3%となっており、企業規模が大きくなるにつれて多様な正社員がいる企業の割合が大きくなっている。限定内容別でみると、従業員1,000人以上の企業規模で勤務地限定正社員がいる企業の割合が高くなっている。
  • 限定内容別に多様な正社員がいる企業の上位を見てみると、「勤務地限定正社員がいる企業」は「金融業,保険業」が最も割合が高く、「職務限定正社員がいる企業」は「鉱業,採石業,砂利採取業」が最も割合が高く、「勤務時間限定正社員がいる企業」は「宿泊業,飲食サービス業」が最も割合が高い。
  • 限定内容別に正社員全体に多様な正社員が占める割合を見てみると、「勤務地限定正社員」、「職務限定正社員」は正社員全体に対して「10%未満」「10~20%未満」を占めるという企業の割合が高くなっており、「勤務時間限定正社員」は正社員全体に対して「10%未満」を占めるという企業の割合が高い。
  • 多様な正社員がいない理由としては、「そもそも正社員は多様な働き方が可能だから」と「全事業所が転勤を伴わない範囲内にある又は1つしか事業所がないから」の割合が高くなっている。
  • 多様な正社員の採用・補充方法では「中途・通年採用」である企業の割合が最も多い。「有期契約労働者からの転換」や「無期転換者からの転換」により多様な正社員を補充している企業の割合も約2割となっている。
  • 多様な正社員制度利用に必要な支援や配慮についていわゆる正社員に聞いたところ、「採用段階から多様な正社員の採用枠を設けてほしい」、「多様な正社員の人数を増やしてほしい」、「勤務地や職務等の限定内容に応じて、将来のキャリア展望の情報開示をしてほしい」の順に割合が高くなっている。
  • 現在の会社にほとんど同じ仕事をしている正社員がいるという多様な正社員の割合は約6割。そのうち、そうした正社員より賃金水準が低いという多様な正社員の割合は17.9%。手当等の処遇にも差があると回答があった多様な正社員が一定の割合でいた。
  • 多様な正社員と就労状況・処遇・昇進を比較した際に不満について、「不満がある」といういわゆる正社員の割合は約4割。不満を感じた事項としては、「合理的な賃金差が設けられていない」「合理的な昇進スピードの差が設けられていない」「労働時間と比較して、業務量が課題になった」の順に割合が高い。

~NEW~
経済産業省 「2020年経済構造実態調査」二次集計結果【乙調査編】の結果を取りまとめました
▼全体の概況
  • 対事業所サービス業(21業種)についてみると、「ソフトウェア業」が2万5977事業所でもっとも多く、以下、「機械修理業(電気機械器具を除く)」1万3286事業所、「広告業」8639事業所の順であった。対個人サービス業(14業種)についてみると、「教養・技能教授業(外国語会話教授業を除く)」が6万7925事業所でもっとも多く、以下、「学習塾」5万2070事業所、「外国語会話教授業」9704事業所の順であった
  • 対事業所サービス業(21業種)についてみると、「ソフトウェア業」が83万7606人でもっとも多く、以下、「情報処理・提供サービス業」19万2446人、「広告業」12万6560人の順であった。対個人サービス業(14業種)についてみると、「学習塾」が39万8703人でもっとも多く、以下、「教養・技能教授業(外国語会話教授業を除く)」22万5905人、「ゴルフ場」11万2591人の順であった。雇用形態別にみると、対事業所サービス業のうち「正社員・正職員」の比率が高い業種は、「ソフトウェア業」(89.6%)、「各種物品賃貸業」(88.2%)、「事務用機械器具賃貸業」(84.3%)の順であった。対個人サービス業のうち「パート・アルバイトなど」の比率が高い業種は、「映画館」(87.1%)、「ボウリング場」(74.6%)、「学習塾」(73.3%)の順であった
  • 対事業所サービス業(21業種)についてみると、「ソフトウェア業」が18兆8541億円でもっとも多く、以下、「広告業」9兆9695億円、「情報処理・提供サービス業」4兆9252億円の順であった。なお、「クレジットカード業,割賦金融業」は、88兆7744億円であった。
  • 対個人サービス業(14業種)についてみると、「葬儀業」が1兆4205億円でもっとも多く、以下、「興行場,
  • 興行団」1兆3264億円、「学習塾」1兆2043億円の順であった。事業所(企業)の年間売上高に占める主業の割合をみると、対事業所サービス業では「広告業」(97.6%)を最高に、以下、「機械設計業」(92.9%)、「デザイン業」(92.5%)の順であった。対個人サービス業では、「学習塾」(99.1%)を最高に、以下、「葬儀業」(97.8%)、「外国語会話教授業」(96.9%)の順であった。
  • 事業所(企業)当たりの年間売上高についてみると、対事業所サービス業では「各種物品賃貸業」が45億6366万円でもっとも多く、以下、「新聞業」26億6233万円、「事務用機械器具賃貸業」22億871万円の順であった。対個人サービス業では「公園,遊園地・テーマパーク」が47億1100万円でもっとも多く、以下、「映画館」6億8409万円、「結婚式場業」5億3039万円の順であった
  • 従業者1人当たりの年間売上高についてみると、対事業所サービス業では「各種物品賃貸業」が2億4000万円でもっとも多く、以下、「事務用機械器具賃貸業」1億6384万円、「広告業」7877万円の順であった。対個人サービス業では「興行場,興行団」が4682万円でもっとも多く、以下、「葬儀業」1707万円、「映画館」1683万円の順であった
  • 対事業所サービス業の売上高は60兆4118億円であった。業種分野別にみると、「情報処理関連」が26兆9804億円でもっとも多く、以下、「物品賃貸業」12兆4413億円、「広告業」9兆9695億円の順であった。対個人サービス業の売上高は8兆5997億円であった。業種分野別にみると、「娯楽関連」が4兆3629億円でもっとも多く、以下、「学習関連」2兆2653億円、「冠婚葬祭業」1兆9714億円の順であった。
  • 1事業所(企業)当たりの売上高をみると、対事業所サービス業は、「広告業」が11億5401万円でもっとも多く、以下、「情報処理関連」7億3362万円、「コンテンツ関連」6億7897万円の順であった。対個人サービス業は、「娯楽関連」が2億5269万円でもっとも多く、以下、「冠婚葬祭業」2億402万円、「学習関連」1747万円の順であった。
  • 従業者1人当たりの売上高をみると、対事業所サービス業は、「広告業」が7877万円でもっとも多く、以下、「物品賃貸業」5670万円、「コンテンツ関連」3277万円の順であった。対個人サービス業は、「冠婚葬祭業」が1537万円でもっとも多く、以下、「娯楽関連」1164万円、「学習関連」344万円の順であった

~NEW~
経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
  • 経済産業省は、「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態等について調査し取りまとめました。
  • 本調査におけるEC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を指します。EC化率の算出対象は、BtoC-ECにおいては物販系分野とし、BtoB-ECにおいては業種分類上「その他」以外とされた業種としています。
  • CtoC取引は個人間に留まるものではなく、実際にはBtoB、BtoCの取引も含まれていることには留意が必要であり、本市場規模はそれらも含む数値となっています。
  1. 調査結果概要
    1. 国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)
      • 令和2年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)とほぼ横ばいになりました。また、令和2年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は334.9兆円(前年353.0兆円、前年比5.1%減)に減少しました。
      • 新型コロナウイルスの感染症拡大の対策として、外出自粛の呼びかけ及びECの利用が推奨された結果、物販系分野の大幅な市場規模拡大につながった一方、主として旅行サービスの縮小に伴い、サービス系分野の市場規模は、大幅に減少しました。その結果、物販系分野の大幅な伸長分とサービス系分野の大幅な減少分が相殺され、BtoC-EC市場規模全体としては、830億円の減少となりました。BtoC-EC市場規模が増加しなかったのは、本市場調査開始以降、初めてのことです。
      • 一方で、EC化率は、BtoC-ECで8.08%(前年比1.32ポイント増)、BtoB-ECで33.5%(前年比1.8ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。
        1. 物販系分野
          • 物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆3,489億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆2,203億円)、「食品、飲料、酒類」(2兆2,086億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆1,322億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリー合計で物販系分野の73%を占めています。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、全カテゴリーにおいて市場規模が大幅に拡大しました。
          • EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(42.97%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(37.45%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(26.03%)において高い値となっています。例えば、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」は、製品の仕様が明確であり、事前の調査(探索)行為を通じて製品の内容や特徴を理解しやすいという点で、ECとの親和性が高いと言えます。また、「家具・インテリア」についても、各家庭の事情に合わせてサイズ面や色に関して詳細なニーズがあるため、売り場や在庫の制約がないECとの相性が良いと言えます。
        2. サービス系分野
          • サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(1兆5,494億円)が大きな割合を占めています。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「旅行サービス」、「飲食サービス」、「チケット販売」の市場規模が大きく縮小しました。
        3. デジタル系分野
          • デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆4,957億円)が大きな割合を占めています。「オンラインゲーム」、「有料動画配信」、「有料音楽配信」市場拡大の背景には、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、在宅で過ごす消費者が増え、巣ごもり需要が増加したことがあると考えられます。
    2. 国内電子商取引市場規模(CtoC)
      • 近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、平成28年から、CtoC-EC市場規模推計を実施しています。
      • 令和2年のCtoC-ECの市場規模は1兆9,586億円(前年比12.5%増)と推計されました。市場規模拡大の背景には、BtoC-EC市場同様、新型コロナウイルスの感染症拡大の対策として外出自粛の呼びかけ及びECの利用が推奨された結果、物販系EC市場が拡大したことに伴い、CtoC-ECの利用者が増加したことが挙げられます。
    3. 日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模
      • 令和2年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆9,499億円(前年比17.8%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆3,119億円(前年比15.1%増)であり、昨年に引き続き増加しています。
      • 日本・米国・中国3ヵ国の越境EC市場規模
        • 国  越境EC購入額 伸び率
        • 日本 3,416億円   7.6%
        • 米国 1兆7,108億円 9.9%
        • 中国 4兆2,617億円 16.3%
  2. 電子商取引に関する市場調査について
    • 本調査は、電子商取引市場動向や利用者実態を調査したものであり、平成10年度から毎年実施し、今回で23回目となります。日本国内のBtoC-EC、BtoB-EC、CtoC-ECの市場規模に加え、越境ECの消費者向け市場動向(日本、米国及び中国相互間)について、調査を実施しております。
▼報告書
▼電子商取引実態調査

~NEW~
総務省 令和3年「情報通信に関する現状報告」(令和3年版情報通信白書)の公表
▼別添1「令和3年版情報通信白書の概要」
  • 我が国では、2000年のIT基本法制定以降、e-Japan戦略を始めとした様々な国家戦略等を掲げてデジタル化に取り組み、光ファイバ等ブロードバンドの整備は大きく進展。一方、ICT利活用等は十分に進んでいるとは言えない状況。デジタル競争力や電子政府に関する国際指標では、人材やデータ分析等への評価が低く、順位は低迷
  • スマートフォンが急速に普及し、モバイル端末によるインターネット利用が拡大。ショッピング、決済、動画配信等生活・エンターテインメント関係の利用が中心。公的サービス等の利用率は低い。
  • 情報通信機器の利用について世代間格差が見られ、特に70歳以上の高齢者の利用率が低い。
  • 日本企業のICT投資は業務効率を目的したものが中心であり、事業拡大や新事業進出といったビジネスモ
  • デルの変革を伴うようなデジタル化(デジタル・トランスフォーメーション:DX)は広がっていない。我が国のICT人材はICT企業に偏在しており、企業がDXを進める上で人材不足が大きな課題。
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、オンラインによる行政手続きへの住民のニーズは高い。他方、「電子申請できる行政手続きが限られている」、「電子申請できることを知らない」、「電子申請の使い方が複雑」等の理由からオンラインの利用が広まっていない。海外の先進国では、ユーザー志向、アジャイル開発、システム標準化、ベース・レジストリ構築等が行われる。
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大により、インターネットショッピング・動画配信などが伸張。在宅時間の増加等により、インターネットトラヒックは、対前年度比150%以上の増加を示す。消費者行動の変化は、経済動向の変化につながる。対面型の業種は業績の低迷が続く。
  • コロナ禍の我が国では、デジタル技術を活用した、市民への迅速な経済的支援の実施や、地域での感染状況やそのリスクの把握といった取組を行ったが、その過程で様々な課題が顕在化。海外では、給付金の支給、マスクの需給対策、感染状況の把握・通知等でデジタル技術を積極的に活用。教育・医療等の分野では、感染拡大防止の観点から、遠隔教育・オンライン診療が実施されている。
  • コロナ禍で落ち込んだ業績の回復が進む米国では、デジタル化の追い風を受けたTECH企業が経済を牽引。テレワーク実施率は、緊急事態宣言中は上昇しているが、宣言解除後は実施率が低下。感染症や自然災害等への強靱性(レジリエンス)を確保する観点からも、テレワーク等のデジタル活用を定着させることが必要。
  • コロナ禍を受けて、生産性の向上や新たな付加価値の創出だけではなく、感染症や自然災害に対応できる強靱性(レジリエンス)を確保し、持続可能な社会の実現のためには、デジタル化の推進が重要。
  • 今後、国民利用者におけるデジタル活用の促進と、民間企業・公的分野におけるデジタル化を戦略的・一体的に進めることが必要。その際、5G等の情報通信インフラの整備、ベース・レジストリの整備、サイバーセキュリティや個人情報の保護といった安全・安心の確保、公共デジタル・プラットフォーム(ID、認証、クラウド等)の整備により、デジタル社会の共通基盤を構築することが重要。

~NEW~
総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第15回)データ専門分科会(第13回)合同会議
▼資料2 AI経済検討会 報告書2021 概要(案)
  • 報告書2021における検討のスコープ
    • データの経済価値に関する検討
      • 報告書2020において、データを「資本」、「労働」と並ぶ生産要素の一つと位置付け、企業アンケートの回答を用いた生産関数モデルによる実証分析を実施。
      • 活用データ容量・件数が、他の生産要素(資本、労働)と同様に付加価値に対してプラスの関係性を持っていることが明らかになったことを踏まえ、実証分析の精緻化や価値創出メカニズムの把握に向けた更なる検討を実施。
  • ポストコロナ時代のデジタルトランスフォーメーション(DX)を見据えたデータ活用環境の在り方に関する検討
    • 報告書2020において、ポストコロナ時代の社会を念頭にしたAI・データの利活用推進の必要性を提示。
    • 新型コロナの感染拡大によるデジタル技術に関連する動向の変化を踏まえた考察を実施
  • 世界のデータ戦略
    • 世界各国では、データが国の競争力の源泉であると捉えて包括的なデータ戦略を策定。
    • EUや英国では経済全体の価値を念頭に民間部門のデータ活用や人材育成についても盛り込まれており、米国では公共部門の取組を戦略の主な対象としている。
  • 日本のデータ戦略
    • 2020年10月から、高度情報通信ネットワーク社会推進本部(IT総合戦略本部)のもとで「データ戦略タスクフォース」を開催、同年12月に「データ戦略タスクフォース 第一次とりまとめ」を公表。
    • データ活用の課題を整理し、データ戦略の全体構造(アーキテクチャ)を示した上で、データ環境整備のために必要な枠組みを提示
  • 企業向けアンケート調査の実施
    • いずれの領域でも半数以上の企業でデータが用いられているものの、AIの活用は10%に満たない状況
    • データ活用の環境構築については、データを経営に活かしている企業では、約4割が「全社的にデータ活用ができる環境を構築」、約3割が「複数の部署内でデータ活用ができる環境を構築」と回答。ただし、約2割の企業は「特定業務でのみデータ活用ができる環境を構築」と回答。
    • データ分析の体制については、約7割の企業が「各事業部門のデータ分析が専門ではない人」と回答。「データ分析を行う専門部署の担当者」や「各事業部門のデータ分析専門の担当者」は約2割という状況
    • データ活用による効果(主観的効果)について、投入面(業務効率化による費用削減等)では、いずれの領域でも約1割が「非常に効果があった」、約4割が「多少効果があった」と回答。産出面(売上高増加等)では、全体的に投入面に比べて効果を感じた企業が少なかった。
    • データ活用が効果を生むためのメカニズムを解明するためには、より効果的なデータ活用を行っている企業の特徴を抽出することが有効であると考え、アンケート調査をもとに各要素と付加価値の関係を分析。
    • 「有償外部データの利用」に加えて、「全社的にデータ活用ができる環境を構築」していること、「データ分析を行う専門部署の担当者」による分析や「アライアンスやコンソーシアムなど他社等を交えた共同分析」が付加価値に対してプラスの関係性を持っていることが示された。
    • また、AI活用と活用データ容量には相乗効果があることを示唆する結果を得た。加えて、大企業、中小企業ともに活用データ容量の付加価値へのプラスの貢献があることを示唆する結果を得られた。
  • 分析結果を踏まえた示唆
    1. 全社的なデータ活用環境構築の重要性
      • 特定の業務や部署ごとではなく、全社的にデータを活用できる環境を構築し、利用することが付加価値の増加につながると考えられる。
      • IoTなどによって様々なデータの入手が可能となる中、多くの企業が保有する基本的な顧客データに加え、Web上のアクションや人の行動、機械等の動作などに関する多様かつ大量のデータを集約し、全社的に活用するメリットが今後拡大する可能性がある。
      • 大量のデータとAI活用は相乗効果が期待されるため、併せてAIを活用できる環境の構築も望まれる。
      • 政策的な取組例
        • データを全社的に活用することの重要性を啓発し事業戦略化を促進
        • AI基盤を含めたデータ活用のための基盤整備の促進
        • データの管理、情報保護、セキュリティ対策等に対する情報提供(マニュアル、ガイドライン等)の充実 等
    2. 人材育成及び組織づくりの重要性
      • データ活用の課題として、人材、スキル・ノウハウ不足が挙げられた一方、データ分析を行う専門部署が存在し、そのような部署で分析が行われることが付加価値の増加につながると考えられる。
      • データ活用に取り組むための人材の育成やデータ分析を専門に行う組織の構築が有効である可能性がある。
      • 政策的な取組例
        • 人材の育成方策や組織構成についての成功事例の共有、重要性の啓発
        • 専門人材の派遣やシェアリング等による機会の提供(主に中小企業) 等
    3. 外部連携(組織、データ)の重要性
      • データ活用に当たり、外部データの利用やアライアンス等による共同分析を行うことに有効性が見られた。
      • 個社が自前で入手できるデータや分析体制の構築には限界があるが、外部資源の利用により、これを補う情報や知見を得られるためと考えられ、積極的な取組が有効である可能性がある。
      • 政策的な取組例
        • 外部資源の活用の成功事例の共有、重要性の啓発
        • オープンに活用が可能なデータ基盤の整備促進
        • データ取引市場(情報銀行、データ連携基盤)の整備促進
        • マッチングの機会提供によるアライアンス形成の促進 等
  • 新型コロナ禍におけるAIへの投資(世界)
    • 世界におけるAIへの投資は、2020年に約679億米ドルとなり、2019年と比較して約40%増加。民間投資も旺盛であり、新型コロナ禍でもAIへの期待は拡大していると見られる。
    • 規模としては、民間投資が全体の6割強を占める中、堅調な伸びを示している。また、2020年はM&Aが倍増。
    • 領域別では、「医療、創薬」や「教育、英語」、「ゲーム、スポーツ」が増加している一方、「コンピューティング技術」や「半導体、データセンター」などの情報通信に関連する領域では減少。技術面での開発・改良から、より実践的なAIの活用に期待が寄せられていることがうかがえる。
  • 新型コロナ禍におけるAIへの投資(国内)
    • 企業向けアンケート調査において、新型コロナの影響(2019年度から2020年度への変化)に関する設問を設定したところ、売上高については、全体で6割超の企業が減少する見込みと回答。「情報通信業」や「不動産業、物品賃貸業」を中心に50%以上増加することを見込む企業も存在。
    • ICT関連の投資・支出は、データ活用に関連する投資・支出について、全体で約7割の企業が「不変(±1%)」と回答。また、ICTハードウェア投資・支出、ICTソフトウェア投資の投資・支出についても概ね同様の傾向。なお、クラウドサービス支出は、増加を見込む企業が減少を見込む企業を大きく上回った。
    • 多くの企業が売上高の減少を見込む中においても、デジタル化を進めていると見られる。
  • 新型コロナの感染拡大前後におけるIT部門・人材の変化
    • 重視するIT部門の機能・能力を「新型コロナの感染拡大前」と「今後」で比較すると、「ITを用いたビジネスモデルの企画・推進」や「IT人材の採用・育成」が大きく増加するとともに、「データマネジメント」もほぼ倍増。
    • これまでの情報システムの導入・運用だけでなく、デジタルトランスフォーメーションやデータマネジメントの推進などで全社的な取組が必須となり、より他部署との連携が求められるようになると見られる。
    • 人材についても、「IT戦略担当」とともに「データマネジメント担当」、「データ分析担当」が大幅に増加。
    • データに基づいた意思決定を重視する傾向が見られる。背景にはデジタル化、オンライン化が進んだことによってデータの入手が容易になり、そのデータをビジネスに活用できる人材の必要性が増したことが考えられる。
    • 今後は、データを経営判断やビジネスに活用する動きが加速することが期待される。ただし、ポストコロナ時代において中長期的にどのような影響・変化があるかについては、引き続き注視が必要。
  • 技術は第四次産業革命をもたらすか
    • 日米をはじめとする近年の先進各国の成長率には鈍化傾向が見られ、AI、データやロボットが生産性を飛躍的に向上させるという技術楽観主義は現在までのところ指標上は根拠に欠ける面がある。
    • 技術が普及すれば第四次産業革命が起こり、高成長がもたらされるという単純な見方には疑問が呈されている。要因としては、
    • AIの能力の制約の大きさが挙げられる(パターン認識には高い精度を発揮するものの、未だ応用力は低く限定的なものであるとの評価もある)。また、生産用ロボットの普及が既に一定水準まで達していることなど、AIの導入を伴う自動化が資本増加による生産性の加速要因になりにくいことも挙げられる。
    • スキルの高いAIやデータ関連の人材の大企業への集中などが起これば、サービス分野に多数存在する中小企業などがデジタル化に取り残され、ボーモル効果(機械や技術の革新により生産性が向上する事業に対し、労働集約的な事業では人的活動に大きく依存しているため生産性を向上させることが難しいこと)を通じた生産性低迷の一層の深刻化が懸念される。しかしながら、デジタル化への遅れを伸びしろと考えれば成長への機会を掴める可能性もあると言え、そのような意味で日本は岐路に立っている。仮に、労働市場の二極化を契機として多数の労働者が労働集約的な事業に移動すれば、トータルな生産性がほとんど向上しない可能性がある。
  • AIと成長機会
    • 米国・中国等に比べて日本において、AIやデータの活用が立ち後れており、その価値を計測するための取組事例も十分ではない。
    • 労働生産性の低迷が続き、今後も少子高齢化により労働人口の減少が見込まれる日本において、AIやデータ活用、デジタル化そのものを推し進め、生産性を向上させ、豊かな国民生活に結実させることは悲願ともいうべき大きな期待となっている。
    • 新型コロナの感染拡大というこの大きな危機を糧として、政府や企業、自治体を含む日本全体でデジタル化に関する取組を進化させ、AIによって労働力を補うとともに生産性を大きく向上させていくことで、経済の飛躍を目指せるかどうかが、日本の今後の発展と世界における立ち位置を決める分水嶺となる
  • まとめ
    • 今回の調査結果から、世界的な新型コロナの感染拡大によって、社会経済活動のデジタル化が進み、また、同時にデータの重要性が認識されるようになってきた様子が見受けられる。AIの活用は、まだ発展途上であるものの、今後技術が進歩することによって、ますます社会のデジタル化とAIやデータの活用が進むものと予想される。
    • 今回の分析では、中小企業も大企業と同様にデータ活用が付加価値とプラスの関係にあることが示唆された。少子高齢化による労働力人口の逓減が継続する状況において、データと労働が補完し合う形で生産性を向上させることができれば、新たに起業された中小企業においてデータ活用の効果が期待できることは言うまでもないが、我が国のサービス分野に多数存在する既存の中小企業にとっても光明と言えるかも知れない。
    • データ活用が付加価値の創出や生産性の向上を実現するためには、具体的には、企業の組織体制の構築や専門的にデータ分析を行う人材の育成、外部との連携、ノウハウの蓄積、環境構築などの要素が重要になると考えられ、これらの取組を促進していく必要がある。また、これまで企業はICTを業務の効率化や省力化のために用いる傾向があり、データ活用についても産出面より投入面の効果を感じている企業が多い。
    • これはデータを用いた業務の効率化を目的としている企業が多いことが背景にあると見られるが、今後、我が国が生産性を高め、成長を実現していくためには、効率化だけでは不十分である。もっとも、投入面の効果が直接、あるいは間接的に産出面に効果をもたらすことも考えられるが、いずれにおいても、自社内のリソースのみを活用した取組には限界があり、データを含めた外部リソースも活用した取組が重要となる。さらには、オープンなデータのシェリングを進めて競争環境を整えつつ、中小企業も含め、AIやデータを用いた新たなビジネスモデルの構築などデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現していく必要がある。
    • 企業によって、業種や業務内容、データ活用の目的や効果は様々であり、今回の分析で明らかになった点を考慮しつつ、引き続き、多角的な視点から分析、検討していくことが必要である。特に新型コロナによって企業活動は大きな変革のさなかにあり、固定概念にとらわれない視点での検討も求められるであろう。今回の調査分析で対象となっていない公的部門のデジタル化の遅れが日本の低成長の要因となっているとの指摘もある。また、データは新型コロナに立ち向かう一つの有力なツールでもあり、社会全体としてのデータとの向き合い方が問われている。これらは残された課題である。

~NEW~
国土交通省 マンション管理業者27社に是正指導 ~全国一斉立入検査結果(令和2年度)~
▼別紙1_マンション管理業者の全国一斉立入検査結果(令和2年度)概要
  • 国土交通省の各地方整備局及び北海道開発局並びに内閣府沖縄総合事務局において、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、例年に比べて立入検査実施件数が減少しましたが、全国のマンション管理業者のうち85社に対し、令和2年10月から概ね3ヶ月の間に事務所等への立入検査を実施しました。
    1. 目的
      • マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)が平成13年8月に施行され、マンション管理業者の登録数が1,957社(令和2年度末現在)、マンションのストック戸数が約675万戸(令和2年末現在)に達する中で、各登録業者が適正化法に基づき適正にマンション管理業を営むことは、極めて重要です。
      • このため、平成17年度以降、各地方整備局等において、マンション管理業者への全国一斉立入検査を実施しているところであり、令和2年度においても、マンション管理業者の事務所等へ立ち入り、適正化法に係る法令の遵守状況について検査を行い、必要に応じて是正指導等を実施することで、マンション管理の適正化を推進するものです。
    2. 検査結果
      • 今回の検査では、昨年度に引き続き、管理業務主任者の設置、重要事項の説明等、契約の成立時の書面の交付、財産の分別管理及び管理事務の報告の5つの重要項目を中心に、全国85社(昨年度145社)に対して立入検査を行い、27社(昨年度61社)に対して是正指導を行いました。
      • 今年度の指導率は、31.8%となり、昨年度(42.1%)との比較では、10.3ポイント下回り、過去5年間の平均(41.3%)との比較では、9.5ポイント下回ったものの、一部のマンション管理業者において重要事項の説明等の適正化法の各条項に対する理解不足が見られる結果となりました
▼別紙2_マンション管理業の適正化について(要請)
  • 標記について、従来よりマンション管理業の適正な運営を確保することを目的とした全国一斉立入検査(令和2年度)を実施したところである。
  • 今回の立入検査においては、昨年度に引き続き、管理業務主任者の設置、重要事項の説明等、契約の成立時の書面の交付、財産の分別管理及び管理事務の報告の5つの重要項目を中心に検査を行ったものであるが、その結果、一部のマンション管理業者においてマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)の各条項に対する理解不足が見られるところである。
  • また、今回、是正指導を実施した27社の中には、貴協会社員であるマンション管理業者も含まれていたものである。
  • 本要請については、立入検査の結果を踏まえ例年貴協会あて行ってきたところであるが、依然として貴協会社員であるマンション管理業者において適正化法違反が見られることは誠に遺憾である。
  • 国土交通省としては、今回の立入検査の結果を踏まえ、今後も、引き続き、立入検査等による指導体制の強化を図るとともに、悪質な適正化法違反に対しては、適正化法に基づき、厳正かつ適正に対処して参る所存である。
  • 貴協会においても、法令遵守のための社員指導として導入したモニタリング制度の活用や適正化法に基づく指定法人として、より一層、社員に対する法令遵守の徹底を図るための研修活動等を推進するなど、マンション管理業全般の適正化に向けた社員への指導等を図られたい。
  • なお、今回の要請を受けての実施結果については後日報告されたい

~NEW~
国土交通省 「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」等の改正について
  • 技術検定の不正受検や粗雑工事への対策を強化するため、「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」を改正し、不正に資格等を取得した技術者を工事現場に配置した建設業者や、粗雑工事等により工事目的物に重大な瑕疵を生じさせた建設業者に対する監督処分を強化しました。また、「技術検定の受検禁止の措置に関する基準」を改正し、受検者の出願に関する不正行為に係る受検禁止措置を強化しました。
    1. 背景
      • 建設業法に基づく国家資格である技術検定において、複数の企業の社員が、所定の実務経験を充足せずに受検し、施工管理技士の資格を不正に取得。また、これらの社員を監理技術者等として配置していた事態が発生。この事態を踏まえ、昨年8月に「技術検定不正受検防止対策検討会」を設置し、同年11月に講ずべき防止対策について提言をとりまとめ、その中で監督処分の厳格化等について検討すべき旨が提言されたところ。
      • 近年、建設業者の粗雑工事に関する社会的に注目を集める事案が相次いでいることから、粗雑工事を行った建設業者への対応の厳格化が必要。
      • また、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)の一部規定が令和2年12月25日に施行されたことを受け、建設業者が同法に違反した際の監督処分の基準について、明確化が必要。
    2. 改正の概要
      1. 監督処分の基準
        1. 主任技術者等の不設置等に係る営業停止処分の強化
          • 技術検定の受検又は監理技術者資格者証の交付申請に際し、虚偽の実務経験の証明を行うことによって、不正に資格又は監理技術者資格者証を取得した者を主任技術者又は監理技術者として工事現場に置いていた場合には、30日以上の営業停止処分とする。
        2. 粗雑工事等による重大な瑕疵に係る営業停止処分の強化
          • 施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が生じたときは、15日以上の営業停止処分とする。
          • ただし、低入札価格調査が行われた工事においては30日以上の営業停止処分とする。
        3. 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の施行に伴う改正
          • 役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外の場合で役職員が刑に処せられた場合は3日以上の営業停止処分とする。
          • 法第33条第2項に規定する指示処分を受けた場合に、建設業法に基づく指示処分とする。
          • 法第34条第2項の規定により、特定賃貸借契約の締結について勧誘を行うことを停止すべき命令を受けた場合は3日以上の営業停止処分とする。
      2. 受検禁止の措置に関する基準
        • 虚偽の出願における3年の受検禁止に加え、制度の不理解等による出願に関する不正行為についても、原則1年の受検禁止とする規定を追加。

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