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  • 「モデル・リスク管理に関する原則」に対するパブリックコメントの結果等(金融庁)/「資金決済ワーキング・グループ」(第2回)(金融審議会)/新しい資本主義実現会議(第2回)(内閣官房)/「非財務情報の開示指針研究会」中間報告(経産省)

危機管理トピックス

「モデル・リスク管理に関する原則」に対するパブリックコメントの結果等(金融庁)/「資金決済ワーキング・グループ」(第2回)(金融審議会)/新しい資本主義実現会議(第2回)(内閣官房)/「非財務情報の開示指針研究会」中間報告(経産省)

2021.11.15
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更新日:2021年11月15日 新着13記事

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【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「モデル・リスク管理に関する原則」に対するパブリックコメントの結果等について
  • 「会計監査の在り方に関する懇談会(令和3事務年度)」論点整理の公表について
  • IOSCOによる「外部委託に関する原則」の公表について
  • 金融審議会「資金決済ワーキング・グループ」(第2回)議事次第
厚生労働省
  • 新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査
  • 多様化する労働契約のルールに関する検討会 第9回資料
  • 2019年社会保障に関する意識調査結果について
  • 生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会ワーキンググループ(第1回)資料

~NEW~
内閣官房 新しい資本主義実現会議(第2回)議事次第
▼資料1 緊急提言(案)概要
  1. 新しい資本主義の起動に向けた考え方
    • 1980年代以降、短期の株主価値重視の傾向が強まり、中間層の伸び悩みや格差の拡大、下請企業へのしわ寄せ、自然環境等への悪影響が生じていることを踏まえて、政府、民間企業、大学等、地域社会、国民・生活者がそれぞれの役割を果たしながら、格差の是正を図りつつ、民間企業が長期的な視点に立って「三方良し」の経営を行うことで、現場で働く従業員や下請企業も含めて、広く関係者の幸せにつながる、長期的に持続可能な資本主義を構築していく必要がある。全てを市場に任せるのではなく、官民が連携し、新しい時代の経済を創る必要がある。
    • その際、人的資本や無形資産、社会・自然環境・人権への配慮などを可視化することで、成長の質や長期的な企業価値を評価するための環境を整備することが重要である。成長と分配の好循環の起爆剤として、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーン分野の成長を含めた科学技術立国を推進し、イノベーション力を抜本的に強化する必要がある。
    • その際、民間がイノベーションを起こし、それを官が支援することを基本とする。また、イノベーションを社会課題の解決に活用することで、利便性の高い社会を作るとともに、地方の中堅・中小企業や下請企業、スタートアップを含めて、幅広い産業や企業の生産性向上を促進し、豊かな中間層を生み出していくことが重要である。製品だけでなく、サービスのイノベーションも進めていく必要がある。
    • 逆に、従業員に賃金の形で分配してはじめて、消費が拡大し、消費拡大によって需要が拡大すれば、企業収益が更に向上し、成長につながる。分配戦略は、成長を支える重要な基盤である。
    • さらに、成長と分配を同時に実現するためには、幼児教育・保育や小中学校から企業内まで、「人」への投資を強化する必要がある。多様性(ダイバーシティ)と包摂性(インクルージョン)を尊重し、女性や若者、非正規の方、地方を含めて、国民全員が参加・活躍できる社会を創り、一人一人が付加価値を生み出す環境を整備する必要がある。また、リカレント教育やセーフティーネットの整備を通じて、やり直しのできる社会、誰一人として取り残さない社会を実現する必要がある。働く人の評価や処遇を成果に基づき行う慣行を定着させる必要がある。
  2. 成長戦略
    1. 科学技術立国の推進
      1. 科学技術立国の推進に向けた科学技術・イノベーションへの投資の強化
        • 10兆円規模の大学ファンド・大学改革
        • デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発・実証
        • ライフサイエンス分野の強化
      2. デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
        • デジタル庁による健康・医療・介護、教育等の分野におけるデータ利活用の推進
        • DFFT(信頼性ある自由なデータ流通)の推進
        • 利用料の透明化によるキャッシュレス利用環境の整備
        • コンテンツの利用拡大
      3. クリーンエネルギー技術の開発・実装
        • 再生可能エネルギーの導入拡大
        • 蓄電池の国内生産、水素ステーション・充電設備の整備、電動車の普及促進による自動車の電動化の推進と事業再構築
        • 化学・鉄鋼等のエネルギー多消費型産業の燃料転換
        • 既存住宅・建築物を含めた省エネ性能の向上や木造建築物の促進による住宅・建築分野の脱炭素化
        • 核融合など将来に向けた原子力利用に係る新技術の研究開発の推進
        • クリーンエネルギー戦略の策定
    2. 我が国企業のダイナミズムの復活、イノベーションの担い手であるスタートアップの徹底支援
      1. 要素技術の製品化・サービス化の促進
      2. 付加価値の高い新製品・新サービスの創出の促進
      3. スタートアップを生み出し、規模を拡大する環境の整備
      4. 新規株式公開(IPO)プロセス及びSPAC(特別買収目的会社)制度の検討
      5. 大企業とのオープンイノベーションの支援
      6. 公正な競争を進めるための競争政策の強化
      7. デジタル広告市場の透明化・公正化の推進
    3. 地方を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」の起動
      1. テレワーク・ドローン宅配・自動配送などデジタルの地方からの実装
      2. 地域金融機関を含めた地域の中小企業のDXの面的・一体的な推進
      3. いわゆる6G(ビヨンド5G)の推進
      4. 教育のICT環境の整備
      5. デジタル田園都市国家構想実現会議とデジタル臨調の設置
      6. 地方活性化に向けた基盤づくりへの積極的投資
        • 農林水産業の成長産業化の推進・家族農業や中山間地農業などが持つ多面的機能の維持
        • 防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の推進・豊かな田園都市国家を支える交通・物流インフラの整備
        • PPP/PFIの推進
        • 2025年大阪・関西万博の準備の円滑化
        • 観光立国復活に向けた観光業支援
    4. 経済安全保障
      1. 我が国の自律性の確保、優位性ひいては不可欠性の獲得のための経済安全保障を推進するための法案の策定
      2. 戦略技術・物資の特定、技術の育成、技術流出の防止等に向けた取組の推進
      3. デジタル社会の基盤となる先端半導体に関する国際共同開発支援と半導体工場の我が国への立地支援、国内拠点工場の刷新
      4. 次世代データセンターの地方分散・最適配置の推進
  3. 分配戦略~安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化
    1. 民間部門における中長期も含めた分配強化に向けた支援
      1. 新しい資本主義を背景とした事業環境に応じた賃上げの機運醸成
      2. 男女間の賃金格差の解消
      3. 労働分配率向上に向けて賃上げを行う企業に対する税制支援の強化
      4. 労働移動の円滑化と人的資本への投資の強化
      5. 非正規雇用労働者等への分配強化
        • 新たなフリーランス保護法制の立法
        • 厳しい環境にある非正規雇用の方々の労働移動の円滑化
        • 正規雇用と非正規雇用の同一労働同一賃金の徹底及び最低賃金の経済状況に応
        • じた引き上げ、働き方改革
      6. 大企業と中小企業の共存共栄を目指した、取引適正化のための監督強化、産業界への働きかけ強化
      7. 事業再構築・事業再生の環境整備
        • 中小企業の事業継続・事業再構築・生産性向上の支援
        • 採算性の回復が望める事業者に対する事業再構築の促進のための私的整理円滑化の立法
        • 中小企業の私的整理等のガイドラインの策定等
      8. 新しい資本主義の時代における今後の税制の在り方についての政府税制調査会における検討
    2. 公的部門における分配機能の強化
      1. 公的価格の在り方の抜本的見直し
        • 看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくための公的価格の在り方
        • 賃上げのための政府調達手法の検討
      2. 子ども・子育て支援
        • 子ども目線での行政の在り方の検討
        • 保育の受け皿整備、幼保小連携の強化、学童保育制度の拡充や利用環境の整備など、子育て支援の促進
        • 大学卒業後の所得に応じて「出世払い」を行う仕組みに向けた奨学金の所得連動返還方式の見直しの検討、子育て世代の教育費の支援
        • 子育て世代の住居費の支援
      3. 財政の単年度主義の弊害是正

~NEW~
首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第80回(令和3年11月12日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.76と減少が継続し、直近の1週間では10万人あたり約1と、昨年の夏以降で最も低い水準が続いている。また、新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数や死亡者数も減少が続き、重症者数は昨年の秋以降で最も低い水準になるとともに、死亡者数は今回の感染拡大前の水準を下回った。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(10/24時点)で0.81と1を下回る水準が続き、首都圏では0.72、関西圏では0.89となっている。(注)死亡者数は、各自治体が公表している数を集計したもの。公表日ベース。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • 多くの市民や事業者の感染対策への協力やワクチン接種率の向上(2回接種完了者は全国民の7割超。12~19歳では約7割が1回接種済)等により、11月以降も全国的に新規感染者数の減少が続き、非常に低い水準となっているが、感染伝播はなお継続している。一部の地域では夜間の滞留人口の増加が続くとともに、飲食店や施設等でのクラスターの発生や感染経路不明事案の散発的な発生による一時的な増加傾向が見られるが、継続的な増加傾向を示す地域はない。今後、気温の低下により、屋内での活動が増えることにも留意が必要であり、年末に向けて、忘年会、クリスマスやお正月休み等の恒例行事により、さらに社会経済活動の活発化が想定される中で、今後の感染再拡大も見据え、現在の感染状況が改善している状態や低い水準を維持していくことが重要。
    • このため、引き続き、クラスター対策としての積極的疫学調査を徹底することにより、感染拡大防止につなげることが重要であり、また、未接種者へのワクチン接種を進めることも必要。ワクチン接種が先行する諸外国において、中和抗体価の低下等によるブレークスルー感染や大幅な規制緩和の中でのリバウンドが発生している状況もあることから、対策の緩和を進める際には留意が必要。あわせて、追加接種に向けた検討を進めていくことも必要。
    • これらの状況を踏まえ、今後もワクチン接種を進めるとともに、一人ひとりが、感染拡大を防止するための行動を取ることが必要。
    • ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密や換気といった基本的な感染対策の徹底について、引き続き、市民や事業者の方々にご協力いただくことが必要。また、少しでも体調が悪ければ検査・受診を行うことが求められる。飲食の際に、一定のリスクの高い状況が重なると集団感染に繋がる恐れもあることを踏まえ、第三者認証適用店を選び、飲食時以外はマスクを着用することが利用者に求められる。
    • 国や自治体においては、外出時には混雑している場所や時間を避けて少人数で行動するよう周知を行うことや、企業におけるテレワーク等の推進状況を踏まえた柔軟な働き方の実施に向けて呼びかけを行うことが必要。また、自治体においては、ワクチン接種に至っていない方への情報提供を進めることが求められる。
    • 10月15日に示された政府の方針に基づき、ワクチン、検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するとともに、次の感染拡大に備えた医療提供体制・公衆衛生体制の強化を進めていくことが求められる。
    • 11月8日の新型コロナウイルス感染症対策分科会で新たなレベル分類の考え方が示された。各自治体では、予測ツール及びその他の指標を基に推計される一定期間後の必要病床数について、これまでの感染拡大時のデータ等を用いた検討が求められる。
  • 次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像(案)
    1. 基本的考え方
      • ワクチン、検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するとともに、最悪の事態を想定して、次の感染拡大に備える。
      • このため、デルタ株への置き換わりなどによる今夏のピーク時における急速な感染拡大に学び、今後、感染力が2倍となった場合にも対応できるよう、医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保を進める。
      • こうした取組により、重症化する患者数が抑制され、病床ひっ迫がこれまでより生じにくくなり、感染拡大が生じても、国民の命と健康を損なう事態を回避することが可能となる。今後は、こうした状況の変化を踏まえ、感染リスクを引き下げながら経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現を図る。
      • その上で、感染力が2倍を大きく超え、例えば感染力が3倍となり、医療がひっ迫するなど、それ以上の感染拡大が生じた場合には、強い行動制限を機動的に国民に求めるとともに、国の責任において、コロナ以外の通常医療の制限の下、緊急的な病床等を確保するための具体的措置を講ずる。
    2. 医療提供体制の強化
      • 入院を必要とする者が、まずは迅速に病床又は臨時の医療施設等に受け入れられ、確実に入院につなげる体制を整備する。
      • 今夏の各都道府県のピーク時においては最大約2.8万人の入院が必要となったが、今後、感染力が2倍となった場合にも対応できるよう、ワクチン接種の進展等による感染拡大の抑制効果等も勘案しつつ、以下の取組により、今夏と比べて約3割増(約1万人増)の約3.7万人が入院できる体制を11月末までに構築する。
      • 病床の増床や臨時の医療施設における病床確保(入院患者の受入約5千人増(病床約6千床増の8割(使用率)))
      • 確保病床の使用率の向上(入院患者の受入約5千人増)
      • あわせて、入院調整中の方や重症化していないものの基礎疾患等のリスクがある方が安心して療養できるようにするため、臨時の医療施設・入院待機施設の確保により、今夏と比べて約4倍弱(約2.5千人増)の約3.4千人が入所できる体制を構築する。
      • 都道府県の推計では、今後の感染ピーク時における自宅・宿泊療養者は、約23万人と想定されているが、これら全ての方について、陽性判明当日ないし翌日に連絡をとり、健康観察や診療を実施できる体制を確保する。
      • このため、従来の保健所のみの対応を転換し、保健所の体制強化のみならず、オンライン診療・往診、訪問看護の実施等について、医療機関、関係団体等と委託契約や協定の締結等を推進しつつ、全国でのべ約3.2万の医療機関等と連携し、必要な健康観察・診療体制を構築する。
      • 感染拡大時に臨時の医療施設をはじめとした病床・施設を円滑に稼働させるため、都道府県の保健・医療提供体制確保計画において、医療人材派遣について協力可能な医療機関数、派遣者数を具体化するとともに、人材確保・配置調整等を一元的に担う体制を構築する。また、東京都においては、医療機関等からの派遣可能な具体的人員の事前登録制を進めることとしており、こうした取組を横展開する。
      • 医療体制の稼働状況をG-MISやレセプトデータ等を活用して徹底的に「見える化」する。
      • 今夏の感染拡大時においては、地域によって、人口の密集度、住民の生活行動等によって感染状況の推移は異なり、また、病床や医療人材等の医療資源にも差があることから、医療提供体制のひっ迫状況は、地域によって様々であった。その中で、病床がひっ迫した地域においては、緊急事態宣言の下で、個々の医療機関の判断でコロナ対応のためにコロナ以外の通常医療の制限が行われていたが、今後、地域によって、仮に感染力が2倍を超える水準になり、医療のひっ迫が見込まれる場合には、国民に対し、更なる行動制限(後述)を求め、感染拡大の防止を図る。あわせて、国の責任において、感染者の重症化予防等のため地域の医療機関に協力を要請するとともに、更なるコロナ以外の通常医療の制限の下、緊急的な病床等を確保するための追加的な措置を講ずる
      • 更なる行動制限については、具体的には、人との接触機会を可能な限り減らすため、例えば、飲食店の休業、施設の使用停止、イベントの中止、公共交通機関のダイヤの大幅見直し、職場の出勤者数の大幅削減、日中を含めた外出自粛の徹底など、状況に応じて、機動的に強い行動制限を伴う要請を行う。
      • もちろん、こうした厳しい事態に陥らないよう、ワクチン、検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するとともに、国民の理解と協力の下、機動的に効果的な行動制限を行うことにより、急激な感染拡大の抑制を図っていくことを基本として対応する。
    3. ワクチン接種の促進
      1. 11月11日公表時点で、1回目の接種率は78.2%、2回目の接種率は74.5%であり、11月中に希望する者への接種を概ね完了する見込みである。
      2. 追加接種が開始される12月以降も、若年者を含め1回目・2回目未接種者に対する接種機会を確保する。
      3. 小児(12歳未満)へのワクチン接種について、米国や欧州の薬事当局の審査状況を見据えつつ、企業から薬事申請がなされ、承認に至った場合には、厚生科学審議会での了承を得た上で、接種を開始する。
      4. 2回目接種完了から、概ね8か月以降に、追加接種対象者のうち、接種を希望する全ての方が追加接種を受けられるよう、体制を確保する。
    4. 治療薬の確保
      • 新型コロナウイルス感染症の治療薬については、国産経口薬を含め、開発費用として1薬剤当たり最大約20億円を支援し、経口薬について年内の実用化を目指す。また、治療薬の作用する仕組みや開発ステージは様々であることや、軽症から中等症の重症化リスクを有する者が確実に治療を受けられるようにするため、複数の治療薬を確保し、必要な量を順次納入できるよう、企業と交渉を進める。
      • 感染力が2倍となった場合には、今夏の感染拡大の実績等を考慮すれば、軽症から中等症の重症化リスクを有する者向けに最大で約35万回分の治療薬が必要になるものと見込まれる。また、感染力が3倍となった場合には、最大で約50万回分の治療薬が必要になるものと見込まれる。
      • これに対して、薬事承認され投与実績のある中和抗体薬については、来年(2022年)初頭までに約50万回分を確保する。
      • あわせて、新たに実用化が期待される経口薬については、国民の治療へのアクセスを向上するとともに、重症化を予防することにより、国民が安心して暮らせるようになるための切り札である。世界的な獲得競争が行われる中で、薬事承認が行われれば速やかに医療現場に供給し、普及を図っていく。供給量については、合計約60万回分(薬事承認が行われれば年内に約20万回分、年度内に更に約40万回分)を確保する。
      • 国民の仕事や生活の安定・安心を支える日常生活の回復
    5. ワクチン接種の進捗や中和抗体治療の普及により重症化する患者数が抑制され、医療提供体制の強化とあいまって、病床逼迫がこれまでよりも生じにくくなり、感染拡大が生じても、国民の命と健康を損なう事態を回避することが可能となる。
      • また、飲食店の第三者認証制度の普及のほか、各業界における感染対策のガイドラインの普及・更新などの感染防止の取組の進展を踏まえれば、今後、誰もが簡易かつ迅速に利用できる検査の環境整備やワクチン接種証明の活用等を進めることと併せて、日常生活や経済社会活動に伴う感染リスクを以前よりも引き下げることができる。
      • 日常生活や経済社会活動における感染リスクを引き下げるためには、ワクチン接種や検査による確認を促進することが有効であり、都道府県が、健康上の理由等によりワクチン接種を受けられない者を対象として、経済社会活動を行う際の検査を来年3月末まで予約不要、無料とできるよう支援を行う。あわせて、感染拡大の傾向が見られる場合に、都道府県の判断により、ワクチン接種者を含め感染の不安がある無症状者に対し、検査を無料とできるよう支援を行う。
      • 年内に、ワクチン接種証明書のデジタル化を実現する。電子的なワクチン接種証明書は、スマートフォン上で専用アプリからマイナンバーカードによる本人確認の上で申請・取得し、二次元コードとともに表示可能とする。紙によるワクチン接種証明書についても引き続き発行し、二次元コードを記載する。これら二次元コードには電子署名を付与し、偽造防止措置を講ずる。
      • 変異株の状況やワクチンの有効性などの知見を踏まえ、緊急事態措置等の前提となる感染状況(ステージ)について、11月8日の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言を受け、医療のひっ迫状況により重点を置いた考え方に見直しを行うこととし、速やかに基本的対処方針を改正する。

~NEW~
内閣府 令和3年第13回経済財政諮問会議
▼資料3-1 今後の経済財政政策運営に向けて(有識者議員提出資料)
  • 「成長」と「分配」の好循環拡大により、力強い成長と豊かさの実感を
    • 岸田総理は、「新しい資本主義の実現」を掲げ、「成長」と「分配」の好循環拡大により、力強い成長と豊かさを実感できる新しい経済社会創りを表明された。
    • まずは、短期的な課題への徹底した「安心確保」、例えば、感染症の再燃に備えた万全の対応、再燃時の備えとしての失業なき雇用移動や中小企業の新事業開発・事業転換への支援等を徹底して進めるべきである。特に、足元では、「ワクチン・検査パッケージ」を活用して社会経済活動の活性化を図るとともに、水際対策をワクチン接種者の発生率等のデータを踏まえて段階的に見直し、ビジネス往来を正常化すべきである。来年の経済活性化に向けては、ブースター接種(3回目の接種)について、職域接種を含め、早急に方針・工程を明示することや、消費喚起に向けたマイナンバーカードを活用したポイント制の利活用等は重要である。
    • 同時に、中長期の課題として、低下してきた生産性を引上げ、現役世代の可処分所得を拡大する取組を粘り強く行うことが不可欠である。このためには、民間のアニマルスピリッツの発揮促進、デジタル・グリーン・人材への徹底した投資を通じた生産性の引上げ、価格転嫁の円滑化、現役世代の社会保障負担の軽減といった取組を一体かつ大胆に進め、「成長し分配率も上げていく」という好循環を実現していくべきである。
    • 岸田内閣における経済財政諮問会議の使命は、この目標の実現に向けた短期・中期の経済財政運営を通じた政策運営全般の「かじ取り」にある。マクロ経済運営においては、日銀とも適切に連携し、短期・中期で財政金融政策の適切なポリシーミックスが実行できる体制とすることが重要である。また、人的資本の強化、格差の是正、社会的共通資本の充実、時代のニーズに即した国と地方の在り方等に向けた政府の機能の向上は、岸田内閣の最重要課題の一つである。さらに、財政の単年度主義の弊害是正に取り組む。その観点から、多年度を含む適切かつ効果的な支出の仕組みの強化に取り組む必要がある。経済財政諮問会議は、そうした取組の立案、推進、成果チェックの役割を、先導的に果たすべきである。
  • 今後の審議の進め方
    • 岸田内閣の経済財政政策の方向性を明確にするため、以下の取組を進めるべき。
      1. 本日の議論を踏まえて、経済対策を早急に取りまとめる。日銀と連携し、金融政策、物価等に関する集中審議を四半期に1回程度実施し、短期・中期の視点からポリシーミックスの在り方、成果等を検証する。そのタイミングで、経済状況と合わせて、経済対策の執行状況を検証する。
      2. 岸田内閣としての初めて編成する令和4年度当初予算について、予算編成の基本方針を取りまとめ、予算の重点事項を明らかにする。
      3. 岸田内閣が掲げる成長戦略と分配戦略の推進により成長と分配の好循環を実現するため、マクロ経済運営の観点から総合的な検討を行う。
      4. 多年度にわたる財政の枠組みである新経済・財政再生計画や中長期試算、EBPMの仕組みとしての経済・財政一体改革とその工程表等について、単年度主義の弊害の是正や適切かつ効果的な支出の徹底に結び付ける。
      5. 新しい資本主義実現会議におけるビジョンについての議論を踏まえ、政府の機能の向上に向けた課題解決の基本的方向性について議論を進める。
      6. 来年年央に骨太方針を策定し、こうした取組を包括的に盛り込む
▼資料4-1 新しい経済社会の構築に向けて~「成長」と「分配」の好循環をどう作るか~(有識者議員提出資料)
  • 日本経済はデフレではない状況となり、生産年齢人口が約550万人減少する中で約500万人の雇用が創出された。また、年率3%程度の最低賃金の継続的な引上げを通じて賃上げのモメンタムも作り出された。一方で、日本経済の大きな課題は、長期にわたる民間のアニマルスピリッツの消失と多様性の欠如から生じる硬直性である。
  • 有効な民間投資が進まず、現預金も積み上がり、結果として、最大の課題である低生産性が解消せず、むしろ悪化した。また、GDPの6割を占める消費の活性化には、国民に将来生活への安心感の醸成が必要であるが、持続可能な社会保障制度の構築は未だ途上にある。また、官の政策立案・実行・評価機能が劣化し、時代のニーズに即応した公共サービスの提供が遅れている。
  • さらに、コロナ禍で顕在化した、様々な構造的な格差(所得・資産・雇用・地域・教育)、デジタル化の遅れ、危機対応への脆弱性への対応は喫緊の課題である。
  • これらの課題を解消して、「成長」と「分配」の好循環を作り出すためには、大胆な政策の実行が求められると同時に、粘り強く必要な政策を継続していくことが肝要である。そのためには、短期にとどまらない、場合によっては数年に渡る政策プランの策定と、そのプロセスをチェックし実効性を確保する体制づくりが必要である。
    1. 当面の課題・・・経済対策で思い切った人的投資・イノベーション投資を
      • まず求められるのは、最悪の事態を想定した感染症対策と、厳しい状況にある方々への経済支援である。経済の底割れを防止するとともに、社会経済活動の日常回復を急ぐべきである。また、税制等も活用しつつ賃上げモメンタムを維持・強化することで可処分所得を回復させる必要もある。
      • それと同時に、理系人材育成やDX時代のリスキリング、女性や若者がより活躍できる能力開発支援等、労働移動支援を含め、それぞれの状況に応じた人的投資が積極的に行われるようにするとともに、デジタル・グリーンや起業などのイノベーションを喚起する投資を通じて成長力を徹底強化すべき。
      • 現下の経済状況を見ると、大きなデフレギャップに加え資源価格の上昇等がもたらす所得流出や民需抑制への影響、世界的なダウンサイドリスクに十分に注意する必要がある。こうした中にあって、国内の成長力を高めることは急務であり、税財政を活用してリスクマネーを拡大し、サプライサイドを強化する投資を思い切って強化することがこれまで以上に重要となっている。
      • 今次対策では、昨年度補正予算の今年度への波及効果を勘案し、経済の下支えと成長力強化に十分な規模と内容としつつ、適切かつ効果的な支出の仕組みを徹底し、思い切って成長力強化への投資に重点化したものとすべき。
      • こうした取組を通じて、今年中に我が国の経済活動の水準をコロナ前に戻し、来年には、先進国の中でも本格的な民需回復を実現することが重要である。総理から指示のあった経済対策により、こうした取組を迅速かつ総合的に進め、成長と分配の好循環へのジャンプスタートを切るべき。
    2. 成長と分配の好循環に向けた考え方とその課題
      • 好循環をもたらすためには、民間投資を活性化し、生産性を向上させ、収益・所得を大きく増やす。そして、成長分野への労働移動、リスキリング等を通じた人的資本のボトムアップ等を通じて、継続的に物価と賃金が安定的に上昇する環境とすることが求められる。また、現役世代の負担を抑制し、持続可能性が見通せる社会保障制度を構築する。さらには、政府の機能の向上を通じて、こうした仕組みを支え、循環の拡大と持続性の向上の実現が求められる。
      • これらの変化は一朝一夕に実現できるものではないが、粘り強く政策を継続していく必要がある。そのためには、メリハリのあるKPIを掲げ、かつ適切かつ効果的な支出の仕組みを重視し、中期的なプロセス管理をしっかり行って、以下の取組を推進すべき。
        1. 継続的に物価と賃金が上がる環境整備
          • 生産性の向上に向けた民間投資の活性化なくして、好循環は生まれない。そのためには以下の重要課題を含め、何が必要か徹底して検証し、必要な構造改革の断行、投資促進税制等による積極的後押しを実行すべき。
            1. 民間投資の活性化
              • デフレマインドの根強い継続は、企業の賃上げに対する慎重姿勢や現金保有・借入抑制・投資抑制の誘因となっている。インフラや医療介護等の公的分野、脱炭素をはじめとするSDGs分野等にリスクマネーを大胆に呼び込み、イノベーションを活性化させることで、社会課題の解決に向けた新たな投資需要を喚起させる。スタートアップ支援や事業転換の支援等を通じて民間投資を活性化し、生産性を向上させるべき。
            2. 人的投資と人材活用
              • 生産性向上の下、賃上げモメンタムを維持・拡大しつつ、人的資本の抜本強化を通じて、成長力の強化・可処分所得の増加につなげ、好循環を強化すべき。企業においては、働き方改革等を通じたエンゲージメントの向上、リスキリングの機会の提供を通じた能力向上、成長分野への労働移動の促進、理工系女性の採用拡大や育成が重要である。政府は、労働保険特会の構造改革を通じて、教育訓練の強化や労働移動の円滑化、働き方の違いによるセーフティネット格差の是正に取り組むべき。また、科学技術立国の実現を通じたイノベーティブ人材の増強、高度外国人材の呼込みを促進すべき。
            3. 企業行動の変革~両利き経営、付加価値創出経営へ
              • 短期的視点の下での企業経営はコストカットと投資抑制に偏りがち。また、過当競争体質や長年のデフレマインドの下、販売価格も硬直化し、賃上げ率や下請け業者の価格転嫁率も低い。こうした結果、潜在成長力も伸び悩んでいる。短・中期を両にらみした経営を通じて、将来への投資を活性化するとともに、付加価値創出経営を促進することで、事業と雇用の持続性を高めるべき。また、エネルギー価格の上昇が予想される中、安全性を確保した原発の再稼働も重要な要素となる。
            4. 地方の成長と世界経済の成長をダイナミックに取り込んだ好循環の拡大
              • デジタルやリモートワークを用いることで、地方においても、大都市や外国の人・モノ・データを、積極的に活用することが可能になってきている。これらの動きを促進し、世界とネットワークでつながることで、地方において新たな雇用と所得を創造すべき。また、農業・観光・中小企業等の輸出競争力を強化するほか、省エネ・エネルギーのコスト低減等を通じて所得流出の抑制を進め、経常黒字を継続する。こうした取組を通じて、地方と海外を積極的に連携させ、好循環を拡大すべき。
        2. 持続可能な社会保障制度の構築を通じた所得と消費の拡大
          • 現役世代の多くが教育や子育て・住宅取得といった旺盛な資金需要に直面しながらも、雇用や社会保障制度の面での不安や所得の伸び悩みの中で、消費を抑制しがちである。DXによる医療介護の生産性向上、予防医療・創薬等に係る民間活力を活かした市場の創造、マイナンバー活用による利便性の向上と応能負担の徹底に重点をおいて、現役世代の負担を抑制し、可処分所得と消費の拡大を実現すべき。
          • また、中間層の拡大の観点からは、正規・非正規の処遇格差、資産所得格差、一人親世帯の困窮、貧困の根雪化や世代を超えた継承といった課題が顕在化している。全世代型社会保障改革を進め、勤労者皆保険制度、働き方改革等を通じて、経済のダイナミズムを強化しながら、誰もが何度でもチャレンジできてやりがいのある社会、格差が固定化しない社会を構築すべき。
        3. 政府の機能の向上
          • 政府は、(1)危機管理、(2)社会的共通資本、(3)再配分、(4)財政の適切かつ効果的な支出の分野で機能の向上を図るべき。公的組織、人材、制度を迅速に見直して対応するとともに、デジタル技術を利活用することで、政府の政策立案・実行・評価機能を強化し、時代のニーズに即応した公共サービスを提供すべき

~NEW~
国民生活センター 新型コロナを口実にATMへ誘導する還付金詐欺!
  • 内容
    • 事例1:「3万円の還付金がある」と市役所を名乗る電話があり、口座のある銀行名を聞かれ答えた。その後、その銀行を名乗り「新型コロナの影響で65歳以上は銀行に入れないのでショッピングセンターのATMに行くように」と電話があった。不審だ。(60歳代 女性)
    • 事例2:役場を名乗る電話があり「介護保険料の返金がある。新型コロナの影響で返金期限が早まり手続きは本日までだ。携帯電話と通帳を持って銀行のATMへ行き、指定の電話番号に電話し指示どおりに操作するように」と言われたが詐欺ではないか。(60歳代 女性)
  • ひとこと助言
    • 役所などの公的機関や金融機関の職員が還付金手続きのためにATMの操作をするよう連絡することは絶対にありません。
    • 「お金が返ってくるのでATMに行くように」という電話があったら還付金詐欺です。相手にせず、すぐに電話を切ってください。
    • 新型コロナを口実にしてATMへ誘導する手口もみられます。心当たりがあっても、指示された番号に電話はかけず、役所の担当部署に確認してください。
    • 不審な電話があったら、すぐに最寄りの警察やお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(警察相談専用電話「#9110」消費者ホットライン「188」)。

~NEW~
経済産業省 「非財務情報の開示指針研究会」中間報告を取りまとめました~サステナビリティ関連情報開示と企業価値創造の好循環に向けて~
▼サステナビリティ関連情報開示と企業価値創造の好循環に向けて ~「非財務情報の開示指針研究会」中間報告・概要資料~
  1. 本研究会設置の背景(問題意識)
    1. 企業価値評価における非財務情報/サステナビリティ関連情報の重要性の高まり
      • 企業価値を把握するための情報としての、非財務情報の重要性の高まり
      • 企業活動が環境・社会・経済に与える影響を、企業価値評価・投資活動に反映させようとする動きの活発化
      • 情報の作成者(企業)と投資家をはじめとするステークホルダーとの双方向的な対話を行うためのベースとして「非財務情報開示」あるいは「サステナビリティ関連情報開示」の重要性が高まりを見せている
    2. 非財務情報開示基準に関する国際的に活発な動向
      • 林立していた民間の非財務情報の開示基準設定主体が、昨年より収斂に向けた動きを加速
      • 欧州における非財務情報開示の拡充に向けた動き(非財務情報開示指令の改正・義務化)
      • IFRS財団による、国際サステナビリティ基準を策定するための新たな審議会設置(2021年11月3日)
      • 国際的なサステナビリティ関連情報開示基準が一定の収斂に向かって行く方向に進む中で、我が国としての考え方や問題意識の発信を通じ、基準設定に関与していくことが必要
  2. 質の高いサステナビリティ関連情報開示に向けた4つの提言
    1. サステナビリティ関連情報開示における価値関連性の重視
      • サステナビリティ関連情報開示を通じた作成者と利用者の対話においては、企業価値との関連性を重視すべき
      • その際、以下の2点を意識しつつ、経営判断・経営戦略と一体のものとして統合的・連続的に取り組む必要
        1. 企業活動のサステナビリティにとって重要性ある事項を、短期に加え、中長期の時間軸で特定する
        2. 価値関連性や重要性は、市場が企業を評価する視点や社会・環境・経済の変化により動的に変化する
    2. サステナビリティ開示基準の適用におけるオーナーシップ(主体性)の発揮
      • 価値関連性を意識したサステナビリティ関連情報開示を実践する際は、企業毎に事業特性や重要性がある事項が異なることを踏まえ、価値関連性を主体的に判断して、独自性・自由演技の幅を含む開示とすることが効果的。
      • 一方、今後国際的にサステナビリティ関連情報開示基準が定められる中で、基準による規範性の尊重や、比較可能性・客観性の確保も重要。
      • 開示基準の適用に際してオーナーシップ(主体性)を発揮し、「独自性」と「規範性」のバランスへの意識が重要(規範性を意識するあまり、独自性を欠くチェックボックス型(定型)的な開示となることは避けるべき)
      • 「Apply or Explain(基準の適用か、説明か)」アプローチを採用し、Explainにおいては積極的な説明を
    3. 企業価値とサステナビリティ情報の結合性に関する認識の深化
      • サステナビリティ関連情報開示と企業価値・財務情報の関連性について、情報の作成者・利用者の共通認識は醸成途上
      • 国際的なサステナビリティ基準の策定を通じて、こういった関連性についての検討が進むことも期待される
      • 同時に、サステナビリティ情報の作成者たる企業、利用者たる投資家等のステークホルダー、研究者等による、企業価値・財務情報との関連性についての分析や検討の進捗と、結果の共有を期待
    4. ステークホルダーとの「対話」に繋がるサステナビリティ関連情報開示の実施
      • (1~3の提言実現の方向性として、)情報の作成者は、重要なステークホルダーを特定した上で対話(エンゲージメント)を深化させることで、サステナビリティ関連情報開示と企業価値創造の好循環を実現できる
      • 対話(エンゲージメント)にあたっては、以下の2点を意識が必要
        1. 価値創造にとって重要なステークホルダーを広く意識する(例:従業員、取引先、消費者)
        2. 「投資家」のスタンス・時間軸・考え方等の違いを念頭に置き、どのような開示・対話が重要か検討する(投資方針(パッシブ、アクティブ)や、アセットオーナーの投資方針、投資に携わる部門感の違い等)
          • 投資家においても、企業との対話に際して投資方針や考え方を明確に伝えることが重要
  3. 4つの提言の背景-サステナビリティ関連情報開示を巡る3つの「揺らぎ」-
    • 揺らぎの前段:企業価値を把握するための情報の広がり
      • 「企業価値」の把握にあたって、財務情報に加え非財務情報(例:経営戦略)の重要度が高まっている
      • 加えて、企業活動が環境・社会・経済全般に与える正負の外部性に関する情報も投資評価に反映させる動きが活発化
      • このような背景から、「どのような情報が企業価値に関係しているといえるか」は、動的に変化している状況にある。
    • サステナビリティ関連情報開示を巡る3つの「揺らぎ」
      1. 「共通性」と「独自性」のバランスを巡る揺らぎ
        • 国際的なサステナビリティ情報の策定が進む中で、「共通性」や「比較可能性」の確保と、企業の「独自性」、「多様性」のバランスをどのように図るべきか
      2. マテリアリティを巡る揺らぎ
        • 開示基準が林立し、また各開示基準が想定する「読み手」や「マテリアリティ」、規定される「開示項目」が異なる中で、「誰に向けて」「何を伝えていくべきか」をどのように特定・判断すべきか
      3. 財務情報、非財務情報、サステナビティ情報の関係性を巡る揺らぎ
        • 財務情報、非財務情報、サステナビリティ情報といった用語や概念に対して、共通の理解が必ずしも醸成されていない中で、相互の関係性や包含関係をどう理解するか
    • これら3つの「揺らぎ」を乗り越え、サステナビリティ関連情報開示と企業価値創造の好循環を実現するための処方箋として、4つの提言を取りまとめ。「揺らぎ」の解消に向けて、今後も検討を重なる。
  4. 個別分野における開示の考え方(気候関連)
    • 気候関連情報開示の検討に至った背景:
      • 2020年12月に主要5団体によりTCFD提言・IASBフレームワークも念頭に置いた「気候関連プロトタイプ」を公表
      • IFRS財団は新たな審議会の設立に向けて、本プロトタイプの検討を明示
      • 今後、プロトタイプを基礎とした基準開発が想定されることから、「気候関連プロトタイプ」に基づく議論を実施
    • プロトタイプの構造・開示項目
      • TCFD提言が採用している4つの柱(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)と同様の構造で、TCFD提言の開示項目を含んでいることから、作成者・利用者からの理解を得やすい
      • TCFD提言への対応状況は企業毎に異なるため、今後、対応に数年程度必要ではないか
    • 基準採用後の適用水準
      • TCFD提言では「推奨される情報開示」となっているところ、プロトタイプでは「内容を開示しなければならない」となっている。この結果、経営者が検討していない内容まで形式的に開示がなされ、報告書の主旨が伝わりにくくなる懸念がある
      • 企業によって重要性の高くない項目まで詳細な開示を求めることは、開示の費用対効果の観点で適切でない。
    • 開示媒体
      • 利用者の特性、目的により求められる情報が異なることから、効果的な開示を実現するための媒体の使い分け(例:データブックの作成、ウェブサイトの活用)も検討が必要ではないか。
  5. 個別分野における開示の考え方(人的資本)
    • 人的資本情報開示の検討に至った背景:
      • 2021年6月のCGコードでの人的資本投資への言及等、開示の重要性の高まりがみられる
      • 2020年8月に米国SECが上場企業に人的資本情報開示を義務づける等、海外では開示に関する制度の整備が進む
      • サステナビリティ関連開示で、気候関連情報に次いで議論が進んでいる領域であることを踏まえ、検討を実施
    • 人的資本情報の特徴を踏まえた開示
      • 人的資本に関する情報開示は、「価値向上」のための開示と、「リスクマネジメント」のための開示に分かれる。
      • 人的資本情報の開示にあたっては、それぞれの開示項目が持つ特徴を念頭に置き発信することが効果的な開示に繋がると考えられる。
    • 人的資本情報と価値創造プロセスとのリンケージ
      • 人的資本情報を開示する際には、自社の人材戦略がどのように企業価値の創造に寄与するのか、を明らかにすることが望まれる。また、その中で人的資本に関する取組の進捗を示す情報・指標(KPI)を開示することで、企業価値の創造に向けた効果的な対話に繋がる。
    • 指標(KPI)の理解に資する定性情報の説明
      • 指標(KPI)を開示する際には、その指標の設定理由や、目指すべき水準を併せて開示することが望まれる。
  6. 今後の検討について
    1. 中間報告・提言の活用
      • 国内での質の高いサステナビリティ開示及び対話(エンゲージメント)の進展や、そのための議論に役立てる
      • 中間報告・提言の内容を国内外に積極的に発信することで、本研究会の議論のエッセンスが国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)における議論を始めとした国際的な議論に取り込まれていくことを目指す
    2. 国内外の議論の進展を踏まえた今後の検討
      • 今後ISSBにおける検討が進み、2022年第一四半期には気候変動に関するISSB基準の草案が示されることが見込まれるなど、国際的な検討状況が引き続き流動的(moving target)な状況にある
      • こういった状況を踏まえ、今後の検討課題として、以下のような論点が想定される
        1. 気候変動に関するISSB基準の草案やISSBにおける追加のアジェンダ・コンサルテーションの状況、EUや米国等の検討状況など、国際的な動向・基準を踏まえた分析・検討
        2. 財務情報と様々な非財務情報とのリンケージに関する更なる分析・検討
        3. 開示情報の電子的な管理(XBRL等の情報のタグ付け、情報プラットフォーム等)を通じた開示情報分析の効率化に関する分析・検討
      • 今後の国内外の検討状況を踏まえ、優先順位を検討していく。

~NEW~
金融庁 「モデル・リスク管理に関する原則」に対するパブリックコメントの結果等について
▼(別紙2)モデル・リスク管理に関する原則
  • 原則1-ガバナンス:取締役会等及び上級管理職は、モデル・リスクを包括的に管
  • 理するための態勢を構築すべきである。
  • 1.1.取締役会等及び上級管理職の責任
    • 取締役会等及び上級管理職は、リスク管理態勢の一部として、モデル・リスクを包括的に管理するための強固なモデル・リスク管理態勢を構築すべきである。取締役会等は、モデル・リスク管理の実施及び管理態勢の維持に関する責任を、上級管理職又は関連する委員会に委譲することができる。取締役会等は、他のリスク領域と同様に、方針・規程の遵守状況、自社のモデル・リスクの状況等について定期的に報告を受けるべきである。
  • 1.2.モデル・リスク管理態勢
    • モデル・リスク管理態勢は、金融機関の特性、リスク・プロファイル、モデル・リスクの性質、モデル・リスクに対する許容度等と整合的でなければならない。モデル・リスク管理態勢は、グループ全体での管理を基本とし、業態間・地域間・法域間等で適切なレベルの一貫性を確保する必要がある。モデル・リスク管理態勢は、業界の健全な実務慣行や、自社内外におけるモデル・リスク管理の失敗事例から得られた教訓も十分に考慮して構築されるべきである。
  • 1.3.方針・規程及び文書化
    • 金融機関は、モデル・リスク管理態勢とその業務を定めた方針・規程を整備すべきである。方針・規程には、モデルの定義、役割と責任、モデル・インベントリー、モデル開発、実装、検証等、モデル・リスク管理のすべての項目を網羅すべきである。また、金融機関は、モデル・リスク管理における各プロセスの結果を適切に文書に残しておくべきである。文書化の水準は文書の目的によって異なり得るが、目的に照らして、ステークホルダーに必要な事項が十分に伝わる内容・粒度を備えている必要がある。
  • 1.4.役割・責任
    • 金融機関は、モデル・リスク管理に係る各部門・部署等の役割・責任を明確に規定すべきである。役割・責任のあり方は金融機関のモデル・リスク管理態勢によって異なると考えられるが、金融機関は、そのうちの重要なものとして、(1)モデルの所管及び(2)独立した立場からの統制について規定する必要がある。(1)について、金融機関は、モデル毎にモデル・オーナー(第1線としてモデル使用及びその性能に責任を担う者(部署)をいう。)を設定すべきである。(2)について、金融機関は、第1線の有するモデル・リスクに対して統制を行う部署として、モデル・リスク管理部署(第2線としてモデル・リスク管理態勢の維持、方針・規程の遵守状況及びモデル・リスク全体に対する独立した立場からの監視等に責任を負う者(部署)をいう。)を設置すべきである。
  • 原則2-モデルの特定、インベントリー管理及びリスク格付:金融機関は、管理すべきモデルを特定し、モデル・インベントリーに記録した上で、各モデルに対してリスク格付を付与するべきである。
  • 2.1.モデルの特定
    • 金融機関は、自社のモデル・リスク管理態勢におけるモデルの定義に基づき、管理対象とする「モデル」を特定すべきである。通常、第1線がモデルの特定に責任を負い、第2線がモデルの該当・非該当の最終判定に責任を負う。
  • 2.2.モデル・インベントリー管理
    • 金融機関は、使用中のモデル、開発中のモデル及び最近使用を停止したモデルに関する一連の情報を、モデル・インベントリーに記録すべきである。モデル・インベントリーは、金融機関がモデル・リスク管理を行うに当たって必要な情報を包括的に記載している必要がある。各業態・子会社や各部門・部署等の単位でモデル・インベントリーを管理することも可能であるが、グループ・ベースでのモデル・インベントリーの管理は必要であり、第2線がその責任を担うべきである。
  • 2.3.モデルのリスク格付
    • 金融機関は、モデル・インベントリーに記録した各モデルに対して、リスク評価を行い、リスク格付を付与するべきである。リスク格付は、モデル・リスク管理におけるリスクベース・アプローチの基礎として、各モデルに対する統制のレベル(検証の深度や頻度等)を決定する重要な要素となる。リスク格付の手法は金融機関によって異なり得るが、リスク評価に当たっては、モデルの重要性、複雑性、用途等の要素を考慮することが考えられる。
  • 原則3-モデル開発:金融機関は、適切なモデル開発プロセスを整備すべきである。モデル開発においては、モデル記述書を適切に作成し、モデル・テストを実施すべきである。
  • 3.1.モデル開発
    • モデル開発においては、モデルの理論的な適切性、データの質・モデルとの適合性など、モデルの目的に照らした適切性を確保するための開発プロセスを整備するべきである。
  • 3.2.モデル記述書
    • モデル開発プロセスにおいては、包括的なモデル記述書を作成するべきである。モデル記述書は、各モデルの機能や特性をステークホルダーに適切に共有できるように、モデルで用いられる手法や仮定、モデルの限界・弱点等を包括的かつ詳細に記載すべきである。モデル記述書は、関連分野の専門性を持つ第三者(モデルの検証者等)がモデルの機能等を理解できる程度に十分な情報を備えている必要がある。
  • 3.3.モデル・テスト
    • モデル開発プロセスにおいて、第1線は、モデルの正式使用開始前にモデル・テストを実施すべきである。モデル・テストでは、当該モデルの各構成要素及び全体の動作の点検を行い、モデルの潜在的な限界・弱点を分析し、当該モデルが意図されたとおりに機能しているかの評価を行う。また、モデル・テストの結果は適切に文書化すべきである。
  • 原則4-モデル承認:金融機関は、モデル・ライフサイクルのステージ(モデルの使用開始時、重要な変更の発生時、再検証時等)に応じたモデルの内部承認プロセスを有するべきである。
  • 4.1.モデル承認
    • モデルが正式に使用開始される際や、モデルに重要な変更が加えられる際には、事前に第2線によるモデル検証と内部承認を受ける必要がある。また、モデルの再検証が行われる際には、当該モデルの継続使用に関する内部承認を受ける必要がある。モデル承認者は、モデル使用に関する制限等の条件を付した承認や、モデル使用の拒否を行う権限を持つべきである。
  • 4.2.モデル承認に係る例外規定
    • 金融機関は、モデル承認に関する例外規定を設けることも可能である。ただし、正式なモデル承認を経ずにモデルの使用を例外的に認めることは、あくまでも第2線による厳格な統制のもとで行われる一時的な措置であるべきである。また、こうした例外措置は、モデルが有するリスクと整合している必要がある。
  • 原則5-継続モニタリング:モデルの使用開始後は、モデルが意図したとおりに機能していることを確認するために、第1線によって継続的にモニタリングされるべきである。
  • 5.1.継続モニタリング
    • 金融機関は、使用が開始されたモデルに対して継続モニタリングを実施すべきである。継続モニタリングは通常、第1線によって実施され、モデルが意図したとおりに機能しているかについて定期的な確認を行う。使用開始時には意図したとおりの性能が確認されたモデルであっても、計測対象とする金融商品、金融機関のビジネス活動、市場の状況その他の環境の変化等により性能が低下することも想定される。継続モニタリングは、そのようなモデルの陳腐化を捕捉し、モデルの変更又は使用停止が必要となっていないかを確認する役割も担っている。
  • 5.2.継続モニタリングの実施方法
    • 継続モニタリングの手法等は、モデルの目的、性質及びリスクによって異なり得る。金融機関は、継続モニタリングの実効性を確保するために適切なアプローチを選択する必要がある。継続モニタリングにおいても文書化は重要なプロセスであり、金融機関は、継続モニタリングの頻度・手法といった実施方法や、実施した結果を適切に文書化するべきである。
  • 原則6-モデル検証:第2線が担う重要なけん制機能として、金融機関はモデルの独立検証を実施すべきである。独立検証には、モデルの正式な使用開始前の検証、重要な変更時の検証及びモデル使用開始後の再検証が含まれる。
  • 6.1.モデル検証
    • 金融機関はモデルの独立検証を実施すべきである。モデル検証では、モデルの仕様及び理論の適切性、モデル使用の適切性、モデルの使用に関する制限の要否等を確認する。検証結果は適切に文書化され、モデル承認の判断基準として考慮されるべきである。第2線は、モデル検証で欠陥等が発見されたモデルについて、第1線に対して使用の制限や停止等の適切なリスク低減措置を求める権限を有するべきである。
  • 6.2.モデル検証の類型
    • モデルは、モデル・ライフサイクルのステージに応じて各種のモデル検証の対象となる。まず、すべてのモデルは、原則4.2.の例外規定により使用を認められる場合を除いて、正式な使用開始前に検証を受けるべきである。また、モデルに重要な変更が加えられる場合には、第2線が検証の必要性を検討すべきである。モデルの使用開始後は、実際の運用において意図したとおりに機能しているかどうかを評価するために、再検証が行われるべきである。
  • 6.3.モデル検証の手法及び検証項目
    • モデル検証の手法及び検証項目は、モデルの目的、性質、リスクのほか、データの利用可能性やモデル検証の類型によって異なり得る。金融機関は、モデルに対して実効的なけん制を行うために、モデル検証に当たって適切な手法等を選択する必要がある。実施が適当な場合には、実際の過去データとモデルのアウトプットの比較分析(バック・テスト等)もモデル検証の手法に含まれる。モデル検証における検証項目は、モデル自体の評価と第1線の管理に対する評価の両方をカバーする必要がある。検証項目には、例えば、モデル記述書、手法、仮定、データ、開発上の証跡、実装、使用、継続モニタリング等の評価が含まれる。
  • 6.4.モデル検証の独立性
    • 金融機関は、モデル検証者が第1線から十分に独立してけん制機能を発揮できる態勢を構築すべきである。モデル検証の独立性は、レポーティングラインの分離やインセンティブ構造等によって確保されることが考えられる。なお、第1線がモデル検証を実施することも許容されるが、その場合は、第1線が実施した検証結果に対して第2線が評価を行うべきである。
  • 6.5.モデル検証におけるリスクベース・アプローチ
    • モデル検証の実施頻度や深度・範囲等は、当該モデルのリスクの高低と整合的でなければならない。特に、再検証の実施頻度及び優先順位付けは、モデルのリスク格付と整合的であることのほか、環境の変化やそれに伴うモデルの性能低下の兆候、モデルの使用に関する制限等の状況も考慮することが必要である。なお、リスクベース・アプローチの観点からは、リスクが低いモデルについて、例えば環境に大きな変化があった場合やモデルの性能低下の兆候が観察された場合に不定期の再検証を実施するなど、定期的な再検証を実施しないことも許容される。
  • 原則7-ベンダー・モデル及び外部リソースの活用:金融機関がベンダー・モデル等や外部リソースを活用する場合、それらのモデル等や外部リソースの活用に対して適切な統制を行うべきである。
  • 7.1.ベンダー・モデルその他のサードパーティー製品
    • ベンダー・モデル等(モデルで使用するサードパーティー製のデータやパラメーター等を含む。)は、その仕様等の詳細が非公開であることが多く、金融機関は当該ベンダー・モデル等で用いられている手法、仮定、データ等に関して限定的な情報しか持たないことが多い。しかしながら、金融機関は、これらの制約がある場合であっても、ベンダー・モデル等を自社のモデル・リスク管理態勢の下で位置づけ、そのリスクを管理し、許容可能な水準まで低減する必要がある。
  • 7.2.ベンダー・モデル等のリスク管理
    • ベンダー・モデル等のリスク管理には、社内開発のモデル等とは異なるアプローチが必要になる。ベンダー・モデル等に特有の管理としては、例えば、適切なベンダー及び製品を選定すること、可能な限り詳細な情報の提供をベンダーに求め、モデルの仮定・特性や限界・弱点の把握に努めること、入手可能な情報に基づき可能な範囲でモデル検証を実施すること、当該ベンダー・モデル等が使用できない状況に備えたコンティンジェンシープランを策定すること等が考えられる。
  • 7.3.外部リソースの活用
    • モデル検証やモデルの評価等、モデル・リスク管理の実施において外部リソースを活用する場合、金融機関は外部リソースの提供者が実施した活動の結果を理解し、適切に評価できる必要がある。外部リソースの提供者に係るデュー・ディリジェンスその他の外部委託に当たっての統制は、金融機関における外部委託に係る既存の管理と整合的であるべきである。
  • 原則8-内部監査:内部監査部門は、第3線として、モデル・リスク管理態勢の全体的な有効性を評価すべきである。
  • 8.1.内部監査の役割
    • 内部監査部門は、モデル・リスク管理態勢とその実務が包括的で厳格かつ実効的であるかどうかを、独立した立場から評価・検証すべきである。また、金融機関は、自社が行う他の内部監査と同様に、モデル・リスク管理に係る内部監査の所見を文書化し、取締役会等又は関連する委員会に報告すべきである。

~NEW~
金融庁 「会計監査の在り方に関する懇談会(令和3事務年度)」論点整理の公表について
▼(別紙2) 「会計監査の在り方に関する懇談会(令和3事務年度)」論点整理(概要)
  • 会計監査の信頼性確保
    • 企業活動が複雑化し、上場会社の多様性が広がる中、中小監査事務所を含め、上場会社の監査の担い手の裾野が拡大
    • 会計監査の品質管理の高度化
    • 海外における監査の在り方の見直しに向けた動向
    • 対応の方向性
      • 中小監査事務所等に対する支援の充実
      • 上場会社の監査に高い規律を求める制度的枠組みの検討:「監査法人のガバナンス・コード」の受け入れの促進
      • 「第三者の眼」によるチェック機能の発揮:深度ある品質管理レビューの実施、公認会計士・監査審査会による検査範囲の見直し
  • 公認会計士の能力発揮・能力向上
    • 公認会計士の働き方の多様化―女性活躍の進展、組織内会計士の増加
    • 監査基準の高度化やAIを始めとする監査の技術革新の進展
    • 対応の方向性
      • 監査法人の社員の配偶関係に基づく業務制限について見直しを検討
      • 組織内会計士向けの指導・支援を広げるための方策の検討や、研修プログラムの充実等
      • 継続的専門研修(CPE)、実務補習・業務補助等の充実(公認会計士試験制度の在り方については、中長期的な目線で検討)
      • 監査事務所と企業の人材交流等による公認会計士の現場感覚の養成
      • CPEの受講義務を適切に履行しない者に対する対応
  • 高品質な会計監査を実施するための環境整備等
    • コーポレートガバナンス・コードに基づく企業の取組み
    • 対応の方向性
      • 監査役等や内部監査部門とのコミュニケーション・連携の強化
      • 内部統制の整備・運用状況の分析、実効性向上に向けた議論

~NEW~
金融庁 IOSCOによる「外部委託に関する原則」の公表について
▼IOSCO メディアリリース(仮訳)
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)の代表理事会は、本日、サービス提供者へ外部委託を行う規制業者のための原則の更新版を公表した。
  • IOSCOは、2005年及び2009年に、それぞれ市場仲介業者及び取引所業務における外部委託に関する原則を発表した。上記発表以降、市場及びテクノロジーの新たな発展により、外部委託に関連するリスクと規制業者における業務上の強靭性を確保する必要性について、規制監督上の関心が向けられてきた。
  • 更に、COVID-19の影響は、外部的かつ多くの場合不測のショックが企業及びそのサービス提供者に対して影響を与える状況において、事業継続性を確保する必要性を浮き彫りにしている。
  • 更新された「外部委託に関する原則」は、過去の「市場仲介業者の外部委託に関する原則」及び「取引所業務の外部委託に関する原則」をベースとしつつも適用範囲を拡大しており、取引所、市場仲介業者、自己勘定ベースで活動する市場参加者、信用格付機関を対象としている1。金融市場インフラストラクチャー(FMIs)は本原則の適用範囲外であるが、本原則の適用を検討することも可能である。IOSCOは、今後のCPMI(BIS決済・市場インフラ委員会)-IOSCO共同作業プログラムの一環として、外部委託の問題についてCPMIと連携していく。
  • 今般更新された原則は、一連の基本的な考えと7つの原則から構成されている。基本的な考えは、外部委託の定義、重大性及び不可欠性の評価、関連会社への適用、再委託、クロスボーダーでの外部委託の取扱いなどを対象としている。
  • 7つの原則は、外部委託を行う規制業者に期待される対応と、対応実施に向けたガイダンスを定めている。7つの原則は、以下の分野を対象としている
    • サービス提供者の選定におけるデュー・ディリジェンス及びサービス提供者とそのパフォーマンスのモニタリング
    • サービス提供者との契約
    • 情報セキュリティ、業務の回復力、事業継続性、災害復旧
    • 秘密保持
    • 外部委託アレンジメントの集中
    • データ、事業所、人員へのアクセス及び関連する検査権限
    • 外部委託アレンジメントの終了
  • 本原則は、COVID-19が外部委託と業務上の強靭性に与える影響についても簡単に言及している。
  • さらに、外部委託がクラウドコンピューティングとどのように統合されるか、信用格付会社がどのように外部委託とクラウドコンピューティングを組織上の戦略と構造に組み込んで使用しているかについて記述した付属文書を含む。

~NEW~
金融庁 金融審議会「資金決済ワーキング・グループ」(第2回)議事次第
▼資料1-1 事務局説明資料(銀行等におけるAML/CFTの高度化・効率化に向けた対応)
  1. 共同機関に対する業規制の基本的考え方
    • 共同機関が多数の銀行等から委託を受け、その業務の規模が大きくなる場合、
      • 銀行等による共同機関に対する管理・監督に係る責任の所在が不明瞭となり、その実効性が上がらないおそれ
      • 共同機関の業務は、AML/CFT業務の中核的な部分を行うものであり、共同機関の業務が適切に行われなければ、日本の金融システムに与える影響が大きいものとなりうる
      • 共同機関に対する業規制を導入し、当局による直接の検査・監督等を及ぼすことで、その業務運営の質を確保する。
        1. 対象業務
          • 銀行等(預金取扱等金融機関・資金移動業者)からの委託を受けて、為替取引に関して、以下の業務を行うこと
          • 顧客等が制裁対象者に該当するか否かを照合し、その結果を銀行等に通知する業務(取引フィルタリング関連の業務)
          • 取引に疑わしい点があるかどうかを分析し、その結果を銀行等に通知する業務(取引モニタリング関連の業務)
        2. 参入要件
          • 一定の財産的基礎
          • 適切なガバナンスの下で業務を的確に遂行できる体制の確保(業務の実施方法等)など
        3. 兼業規制
          • 個人情報の適正な取扱い等との関係で、一定の制限が必要
          • 取引フィルタリング・取引モニタリングに関連するものが基本
        4. 個人情報の適正な取扱い
          • 多くの個人情報を取り扱うとの業務特性に鑑み、銀行等と同様の個人情報保護法の上乗せ規制(一定の体制整備義務等)
        5. 検査・監督
          • 業務の適正な運営を確保する観点から当局による検査・監督を実施
  2. FATFによるAML/CFT業務の共同化に関する評価と課題
    • 金融活動作業部会(FATF)のレポート(2021)では、データプーリングや共同分析について、以下の通り指摘している。
      • タイムリーかつ負担の少ない方法でマネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る要求を遵守することが可能となる
      • ビッグデータやAI等の高度な分析の活用は個人情報が共有されている場合や、プロセスの十分な説明可能性が不足したまま、偏ったり、誤った結果をもたらす可能性がある場合には、基本的権利や個人の権利に対するリスクを伴う
    • FATFのレポート(2021)では、
      • データ・プライバシー及び個人情報保護がAML/CFTに係る情報共有にあたっての主な課題とされ、
      • AML/CFTと個人情報保護については、各国の法制の下で、バランスの取れた形で考慮されなければならない、と指摘。
  3. 共同機関における個人情報の適正な取扱い
    • 共同機関においては、業務実施にあたり、政府機関等が公表する「制裁対象者リスト」や、銀行等が利用者から取得した「顧客情報」や「取引情報」といった個人情報を含む多くの情報を取り扱うこととなる。
      1. 「取引フィルタリング」関連
        • 「制裁対象者リスト(国の機関・外国の政府機関・国際機関等が公表)」をこれを公表している政府機関等から、収集、保有、最新化。
        • 「顧客情報・取引情報(銀行等が、取引にあたり顧客から提供を受けたもの) 」を銀行等から提供を受けて、当該情報と上記リストとを照合し、その結果を銀行等に通知。
      2. 「取引モニタリング」関連
        • 「顧客情報・取引情報」を銀行等から提供を受けて、取引に疑わしい点があるかどうかを分析し、その結果を銀行等に通知。
      3. 業務に必要となる「情報システム・プログラム」を開発、管理・運用、更改(高度化)する(必要に応じ、システムベンダー等に委託)。
    • 共同機関が取り扱うことが想定される「情報」(個人情報を含む)の例>
      1. 制裁対象者リスト
        • 制裁対象者の氏名・生年月日・住所・国籍・出生地・役職・旅券番号など(具体的なイメージはP16参照)
        • その他政府関係機関等により公表されている制裁対象に関する情報
      2. 顧客情報/取引情報
        • 依頼主情報(氏名・生年月日・顧客番号・住所・国籍・業種・口座情報(預金種別・口座番号・残高情報)等)、受取人情報(氏名・金融機関名・口座番号等)、取引チャネル(店頭、ATM、ネットバンキング等)、送金金額、取扱通貨、送金目的、取引日時など
        • 分析システムの開発・更改(高度化)時の学習に必要なものとして、過去一定期間の取引に係る上記情報、これまでの取引の中で、最終的に疑わしい取引の届出を行ったか、行わなかったかの情報
    • 多くの個人情報を取り扱うこととなる共同機関においては、個人情報の適切な取扱いの確保は極めて重要。
    • 共同機関は、個人情報保護法に基づく各種規制・監督等に服することとなるが、
      • 多数の銀行等からの委託を受けて、多くの個人情報を取り扱うこととなるとの業務特性を踏まえ、
      • 個人情報保護法の上乗せ規制として、共同機関に対する業規制において、個人情報の適正な取扱いに関する以下の規律を課した上で、履行状況について、業規制に基づく検査・監督を行うことが考えられる。
        1. 情報の安全管理措置
          • 業務に係る電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置を講ずべきこと
        2. 個人利用者情報の安全管理措置等
          • 共同機関が取り扱う個人である銀行等の利用者に関する情報の安全管理、従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合にはその委託先の監督について、当該情報の漏えい、滅失又は毀損の防止を図るための措置を講ずべきこと
        3. 非公開情報の取扱い
          • 共同機関が取り扱う個人である銀行等の利用者に関する非公開情報(業務上知り得た公表されていない情報)を取り扱うときは、適切な業務の運営の確保や目的外利用を防止するための措置を講ずべきこと
        4. 目的外利用の禁止
          • 共同機関の役職員等の業務上知り得た情報の目的外利用の禁止
          • 共同機関から委託を受けた者等についても同様であること
        5. 秘密保持義務
          • 共同機関の役職員等の業務上知り得た秘密を保持すべきこと
          • 共同機関から委託を受けた者等についても同様であること
    • 共同機関の個人情報の取扱いの適正性は、業規制に基づく規制・監督等に加えて、共同機関における業務実施方法や個人情報の取扱いに係る個別具体的な態様を踏まえ、個人情報保護法やそのガイドライン等に基づき確保される必要があり、共同機関においては、例えば、以下(略)の各点に留意することが必要と考えられる
    • 共同機関においては、業規制等に基づく適切な規制・監督等の下で、例えば、下記事例のように、
      • 各銀行等から共同機関に提供される個人情報は、分別管理し、他の銀行等と共有しない、【事例1】
      • さらに、共同化によるメリットの一つである分析の実効性向上を図る観点から、これに資するノウハウを特定の個人との対応関係が排斥された形(個人情報ではない形)で共有する、【事例2】ことにより、個人情報の保護を適切に図りつつ、プライバシーにも配慮した形で、共同化によるAML/CFTの実効性向上等との適切なバランスが確保されるものと考えられる。
      • なお、共同機関において、各銀行等から提供された個人情報を共有して利用することは、ある銀行等から他の銀行等への個人情報の第三者提供に該当するため、原則本人同意が必要となる。
    • 【事例1】「委託の範囲内で顧客同意不要、利用目的の範囲内」
      • 各銀行は、顧客から個人情報の提供を受けるにあたり、「犯罪収益移転防止法に基づくご本人さまの確認等や、金融商品やサービスをご利用いただく資格等の確認のため」との利用目的を通知・公表。
      • 共同機関は、各銀行から提供を受けた個人データを銀行別に分別管理し、他の銀行のものと混ぜずに業務を実施。
      • 共同機関は、各銀行の取引等を分析した結果(個人データを含む)は、委託元の各銀行にのみ通知し、他の銀行と共有しない。
    • 【事例2】「委託の範囲内で顧客同意不要、利用目的の範囲内」
      • 各銀行は、顧客から個人情報の提供を受けるにあたり、「犯罪収益移転防止法に基づくご本人さまの確認等や、金融商品やサービスをご利用いただく資格等の確認のため」との利用目的を通知・公表。
      • 左記a、bに加えて、各銀行から提供された個人データを基に機械学習を通じて生成された学習済みパラメータ(特定の個人との対応関係が排斥されたものに限る)を共有し、各銀行の分析で活用
    • 海外のAML/CFT業務の共同化の事例
      1. オランダ
        • オランダでは、5つの大手銀行が参加し、個々の銀行では検知できない異常な取引パターンを検知するシステムを構築することで、分析の高度化を図る取組みを実施している。
        • 当該プロジェクトは、民間セクター主導のAML/CFTデータ共有のイニシアチブであり、将来的な展開のための法改正を必要としている。
      2. アメリカ
        • アメリカでは、USA PATRIOT ACT(以下「米国愛国者法」という。)314条(b)において、民間金融機関等の間において、マネロン又はテロリストが関与する活動に関連すると信じる合理的な根拠を有している場合に、テロリスト又はマネロンに関与している可能性のある個人等の情報を共有すること(あくまで任意)について、法令等に基づく責任を負わない旨規定している。
      3. シンガポール
        • シンガポール金融管理局(MAS)は、2021年10月にAML/CFTのための金融機関の間の情報共有プラットフォームについてのコンサルテーションペーパーを公表し、法的なフレームワークの導入及び金融機関が相互に情報共有を行う安全なデジタルプラットフォーム(MASが所有・運営する「COSMIC」)の開発を提案
▼資料1-2 討議いただきたい事項(銀行等におけるAML/CFTの高度化・効率化に向けた対応)
  • マネー・ローンダリング等の犯罪については、一般に、その対策が十分でない銀行等が狙われる等の指摘がある。こうした観点から、各銀行等における単独での取組みに加え、銀行等が業界全体としてAML/CFTの底上げに取り組むことは意義がある。また、銀行等によるAML/CFTの実効性向上は、詐欺等の犯罪の未然防止や、犯罪の関与者の捕捉、被害者の損害回復にも寄与するものであり、利用者保護の観点からも重要な意義を有する。
  • AML/CFTについては、顧客管理と取引フィルタリング・モニタリングを組み合わせることで実効性を高めることが重要である。各銀行等において、AML/CFTの基盤となる預金口座等に係る継続的な顧客管理を適切に行うこととあわせて、リスク・ベース・アプローチの考え方の下、一般にリスクが高いとされる為替取引に関する「取引フィルタリング」「取引モニタリング」について、システムを用いた高度化・効率化を図っていく必要がある。
  • 共同化の対象としては、FATF審査の結果5や共同化による実効性・業務効率向上の観点を踏まえ、銀行等の委託を受けて、為替取引に関して、以下のア・イの業務を行うことを対象とすることが考えられる。
  • 顧客等が制裁対象者に該当するか否かを照合し、その結果を銀行等に通知する業務(取引フィルタリング関連の業務)
  • 取引に疑わしい点があるかどうかを分析し、その結果を銀行等に通知する業務(取引モニタリング関連の業務)
  • 犯収法等に基づくAML/CFTの履行義務は、各銀行等に対して課されており、共同機関の利用は各銀行等の経営判断に基づき行われるものである。また、銀行等が共同機関を利用する場合、現行制度の下では、銀行等は共同機関の業務の適正性を管理・監督することが求められ、当局は、委託元の銀行等の管理・監督を通じて、共同機関の業務の実施状況等を把握することとなる。
  • 一方、共同機関が多数の銀行等から委託を受け、その業務の規模が大きくなる場合、
    • 銀行等による共同機関に対する管理・監督に係る責任の所在が不明瞭となり、その実効性が上がらないおそれがあるほか、
    • 共同機関の業務は、AML/CFT業務の中核的な部分を行うものであり、共同機関の業務が適切に行われなければ、日本の金融システムに与える影響が大きいものとなりうる、と考えられる。
  • このような場合を念頭に置いて、共同機関に対する業規制を導入し、当局による直接の検査・監督等を及ぼすことで、その業務運営の質を確保する制度的手当てを行う必要があると考えられる
  • 共同機関は、多数の銀行等から委託を受けて、AML/CFTの中核的な業務を営むことが想定されることから、一定の財産的基礎や適切なガバナンスの下、業務を的確に遂行できる体制の確保等が重要となると考えられる。
  • 上記の取引フィルタリング・取引モニタリング業務に関連するものとして、例えば、制裁対象者リストの情報を共同機関の利用者となる銀行等に提供し、銀行等の継続的な顧客管理に活用してもらうことや、銀行等に対して、AML/CFTの研修を行うこと、更には、取引フィルタリング・取引モニタリングの分析の高度化に向けたコンサルティングを行うことなどが考えられる。また、銀行等以外の金融機関に対し、制裁対象者リストの情報を提供することなども想定される。一方で、取引フィルタリング・取引モニタリング業務と関連のない他業を幅広く営むと、後述の個人情報の適正な取扱い等との関係で、支障が生じうる可能性もあると考えられる
  • 共同機関は、個人情報データベース等9を事業の用に供することとなるため、他の個人情報取扱事業者と同様に、利用目的の特定や通知等といった個人情報保護法に基づく各種規制・監督等に服することとなる。更に、政府機関等が公表する「制裁対象者リスト」や、銀行等が利用者から取得した「顧客情報」や「取引情報」といった個人情報を含む多くの情報を取り扱うこととなるとの業務特性に鑑み、銀行等と同様に10、個人情報保護法の上乗せ規制として、以下の体制整備義務等の規律を課すことが考えられる。
    • 情報の安全管理措置
    • 個人利用者情報の安全管理措置等
    • 非公開情報の取扱い
    • 目的外利用の禁止
    • 秘密保持義務
  • 当局による検査・監督権限を規定し、上記の取引フィルタリング・取引モニタリング業務の実施状況やそれに伴う個人情報の取扱いに係る体制整備の状況等について、モニタリングすることが考えられる。
  • 共同機関による個人情報保護法や上乗せ規制(体制整備義務等)の履行状況等は当局による直接のモニタリングの対象となるが、銀行等から共同機関への個人情報の提供に際しての本人同意の取得等については、まずは各銀行等と共同機関において、その業務態様を踏まえ、個人情報保護法や同法のガイドライン等に則して、適切に対応する必要がある。
  • 共同機関で想定される業務態様を前提とすると、共同機関における個人情報の取扱いについて、一般論として、以下のとおり整理できると考えられる。
    1. 利用目的の特定・通知又は公表
      • 銀行等は共同機関に利用者の個人情報等を提供することになる。個人情報保護法で求められる利用目的の特定・通知又は公表との関係については、現行の銀行等の実務を前提とすると、一般論としては、現在通知・公表されている利用目的の範囲内となるものと考えられる。
    2. 共同機関への個人情報の提供に際しての本人同意の取得等
      1. 共同機関における個人情報等の分別管理
        • 共同機関が、
          • 各銀行等から提供を受けた個人データを各銀行等別に分別管理する(他の銀行等のものと混ぜない)
          • 各銀行等の取引等を分析した結果(個人データを含む)は、委託元の各銀行等にのみ通知する(他の銀行等と共有しない)
        • 場合には、一般論として、
          • 銀行等の行為は「利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合」に該当すると考えられ、
          • 銀行等は、あらかじめその利用者の同意を得ることなく、当該個人データを共同機関に提供することができると考えられる。
      2. 機械学習の学習済みパラメータの共有
        • 共同機関における分析能力の向上を図る観点から、
          • 上記アに加え、複数人の個人情報を機械学習の学習用データセットとして用いて生成した学習済みパラメータ(重み係数)19を共同機関内で共有し、他の銀行等の分析に活用する場合には、一般論として、
          • 当該パラメータと特定の個人との対応関係が排斥されている限りにおいては、「個人情報」にも該当しないと考えられ20、
          • 銀行等は、あらかじめその利用者の同意を得ることなく、当該パラメータを共同機関内で共有し、他の銀行等の分析に活用することができると考えられる。
▼資料2-4 参考資料
  • EUにおけるステーブルコインに関する規制案
    • 2020年9月、欧州委員会はステーブルコインを含む暗号資産の規制案(暗号資産市場規制案)を公表。ステーブルコイン(電子マネートークン及び資産参照型トークン)の発行体に開示規制や資産保全義務等を課すとともに、暗号資産のカストディ、交換、トレーディング・プラットフォームの運営を含む暗号資産サービスの提供者についても認可制を採用して様々な規制を課す内容となっている。
    • 暗号資産市場規制案は、電子マネートークンに関しては電子マネーに係る規律をベースとした規制を設ける一方で、資産参照型トークンに関しては独自の規律を設け、重要なトークンについては上乗せ規制を課している
  • 英国におけるステーブルコインに関する規制案
    • 2021年1月、英国財務省は暗号資産とステーブルコインに関する規制案の市中協議プロセスを開始。市中協議案は、ステーブルコイン(ステーブルトークン)を新たな暗号資産の類型とすることや、発行、価格安定、取引検証、送金、保管、交換等の行為毎に規制の適用の有無について意見を募集。
  • 米国におけるステーブルコインに関する規制動向
    • 米国では現状、ステーブルコインについて複数の連邦規制当局からの監督を受ける可能性があるとともに、既存の送金又は仮想通貨に関する各州法の規律を受けるものと考えられている。
    • 2020年12月、大統領金融市場作業部会(The US President’s Working Group on Financial Markets:PWG)は、ステーブルコインに関する主要な規制・監督上の論点についての声明を公表。2021年7月の会合ではステーブルコインに関する規制の枠組みを早期に整備する必要があるという考えが示されている。
    • 2021年11月、米大統領金融市場ワーキンググループ、連邦預金保険公社及び通貨監督庁は、ステーブルコインのリスクと規制の方向性を示した報告書を公表。
    • 特に決済用ステーブルコイン(注1)がもたらす健全性リスク((1)利用者へのリスク・取り付けリスク、(2)決済システムリスク、(3)規模のリスク(注2))及び当該リスクに対処するための一貫性のある包括的な規制枠組みの欠如を指摘。
    • 規制の方向性としては、健全性リスクへの対処を念頭に、決済用ステーブルコインを一貫性のある包括的な健全性規制の枠組みの対象とするための法律を速やかに制定することを議会に対して勧告するとともに、立法措置がとられるまでの暫定措置についても勧告。
  • FSB「『グローバル・ステーブルコイン』の規制・監督・監視-最終報告とハイレベルな勧告」(2020年10月)
    • 「ステーブルコイン」は、特定の資産等に対して安定した価値の維持を目指す暗号資産(crypto-asset)であり、価値安定化メカニズムを有する点や複数の機能が組み合わさっている点が特徴。
    • ステーブルコインのうち、複数の法域で取引され、相当量に達する可能性がある「グローバル・ステーブルコイン(GSC)」は、とりわけ、金融システムの安定性に対するリスクをはらんでいる。
  • ステーブルコインとFMI原則
    • CPMI-IOSCOは、2021年10月、システミックに重要なステーブルコインの仕組みが「金融市場インフラのための原則(FMI原則)」を遵守するにあたってどのようにアプローチすべきかを明確化したガイダンスを提供する市中協議報告書を公表。
  • 前払式支払手段の実態
    • 前払式支払手段は、発行者数では「紙型」が過半を占め、発行額では「IC・サーバ型」が9割超を占める。
    • チャージ残高の譲渡を行うサービスについて、計数の提供を受けた4社の合計でみると、月間合計件数は約23万件、月間合計金額は約8億円となっており、1件あたり1万円未満の譲渡が9割弱となっている。
  • 譲渡可能な前払式支払手段に関するサービス
    • 前払式支払手段のうち、「第三者型」かつ、「IC型」や「サーバ型」に該当するものの中には、発行者が提供する仕組みを通じて、利用者が、他者に(1)チャージ残高を譲渡することで、個人間で支払手段の移転を行うことや、(2)番号等をメール・SNS等で送付することで、当該他者が支払手段として利用すること、が可能なものも存在する。

~NEW~
厚生労働省 新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査
  • ファイザー社の新型コロナワクチン
    • 接種部位の痛み等が多くの方にみられました。接種部位の反応の頻度は、1回目と2回目の接種で大きな差はありませんでした。
    • 発熱、頭痛、倦怠感などの全身反応は、1回目接種よりも、2回目の接種で頻度が高い傾向がみられました。また、年齢が上がると頻度が低くなる傾向や、男性より女性の方が頻度がやや高い傾向が見られました。
    • 1回目接種後の遅延性皮膚反応がみられた方は、0.23%でした。
  • 武田/モデルナ社の新型コロナワクチン
    • 2回目接種後には、多くの方に発熱、倦怠感等が見られました。
    • 疼痛は、年齢が上がるにつれて頻度が高くなる傾向が見られました。それ以外の症状は、年齢が高くなるにつれて頻度が低下しました。
    • 1回目接種7日目頃から、発赤、かゆみを伴う遅延性皮膚反応が、一部の方にみられました。
  • アストラゼネカ社の新型コロナワクチン
    • 1回目接種後には、一部の方に、発熱、局所の疼痛、倦怠感、頭痛等が見られました。
    • 発熱、倦怠感、頭痛等は若い方に高い傾向が見られました。また、症状の頻度は女性に高い傾向が見られました。

~NEW~
厚生労働省 多様化する労働契約のルールに関する検討会 第9回資料
▼資料1 多様な正社員の雇用ルール等に関する論点について
  1. 総論
    • 論点
      • 「いわゆる正社員」と「非正規雇用の労働者」の働き方の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと、企業による優秀な人材の確保や定着の実現のため、職務、勤務地又は労働時間を限定した多様な正社員の普及を図ってきたが、労使双方に対する効果や課題をどう考えるか。また、労使双方にとって望ましい形で更なる普及・促進を図るためには、どのような対応が考えられるか。
      • 多様な正社員の限定の内容の明示に関し、「雇用管理上の留意事項」の策定や導入事例の周知などにより周知を行ってきたが、限定された労働条件が明示的に定められていない場合や、限定されていた労働条件が変更される場合もある中で、紛争の未然防止や予見可能性の向上のために、限定の内容の明示等の雇用ルールの明確化を図ることをどう考えるか。
      • 多様な正社員か否かにかかわらずいわゆる正社員であっても何らかの限定があると言える場合もありうるところ、いわゆる正社員についても念頭において検討することについてどう考えるか
    • 本検討会における委員からの主な意見等
      • いわゆる正社員であっても、何らかの限定があると言える部分もありえる中で、無限定の働き方であることを前提に議論することやそれを肯定するような形で議論することはいいのだろうか。多様な正社員だけを念頭に置くのではなく、いわゆる正社員についても念頭において議論していくべきではないか。
      • 正社員や多様な正社員は、法制度で定められている概念ではないので、広めに色々視野に入れた上で検討することになるのではないか。
      • 多様な正社員の制度があるということと、制度が活用されている、運用されているということは、必ずしも一致していないことに留意が必要。
    • 本検討会におけるヒアリング先からの主な意見等
      • 多様な正社員制度の導入によるプラスの影響としては、育児・病気を理由とした制度利用の例が多く多様な雇用形態の実現に資することができた点、非正規雇用であれば退職していたかもしれない人材が社員として会社に定着しているという点、生活に合わせたスタイルで正社員になるステップを導入することができた点等が挙げられた。(企業)
      • 中小企業では正社員の勤務地や勤務時間の限定という希望は実現できており、特に限定正社員を設定する必要性はうすいとの意見があった。(労働組合)
      • ジョブ型人材マネジメントは、そのジョブだけの雇用というものではなく内部の人材活用の活性化や経験者採用等の観点で導入したマネジメントという意味合いである。(労働組合)
      • 多様な正社員制度については、肯定的な意見が多い一方で、雇用区分が異なる人がいると社内の団結が難しくなるという意見やどのような基準で社内での制度導入の検討をすればいいのかわからないという意見もあった。(企業が行った中小企業アンケート)
      • 地域限定ということの裏返しの問題として、そもそも全国転勤を可能にするありよう自体を見直す必要があるのではないか。(労働組合)
      • 多様な働き方の浸透とともに、「正社員」という概念自体が曖昧になりつつあり、「正社員」「非正規雇用」という枠組みから離れる必要があるとの意見があった。(企業が行った中小企業アンケート)
      • 各企業において正社員層をどのように仕分けて活用していくかは、企業の人事権そのものに関するものであり、法の介入は控えるべき。(使側弁護士)
      • 労使合意によって、長時間労働や使用者の配転命令権への歯止めがかかる働き方が「ジョブ型正社員」として模索されることに反対はしない。しかし、配偶者の遠隔地配転が実施されたり長時間労働が放置される限り、他方配偶者の離職を事実上強いられる(特に女性労働者が直面)問題は、「ジョブ型正社員」では解決ができない。(労側弁護士)
  2. 雇用ルールの明確化
    • 論点
      • 勤務地(転勤の有無を含む。)、職務、勤務時間等の労働条件について、その範囲や変更の有無を個々の労使の間で書面で確実に確認できるようにするため、労使双方にとっての効果や留意点も考慮しつつ、どのような方策、確認内容が考えられるか。また、現行の労働条件明示は、雇入れ直後の勤務場所及び業務を明示するものであるが、勤務地、職務等の範囲や変更の有無については、いわゆる正社員も含めて様々な定め方があることや慣行により限定している企業もあることなどを踏まえると、多様な正社員以外も含めた確認のあり方についても、どう考えるか。
      • 労働契約の締結時のみならず、変更する際に、個々の労使の間で書面による確認が確実に行われるようにするため、どのような方策、確認内容が考えられるか。個別の労働契約により変更される場合や就業規則により労働条件が変更される場合等があるが、それぞれどう考えるか。
      • 上記を踏まえ雇用ルールの明確化を図る場合に派生する諸課題への対応、特に労働契約において勤務地や職務等が限定されていることと、勤務地や職務の変更(限定範囲を超えた転勤、配置転換)、社員区分間の転換、事業所・部門の廃止等を行う場合の対応についてどう考えるか。採用時から限定されている場合と途中で限定される場合や一時的に限定される場合、限定が個別合意による場合と就業規則による場合など、多様なケースも考えられる中で、どのような点に留意すべきか。
    • 本検討会における委員からの主な意見等
      • 多様な正社員を有期雇用者の無期転換先としてだけ捉えるのではなく、正社員から多様な正社員になる動きも踏まえて、多様な正社員の雇用ルールの明確化について整理していかなければならないのではないか。
      • 転勤拒否即解雇ということになっていないとしても、配転に関するルールを知らないことで応じなくてもよかったかもしれない配転に不本意に応じる、ひいては多様な働き方が妨げられるような事例があり得るのではないか、そういう観点で、配転に関するルールが知らされること自体は意味があるのではないか。
      • 正社員として採用された場合、一度限定社員になったとしても、正社員に戻ることは多くの企業で可能かと思うが、限定正社員として採用された場合、正社員になるためには、求められている水準に違いがあるなどの理由で試験や面接などがある可能性がある。そのため、どういう形で採用されたのかによって、正社員と多様な正社員間の移行の可能性や容易さに違いがあることに留意が必要。
      • 同じ基準で雇用保障するかという点について、正社員と多様な正社員の間でのどういう関係にあるのかというところをさらに明らかにする必要がある。
    • 本検討会におけるヒアリング先からの主な意見等
      • 不必要な事務負担拡大は避けるべきであるほか、雇用契約書についてまだ理解できていない中小企業は多いので、あまり項目を増やすよりは現行の明示事項を徹底することが大事。(企業)
      • 就業規則が複雑過ぎて内容を把握出来ていない経営者が多いため存在価値がないという意見や紙でなくネットで労使双方がいつでも閲覧できるのが望ましいとの意見、就業規則の年1回以上の説明を推進すべき、10人未満の企業でも就業規則の作成義務を導入すべき、雇用時に就業規則の説明を必須事項とすべきという意見があった。(企業が行った中小企業アンケート)
      • 法制度に限定内容を明示することについては、職務をどの程度詳細に書き込むのか次第で取り得る反応が違ってくる。例えば、限定された職務の範囲が一般事務業務とされた場合、どこまで入るのか、話し合いが必要になる。中小ではそこまでできずに曖昧になる懸念。職務が明確だからそれ以外の仕事を断れるというメリットはあるが、デメリットとしては当該職務が無くなったことが賃金減額や解雇の理由となりえ、労使の課題と思っている。(労働組合)
      • 限定正社員等に対する労基法による就業規則への記載義務化について、勤務地・職種限定等は、個別の合意によることが多く、仮にこの点を就業規則の必要記載事項として立法化すると、就業規則の記載と個別合意のどちらを優先するか等をめぐり、却って誤解やトラブルが生じる可能性がある。例えば、就業規則に勤務地限定と記載されているが、労働者本人が勤務地にこだわらず個別合意で勤務地限定を外すケースにおいて、当初は労働者本人も納得していたが、途中で勤務地の変更を嫌になった場合、その時点でトラブルが生じうる。そのため、立法プランには賛成できない。(使側弁護士)
      • 限定正社員等に対する労働条件明示義務(雇入れ時、契約変更時)と限定正社員等に対する労働契約締結時や変更時の書面確認について、規制を行う必要性は特段認められない。正社員を含め、立法措置について特段の必要性を認めない。(使側弁護士)
      • 配置転換について権利の濫用が見られることから、労働契約法第14条の条文の「出向」を「出向及び配置転換」に改正すべきとの意見があった。(労働組合)
      • 配転命令については、現状、異議を唱えつつ、人事権濫用か否かを争うことも可能であり、それ以上の規制強化が必要とは認識していない。育児介護休業法26条の制定・施行以降、企業が、労働者本人の意思に反して強行的一方的に転居を伴う配転命令を行う事例は少なくなっている。東亜ペイントの判断枠組みをそのまま立法化することについて、転勤したくないという意思を素直に表示する方が増える可能性はある一方、既に確立された個別の救済ルールがあるという状況の中で立法化することは意義あると思うが、賛成とも反対とも言いがたい。(使側弁護士)
      • 勤務地変更(転勤)の有無や転勤の場合の条件が明示されること自体は、義務付けは使用者に合意内容を遵守させるため役立つので、反対ではないが、明示された勤務地や職務が無くなったことを理由に、解雇等労働者側の不利益が促進されるような悪用に繋がることはあってはならない。限定された勤務地、職務等がなくなったときに直ちに解雇等が認められるわけではなく、緩やかであっても何らかの歯止めの徹底が必要。既に労使関係が存在する「変更」時は、労使の力関係の差異がより大きく影響するので、より悪用を防ぐ必要性が高い。(労側弁護士)
      • 転勤有りの前提である総合職でも家庭の事情等で転勤できないという人も多いが、他方、総合職と一般職とでは転勤を受け入れるかどうかの違いで待遇差があり、区分設定や待遇バランスに課題を感じている。(企業)
      • 現状、全国転勤が想定されている企業では、雇用区分が整理されており、転勤範囲が不明という事例は殆ど見たことがない。配転可能な範囲を限定してしまうと、時間経過や環境変化による企業再編時に行き先がなくなり、却ってトラブルの種となる可能性がある。(使側弁護士)
      • 「ジョブ型正社員」に関して、使用者が解雇規制緩和の一方策として利用できる、利用しやすい形での制度推進はあってはならない。均等・均衡確保のルールの抜け道として利用されることはあってはならない。(労側弁護士)
      • 転勤を巡っては、育児介護休業法26条による歯止めがあるとはいえ、あまり機能はしていないというのが自分の実務の実感であり、いつまでもその状態でいいのかと思っている。(労側弁護士)

~NEW~
厚生労働省 2019年社会保障に関する意識調査結果について
▼2019年社会保障に関する意識調査 報告書
  • 年金、医療、介護、子ども・子育て支援などの社会保障制度について、どれくらい関心があるかについては、「それらの情報を見るようにしている」が最も多く50.2%、次いで「あまり関心はないが、時々それらの情報を目にすることはある」が36.1%、「全く関心がない」が6.5%、「積極的にそれらの情報を集めている」が5.4%となっている。
  • 社会保障制度に関する情報をどのような方法で入手することが多いかについては、「テレビ」が最も多く67.7%、次いで「新聞」が45.8%、「行政機関のパンフレットや広報誌などの刊行物」が28.8%となっている。
  • 行政機関からの社会保障制度に関する情報の内容について不満に思うことについては、「専門用語や文字数が多くて内容が理解できない(説明がわかりづらい)」が49.0%、「情報が多すぎてどこを見ればいいのかわからない(自分に必要な情報を見つけにくい)」が46.6%となっている。
  • 社会保障制度に関する情報を入手する方法について不満に思うことは、「どうやって情報を調べたらいいのかわからない(インターネットで検索する際のキーワードやどんな書籍を読めばいいのかがわからない等)」が39.3%、「窓口に赴くのに手間がかかる」が29.2%となっている。
  • 健康づくりのための取り組みをしているかについては、「何かした方がいいとは思うが、特に取り組む予定はない」が36.5%、次いで「積極的に健康づくりに取り組んでいる」が28.9%、「今後、取り組むよう計画している」が13.1%となっている。
  • すでに取り組んでいる、またはこれから取り組もうと考えている健康づくりについては、「週に1回以上の習慣的な運動(ジョギングやトレーニング、散歩など)」が最も多く72.9%、次いで「食生活の改善(減塩や野菜の摂取など)」が66.6%となっている。
  • どのようなきっかけがあれば健康づくりを始めようと思うかについては、「医師などからの指導、健康診断や人間ドックの結果」が最も多く57.0%、次いで「興味のあるイベント」が25.5%、「家族や友人と一緒にできること」が24.4%となっている。
  • 老後に介護施設や保育施設で比較的労力を要しない作業に参加することについて、どのように考えるかについては、「参加したいとは思わない」が最も多く38.1%であるが、何らかのメリット(報酬、介護施設等の優先利用、地域で利用できるポイント制度などの特典、交通費など)があれば参加したいと考える者を合わせると4割を超えている。
  • 将来どのようなことを最も不安に感じているかについては、「公的年金が老後生活に十分であるかどうか」が最も多く53.1%、次いで「あなたやあなたの親の医療や介護が必要になり、その負担が増大してしまうのではないか」が17.5%となっている。
  • 老後の生計を支える手段として、1番目に頼りにするものは、「公的年金(国民年金や厚生年金など)」が最も多く55.9%、次いで「自分または配偶者の就労による収入」が26.2%となっている。
  • 国民生活に役立っていると考える社会保障の分野は、「老後の所得保障(年金)」が最も多く61.0%、次いで「医療保険・医療供給体制など」が48.2%、「老人医療や介護」が44.1%、「子ども・子育て支援」が24.7%となっている。
  • 今後充実させる必要があると考える社会保障の分野は、「老後の所得保障(年金)」が最も多く67.1%、次いで「老人医療や介護」が50.1%、「医療保険・医療供給体制など」が37.4%、「子ども・子育て支援」が29.4%となっている。
  • 現在の税と社会保険料の負担水準についてどのように思うかについては、「生活にはあまり影響しないが負担感がある」が最も多く50.4%、次いで「生活が苦しくなるほど重い」が38.4%、「特に負担感はない」が7.4%となっている。
  • 今後の社会保障制度を維持するための財源として、税と社会保険料のどちらを中心にしていくべきだと思うかについては、「どちらかといえば税金でまかなうべき」が最も多く33.4%、次いで「税金でまかなうべき」が23.0%、「どちらかといえば社会保険料でまかなうべき」が14.4%、「社会保険料でまかなうべき」が5.0%となっている。
  • 今後の社会保障の給付と負担の水準について、どのようにあるべきだと思うかについては、「社会保障の給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」が27.7%と最も多く、「社会保障の給付水準をある程度引き下げつつ、ある程度の負担増もやむを得ない」が13.4%、「社会保障の給付水準を引き上げ、そのための負担増もやむを得ない」が11.6%となっている。
  • 今後の高齢者と現役世代の負担水準はどのようにあるべきだと思うかについては、「現役世代の負担を今より重くしないよう、高齢者の負担が重くなることはやむを得ない」が18.7%、「高齢者の負担を現状で維持するため、現役世代の負担が重くなることはやむを得ない」が13.9%、「高齢者・現役世代ともに負担が重くなることはやむを得ない」が13.8%となっている。

~NEW~
厚生労働省 生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会ワーキンググループ(第1回)資料
▼資料6 本検討会での「議論の視点」について
  1. 平成30年改正法の附帯決議、施行後の状況も踏まえた、各事業を更に効果的に実施していく上での課題(主にWGの「各事業の在り方検討班」において議論)
    • 自立相談支援機関の在り方について
      • 新型コロナウイルスの影響で新たに顕在化した相談者層への相談支援、急迫した現物ニーズへの対応、関係機関との連携等、自立相談窓口の機能の在り方の検討
    • 生活困窮者自立支援制度における生活保護受給者に対する支援の在り方について
      • 生活保護受給者も含めた一体的な支援の在り方の検討
    • 就労準備支援事業・家計改善支援事業の在り方について
      • 平成30年改正法での努力義務化以降の実施状況を踏まえた事業の在り方の検討
    • ハローワーク等と連携した就労支援の在り方ついて
      • 高齢者や新型コロナウイルスの影響で新たに顕在化した相談者層の就労ニーズへの対応の在り方の検討
    • 就労に向けた準備の機会の確保について
      • 就労準備支援事業、認定就労訓練事業について、利用の動機付けや就労体験・訓練の場の更なる開拓に向けた検討
    • 一時生活支援事業の在り方について
      • 平成30年改正法で新設された地域居住支援事業の実施状況等を踏まえた、生活困窮者の住まいのニーズへの対応の在り方の検討
    • 住居確保給付金の在り方について
      • 新型コロナウイルスへの対応も踏まえた在り方の検討
    • 貧困の連鎖防止(子どもの学習・生活支援事業等)の在り方について
      • 平成30年改正法以降の実施状況を踏まえた生活支援、小学生から高校生まで切れ目のない支援の更なる促進に向けた検討
  2. 新型コロナウイルスの影響や地域共生社会の推進等、各事業の枠内に留まらない、生活困窮者自立支援制度全体として検討すべき課題(主にWGの「横断的課題検討班」において議論)
    • 新型コロナウイルスの影響や地域共生社会の推進を踏まえた困窮制度見直しの方向性について
      • 新型コロナウイルスの影響や、令和3年4月に施行された改正社会福祉法に基づく重層的支援体制整備事業を始めとした、地域共生社会の推進を踏まえた生活困窮者自立支援制度の在り方の検討
    • 地域づくり、居場所づくりの在り方について
      • 生活困窮者を含む様々な課題を抱える地域住民が、地域でともに生き生きと生活するための地域づくり・居場所づくりの在り方の検討
    • 孤独・孤立への対応を含む関係機関・関係分野との連携について
      • 新型コロナウイルスの影響も受け、深刻な社会的孤立状態にある方の把握・支援を含む関係機関・関係分野との連携の促進に向けた検討
    • 支援者支援や人材育成の在り方について
      • 生活困窮者自立支援制度の実施主体に対する支援の在り方の検討
    • 都道府県の役割と町村部の支援の在り方について
      • 平成30年改正法で新たに規定された、都道府県の管内自治体への支援について、施行後の実施状況を踏まえた在り方の検討
      • 福祉事務所未設置町村における相談支援の在り方の検討

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