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危機管理トピックス

「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告(金融審議会)/サイバーセキュリティ戦略本部 会合(NISC)/科学技術・イノベーション白書(文科省)/子供・若者白書、男女共同参画白書、少子化社会対策白書、高齢社会白書、障害者白書、交通安全白書(内閣府)

2022.06.20
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更新日:2022年06月20日 新着28記事

ビジネス イノベーション イメージ
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

警察庁
  • 警察庁のウェブサイトを模倣した偽サイトに注意(令和4年6月15日)
  • 犯罪統計資料(令和4年1~5月分)
内閣サイバーセキュリティセンター
  • サイバーセキュリティ戦略本部 第34回会合(令和4年6月17日)
  • サイバーセキュリティ戦略本部 第33回会合(持ち回り開催)(令和4年5月30日)
内閣府
  • 子供・若者白書(旧青少年白書)について
  • 内閣府男女共同参画局 男女共同参画白書
  • 少子化社会対策白書
  • 令和4年版高齢社会白書を公表しました
  • 令和4年版障害者白書
  • 令和4年版交通安全白書を公表しました。
  • 国家戦略特区 第54回 国家戦略特別区域諮問会議
  • 第7回 デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ
国民生活センター
  • 被災地域は特に注意!災害後の住宅修理トラブル
  • 「消費者トラブルメール箱」2021年度のまとめ
  • 国民生活センターと消費者庁をかたる偽ハガキにご注意ください
  • 「置き配」でのトラブルに注意
厚生労働省
  • 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月8日)
  • 労働政策審議会障害者雇用分科会意見書~今後の障害者雇用施策の充実強化について~
  • 第49回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
  • 障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを実施します~誰もが挑戦でき、活躍できる社会へ~
  • 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を6月20日から実施します~薬物乱用防止のためのキャンペーンと国連支援募金運動を全国各地で実施~
総務省
  • 偽・誤情報に関する啓発教育教材「インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報に騙されないために~」等の公表
  • 「消費者保護ルールの在り方に関する検討会 苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース」報告書の公表
  • 販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等に係る要請
  • サイバーセキュリティタスクフォース(第39回)

~NEW~
金融庁 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の公表について
▼(別紙) 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」-中長期的な企業価値向上につながる資本市場の構築に向けて-
  • サステナビリティ開示に関する留意事項
    • サステナビリティ情報は、企業の中長期的な持続可能性に関する事項であり、将来情報を含むこととなる。有価証券報告書は、近年、経営方針や事業等のリスク等の記述情報の充実が図られており、これらの中で、将来情報の記載もみられてきている。前回ワーキング・グループ報告を踏まえた内閣府令改正の際には、将来情報の記載と虚偽記載の関係について、「一般に合理的と考えられる範囲で具体的な説明がされていた場合、提出後に事情が変化したことをもって虚偽記載の責任が問われるものではないと考えられる」ことを明らかにしている。
    • サステナビリティ開示について、投資家の投資判断にとって有用な情報を提供する観点では、事後に事情が変化した場合において虚偽記載の責任が問われることを懸念して企業の開示姿勢が委縮することは好ましくない。このため、上記の考え方について、実務への浸透を図るとともに、企業内容等開示ガイドライン等において、サステナビリティ開示における事例を想定して、更なる明確化を図ることを検討すべきである。
    • 有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の「記載欄」への記載については、任意開示書類に記載した詳細情報を参照することが考えられるが、その際の虚偽記載の責任の考え方については整理が必要である。
    • 金融商品取引法は有価証券報告書の記載内容に虚偽記載があった場合の責任を規定しているが、任意開示書類に、事実と異なる実績が記載されている等、明らかに重要な虚偽記載があることを知りながら参照するなど、当該任意開示書類を参照する旨を記載したこと自体が有価証券報告書の重要な虚偽記載になり得る場合を除けば、参照先の任意開示書類に虚偽記載があったとしても、単に任意開示書類の虚偽記載のみをもって、同法の罰則や課徴金が課されることにはならないと考えられる。
    • なお、有価証券報告書には、投資家の投資判断にとって重要な情報を記載することが求められており、企業による重要性に関する合理的な判断を尊重することになるが、投資家が真に必要とする情報については有価証券報告書に記載しなければならない。今
  • 後、サステナビリティ情報などについて国際的な開示基準が策定される中で、有価証券報告書に何を記載し、何を参照するかについては、具体的に事例を積み重ねながら検討していくことが考えられる。
    • 有価証券報告書で任意開示書類を参照することに関しては、現在の実務では、両書類の公表時期に差がある16ことに留意する必要がある。海外では、サステナビリティ情報を財務情報と併せて開示することが想定されていること17を踏まえると、日本においても将来的にはサステナビリティ情報が記載された書類の公表時期を揃えていくことが重要であり、実務的な検討や環境整備を行っていくことが考えられる。
  • 我が国における気候変動対応に関する開示の対応
    • 日本は、TCFD賛同機関数で世界をリードしており、多くの気候変動関連開示に係る実務や事例が積み上がっている。しかしながら、我が国独自の開示項目を早急に決めてしまうのではなく、これまでの知見を基に国際的なルール形成を担い、国際的な比較可能性を確保することも重要である。
    • そこで、まずは、基準策定に向けた議論の途上にあるISSBの気候関連開示基準の策定に積極的に参画し、日本の意見が取り込まれた国際基準の実現を目指すことが望ましい。その後、本年中に最終化予定のISSBの気候関連開示基準を踏まえ、SSBJにおいて迅速に具体的開示内容の検討に取り掛かることが期待される。
    • そのため、現時点においては、有価証券報告書に設けるサステナビリティ情報の「記載欄」において、企業が、業態や経営環境等を踏まえ、気候変動対応が重要であると判断する場合、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の枠で開示することとすべきである。
    • なお、「指標と目標」の枠で開示することが考えられるGHG排出量に関しては、ISSBの気候関連開示基準案や米国SECの気候関連開示規則案において開示が求められるなど、国際的にも気候変動に関する指標として確立しつつある。また、2021年のTCFDの公開協議によると、国際的にGHG排出量は、多数の投資家が有用と考える気候変動に関する指標の1つとなっており、企業においても、他の指標と比較して、実際の開示や開示に向けた取組みが進んでいる指標となっている。こうした点を踏まえると、GHG排出量は、投資家と企業の建設的な対話に資する有効な指標となっている。
    • こうした状況に鑑み、各企業の業態や経営環境等を踏まえた重要性の判断を前提としつつ、特に、Scope1・Scope2のGHG排出量について、企業において積極的に開示することが期待される。
    • なお、我が国においては、相当程度多いGHGを排出する企業は、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、Scope1・Scope2のGHG排出量の公表が求められている。
    • 当該企業は、相当程度多いGHGを排出するため、投資家の投資判断や企業価値との関係で重要性を持つ可能性も高くなることを踏まえると、特にその重要性を適切に評価した上で、開示を検討することが期待される。また、その他の企業においても、重要性に基づいた適切な対応が期待される。
  • 人的資本、多様性に関する開示の対応
    • 人的資本や多様性については、長期的に企業価値に関連する情報として、近年、機関投資家においても着目されており、企業価値との関係を示す研究結果も存在している。
    • 現時点において、人的資本や多様性に関する情報がISSBによる国際的な基準策定の対象となるかは未定であるが、多くの国際的なサステナビリティ開示のフレームワークで開示項目となっている。また、米国では前述のSEC規則の改正が行われたこともあり、多様性に関する取組みを含めた人的資本の情報開示が進んでいる。
    • こうしたことを踏まえ、我が国においても、投資家の投資判断に必要な情報を提供する観点から、人的資本や多様性に関する情報について以下の対応をすべきである。
      1. 中長期的な企業価値向上における人材戦略の重要性を踏まえた「人材育成方針」(多様性の確保を含む)や「社内環境整備方針」について、有価証券報告書のサステナビリティ情報の「記載欄」の「戦略」の枠の開示項目とする
      2. それぞれの企業の事情に応じ、上記の「方針」と整合的で測定可能な指標(インプット、アウトカム等)の設定、その目標及び進捗状況について、同「記載欄」の「指標と目標」の枠の開示項目とする
      3. 女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差35について、中長期的な企業価値判断に必要な項目として、有価証券報告書の「従業員の状況」の中の開示項目とする
    • この際、上記(3)の多様性に関する指標については、企業負担等の観点から、他の法律の定義や枠組みに従ったものとすることに留意すべきである。
    • なお、女性活躍推進法、育児・介護休業法等他の法律の枠組みで上記項目の公表を行っていない企業(現行制度を前提とすれば、女性管理職比率や男女別の育児休業取得率は女性活躍推進法に基づく公表項目として選択していない企業、男性の育児休業取得率は従業員1,000人以下の企業で任意の公表も行っていない企業等)についても、有価証券報告書で開示することが望ましい。開示する際には、投資判断に有用である連結ベースでの開示に努めるべきであるが、最低限、提出会社及び連結会社において、女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく公表を行っている企業は有価証券報告書においても開示することとすべきである。
    • また、定量的な指標の開示にあたっては、投資家が適切に指標を理解することが重要であるため、企業が指標に関する説明を追記できるようにすることが考えられる。
  • サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の役割の明確化
    • SSBJ設立準備委員会の活動を土台に、本年7月にはSSBJが設立される予定であるところ、SSBJには、国際的な意見発信や我が国におけるサステナビリティ開示の具体的内容を検討するなどの重要な役割が期待されている。当ワーキング・グループにおいては、今後のSSBJによるサステナビリティ開示の具体的内容についての検討成果などを踏まえ、SSBJがその役割を一層積極的に果たせるよう、改めてその取扱いを議論する必要がある。
    • その際、企業会計基準やその設定主体である企業会計基準委員会(ASBJ)が法令上の枠組みの中で位置付けられていることを参考としつつ、SSBJが策定するサステナビリティ開示の具体的内容やSSBJ自身について、法令上の枠組みを含めて、どのように位置付けるかが論点となる。なお、仮に法令上の枠組みの中でSSBJを位置付ける場合、公正・透明な組織運営や独立性が確保されているか、具体的開示内容の検討に際して適切なデュー・プロセスがとられているか、といった点を含め検討が行われることが適当である。
  • サステナビリティ情報に対する信頼性確保
    • サステナビリティ情報については、信頼性確保を求める投資家の声の高まりから、我が国では、企業が、監査法人等から任意で保証を受ける動きがみられる。
    • また、国際的にも、サステナビリティ情報に対する保証の議論が進んでいる。欧州では、2023年度から開始されるCSRDに基づく報告には限定的保証を付け、徐々に保証水準を上げるアプローチを提案しているほか、米国では、SECが本年3月に公表した気候関連開示を義務化する規則案の中で、Scope1・Scope2のGHG排出量について、小規模企業を除き、大規模早期提出会社では2024会計年度、早期提出会社、非早期提出会社では2025会計年度から限定的保証を付けることを提案している。また、国際監査・保証基準審議会(IAASB)においても、今後、サステナビリティ情報に関する保証業務の基準についての議論が行われることになっている。
    • サステナビリティ情報に対する保証の検討を進めるに当たっては、
      • 保証の前提となる開示基準が国際的に議論の途上であること
      • サステナビリティ関連情報の保証基準については、今後、具体的な議論が行われること
      • 保証に必要な知見・専門性、独立性等の観点から、適切な保証主体については様々な意見があること
        を踏まえる必要がある。このため、当ワーキング・グループにおいて、前提となる開示基準の策定や国内外の動向を踏まえた上で、中期的に重要な課題として検討を進めていく必要がある。
  • IFRS財団アジア・オセアニアオフィスのサポート
    • ISSBは、マルチロケーションアプローチを採用することとしており、米州、欧州でそれぞれ2拠点の設置が公表されているほか、東京にあるIFRS財団アジア・オセアニアオフィスのISSB拠点としての活用も決定している。IFRS財団アジア・オセアニアオフィスについては、日本を含むアジア・オセアニア地域に開かれたオフィスであり、地域関係者へのアウトリーチの実施や、地域の課題を把握し基準設定に意見発信するなど、ISSBのアジア・オセアニア地域における拠点として機能することが期待される。
    • 加えて、マルチロケーションの特性を活かし、アジア・オセアニアオフィスがISSBの基準設定に積極的に関与していくことも考えられる。米州、欧州の拠点では、ISSBへのサポート体制が構築されているところ、日本もこれまで同様、IFRS財団による国際的な開示基準の策定に積極的に参画・貢献していくため、アジア・オセアニアオフィスの活動についても、日本の関係者が協力して物心両面でサポートしていくことが望まれる
  • 「一本化」の具体化に向けた検討課題
    • 法令上の四半期開示義務(第1・第3四半期)を廃止し、四半期決算短信への一本化を進めるに当たっては、以下をはじめとする課題についての検討が必要であり、当ワーキング・グループにおいて引き続き議論を深めていく。
      • 全部又は一部の上場企業を対象とした四半期決算短信の義務付けの有無をどう考えるか
      • 四半期決算短信の開示内容については、従来、速報性の観点から簡素化されてきた経緯がある中、「一本化」に当たり、その内容をどう見直すか
      • 四半期決算短信の虚偽記載に対するエンフォースメントの手段をどう確保するか。
      • この点に関し、四半期決算短信を金融商品取引法に基づく臨時報告書として開示することにより法令上のエンフォースメント手段を確保するとの対応策についてどう考えるか
      • 四半期決算短信に対する監査法人によるレビュー656667の必要性についてどう考えるか
      • 第1・第3四半期報告書の廃止後に上場企業が提出する「半期報告書」に対する監査法人の保証のあり方についてどう考えるか(「レビュー」、「中間監査」)
  • 適時開示のあり方
    • 取引所における企業情報の開示の枠組みとしては、業務執行を決定する機関が、一定の事項を行うことを決定した場合や一定の事実が発生した場合等に開示を求める適時開示の枠組みがある。
    • 投資判断にとって重要な情報の適時開示を求めるこうした枠組み(いわゆるtimelydisclosure)は主要国の取引所共通にみられるが、日本では取引所が開示すべき事項や重要性基準を定める細則主義を取っているのに対し、欧米では原則主義を取り、企業がより自主的に適時開示を行う事項を判断している。
    • こうした中、我が国の上場企業の中には過度に「間違いのない開示」を指向し、
      • 投資判断に重要と見込まれる情報でも「細則」に該当しない場合、開示に消極的
      • 経営環境が不透明で、「細則」への該当性が不明確な場合、開示に消極的といった事例がみられるとの指摘がある。
      • 例えば、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大時には、決算発表時期の到来前に適時開示を行った日本企業は1割程度であった。その後、2020年度第1四半期決算においては半数以上の企業において相当な業績のインパクトが生じていた。
      • また、ロシア・ウクライナ情勢について、事業活動や経営成績に及ぼす影響やリスクの説明に関する積極的な開示が要請されている中、これまでのところ日本企業の開示例は少数にとどまっている。
    • 以上を踏まえると、投資家の投資判断上、よりタイムリーに企業の状況変化に関する情報が企業から開示されるよう、取引所において適時開示の促進を検討すべきである。
    • その検討に当たっては、適時開示のエンフォースメントのあり方についても整理することが期待される。
    • 投資家は、リスク情報等について前広な開示を求める傾向にあることから、情報の作成者と利用者との間に生じている「期待ギャップ」の解消にも取り組んでいくことが望まれる。
    • 日本企業がより積極的に適時開示を行い、企業の取り巻く環境変化を踏まえた経営方針、収益への影響の可能性等を市場参加者に伝えることで、海外の機関投資家を含む幅広い資金を取り込むことができる環境を確立することができれば、必ずしも一律に四半期開示を求めなくても、投資家に充実した情報が提供されることになるとの指摘もある。
  • 重要情報の公表タイミング
    • 資本市場が価格発見機能を適切に発揮する上で、企業に関する情報がタイムリーに公表され、市場取引の中で評価されることが重要である。
    • この点、我が国では多くの上場企業による重要情報の公表タイミングは証券取引所の立会時間終了後(いわゆる「引け後」)の15時以降に集中していると指摘されており、前回ワーキング・グループ報告では、「重要な情報のより速やかな公表に向けた取組みが進められるべき」とされた。
    • その後の状況をみると、開示タイミングを前倒しする取組みは必ずしも進んでいない一方、今後予定されている東京証券取引所の立会時間の30分延伸82に伴い、開示タイミングが単純に30分後倒しされるリスクも指摘されている。
    • 決算情報を含む重要情報の公表タイミングについては、社内手続きなどを了したタイミングで速やかに開示することが基本であり、このような開示を促す取組みを進めるべきである。
  • 企業・株主間のガバナンスに関する合意
    • 企業と株主間のガバナンスに関する合意は、一般に、当該企業のガバナンスや支配権への影響が大きく、投資判断に重要な影響を及ぼすことが見込まれ、適切な開示が求められる。
    • 有識者へのヒアリング等によれば、企業と株主間のガバナンスに関する合意としては、以下の類型のものがみられる。
      1. 株主が会社の役員の一定数について、候補者を指名又は推薦する権利を有する旨の合意(役員候補者指名権等の合意)
      2. 株主による議決権行使に一定の制限や条件を付す内容の合意(議決権行使内容を拘束する合意)
      3. 提出会社による一定の行為(新株の発行、組織再編行為等)につき、株主の事前の承諾や協議等90を条件とする内容の合意(事前承諾事項等に関する合意)
    • 特に、上記(ⅰ)、(ⅲ)は、株主平等原則との関係においても開示の必要性が高いと考えられる。
    • 企業の開示状況をみると、株主側が大量保有報告書91(株主が大量保有者の場合)や海外の開示書類において合意内容等を開示しているにもかかわらず、企業側の開示において、
      • 当該合意の存在が示されていない事例
      • 当該合意の存在はうかがえるが、その具体的内容が示されていない事例
        もみられる。
    • こうした状況を踏まえると、少なくとも前記3類型の合意を含む契約が企業と株主との間で締結されている場合、「重要な契約」として当該契約の内容等の開示が求められることを明確化すべきである。
    • その場合における開示内容としては、
      • 契約の概要(締結日、契約当事者、契約の主要項目、当該合意の具体的内容等94)
      • 合意の目的
      • 当該契約の締結に関する社内ガバナンス(特に、取締役会における検討内容)
      • 企業のガバナンスに与える影響(影響を与えないと考える場合には、その理由)
        等を記載すべきことを明確化すべきである。
  • 英文開示
    • 近年、我が国上場企業の英語による企業情報の開示(以下「英文開示」という。)は着実に進展しており、全市場時価総額ベースで約9割の企業が決算短信、株主総会招集通知の英文開示を実施又は実施予定となっている。
    • 他方、有価証券報告書の英文開示については、海外機関投資家の約7割が一覧性を有する法定開示書類である有価証券報告書の英文開示は必要と回答しているものの、実施企業は少数にとどまっている。
    • こうした中、特に本年4月にスタートした東京証券取引所のプライム市場は、グローバルな投資家との建設的な対話を念頭に置いており、当該市場に上場する企業は、積極的に有価証券報告書の英文開示を行うことが期待される
    • 同時に、有価証券報告書全体の英文開示には相当の作業等を要するとの指摘がある。この点については、まずは、【事業等のリスク】、【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】、【コーポレート・ガバナンスの概要】、【株式の保有状況】など利用ニーズの特に高い項目について、英文開示を行うことが重要である。また、新たに「記載欄」を設けるサステナビリティ情報についても英文開示が期待される。
    • 現在、金融庁の提供する有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)の英語サイトにおいて、英訳した有価証券報告書を自社ウェブサイト上に掲載している企業の一覧を公表しているが、これに加えて、有価証券報告書上で特に英文開示が求められる上記項目を英訳した企業についても一覧として公表し、海外投資家に対して情報発信するべきである。
    • 加えて、EDINETにおいて、外部の翻訳ツールを利用しやすいよう改修を進める。また、中長期的には、法定開示書類の英訳に適した翻訳機能の精度向上に取り組むことも支援策として有効と考えられる109。
  • 有価証券報告書とコーポレート・ガバナンス報告書の記載事項の関係
    • コーポレートガバナンスに関する情報については、金融商品取引法に基づく有価証券報告書において企業統治の体制、役員の状況、役員報酬、政策保有株式などが開示され、取引所規則に基づくコーポレート・ガバナンス報告書においてコーポレートガバナンス・コードへの対応状況などが開示されている。両者の開示については、それぞれの特徴があるものの、内容の重複が指摘されている。
    • 本報告では、有価証券報告書のコーポレートガバナンスに関する情報として、取締役会、委員会等の活動状況の「記載欄」を設けるべきとした。
    • この項目は、コーポレート・ガバナンス報告書において「開示推奨項目」とされているが、両者の関係については、例えば、
      • 有価証券報告書では、提出前1年間の「基本的な活動状況」を記載することとした上で
      • コーポレート・ガバナンス報告書では、必要に応じ、時々の企業の置かれた状況を踏まえ、より具体的な活動内容や有価証券報告書提出後の活動等について記載することを推奨する
        などにより、有価証券報告書とコーポレート・ガバナンス報告書の特徴やそれぞれの開示システムの利便性等を踏まえて整理することが考えられる

~NEW~
文部科学省 令和4年版 科学技術・イノベーション白書
▼令和4年版科学技術・イノベーション白書 本文
  • 科学技術・イノベーションの創出は、我が国及び人類社会の将来の発展をもたらす源泉であり、我が国は、例えば、青色発光ダイオードの発明によるLED照明の実用化、ヒトiPS細胞の樹立による再生医療の実用化への展開など、科学技術・イノベーションに関わる多くの分野で世界に誇れる数多くの成果を上げています。
  • 一方で、近年、研究力を測る主要な指標である論文指標については、国際的な地位の低下が続いており、研究力の低下が懸念される状況です。国際比較において、論文数は、20年前(1997-1999年の平均)は米国に次ぐ第2位でしたが、直近(2017-2019年の平均)は第4位、また、注目度の高い論文数(Top10%補正論文)は、20年前は第4位でしたが、直近は第10位になっています。
  • 岸田内閣総理大臣の下、政府では「成長と分配の好循環」をコンセプトに「新しい資本主義」の実現を目指しています。成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組むとともに、成長の果実を、しっかりと分配することで、次の成長を実現するものです。「成長も、分配も」実現するため、あらゆる政策を総動員します。
  • 「新しい資本主義」実現のための成長戦略について、岸田総理大臣は、令和3年10月の所信表明演説で、「成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現」であることを表明しました。また、分配戦略について、「人への投資の抜本強化」を柱に据えています。
  • 「新しい資本主義」、「科学技術立国」の実現に向け、科学技術分野の人材育成、世界最高水準の研究大学を形成するための大学ファンドや先端科学技術への大胆な投資、スタートアップへの徹底支援などを推進します。
  • ICT、AI、ゲノム編集技術など科学技術の急速な進展によって、科学技術・イノベーションと人間や社会の在り方は密接不可分の関係となっています。現代の複雑な諸課題に対峙していくためには、人間や社会の在り方を研究対象とする人文・社会科学の「知」も含めた「総合知」を活用した科学技術・イノベーションの振興が必要です。こうした背景を踏まえ、令和2年、科学技術基本法の改正が行われ、「イノベーションの創出」が柱の一つに据えられるとともに、従来、同法の対象とされていなかった人文・社会科学(法では「人文科学」と記載)のみに係るものが対象に加えられました。
  • 我が国では、科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション基本計画(以下「基本計画」という。)を5年ごとに策定しており、令和3年4月より、現在の第6期基本計画が開始されました。同計画では、Society 5.0の実現のため、多様性や卓越性を持った「知」を創出し続ける、世界最高水準の研究力を取り戻すことが規定されています
  • 近年、我が国の研究力の低下が指摘されています。今世紀における我が国の自然科学系ノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界第2位ですが、この受賞者数が、必ずしも現在の我が国の研究力を示しているわけではありません。研究力を測る主要な指標である論文指標については、2000年代前半より、国際的な地位の低下が続いている状況です。定量的な指標のみをもって研究力を判断することはできませんが、このような状況は深刻に受け止めるべきです。
  • 平成14年から5年に1度、大学等教員の職務活動時間割合を調べるため、「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査1」を実施しています。本調査によると、平成14年度調査に比べ、平成30年度調査では、研究時間割合や研究時間は減少しています。また、研究パフォーマンスを高める上での制約として、最も回答割合が高かったのは、研究時間でした。研究力向上の観点から、研究者の研究時間割合の確保が重要な課題です。
  • 日本の研究者数は、世界第3位の規模ですが、研究時間割合を考慮した研究者数は、2000年代以降多くの主要国が増加する中、横ばいです。また、大学の本務教員については、40歳未満の若手の割合が一貫して低下しており、大学院博士課程の入学者数は、2003年度をピークに減少傾向です。また、我が国の女性研究者割合は、年々増加傾向にありますが、諸外国と比較すると、なお低い水準にあります。研究時間割合を考慮した研究者数、中でも若手研究者や女性研究者の確保が重要な課題です。
  • 日本は、他の主要国と比較して、研究開発費(研究機関が実際に使用した研究費)や科学技術予算の対GDP比は高い水準にありますが、近年、大学部門、公的機関部門、企業部門の研究開発費は停滞しています。
  • 日本においても国際共著論文の割合は増えていますが、英独仏と比べると、その割合は低い状況です。また、海外派遣研究者数については、6か月以内の短期派遣者数は増加傾向ですが、中・長期派遣者数は停滞しています。さらに、米国における博士号取得者数は直近10年で半減しています。
  • パテントファミリー数について、日本は1位を維持しています。ハイテクノロジー産業(医薬品、電子機器、航空・宇宙)の貿易収支比は、日本は入超、ミディアムハイテクノロジー産業の貿易収支比は、日本は出超です。また、我が国の大学等が民間企業等と共同研究等を行った額及び件数は増加傾向です。
  • 近年の論文指標低下の大きな要因は、安定したポストの減少を含め、若手研究者を取り巻く厳しい環境にあります。若手研究者が腰を据えて研究に取り組める環境の確保や、博士後期課程学生の処遇の向上等が喫緊の課題です。また、我が国は、他国に比べ、女性研究者割合が低く、研究力強化のためには、女性研究者の育成と活躍促進が重要です。
  • 新型コロナウイルス感染症を契機として、社会全体のデジタル化とともに、研究活動のデジタル・トランスフォーメーション(研究DX)の流れが加速しています。より付加価値の高い研究成果を創出するため、研究DXについて、ソフト・ハードの両面から取り組む必要があります。ソフト面として、研究プロセスで生まれるデータを戦略的に収集・共有・活用するとともに、ハード面として、研究施設・設備のリモート化・スマート化、さらに、次世代デジタルインフラの整備などに取り組んでいます。
  • 我が国が抱える課題として、研究開発の成果が現実の課題の解決や社会実装に結びつかない場合があることが指摘されます。このため、例えば、府省連携による分野横断的な取組を、産学官連携で、基礎研究から実用化・事業化までを見据えて一気通貫で推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP1)などを推進しています。また、複雑化する社会課題に対応するため、人文・社会科学と自然科学を含むあらゆる「知」の融合による「総合知」を活用した取組を推進しています。
  • 科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核となる中、人工知能や量子など、安全保障にも影響し得る先端的な重要技術が出現し、主要国は、国及び国民の安全保障上の対策として、鍵となる技術の把握や情報収集、技術流出問題への対処、先端的な重要技術の研究開発等を強力に推進しています。安全保障と経済を横断する領域で、国家間の競争が激化しており、我が国の科学技術・イノベーション政策においても、経済安全保障を念頭に置いた対応が必要です。我が国が技術的優位性を高め、国際社会における不可欠性の確保につなげていくためには、国が強力に重要技術の研究開発を進め、育成していくことが必要であり、国及び国民の安全・安心の実現のため、科学技術の多義性を踏まえつつ、総合的な安全保障の基盤となる科学技術力を強化することが必要です。
  • 第6期基本計画が目指すSociety 5.0の実現に向け、サイバー空間とフィジカル空間を融合し、新たな価値を創出できることを目指している。具体的には質の高い多種多様なデータによるデジタルツインをサイバー空間に構築し、それを基にAIを積極的に用いながらフィジカル空間を変化させ、その結果をサイバー空間へ再現するという、常に変化し続けるダイナミックな好循環を生み出す社会へと変革することを目指すこととしている。
  • 2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラルを実現するとともに、健全で効率的な廃棄物処理及び資源の高度な循環経済を実現に向けた対応をすることで、グリーン産業の発展を通じた経済成長へとつながることで経済と環境の好循環が生み出されるような社会を目指している。
  • 頻発化・激甚化する自然災害に対し、レジリエントな社会の構築を目指している。あわせてサイバー空間等の新たな領域における攻撃や、新たな生物学的な脅威から、国民生活及び経済社会の安全・安心を確保するとともに、先端技術の研究開発を推進し、適切な技術流出対策の実施も行っていくこととしている。
  • 社会のニーズを原動力として課題の解決に挑むスタートアップを次々と生み出し、企業、大学、公的研究機関等が多様性を確保しつつ相互に連携して価値を共創する新たな産業基盤が構築された社会を目指している。
  • 可能性を発揮しつつ新たな価値を創出し続けることができる多様で持続可能な都市や地域が全国各地に生まれることで、あらゆるステークホルダーにとって人間としての活力を最大限発揮できるような持続的な生活基盤を有する社会を目指している。
  • 知のフロンティアを開拓する多様で卓越した研究成果を生み出すため、研究者が一人ひとりに内在する多様性に富む問題意識に基づき、その能力をいかんなく発揮し、課題解決へのあくなき挑戦を続けられる環境の実現を目指している
  • 昨今、ビッグデータ等の多様なデータ収集や分析等が容易となる中、シミュレーションやAIを活用したデータ駆動型の研究手法が拡大している。このことは、社会全体のデジタル化や世界的なオープンサイエンスの潮流により、研究そのもののデジタルトランスフォーメーション(研究DX)が求められているといえる。さらには、新型コロナウイルス感染症を契機として世界的にも研究DXの進展が加速しており、我が国においても重要なキーワードとなる研究データの管理・利活用促進や研究DXを支えるインフラストラクチャ―の整備を進めるなど、研究DXがもたらす新たな社会の実現に向けた研究システムの構築に取り組んでいる。
  • 多様な知の結節点であり、最大かつ最先端の知の基盤である大学はSociety 5.0を牽引する役割を求められている。不確実性の高い社会を豊かな知識基盤を活用することで乗りきるため、個々の強みを伸ばし、各大学にふさわしいミッションを明確化することで、多様な大学群の形成を目指している。

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内閣官房 ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議
▼第4回 結果概要
  • 6月14日、「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議」の局長級第四回会合が開催されました。
    1. 今回の会合には、中谷元内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当)出席の下、滝崎内閣官房副長官補を議長とし、関係府省庁の代表者(局長級)が出席しました。
    2. 会合では、外務省から、「ビジネスと人権」に関する行動計画に係る「1年目レビュー政府報告」について説明があり、本会議において承認しました。次に、経済産業省からは、本年3月に立ち上げた検討会で策定に向けて取り組んでいる「サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン」の進捗状況について、説明がありました。中谷総理大臣補佐官からは、行動計画の二年目にあたる本年も、より一層の着実な実施に向け、歩みを進める必要があり、引き続き関係府省庁の協力を得て取り組んでいきたいとの発言がありました。
    3. 政府としては、引き続き行動計画を着実に実施し、省庁横断的に取組を進めていく考えです。
  • [参考1]「ビジネスと人権」に関する行動計画
    • 我が国は、2016年に行動計画の策定を決定。2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018―『Society 5.0』『データ駆動型社会』の変革―」や、「SDGs実施指針改定版」等にその旨盛り込まれている。
    • 2018年、行動計画策定の第一段階として現状把握調査を実施し、「ビジネスと人権に関する行動計画に係る諮問委員会」及び「ビジネスと人権に関する行動計画に係る作業部会」での議論やパブリックコメントを踏まえて、2020年10月に、「ビジネスと人権に関する関係府省庁連絡会議」において、企業活動における人権尊重の促進を図るため、本行動計画を策定及び公表。
    • 本行動計画においては、「ビジネスと人権」に関して、今後政府が取り組む各種施策が記載されているほか、企業に対し、人権デュー・ディリジェンスの導入促進への期待が表明されている
  • [参考2]ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議
    • 昨年10月に策定した「ビジネスと人権に関する行動計画」に基づく取組を進めるに当たり、関係府省庁間の連携を図る仕組みとして、令和3年3月に「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁連絡会議」を設置した。令和3年12月に同連絡会議を「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議」に改組した。
  • [参考3]人権デュー・ディリジェンス
    • 国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」において、「人権デュー・ディリジェンス」は、人権への悪影響を特定し、予防し、軽減し、対処し、情報発信を継続的に実施するプロセスとしている。

~NEW~
警察庁 警察庁のウェブサイトを模倣した偽サイトに注意(令和4年6月15日)
  • 警察庁のウェブサイトを模倣した偽サイトがあることが分かりました。偽サイト内のアイコンなどをクリックすると、悪質なサイトに誘導され、サイバー犯罪等の被害に遭う可能性がありますのでご注意ください。
  • 注意すべき点
    1. URLのアドレスを確認する。
      • アドレス欄をよく見る、リンクにポインタを置きアドレスを表示させるなどして、アドレスを必ず確認してください。
      • 警察庁のウェブサイトの正しいアドレスはwww.npa.go.jpです。
    2. 不審と思われるアドレスにアクセスしない。
      • 不審と思われる場合には、安易にアクセスしたり、当該ウェブサイト上のリンクをクリックしたりしないでください。
▼参考:内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターからの注意喚起 我が国の公的機関や企業等の偽サイトにご注意ください(注意喚起)

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警察庁 犯罪統計資料(令和4年1~5月分)
  • 令和4年1~5月の刑法犯総数について、認知件数は222,829件(前年同期227,121件、前年同期比▲1.9%)、検挙件数は96,506件(104,961件、▲8.1%)、検挙率は43.3%(46.2%、▲2.9P)
  • 粗暴犯の検挙件数は20,286件(19,967件、+1.6%)、検挙件数は16,649件(17,221件、▲3.3%)、検挙率は82.1%(86.2%、▲4.1P)
  • 窃盗犯の認知件数は150,021件(152,803件、▲1.8%)、検挙件数は58,060件(64,805件、▲10.4%)、検挙率は38.7%(42.4%、▲3.7P)
  • 万引きの認知件数は35,243件(37,213件、▲5.3%)、検挙件数は23,930件(26,177件、▲8.6%)、検挙率は67.9%(70.3%、▲2.4P)
  • 知能犯の認知件数は14,668件(13,877件、+5.7%)、検挙件数は7,094件(7,129件、▲0.5%)、検挙率は48.4%(51.4%、▲3.0P)
  • 詐欺の認知件数は13,311件(12,626件、+5.4%)、検挙件数は5,917件(6,084件、▲2.7%)、検挙率は44.5%(48.2%、▲3.7P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は25,713件(27,000件、▲4.8%)、検挙人員は21,141人(22,314人、▲5.3%)
  • 入管法違反の検挙件数は1,616件(2,129件、▲24.1%)、検挙人員は1,216人(1,554人、▲21.8%)、軽犯罪法違反の検挙件数は2,942件(3,151件、▲6.6%)、検挙人員は2,928人(3,131人、▲6.5%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は3,465件(3,087件、+12.2%)、検挙人員は2,653人(2,441人、+8.7%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は1,306件(919件、+42.1%)、検挙人員は1,077人(739人、+45.7%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は184件(94件、+95.7%)、検挙人員は75人(41人、+82.9%)、不正競争防止法違反の検挙件数は25件(35件、▲28.6%)、検挙人員は26人(31人、▲16.1%)、銃刀法違反の検挙件数は1,924件(1,943件、▲1.0%)、検挙人員は1,666人(1,698人、▲0.7%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は399件(313件、+27.5%)、検挙人員は236人(186人、+26.9%)、大麻取締法違反の検挙件数は2,297件(2,447件、▲6.1%)、検挙人員は1,803人(1,933人、▲6.7%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は3,374件(4,239件、▲20.4%)、検挙人員は2,300人(2,857人、▲19.5%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・検挙人員 対前年比較について、刑法犯総数について、検挙件数は3,363件(4,736件、▲29.0%)、検挙人員は2,110人(2,579人、▲18.2%)
  • 暴行の検挙件数は230件(292件、▲21.2%)、検挙人員は222人(272人、▲18.4%)、傷害の検挙件数は368件(453件、▲18.8%)、検挙人員は390人(541人、▲27.9%)、脅迫の検挙件数は135件(132件、+2.3%)、検挙人員は137人(126人、+8.7%)、恐喝の検挙件数は123件(147件、▲16.3%)、検挙人員は162人(175人、▲7.4%)、窃盗の検挙件数は1,444件(2,350件、▲38.6%)、検挙人員は287人(393人、▲27.0%)、詐欺の検挙件数は548件(663件、▲17.3%)、検挙人員は460人(508人、▲9.4%)、賭博の検挙件数は10件(16件、▲37.5%)、検挙人員は50件(47件、+6.4%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・検挙人員 対前年比較について、特別法犯総数について、検挙件数は2,085件(2,760件、▲24.5%)、検挙人員は1,410人(1,880人、▲25.0%)
  • 暴力団員不当行為防止法違反の検挙件数は1件(5件、▲80.0%)、検挙人員は2人(18人、▲88.9%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は14件(13件、+7.7%)、検挙人員は28人(42人、▲33.3%)、銃刀法違反の検挙件数は33件(41件、▲19.5%)、検挙人員は19人(32人、▲40.6%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は71件(53件、+34.0%)、検挙人員は27人(14人、+92.9%)、大麻取締法違反の検挙件数は355件(456件、▲22.1%)、検挙人員は209人(278人、▲24.8%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は1,215件(1,798件、▲32.4%)、検挙人員は785人(1,163人、▲32.5%)、麻薬等特例法違反の検挙件数は72件(56件、+28.6%)、検挙人員は45人(39人、+15.4%)

~NEW~
内閣サイバーセキュリティセンター サイバーセキュリティ戦略本部 第34回会合(令和4年6月17日)
▼サイバーセキュリティ2022
  • 2021年においては、前年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応を余儀なくされ、人々のデジタル技術の活用は更に拡大し、いわゆる「ニューノーマル」の定着が進んだ。サイバー空間が量的に拡大・質的に進化するとともに、実空間との融合が進み、あらゆる国民、企業等にとって、サイバー空間はある種の「公共空間」として、より一層の重みを持つようになっている。
  • また、2021年9月には、デジタル庁が発足し、デジタル社会の形成に向けてデジタル改革を推進していくための政府の体制が整備された。また、地方からデジタルの実装を進め、デジタル改革を推進していくことを目指し、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けた取組も進められている。現在、既に地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や、中小企業を含めたサプライチェーンの拡大等、サイバー空間の「公共空間化」が加速しており、「デジタル田園都市国家構想」が描く未来が現実のものとなりつつある。
  • さらに、海外においては、2022年に入ってから、例えば、ウクライナの政府機関等のウェブサイトの改ざんや閲覧障害等が発生したほか、米国の衛星通信事業者が提供する衛星通信サービスに対するサイバー攻撃により、ウクライナを含むヨーロッパでシステム障害が発生するなどしている。また、これらの事案については、ロシアによるウクライナ侵略との関連性が指摘されるなど、国家間の争いのサイバー空間へのシフトも顕著になっており、我が国においても、サイバー空間での活動が活発化しているといえる。
  • また、こうした情勢の変化も受けて、国内では多様なインシデントが生じている。ランサムウェアによる被害事例については、2021年に入り大幅に増加しており、例えば、2021年における全国の都道府県警察から警察庁への報告件数は146件となっており、前年と比較可能な7~12月だけで4倍と大幅に増加しているほか、2022年に入ってからも、例えば、大手自動車メーカーの取引先企業や家電メーカーの海外子会社など、多くの被害事例が報告されている。
  • また、マルウェア「Emotet(エモテット)」については、2021年11月から攻撃活動が再開され、2022年2月から急増しており、2022年3月には「Emotet」に感染しメール送信に悪用される可能性のある.jpドメイン数が2020年の感染ピーク時の約5倍以上に急増している。
  • このようにサイバー空間での被害が拡大し、脅威が高まっている状況を踏まえて、政府機関や重要インフラ事業者のみならず、広く産業界において適切なサイバーセキュリティ対策が講じられるよう、2022年に入ってから累次にわたって関係省庁が連携して注意喚起を実施し、サイバー攻撃に対する防護に取り組んでいる。
  • サイバー空間の「公共空間化」の進展は様々な恩恵をもたらす一方、国民生活や社会経済活動におけるデジタル技術への依存度が急速に高まることに伴い、インシデントが発生した場合にはその影響が広範囲に及ぶようになっている。また、第1章に記載した現下の情勢を踏まえると、サイバー空間における脅威の高まりは国外に限った話ではなく、我が国においても、昨今の状況の中でサイバー空間での活動が活発化しており、それが継続している状況にあると考えられる。社会のデジタル化が広範かつ急速に進展し、あらゆる活動においてサイバー空間への依存度が高まっている中、サイバー攻撃が重大な事態へと発展していくリスクも踏まえると、インシデントが発生した後の復旧や対処が重要であるのは当然のことながら、サイバー防御の強化により、インシデントが発生しないよう未然防止を図っていくことが、これまで以上に重要となっている。
  • インシデントの未然防止の観点から、例えば、具体的に講じるべき措置等に係る関係省庁からの注意喚起等を踏まえて、まずは基本的なサイバーセキュリティ対策の徹底が必要である。また、サイバー攻撃の複雑化・巧妙化が進む中、脆弱性情報や攻撃の痕跡(IoC6)情報のほか、サイバー攻撃への防御に資する情報を適時適切に関係者間で共有し、情報システムの強靭性を高めることが不可欠である。こうした観点を踏まえ、情報収集から、分析・評価、注意喚起等の対処や政策対応等の一連の取組を一体的に推進するための総合調整を担う「ナショナルサート機能」の強化等、官民連携のオールジャパンで推進体制の構築等を図ることが重要な課題となっている。
  • また、国家の安全や社会経済活動の基盤となる重要インフラの安定的な提供を確保する観点から、特に重要インフラ事業者におけるサイバー防御を強化し、インシデントの未然防止による機能保証を図ることの重要性が高まっている。
  • さらに、サプライチェーンの広がりやサイバー空間の「公共空間化」に伴い、脆弱性も拡大していることから、これまで主として取り組んできた政府機関や重要インフラ事業者のサイバーセキュリティの確保に加えて、サイバー空間を支える基盤(以下「サイバーインフラ」という。)を提供するサイバー関連事業者(ソフトウェア開発者、クラウドサービス提供事業者)や重要情報を保有する事業者をはじめとする他の民間部門におけるサイバーセキュリティの確保を図ることも重要となっている。このほか、サイバー空間とフィジカル空間の融合が進み、オープンソースソフトウェア(OSS)の普及やデータのソフトウェア化が進展することに伴い、ソフトウェアに潜在する脆弱性対策の強化も、インシデントの未然防止の観点から重要となっている。
  • デジタル化の進展に伴うサイバー空間の「公共空間化」は、地域や中小企業にも広がっており、地域・中小企業等におけるDXの進展が加速しつつある一方、サプライチェーンの中でセキュリティの脆弱な部分が狙われ、サプライチェーン全体が影響を受ける事例が新たな脅威となっている。特に、地域・中小企業等においては、経営者の認識欠如やサイバー人材不足等に伴うリスクが顕在化している。そのため、地域・中小企業の「DXwithCybersecurity」推進のための経営者の意識改革、経営層へのプラス・セキュリティ知識の補充のための取組を進めるほか、地域・中小企業等のセキュリティ強化・支援に取り組んでいくことが重要な課題となっている。
  • また、デジタル化の進展に伴って、新しいサービスや技術を悪用したサイバー犯罪が増加している。このため、2022年4月に警察庁に新設されたサイバー警察局・サイバー特別捜査隊による官民連携・国際連携の推進により、悪質化・巧妙化するサイバー犯罪に適切に対処し、サイバー空間の安全・安心を確保していくことも重要である。
  • 我が国を取り巻く安全保障環境は、国家の関与が疑われるサイバー攻撃事案が見られるなど、厳しさを増していることを踏まえ、
    • サイバー攻撃から我が国の安全保障上の利益を守るため、サイバー攻撃から国家を防御する力(防御力)
    • サイバー攻撃を抑止する力(抑止力)
    • サイバー攻撃の状況を把握する力(状況把握力)
      をそれぞれ高めつつ、政府全体としてシームレスな対応を抜本的に強化することが課題となっている。
  • また、我が国を取り巻く安全保障環境の変化も増しており、我が国が享受してきた既存の秩序についても不確実性が急速に増している。サイバー空間の健全な発展のため、同盟国・同志国等と連携して対抗し、我が国の安全保障に資する形で、グローバルに「自由、公正かつ安全なサイバー空間」を確保するために、積極的な役割を果たしていく必要がある。
  • こうした観点から、サイバーセキュリティ分野における国際協力・連携の取組強化を進めていくことが重要な課題となっている。サイバーセキュリティ戦略本部(以下「戦略本部」という。)においては、2021年12月に「サイバーセキュリティ分野における開発途上国に対する能力構築支援に係る基本方針」を決定したところであるが、特にASEANを含むインド太平洋地域における能力構築支援を推進することについては、2022年5月の日米豪印首脳会談共同声明及び同声明と併せて公表された「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ:共同原則」において「日米豪印各国は、インド太平洋地域における能力構築プログラムに協力し、クアッド・サイバーセキュリティ・パートナーシップを通じて、その取組を更に強化する」旨にコミットしたところであり、その地政学的な立場からも、重要な意義を有している。
  • 重要インフラの機能停止や知的財産の窃取等、国民の安全・安心の根幹を揺るがすような深刻なサイバー攻撃に対しては、自助、共助の取組だけで対応することは益々困難になっており、国が主体的に関係機関とも連携を図りつつ、攻撃者の視点も踏まえ、持ち得る全ての手段を活用して包括的なサイバー防御を講ずるなど、自助・共助・公助からなる多層的なサイバー防御態勢を構築して対応することが重要である。また、複雑化・巧妙化するサイバー攻撃の脅威により、インシデントが多分野に拡大するとともに、比較的小さなインシデントであっても大きな影響を与えるようになっている中、関係省庁が有機的に連携して適時適切な対処(産業界への的確で横断的な注意喚起など)や政策対応を実現していくことの必要性が高まっている。
  • そのため、情報収集・分析から、調査・評価、注意喚起の実施及び対処等の一連の取組を一体的に推進するための総合的な調整を担う機能としての「ナショナルサート機能」の強化を図る。
  • 具体的には、幅広い関係省庁間の情報共有などの連携体制の強化、国際協力・連携強化、官民間の情報共有の充実や官民間の分析連携等を進めることにより、情報収集力、更に分析力の向上を図り、脅威情報等の適時適切な関係者間での共有によるサイバー防護の向上、攻撃者の特定に資する分析を含め分析結果を踏まえた対応・発信を通じた抑止力の向上、さらに、国の発信力の強化につなげていく。
  • 重要インフラのサイバーセキュリティの確保については、NISC及び各重要インフラ事業所管省庁と重要インフラ事業者がサイバーセキュリティ確保に関して配慮すべき共通の基本的な枠組みを定めた「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」(令和4年6月17日サイバーセキュリティ戦略本部決定)を踏まえ、各重要インフラ事業者において、組織統治の一部として障害対応体制を強化するとともに、重要インフラを取り巻く脅威の変化に適確に対応するため、将来の環境変化を先取りし、サプライチェーンを含めてリスクを明確化し対応する。また、安全基準の策定指針の見直しに向けた検討を進める。さらに、2022年5月の日米豪印首脳会談共同声明及び同声明と併せて公表された「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ:共同原則」において、重要インフラ防護のための政策策定へのアプローチの共有や官民間の脅威情報の共有など、セキュリティ対策の強化にコミットしたところであり、国際パートナーとも協力・連携しつつ、重要インフラのサイバーセキュリティの強化に取り組む。
  • このほか、サイバーインフラが重要インフラ事業者による事業運営・サービス提供を支える基盤としての役割を担うようになっていることを踏まえ、サイバーインフラの強靭性の確保を図る観点から包括的な対応を図っていくほか、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保のため、経済安全保障推進法の施行に向けた対応を図っていく。
  • サイバー空間とフィジカル空間が密接に関係していき、サイバー攻撃のリスクが増大する中、これに対応するための考え方を整理したフレームワークを整備し社会実装を進めることで、セキュリティ対策のレベルを向上させることが必要となっている。特に昨今のサプライチェーン攻撃等の事案を踏まえると、OSS事例集をはじめとしたOSSコミュニティの活性化とともに、ソフトウェアの脆弱性管理等のためのソフトウェア部品表(SBOM10)に関する知見の整理、契約モデル等のツールの整備を行うこと等により、安心してソフトウェアを活用できる環境を構築し、様々な産業での生産性向上や新サービスの創出といった付加価値の増大に結びつけていくことが必要となっている。そのため、サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)を社会実装し、安心してソフトウェアを活用できる環境を構築していく。
  • サプライチェーンの一社へのサイバー攻撃が、サプライチェーン全体へ影響を及ぼす事例が新たな脅威となる中、地域・中小企業のDXと一体でサイバーセキュリティ対策を進めていくこと(「DXwithCybersecurity」の推進)は急務となっている。そのため、地域・中小企業のサイバーセキュリティ対策に取り組む。
  • デジタル化の進展に伴い、サイバー空間は全国民が参画する公共空間へと変貌を遂げつつある一方、新しいサービスや技術を悪用した犯罪が続々と発生し、その手口が悪質化・巧妙化の一途をたどるなど、サイバー空間を巡る脅威は、極めて深刻な情勢が続いている。こうした状況において、サイバー空間の安全・安心を確保していくためには、深刻化するサイバー空間の脅威に適切に対処できる態勢を整備するとともに、国内外の多様な主体と手を携え、社会全体でサイバーセキュリティを向上させるための取組を強力に推進することが必要となっている。そのため、2022年4月に警察庁に新設したサイバー警察局・サイバー特別捜査隊による官民連携・国際連携を推進していく。
  • ASEANを含むインド太平洋地域については、能力構築支援を中心としたこれまでの成果と経験、また、その地政学的な重要性を踏まえ、サイバー分野における外交・安全保障を含めた連携の抜本的な強化を図る観点から、能力構築支援の取組を一層強力に推進していく。
▼重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画
  • 国民生活及び社会経済活動は、様々な社会インフラによって支えられており、その機能を実現するために情報システムが幅広く用いられている。こうした中で、特に情報通信、電力、金融等、その機能が停止又は低下した場合に多大なる影響を及ぼしかねないサービスは、重要インフラとして官民が一丸となり、重点的に防護していく必要がある。その際、民間は全てを政府に依存するのではなく、政府も民間だけに任せるのではない、緊密な官民連携が求められる。このため政府では、重要インフラ防護に係る基本的な枠組みとして、重要インフラにおけるサイバーセキュリティに関して重要インフラ事業者等の自主的な取組の促進その他の必要な施策の実施に責任を有する政府と自主的な取組を進める重要インフラ事業者等との共通の行動計画(以下「行動計画」という。)を策定し、これを推進してきたところである。
  • 重要インフラを取り巻く脅威は年々高度化・巧妙化しており、その一方で、重要インフラ分野ごとにシステムの利用形態が異なることから、各組織における脅威の差異が拡大してきている。かかる状況を踏まえ、「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」(以下「本行動計画」という。)では、「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第4次行動計画」(以下「第4次行動計画」という。)を基本としつつ、重要インフラ分野全体として今後の脅威の動向、システム、資産を取り巻く環境変化に適確に対応できるようにすることで、官民連携に基づく重要インフラ防護の一層の強化を図る。
  • 重要インフラにおいて、任務保証の考え方を踏まえ、重要インフラサービスの継続的提供を不確かなものとする自然災害、管理不良、サイバー攻撃や、重要インフラを取り巻く環境変化等をリスクとして捉え、リスクを許容範囲内に抑制すること、及び重要インフラサービス障害に備えた体制を整備し、障害発生時に適切な対応を行い、迅速な復旧を図ることの両面から、強靱性を確保し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼすことなく、重要インフラサービスの安全かつ持続的な提供を実現することを重要インフラ防護の目的とする
  • 本行動計画に基づく取組によって実現が期待される将来像を示す。
    1. 責務の明確化
      • 重要インフラ防護の目的、各関係主体の責務、実施事項等が明確化され、各関係主体に共通理解として浸透している。
    2. 組織統治
      • 環境変化に対して、重要インフラ防護の目的を組織単位で常に確実に達成できるよう、組織内の責任と権限を明確にし、適切な資源配分が行われ、PDCAサイクルを的確に回せるための組織統治が十全に機能している。
    3. 重要インフラ事業者等における自組織に最適な防護対策の確保
      • 組織及び提供する重要インフラサービスの特性に基づき、経営層がリスクを明確にし、組織内に周知している。
      • 重要インフラサービスの継続的な提供に関する要求事項が明確であり、そのための基準、マニュアル等が制定、維持され、関係者が遵守している状況が評価可能な状況にある。
    4. 脅威への包括的な取組
      • 重要インフラを取り巻く脅威の変化に適確に対応するため、サプライチェーン等を含め、将来の環境変化を先取りした包括的な対応に係る取組が促進されている。
    5. コミュニケーション
      • 自組織内及び各関係主体間それぞれにおいて、重要インフラサービス障害の予防的対策を強化するためのコミュニケーションが日常的に行われている。また、重要インフラサービス障害が発生した場合には、充実したコミュニケーションを通して冷静に対処できるようになっており、更にその経験を確実に将来の対策に活かすための継続的な改善がなされている。
    6. 社会との共存共栄
      • 各関係主体の自主的かつ積極的な取組がサイバーセキュリティ文化の醸成に寄与するとともに、社会の持続的な発展を支えている。
      • 重要インフラサービスの継続的提供がなされるとともに、各関係主体が連携して重要インフラ防護に取り組んでいることが広く国民に知られ、国民に安心感を与えるようになっている。
    7. 定期的な評価・見直し
      • 各関係主体の取組が定期的に評価されるとともに、必要に応じて行動計画が適切に見直されている
  • 本行動計画の要点(エグゼクティブサマリー)
    1. 「重要インフラ防護」の目的
      • 重要インフラにおいて、任務保証の考え方を踏まえ、重要インフラサービスの継続的提供を不確かなものとする自然災害、管理不良、サイバー攻撃や、重要インフラを取り巻く環境変化等をリスクとして捉え、リスクを許容範囲内に抑制すること、及び重要インフラサービス障害に備えた体制を整備し、障害発生時に適切な対応を行い、迅速な復旧を図ることの両面から、強靱性を確保し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼすことなく、重要インフラサービスの安全かつ持続的な提供を実現すること。
    2. 関係主体の責務
      • 関係主体の責務は、サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号)を基本とする。
      • 国は、サイバーセキュリティに関する総合的な施策を策定し、及び実施する。
      • 地方公共団体は、サイバーセキュリティに関する自主的な施策を策定し、及び実施する。
      • 重要インフラ事業者は、サービスを安定的かつ適切に提供するため、サイバーセキュリティの重要性に関する関心と理解を深め、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティの確保に努める。
      • サイバー関連事業者その他の事業者は、その事業活動に関し、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティの確保に努める。
    3. 基本的な考え方
      • 重要インフラを取り巻く情勢は、システム利用の高度化、複雑化、サイバー空間の脅威の急速な高まりを受け、重要インフラ事業者等においては、経営層、CISO、戦略マネジメント層、システム担当者を含めた組織全体での対応を一層促進する。特に、経営の重要事項としてサイバーセキュリティを取り込む方向で推進する。
      • 自組織の特性を明確化し、経営層からシステム担当者までの各階層の視点を有機的に組み合わせたリスクマネジメントを活用し、自組織に最も適した防護対策を実施する。
      • 重要インフラを取り巻く脅威の変化に適確に対応するため、サプライチェーン等を含め、将来の環境変化を先取りした包括的な対応を実施する。
    4. 障害対応体制の強化に向けた取組
      • リスクマネジメントによる事前対応と危機管理の組合せにより、障害対応体制を強化する。
      • 組織におけるサイバーセキュリティに対する経営者と専門組織の関係を経営の重要事項としてサイバーセキュリティを取り込む。
      • サイバーセキュリティの確保には、サイバーセキュリティ基本法第2条の定義を踏まえ、外部からの攻撃のみならず、システム調達、設計及び運用に関係する事象を含め対応できるよう障害対応体制を整備・運用する。

~NEW~
内閣サイバーセキュリティセンター サイバーセキュリティ戦略本部 第33回会合(持ち回り開催)(令和4年5月30日)
▼資料1-1 デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)に対するサイバーセキュリティ戦略本部の意見(案)について
  • デジタル社会形成基本法第37条第4項において、内閣総理大臣がサイバーセキュリティ戦略本部の意見を聴いて、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の案(以下「重点計画(案)」という。)を作成し、閣議の決定を求めることが法定されている。意見案は以下のとおり。
    • デジタル化による利便性の向上とサイバーセキュリティの確保を両立して推進することは重要であり、サイバーセキュリティ戦略本部にて策定した「サイバーセキュリティ戦略」(令和3年9月28日閣議決定)においても、サイバー空間の公共空間化が進展する中、デジタル化の動きと呼応し、「誰一人取り残さない」サイバーセキュリティを確保すべく、政府全体として、同戦略を踏まえた施策を着実かつ効果的に実施することとされており、重点計画(案)は同戦略に基づいた内容となっている。
    • 昨今の国際情勢の下、サイバー攻撃が経済社会活動、ひいては国家安全保障に重大な影響を及ぼすリスクが急速に増大していることに鑑み、安全・安心なデジタル社会の構築を図るためには、こうしたリスクに即応したサイバーセキュリティ対策を講じることの重要性がより一層顕在化しており、本重点計画(案)には、こうした趣旨も盛り込まれている。
    • 重点計画(案)の実施に当たっては、サイバーセキュリティ戦略で掲げている「デジタルトランスフォーメーション(DX)とサイバーセキュリティの同時推進」「サイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保」「安全保障の観点からの取組強化」を通じた「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の確保という基本的な理念も踏まえ、デジタル改革を推進していくことを期待。
    • 以上を踏まえた上で、重点計画(案)について異存はない

~NEW~
内閣府 子供・若者白書(旧青少年白書)について
▼概要版
  • 2000年代前半、我が国においては、若年無業者やひきこもりなど若者の自立をめぐる問題の深刻化や、児童虐待、いじめ、少年による重大事件、有害情報の氾濫など、子供1や若者をめぐる状況は厳しい状態が続いていた。次代の社会を担う子供や若者の健やかな成長が我が国社会の発展の基礎をなすものであることに鑑みれば、関連分野における知見を総合して諸課題に対応していくことが必要であると考えられた。このため、平成21年の通常国会(第171回国会)に政府提出法案として「青少年総合対策推進法案」が提出された。そして、衆議院における修正を経て、同年7月、
    • 国における本部の設置、子供・若者育成支援施策の推進を図るための大綱(以下「大綱」という。)の作成、地域における子供・若者育成支援についての計画の作成、ワンストップ相談窓口の整備といった枠組みの整備
    • 社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供や若者を支援するための地域ネットワークの整備
      を主な内容とする「子ども・若者育成支援推進法」(平成21年法律第71号。以下本章においては「法」という。)が、全会一致で可決、成立し、平成22年4月1日に施行された
  • こども政策の新たな推進体制に関する基本方針
    1. こども家庭庁の必要性、目指すもの
      • こども政策をさらに強力に進めていくため、常にこどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に考え、こどもまんなか社会の実現に向けて専一に取り組む独立した行政組織と専任の大臣が必要。新たな行政組織として、こどもが、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができる社会の実現に向けて、こどもと家庭の福祉の増進・保健の向上等の支援、こどもの権利利益の擁護を任務とするこども家庭庁を創設する。こどもにとって必要不可欠な教育は文部科学省の下で充実を図る。こども家庭庁と文部科学省が密接に連携して、こどもの健やかな成長を保障する。
    2. こども家庭庁の基本姿勢
      1. こどもの視点、子育て当事者の視点
      2. 地方自治体との連携強化
      3. NPOをはじめとする市民社会との積極的な対話・連携・協働
    3. 強い司令塔機能
      • 内閣総理大臣の直属の機関として、内閣府の外局とする。これまで別々に担われてきた司令塔機能をこども家庭庁に一本化し、就学前の全てのこどもの育ちの保障や全てのこどもの居場所づくりなどを主導する。各省大臣に対する勧告権等を有するこども政策を担当する内閣府特命担当大臣を必置化する。別々に運営されてきた総理を長とする閣僚会議を一体的に運営する。別々に作成・推進されてきた大綱を一体的に作成・推進する。
    4. 法律・事務の移管・共管・関与
      • 主としてこどもの権利利益の擁護、こどもや家庭の福祉・保健等の支援を目的とするものはこども家庭庁に移管。こどもの権利利益の擁護、こどもや家庭の福祉・保健等の支援とそれ以外の政策分野を含んでいるものは関係府省庁で共管。国民全体の教育の振興等を目的とするものは、関係府省庁の所管としつつ、個別作用法に具体的な関与を規定するほか、総合調整を行う。
    5. 新規の政策課題や隙間事案への対応
      • こども政策に関し他省に属しない事務を担い、各省庁の間で抜け落ちることがないよう必要な取組を行うとともに、新規の政策課題に取り組む。
    6. 体制と主な事務
      • 内閣総理大臣、こども政策を担当する内閣府特命担当大臣、こども家庭庁長官の下に、内部部局として、企画立案・総合調整部門、成育部門、支援部門の3部門の体制を設ける。移管する定員を大幅に上回る体制を目指し、地方自治体職員や民間人材を積極的に登用する。
    7. スケジュール、安定財源の確保
      • 令和5年度のできる限り早い時期に創設する。「こどもに関する政策パッケージ」等に基づき、こども家庭庁の創設を待たずにできることから速やかに実施。国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め、幅広く検討を進め、確保に努めていく。応能負担や歳入改革、企業を含め社会・経済の参加者全員が広く負担していく新たな枠組みについても検討する。
  • 経済協力開発機構(OECD)が行う「生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、平成30年、「数学的リテラシー」及び「科学的リテラシー」は、引き続き世界トップレベルであり、調査開始以降の長期トレンドとしても、安定的に世界トップレベルを維持しているとOECDが分析している。なお、「読解力」は、OECD平均より高得点のグループに位置するが、前回より平均得点・順位が統計的に有意に低下しており、長期トレンドとしては、統計的に有意な変化が見られない「平坦」タイプとOECDが分析している。また、国際教育到達度評価学会(IEA)が行う「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」では、平成31年、小学校、中学校いずれも、算数・数学、理科ともに引き続き高い水準を維持していることがわかった。前回調査時の平成27年に比べ、小学校理科においては、平均得点が有意に低下、中学校数学においては平均得点が有意に上昇している。
  • 内閣官房では、「第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020改訂版)」(令和2年12月閣 6議決定)に基づき、地域における社会的課題の解決に資する起業への支援を行う地方公共団体の取組について、地方創生推進交付金を活用して支援している(地方創生起業支援事業の実施)。あわせて、移住希望者と地方の中小企業等とのマッチングや、当該中小企業等への就業に伴う移住、18歳未満の子供を帯同した移住への支援を行う地方公共団体の取組についても支援する(地方創生移住支援事業の実施)
  • 警察は、出会い系サイトやSNSの利用に起因する犯罪による被害及びインターネット上の違法情報・有害情報の影響から子供を守るための広報啓発を推進している。例年2月から5月にかけて、サイバーセキュリティに関する広報啓発を重点的に行い、子供や保護者、学校の教職員などに対しては、インターネット上の違法情報・有害情報に起因した犯罪、子供を被害者とするサイバー犯罪の具体的事例や対応策を紹介するとともに、フィルタリングの導入を勧めるなどしている。
  • 総務省は、地方の各総合通信局が地域の核としてコーディネーター役を務め、関係者を巻き込んだリテラシー向上の枠組み整備と、これを活用した周知啓発活動を推進している。具体的には、文部科学省及び情報通信分野の企業・団体等と協力しながら、子供たちのインターネットの安全な利用に係る普及啓発を目的とした出前講座である「e-ネットキャラバン」を、児童・生徒・保護者・教職員等を対象として全国で実施している。
  • 法務省の人権擁護機関では、「インターネットによる人権侵害をなくそう」を人権啓発活動の強調事項として掲げ、全国の中学校等において、携帯電話会社等が実施するスマホ・ケータイ安全教室と連携した「人権教室」を実施している。また、啓発冊子「あなたは大丈夫?考えよう!インターネットと人権」を作成・配布したほか、インターネットと人権をテーマとした啓発動画をYouTube法務省チャンネルで配信している。加えて、「インターネットと人権・オンラインフォーラム」を開催したほか、ウェブサイト等に、人権に関する正しい理解を深めることや相談先及び救済手続を案内することを目的としたインターネット広告を掲載するなど、各種人権啓発活動を実施している。
  • 法務省及び総務省は、SNS事業者団体と共同して、SNS利用に関する人権啓発サイトを開設し、利用する際のルールのほか、ブロック、ミュートなどのユーザー保護機能の活用方法や、SNSの投稿の削除手順等に係る啓発活動を展開している。
  • 内閣府及び関係省庁では、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」に基づき、官民一体となり、仕事と生活の調和実現に向けた取組を行っている。仕事と生活の調和推進官民トップ会議(経済界、労働界、地方公共団体の代表者、関係閣僚などにより構成)の下で開催する仕事と生活の調和連携推進・評価部会において、仕事と生活の調和の実現状況について最新の各種調査結果を基に点検・評価を行ってきた。同行動指針で定めている数値目標の期限が令和2年であることを機に、令和3年6月に、数値目標のこれまでの動向や、政労使の取組、評価部会委員の提言等を取りまとめた「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)総括文書-2007~2020-」を公表した。
  • また、内閣府及び関係省庁では、社会全体でワーク・ライフ・バランス等の実現に向けた取組を進めるため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号。以下「女性活躍推進法」という。)等に基づき、国及び独立行政法人等が総合評価落札方式又は企画競争方式による調達を行う際に、女性活躍推進法、「次世代育成支援対策推進法」(平成15年法律第120号。以下「次世代法」という。)、若者雇用促進法に基づく認定を取得する等したワーク・ライフ・バランス等推進企業を加点評価する取組を実施することにより、これらの企業の受注機会の増大を図っている。また、努力義務となっている地方公共団体でも国に準じた取組が進むよう働き掛けを行っている。
  • さらに、内閣府では、社会的気運の醸成のため、国民運動「カエル!ジャパン」キャンペーンを展開している。令和3年度には、企業におけるワーク・ライフ・バランスの取組を推進するため、経済団体と連携し、経営者及び管理職を対象としたセミナーを開催した。
  • 厚生労働省は、平成31年4月から順次施行されている働き方改革関連法に基づき、年次有給休暇の時季指定義務や時間外労働の上限規制が円滑に施行されるよう、働き方改革推進支援センターや都道府県労働局等において、相談・支援を実施している。また、育児・介護休業法に規定されている育児休業・介護休業や所定労働時間の短縮等の措置などの両立支援制度を労働者が安心して利用できるよう周知・徹底を図るとともに、規定整備に関する相談対応を行っている。また、次世代法に基づき、一般事業主行動計画の策定・届出の促進や、厚生労働大臣の認定・特例認定制度の周知と認定マーク(愛称:トライくるみん、トライくるみんプラス、くるみん、くるみんプラス)、特例認定マーク(愛称:プラチナくるみん、プラチナくるみんプラス)の取得促進を図っている。さらに、両立支援等助成金の支給や「女性の活躍・両立支援総合サイト」による情報の一元的な提供、男性の仕事と育児の両立を推進するイクメンプロジェクトなどにより、仕事と家庭の両立に向けた職場環境の整備を促進している。
  • また、令和3年6月に公布された、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」(令和3年法律第58号)において、男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産等の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等を内容とする改正を行っており、令和4年4月から順次施行されている。引き続き、改正法の円滑な施行のための周知等を行っている。
  • 農林水産省では、農業現場における仕事と子育ての両立に資するよう、農作業や家事の役割分担などを取り決める家族経営協定の締結促進や、女性農業者の託児と農作業代替を地域で一体的にサポートする体制づくり支援を行っている。
  • 厚生労働省では、使用者が適切に労務管理を行い、労働者が安心して働くことのできる「良質なテレワーク」の導入・実施を進めていくため、令和3年3月に改定した「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」の周知を図っている。
  • また、令和3年4月より「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」を新たに創設し、中小企業事業主に対してテレワーク用通信機器等の導入等に係る経費の助成を行っている。なお、本助成金の一層の活用を図るために、令和3年12月に本助成金の支給要領を改正し、支給対象となる経費及び事業主を拡大したところである。
  • このほか、テレワーク導入・実施時の労務管理上の課題等についての相談対応やコンサルティングを行うテレワーク相談センターの設置、事業主を対象としたセミナー等の開催等により、適正な労務管理下における良質なテレワークの普及を図っている。
  • 令和4年度からは、テレワーク相談センターについて、総務省と連携し、テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方についてワンストップで相談できる窓口としていくとともに、これらの相談を契機として、各企業の課題の解決に活用可能な、国や自治体等の各種支援策の紹介や個別のコンサルティングによるきめ細かな支援を行うことを検討している。
  • 少年補導や非行少年の処遇に関する専門職
    • 少年補導職員(警察庁)
      • 警察は、令和3年4月1日現在、非行少年の立ち直り支援や被害少年への支援などを行う、少年問題に関する専門組織である少年サポートセンターを全国に199か所設置するとともに、全国に880人の少年補導職員を配置している。少年補導職員は、少年相談、継続補導、被害少年の支援などの専門的・継続的な活動を行っており、時代に応じて変化する少年の問題に的確に対応できるよう、都道府県単位、あるいは、全国規模で研修を行うなど必要な知識の修得に努めている。
    • 少年院の法務教官(法務省)
      • 法務省は、少年院在院者の矯正教育に当たる少年院の法務教官に対して、職務に必要な行動諸科学などに関する専門的な知識と技術を付与するための研修体制を整備している。また、日々の事例を通しての研究会を頻繁に行うなど、非行少年の処遇に関する指導力の向上を図っている。
    • 少年鑑別所の法務教官(法務省)
      • 法務省は、少年鑑別所在所者の観護処遇に当たる少年鑑別所の法務教官に対して、在所者に対する健全な社会生活を営むために必要な知識及び能力を向上させるための支援を始めとした各種場面において、有効に活用し得る処遇技法を体系的に付与するための研修を実施するとともに、これら研修のより一層の充実を図っている。
    • 保護観察官(法務省)
      • 法務省は、非行少年の社会での立ち直りや非行の予防等を担当している地方更生保護委員会事務局と保護観察所の保護観察官に対して、家族関係の不和や社会性が不十分であることなど、それぞれの非行少年が抱える問題を踏まえた効果的な処遇ができるよう、その能力を向上させるための研修を実施している

~NEW~
内閣府男女共同参画局 男女共同参画白書
▼令和4年版 概要版
  • 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~
    • コロナ下において、我が国における男女共同参画が進んでいなかったことが改めて顕在化した。問題の背景には、家族の姿が変化しているにもかかわらず、男女間の賃金格差や働き方等の慣行、人々の意識、さまざまな政策や制度等が、依然として戦後の高度成長期、昭和時代のままとなっていることが指摘されている。
    • 今や、女性の半数は90歳以上まで生きる。平均寿命は女性87.71歳、男性81.56歳であるが、死亡年齢最頻値は女性93歳、男性88歳であり、100歳を超える人は、令和2(2020)年時点で女性69,757人、男性9,766人となっている。まさに人生100年時代といえる。
    • もはや昭和ではない。昭和の時代、多く見られたサラリーマンの夫と専業主婦の妻と子供、または高齢の両親と同居している夫婦と子供という3世代同居は減少し、一人ひとりの人生も長い歳月の中でさまざまな姿をたどっている。
    • こうした変化・多様化に対応した制度設計や政策が求められている。
  • 家族の姿の変化・人生の多様化
    • 近年(平成27(2015)年~令和元(2019)年)は、婚姻件数は約60万件で推移。離婚件数は、約20万件と、離婚件数は婚姻件数の約3分の1で推移。
    • コロナ下の令和2(2020)年以降は、婚姻件数は、令和2(2020)年52.6万件、令和3(2021)年51.4万件(速報値)と、戦後最も少なくなった。
    • 昭和55(1980)年と令和2(2020)年の配偶関係別の人口構成比を見ると、この40年間で、男女ともに「未婚」と「離別」の割合が大幅に増加。
    • 令和2(2020)年時点の30歳時点の未婚割合は、女性は40.5%、男性は50.4%。
    • 50歳時点で配偶者のいない人の割合は、令和2(2020)年時点では男女ともに約3割。
    • 50代女性は19.4%、60代女性は18.4%、50代男性は13.3%、60代男性は12.9%が離婚経験がある。
    • 50~60代の現在独身の人に着目すると、女性は約半数が離婚経験があり、男性は半数以上がこれまで一度も結婚していたことはない
    • 「雇用者の共働き世帯」は増加傾向にある一方、「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」は減少傾向。
    • 令和3(2021)年の「雇用者の共働き世帯」は、「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」の2倍以上。
    • 昭和55(1980)年から令和2(2020)年にかけて、20歳以上の女性の単独世帯は3.1倍(うち未婚は2.3倍)、男性の単独世帯は2.6倍(うち未婚は1.7倍)に増加。
    • 就業している単独世帯の女性と男性を比べると、世帯所得300万円未満の世帯は、女性は53.3%、男性は31.9%と、女性の割合が高い。
    • 単独世帯もそれ以外の世帯も、女性の場合は200~299万円に分布が集中している。
    • 昭和55(1980)年時点では、全世帯の6割以上を「夫婦と子供(42.1%)」と「3世代等(19.9%)」の家族が占めていた。
    • 令和2(2020)年時点では、「夫婦と子供」世帯の割合は25.0%に、「3世代等」世帯の割合も7.7%に低下している一方で、「単独」世帯の割合が38.0%と、昭和55(1980)年時点と比較して2倍近く増加。また、子供のいる世帯が徐々に減少する中、「ひとり親と子供」世帯は増加。
    • 「雇用者の共働き世帯」について、妻の働き方別に見ると、妻がフルタイム労働(週35時間以上就業)の世帯数は、昭和60(1985)年以降、400~500万世帯と横ばいで推移している一方、妻がパートタイム労働(週35時間未満就業)の世帯数は、昭和60(1985)年以降、約200万世帯から約700万世帯へ増加。
    • 母子世帯の母親の81.8%は働いており、国際的に見て就業率は高い。しかしながら、雇用されている人のうち、非正規雇用労働者の割合は52.3%と高く、母子世帯の平均年間就労収入は、一般世帯と比較して低い。
    • また、母子世帯では、離別した元夫から養育費を受け取っていない世帯が、全体の約4分の3となっている。
    • 有業の既婚女性の約6割は、年間所得が200万円未満。
  • 結婚と家族を取り巻く状況
    • 「配偶者、恋人はいない(未婚)」との回答は、男女ともに、全世代で2割以上。20代の女性の約5割、男性の約7割が、「配偶者、恋人はいない(未婚)」と回答。
    • 「配偶者(法律婚)がいる」と回答した人は、女性は20代で約2割、30代で約6割、40代以降で約7割。男性は20代で14%、30代で約5割、40代以降で6~8割。
    • 20代の独身者では、女性の方が男性よりも「結婚意思あり」の割合が高いが、40代以降は、女性は割合が減る一方、男性の場合は、40~60代も2~4割が結婚願望を持っている。
    • 「結婚意思なし」との回答をしたのは、女性は20代で14.0%、30代で25.4%、男性は20代で19.3%、30代で26.5%。
    • 積極的に結婚したいと思わない理由について、独身の男女で比較すると、女性の場合、5割前後となっている項目は、「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」、「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」。
    • 男女間で差があり、女性の方が高いものは、「仕事・家事・育児・介護を背負うことになるから」「名字・姓が変わるのが嫌・面倒だから」など。男性の方が高いものは「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」。
    • 令和2(2020)年に離婚した人の別居を開始した年齢は、男女ともに30代が最も多く(女性32.5%、男性30.3%)、続いて40代(女性27.5%、男性28.8%)、20代(女性21.4%、男性15.8%)。
    • 将来、「離婚可能性あり」と回答した人は、男女ともに約15%。
    • 40~50代の男女について、既婚者と独身者(居住形態別)の個人年収を見てみると、独身女性で個人年収300万円未満(収入なし含む)なのは、「1人暮らし」が約5割、「親と同居」が約6割。
    • 独身男性では、「700万円台以上」の割合が既婚者と比較して低い。
  • 人生100年時代における男女共同参画の課題
    • 人生100年時代を迎え、日本の家族と人々の人生の姿は多様化し、昭和の時代から一変。
    • 今後、男女共同参画を進めるに当たっては、このことを念頭において、誰ひとり取り残さない社会の実現を目指すとともに、幅広い分野で制度・政策を点検し、見直していく必要がある。
    • 将来、「離婚可能性あり」と回答した人は、男女ともに40代が高く、20%前後となっている。
    • 夫婦関係が破綻した原因を見ると、男女ともに「性格の不一致」が一番多く、6~7割となっている。
    • 女性の場合は「精神的な暴力」がこれに続き、29.8%となっている
    • シングルマザーの結婚、出産、離婚の年齢も多様になっている。
    • 「20代でなった人」は、平均すると21.9歳で最初の結婚をし、22.8歳で第一子を持ち、25.8歳で離婚、(再婚する場合は)30.7歳で再婚。
    • 一方、「40代でなった人」は、平均すると26.8歳で最初の結婚をし、29.1歳で第一子を持ち、43.3歳で離婚。
    • 結婚後の収入について、女性は、結婚前の望み(理想)は、「結婚前と同様の収入」「結婚前を上回る収入」の累計値が60~70%となっているのに対し、実際どうだったか(現実)では、約50%となっている。
    • 結婚当初、子供が生まれる前から、就業調整※をする意識は高くないが、「現実」としては、就業調整をしている女性が約1~2割いる。
    • 女性は全ての年齢層で3~4割が「相手の年収はもっと高い方が望ましい」としている一方で、男性は全ての年齢層で2~3割が「相手の年収はもっと低くても良い」と回答している。
    • 女性は全ての年齢層で約1割が「相手の年収との関係で、家事・育児等は出来れば自分がやらなければならない」と考えている。
  • コラム
    • 理想の結婚年齢を尋ねると、「女性26歳、男性28歳」、理想の第一子を持つ年齢を尋ねると、理想の結婚年齢の2年後の「女性28歳、男性30歳」と回答している。
    • 「この年齢までは働きたい」と思う理想の年齢を尋ねると、女性の平均は54歳、男性の平均は62歳。「配偶者にこの年齢までは働いて欲しい」と思う年齢は、本人が「この年齢までは働きたい」と思う年齢よりも、2年長い年齢となっている。
    • 昭和より前の時代の我が国の家族の姿は、また異なっていた。
    • 明治16(1883)年の離婚率は3.39(人口千対)と、令和2(2020)年の約2倍。
    • 明治36(1903)年の婚外子の割合は9.4%と、令和2(2020)年の4倍近く
    • 就職氷河期世代は他の世代と比較して、将来に対する不安を強く感じるなど、現在も様々な課題に直面。
    • 各種調査の結果から、事実婚を選択している人は、成人人口の約2~3%程度いるものと考えられる。

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内閣府 少子化社会対策白書
▼令和4年版 概要
  • 総人口は、2021年で1億2,550万人。年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~64歳)、65歳以上人口は、それぞれ1,478万人、7,450万人、3,621万人となっており、総人口に占める割合は、それぞれ11.8%、59.4%、28.9%。
  • 2020年の出生数は、84万835人となり、過去最少。※将来推計人口の出生中位推計(90万2,281人)と出生低位推計(80万467人)の間に位置。2020年の合計特殊出生率は、1.33となり、前年より0.03ポイント低下。
  • 諸外国(フランス、スウェーデン、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア)の合計特殊出生率の推移をみると、1970年から1980年頃にかけて、全体として低下傾向となったが、1990年頃からは、合計特殊出生率が回復する国もみられる。ただし、2010年頃からはそれらの国々の出生率も再び低下傾向にある。
  • アジアの国や地域について、シンガポール、台湾、香港、韓国の合計特殊出生率の推移をみると、1970年の時点では、いずれの国や地域も我が国の水準を上回っていたが、その後低下傾向となり、現在では人口置換水準を下回る水準。
  • 2020年の全国の合計特殊出生率は1.33であるが、都道府県別の状況をみると、これを下回るのは12県。合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県(1.83)、次は宮崎県(1.65)。最も低いのは東京都(1.12)、次は宮城県(1.20)。
  • 新型コロナウイルス感染症影響下における少子化の現状と対策
    • 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、婚姻件数及び妊娠届出数に2020年同様減少傾向がみられる。※2021年の婚姻件数(速報値)は51万4,242組(対前年比4.3%減)2020年は53万7,583組(対前年比12.7%減)※2021年1月-7月の累計妊娠届出数は50万7,075件(対前年比0.8%減)
    • 出生数は月別で見ると、2021年1月は対前年同月比14.6%減、2月は10.3%減と大きく減り、その後は前年とほぼ同水準、若しくは低い水準で推移しているが、中長期的な推移を注視していく必要がある。※2021年の出生数(速報値)は84万2,897組(対前年比3.4%減)2020年は87万2,683人(速報値)(対前年比2.9%減)
  • 生活環境が変化する中で、新型コロナウイルス感染症拡大前(2019年12月)と比べると、
    • 20,30歳代では、他の世代より、「生活の維持、年収」「仕事」「結婚、家族」の不安が増しているのに加え、20歳代では「人間関係、社会との交流」の、30歳代では「子どもの育児、教育」の不安がそれぞれ増している傾向がみられる。
    • 結婚への関心の高さについては、20歳代、30歳代ともに約6割が「変わらない」と回答している一方、30歳代より20歳代の未婚者の方が、結婚への関心が高まっている傾向がみられる。
    • 家事・育児時間について、男女ともに約20~40%が「増加した」と回答(増加したと回答した割合は、女性は男性の2倍近くに。)。一方、テレワークの普及などにより、子育て中の柔軟な働き方が可能となったり、家庭内の家事・育児分担を見直すきっかけとなっている状況もうかがえる
  • 新型コロナウイルス感染症を踏まえた少子化対策の主な取組
    1. 結婚
      • 結婚新生活支援事業の支援内容の充実、地方公共団体によるAI活用等マッチングシステムの高度化やアプリ・SNS活用による子育て支援情報の「見える化」等を重点的に支援(補助率のかさ上げ) 等
    2. 妊娠・出産
      • 妊産婦に対する電話やオンラインによる相談支援・保健指導等の実施、幼児健康診査の個別健康診査への切替えに対する支援等を実施。 等
    3. 子育て
      • 子育て世帯への臨時特別給付
      • 保育所等、幼稚園、地域子ども・子育て支援事業における感染拡大防止対策に係る支援 等
  • 新型コロナウイルス感染症影響下における結婚・妊娠・出産・子育て支援
    1. 結婚-登録から引合せまでオンライン完結の結婚支援
    2. 妊娠・出産-小児科医、産婦人科医不足の地域でのオンラインを活用した安心して子供を生み育てる環境整備
    3. 子育て-オンラインを活用した子育て世代への支援情報発信、地方移住支援、「学び」の保障

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内閣府 令和4年版高齢社会白書を公表しました
▼概要版
  • 高齢化率は28.9%
    • 我が国の総人口は、令和3年10月1日現在、1億2,550万人。
    • 65歳以上人口は、3,621万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.9%。
    • 「65歳~74歳人口」は1,754万人、総人口に占める割合は14.0%。「75歳以上人口」は1,867万人、総人口に占める割合は14.9%で、65歳~74歳人口を上回っている。
    • 令和47年には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上。
  • 就業率の推移
    • 就業率の推移を見ると、60~64歳、65~69歳、70~74歳、75歳以上では、10年前の平成23年の就業率と比較して、令和3年の就業率はそれぞれ14.4ポイント、14.1ポイント、9.8ポイント、2.1ポイント伸びている。
  • 健康寿命は延伸し、平均寿命と比較しても延びが大きい
    • 日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、令和元年時点で男性が72.68年、女性が75.38年となっており、それぞれ平成22年と比べて延びている(平成22年→令和元年:男性2.26年、女性1.76年)。さらに、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延び(平成22年→令和元年:男性1.86年、女性1.15年)を上回っている。
  • 75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は減少傾向
    • 75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は減少傾向にある。ただし、令和3年における運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は、75歳以上で5.7件、80歳以上で8.2件であり、前年と比較すると若干増加している。
  • 〈特集〉高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査(概要)
    • 生きがいを「十分感じている」が22.9%、「多少感じている」が49.4%となっており、合計すると72.3%となっている。
    • 82.8%が「会えば挨拶をする」、57.3%が「外でちょっと立ち話をする」と回答している。また、生きがいを「十分感じている」と回答した人の割合は、「趣味をともにする」と回答した人では33.2%、「お茶や食事を一緒にする」と回答した人では30.4%、「外でちょっと立ち話をする」と回答した人では26.2%と、いずれもこうした付き合いをしていない人に比べ、高くなっている。
    • 「普通に持っていると感じる」(39.1%)が最も高く、次いで、「少し持っていると感じる」(35.1%)となっており、「たくさん持っていると感じる」(5.3%)を合わせ、79.6%が親しい友人・仲間を持っていると回答している。また、親しくしている友人・仲間を、より多く持っていると回答した人ほど、生きがいを「十分感じている」と回答した人の割合は高くなっている。
    • 「よく外出する」が55.6%、「たまに外出する」が29.9%となっており、合計すると85.5%となっている。また、外出頻度が高い人ほど生きがいを「十分感じている」と回答した人の割合は高くなっている。
    • 「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」(23.7%)が最も高い。一方、「情報機器を使わない」と回答している人が17.0%となっており、中でも75歳以上の人は「情報機器を使わない」と回答した割合が高い。また、生きがいを「十分感じている」と回答した人の割合は、「情報機器を使わない」と回答した人では10.3%であるのに比べて、「パソコンの電子メールで家族・友人などと連絡をとる」「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」「SNS(Facebook、Twitter、LINE、Instagramなど)を利用する」と回答した人では3割を超えている。
    • 自営農林漁業、自営商工サービス業、会社または団体の役員、フルタイムの被雇用者、パートタイム・臨時の被雇用者を合わせて30.2%が、収入の伴う仕事をしていると回答している。また、収入の伴う仕事をしている人の方が、収入の伴う仕事をしていない人よりも、生きがいを「十分感じている」と回答した人の割合が高い。
    • 社会活動に参加した人は51.6%となっている。活動内容については、「健康・スポーツ(体操、歩こう会、ゲートボール等)」(27.7%)、「趣味(俳句、詩吟、陶芸等)」(14.8%)などとなっている。また、社会活動に参加した人の方が、参加していない人よりも、生きがいを「十分感じている」と回答した割合が高い。
    • 現在の健康状態について「良い」「まあ良い」と回答した人が31.2%となっている。また、健康状態が良い人の方が、良くない人よりも、生きがいを「十分感じている」と回答した割合が高い。
  • 今後も、一層の高齢化の進行が見込まれる中、高齢者が生きがいを持って満ち足りた人生を送るためには、身近な地域での居場所や役割、友人・仲間とのつながりを持つこと、デジタルデバイド解消に向けた支援等が重要となってくると考えられる。また、高齢者が、様々な就業や社会活動への参加の機会が得られるよう、環境整備を図るとともに、生涯にわたる健康づくりを推進していくことが重要である
    1. デジタルを活用し高齢者と地域のつながりを生み出している事例
      • 富山県朝日町は(株)博報堂と連携して、地域における高齢者の移動の課題を解決するため、住民の普段のマイカー移動の際に、自由に移動しづらい近所の高齢者を乗せる乗合サービス「ノッカル」の取組を令和3年10月から本格実施している。利用者向けの予約システム、ドライバー向け運行管理システムを活用し、高齢者の移動支援が行われるとともに、世代を超えた交流も生まれている。
    2. 高齢者雇用の推進の取組事例
      • (株)ノジマは社会に貢献する経営を目指し、高齢者の雇用機会の創出のため、平成25年4月に定年を60歳から65歳へ引き上げ、令和2年7月に定年後の再雇用年齢の年齢上限を80歳に引き上げた。再雇用された高齢者が同世代の客層の根強い支持を得るとともに、若い従業員の良き相談役となっている。
    3. 社会活動への参加促進の取組事例
      • 大阪市鶴見区において、定年退職後の高齢者の地域での居場所づくりや社会活動への参加が課題となっており、それを促すため、平成30年4月、野菜を栽培し地域のこども食堂等に無償で提供する「鶴見区シニアボランティアアグリ」が立ち上げられた。参加者は、収穫の達成感や地域貢献を通じた充実感を味わうとともに、子供からの感謝の声が高齢者のモチベーションとなっている。
    4. 誰もが健やかに暮らせる地域づくりの取組事例
      • 奈良県川上村では、誰もが健やかに暮らせる村づくりを目指して、平成29年4月より移動販売の機会に「コミュニティナース」が同行し、地域の診療所等と連携して早期診察や早期治療指導につなげる取組を開始している。健康体操を継続的に行うなどの取組により、低い介護保険料を実現した

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内閣府 令和4年版障害者白書
▼概要版
  • 「合理的配慮の提供等事例集」の作成・活用。2022年3月に「障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト」を設置
  • 地域の関係機関が連携し、差別事案への効果的な対応や紛争解決の後押しを行えるよう、自治体における地域協議会の設置等を促進
  • 内閣府の障害者政策委員会による「障害者差別解消法」の施行3年後の見直しに関する意見書等を踏まえ、事業者による合理的配慮の提供の義務化等を内容とする同法の改正法が2021年6月に公布。施行期日は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内
  • 学校教育において、障害や障害者に関する理解を促進する取組を充実させるため、学習指導要領に基づいた交流及び共同学習の一層の推進等を進める
  • 「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に基づく取組の推進
    • 「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を基に共生社会の実現に向けた諸施策を推進する中で、障害のある人の視点を施策に反映させる仕組みとして「ユニバーサルデザイン2020評価会議」を開催
  • 「心のバリアフリー」の拡大・向上
    • 公共交通事業者による一定水準の接遇を確保するための「公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン」に加えて、「認知症の人編」と新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた「追補版」を作成。小学校で2020年度から中学校で2021年度から新学習指導要領を踏まえた授業を全面実施
  • ユニバーサルデザインの街づくり
    • 2021年度からの5年間を目標期間とする新しいバリアフリー整備目標を策定。地方部を含めたハード・ソフト両面でのバリアフリー化をより一層推進
  • 「共生社会ホストタウン」の取組
    • 全国各地における共生社会の実現に向けた取組を加速し、東京パラリンピック競技大会のレガシーにもつなげていく「共生社会ホストタウン」の取組を推進
  • 拡大教科書など、障害のある児童生徒が使用する教科用特定図書等の普及を図ることに加えて、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習上の困難の低減に資する学習者用デジタル教科書を、特別支援学校及び特別支援学級を含む全国約4割の小中学校等に、1教科分提供する事業等を実施
  • 障害のある子供の就学先決定や学びの場の充実に関する「障害のある子供の教育支援の手引」を改訂・周知、特別支援学校設置基準の策定、特別支援教育を担う教師の専門性向上に関する取組等を実施
  • 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関し、基本理念を定め、保育及び教育の拡充に係る施策その他必要な施策並びに医療的ケア児支援センターの指定等について定めた「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行
  • 障害のある人の就労支援の充実と活性化を図るため、雇用・福祉・教育・医療の一層の連携強化を図り、ハローワークを中心とした関係機関とのチーム支援や、一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進、障害者就業・生活支援センター事業、トライアル雇用などを実施
  • 民間企業(43.5人以上規模の企業:法定雇用率2.3%)に雇用されている障害者の数(2021年6月1日現在、以下同じ)は597,786.0人で、前年同日より19,494.0人増加(前年同日578,292.0人)し、18年連続で過去最高国の機関(法定雇用率2.6%)に在職している障害者の割合、勤務している障害者数はそれぞれ2.83%、9,605.0人で、全ての機関において法定雇用達成
  • 個々の中小事業主における障害者雇用の進展に対する社会的な関心を喚起し、障害者雇用に対する経営者の理解を促進するための制度。2021年12月末時点、全国で117事業主が認定
  • 障害のある人の就労支援の充実と活性化を図るため、雇用・福祉・教育・医療の一層の連携強化を図り、ハローワークを中心とした関係機関とのチーム支援や、一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進、障害者就業・生活支援センター事業、トライアル雇用などを実施
  • 障害福祉サービスの計画的な基盤整備
    • 地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の構築、障害福祉人材の確保、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、障害児支援の提供体制の整備
  • 在宅サービスの充実
    • 利用者の実態に応じた支援を行う観点から、利用者像やサービスの提供形態に応じ、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護及び重度障害者等包括支援を実施
  • 発達障害者支援の推進
    • 地域支援の中核である発達障害者支援センター等に発達障害者地域支援マネージャーを配置、ペアレントメンターの養成や活動の支援、青年期の発達障害者等の居場所作り等の支援などの実施
  • スポーツの振興
    • パラアスリート等の学校での講演やパラ競技体験、東京2020パラリンピック競技大会に出場したパラリンピアンと児童生徒の交流、県民パラスポーツ大会や学校区、企業対抗等の様々なレベルでのパラスポーツの体験会・交流会の実施
  • 文化芸術活動の推進
    • 鑑賞の機会の拡大や、作品等の創造への支援強化、地域での作品等の発表の機会の確保等、障害者の文化芸術活動の充実に向けた各種取組を実施。地方公共団体における文化芸術活動の推進に関する計画策定及び取組の推進を支援
  • 障害のある人に対する適切な保健・医療サービスの充実
    • 身体障害の状態を軽減するための医療及び精神疾患に対する継続的な治療を自立支援医療と位置づけ、その医療費の自己負担の一部又は全部を公費負担、2022年度の診療報酬改定において、入院医療における栄養管理に係る適切な評価及び精神疾患患者の地域定着の推進のための見直しを実施
  • 改正「バリアフリー法」の全面施行
    • 2021年4月に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の一部を改正する法律」が全面施行。公共交通事業者等に対するソフト基準適合義務の創設、優先席・車椅子使用者用駐車施設等の適正な利用や市町村等による「心のバリアフリー」を推進
  • 小規模店舗のバリアフリー化
    • 建築物のバリアフリー化のガイドラインである「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」を改正。小規模店舗内部における入口の段差解消、可動式の椅子席の設置等のバリアフリー整備を進めるための考え方を追加したほか、備品による移動支援や接遇、従業員教育等のソフト面の工夫を充実
  • 全国の鉄道駅におけるバリアフリー化の加速
    • 「第2次交通政策基本計画」が閣議決定、これを踏まえ、鉄道駅のバリアフリー化を進める枠組みとして新たな料金制度を創設、市町村が作成するバリアフリー基本構想に位置付けられた鉄道駅の施設整備に係る補助率を拡充することを令和4年度予算に盛込み
  • 「災害対策基本法」の一部改正
    • 2021年5月に、個別避難計画の作成を市町村長の努力義務とすること等を盛り込んだ「災害対策基本法」の一部改正。これを踏まえ「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」に個別避難計画の作成・活用に係る具体的手順等を追加。また、福祉避難所への直接の避難が促進されるよう「災害対策基本法施行規則」等を改正
  • 情報アクセシビリティの向上
    • 「デジタル活用共生社会」の実現を目指すべきであるとしたデジタル活用共生社会実現会議の報告に基づき、各企業等が自社のICT機器・サービスについてアクセシビリティ確保を自己診断する取組等を推進
  • 手話や点訳等によるコミュニケーション支援
    • 2020年に施行した「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」に基づき、「手話」や「文字」と「音声」とをオペレーターが通訳することにより、聴覚や発話に障害のある人とそれ以外の人を電話で双方向につなぐ公共インフラとしての「電話リレーサービス」が2021年7月から開始
  • 日本のインクルーシブ防災の取組を世界に
    • JICA(独立行政法人国際協力機構)が、エクアドルへの技術協力を実施。日本のインクルーシブ防災の実践例を共有し、計画策定や合意形成に至るステップを学ぶ研修を行うことで、エクアドルにおけるインクルーシブ防災のモデルの検討や、研修後のアクションプランの作成を支援

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内閣府 令和4年版交通安全白書を公表しました。
▼概要版
  • 小学校の通学路を対象に合同点検を実施し,令和3年12月末時点で,全国で7万6,404か所の対策必要箇所を抽出した。
  • 小学生の死者重傷者数(平成29年~令和3年の合計)を,交通事故に遭った時の状態で見たところ,「歩行中」が半数以上を占めている。「歩行中」について,道路を通行する目的で見たところ,登下校中が約3分1を占めている。
  • 歩行中に交通事故に遭った死者重傷者(平成29年~令和3年)が,法令に違反しているか,違反しているのであればどのような違反なのかを見たところ,全ての年齢層では違反なしが約6割,小学生では違反なしが約4割。小学生の法令違反は飛出しが最多であった
  • 関係者が協働して対策を検討した事例(鹿児島県鹿児島市)
    • 鹿児島市真砂本町地区では,幹線道路の渋滞を避けるため,自動車等の車両が通学路に流入しており,児童と車両が当事者となる交通事故が発生する危険性があるなど課題があった。
    • このため,学校,警察,道路管理者等による通学路合同点検及び地域住民等との対策内容の検討を経て,可搬型ハンプを用いた実証実験を行った。
    • その後,実証実験により確認された速度抑制効果等について地域住民に説明し,ハンプ設置について意向を確認するなど,地域全体で通学路の交通安全対策について検討を行った。
    • これらの検討を踏まえ,ゾーン30の整備に併せてハンプ(スムーズ横断歩道)を設置したところ,通過交通の速度抑制に効果をあげている。
  • 「可搬式速度違反自動取締装置」の更なる整備の推進及び効果的な速度違反取締り 令和3年度末において46都道府県警察に117式が整備された。
  • スクールガード・リーダー等による見守り活動の充実を図ることや,スクールガード等のボランティアの養成・資質向上を促進することにより、警察や保護者,PTA等との連携の下で見守り体制の一層の強化を図っている。
  • 安全運転管理者の未選任事業所の一掃等,飲酒運転の根絶に向けた使用者対策の強化
    • 自動車を一定数以上保有する使用者は、道路交通法の規定により、安全運転管理者の選任が義務付けられている。安全運転管理者は,その管理下の運転者に対して,点呼等により運転者が飲酒状態でないかを確認することや,運転者に対する教育指導など,安全運転に必要な業務の実施が求められている。
      1. 安全運転管理者の未選任事業所の一掃
        • 安全運転管理者の選任義務を始めとした自動車の使用者の義務を周知
        • 自動車保管場所証明情報の活用により未選任事業所を把握
        • 安全運転管理者の選任状況を全ての都道府県警察のウェブサイト上で公開
      2. 飲酒運転の根絶に向けた使用者対策の強化
        • 道路交通法施行規則(昭35総理府令60)を改正し,安全運転管理者の業務として,運転者の運転前後におけるアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認等を義務化
        • 飲酒運転による死亡事故件数・重傷事故件共に減少傾向。しかし,依然としてこのような悪質・危険な運転による重大な交通事故は後を絶たず,令和3年中の飲酒運転による死亡事故は152件,重傷事故は288件発生している。
  • 昭和45年に交通事故死者数は,史上最悪の1万6,765人を記録。昭和54年には交通事故死者数は,8,466人まで減少。
  • その後増勢に転じるが,平成4年を境に再び減少に転じる。平成16年に交通事故発生件数は,95万2,720件,負傷者数は,118万3,617人とそれぞれ史上最悪を記録。令和3年中の交通事故死者数は,2,636人となり,現行の交通事故統計となった昭和23年以降で最少となった前年を更に下回った。令和3年中の重傷者数は2万7,204人であり,平成12年以降減少傾向である。交通事故発生件数,負傷者数は17年連続の減少。
  • 第11次交通安全基本計画(令和3年度~令和7年度)の目標値
    • 令和7年までに,年間の24時間死者数を2,000人以下にする。
    • 令和7年までに,年間の重傷者数を2万2,000人以下にする。
  • 高齢者の人口10万人当たりの交通事故死者数は引き続き減少しているものの,交通事故死者数のうち高齢者は1,520人であり,その占める割合は57.7%と依然として高い
  • 令和3年中の交通死亡事故発生件数を事故類型別にみると,正面衝突等(791件,構成率30.6%)が最も多く,次いで歩行者横断中(612件,構成率23.7%),出会い頭衝突(332件,構成率12.9%)の順で多くなっており,この3類型を合わせると全体の67.2%を占めている。
  • 状態別交通事故死者数は,歩行中(941人,構成率35.7%)が最も多く,次いで自動車乗車中(860人,構成率32.6%)が多くなっており,両者を合わせると全体の68.3%を占めている。
  • 歩行中死者数(人口10万人当たり)については,高齢者で多く,特に80歳以上(3.42人)では全年齢層(0.75人)の約5倍の水準となっている。
  • 生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備
    • 生活道路については,最高速度30キロメートル毎時の区域規制とハンプや狭さく等の物理的デバイスとの適切な組合せにより交通の安全の向上を図ろうとする区域を「ゾーン30プラス」として設定し,人優先の安全・安心な通行空間の整備の更なる推進を図っている。また,これまでのゾーン30(令和3年度末までに4,186か所)の整備を含め,低速度規制を実施した。令和元年度末までに全国で整備したゾーン30(3,864か所)において,整備前年度の1年間と整備翌年度の1年間における死亡・重傷事故発生件数を比較したところ,全交通事故件数及び対歩行者・自転車事故件数はいずれも減少(それぞれ29.4%減,26.5%減)するなど,交通事故抑止及びゾーン内における自動車の通過速度の抑制に効果があることが確認された。
  • 段階的かつ体系的な交通安全教育の推進
    • 交通安全教育指針(平10国家公安委員会告示15)等を活用し,幼児から成人に至るまで,心身の発達段階やライフステージに応じた段階的かつ体系的な交通安全教育を実施した。特に,高齢化が進展する中で,高齢者(65歳以上)自身の交通安全意識の向上を図るとともに,他の世代に対しても高齢者の特性を知り,その上で高齢者を保護し,また,高齢者に配慮する意識を高めるための啓発指導を強化した。さらに,自転車を使用することが多い小学生,中学生及び高校生に対しては,交通社会の一員であることを考慮し,自転車利用に関する道路交通の基礎知識,交通安全意識及び交通マナーに係る教育の充実に努めた。
  • 高齢運転者対策の充実
    • 運転免許証の更新期間が満了する日における年齢が70歳以上の高齢者には,更新期間が満了する日前6月以内に高齢者講習を受講することが義務付けられている。令和3年中の高齢者講習の受講者は337万6,680人であった。
    • また、運転免許証の更新期間が満了する日における年齢が75歳以上の者については,運転免許証の更新期間が満了する日前6月以内に認知機能検査を受けなければならないこととされているが,検査の結果認知症のおそれがある又は認知機能が低下しているおそれがあると判定された者に対する高齢者講習は,ドライブレコーダー等で録画された受講者の運転状況の映像を用いた個人指導を含む3時間の講習とされており,このほかの者に対する高齢者講習は2時間の講習とされている。令和3年中の認知機能検査の受検者は208万6,706人であった。
    • 加えて、これらの認知機能検査や高齢者講習の受検・受講までの待ち期間の改善が課題となっている地域があることを踏まえ,これまで多くが自動車教習所に委託されてきた認知機能検査及び高齢者講習の警察による直接実施や運用の弾力化,相談対応の強化等,その適切かつ円滑な実施を確保するための取組を推進している。
  • 先進安全自動車(ASV)の開発・普及の促進
    • 先進技術を搭載した自動車の開発と普及を促進し,交通事故削減を目指す「先進安全自動車(ASV)推進プロジェクト」では,第7期ASV推進検討会を立ち上げ,令和3年度から令和7年度までの5年間で,既存のASV技術の正しい理解・利用のための効果的な普及戦略の検討,運転者が明らかに誤った操作を行った場合等であってもシステムが安全操作を行う安全技術のあり方の検討,通信や地図を活用した協調型の安全技術の実用化と普及に向けた共通仕様の検討,自動運転車においてシステムが負うべき責任の範囲の整理についての検討等に取り組むことを決定した。
  • 鉄道交通における運転事故は,長期的には減少傾向にあり,平成13年に908件であったものが,23年には850件,令和3年には534件で,前年比3.1%増であった。運転事故による死者数は259人で前年比5.7%増であり,乗客の死者数はゼロであった。
  • 踏切事故は,踏切保安設備の整備等により,長期的には減少傾向にあるものの,令和3年は225件で前年比30.1%増であり,踏切事故による死者数は94人で前年比23.7%増であった。
  • 令和3年の人身障害事故は266件で前年比14.2%減,死者数は165人で前年比1.8%減,このうちホームから転落して又はホーム上で列車と接触して死傷する事故(ホーム事故)は69件で前年比47件(40.5%)減であり,ホーム事故による死者数は15人で前年比4人(21.1%)減であった。
  • 気象情報等の充実
    • 鉄道交通に影響を及ぼす自然現象について,的確な実況監視を行い,適時・適切に予報・警報等を発表・伝達して,事故の防止及び被害の軽減に努めるとともに,これらの情報の内容の充実と効果的利用を図るため,気象監視体制の整備等の施策を講じた。また,地震発生時に走行中の列車を減速・緊急停止等させることにより列車転覆等の被害の防止に活用されるよう,鉄道事業者等に対し,緊急地震速報の提供を行っている。
  • 大規模な事故等が発生した場合の適切な対応
    • 国及び鉄道事業者における,夜間・休日の緊急連絡体制を点検・確認し,大規模な事故又は災害が発生した際に,迅速かつ的確な情報の収集・連絡を行った。
    • また,大都市圏,幹線交通における輸送障害等の社会的影響を軽減するため,鉄道事業者に対し,利用者への適切な情報提供を行うとともに,迅速な復旧に必要な体制を整備するよう指導した。
    • 鉄道の津波対策については,南海トラフ巨大地震等による最大クラスの津波からの避難の基本的な考え方(素早い避難が最も有効かつ重要な対策であること等)を踏まえた津波発生時における鉄道旅客の安全確保への対応方針と具体例等を取りまとめており,鉄道事業者における取組を推進している。
  • 我が国の周辺海域において,交通安全基本計画の対象となる船舶事故隻数の推移をみると,第9次交通安全基本計画期間(平成23~27年度)の年平均では2,256隻であったものが,令和3年では1,932隻となっており,約1割減少した。船舶事故による死者・行方不明者の数は,第9次交通安全基本計画期間の年平均で91人であったものが,令和3年では63人となっており,約3割の減少となった。また,令和3年における,ふくそう海域における大規模海難の発生件数はゼロであった。
  • 令和3年中の海難等及び海難救助の状況
    • 令和3年の船舶事故による死者・行方不明者数は,プレジャーボートによるものが最多であり,全体の49%を占めた。また,船舶からの海中転落による死者・行方不明者数は漁船が最多であり,全体の47%を占めた。
    • 令和3年の小型船舶の事故隻数は1,527隻であり,前年より23隻減少した。これに伴う死者・行方不明者数は46人であり,前年より5人増加した。
    • 第11次交通安全基本計画では,海難における死者・行方不明者を減少させるために救助率※を95%とする目標が定められており,海上保安庁において,救助・救急体制の充実強化,民間救助組織等との連携・協力に努めた結果,令和3年の救助率は95%であった。
    • 令和3年は,海難船舶の乗船者7,665人の中で自力救助の4,741人を除いた2,924人のうち2,874人が救助され,自力救助を除く海難船舶の乗船者に対する救助された人数の割合は98%であった。
    • 令和3年は,プレジャーボート等の海難船舶の乗船者2,607人の中で自力救助の844人を除いた1,763人のうち1,734人が救助され,自力救助を除くプレジャーボート等の海難船舶の乗船者に対する救助された人数の割合は98%であった。
  • プレジャーボートの安全対策
    • 国土交通省では,海難防止講習会や訪船指導等あらゆる機会を通じて,リーフレットを活用した定期的な点検整備の実施を呼び掛けた。このほか,海上保安庁では,海上交通ルールの遵守,インターネットや携帯電話等による気象・海象や航行警報等の安全情報の早期入手等についても,パンフレット等を活用して広く啓発を行った。
    • 国土交通省では,小型船舶の検査を実施している日本小型船舶検査機構と連携して,適切な間隔で船舶検査を受検するよう,関係者に周知を図った。
    • また,遵守事項に係るパトロール活動及び周知啓発活動において,遵守事項違反の取締り,リーフレットを配布する等関係機関と連携を図りながら実施した。
    • 警察では,港内その他の船舶交通のふくそうする水域,遊泳客の多い海水浴場,水上レジャースポーツが盛んな水域等に重点を置いて,警察用船舶,警察用航空機等によるパトロールのほか,関係機関・団体との連携により,水上レジャースポーツ関係者に対する安全指導等を通じて,水上交通安全の確保を図った
  • 我が国における航空事故の発生件数は,令和3年は11件,これに伴う死亡者数は3人,負傷者数は10人である。近年は,大型飛行機による航空事故は,乱気流等気象に起因するものを中心に年数件程度にとどまり,小型飛行機等が事故の大半を占めている
  • 運輸安全マネジメント評価の実施
    • 令和3年度においては,令和2年7月に策定,公表した,「運輸防災マネジメント指針」を活用し,運輸安全マネジメント評価の中で防災マネジメントに関する評価を実施した。
  • 飲酒に関する対策の強化
    • 平成30年10月末以降,航空従事者の飲酒に係る不適切事案が相次いで発生したことを踏まえ,31年1月から令和元年7月にかけて厳格な飲酒基準を策定した。3年度においては,前年度に引き続きこうした基準が適切に遵守されるよう,監査等を通じて指導・監督を実施するとともに,操縦士の日常の健康管理(アルコール摂取に関する適切な教育を含む。)の充実や身体検査の適正な運用に資する知識(航空業務に影響を及ぼす疾患や医薬品に関する知識を含む。)の普及啓蒙が図られるよう、航空会社の健康管理担当者に対する講習会等を通じて指導を実施した。また、客室乗務員による飲酒検査の不正事案が発生したことを踏まえ,国内航空会社に対し,飲酒検査体制の強化,アルコール教育の適切な実施(効果測定含む。)及び組織的な飲酒傾向の把握等が図られるよう,指導・監督を実施した。

~NEW~
内閣府 国家戦略特区 第54回 国家戦略特別区域諮問会議
▼資料3 国家戦略特区において取り組む規制改革事項等(案)
  1. スーパーシティ構想等の推進
    • デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、データの連携や先端的サービスの実施を通じて地域課題の解決を図るため、スーパーシティ型国家戦略特区とデジタル田園健康特区について、2022年夏頃を目途に指定区域ごとに区域会議を立ち上げる。
    • 2022年3月の国家戦略特区諮問会議における議論を踏まえ、今後の規制改革の実現に当たっては、以下の方針で取り組む。
      1. 規制所管省庁とおおむね合意している項目について、早期に具体化する。
      2. 規制所管省庁と合意できていない項目について、国家戦略特区ワーキンググループ等を活用し規制所管省庁との調整を加速する。
      3. 新たな規制改革事項について、地方公共団体と連携し検討を推進する。
  2. 新たに講ずべき具体的な施策
    • 国家戦略特区では、これまでの取組に加えて、人への投資、地方活性化、多様性と包摂性、スタートアップ、デジタル田園都市国家構想、生産性向上など、地域課題の解決に資する規制改革に重点を置く。
      1. 更なる規制改革事項
        1. 企業の農地取得特例
          • 養父市において活用されている法人農地取得事業については、政府として現在実施している当該事業に関する特例制度のニーズと問題点の調査結果に基づき全国への適用拡大について調整し、2022年度中に結論を得て、必要な法案を提出する。
        2. 農地の適切な利用を促進するための施策
          • 2022年に成立した改正農業経営基盤強化促進法等の実施状況をフォローし、2025年度の本格施行に向け、農地の適切な利用を促進するために必要な施策を講ずる。また、農業者の成長段階に応じた資金調達の円滑化については、2022年6月の規制改革実施計画※を踏まえ検討する。
            ※農業者の成長段階に応じた資金調達の円滑化:
            農林水産省は、地域に根差した農地所有適格法人が、地元の信頼を得ながら実績をあげ、さらに農業の成長産業化に取り組もうとする場合、農業関係者による農地等に係る決定権の確保や農村現場の懸念払拭措置を講じた上で、出資による資金調達を柔軟に行えるようにする。特に、意欲的な若者による農業ベンチャー等の更なる成長や、事業の拡大を企図する農業者が自ら望む場合に、資金調達手段を柔軟に選択可能とするため、令和3年6月の閣議決定を踏まえ、食料安全保障を念頭に現場の様々な懸念を払拭する措置等を引き続き検討する。(引き続き検討を進め、結論を得次第速やかに措置)
        3. 土地利用の最適化を促進するための施策
          • 我が国の国際的な拠点である成田空港の機能強化に向けて必要な物流施設の投資促進等のため、空港周辺の農用地区域内に施設を迅速に計画・整備しようとする事業者が農振除外・農地転用の見通しを高められるよう必要な措置を2022年度内に検討し、所要の措置を講ずる。
        4. 外国人エンジニアの就労円滑化によるイノベーションの促進
          • 外国人エンジニアの就労促進を図るため、地方公共団体による受入企業の認定等を要件として在留資格認定証明書交付申請の審査期間を短縮することについて、2022年度早期に結論を得て、所要の措置を講ずる。
        5. 無医地区における巡回診療に係る負担軽減
          • 無医地区における移動診療施設以外の施設を利用して行われる巡回診療について、受診機会の確保に取り組もうとする医師負担軽減のために反復継続要件の緩和が求められている状況を踏まえ、医療法上の手続に係る負担軽減策を検討し、2022年度中できるだけ早期に結論を得て、所要の措置を講ずる。
        6. 看護系人材の活用による待機児童解消の促進
          • 0歳児が4人以上在籍する保育所及び認定こども園において看護師等を1人に限り保育士とみなすことができる措置に関して、保育士と看護師等が相互にフォローする体制を確保しつつ同一の場所で合同で保育に当たること、看護師等が乳児保育に関する知識経験を有する者であること等を要件として、0歳児の在籍人数を問わないような措置とすることについて、2022年度中できるだけ早期に所要の措置を講ずる。
        7. 柔軟な働き方を促進するための施策
          • 年5日以内とされている時間単位年次有給休暇について、労働者アンケート調査におけるニーズや利用実態等を踏まえ、柔軟な働き方を促進するために必要な措置を検討し、2022年度中に結論を得る。
        8. ドローンを含む無人航空機の製造等に係る規制の合理化
          • ドローンを含む無人航空機の製造等を規制する制度に関して、事業許可が必要となる機体総重量の閾値の適切な水準を含め、円滑な事業活動を推進する観点からの制度の改善について、活用ニーズや技術進展の状況等も踏まえ、検討を行い、2022年度中に結論を得て、所要の措置を講ずる。
      2. 国家戦略特区における規制の特例措置の全国展開
        • 国家戦略特区における規制の特例措置について、国家戦略特別区域基本方針(平成26年2月25日閣議決定、令和4年4月1日一部変更)を踏まえ、下記の項目について、2022年度中に全国展開の実施又は検討を行うとともに、それ以外の項目について可能なものから順次検討する。
          1. 高度人材ポイント制に係る特別加算の項目新設
            • 高度外国人材の受入れを積極的に推進するため、出入国在留管理上の優遇措置を講ずる高度人材ポイント制において、地方公共団体が支援する企業等に就労する外国人に対して特別加算を行う特例措置の全国展開について、2022年度内に所要の措置を講ずる。
          2. 農家民宿等の宿泊事業者による旅行商品の企画・提供の解禁
            • 地域限定旅行業務取扱管理者試験の試験科目の一部免除を観光庁長官が実施する研修を修了した者に認める特例措置について、2022年度中に見直すとともに、2023年度に全国展開するため、関係業界への周知等を行う。
          3. 「地域限定保育士」の創設及び多様な主体による地域限定保育士試験の実施
            • 登録日から3年間は事業実施区域内でのみ有効となる地域限定保育士の資格を付与する特例措置及び株式会社を含む多様な法人を地域限定保育士試験の指定試験機関として活用可能とする特例措置の全国展開について、今後の児童福祉法改正に向けて、2022年度中に検討を行った上で中間的な議論の整理を行う。
          4. 障害者雇用に係る雇用率算定の特例
            • 障害者雇用率の通算が可能な組合として有限責任事業組合(LLP)を追加する特例措置の全国展開について、2022年6月頃に取りまとめられる労働政策審議会の意見書を踏まえ、速やかに所要の措置を講ずる

~NEW~
内閣府 第7回 デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ
▼【参考資料】 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書概要
  • 自主規制の意義と限界
    • 意義:業界の実情に即した柔軟なルール策定、事業活動の適正化・業界への信頼性向上、消費者利益の保護、予見可能性の向上、規制コストの低下等。
    • 限界:十分な内容を定めることができない可能性、エンフォースメントの手段が不十分、事業者団体が未形成・形成途上の分野の存在等。
      • 公正な市場を実現するためには、自主規制と行政規制による適切な役割分担・連携が必要。特に、悪質事業者に対しては行政が積極的な役割を果たすことが必要。
  • 実効性の高い自主規制の整備・運用のための要件等の考察
    1. 一定の公的規範の存在
      • 法令やガイドライン等の公的規範の存在とその内容は、自主規制の形成とその内容に影響。
      • 自主規制は、行政規制の具体化、横出し・上乗せ等により、行政規制を補完・補強
    2. 事業者団体の存在
      • 組織率や遵法意識の高い事業者団体が、自主規制の策定、モニタリング、エンフォースメント、紛争解決機能等において重要な役割。
    3. 透明性確保
      • 整備段階:消費者代表等の第三者の意見の反映、パブコメの実施等。
      • 運用段階:取組状況、会員に対する処分結果の公表等。
    4. 事業者へのインセンティブの付与
      • 監督官庁:行政規制により必要な規律について一定の枠組みを提示し、詳細については自主規制に委任することにより、事業者・事業者団体による自主的な取組を促進。
      • 事業者団体:団体に所属することによる遵法意識の向上、事業者間の相互チェックによる規律付けの強化。
      • 消費者等:消費者等の市場のステイクホルダーが自主的な取組を積極的に評価することにより、事業者・事業者団体による更なる取組を促進。
  • 自主規制の整備が求められる新しい取引分野(WGで検討したもの)
    1. アフィリエイト広告
      • アフィリエイト広告は効率的な広告配信や需要喚起への効果も期待される一方、悪質なお試し商法等の消費者トラブルにも関連。
      • 事業者団体により悪質事業者の排除のための取組がなされているが、虚偽・誇大広告の基準の策定等も重要。
      • 自主規制の実効性 確保の観点からは、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)がアフィリエイターの管理等により適正な広告表示を促進する役割を果たすことが強く期待される。
    2. 後払い決済サービス
      • 後払い決済サービスが悪質なお試し商法等の消費者トラブルにも関連。
      • 事業者において自主的な取組を進めている様子が見受けられたが、事業者によって対応の差が生じる可能性。
      • 加盟店審査等、業界の統一ルールの策定が必要と考えられる。
    3. ターゲティング広告
      • データの取得・利用について消費者に懸念等を生じさせていることから、データの取扱いについて事業者の適切な配慮が求められる。
      • 行政規制、事業者団体及び個別の事業者による取組(情報の開示等)が進められているが、より消費者の視点を踏まえた対応が必要(開示される情報等が消費者に理解しやすいものになっているか、オプトアウトの設定方法が消費者に利用しやすいものになっているか等)。
      • 消費者が事業者の取組を評価し、選択できるよう、積極的な情報開示を促すことが必要。
    4. CtoC取引
      • デジタルプラットフォームを利用して行われるCtoC取引。
      • 偽造品・違法品の排除、苦情対応等は事業者ごとの取組に委ねられており、対応の差が生じる可能性があるため、業界の統一ルールが策定がされることが望ましい。
      • 消費者が事業者の取組を評価し、選択できるよう、積極的な情報開示を促すことが必要。
    5. 新しい取引分野の特徴
      • 行政規制の不存在
      • 参考となる隣接分野の不存在
      • 個別事業者による対応の限界
      • 市場の選択圧力の弱
  • 望ましい自主規制の整備・運用の在り方
    • 自主規定の整備が進んでいる分野へのヒアリング結果等を踏まえ、行政規制が存在しない新しい取引分野において自主規制を実効的に整備・運用するための指針を提示。
    • 「共同規制」の考え方を踏まえ、各分野の実情に応じ、行政と事業者・事業者団体等が柔軟かつ適切に役割分担・連携することが重要。
      1. 自主規制の整備段階
        • 規範の提示
          • まずは、行政が行為規範の大枠を示すことが重要(法令に限らず、ガイドライン等でも可)。
        • 事業者団体等の創設・支援
          • 行政が事業者団体の創設を促進・支援。
          • 認証やモニタリングを行う第三者機関の設立を支援することも考えられる。
        • マルチステイクホルダープロセス・策定手続の透明性
          • 様々な利害関係者の意見を取り入れることにより、内容の適正性や消費者からの信頼性を担保(民間協議会や官民協議会の枠組みの整備・活用も)。
          • 策定手続の情報開示により、透明性を確保することも重要。
      2. 自主規制の運用段階
        • 実効性確保
          • 遵守状況のモニタリング、違反に対する制裁措置(事業者名の公表等)。
        • 消費者等からの評価
          • 消費者等から評価を受ける前提として、自主的取組の情報開示、消費者・消費者団体等との積極的なコミュニケーションが必要。
          • 評価を促進する方法として、表彰・認証制度を活用することも考えられる。
        • 紛争解決機能
          • ルールの実効性確保、消費者からの信頼向上のために整備。
          • 手続の公平性・透明性等を確保することが必要。
        • 制度全体のモニタリング
          • 運用状況の継続的なモニタリング通じて、制度を定期的に見直し。
        • 運用の透明性
          • 自主的な取組の状況等については積極的に情報開示、外部からの透明性を向上

~NEW~
国民生活センター 被災地域は特に注意!災害後の住宅修理トラブル
  • 近年、台風や大雨・大雪、地震などによる自然災害が毎年のように全国各地で発生しています。
  • 自然災害が発生した場合、それに便乗した悪質商法など、自然災害に関連した消費者トラブルが多く発生する傾向があり、特に被災地域では、多くの相談が寄せられています。また、災害直後でなくとも過去の災害を持ち出したり、将来の不安をあおったりして勧誘され、トラブルになるケースも見られます。
  • そこで、災害に関連した消費者トラブルとして、特に多く寄せられる住宅の修理トラブルについてまとめました。事前に知っておいて、こうした消費者トラブルにあわないように注意してください。
  • 相談事例
    1. 住宅修理の強引な勧誘
      • 【事例1】「すぐに直さなければ雨漏りする」と2時間以上、執拗に工事を勧めてきた
    2. 不安をあおられて結ぶ高額な契約
      • 【事例2】「今直さないと大変なことになる」と不安をあおられて屋根修理工事を契約した
      • 【事例3】外壁修理工事を契約した事業者から「今度大きな地震が来ると倒壊する可能性がある」と不安をあおられて解体工事を契約したが、見積金額より高い工事費になった
    3. 住宅の杜撰な修理工事
      • 【事例4】塗装工事の内容が杜撰でやり直しが必要なうえ、工事完了も大幅に遅れている
    4. 公的機関からの委託を受けたと称し、点検に来る
      • 【事例5】県の防災部署から委託されていると電話があり、県に確認すると無関係だった
    5. 保険金が使えると勧誘する住宅修理サービス
      • 【事例6】先月の雪害により雨どいが壊れていると言われ、保険金の申請サポート契約をした
      • 【事例7】台風で壊れたのであれば自己負担なく修理できると訪問を受けた
  • アドバイス
    • 契約を迫られても、その場では契約せず、複数の事業者で比較検討してください
    • 不安をあおる勧誘を受けた場合は、業者の話だけを信じずに特に注意しましょう
    • 契約する際には、工期や費用を十分確認しましょう
    • 「保険を使って自己負担なく修理できる」「申請サポートをする」と勧誘されたら要注意!
    • 請求期限が迫っている等の勧誘をうのみにせず、安易に契約しないようにしましょう
    • 訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合、クーリング・オフができます

~NEW~
国民生活センター 「消費者トラブルメール箱」2021年度のまとめ
  • 消費者被害の実態を速やかに把握し、同様な消費者被害の発生の防止に役立てるため、インターネットを利用した情報収集コーナーとして、2002年4月から「消費者トラブルメール箱(以下:トラブルメール箱)」を国民生活センターのホームページ上に開設しています。今回は、2021年度に寄せられた情報の傾向等について報告します。
  • 情報の傾向
    • 「トラブルメール箱」に2021年度に寄せられた情報の主な内容は、以下のとおりです。
      • インターネット通販に関するトラブル
      • スマートフォン、光回線などの通信サービスに関するトラブル
      • 架空請求・不当請求関連のトラブル
      • 個人間取引に関するトラブル
      • その他のトラブル(オンラインゲームに関するトラブル、会費請求に関するトラブル、賃貸住宅の退去の際のトラブル等)
    • 消費者庁への情報提供
      • 重大事故(死亡・治療期間30日以上等)、および重大な事故につながる可能性が考えられる、いわゆる「ヒヤリハット」に類する情報について、消費者安全法に基づいて、速やかに消費者庁(消費者安全課)へ通知および情報提供を行っています。2021年度は重大事故6件、ヒヤリハット43件について、消費者庁へ通知および情報提供を行いました。
  • 参考
    1. 受信件数
      • 受信件数は、2021年度は11,682件でした。1日当たりの平均受信件数は約32件でした。
    2. アクセス(閲覧)件数
      • トップページへのアクセス件数は、11万9,664件でした。また、「トラブルメール箱」によく寄せられる情報をまとめた身近な消費者トラブルQ&A(FAQ)のトップページへのアクセス件数は69万2,312件でした。
    3. FAQの件数
    4. 送信者について
      • 性別:男性59.8%、女性40.2%と、男性が約6割を占めています。
      • 年代別:30歳代から50歳代で約7割を占めています。
      • 職業別:給与生活者と自営・自由業の割合が高く、8割弱を占めています。
      • 時間帯別:情報提供の送信が行われた時間帯について3時間ごとに集計したところ、9時から24時までは時間帯による差がそれほどありませんでした。深夜~早朝の時間帯(0時~5時59分)においても、全体の約8%を占めています。

    ~NEW~
    国民生活センター 国民生活センターと消費者庁をかたる偽ハガキにご注意ください
    • 全国の消費者宛てに、国民生活センターと消費者庁をかたるハガキが届いており、国民生活センターでも実際に送られたハガキを入手しました(図)。
    • 国民生活センター、消費者庁とも、このようなハガキは一切発出しておりません。
    • もしこのようなハガキが届いたら!-消費者へのアドバイス-
      • このハガキに記載されている内容は、国民生活センター・消費者庁が記載したものではありません。ハガキには「数年前の通販の(代理請求)弁護士事務所からの請求は無効。時効は2年です。」と記載されていますが、この記述も正しくありません。偽ハガキが届いても無視してください。
      • その後、関係する電話やメール等があったとしても対応しないでください。
      • お金を要求される等、不審な点や不明な点があればすぐに最寄りの消費生活センター等に相談してください。
    • 国民生活センターと消費者庁をかたる偽のハガキの内容
      1. 宛名面
        • 弁護士事務所からの請求はご注意ください。
        • 数年前の通販の(代理請求)弁護士事務所からの請求は 無効。時効は2年です。【時効の援用】を主張。
        • 数年前の請求は時効が成立しています。
        • 悩まず各地の消費者センターに相談を
        • 局番なし『188』消費者ホットライン
        • 国民生活センターお昼の消費生活相談03-3446-0999
        • 消費者庁(センター)ホットライン 局番なし「188」
      2. 通信面
        • 弁護士事務所からの請求は「時効」です
        • 国民生活センターお昼の消費生活相談03-3446-0999
        • 消費者庁(センター)
        • 局番なし「188」でご相談ください。
        • 数年前の請求は[時効の援用]で(支払義務なし)
        • 消費者庁(センター)
        • 過去の請求は 悩まずにご相談ください。

      ~NEW~
      国民生活センター 「置き配」でのトラブルに注意
      • 内容
        • 事例1 通販サイトに本などを注文した。数日前、置き配での配達完了メールが来たが、商品は届いていない。添付されていた玄関の写真も我が家のものではなかった。(70歳代 女性)
        • 事例2 ネット通販でCDを注文した。置き配を希望したつもりはないが、玄関前に置かれたようで、配達された写真をサイトで確認した。しかし、数時間放置されていたため盗まれたようで、商品を受け取っていない。(70歳代 男性)
      • ひとこと助言
        • 玄関先などの指定した場所に置くことで配達を完了する「置き配」は、ネット通販を中心に、急速に普及していますが、誤配、盗難などのリスクもあります。メリットとデメリットを理解して利用しましょう。
        • ネット通販で商品を注文する際に、初期設定が置き配になっている場合があります。意図せず置き配を選択していないか、注文前に確認しましょう。
        • 置き配を利用する場合は、注文前に利用規約をよく読み、誤配、盗難などのリスクを理解し、トラブルの際の補償、連絡先を把握しておきましょう。
        • 宅配業者からの配達完了通知などで到着を確認したら、早めに引き取りましょう。置き配用の宅配ボックスや宅配バッグなどを利用するのもよいでしょう。

      ~NEW~
      厚生労働省 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月8日)
      ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
      • 感染状況について
        • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約97人となり、今週先週比は0.70と減少が続いている。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少が続いている。
        • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数及び重症者数は減少が続くとともに、横ばいで推移していた死亡者数も減少に転じている。
        • 実効再生産数 : 全国的には、直近(5/22)で0.91と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに0.92となっている。
      • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
        1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約127(札幌市約140)。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割強。
        2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.66と1を下回り、約56。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割弱。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.71、0.65と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約48、54。病床使用率について、栃木では1割未満、群馬では約1割。
        3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約95。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強、重症病床使用率は2割弱。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.63、0.67、0.68と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約59、54、70。病床使用率について、埼玉では1割強、千葉では1割弱、神奈川では約1割。
        4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約106。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.80、0.70、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約132、81、79。病床使用率について、岐阜では3割弱、静岡では約1割、三重では2割弱。
        5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.71と1を下回り、約114。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率、重症病床使用率はいずれも1割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.56、0.58、0.68、0.72、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約81、96、93、77、69。病床使用率について、滋賀、京都、兵庫、和歌山では1割強、奈良では1割未満。
        6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約124。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.65、0.91、0.77、0.65、0.71、0.83と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約97、152、140、110、153、171。病床使用率について、佐賀では約1割、長崎では1割強、熊本では2割強、大分、宮崎では2割弱、鹿児島では3割弱。
        7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.88と1を下回り、約590と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は4割弱、重症病床使用率は1割強。
        8. 上記以外 青森、岩手、広島、山口の新規感染者数はそれぞれ約105、88、122、103。病床使用率について、青森、広島、山口では約2割、岩手では2割強。
      • 今後の見通しと必要な対策
        1. 感染状況について
          • 新規感染者数について、全国的には概ね全ての地域で報告数の減少傾向が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏、愛知県、大阪府や福岡県などの大都市部に加え、一部の地方都市では昨年夏のピーク時を下回る状況となっている。一方、沖縄県では全国で最も高い状況が続いているものの、直近の約3週間は減少がほぼ継続している。
          • 年代別の新規感染者数では全ての年代で減少が継続しており、地域別で見ても概ね同様の傾向が継続している。
          • 新規感染者の感染場所について、高齢者福祉施設、保育所等、事業所及び飲食店における割合が高止まりしている。また、足下の数日では、学校等、病院及び障害者福祉施設における割合が増加基調となっている。
          • 新規感染者数については、GW明けに一旦増加傾向となったが、その後、減少傾向が継続している。今後の感染状況について、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、(1)ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫は徐々に減衰していくこと、(2)6月は梅雨の時期であり、人流は比較的抑制される傾向にあるが、7月以降は夏休みの影響もあり、接触の増加等が予想されること、(3)オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性もあること等から、夏頃には感染者数の増加も懸念されるところであり、医療提供体制への影響も含めて注視していく必要がある。
        2. 感染の増加要因と抑制要因について
          • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
            1. 接触パターンについて
              • 夜間滞留人口について、1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピークを超える地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
            2. 流行株について
              • 2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、減少スピードが遅れる一要因となりうる。また、BA.2.12.1系統とBA.5系統が国内でも検出されており、モニタリングの継続が必要。
            3. ワクチン接種等について
              • 3回目接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後徐々に減弱することが予想される。
            4. 気候要因について
              • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
        3. 医療提供体制について
          • 沖縄県では、入院者数、病床使用率や重症病床使用率は減少が続いている。全国的にも、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、概ね全ての地域で病床使用率が減少となるとともに、全ての地域で自宅療養者・療養等調整中の者も減少。
          • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに地域差が見られるが、全国的に減少傾向が続いている。
        4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
          1. サーベイランス等
            • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
          2. 自治体における取組
            • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
            • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
            • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
            • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に
            • 必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
          3. ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等
            • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。さらに、今回、長崎大学による「新型コロナワクチンの有効性に関する研究」の中で、ワクチンの2回接種完了と3回接種完了の有効性の評価が示された。
            • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種率について、6月7日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約60%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始された。また、同日から新たなワクチンを1~3回目接種用として接種開始できるようになった。このワクチンは、従来の新型コロナワクチンとは異なる種類であり、ワクチンの多様性を確保できるとともに、国内で製造が行われることからワクチン供給の安定性の確保につながるものである。
            • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
          4. 水際対策
            • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
        5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
          • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
            • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
            • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
            • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
        6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
          • 全国的には昨夏のピークより低い状況となっているが、地方都市を中心に全国の半数以上の地域では未だに高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
            1. ワクチン接種について
              • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。あわせて、これまで1・2回目接種できていない方々にも改めて接種を検討していただくことが重要。
            2. 感染対策の徹底
              • オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
            3. 外出等に際して
              • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
            4. 体調管理について
              • 軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
        7. オミクロン株の特徴に関する知見
          1. 感染性・伝播性
            • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
          2. 感染の場・感染経路
            • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
          3. 重症度
            • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
          4. ウイルスの排出期間
            • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
          5. ワクチン効果
            • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
          6. BA.2系統
            • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
          7. XE、BA.4、BA.5及びBA.2.12.1系統
            • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で検出されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。
            • また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。米国CDCによれば、BA.2.12.1系統は、BA.2系統と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いと報告されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

      ~NEW~
      厚生労働省 労働政策審議会障害者雇用分科会意見書~今後の障害者雇用施策の充実強化について~
      ▼労働政策審議会障害者雇用分科会意見書(概要)
      1. 雇用の質の向上に向けた事業主の責務の明確化
        • 障害者の活躍促進のため、事業主に対し、キャリア形成の支援を含め、適正な雇用管理をより一層積極的に行うことを求める。
      2. 雇用施策と福祉施策の更なる連携強化
        1. アセスメントの強化
          • ハローワークは、障害者総合支援法の新たな就労アセスメント(※1)を利用した障害者に対し、その結果を参考に職業指導等を実施する。
        2. 障害者就労を支える人材の育成・確保等
          • 障害者の就労支援(就労系福祉サービスを含む)に従事する人材に対して、福祉分野と雇用分野(※2)の知識・スキルを横断的に付与する基礎的研修を実施するなど、専門人材の育成を強化する。
          • 地域障害者職業センターは、基礎的研修を実施するなど、これまで以上に障害者就労を支える人材の育成に努め、地域の就労支援の基盤整備を図ることとするなど、地域の就労支援機関の役割分担を整理する。
          • (※1)就労系福祉サービスの利用意向のある障害者を対象とした、就労アセスメント(本人の就労能力や適性の客観的な評価を行うとともに、本人と協同して就労に関するニーズ、強みや職業上の課題を明らかにし、就労に当たって必要な支援や配慮を整理すること)を実施するもの
          • (※2)労働関係法規、企業に対する支援、雇用管理・定着支援等に関する知識・スキル
      3. 多様な障害者の就労ニーズを踏まえた働き方の推進
        1. 障害者雇用率制度における週所定労働時間10時間以上20時間未満の障害者の扱い
          • 雇用義務の対象となっていない週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者の就労機会の拡大のため、これらの障害者を事業主が雇用した場合に、特例的な扱いとして、実雇用率において算定できるようにする。
          • 当該措置により、週所定労働時間20時間以上の就業が困難な者に対する就業機会の拡大を直接的に図ることが可能となるため、特例給付金(※3)は廃止する。
          • (※3)週所定労働時間10時間以上20時間未満の障害者を雇用する事業主に対して、その雇用障害者数に応じて、1人当たり月額7千円(常用労働者100人以下の事業主にあっては月額5千円)を支給するもの。
        2. 障害者雇用率制度における精神障害者の算定特例の延長
          • 精神障害者の雇用促進のため、週所定労働時間20~30時間未満の精神障害者の算定特例を延長する。
          • ※障害者雇用率制度における障害者の範囲等(障害者手帳を所持していない精神障害者・発達障害者・難病患者の取扱い、就労継続支援A型の利用者の扱い、精神障害者に係る重度の扱い)は、引き続き検討。
      4. 障害者雇用の質の向上の推進
        • 障害者雇用納付金財政について、財政の安定的運営を図るとともに障害者雇用の質の向上を推進するため、障害者の数で評価する障害者雇用調整金等による支出増加を抑制し、その分を助成金に充て、企業が実施する職場定着等の取組を支援する。
          1. 障害者雇用調整金、報奨金による対応
            • 調整金を受給している企業が一定の人数(10人)を超えて、調整金の対象となる障害者を雇用している場合、当該超過人数分の調整金について単価を引き下げる。(1人当たり月額2万7千円を半額)
            • また、報奨金(※4)を受給している企業が一定の人数(35人)を超えて、報奨金の対象となる障害者を雇用している場合、当該超過人数分の報奨金について支給しないこととする。
          2. 障害者雇用を推進する企業の取組に対する支援
            • 中小企業のノウハウ不足という課題に対処するため、障害者雇用に関するコンサルティングを行う民間事業者から相談支援を受けることで障害者雇用を促進する企業に対して助成する。
            • 中高年齢者の障害者の雇用継続のために企業が実施する取組に対して助成する。
            • 常用労働者100人以下の企業に対する納付金の適用範囲拡大は、これらの企業における障害者雇用の進展等を踏まえ、引き続き検討。
            • (※4)納付金の納付義務のない常用労働者100人以下の事業主が、法定雇用率を超えて障害者を雇用しており、かつ、一定の要件を満たす場合、障害者雇用を奨励等することを目的に、その超過している雇用障害者数に応じて、1人当たり月額2万1千円を支給するもの。
      5. その他
        1. 在宅就業障害者支援制度の活用促進
          • 在宅就業障害者支援制度(※5)の更なる活用を促進するため、在宅就業支援団体の新規登録が促進されるよう、登録要件の緩和(団体登録に必要な在宅就業障害者の人数要件を10人から5人に引き下げる)等を行う。
          • (※5)在宅就業障害者に仕事を発注する企業に対し、発注額に応じて特例的な調整金(発注額等/35万円×2万1千円)を支給するもの
        2. 有限責任事業組合の算定特例の全国展開
          • 事業協同組合のスキームを活用して複数の中小企業の実雇用率を通算できる算定特例については、現在、国家戦略特区内においてのみ有限責任事業組合(LLP)(※6)が対象として認められているが、これを全国においても認める。
          • (※6)有限責任組合契約に関する法律により認められる事業体
        3. 除外率の引下げによる障害者雇用の促進
          • 平成14年の障害者雇用促進法改正で廃止されたものの、当分の間存置されている除外率について、一律に10ポイント引き下げる。

      ~NEW~
      厚生労働省 第49回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
      ▼【資料1】女性活躍推進法に基づく男女の賃金の差異の情報公表について
      • 情報開示は、連結ベースではなく、企業単体ごとに求める。ホールディングス(持株会社)も、当該企業について開示を行う。
        • 女性活躍推進法のスキーム
          • 雇用面における男女間の様々な格差について、女性活躍推進法は、個々の事業主=企業に、女性活躍に関する状況把握、計画策定・目標設定、情報公表を義務づけている。
          • 「男女の賃金の差異」については、女性活躍推進法に基づき、情報公表すべき項目として位置付けるもの。
          • 女性活躍推進法のスキームの適用となるため、企業単体ごとの男女間賃金格差の開示を求めることとなる。
      • 男女の賃金の差異は、全労働者について、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求めることとする。加えて、同様の割合を正規・非正規に分けて、開示を求める。(注)現在の開示項目として、女性労働者の割合等について、企業の判断で、更に細かい雇用管理区分(正規雇用を更に正社員と勤務地限定社員に分ける等)で開示している場合があるが、男女の賃金の割合について、当該区分についても開示することは当然、可能とする
        • 「男女の賃金の差異」:絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求める。(注)英仏も、労働市場の情報開示法制においては、男女賃金格差は、実額ではなく、割合や指数で公表している。
        • 開示を求める区分:「全労働者/正規雇用労働者/非正規雇用労働者」を必須とする。
        • (注)従来、男女間賃金格差の国際比較などにおいては、常用労働者ないしフルタイム労働者の男女間賃金格差を用いることが通常。これは、非正規雇用労働者を含めると、非正規雇用労働者の人数の男女比の差異が大きく影響してしまうため。しかし、正規雇用・非正規雇用間の不合理な待遇格差の是正を進めている中で、正規雇用労働者の男女間賃金格差のみの開示で足りるとすることは不適当。従って、上記3区分を必須とするもの。
        • なお、企業の判断で、女性活躍推進法に基づいて既に女性労働者割合の把握などに用いている更に細かい雇用管理区分(正規雇用を更に正社員と勤務地限定正社員に分ける等)についても開示することは可能。
        • 必須項目であり、その比較可能性を担保する必要性が高いことから、計算方法は、全企業で共通の方法を採用。
      • 男女の賃金の差異の開示に際し、説明を追記したい企業のために、説明欄を設ける。
        • 前述したとおり、「男女の賃金の差異」の開示は、求職活動に資する情報公表、つまり、比較可能な情報公表が必要である。
        • 全企業共通の算定方法で男女の賃金の差異を開示した上で、この差異の状況について、個々の企業において追加的な説明を付した情報公表を行うことが可能、ということ。
        • 対象事業主は、常時雇用する労働者301人以上の事業主とする。101人~300人の事業主については、その施行後の状況等を踏まえ、検討を行う。
        • 金融商品取引法に基づく有価証券報告書の記載事項についても、女性活躍推進法に基づく開示の記載と同様のものを開示するよう求める。
      • 本年夏に、制度(省令)改正を実施、施行する。初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、今年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する。
        • 情報公表に関して、現行法令の規定では、「おおむね年1回以上」とされている。
        • 女性活躍推進法の制定時・改正時は、施行日に事業主の義務が果たされていることが必要としてきている。
        • 今回、男女の賃金の差異の情報公表について、本年7月に施行することとされているが、初回の適用(公表)について、対象企業が実施できるスケジュールとなるよう、必要な措置を講ずる、ということ。
          • 事業年度が4月~翌3月の場合は、令和4年4月~令和5年3月分を令和5年4月以降に開示、事業年度が7月~翌6月の場合は、令和4年7月~令和5年6月分を令和5年7月以降に開示本年夏に、制度(省令)改正を実施し、施行する。初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、今年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する。

      ~NEW~
      厚生労働省 障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを実施します~誰もが挑戦でき、活躍できる社会へ~
      • 厚生労働省は、障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを実施しています。障害者をテレワークで雇用するにあたり生じる個別具体的な課題について、電話・メール・事業所訪問・オンラインで最大5回まで無料でご相談いただけます。
      • テレワークは、障害者の多様な働き方のひとつであり、自宅でも働くことができる機会として大きな可能性があるとともに、企業の方にとっても、全国から優秀な人材を確保することができるというメリットがあります。こうしたことを踏まえ、昨年度は支援機関や企業での事例の紹介等を行う全国フォーラム(※1)、障害者雇用におけるテレワークの具体的な導入に向けた手順等について説明する企業向けガイダンスを開催しました(※2)。
      • さらに今般、障害者をテレワークで雇用することを検討している企業、障害者をテレワークで雇用しているものの課題を抱えている企業等に対して、コンサルティングを実施します。各企業の課題や取組状況、雇用する障害者の特性等に応じて、専門アドバイザーが課題解決策の提案等を行います。障害者雇用におけるテレワークの導入に向けて情報収集中である、相談事項が明確になっていないといった状況であっても、他社事例の提供や課題整理に向けた支援等を行いますので、お気軽にご相談ください。
      • 当コンサルティングの詳細及びお申し込み先については、別添の「コンサルティングリーフレット」及びホームページをご参照ください。

        ~NEW~
        厚生労働省 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を6月20日から実施します~薬物乱用防止のためのキャンペーンと国連支援募金運動を全国各地で実施~
        • 6月26日は国連の「国際麻薬乱用撲滅デー」(*)です。これを踏まえ、厚生労働省、都道府県および(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、6月20日(月)から7月19日(火)までの1カ月間、「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を実施します。この運動は、国民一人一人の薬物乱用問題に関する認識を高めるため、正しい知識の普及、広報啓発を全国的に展開するもので、平成5年から毎年行っています。
        • 日本における薬物情勢は、依然として覚醒剤が薬物事犯の半数を占めていますが、大麻の検挙者数が増加しており、5年連続で過去最多を更新しています。特に、若年層の大麻乱用が顕著で、30歳未満が大麻検挙者数の約7割を占めています。よって、増加が懸念される若年者の大麻の乱用防止に重点を置きつつ、薬物乱用が疑われる時は一人で悩まずに近隣の相談窓口で相談し適切な治療・支援につながるよう啓発していきます。
        • 厚生労働省、都道府県、(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、内閣府や警察庁をはじめとする関係機関や日本民営鉄道協会などの民間団体に協力を呼びかけ、官民一体となった薬物乱用防止普及運動を積極的に展開していきます。
        • なお、今年度は、昨今の新型コロナウイルスの影響により、地域の実情に配慮した上で実施します。
          • (*)国連が1987年にウィーンで開催した「国際麻薬閣僚会議」の終了日である6月26日を、「国際麻薬乱用撲滅デー」とすることが決定。国連加盟各国では、麻薬撲滅に向けた様々な取り組みを行っています。
        • 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」概要
          • 実施期間:令和4年6月20日(月)から7月19日(火)まで
          • 実施機関:主催 厚生労働省、都道府県、(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター
          • 協賛 国際連合(国連薬物犯罪事務所)、
          • 後援 内閣府、警察庁、総務省、法務省、最高検察庁、外務省、財務省税関、文部科学省、経済産業省、国土交通省、海上保安庁
          • 国連支援募金:(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、国連や関係団体の協賛、関係省庁の後援により国連支援募金運動を行います。この募金運動を通じて、地球規模での薬物乱用防止に関する理解と認識を高めるとともに、寄せられた善意の募金は、開発途上国で薬物乱用防止活動に従事する民間団体(NGO)の活動資金として国連に寄付されるほか、国内の啓発事業にも役立てられます。

        ~NEW~
        総務省 偽・誤情報に関する啓発教育教材「インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報に騙されないために~」等の公表
        • 総務省では、メディア情報リテラシー向上の総合的な推進に資する目的で、メディア情報リテラシー向上施策の現状と課題等に関する調査を実施するとともに、偽・誤情報に関する啓発教育教材等を開発しました。
        • 今般、本調査の結果を取りまとめた報告書及び開発した偽・誤情報に関する啓発教育教材とその講師用ガイドラインを公表します。
        • 経緯・内容
          • 偽・誤情報(害を与える意図で作られた虚偽の情報及び意図性のない誤った情報)の流通の問題の顕在化をはじめとする、インターネット上で流通する違法有害情報の問題については、こうした情報を発信する側に対する対応のみでは十分ではなく、受信するユーザーの側のメディア情報リテラシー(メディアリテラシーと情報リテラシーを統合した概念であり、ニュースリテラシーやデジタルリテラシーといった他の様々な関連するリテラシーの概念を包含する)の向上を促すことが必須とされています。
          • こうした課題に対処するため、総務省では、関連する海外の政策動向等を調査した上で、関連する知見を有する有識者の参画を得て、我が国における偽・誤情報対策を中心としたメディア情報リテラシー向上施策の課題と解決策や、メディア情報リテラシー向上施策のあるべき方向性について検討を行いました。また、有識者による議論も踏まえ、偽・誤情報に関する啓発教育教材とその効果検証手法を開発し、これらを用いた講座をモデル的に実施しました。
        ▼別紙1 メディア情報リテラシー向上施策の現状と課題等に関する調査結果報告
        • OECDが発行する「PISA in Focus 2021/113(May)」では、「Are 15-year-olds prepared to deal with fake news and misinformation?」をテーマに、OCED諸国において生徒が偏った情報を見抜く方法を学校で学ぶ機会があること(横軸)と、事実と意見を区別することに関する評価の正答率(縦軸)に強い関連があることが示されている。
        • 日本は、偏った情報を見抜く方法を学校で学ぶ機会はOECD平均より高い。事実と意見を区別することに関する評価の正答率はOECD平均程度であった。
        • 有識者からは、偽情報を取り巻く情報環境、教育現場の状況、目的・学習目標について、対象層、教材、実施方法等、多岐にわたる意見を得ることができた。
        • このうち偽情報を取り巻く環境の現状と課題として、「情報生態系全体が汚染されており、ミスインフォメーション、ディスインフォメーション、マルインフォメーションが混然一体となり、大量に流れていること。」、「学校の先生も困っているが「何をやればよいかわからない」状況にあること」、「米国では図書館でリテラシー講座を開催したり、学校で図書館と連携してリテラシー教育を実施していること」、「受講を考えていない人に、いかに受講してもらうかが課題であること」等が指摘された。
        • また教材に関連するものとして、「日本の情報の生態系を理解する必要があること」、「自らの情報摂取の偏り状態をまず知ること」等の意見を得た。
        • 東京大学の鳥海不二夫教授から「自分が情報的な意味で健康状態にあるかを把握できるようにすることが重要である」との発言があった。このことについて、鳥海教授が作成した「エコーチェンバー可視化システムβ版」が参考となる。本ツールで分析をおこなうと、自身がTwitterでどこのコミュニティに属しており、どのくらい偏りがあるかを知ることができる。「あなたはこういう状況です」ということを伝え、利用者がどうするべきか自己判断できるようにすることを目的として開発された。
        • 構成員、ゲストスピーカーから、教育現場の状況、対象層、方向性、啓発教育教材、教材内で扱う事例、教育手法、効果測定手法、展開方策等の点から多くの示唆を得ることができた。例えば、教材の方向性では「受講者が知っているレベルに到達し、社会機運を広めることがゴールとなること」や、「到達目標をきちんと定めることが大切であること」や、「自分も間違える可能性があることを理解する重要さ」について議論がなされた。また、「受講して自信を持ち、大丈夫と思われてしまうことが危ない」と、留意すべき点がある旨意見が出された。啓発教育教材では「騙される・騙されないという二分法ではなく、グレーゾーンの情報がたくさんあること」を伝えることになった。
        • 有識者からは、「意識の高い人は情報を探して受講するだろう。そうではない人にいかに受講してもらうようにするかは課題。目につく場所への講座情報の提示が必要ではないか」との意見が出された。英国「Online Media Literacy Strategy」では従来のメディアリテラシーの取組にあまり関心がなく、従来チャネルを通じてリーチが難しい対象者へリーチすることが難しいことを課題視しており、対策の必要性について認識を有する。仏国「Information Manipulation: A Challenge for Our Democracies」においては、テレビを含む様々なメディアを活用することに言及している。具体的には、YouTubeの動画の前に啓発メッセージを流したり、SnapchatやInstagramなどのデジタルプラットフォームからプライベートメッセージとして送信したりすることを例示していた。
        • (全体)「過去に自分が誤った情報を発信していたかもしれないと感じた」を除いて、全て「やや当てはまる」以上の人が90%を超えており、講座によって大きく意識が変化したことが分かる。発信に関して相対的に少ないのは、そもそもソーシャルメディアで発信していない人も少なくないことが影響していると考えられる。「今後注意できそうだと感じた」「判別能力を伸ばしたいと感じた」は特に多かった。(グループ別)学生と成人に大きな違いはない。強いて挙げると、相対的に、学生は過去のこと(誤った情報を信じていたかもしれない・発信していたかもしれない)の項目で「当てはまる」がやや少なく、今後のこと(注意できそうだ・能力を伸ばしたい)は「当てはまる」が多かった。
          1. 成熟したICT利活用が行われる社会の実現に向けた取組への展
            • 偽・誤情報対策等の「ICT利活用の負の側面」に着目したメディア情報リテラシー教育の必要性は論じるまでもない。近年欧米では、ICTの利活用を前提としてメリットとデメリットを評価しつつ、ICTを最大限活用しようとする「デジタル・シティズンシップ」の考え方に基づく取組が進められている。
            • デジタル・シティズンシップとは、ユネスコでは次のように定義している。「情報を効果的に見つけ、アクセスし、利用、創造する能力であり、他の利用者ととともに積極的、批判的、センシティブかつ倫理的な方法でコンテンツに取り組む方法であり、そして自分の権利を意識しつつ、オンラインおよびICT環境に安全かつ責任を持って航行する能力である。」
            • デジタル・シティズンシップは欧米において2010年頃から普及してきた。昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う家庭学習においてICTの利用機会が増えたことや、オンライン上で偽・誤情報が増加したことを受けて、改めて注目が集まっている。
            • なお、本調査において開発した啓発教育教材で扱ったメディア情報リテラシーは、デジタル・シティズンシップを構成する要素の一つに位置づけられている。
            • 我が国でも、この考え方を踏まえて、情報を効率的に収集・作成するため情報端末等の様々なデジタルツールを自らの判断で使いこなして、学び、創造し、社会に参加できるようになる必要があるであろう。
          2. マルチステイクホルダーの参加による取組
            • 先行事例をみると、学術研究機関や、NPO、民間事業者(プラットフォーマー)等の各主体がリテラシー向上のための講座を作成して実施者になっているケースが見られた。今後我が国においても、様々なステイクホルダーが集まり、共同でメディア情報リテラシーの意義や重要性を情報発信して雰囲気を醸成しつつ、取組を展開することが望ましいであろう。
            • 産学官民による多様な視点により講座が企画・検討されることでバランスの取れた内容となる。また、教育機関においてリテラシー講座の実施を検討する際にも、事業者単独で作られた講座よりも、多様な主体による講座の方が関わりやすい(例:導入したり、参加したりする)と思われる。
            • なお、様々な主体が集まり協働を進めるため、事前に、取組の目的や推進に当たっての考え方(例:事業者主体での推進を政府が支援する)等を示すことが重要である。こうすることで、各主体は取組目的や自らの役割について検討・理解した上で参加できるようになる。
            • また、取組を継続的に展開していくうえで担い手やコスト負担をどのようにするのかも議論が必要である。先行事例をみると、政府などの公共部門が国民への教育としてコスト負担する場合や、プラットフォーマーが自主的にコストを負担し取組を支える場合があった。
          3. 幅広い世代等を対象としたメディア情報リテラシー向上施策の充実
            • 偽・誤情報の対策にはリテラシーの向上のための教育が重要であり、本調査においては、生活の中でインターネットを活用する高校生以上の若年層から成人世代までを対象とした啓発教育教材の開発を行った。
            • 偽・誤情報やネット詐欺等は、若年層・成人世代のみが騙されるものではなく、例えば、高齢層も騙されるものであるため、幅広い世代を対象とした施策の充実が不可欠である。
            • ICT分野の新技術・サービス等が次々と出現して利活用が進むと、それに伴い社会・経済・生活も変化する。新たなICTに関する知識やスキルを習得し続けることによって変化に適用しやすくなると言われている。義務教育や基礎教育の修了後にも学ぶことができるリカレント教育の必要性が指摘されており、各世代等が必要に応じてメディア情報リテラシーを学び直すことができる環境を整備することが重要であろう。
          4. 対象者別に接しやすい実施環境・方法の提供
            • 居住する地域にかかわらず、全国で全世代がインターネットを利用するようになっている現状を踏まえれば、メディア情報リテラシー向上施策は、プラットフォーマーなどの民間事業者等によるリーチが届きやすく、かつ、取組に積極的な学校等が所在している都市圏のみでの取組だけでは不十分であり、公的なサイトを通じたオンラインによる講座の提供等により、町村部も含め全国でメディア情報リテラシー向上施策にアクセスできるようにすべきであろう。
            • 先行事例をみると、メディア情報リテラシーをオンラインを通じて自主学習できるようにしていたり、教材情報が一元化されているケース等が確認できた。
            • 一方で、オンライン実施のみに限定するのではなく、オンラインへのアクセスが難しい人々にとってもなじみやすい場所や方法で講座が提供されるべきであろう。
            • 例えば、大人や高齢者等に接点のある図書館や地域公共施設(公民館、福祉施設等)や民間事業者の店舗等、身近でアクセスしやすい既存施設を実施会場とした、対面型の講座の開催もありうるであろう。
            • そのためには、まずは次年度以降、こうした既存施設を用いて、メディア情報リテラシーの向上に資する施策の実証等の取組を進めていくべきではないか。
            • また、できるだけ多くの受講希望者がメディア情報リテラシーを学ぶことを目標とした場合、金銭的負担が難しい人や、機器を操作することが難しい人でも学べるような環境・方法を用意することで受講数拡大に寄与する可能性がある。
            • 対象者にあった実施環境・方法について十分な検討を行うべきである。
          5. SNS等の運営事業者からの講座企画者にむけたデータ提供
            • 今後もSNS等の新たなサービスが市場に提供され、利用されることが考えられる。これらの変遷を踏まえた講座内容にすることも重要である。
            • 講座内容の検討にあたっては、対象とするSNS等の利用のされ方等、データに基づく実態把握が基本となる。そのため、SNSを運営する事業者から講座企画者に対し、実態を理解するのに役立つデータが提供されることが望ましいであろう。

        ~NEW~
        総務省 「消費者保護ルールの在り方に関する検討会 苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース」報告書の公表
        ▼別添2 報告書概要
        • 新たな苦情相談処理体制についての考え方
          1. スコープ
            • 基本的な考え方
              • 新たな苦情相談処理体制に期待されることは、業界として対応することによる効果的な事案の解決。
              • 取り扱う事案の範囲は、①複数の事業者で起こり得る事案であること、かつ②一定の客観的な判断が可能な事案であることが適当。
              • 具体的には、解約忘れ・解約の誤認、心当たりのない料金請求、MNPを利用した際の電話番号喪失など
            • 隣接領域に関する事案
              • 隣接領域(端末やアプリ、コンテンツ等)は、電気通信事業法の適用が及ぶ範囲を除き基本的には取り扱わないことが適当。
              • ただし、可能な範囲で通信・端末・アプリ等の責任の切り分けまでは行うことが適当。
              • 事案を扱うことが適切と考えられる他機関の把握ができた場合には、必要に応じて当該機関と連携して事案の解決に当たることも検討。
            • 法令等違反行為を含む事案
              • 主たる争点が法令違反の有無である事案については、取り扱わず総務省へ情報提供することが適当。
              • 主たる争点が料金の減免や返金額等である事案については、取り扱うことが適当。
              • 苦情相談が寄せられた段階では、必ずしも主たる争点が明らかではない場合も多いことに留意して対応。
          2. 機能
            1. 基本的な考え方
              • 新たな苦情相談処理体制に期待されることは、既存の仕組みの隙間を埋め、電気通信サービスの利用者の利益をより適切に確保すること。
              • 求められる機能は、当事者の間に入っての調整や解決のモデルケース(典型的な事案の解決例)の提示等。
              • 電気通信事業者協会から、(a)個別事案における調整・提案、(b)業界全体の改善に向けた検討への貢献、(c)類似事例の対応時に参照できる事例の公表を自主的な取組として実施する旨提案。
              • この提案は、新たな苦情相談処理体制の機能として適当。
            2. 事例の公表
              • 機能の実効性確保のためには、事例の公表が必要。
              • 事業者の営業秘密の保護等に留意しつつ、相場観や判断要素(例: 解約忘れのケースにおける返金基準や返金結果)が明らかになるよう工夫することが適当。
            3. 実効性の確保
              • 電気通信事業法第27条において既に一定の苦情等処理義務が課せられているため、更なる義務の導入等の必要性は、一定の事例の蓄積を待って判断することが適当。
              • 当面は現行制度を前提とした手法(例:紛争処理に応じない事業者の公表等の措置)によることが適当。
          3. 体制
            1. 基本的な考え方
              • 迅速に設置可能で運営も柔軟に見直せるため、まずは業界団体に閉じた体制とすることが適当。
              • 具体的な事案解決の積み重ねの中で、必要があれば業界横断的な体制とすることについて検討。
            2. 販売代理店との間に生じたトラブルの扱い
              • 電気通信事業者は、少なくとも契約締結に係る説明義務等の履行においては、販売代理店の行為についての責任が生じ得る。また、電気通信事業法第27条の4により電気通信事業者は販売代理店に指導等の措置を講じる義務がある。
              • 基本的には、販売代理店との間で生じた電気通信サービスに関するトラブルも当該販売代理店の契約の媒介等によるものに関しては、電気通信事業者との間に生じたトラブルとして取扱うことが可能。
            3. 中立性・公正性の確保
              • 人員の規模・構成、費用負担方法、運用方法等は、事業者団体の裁量に任せることが適当だが、他方で、中立性・公正性の確保が重要。
              • 苦情相談処理体制の構成員等に、中立・公正な立場の第三者が参画。
              • 監督当局に定期的に実施状況や課題等を報告し、監督当局がモニタリングを実施。
            4. その他の留意事項
              • 消費者の申立手数料は基本的に無料が望ましい。
              • 申立件数が過剰になることを防ぐ観点から、消費者の直接申立ではなく、例えば、苦情相談の受付者により対象となり得るか判断することや、予め明確化した事案類型に該当する場合に紹介するなど、申立件数のコントロールも一案。
          4. 他機関との連携等
            • 電気通信事業分野におけるトラブルの適切かつ効果的な解決の観点からは、関係各機関が相互にトラブルの解決に向けた連携を図ることが重要。
            • 寄せられた苦情相談を取扱対象外と整理した場合の適切な相談先への紹介や、特定の苦情相談が急増した場合等の情報提供のため、関係各機関と円滑な連携のための具体的な手順等を検討することが適当。
            • 電気通信事業分野に関する技術、法制度、紛争事例等について、関係各機関との勉強会の実施等による情報共有が望まれる。
        • 今後の進め方
          1. 試行的取組(トライアル)としての開始
            • 試行的な取組(トライアル)として開始し、期待する効果が得られるかを検証することが適当。
            • ただし、苦情相談処理の実施とその効果検証を踏まえて体制を適切に強化し、必要かつ十分な事案を取り扱うようにすることが適当。
            • 新たな苦情相談処理体制は、個別事案の円滑な解決が主目的ではあるものの、事例の蓄積を通じて政策形成等にも寄与することも期待。
            • 同様の紛争が多数見込まれる事案や、多くの事業者において生じ得る事案であって争点や解決の程度を明確に示せるものを少数取り上げて深く考察することが適当。
          2. 自主的な取組としての開始
            • 事業者団体の自主的な取組という形で開始し、事例の蓄積と効果の検証を通じ、あるべき姿を見出すことが適当。
          3. 中立的かつ透明なプロセスでの効果検証
            • トライアルについては、広く国民に周知のうえ、その実施状況や効果・課題等について、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」等の場において継続的に検証することが適当。
            • 十分に効果的に機能していない場合やその要因として制度的課題があることが判明した場合には、ガイドライン等で解釈を示すことや法令自体の見直しを含め、必要な措置を検討することが適当

        ~NEW~
        総務省 販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等に係る要請
        • 総務省は本日、株式会社NTTドコモ(代表取締役社長 井伊 基之)、KDDI株式会社(代表取締役社長 髙橋 誠)、ソフトバンク株式会社(代表取締役社長執行役員兼CEO 宮川 潤一)及び楽天モバイル株式会社(代表取締役社長 矢澤 俊介)並びに一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(会長 金治 伸隆)に対して、携帯電話の販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等について要請を行いました。
        • 電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「事業法」という。)第27条の3では、モバイル市場の公正な競争環境を確保するため、通信料金と端末代金の完全分離等を内容とする規律を定めており、携帯電話事業者及び販売代理店においてその遵守が求められています。
        • 昨年、総務省において、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社及びソフトバンク株式会社の販売代理店を対象に、事業法第27条の3の規律の遵守状況に関する実態調査を実施したところ、相当程度の販売代理店において、規律の趣旨に反する端末販売拒否が確認されました。これを踏まえ、令和3年5月25日に3社及び一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会に対して、また同年9月17日に3社に対して、所要の要請を行いました。
        • 本年も同様の調査を実施したところ、昨年の調査結果と比較して全体的に改善傾向は見られるものの、上記3社の販売代理店において、事業法第27条の3の違反と判断される又は違反が疑われる事案が確認されました。
        • また、新たに調査の対象とした楽天モバイル株式会社の販売店及び販売代理店においても、事業法第27条の3の違反と判断される事案が確認されました。
        • 電気通信事業者の販売店及び販売代理店においてこのような不適切な行為が行われた場合、公正な競争の促進や利用者利益の保護に著しい支障を来すおそれがあります。
        • このため、本日、総務省では、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社及び楽天モバイル株式会社並びに一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会に対して、販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等について要請を行いました。

        ~NEW~
        総務省 サイバーセキュリティタスクフォース(第39回)
        ▼資料39-1 「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022」(案)
        • 社会に大きな影響を与えたサイバー攻撃事例としては、2021年11月に公立病院がランサムウェアに感染して電子カルテシステムが一時使用できなくなった事例や、2022年2月に大手自動車メーカーのサプライチェーンに属する部品メーカーがランサムウェアに感染して当該大手自動車メーカー全体の工場稼働が停止した事例等が挙げられる。我が国全体として、地域や業種、事業規模を問わず、サイバー攻撃のリスクが高まっていると言える。
        • 世界全体でも、ロシアによるウクライナ侵略等の国際社会における安全保障を巡る状況の緊迫化に伴って、各国で政府機関や重要インフラを狙った攻撃が多く発生している。米国及びEU等は、2022年2月に、ロシアがウクライナ侵略と同時に、欧州にある米国企業が管理する通信衛星用の地上アンテナ等に対してサイバー攻撃を行ったとして、同年5月に、ロシア政府を非難する共同声明を発表した。
        • また、米国では、2021年5月にパイプライン企業がランサムウェアに感染してパイプラインを一時停止した事例などを受けて、10月に、日本を含む30か国以上が参加するランサムウェアの脅威に対するための国際会議を開催し、ランサムウェアを「世界的な脅威」であるとする共同声明を発表した。
        • こうした状況を踏まえ、総務省を含む関係省庁では、重要インフラ事業者や地方公共団体等に対して、2022年2月23日、3月1日、3月24日、4月25日の4度にわたって、リスク低減のための措置、インシデントの早期検知、インシデント発生時の適切な対処・回復などを内容とするサイバーセキュリティ対策の強化を求める注意喚起を行った。政府機関や重要インフラ事業者、地方公共団体をはじめとする企業・団体等においては、引き続き、サイバー攻撃の脅威に対する認識を深めるとともに、適切な対策を講じることが求められる
        • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景として、テレワークやクラウドサービスの利用が更に拡大し、また、ネットワークに接続されるIoT機器数も引き続き増加している中、我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推定量はここ3年で2倍以上に増加しており、社会全体のデジタル活用(依存)がますます進展している。
        • 上述のとおり、今やサイバー空間があらゆる主体が利用する公共空間となる中、国民生活や経済活動の基盤として、デジタル化を支える情報通信ネットワークの重要性は更に高まっている。2021年10月に大手携帯キャリアにおいて通信サービス障害が発生して、延べ約1290万人が影響を受けた事例、同年9月に大手クラウドサービスにおいて障害が発生し、金融機関や航空会社のサービスが影響を受けた事例に見られるように、情報通信ネットワークの機能に支障が生じた場合には、社会・経済に多大な影響が及ぶ状況となっている。
        • また、前述した国際情勢の変化に伴い、サイバー空間自体が、国家間の競争・衝突の場となる中で、情報通信ネットワークは、サイバー攻撃の標的や経路、偽情報(Disinformation)を流布する場にもなり得るとともに、市民の間でリアルタイムに情報を共有するためのツールにもなり得るものである。このような状況のもと、情報通信ネットワークの安全性・信頼性を確保することは一層重要となっている
        • サイバー空間を支える情報通信ネットワークは、国民生活や経済活動の基盤となるものであり、デジタル活用の進展とともに、その重
        • 要性が増している。「サイバーセキュリティ戦略」においても、国民が安全で安心して暮らせるデジタル社会の実現のため、「安全かつ信頼性の高い通信ネットワークを確保するための方策を検討する」こととされている。総務省では、これまでも、情報通信ネットワークのサイバーセキュリティ対策を推進してきたが、サイバー攻撃の大規模化・巧妙化・複雑化も踏まえ、今後、電気通信事業者を通じたネットワーク側の対策及び利用者を通じた端末(IoT)側の対策を中心として、施策を充実させることが求められる。また、広く普及が進むクラウドサービスや5Gサービスのセキュリティ確保、国内各地域において構築が進みつつあるスマートシティのセキュリティ確保、放送設備のセキュリティの確保に加えて、これらを横断する課題としてのサプライチェーンリスク対策などの取組を強化することが必要である。
        • 今後の取組
          1. サイバー攻撃に対する電気通信事業者の積極的な対策の推進
            • 2022年度に実施する、電気通信事業者による積極的なサイバーセキュリティ対策に関する実証事業については、以下のとおり、成果を踏まえて新たな内容を盛り込みつつ、2023年度も引き続き実証事業を継続することが適当である。
            • フロー情報分析によるC&Cサーバ検知の手法については、検知精度の高度化を図るとともに、検知結果の電気通信事業者間の共有の実証を行う。
            • 悪性Webサイトの検知技術・共有手法については、悪性Webサイト情報の収集・分析を継続するとともに、収集・分析結果を実際のセキュリティサービス等に活用した際の効果検証を行う。
            • RPKI、DNSSEC、DMARC等のネットワークセキュリティ技術については、我が国では広く電気通信事業者等に普及するには至っていない状況にあるところ、実証事業によって、技術的な観点にとどまらない普及の方策等を検討する。
            • また、通信の秘密に配慮しつつ、より迅速な電気通信事業者によるサイバー攻撃対策を実現するために、今後、既存の法的整理に関する現状及び課題や諸外国における法制度の状況を整理した上で、制度改正の必要性も含め検討を行うことが適当である
          2. 電気通信事業者におけるガバナンス確保
            • 電気通信事業ガバナンス検討会等における議論を踏まえ、現在国会審議中の「電気通信事業法の一部を改正する法律案」が成立した場合には、必要な下位法令の整備を行う。
          3. 5Gセキュリティガイドラインの普及等
            • 2022年4月に公表した「5Gセキュリティガイドライン第1版」について、国内の5Gオペレータへの普及を図り、5Gネットワークのセキュリティの確保を進めるべきである。その際、オペレータ等によるデューデリジェンスを促し、ベンダーをはじめとする5G技術サプライヤを含め、5Gサービスのサプライチェーン全体のセキュリティ確保に取り組むことが適当である。また、ITU-TSG17における標準化対象の一つとして、同ガイドラインをベースとした勧告化の提案を進めていくべきである。さらに、NICTに構築された5Gセキュリティ検証環境については、今後もNICTや我が国の産業界において活用がなされるよう、検討を進めていくことが重要である。これらの推進にあたっては、国際的にも進展のみられる基地局設備のインターフェースのオープン化や基地局設備自体の仮想化(いわゆるOpenRANやvRAN)、コアやMECを含めたクラウド(IaaS)利用も念頭に置くことが適当である。
          4. 5Gのセキュリティの促進のための政策的措置
            • 引き続き5Gの制度面において、サイバーセキュリティ上のサプライチェーンリスク対策等の、安全性・信頼性等の確保された5Gの導入促進を行うことが必要である。
          5. 情報通信分野におけるSBOM導入の可能性の検討
            • Apache Log4jなど広く利用されているソフトウェアの構成部品の脆弱性への対処が重要となる中、ソフトウェア製品の構成部品を管理して脆弱性に迅速に対応することを可能とする仕組みであるSBOM(Software Bill of Materials)について、情報通信分野における導入の可能性を検討していくことが適当である。また、広く普及する通信用アプリケーション等に関する利用上の注意の在り方を検討していくことが適当である。
        • サイバー空間と実空間が高度に融合したSociety5.0の実現のためには、「誰が」、「何を」、「いつ」という実空間の構成要素を正しくサイバー空間でも再現することが必要であり、データの改ざんや送信元のなりすまし等を防止する仕組みであるトラストサービスの重要性が高まっている。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、あらゆるやりとりをデジタル完結する要請が高まる中、データを安心・安全に流通できる基盤の構築が不可欠であり、トラストサービスが重要な役割を果たすことがより一層期待されているところである
        • サイバーセキュリティは国家の基幹を守るもので、国際競争力の強化のほか、経済安全保障の観点からもサイバーセキュリティ産業の強化・育成は必須である。他方、我が国のサイバーセキュリティ製品・サービスは、海外製品や海外由来の情報に大きく依存しており、国内のサイバー攻撃情報等の収集・分析等が十分にできていない。そのため、製品・サービスの開発に必要なノウハウや知見の蓄積が困難となっている。また、我が国のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足しており、人材育成を全て国で実施することは困難であるため、民間事業者や教育機関等における自立的な人材育成が求められる。しかしながら、演習用の環境構築やシナリオ開発には高度な知識や技術力、そして基盤となる計算機環境が必要であり民間企業・教育機関のみでは十分に対応できていない。これらについては、「サイバーセキュリティ戦略」においても、「こうした状況を打破する取組の一環として、サイバーセキュリティに関する情報を国内で収集・蓄積・分析・提供していくための知的基盤を構築」、「社会全体でサイバーセキュリティ人材を育成するための共通基盤を構築し(中略)産学に開放する。」と記載がなされている。これらの状況を踏まえ、我が国の企業を支えるセキュリティ技術が過度に海外に依存する状況を回避・脱却し、我が国のサイバー攻撃への自律的な対処能力を高めるためには、国内でのサイバーセキュリティ情報生成や、人材育成を加速するエコシステムの構築が必要である。
        • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であることから、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠である。そのため、各国政府・民間レベルでの本分野における情報共有や国際標準化活動への積極的な関与を進めていく必要がある。また、国際的なサイバーセキュリティ上の弱点を減らし、日本を含む世界全体のリスクを低減させる等の観点から、インド太平洋地域を含む開発途上国に対する能力構築支援を行い国際的な人材育成への貢献を図るほか、国内企業のサイバーセキュリティ分野における国際競争力の持続的な向上を図る取組も推進することが重要である。
        • 事業者向けの普及啓発としては、サイバーセキュリティに関する予算、人材、知見が不足する傾向がある「中小企業等」や、都市部と比べサイバーセキュリティに係る人材育成や情報共有の機会が少ないと考えられる「地域」を主なターゲットとして、テレワークにおけるサイバーセキュリティの確保の推進や、地域におけるセキュリティコミュニティの強化を進める必要がある。また、サイバー攻撃被害を受けた組織における適切な情報の取扱いに資するため、サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表に関して、実務上の参考となるガイダンスの策定に向けた取組等を引き続き推進することが求められる。

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