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  • デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会(第6回)(金融庁)/令和4年度第3回雇用政策研究会資料(厚労省)/第88回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/令和4年版国土交通白書~気候変動とわたしたちの暮らし~(国交省)

危機管理トピックス

デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会(第6回)(金融庁)/令和4年度第3回雇用政策研究会資料(厚労省)/第88回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/令和4年版国土交通白書~気候変動とわたしたちの暮らし~(国交省)

2022.06.27
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更新日:2022年6月27日 新着28記事

ビジネスマン ビル群 建設
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」中間整理の公表について
  • 銀証ファイアーウォール規制に係る「優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口」の設置について
  • 「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第6回)議事次第
  • 保険業界の地域連携に係る取組みについて
内閣官房
  • 物価・賃金・生活総合対策本部
  • 国家公務員のためのマネジメントテキスト
首相官邸
  • 国土強靱化推進本部(第14回会合)議事次第
内閣府
  • 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
  • 第37回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ
消費者庁
  • 第4回 景品表示法検討会(2022年6月23日)
  • 「公益通報者保護法別表第八号の法律を定める政令の一部を改正する政令案」に関する御意見募集について
  • 令和3年度食品表示に関する消費者意向調査報告書を掲載しました
国民生活センター
  • 国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和4年度第1回)
  • 刈払機で事故発生!注意して使用しましょう
厚生労働省
  • 令和4年度第3回雇用政策研究会資料
  • 第88回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月23日)
  • 「令和3年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」を公表します
  • 令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
  • 第50回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
経済産業省
  • 6月27日は東京エリアで電力需給が厳しくなる見込みのため節電のご協力をお願いします【需給ひっ迫注意報】
  • 第8回「営業秘密官民フォーラム」を開催しました
総務省
  • 青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォース(第18回)
  • プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第16回)
国土交通省
  • 「令和4年版国土交通白書」を公表します~気候変動とわたしたちの暮らし~
  • 令和4年4月の宅配便の再配達率は約11.7%
  • 心のバリアフリーに関するガイドラインを作成しました!~バリアフリー教室やまち歩き点検等を実施するためのポイントをまとめました~
  • 【防災関連】官庁施設の管理者の方々へのお知らせ
  • 「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画2022」を決定

~NEW~
金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」中間整理の公表について
▼(参考)金融審議会 市場制度ワーキング・グループ中間整理 概要
  • 成長・事業再生資金の供給により持続的な経済成長を実現するとともに、家計の適切な金融商品の選択を通じて成長の成果を還元し資産所得を増加させる、「成長と分配の好循環」の実現のための施策について整理。
    1. 成長・事業再生資金の円滑な供給
      • 課題:我が国スタートアップへの資金供給が、欧米と比べてなお小規模。
      • 対応:機関投資家からの資金供給の拡大・スタートアップ企業の上場プロセス等の見直し
      • スタートアップ・非上場企業の成長を支えるため、機関投資家(アセットオーナー等)による資金供給の拡大や、企業の持続的な成長に資する上場等に関する取組を進める。
      • スタートアップ・非上場企業への成長・事業再生資金の円滑な供給
      • アセットオーナー等によるVC投資等の拡大
        • 投資信託への非上場株式の組み入れに関する枠組みの整備
        • 機関投資家等による非上場株式のセカンダリー取引の円滑化
        • 地域企業の事業再生・事業承継の円滑化に向けた勧誘可能な非上場株式の取引の範囲拡大
        • デットファイナンスの拡充(「事業成長担保権(仮称)」について検討)
        • 銀証ファイアーウォール規制に関連する制度のあり方について、引き続き検討
      • 企業の成長に資する上場等のあり方
        • 企業特性に合わせた取引所の上場審査を実現(先端的領域で事業を行う企業の審査における第三者評価の活用等)
        • 取引所においてダイレクトリスティング(注)を利用しやすい環境を整備(注)証券会社による引受けを伴わずに新規上場する方式
    2. 経済成長の成果の家計への還元促進
      • 課題:我が国家計では「貯蓄から資産形成」の動きが限定的で、金融資産の伸びが欧米と比べ低い。
      • 対応:金融事業者による顧客本位の業務運営の確保・金融リテラシーの向上
      • 安定的な資産形成を促し、資産所得を増加させるためには、金融事業者による顧客本位の業務運営を確保することが必要。併せて、家計自体の金融リテラシーを向上させていくことが重要。
      • 金融事業者による顧客本位の業務運営の確保のためには、顧客に対する適切な勧誘・助言や、顧客ニーズに沿った金融商品組成等が行われるような制度的枠組み等について総合的に検討していくことが必要。
      • 経済成長の成果の家計への還元に向けた総合的アプローチ
        1. 金融リテラシーの向上
          • 関係機関・団体との連携を強化しつつ、学校や職域における金融経済教育を支援
        2. 顧客本位の業務運営の確保
          • 顧客本位の業務運営を支える制度的枠組み
        3. 適切な勧誘・助言、顧客への情報提供の充実
          • 販売事業者による投資助言業兼業の環境整備、適切な勧誘・助言が行われる制度的枠組み
          • デジタルツールも活用した情報提供の充実
        4. プロダクトガバナンス(注)の確保、資産運用業の高度化(注)想定する顧客を明確にし、その利益に適う商品を組成するとともに、そうした商品が想定した顧客に必要な情報とともに提供されるよう、販売にあたる金融事業者に必要な情報提供や、これらの評価・検証等をすること
          • 顧客の最善の利益に適った金融商品組成や手数料設定、商品性の情報提供
          • 独立社外取締役等による評価及び検証
          • 二種ファンドの募集・運用の適切性の確保
    3. 市場インフラの機能向上
      • 課題:上場株式の取引の場が限定的。また、上場株式以外の金融商品の流通が不十分。
      • 対応:非上場株式や証券トークンの適切な流通の確保・上場株式等の市場間競争の促進
      • 金融商品の「取引の場」としては、(1)東証などの取引所のほか、(2)証券会社が運営する私設取引システム(PTS)、(3)証券会社の店頭取引がある。
      • 多様な有価証券の適切な流通の確保や、市場間競争の促進などの観点から、PTSの機能を向上。
      • 上場株式等の取引プラットフォーム
        • 不公正取引への対応を強化しつつ、PTSが上場株式等を取り扱う場合の売買高の上限緩和について検討
      • 非上場有価証券等の取引プラットフォーム
        • 非上場株式や証券トークン等の流通におけるPTSの積極的な活用に向け、認可審査について、以下を実施
          • 審査内容・手続の明確化・取扱商品・取引高に応じた認可基準の適切な設定・認可手続の迅速化
        • 投資家保護のため、取扱商品の適切性を確認する枠組みを構築

~NEW~
金融庁 銀証ファイアーウォール規制に係る「優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口」の設置について
  • 金融庁では、令和3年6月に公表された金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」第二次報告において、国内顧客に関する銀証ファイアーウォール規制のあり方について提言を受け、銀証ファイアーウォール規制の見直しに係る「金融商品取引業等に関する内閣府令」等が改正されたことに伴い、優越的地位の濫用を防止する観点から、下記のとおり、情報収集の窓口を設置することといたしました。
    1. 名称:「優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口」
    2. 開設日:令和4年6月22日
    3. 受付内容:銀証ファイアーウォール規制に係る優越的地位の濫用に関する情報等
      • (例)証券会社や銀行が、一般事業会社の財務部門と社債発行や株式発行等の金融商品取引契約をする際、証券会社や銀行が融資等を引き合いに出して、金融商品取引契約の条件をその証券会社や銀行にとって有利にすること等
    4. 受付方法
      • メール firewall-conduct@fsa.go.jp
      • FAX 03-3506-6118(「優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口宛」と明記してください。)
      • 郵送 〒100-8967 東京都千代田区霞が関3-2-1中央合同庁舎7号館 金融庁総合政策局リスク分析総括課 優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口宛
  • 留意事項
    • 情報提供に際しては、(1)情報提供者の氏名(企業名、所属、役職等)、連絡先(電話番号、メールアドレス等)、(2)優越的地位の濫用を行っている可能性のある会社名(例:銀行名や証券会社名)、(3)金融取引等の状況、(4)申出に至った事例の内容等につきまして、できる限り具体的に記述してください。
    • 提供いただいた情報については、こちらの窓口における厳正な管理のもと担当部局へ連携し、銀証ファイアーウォール規制に係るモニタリングに活用させていただきます。また、情報の内容等に応じて、対象となる金融機関を所管する財務局、証券取引等監視委員会、公正取引委員会に回付させていただく場合があります。なお、提供いただいた情報に関する照会については応じることはできませんので、予めご了承ください。
    • 提出いただいた書面等につきましては、返却いたしかねますので、郵送の際には、原本でなく写しをご送付ください。
    • こちらの窓口は情報提供のみであり、相談等については受け付けておりません。個別の事案に関する相談等については、金融サービス利用者相談室へのご連絡をお願いします(こちらをクリックしてください)。
    • 公益通報者保護法に基づく外部の労働者の方からの公益通報は、こちらの窓口では受け付けておりません。公益通報者保護法に基づく外部の労働者の方からの公益通報は、こちらをクリックしてください。

~NEW~
金融庁 「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第6回)議事次第
▼資料1 事務局説明資料
  • いわゆる「DeFi」について明確な定義は存在しないが、金融安定理事会(FSB)の報告書では、「分散台帳技術(一般的にはパブリックかつパーミッションレス型のブロックチェーン)に基づき、仲介者を必要としないことを企図した金融サービスや商品を提供するもの」と説明されている。(注)もっとも、分散型と称するDeFiの商品・サービスの中には、実際には中央集権的な性質を維持している場合があるとの指摘もある。
  • FSBの報告書によると、DeFiサービスでロックされている資産の総額は、2021年12月には約1,000億米ドルとなり、2020年末の約4倍に達している。2022年に入り暗号資産等の価格が下落傾向にあること等を受けて、DeFiサービスでロックされている資産の総額も下落傾向。
  • 分散化(Decentralization)の意義
    • 「分散化」は、企業の所有権、企業等に対する議決権、利用者資産の支配、基盤ブロックチェーン(決済レイヤー)のネットワークデザイン、オフチェーンのインフラ等の商品やサービスの様々な要素を表す用語であり、特定の商品やサービスを分散型とみなす要因には決まった定義はない。
    • 分散型と称するDeFiの商品・サービスの中には、実際には中央集権的な性質を維持している場合がある(例:創業者や他
    • の参加者が商品やサービスに大きな影響力を有する場合、ガバナンストークンが少人数に集中している場合)。
    • DeFiの商品やサービスは、当初は中央集権的なプロジェクトとして開始して段階的に分散化を進めていく場合が多いため、発展の過程でより分散化される可能性。
  • 2022年2月、FSBは、「暗号資産の金融安定に対するリスクの評価」に係る報告書を公表。同報告書は、(1)裏付けのない暗号資産(例:ビットコイン)、(2)ステーブルコイン、(3)分散型金融(DeFi)及び暗号資産取引プラットフォームの3つのセグメントの進展と、これらの脆弱性を評価。DeFiについては、その特徴と伝統的な金融との相違点、規制上の問題点等を分析。
  • 伝統的な金融との相違点
    1. オープンであること
      • DeFiはオープンソースの技術を採用し、技術的な専門知識を有する者なら誰でも、ソースコードを読むことが可能
    2. トラストレス
      • DeFiプラットフォームは、必要な担保(暗号資産等)を提供できる人なら誰でも自動取引で利用可能
      • DeFiプラットフォーム上のスマートコントラクトを介した超過担保や必要マージンのプログラムによる執行により、利用者の身元確認と借り手の信用リスク評価を代替
    3. パーミッションレス
      • DeFiプロトコルは、要件を満たすことができれば、誰でも使用が可能
    4. 所有権とガバナンス構造の分散化の主張
      • 一部のDeFiプロトコルは、意思決定のガバナンストークンの保有者による投票(伝統的な金融における株主の議決権に類似するものと理解可能)への依拠を企図
      • ソーシャルメディアプラットフォームを通じて定期的に開催される管理目的の委員会の活用や、ガバナンストークンの大部分を保有するDeFiプロジェクト関係者等を通じて、ガバナンスが集中している場合がある
      • 「管理鍵」を保有する創業チームも存在し、少なくとも開発の初期段階において、一方的な決定を下して内部ガバナンスの機能全体を支配することが可能
  • 2022年3月、証券監督者国際機構(IOSCO)は、分散型金融による新しいサービスと伝統的な金融サービスとの比較を行い、分散型金融が有しうるリスク例を示した報告書を公表。報告書は、分散化の意義を検討するとともに、DeFiにおける金融サービスの多くは伝統的な金融サービスと類似・重複するが、DeFiの市場参加者や活動への既存の規制枠組みの適用を困難にする可能性を指摘。
  • 伝統的な金融と分散型金融(DeFi)の比較
    1. 伝統的な借入/貸出活動との比較
      • DeFiでは、利用者は、中央にいる管理主体ではなく、分散台帳上のスマートコントラクトに暗号資産を預け入れる。スマートコントラクトが、供給される資産と借りられる資産の流動性の比率を自動的に管理するため、金利もこの比率に従って決定される。融資決定にあたり、借り手の信用力の評価は不要だが、代わりに借入額を超える担保の提供(Over-Collateralization)が必要。
    2. 伝統的なデリバティブ活動との比較
      • 伝統的なデリバティブと経済的には同じ仕組みであり、DeFiプロトコルは、あらゆる種類の資産若しくは事象に基づく、又は参照する可能性があり、多くの法域でデリバティブ規制の対象となっている。
    3. 伝統的な取引所との比較
      • 伝統的な取引所は、中央集権化された当事者や仲介業者によって運営されるが、DeFiにおいてはユーザー間の直接的な取引を促進。
      • 自動マーケットメーカー(AMM)においては、利用者は、スマートコントラクトによって管理される流動性プールにトークンを預け入れた後、他のユーザーとの間で、そのプールの資産比率によって決定される価格で取引をする。
    4. 伝統的な資産運用活動との比較
      • 従来の資産運用サービスと基本的には同様だが、DeFiでは、投資戦略を自動で実施するスマートコントラクトが用いられ、規制対象である仲介業者や資産運用業者が関与しない形となる。
    5. 伝統的な清算・決済活動との比較
      • DeFiでは活動がブロックチェーン上で直接行われ、資産の交換が同時に生じる。もっとも、その仕組みやコンセンサスメカニズム次第では、決済のファイナリティに疑義が生じる可能性。また、特定のブロックチェーン上で開発されるDeFi商品やサービスが増えて取引処理が競合すると、決済時間の遅延や取引手数料の上昇を招き、アクセシビリティに影響を及ぼす可能性。その解決策として、ライトニングネットワーク等のオフチェーンでの活動を伴う「レイヤー2」メカニズムなどが検討される。
    6. 伝統的なカストディ活動との比較
      • DeFiでは、利用者が自分のウォレットを通じてセルフカストディする場合やスマートコントラクトに預ける場合もある。後者の場合、盗難、ハッキングその他のサイバーセキュリティの脆弱性のリスクに晒される。また、セルフカストディする利用者も秘密鍵の紛失又は侵害によって、暗号資産を失う/盗まれるリスクがある。
    7. 伝統的な資金調達との比較
      • DeFiでは、DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)を使った資金調達の実験的なプロジェクトが増加し、DAOの長期的な運営は中央集権化を抑制する可能性。もっとも、DAOによる当初の組織化や資金調達には、依然として中央集権的な行為者が関与している可能性。
  • FSBの報告書は、DeFi関連のハッキング被害が暗号資産のハッキング・盗難の被害の75%以上を占めることに加え、DeFiの技術・性質がもたらす規制上の問題点やリスクとして、(1)規制遵守の責任を負う者の特定が困難、(2)適用される法的管轄が明確でない、(3)違法行為や不正行為を誘引する、(4)金融安定に対するリスク等を指摘。
  • DeFi関連のサイバーセキュリティ上の事故等
    • DeFiでは、多数の運用上・サイバーセキュリティ上の事故等が発生。
    • DeFi関連のハッキングは、2021年9月までの暗号資産のハッキングや盗難総額4億8,100万米ドルの75%以上。
    • 規模の拡大が続く場合、DeFiの脆弱性はより広範な金融システムの機能や信頼性に影響を及ぼすとともに、暗号資産の金融安定に対するリスクも増大させる可能性
  • DeFiの技術・性質がもたらす規制上の問題点やリスク
    • DeFiプラットフォームは、ガバナンストークンの発行による分散型のガバナンス構造を目指しており、公的機関や規制当局による規制遵守の責任を負う事業者や個人の特定が困難(プラットフォームが完全に分散化されている場合、責任主体が存在しない可能性)
    • DeFiのグローバルな性質から、適用される法的管轄が必ずしも明確でない又は十分に定義されていない可能性
    • DeFiは本人確認が不要。また、利用者に対してプライバシー強化(又は脱法)技術を提供した場合、取引の追跡が困難となり、違法行為、マネーローンダリング、テロ資金供与又は制裁措置の回避を誘引する可能性
    • 十分な規制や市場監視がない場合、DeFiや関連するプラットフォームが金融安定に対するリスクをもたらす可能性IOSCOの報告書は、DeFiにおいては、投資家保護、市場の公正性(market integrity)、金融の安定性について、既存の金融と同様のリスクがあるとともに、DeFi特有のリスクや課題があると指摘。
  • 分散型金融(DeFi)が有しうるリスク例
    1. 情報の非対称性や不正のリスク
      • 不適切な広告や重要情報の不開示等によって投資家が損失を被る可能性
      • 破綻コストを個人投資家に集中させるなど詐欺的なDeFiのスキームが存在
    2. 市場の公正性(market integrity)に関するリスク
      • 従来型の市場におけるリスクと同様の、開示情報における虚偽記載、相場操縦、利益相反等から生じるリスク
    3. フロントランニング又は詐欺と同様のリスク
      • 発掘者がブロックチェーン上の取引を再注文/検閲できる能力を利用して利益を得ることで、利用者が不利な取引を強いられ、ブロックチェーンによる取引処理・決済のファイナリティへの信頼が失われる可能性
    4. フラッシュローン(DeFiプロトコルで見られる無担保融資の一種)
      • 一つのトランザクション内で取引終了前に返済すれば担保は不要である仕組みだが、プロトコルのコーディングエラー等の脆弱性を招く可能性
    5. 市場への依存
      • バリデーター、裁定取引業者、流動性プロバイダー等が参加するにあたり手数料のインセンティブ構造が存在するが、その構造が破綻した際にプロトコルが破綻する可能性
    6. レバレッジの利用
      • レバレッジの利用は、清算リスクが顕在化した場合、そのリスクを悪化させる可能性
    7. 不法行為リスク
      • DeFiの多くの商品・サービスにはAML/CFT規制がなく、潜在的に重大なマネロン・テロ資金供与リスクが存在するとともに、不法行為者はミキサー等の匿名性強化技術を利用することで制裁回避等を行うことが可能
      • DeFiで取引を行う者が制裁対象者や不正な活動によって調達された暗号資産と関わる重大なリスク
    8. オペレーショナルリスク及びテクノロジーに基づくリスク
      • オペレーショナルリスクとして、情報システムやプロセスの欠陥、ヒューマンエラー等が、商品やサービスの縮小、悪化、故障につながる可能性
      • DeFiは、伝統的な仲介者からテクノロジーへ信頼を移行させることを目指しているため、テクノロジーに基づくリスクが内在
    9. サイバーセキュリティ
      • DeFiの発展途上かつパーミッションレスな性質のため、プロトコルやスマートコントラクトは、サイバーセキュリティ攻撃、特にハッキングの影響を受ける可能性
    10. 発展途上であることに伴うリスク
      • ブロックチェーン技術とDeFiは発展途上であることから、(1)インターフェイスの理解しやすさ、(2)取引処理のための拡張性(取引速度の迅速性・取引コストの問題を含む)、(3)サポート性、(4)信頼性(紛争メカニズム・救済の欠如等)に係る課題が存在
    11. ガバナンスリスク
      • 名目上は「分散型」でも、特定の投資家やベンチャーキャピタリスト等がプロトコルやスマートコントラクトのガバナンスに関して発言権や裁量権を有しうることによって他の投資家が被るリスク
    12. 中央集権的/伝統的な市場へのリスクの波及
      • 中央集権的な暗号資産取引プラットフォームは、暗号資産取引ひいてはDeFiの中核となっており、これらの暗号資産取引プラットフォームのリスク(利益相反リスク、カストディを通じた暗号資産の管理に関する集中リスク、レバレッジ、取引リスク等)がDeFiに直接影響を与える可能性
      • 伝統的な金融機関がDeFiプロジェクトや取引、ステーブルコインビジネスの支援活動に関与する場合、伝統的なビジネスとその運営にリスクをもたらす可能性があり、(拡大した場合)運営に重大な影響を与える可能性
  • 暗号資産型のステーブルコインを巡る課題
    • 暗号資産型ステーブルコインの中には、金融商品取引法に規定する有価証券に該当するものもあり得る。この場合、金融商品取引法に規定する開示規制や業規制(電子記録移転権利を自ら発行・募集する場合には第二種金融商品取引業の登録が必要になる場合があるほか、当該権利の募集の取扱いや売買の媒介を行う場合には第一種金融商品取引業の登録が必要になる)等が適用され得る。
    • なお、例えば暗号資産と価値が連動するステーブルコインも上記イ[注:アルゴリズムで価値の安定を試みるもの等]に含まれ得ると考えられるところ、EUの規制案では、複数の暗号資産を組み合わせて価値安定を図るものも含む資産参照型トークンについて、発行者に対する開示義務等を課すこととしている。上記イに該当する暗号資産型のステーブルコインに対する発行者規制の要否等については、今後の利用実態や諸外国の制度整備の動向等も踏まえつつ、検討することが考えられる。
  • 発行者の提供する機能と金融システムへの影響等
    • 我が国のように銀行をデジタルマネー発行者とする制度下では、デジタル化が進展する下での預金保険のあり方についても論点となり得る。銀行等が銀行法等に基づき提供するデジタルマネーサービスについては、金融システムの安定確保・預金者保護の観点から、預金者等から受け入れた(チャージされた)資金を預金として、その性格に応じ決済用預金又は一般預金等として、預金保険の保護対象とする扱いとなっている。
    • 預金保険のあり方は、引き続き、金融システムの安定確保・預金者保護の観点から、今後のデジタルマネーを含む預金の利用状況等を踏まえながら、提供されるサービスの実態・機能に着目して検討することが基本となると考えられる。
  • デジタルマネーの発行者に関連するその他の論点
    • デジタルマネーの発行者と関連する論点として、いわゆるナローバンクの議論がある。この議論は、幅広い論点を含み得るが、預金保険との関係という観点からは、以下のア、イに大別できる。
      • (ア)預金保険の適用のある銀行等を前提に、預かり資産の運用機能を高流動性・安全資産等に限定すること等により、専ら決済機能を提供することを想定する場合(銀行型)
      • (イ)預金保険の適用のない銀行等以外の主体を前提に、預かり資産の運用機能を高流動性・安全資産等に限定すること等を想定する場合(非銀行型)
    • ア(銀行型)については、運用機能が限定されることに伴う銀行規制・監督をどう考えるか等の論点がある。イ(非銀行型)については、現行の資金移動業と異なり自ら資産運用を行うのであれば、破綻時の利用者の償還請求権保護等の観点から、厳格な兼業規制や財務規制等のほか、利用者の運用資産に対する優先弁済権の付与を検討する必要がある。さらに、発行者破綻時の迅速な払戻し機能(セーフティネット機能)の必要性等についても検討すべきと考えられる。
    • また、イ(非銀行型)については、預かり資産を自ら金融市場等で運用することを想定すると、大規模な発行・償還が金融市場に与える影響等への対応も必要となる。こうした観点から、例えば、預かり資産を中央銀行預金で資産保全するモデルが議論されることもある。さらに、イ(非銀行型)の業務の規模が大規模になる場合は、銀行等の金融仲介機能への影響も生じ得る。

~NEW~
金融庁 保険業界の地域連携に係る取組みについて
▼生命保険業界の地域連携に係る取組みについて(一般社団法人生命保険協会作成)
  • 生命保険協会においては、本部にて一部自治体によるウォーキングイベントへ協賛しているほか、各都道府県の地方事務室にて自治体や関係機関等と連携しながら子育て支援、福祉関連支援や防災・防犯に関する地域密着型の取組みを実施している。
  • 生命保険会社においては、本業と親和性が高い「健康増進」や「疾病対策」等に焦点を絞った取組み、高齢者や子育て世代、女性などへの支援、あるいは地域に根差した営業体制や資産運用の一環で様々な拠点等を有するといった強みを活かした取組みなど、それぞれの特色を活かしながら、地域社会の課題解決や発展に向けた多種多様な取組みを推進している。こうした取組みの実施にあたり、自治体においても、生命保険会社と協定の締結等を行い、信頼性の面から取組みを後押しするほか、主催イベント等における場の提供など具体的な支援を実施いただいている。
    1. 健康増進に関する取組み
      • スポーツ大会・ウォーキング大会・各種啓発セミナー・イベント(アプリを利用したものを含む)等の開催・共催・協賛等(住友生命、ソニー生命、SOMPOひまわり生命、第一生命、太陽生命、チューリッヒ生命、日本生命、明治安田生命、メットライフ生命)
      • 健康増進に係る情報提供等の実施(朝日生命、アフラック生命、住友生命、太陽生命、日本生命、三井住友海上あいおい生命、明治安田生命)
      • 企業の健康経営の支援(アクサ生命、かんぽ生命、住友生命、大同生命、三井住友海上あいおい生命、明治安田生命)
      • ラジオ体操の普及促進(巡回ラジオ体操会、1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭の実施)(かんぽ生命)
      • 自治体・健康保険組合向け糖尿病予防プログラムの提供(日本生命)
    2. がん・疾病等対策に関する取組み
      • 自治体・病院との連携・協定の締結等によるがん検診・健康診断の受診率向上等のための啓発活動等の実施(アフラック生命、朝日生命、ジブラルタ生命、住友生命、第一生命、大同生命、日本生命、富国生命、マニュライフ生命、三井住友海上あいおい生命、明治安田生命)
      • 乳がんの早期発見・治療を促すピンクリボン運動への参加(イベント協賛、セミナー開催)(朝日生命、大樹生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、富国生命、明治安田生命)
      • 一般向け講演会や学校での出張授業の実施(アフラック生命、チューリッヒ生命、マニュライフ生命、明治安田生命)
      • 治療と仕事の両立支援の促進に資する取組みの実施(アクサ生命、SOMPOひまわり生命、明治安田生命)
      • 生活習慣病に関するセミナーの実施、大学・研究機関への助成(朝日生命、大樹生命、明治安田生命)
      • 専門団体と連携し、電話相談の支援やチャリティーイベント等の開催・参加(ソニー生命、大樹生命)
      • 子ども心身ケアに関するリーフレット等での情報提供や、セミナーの開催(第一生命、明治安田生命)
    3. 高齢者の見守り・認知症対策に関する取組み
      • 認知症サポーターやキャラバン・メイトの養成・配置(朝日生命、かんぽ生命、ジブラルタ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、大樹生命、太陽生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、富国生命、マニュライフ生命、明治安田生命、メットライフ生命)
      • 高齢者の見守り活動等の実施による事故等の未然防止への協力(朝日生命、ジブラルタ生命、住友生命、第一生命、日本生命、マニュライフ生命、三井住友海上あいおい生命、明治安田生命)
      • 認知症・介護等に関する理解促進のためのセミナーの開催・協賛(太陽生命、日本生命、フコクしんらい生命、マニュライフ生命、明治安田生命)
      • チラシ・ポケットティッシュの配布等による振込詐欺・特殊詐欺防止のための情報提供の実施(第一生命、日本生命、富国生命、明治安田生命)
    4. 子育て支援に関する取組み
      • 保育園・託児所の開設、地域の子育て世代の交流の場の設置(アフラック生命、かんぽ生命、メットライフ生命)
      • 自治体が実施する子育て支援施策・イベントへの協力・協賛(住友生命、第一生命、富国生命)
      • 子ども食堂への寄附や食材寄贈等の実施(チューリッヒ生命、日本生命、明治安田生命)
      • より良い子育て環境づくりに取り組む団体への表彰(住友生命)
      • イメージキャラクターによる病院訪問活動(ソニー生命)
    5. 女性活躍推進に関する取組み
      • 自治体からの依頼等に基づく、女性活躍・年金・健康・人生設計等をテーマとした女性対象セミナーの実施・共催(住友生命、ソニー生命、明治安田生命、メットライフ生命)
      • 自治体主催の女性活躍推進等の認定・表彰への積極応募(アフラック生命、日本生命、明治安田生命、メットライフ生命)
      • 女子高校生のキャリア意識形成を支援する体験型実技演習プログラムへの協賛(ジブラルタ生命)
      • 将来の女性リーダーの育成を目的とした、女子大学生へのロールモデル・ネットワークプログラムの無償提供(メットライフ生命)
    6. 中小企業振興に関する取組み
      • ビジネスマッチングの支援/企業交流イベントの実施(住友生命、第一生命、大樹生命、日本生命、明治安田生命)
      • 自治体との包括連携協定による自社施設内での地場産品物産展の開催(住友生命、大樹生命、日本生命、明治安田生命)
      • 事業継承のセミナー開催、情報提供等(アクサ生命、日本生命、三井住友海上あいおい生命)
      • 自治体実施の中小企業支援策普及への協力(大同生命)
      • 自治体の健康寿命延伸産業発展への協力(大同生命)
      • 会社経営(自社株評価・財務分析、人事労務等)に関する情報提供(三井住友海上あいおい生命)
      • 商工観光課等と連携した道の駅イベントへの運営協力を通じた地元出荷者・企業への支援(明治安田生命)
    7. その他領域に関する取組み
      1. スポーツ振興に関する取組み
        • スポーツイベント・スポーツ教室の開催・協賛・ブース出展等(かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、大樹生命、太陽生命、日本生命、明治安田生命)
        • スポーツ教室の開催、小学校へのスポーツ用品の寄贈の実施(ジブラルタ生命、日本生命、明治安田生命)
        • 障がい者スポーツの普及を通じたソーシャル・インクルージョンに資する取組み(アクサ生命、日本生命)
        • 地域顧客、取引企業等への働きかけを通じた、地方スポーツチームへのクラウドファンディングの支援(マニュライフ生命)
      2. 防災・防犯・交通安全に関する取組み
        • 自治体・警察等との連携による防災・防犯・交通安全に関するPR活動・情報提供の実施(かんぽ生命、住友生命、第一生命、日本生命、明治安田生命)
      3. 教育(金融経済等)に関する取組み
        • 消費者教育教材の学校への提供や出張授業・寄附講座・受入授業等の実施(アクサ生命、ジブラルタ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、第一フロンティア生命、大樹生命、チューリッヒ生命、日本生命、明治安田生命、メットライフ生命)
        • 教員向け研修の実施(アクサ生命)
        • リユース処理したPCの、へき地・複式・小規模校への寄贈(ジブラルタ生命)
        • 作文コンクールへの団体応募の受付(第一生命)
        • 来店型店舗での店内見学や社員による職業体験等の実施(日本生命)
      4. 環境保護・文化に関する取組み
        • 森林等での自然環境整備活動(保全活動、外来植物の除去、プラスチックごみ回収)の実施(太陽生命、日本生命、メットライフ生命)
        • 苗木の贈呈による環境保護活動への貢献(大樹生命)
        • 地域の伝統文化保存維持費用助成のための制度を運営(明治安田生命)
      5. 福祉関連に関する取組み
        • 地元福祉団体等への寄付・イベント開催・ボランティア協力(チューリッヒ生命、メットライフ生命)
        • 特別支援学校、障がい者施設、養護学校等でのチャリティーコンサートの実施(富国生命、明治安田生命)
        • フードドライブ活動の実施(第一生命、明治安田生命)
        • 自治体運営の水族館・動物園が開催する障がい者支援イベントへの協賛(ジブラルタ生命)
        • 障がい者の就職スキル習得機会の提供(メットライフ生命)
        • 自社オフィス内にて、地域コミュニティに対し新型コロナワクチン職域接種の機会を提供(メットライフ生命)
▼孤独死の未然防止に関する地域連携協力(一般社団法人日本少額短期保険協会作成)
  • 第6回孤独死現状レポートから読み解けること
    1. 孤独死は全世代の問題
      • 孤独死は「高齢者問題のひとつ」という認識は誤り。
      • 働き盛り、現役層の孤独死
      • 独り立ちしたばかりの若者の孤独死
    2. 賃貸住宅居室内孤独死の自殺問題は、孤独死の深刻さを示す。
      • 特に20代~30代の若い女性の自殺占率の高さに注意が必要
    3. 孤独死未然防止策立案の糸口
      • 女性の孤独死早期(3日以内)発見割合の高さから推測して「普段から親や友人と連絡を取り合うこと」を国として支援することが、未然防止につながるのではないか。
      • 遠隔地にいる「年老いた親」「単身赴任中の親」「親元を離れた学生・社会人」との安否確認を家族が常時とれていれば、異常の早期発見、本人へのコンタクトの取りやすさにつながる。
      • 「家族の絆を取り戻す」⇒孤独死の未然防止になるのではないか。
  • 自治体との連携(案)
    1. 孤独死の現状についての周知・意見交換・情報提供
      • 各自治体に対して、孤独死現状レポートを中心に孤独死の現状を理解いただく場の提供。孤独死保険に関する説明や、業界の孤独死に関する活動の説明等を実施※オンラインでの開催を想定
    2. 孤独死関連企業と自治体との孤独死未然防止ワークショップの開催
      • 孤独死保険のみならず、孤独死対策委員会とつながりのある孤独死関連企業(見守りサービス・特殊清掃業者等)と、各自治体による、孤独死未然防止のためのソリューションを検討するワークショップ等を開催※オンラインでの開催を想定
    3. 孤独死対策ガイドの策定(仮)
      • 上記の(1)と(2)をメインの活動としつつ、必要があれば各自治体が利用できる体裁の「孤独死対策ガイド」(チラシ形態)を作成することも検討

~NEW~
内閣官房 物価・賃金・生活総合対策本部
▼議事次第・資料
  • ウクライナ情勢等を背景とする原材料価格上昇等により、国内企業物価は5月は前年比9.1%と上昇が続いており、価格上昇品目にはさらなる広がりがみられる。
  • 消費者物価は、エネルギーや食料品の値上げを背景に上昇。4月は、携帯通信料引下げ効果の剥落もあり、前年比2.5%と約30年ぶりの高い伸び(総合)。ただし、G20諸国の半数程度が7%以上となる一方、日本は下位3番目であるなど、諸外国に比べて低い伸びにとどまる。
  • 我が国のエネルギー・食料品の物価上昇率は、これまで実施してきたガソリン等の激変緩和事業や電気代の燃料費調整制度、小麦の国内価格上昇を抑制する政策等もあり、欧米に比べて低い伸び。
  • 消費者物価の上昇は、主にエネルギー(約6割)、生鮮食品(約2割)、生鮮食品を除く食料(約2割)に起因。消費者物価上昇に寄与する品目については、品目ごとに、きめ細かな対応を用意。
  • ウクライナ情勢で、輸入小麦の国際価格(買付価格)が2~3割上昇しているが、政府の国内製粉企業への売渡価格は、9月までの間、据え置く。10月以降も、輸入価格が突出して急騰している状態であれば必要な抑制措置を講じ、パンや麺類などの価格高騰を抑制する。
  • 飼料の高騰による畜産物の生産コストの上昇を緩和するため、官と民による基金から生産者に補填金を交付し、畜産物の価格上昇を抑制(対象四半期の輸入原料の平均価格と、その前1年間の平均価格との差額を補填。)。令和3年度補正予算において異常補填基金への230億円の積増しを措置するとともに、総合緊急対策において、435億円の積増しを措置した上で、令和4年度第1四半期・第2四半期の異常補填の発動基準を特例的に引き下げ。
  • 昨年来、穀物需要の増加や原油価格の上昇等に伴い、化学肥料の原料価格が高騰。中国等からの調達も不安定となっており、昨年11月の経済対策及び本年4月の総合緊急対策に基づき、(1)調達国の多角化による原料の安定調達、(2)土壌診断を通じた施肥量の適正化、(3)堆肥等の活用推進の対策を実施中。さらに、現在の肥料原料価格の上昇を受けて、農産品全般の価格上昇を抑制するため、生産コスト1割削減を目指して、2008年の対策も参考に、グリーン農業と肥料高騰への支援を組み合わせた新しい支援金の仕組みを創設し実施する。
  • 家庭等については、電力自由化後も、経過措置として規制料金を存続。⇒自由化の中でも、家庭等は、規制料金を選択することが可能。規制料金には、燃料費高騰に伴う調整に上限を設けることで、電気料金の急激な上昇に一定の歯止めがかかる仕組み。⇒東京、中部を除く8社は、8月までに上限に到達
  • 本年4月に拡充した地方創生臨時交付金(総額1兆円)の活用も念頭に置き、各地方において様々な取組が出現。(現在、地方議会において補正予算案を審議中)。
  • 一部の電力会社では、独自に電気の効率的な利用の取組も出現
  • こうした取組が拡大すれば、個々の国民・企業の皆様にとって負担の抑制となるだけでなく、日本全体の電力コストの抑制にもつながる。このため、より多くの国民・企業の皆様に、こうした電力各社の仕組みに御参加いただけるよう、電気の利用効率化を支援し、それを電気料金負担の抑制にも活用していただく新たな措置を検討。
  • 原油価格の高騰を受け、燃料油価格の激変緩和事業を今年1月から実施。4月26日に取りまとめた「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」において、支給の上限を25円から35円とし、更なる超過分についても1/2を支援し、基準価格をガソリン全国平均価格168円に引き下げるなど、累次にわたり支援を拡充。1月下旬以降、ガソリン全国平均価格は、170円前後で推移。
  • 本年の月例賃金の賃上げ率は、現時点で4年ぶりに昨年同時期を上回り、コロナ禍前(令和元年)の水準と同程度となっている。
  • 本年の夏季一時金(ボーナス)は、現時点で前年から約6万円の増加となり、コロナ禍前(令和元年)程度の水準が見込まれている。
  • 最低賃金については、これまで賃上げしやすい環境を整備しつつ、全国加重平均1000円となることを⽬指し、引上げに取り組んできた。物価が上昇する中で、官民が協力して、最低賃金の引上げを図るとともに、その引上げ額については、公労使三者構成の最低賃金審議会で、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、しっかり議論していく。

~NEW~
内閣官房 国家公務員のためのマネジメントテキスト
▼【概要版】国家公務員のためのマネジメントテキスト(2022.6 ver.)
  • 現在、国家公務員をめぐる環境は、大きく変化しています。職員の価値観や家庭事情等が多様化する一方で、デジタライゼーションの進展等により大量の情報処理や職務遂行・政策決定のスピードアップが求められていることに加え、新型コロナ禍への対応も必要となるなど政策課題は複雑・高度化しており、特に、最前線で公務の遂行にあたる管理職の責任や負担は、更に大きなものとなっています。
  • このような状況の中、誰もが働きやすい職場を作り上げ、職員がやりがいを感じて成長を続けながら、かつ、仕事の成果を挙げていくためには、管理職一人一人が、業務や人材のマネジメントに係る能力を向上させることが必要ではないでしょうか。
  • 内閣人事局では、良質なコミュニケーションを重視する観点から、管理職のマネジメント能力向上に資するような手法等を紹介するため、このテキストを作成しました。管理職に求められるマネジメントについて理解し、できることから少しずつ実践してみてください。職場における新しいマネジメントの推進に向け、みんなで一緒に頑張りましょう。
  • 管理職に求められるマネジメントとは?(出典)管理職のマネジメント能力に関する懇談会報告書
    • 組織の使命や任務を遂行するため、方針や目標を設定してメンバーと共有・深化させること。
    • チームメンバーである部下一人一人の能力を最大限に発揮させ、また育成しつつ、できるだけ効率的に目標達成を図ること。
  1. 職場環境・職員意識の変化とマネジメントの必要性
    • 職場環境・職員意識は大きく変化。
      • 新型コロナウイルス感染拡大後、仕事と比べて生活を重視へと変化
      • 30歳未満の男性職員の7人に1人、女性職員の9人に1人が3年以内に離職の意向
      • 総合職・一般職(大卒)の国家公務員試験申込者数は新試験導入後最少、ピーク時より6割減
      • 男性職員のほぼ全員(99.0%)が育休等を取得
      • 共働き世帯や役職者の中で、介護に従事する者が増加など
    • 職場の資源を有効に活用し、業務を推進するためには、管理職がマネジメントに更に注力することが必要。
    • 業務を効率的・効果的に進められるようになれば、管理職自身のワークライフバランス環境も向上。
  2. マネジメントの基盤を作るコミュニケーション
    • マネジメントの基盤となるのは、メンバーが働きやすく、助け合いながら成果を挙げることができるようなチーム。こうしたチームを作るためには、「心理的安全性」の確保が必要。
    • 「心理的安全性」が確保されたチームとは?
      • 「意見を言ったら否定されるのではないか」「変なことを言ったと思われて恥をかくのでないか」「ミスを報告したら責められるのではないか」といった対人関係のリスクがないと信じることができる、率直に質問をしたり、自分の意見を言ったり、誤りを認めたりすることができるチーム
      • チームとして機能し、成果を挙げるためには、組織内における良質なコミュニケーションを通じた信頼関係の構築が不可欠。
    • 管理職との間だけでなく、チームメンバー間でも良質なコミュニケーションを維持・確保することが必要。
    • 管理職による良質なコミュニケーションの実践方法
      1. 【日常編】
        • Step1 気持ちよく働ける環境づくり
          • いつも明るい態度、相談しやすい雰囲気、話を聞いてくれそうな姿勢など
        • Step2 傾聴と自己開示~対話での工夫~
          • 傾聴とは?→相手の言うことを否定せず、耳も心も傾けて、相手の話を丁寧に「聴く」対話。
          • そして、部下の話を理解する姿勢を示すこと
      2. 【実践編】
        • 定期的なコミュニケーションの機会の設定
        • 1on1ミーティング=相手の成長と成果を支援するために1対1で行う対話(面談)
          *現在、多様な経験や能力を持つ多くの職員を民間企業等から中途採用。メンターの指名等、中途採用職員の経験や能力を積極的に生かすための取組が重要。
  3. 業務をマネジメントする
    • チームメンバーである部下に仕事を割り振り、部下一人一人が目標達成に向けて円滑に業務を進めていくためには、プレーヤーから管理職へ、仕事のやり方の質的転換が必要。
    • 管理職にしかできないこととは?
      • 組織の目標を踏まえ、チーム全体で何をやるべきか/何をやらない・やめるかを判断
      • チームの人員や予算を踏まえ、効果的なジョブ・アサインメントを実施 ※ジョブ・アサインメント=組織の目標を踏まえ、部下に行わせる職務を具体化した上で割り振り、その職務を達成するまで支援すること(内閣人事局「マネジメント行動のポイント」より)
    • 業務をマネジメントする行動の4つのプロセス
      1. やるべき仕事・やめる仕事の決定
        • チームの仕事の全体像の決定→チームとして目指すべき目標を示し、それを踏まえて業務を取捨選択・見直し。把握できていない不要業務がないかもチェック。
        • 各業務の具体的な目標の設定→業務の目的・期限・目指すべき成果は何か、緊急度・重要度などを明確化し、チーム内で共有。
      2. 誰が何をどこまでやるべきか
        • 部下に業務を割り振るコミュニケーション→業務の目的・意義、期限、具体的に何をすべきかを明確に伝え、認識を共有。
        • 自分と部下の業務分担のあり方→チーム全体の業務状況を見ながら、部下に割り振る仕事と、自分がやる必要がある仕事を決定。
        • チーム内における業務分担の見える化・共有化→リスクを含めた情報・知見を共有。
      3. 業務の進捗状況の把握と支援
        • 支援につながる業務の進捗状況の把握→「丸投げ」するのではなく、定期的なミーティング、スケジュールの共有などにより進捗状況を把握。
        • 業務遂行の支援→部下それぞれの状況を踏まえ、指導やアドバイスを行い、ゴール・業務分担の見直しなども検討。
      4. 成果・ミッション達成の確認
        • 成果を確認し、部下の業務完了を確認。
        • 一連の業務遂行における自身のマネジメント行動を振り返り。
    • 柔軟な働き方を推進する上で、勤務時間の適切な把握等を通じて、業務や割振りの見直しを行うことが必要。また、テレワークの活用に当たっては、テレワーク中の部下だけでなく、出勤している部下への接し方も含めてコミュニケーションを工夫し、職場環境を改善することが必要。
    • トラブルを発生・拡大させないための方法、発生後の対応について、過去の事案から学ぶことも有用。
  4. 人材をマネジメントする
    • 組織全体の方向性を捉え、中長期的な視点で将来の組織を支える人材を育成することは、管理職の本来業務。短期的にも、人材育成に留意しなければ、部下のモチベーション低下や離職などにより、仕事に悪影響。
    • 日々の業務において、部下のやりがいやエンゲージメント(自発的な貢献意欲)を高め、部下一人一人の能力を底上げ。
    • 人材マネジメントの効果
      • 成果の増大 部下の納得感・やりがい増加×部下の成長→成果の増大
    • 部下の成長を支援するマネジメントとは?
      • 部下をよく知る(傾聴して、能力・志向・思考・状況等を知った上で支援)⇒部下が業務に納得感とやりがいを持ち、能力を発揮
      • 部下の成長を褒め、承認する⇒部下のモチベーションが向上、次にチャレンジ
    • 業務を通じて成長するために必要な要素
      1. ストレッチ目標の設定
        • 成長のために、ストレッチ目標(適度に挑戦的な目標)を設定。部下の話をよく聞いた上で「腹落ち」させ、業務の意義と部下への期待も伝達。
      2. 振り返り
        • 目標に取り組んだ後は、必ず振り返りを行い、達成度合を検証。1)経験し、2)振り返り、3)周囲からのコメントを踏まえ、4)足りないスキル等について研修を受けたり情報収集をし、1)‘再び経験する…という「経験学習」のループが大切。
      3. 職場メンバーの巻き込み
        • 自分ひとりで部下の成長支援を抱え込まず、メンター(自己の経験等を元に助言等の支援を行う先輩職員)の指名などにより、職場全体で部下の成長を支援する体制を構築。
    • 部下の能力を引き出すためのコミュニケーション例:コーチング=問いかけによって部下の持ち味や可能性に気づかせながら、部下が自ら目標を達成できるよう、動機付けや支援を行う方法

~NEW~
首相官邸 国土強靱化推進本部(第14回会合)議事次第
▼資料1 国土強靱化年次計画2022(案)の概要
  1. 2022年度の国土強靱化の取組のポイント
    1. プログラム推進のための施策の充実・強化
      1. 5か年加速化対策の推進(令和3年度~令和7年度)
        • 123の対策ごとに設定した中長期の目標の達成に向けて、個別に進捗を管理。2年目となる令和4年度までに約7.2兆円を確保。
        • 複数年にわたる大規模な事業等を円滑に実施できるよう、国庫債務負担行為の柔軟な活用等を推進。
      2. 地域の強靱化の推進
        • 地域計画は、全都道府県及び1,688市区町村(約97%)で策定が完了(令和4年5月時点)。
        • 今後は、全ての主体にとって共通の目標となる「目指すべき将来の地域の姿」を示し、その実現のために「いつまでに」「どこで」「誰が」「どのような」対策を講じるのかを位置づけるなど、実効性ある地域計画へ内容を改善・充実。
      3. 官民連携の促進と「民」主導の取組の活性化
        • 大規模自然災害発生後の経済活動の維持、迅速な復旧復興を可能とするため、民間企業等の事業継続の取組の促進、自治体や事業者との連携強化など、民間団体を核とした地域の防災・減災、国土強靱化の取組を進めることとし、それに対して支援。
      4. 広報・普及啓発活動の推進
        • 「国土強靱化 広報・普及啓発活動戦略」に基づき、①国土強靱化の理念や具体的な効果等のわかりやすい発信、②受け手の視点に立った情報発信・媒体の活用、③関係機関による主体的・積極的な取組等を基本方針として、関係府省庁が連携し、広報・普及啓発活動を実施。
      5. 個別重点事項
        • 気候変動への対応、予防保全等による老朽化対策など、政府全体の取組の中で重点的に実施。
        • 新技術・イノベーションについては、防災研究におけるニーズとシーズの把握及び効果分析手法の開発を行い、計画的・戦略的な研究開発を進める。
        • 令和3年7月の大雨等による災害を通じた経験等を踏まえ、盛土による災害の防止などの必要な施策を推進。また、福島県沖地震を踏まえ、被害の原因分析や課題を整理し、対応を検討。
    2. 国土強靱化基本計画の変更に向けて
      • 現在の基本計画策定から3年経過したことに鑑み、次期基本計画の見直しの検討に着手。「5か年加速化対策」後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に国土強靱化の取組を進めていくことの重要性等も勘案して、次期「国土強靱化基本計画」に反映させるべく見直しに向けた取組を進める。
      • 見直しに当たっては、これまでの国土強靱化の取組、国土強靱化の理念、社会情勢の変化、近年の災害からの知見などを踏まえるとともに、地域や民間の取組の活性化、国土強靱化の計画等の体系のあり方など、今後の国土強靱化のあり方全般について議論を進める
  2. 年次計画2022の主要施策(主な例)
    • あらゆる関係者と協働した流域治水対策、インフラ施設等の耐震・津波対策、老朽化対策の推進
    • 災害に強い国土幹線道路ネットワーク機能の確保のための高規格道路のミッシングリンク解消
    • 集中豪雨等の観測体制の強化・予測精度の向上、防災デジタルプラットフォーム及び防災IoTの構築、ロボット・ドローン技術の活用、スマートフォンを通じた避難に関する情報等の提供、被災状況収集を行う防災チャットボットの社会実装を加速など、災害関連情報の予測、収集・集積・伝達の高度化
    • 安全性把握のための詳細調査及び対策工事の支援など、盛土による災害の防止
    • 災害関連死の防止、避難生活環境の向上に向け、地域の専門人材を育成する「避難生活支援・防災人材育成エコシステム」の構築等
  3. 5か年加速化対策の進捗管理
    • 全体でおおむね15兆円程度の事業規模(財政投融資の活用や民間事業者等による事業を含む)を目途としていたところ、2年目となる令和4年度までに約7.2兆円を確保。

~NEW~
内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
▼閣議関係資料(6月)
  • 日本経済の基調判断
    • 現状【判断維持】景気は、持ち直しの動きがみられる。(先月の判断)景気は、持ち直しの動きがみられる。
    • 先行き先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、ウクライナ情勢の長期化や中国における経済活動の抑制の影響などが懸念される中での原材料価格の上昇や供給面での制約に加え、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要がある。
  • 政策の基本的態度
    • 政府は、今後とも、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める経済財政運営の枠組みを堅持し、民需主導の自律的な成長とデフレからの脱却に向け、経済状況等を注視し、躊躇なく機動的なマクロ経済運営を行っていく。
    • 「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を具体化する令和3年度補正予算及び令和4年度予算を迅速かつ適切に執行する。「コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」」を実行するとともに、「物価・賃金・生活総合対策本部」を立ち上げ、切れ目のない対応として、予備費の機動的な活用をはじめ、物価・景気両面の状況に応じた迅速かつ総合的な対策に取り組む。
    • その上で、6月7日に閣議決定した骨太方針2022及び新しい資本主義のグランドデザインや実行計画に盛り込まれた施策を着実に実施するとともに、これらを前に進めるための総合的な方策を早急に具体化し、実行に移す
    • 日本銀行においては、中小企業等の資金繰り支援に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、金融緩和を継続する措置がとられている。日本銀行には、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
  • 個人消費
    • 個人消費は、持ち直しの動き。外食や旅行等のサービス消費は持ち直しが続く。ただし、旅行では居住地から近隣県への旅行の回復が中心となっている。
    • 街角の景況感は、物価上昇への懸念もある一方、人出の増加や夏季の行事・旅行への期待等から上昇。
    • 直近まで個人消費を週次の消費金額でみると、6月にかけても概ね平年を上回る水準。
  • 物価
    • ウクライナ情勢等を背景とする原材料価格上昇等により、国内企業物価は5月は前年比9.1%と上昇が続いており、価格上昇品目にはさらなる広がりがみられる。
    • 消費者物価は、エネルギーや食料品の値上げを背景に上昇。4月は、携帯通信料引下げ効果の剥落もあり、前年比2.5%と約30年ぶりの高い伸び(総合)。ただし、G20諸国の半数程度が7%以上となる一方、日本は下位3番目であるなど、諸外国に比べて低い伸びにとどまる。
    • 我が国のエネルギー・食料品の物価上昇率は、これまで実施してきたガソリン等の激変緩和事業や電気代の燃料費調整制度、小麦の国内価格上昇を抑制する政策等もあり、欧米に比べて低い伸び。
  • 世界経済
    • 世界の景気は、中国において足踏みがみられるものの、持ち直し。OECD見通しでは22年の世界成長率は3.0%と、コロナ禍前と同程度の見込み。ただし、ウクライナ情勢を背景に成長率は下方修正。OECD諸国の22年のインフレ率は8.8%と34年ぶりの高い伸びとなる見込み。
    • 足下の消費者物価は、欧米では前年比8~9%と、一段と上昇。失業率は引き続き低下傾向。この下で、世界的に金融政策の正常化が引き続き進展。
    • ウクライナ情勢の長期化が懸念される中で、エネルギー、食料価格は引き続き高水準で不安定な動き。
    • 中国では、厳しい防疫措置が徐々に緩和される中で、生産、消費は引き続き伸びが足踏み。
  • 企業収益
    • 1-3月期の経常利益は、製造業・非製造業ともに前年比で増益となり、概ねコロナ前の2019年を上回る水準。非製造業では、飲食サービス業や宿泊業などで、本業の利益を表す営業利益は赤字。
    • 中小企業製造業では、経常利益は原材料価格の上昇等を背景に前年比で減益。経常利益(売上高対比)をみると、商品仕入原価などが計上される売上原価の増加が下押しに寄与。
    • 価格転嫁の程度を表す疑似交易条件(販売価格DIと仕入価格DIの差)をみると、中小企業では、加工系製造業において特に悪化。引き続き価格転嫁が重要。
  • 雇用情勢
    • 雇用情勢は、持ち直しの動き。就業者数は緩やかに増加し、失業率は3か月連続で低下。就業率(就業者数/人口)も、特に25~64歳の女性において、コロナ前を上回る水準まで上昇。
    • 求人は持ち直し。求人広告掲載件数をみると、生産工程等やサービスなど、幅広い業種において増加。ハローワークによるネット経由の日次有効求人も、引き続き増加。
    • 一人当たり賃金は、所定内給与の増加が続いたことなどから、4月も前年比プラス。2022年春季労使交渉について、賃上げ率は2.09%と昨年を上回る状況。民間機関の調査によると、夏のボーナスも、4年ぶのプラスとなる見込み。
  • 輸出入・生産
    • 我が国の輸出は概ね横ばい。アメリカや欧州向けは、持ち直しの動きがみられる一方、中国は5月も減少。輸入は、中国の活動制限の影響の緩和などから下げ止まり。
    • 生産は持ち直しの動きに足踏み。供給制約等により、輸送機械は持ち直しに足踏み。また、電子部品・デバイスも、中国の活動制限の影響などから増勢が鈍化しているものの、世界の半導体の需要見通しは、2022年は上方修正され、2023年も一層の増加が見込まれるなど、半導体製品に対する強い需要は今後も続く見込み。
  • 設備投資・住宅建設
    • 設備投資は持ち直しの動き。1-3月期の設備投資は、製造業では前期比プラス。機械投資には持ち直しの動きがみられる。ソフトウェア投資は月々の振れを伴いながら、均してみると緩やかに増加。
    • 2022年度の設備投資の見通しは、前年度比16.0%増と高い伸びとなっており、脱炭素やエネルギー効率上昇に向けた投資の実現が重要。
    • 住宅建設は、賃貸マンションや分譲マンションの需要増加を反映し、底堅い動き。

~NEW~
内閣府 第37回 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ
▼【資料2】給料ファクタリング事業者に対する集団的消費者被害回復請求事例報告(適格消費者団体・特定適格消費者団体特定非営利活動法人さいたま消費者被害をなくす会提出資料)
  1. 給料ファクタリング業者に対して訴訟を提起するに至った経緯
    1. 端緒
      • 2020年1月ころ、給料ファクタリングという名目で出資法の年20パーセントを大幅に超える割合の手数料(1ヶ月未満先の買取で手数料20パーセント・年利換算300パーセント以上)でお金を貸し付けている事業者の相談が増えている現状を把握した。相談の多い事業者として株式会社ZERUTA(新宿区・サービス名七福神)などの名前があがった。
    2. 事業者の事業の概要
      • 給料ファクタリング業者が行っているのは、違法な高金利金融であるが、出資法や貸金業法の脱法を意図したものである。具体的には、給料のうち一定額を給料ファクタリング業者に譲渡する賃金譲渡契約書を締結する。その際、手数料を控除し、たとえば給料のうち、5万円を4万円で買い取る契約をする。そして、この譲渡した分の5万円の給与債権について、給料ファクタリング業者は、顧客に対して無償で債権回収を委託する。消費者が、回収した金員を期日までにファクタリング業者に振り込むことを条件に、ファクタリング業者は、勤務先に対して債権譲渡通知を送付しないという契約内容である。これは、4万円の金員に1万円の利息を付けて返済するのと同じことになる(この場合、実質金利は年利300%以上であり、出資法で事業者に刑事罰が処される年20%を大幅に上回る)。
    3. 法的な問題点
      • 五稜会事件判決(最判H20.6.10)
      • 出資法違反の違法な高金利の貸し付けについては、いわゆる五稜会事件判決(最高裁平成20年6月10日判決)が存し、業者に給付した金額は不法原因給付にあたり、返還義務がない。業者に返還した金額は全額損害として賠償請求できる。上記の例では、受領した4万円を控除することなく事業者に支払った5万円が損害となる。
      • 家具リース、車金融に関する刑事裁判例等の存在(大阪地判H13.9.27など)法形式にとらわれず、出資法違反等を認定している。
      • 労働基準法の直接払いの規定があり、そもそも債権譲渡として構成することはできない。この点に関しては2020年3月に金融庁も同様の見解を公表した。
    4. 多数性・共通性の要件
      • 集団的消費者被害救済制度では、多数性と共通性の要件をみたすことが、共通義務確認訴訟の要件とされる。この点も検討された。
      • 新聞などでも報道され始めており、規模はともかく多数性の要件はみたすものと考えられた。また、貸し付け条件は、HP上、手数料10パーセントからとされており、相談把握している20%でない事例があるとしても、いずれも出資法違反の金利相当額を優に超えており、共通性の要件もみたすと考えられた。
    5. 本件を扱う意義
      • 消費者は、こういった事業者からの借り入れを勤務先に知られたくないという方が多く、多数の消費者が泣き寝入りを強いられている。また、この事案を個人で行った場合、わかって契約しているのだからというような見方をされたり、当該個人が生活上の問題を抱えたりしていることなどから、訴訟提起した場合でも和解等を強いられ、判決で当該商法の違法性を確認する事態まで至らない。そうすると、給料ファクタリング事業者の違法性が消費者に周知されないまま被害が継続していくおそれがあるのではないかと考えられた。そこで、共通義務確認訴訟を提起し、給料ファクタリング事業者が、不当利得返還義務を負うことが確認できると、同一の商法の撲滅につながるという社会的意義もあるのではないかと考えられた。
    6. 本件を扱う場合の問題点
      1. 実際の被害回復の困難性
        • 事業者が訴訟中に事業を停止したうえで、事実上の逃走を図るという問題が常にある。この点で、実際の被害回復につながるのかどうか、二段階目の手続きの実効性に疑問がある。共通義務確認の判決後、二段階目の手続きは義務なので当会に赤字が生じる危険性が十分に考えられる事案であった。
      2. 社会的意義も重視
        • しかし、当会としても、特定適格消費者団体の認定を受けている以上、なるべく早い段階でこの制度を利用した訴訟を経験する必要と責任を意識してきたこともあり、給料ファクタリング商法の撲滅という社会的意義を重視し、2020年1月に取り扱うことを検討委員会で決定し、2月に訴状案を確定し、その際、国民生活センターの立担保援助制度を利用することも決めた(正式には3月理事会で承認手続き)。
  2. 保全手続き
    1. 被保全債権の特定について
      • 被保全債権については、通常の民事訴訟では、かなり厳格な特定が必要とされるが、共通義務確認訴訟を本案とする仮差押手続きにおいては、債権者数とその平均損害額を想定して、その総額で特定することになる。今回は、国民生活センターから開示を受けたパイオネット相談情報において、自ら又は知人が契約していることを内容としている件数(14件)をもとに、消費生活センターに相談する人は全体の5パーセントを超えることはないこととの想定のもと債権者(対象消費者)の数を280名と想定した。損害額については、当会で把握している相談例の一回の買取額が5万円であったことから5万円と想定し、1400万円を被保全債権額の総額として特定した。
      • この金額をあまり大きくすると、担保金の額が増えてしまうため、その意味でも若干控えめに想定する必要もあった。
    2. 国民生活センターによる立担保援助制度の利用
      • 当会において、訴訟及び保全手続きについて、正式に理事会で承認されたのは、2020年3月24日であるが、保全手続きを早期に行う観点から、国民生活センターへは3月中旬ころから事前に相談させていただいていた。
      • その結果、援助申込を翌25日に行い、援助のための審査会は翌26日に開催してもらうことができた。審査会を経て同日中に援助決定の連絡をもらう形になり、翌27日にさいたま地裁に仮差押の申し立てをすることができた。なお、その後の立替保証委託契約による立担保に至るまで国民生活センターの援助は極めて迅速で、協力的であった。
    3. 仮差押決定と保全の成否
      • 3月27日に保全の申立をしたものの、仮差押決定は1か月以上経過した4月28日になりようやく発令された。担当裁判官の転勤や新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響などで裁判所からの補正やその対応などについて、かなりの時間を経過することになった。この間に、一定の財産が散逸した可能性が疑われる事情もあり、この点については、極めて残念に思っている。なお、担保金の額は、仮差押債権の30%の額である420万円であった。
      • 結果として、保全できた金額は200万円程度にとどまっている。
  3. 訴訟提起
    1. 訴訟提起に至るまでの事情の変化
      1. 金融庁が見解を公表
        • 金融庁が2020年3月はじめに、給料ファクタリング事業については、貸金業に該当するとの見解を公表した。これにより、給料ファクタリング事業者が無登録で貸金業を営業していることになり、事業が違法であることが行政府の見解として明確にされた。
      2. 判決の報道
        • 3月下旬、東京地裁において、給料ファクタリング事業者に対する損害賠償請求が認容されたとの新聞報道がなされた。
      3. 個別の被害者を申立人、原告とする被害救済弁護団による保全及び訴訟提起
      4. (株)ZERUTAの営業停止と給料ファクタリング業者の廃業
        • 同種事業者も多くが営業を取りやめ、ホームページ上の広告も(違法を前提とする事業者を除けば)、ほとんどなくなった。
        • 本件訴訟が目指した給料ファクタリング事業の違法性の確認については、訴訟提起に至る経過までに概ね達成されたといえる状況となった。
    2. 本案訴訟の提起と判決
      • 2020年6月8日に訴訟を提起した。送達の確認などに期日を要したが、2021年2月26日、当会の請求を全部認容する判決がなされ、3月18日に確定した。
      • なお、この間、警視庁が被告代表者ほか、被告関係者を逮捕し、その後、法人であるZERUTAとともに代表者外1名を出資法違反等の罪で起訴し、有罪判決が出されている。
    3. 簡易確定手続きの申し立てから配当まで
      • 裁判所との事前協議等を経たのち、2021年4月12日に簡易確定手続きの申し立てを行い、5月18日に開始決定を得た。手続き参加の募集を経て23名から授権し、届け出債権としては、20,457,139円(遅延損害金、申立団体に支払う費用
      • 相当の損害賠償請求権含む)を届け、全額が確定した。回収額は1,937,320円(本執行による払戻し金)。これを按分配当して手続きは修了した

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消費者庁 第4回 景品表示法検討会(2022年6月23日)
▼【資料1】今後の検討の方向性(案)
  • 1~3について、速やかに検討を進め(独占禁止法等他法令も参考とする)、年内を目途に取りまとめを行う。
    • 専門・技術的な観点からの検討が必要なものについては、別途検討の場を設ける(例:ステルスマーケティング)
      1. 効率的かつ重点的な法執行の実現
        1. 悪質事業者への対策⇒違反行為を繰り返した事業者に対する課徴金算定基準、特商法等との連携等
        2. 自主的な早期是正・再発防止措置の導入⇒確約手続※1(改善計画)等
      2. デジタル化等の社会状況の変化への対応
        1. 国際化への対応⇒書類送達規定、海外当局との協力等
        2. 消費者を誤認させるおそれのある表示への対応⇒ステルスマーケティング※2等
      3. 消費者利益の回復の充実等
        1. 消費者利益の回復策⇒確約手続(再掲)、課徴金制度に係る自主返金制度(電子マネー等の活用)等
        2. 執行体制整備・連携⇒都道府県との連携、特定適格消費者団体等との連携等
      4. 中長期的な検討課題
        • 供給主体性※3、ダークパターン※4等
          • ※1 確約手続:我が国では独占禁止法において導入されており、独占禁止法違反の疑いについて、公正取引委員会と事業者との間の合意により自主的に解決する仕組み。確約手続は、排除措置命令又は課徴金納付命令と比べ、競争上の問題をより早期に是正し、公正取引委員会と事業者が協調的に問題解決を行う領域を拡大し、独占禁止法の効率的かつ効果的な執行に資するものとされている。
          • ※2 ステルスマーケティング:広告主が自らの広告であることを隠したまま広告を出稿する行為
          • ※3 供給主体性:事業者が景品表示法の規制対象となるために必要とされる要件。景品表示法第5条で禁止される不当表示は、事業者が「自己の供給する商品又は役務の取引について」行う一定の表示であることから、事業者が問題となる商品・役務を「供給」していること、すなわち「供給主体性」が認められることが必要である。
          • ※4 ダークパターン:消費者を不利な決定に誘導する表記やサイト設計等。在庫の少なさを強調する「あおり」や、特定のボタンを目立たせる「誘導」などが代表例とされている。
  • アフィリエイト広告とステルスマーケティングの関係性
    1. 「誰が」広告表示を作成するか
      • アフィリエイト広告:広告主の委託によりアフィリエイターが広告表示を作成
      • ステルスマーケティング:広告主が自ら広告表示を作成/広告主の委託によりアフィリエイターが広告表示を作成
    2. 「どのように」広告宣伝を行うか
      • アフィリエイト広告:広告と明示する/広告と明示しない
      • ステルスマーケティング:広告と明示しない

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消費者庁 「公益通報者保護法別表第八号の法律を定める政令の一部を改正する政令案」に関する御意見募集について
▼意見募集要綱
  1. 意見募集対象
    • 公益通報者保護法別表第八号の法律を定める政令の一部を改正する政令案
  2. 改正の趣旨等
    • 公益通報者保護法(平成16年法律第122号)の対象法律を定める政令を改正し、性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(令和4年法律第78号)を、公益通報者保護法の対象法律に追加する予定です。
    • つきましては、以下の要領にて広く国民の皆様の御意見を募集いたします。
    • お寄せいただいた御意見につきましては、内容を検討の上、政令案作成の参考とさせていただきます。
  3. 意見募集期間
    • 令和4年6月22日(水)から令和4年6月24日(金)10時まで(必着)
  • 公益通報者保護法別表第八号の法律を定める政令の一部を改正する政令案の概要について
    1. 改正の趣旨
      • 国会における立法動向等を踏まえ、公益通報者保護法別表第八号の法律を定める政令(平成17年政令第146号。以下「八号政令」という。)について所要の改正を行うもの。
    2. 改正の内容
      • 性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(令和4年法律第78号)を、「国民の生命、身体、財産その他の利益にかかわる法律」として、八号政令で定める法律に追加する。
    3. 施行期日
      • 性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律の罰則規定の施行日

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消費者庁 令和3年度食品表示に関する消費者意向調査報告書を掲載しました
▼令和3年度 食品表示に関する消費者意向調査報告書
  • ふだん食事に気を付ける必要の有無については、「特に気を付けることはない」を除けば、「肥満・メタボリックシンドローム」が21.3%と最も多く、次いで「高血圧」が18.8%、「糖尿病」が11.6%、「脂質異常症」が9.6%
  • 食品の購入頻度は、「週に数回購入している」が51.7%と最も多く、次いで「月に数回購入している」が16.4%、「全く購入していない」が12.1%、「ほぼ毎日購入している」が11.3%。
  • 食品購入時に「消費期限」又は「賞味期限」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は77.6%
  • 食品購入時に「原材料」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は60.9%。食品購入時に「原料原産地名」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は61.3%。食品購入時に「添加物」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は50.8%。食品購入時に「アレルゲン」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は25.6%。
  • 食品購入時など、ふだんの食生活において「栄養成分の量及び熱量(栄養成分表示)」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は62.6%。食品購入時に確認する「栄養成分の量及び熱量(栄養成分表示)」について、「脂質」が50.8%と最も多く、次いで「たんぱく質」が50.5%、「糖質」が50.3%、「炭水化物」が37.3%。
  • 「保健機能食品」について、「聞いたことはあるが、どのようなものか知らない」が56.7%と最も多かった。「機能性表示食品」について、「現在摂取している」と「以前摂取していたが、今は摂取していない」を合わせると31.1%。
  • 「特定保健用食品(トクホ)」を摂取している頻度については、「週1、2日」が28.7%と最も多く、次いで「毎日」が21.7%、「決まっていない」が20.1%、「週3~6日」が17.7%。「特定保健用食品(トクホ)」を摂取している理由については、「特に理由はない」を除くと、「表示されている機能(機能性)を期待しているため」が61.2%と最も多く、次いで「安全性が担保されているため」が20.9%、「表示されている機能(機能性)にかかわらず、商品自体を気に入っているため」が17.2%、「人から勧められたから」が8.6%。
  • 食品購入時に「遺伝子組換え食品」の表示を参考にしていると回答した者の割合(「いつも参考にしている」と「ときどき参考にしている」の合計)は35.9%。遺伝子組換え大豆又はとうもろこしの一定の混入はやむを得ないとされていることを知っている者の割合は16.5%。ゲノム編集技術応用食品ついて、「聞いたこともなく、どのようなものかも知らない」が51.3%と最も多かった。ゲノム編集技術応用食品の印象については、「特段、印象はない」を除くと、「なんとなく安全性に不安がある」が32.2%と最も多く、次いで「健康に良いなど、メリットがあれば食べてみたい」が24.5%、「遺伝子組換え食品との違いがよく分からない」が20.5%、「安全性に不安がある」が16.7%。
  • 加工食品の原料原産地について、「表示されている商品」を購入するが34.3%と最も多く、次いで「値段による」が27.1%、「気にしない」が20.8%、「表示されている産地による」が14.0%
  • おにぎりの「のり」が新たに原料原産地表示の対象品目に追加されたことについて知っている者の割合は8.2%。
  • 「消費期限又は賞味期限」を確認する際に不便に感じる点としては、「不便ではない」が31.8%と最も多く、次いで「確認していない(見ていないため分からない)」が21.0%、「文字が小さくて見にくい」が20.0%、「容器包装の底面など目立たないところに表示されているため見つけにくい」が19.0%。
  • 「食品表示」をより分かりやすく、活用しやすいものにするために必要だと思うものについて、「今の食品表示のままでよい」が34.2%と最も多く、次いで「情報量を絞り、文字を大きくする」が28.4%、「アプリ等を利用し、知りたい情報をすぐ読み取れるようにする」が17.5%、「表示事項をバラバラに複数の面に分けて表示し、文字を大きくする」が11.0%
  • 文字を大きくした方がよいと思うものについては、「消費期限又は賞味期限」が64.7%と最も多く、次いで「保存方法」が40.9%、「原産国」が39.3%、「原材料名」が30.4%
  • 事業者に表示内容について問い合わせたことがある者の割合は5.8%。問合せした内容としては、「保存方法」が28.0%と最も多く、次いで「名称」が23.5%、「消費期限又は賞味期限」が23.1%、「添加物」が22.1%

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国民生活センター 国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(令和4年度第1回)
  • 国民生活センター紛争解決委員会によるADRの実施状況と手続結果の概要について公表する。
  • 実施状況(平成29年度~令和4年4月末日)
    • 平成29年度累計申請件数 172件
    • 平成30年度累計申請件数 177件
    • 令和元年度累計申請件数 204件
    • 令和2年度累計申請件数 166件
    • 令和3年度累計申請件数 136件
    • 令和4年度累計申請件数 8件
  • 結果の概要:紛争解決委員会(第55回会合、5月27日開催)での審議を踏まえ、結果の概要を公表。
    1. コンサルタント契約の解約に関する紛争
    2. 訪問販売による学習教材の返金に関する紛争
    3. クレジットカードの不正利用に関する紛争
    4. 包茎手術等の一部返金に関する紛争
    5. 結婚相手紹介サービスの解約に関する紛争
    6. 自動車の買い取り契約に関する紛争
    7. 住宅リフォーム工事の解約に関する紛争
    8. 寝具の解約に関する紛争
    9. クリーニング事故に関する紛争
    10. 大学の入学検定料の返金に関する紛争
    11. 出張配管洗浄サービスの料金に関する紛争
    12. 光回線契約の解除に関する紛争
    13. コンサルタント契約の解約に関する紛争
    14. コンサルタント契約の解約に関する紛争
    15. 海外留学あっせんサービスに関する紛争
    16. 結婚式と披露宴の解約に関する紛争
    17. エステティックサービスの返金に関する紛争
    18. 脱毛エステの返金に関する紛争
    19. 結婚式と披露宴の解約に関する紛争
    20. 美容手術費の返金に関する紛争
    21. 携帯電話の不具合に関する紛争
    22. 通信販売の定期購入に関する紛争

~NEW~
国民生活センター 刈払機で事故発生!注意して使用しましょう
  • 内容
    • 事例1 夫と草刈りをしていたところ、夫が振り返った際、動いたままの刈払機がふくらはぎに当たり受傷した。手術を要し、約2週間の入院となった。(被害者:80歳代 女性)
    • 事例2 刈払機を使用中に、誤って手を巻き込んだ。左人差し指を切断し、手の甲に切り傷を負い、入院となった。(被害者:60歳代 男性)
  • ひとこと助言
    • 刈払機を使用する前は必ず取扱説明書を読み、注意事項を確認してから正しく使用しましょう。
    • 作業するときは長袖、長ズボンの作業服を着て、ヘルメットや保護メガネなどの保護具を身に着けましょう。
    • 刈払機で作業する際は、飛散物や障害物などによって跳ね返った刈刃が当たる恐れがあるので、周囲の人から15メートル以上離れて作業しましょう。
    • 刈刃に巻き付いた草や異物を取り除く際は、必ず刈払機を止めてから行ってください。

~NEW~
厚生労働省 令和4年度第3回雇用政策研究会資料
▼【資料2】雇用調整助成金のコロナ特例について
  • コロナ期は、リーマンショック後の時期に比べれば雇用情勢の悪化度合いは相対的に小さかった一方、雇用調整助成金はリーマンショック後の時期をはるかに上回る規模で支給された。コロナ期においては、緊急事態宣言の発出を始め、人流抑制を伴う大規模な経済活動の抑制が行われ、経済活動が停滞するなかでの雇用維持支援が雇用情勢の大幅な悪化を防いだと考えられる。
  • リーマンショック期等と比較して、コロナ期の1年目の雇用調整助成金の支給は宿泊・飲食サービス業、卸・小売業、生活関連サービス業、娯楽業にも広く活用されている。営業自粛、時短要請などが影響していると考えられる。他方で、人々の移動の抑制に伴う対人旅客サービス停滞の影響もあり、運輸業において大規模な受給がみられる。
  • 雇用保険適用事業所に占める雇用調整助成金受給事業所の比率は、リーマンショック期が7.1%に対し、コロナ期(2021年1月まで)は17.9%と、コロナ期の方が雇用調整助成金の支援を受けている事業所割合が高く、経済ショックの影響が広範に及んでいることがうかがえる。
  • 地域別には、コロナ期の雇用調整助成金の支給は東京都を始めとする大都市圏に集中している。人口密度が高く、サービス経済化が進んでいることもあり、コロナの感染状況が深刻であり、人々の移動・行動が強く抑制されたことも反映していると考えられる。
  • 緊急雇用安定助成金については、非正規雇用比率が高いサービス関連の業種の支給割合が高い。
  • コロナ禍初期には、雇用調整助成金の申請手続の煩雑さ、支給の遅れが問題視されたが、申請受付時期と振込時期の間隔の推移をみると、徐々に短くなっている。迅速支給に向けた申請手続の簡素化など、行政の一定の努力が反映されていると考えられる。
  • 各国の雇用維持スキームの利用状況の推移をみると、2020年3月から4月にかけて感染者が急拡大しロックダウン等厳しい行動制限措置を強いたドイツ、フランス、イギリスでは、企業活動がほぼ停止するとともに多くの労働者が休業状態に入り、結果、スキームの申請は4・5月に爆発的に増加した。その後は各国水準は異なるものの徐々に減少していき、イギリスでは2021年9月にスキームを終了させている。日本(金額)については2020年7~10月がピークであり、10月から11月にかけて減少した後、しばらくは概ね横ばいで推移し、2022年に入り水準が下がってきている。
  • 2020年の各国の雇用維持スキームの規模を対GDP比でみると、アメリカ、イギリスでは2%を上回っており、日本は0.59%とドイツとほぼ同水準となっている。
  • 2020年、2021年の各国の雇用維持スキームの財源を比較すると、コロナで雇用維持スキームを新設したイギリスでは全て一般会計で支出されているが、その他の国では日本の雇用保険財政に相当する財源と一般会計の組み合わせとなっており、日本は相対的に雇用保険財政のカバレッジが大きくなっている。
  • 新型コロナウイルス関連の支援策の本年1月までの利用状況(申請して受給したと回答した割合)をみると、「政策金融公庫や民間金融機関のコロナ特別貸付やセーフティネット保証等による資金繰り支援」(38.0%)、「持続化給付金」(37.4%)、「雇用調整助成金」(36.0%)、「都道府県による左記以外の給付金や助成金、融資等」(26.5%)の順に高くなっている。
  • 主な支援策の複数利用状況をみると、「資金繰り支援」と「雇用調整助成金」の利用割合は18.2%、「持続化給付金」と「雇用調整助成金」の利用割合は17.5%、「資金繰り支援」と「持続化給付金」の利用割合は16.9%、3種類全ての利用割合は10.7%となっている。地域別にみると、「資金繰り支援」と「雇用調整助成金」の利用割合は「北陸・東海」(20.6%)、「南関東」(20.0%)、「近畿」(19.3%)の順に、「持続化給付金」と「雇用調整助成金」の利用割合は、「北陸・東海」(23.5%)、「南関東」(18.8%)、「近畿」(17.8%)の順に、「資金繰り支援」と「持続化給付金」の利用割合は、「南関東」(18.6%)、「中国・四国・九州」(18.2%)、「北陸・東海」(17.1%)の順に高くなっている。
  • 主な支援策の複数利用状況を企業規模別にみると、概ね規模が小さい企業の方が複数利用の割合が高くなっている。
  • 雇用調整助成金等による完全失業率の抑制効果を推計すると、その支給により2020年4~10月の完全失業率が2.6%ポイント程度抑制されたものと見込まれる(一定の仮定の下に算出したものであり、相当の幅をもってみる必要がある)。
  • ▼内閣府(2021)「日本経済2020-2021-感染症の危機から立ち上がる日本経済-」
    • 厚生労働省が公表する雇用調整助成金(以下「雇調金」)等の累積支給決定金額を基に、サンプル調査から得られる休業者1日当たりの平均支給金額、毎月勤労統計調査の常用雇用者数等の統計データ、過去に実施された雇調金の活用に関するアンケート調査等を用いて試算し、2020年4~6月期の失業率は、雇調金の特例措置等がない場合に比べて、3%ポイント程度抑制されたと見込まれるとしている。
    • 試算結果は相当の幅を持ってみるべきものとしつつも、リーマンショック時の雇調金による失業率の抑制効果が0.5~1.0%程度であったことを踏まえると、今回の効果はそれを大きく上回るものとみられるとしている。
  • ▼酒光一章(2021)「新型コロナ感染症拡大下における雇用調整助成金利用企業の特徴と助成金の効果─JILPT企業調査二次分析」(JILPTリサーチアイ第58回)
    • JILPT「新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(以下「JILPT企業調査」)を用いて、雇調金の利用企業の特徴と効果を分析。
    • 雇調金は、幅広い業種・規模で利用されている一方、5人以下の企業においては利用率が低いことを示し、極めて小さい企業が利用しやすくなるよう細かな目配りが一層求められると指摘。
    • 雇調金を利用した場合の雇用への影響を見ると、労働者総数あるいは非正社員、派遣労働者については、雇調金利用企業が雇用を減らしており、雇用調整の必要性の高い企業ほど雇調金を利用していることを反映していると考えられること、一方、正社員については雇調金利用企業で雇用を減らしているという傾向はみられないことから、雇調金は正社員に対して一定の雇用維持効果をもっている可能性があるとしている。
    • 雇調金の効果については、助成金がないと維持できない雇用を生み出すという置換効果と、助成金がなかった場合でも維持されていた雇用があるという死荷重の問題があるとし、雇調金利用企業において利用後に雇用の減少が緩和されていることから、現段階では置換効果はあまり問題ではないように思われる一方、死荷重の問題については、助成金の効率性の観点から引き続きの検討が必要であるとしている。
  • 井上裕介(2021)「コロナ禍の市場変動と企業対応-マクロ・ミクロの視点から-」樋口美雄/労働政策研究・研修機構編『コロナ禍における個人と企業の変容 働き方・生活・格差と支援策』慶應義塾大学出版会
    • JILPT企業調査を用いて、雇調金に総人件費の減少を下支えする効果があるかを分析。
    • 雇調金は、全産業でみて8.1%ほど総人件費を下支えする効果があり、業種別には非製造業でより効果が検証されたものと考えられるとしている。
    • ゾンビ企業の延命につながるか否かについては、もともと業績が厳しい企業で申請が多いという結果はみられず、現時点ではゾンビ企業を含むと考えられる業績のもともと厳しい企業で申請が多く行われているわけではないことが確認出来るとしている。
  • 小林徹(2021)「コロナ禍の企業業績の変化と需要喚起策・雇用維持策の効果」樋口美雄/労働政策研究・研修機構編『コロナ禍における個人と企業の変容 働き方・生活・格差と支援策』慶應義塾大学出版会.
    • JILPT企業調査を用いて、雇調金を受給した翌月または2カ月後、3カ月後の人員削減状況について分析。
    • 雇調金を受給した場合ほど数カ月先の人員削減が実施されなくなった傾向が示されていることから、雇調金の人員削減への影響は直後には明確ではないが、数カ月先になって人員削減が抑制される傾向が明確になるものと思われるとしている。
    • 新型コロナによる企業活動への影響を緩和させるための各種支援策が、企業業績や雇用維持に貢献していると考えられるデータの傾向が確認されたとしている。
  • 福田皓・山本勲(2021)「コロナ禍の政府による企業支援策と雇用維持・雇用削減への各効果」樋口美雄/労働政策研究・研修機構編『コロナ禍における個人と企業の変容 働き方・生活・格差と支援策』慶應義塾大学出版会
    • JILPT企業調査を用いて、雇調金の申請ないし受給が、その後の人件費をどのように変化させたかを分析。
    • 分析の結果、コロナの影響で業績が悪化した企業に対して支援が行き渡り、もともと業績が悪かった企業のゾンビ化にはつながっていないと解釈できることがわかったとしている。
    • 雇調金は、休業措置を組み合わせながらも、既存の人材を活用して事業の継続を目指す企業で申請された可能性が示唆されたとしている。
    • 雇調金では、申請・受給ともに1カ月先から3カ月先までの人件費に対してプラスの影響がみられ、コロナショックによる雇用調整や賃金調整を緩和していることが示唆されたとしている。
  • ▼Hoshi, T., Kawaguchi, D., & Ueda, K. (2021). The return of the dead? The COVID-19 business support programs in Japan, CREPE DP-100.
    • 2020年10月下旬から11月上旬にかけてTSRメールマガジン購読者を対象に行われたウェブアンケートの4,201社の回答を分析。このアンケート結果に、2019年12月時点のTSRの企業情報を組み合わせて、コロナ前の各企業の経営状態を把握。2019年時点の従業員数は平均160人・雇調金、持続化給付金、家賃補助、納税猶予などの制度への申し込みと承認に関する分析結果として、コロナ前の東京商工リサーチ評点が低かった企業のほうがこれらの制度に申し込み、承認されている確率が高いという結果を示している。
    • 新型コロナウイルス感染拡大のような非常事態においては、迅速な企業支援が求められるが、その迅速な対応が経営状態のもとより悪かった企業の支援策となってしまう傾向があることもこの分析から明らかになったとしている。
  • ▼Kawaguchi, K., Kodama, N., & Tanaka, M. (2021). Small business under the covid-19 crisis: Expected short-and medium-run effects of anti-contagion and economic policies. Journal of the Japanese and International Economies, 61, 101138.
    • 経営者、自営業者、自由業者本人を含む2019年時点で従業員20人以下のスモールビジネスの経営者を対象にウェブアンケート(マクロミルのモニター)を2020年5月に二回に分けて実施し、経営実績、業績予測、感染症に関する経営者の予測などを質問。
    • 2020年4月時点の雇調金の生産指標用件である、売上高の5%低下を閾値として回帰不連続デザインで、雇調金の支給が事業継続性見込み、雇用成長率見込み、設備投資予定に与える影響を分析(持続化給付金も同様に分析)。
    • 持続化給付金と異なり、雇調金では、事業継続見込みなどの業績見通しに対する効果が検出されないとしている。その理由として、5月中旬のため、まだ申請をしていない企業が多かったことや支給額は休業した従業者数に比例するので、スモールビジネスにとってのメリットは限定的であることを挙げている。
  • ▼川口大司(2021)「雇用調整助成金の効果、政府はデータに基づく科学的政策評価を」ダイヤモンド・オンライン
    • 雇用調整助成金の雇用維持効果について、労働経済白書は完全失業率を2.1%ポイント減少させる効果があったとしている。20年4~10月の完全失業率平均は2.9%であったため、仮に雇用調整助成金がなければ同時期の完全失業率は5.0%まで上がっていただろうという試算である。
    • この政策効果の試算は過大推定である。なぜならば、労働経済白書の推定は「雇用調整助成金等の完全失業率の抑制効果は、仮に雇用調整助成金等の支給がなければ、この月換算の雇用調整助成金等の対象者が全て失業したと想定して推計している」ためである。この想定に反して、企業は売り上げ減に見舞われても雇用を減らさない傾向がある。企業にフィットしたスキルを持った従業員を探すことは難しいし、労働者の質を見極めるのは難しいためである。従って、雇用調整助成金の対象となった労働者が、仮に雇用調整助成金がなかったならば全員解雇されていたとするのは極端な想定である。
    • 逆の極端な想定は、雇用調整助成金がなかったとしても誰も解雇されなかったというもので、この想定の下での政策効果は0%ポイントとなる。従って、政策効果の幅は0%ポイントから2.1%ポイントということだろう。
    • 労働力調査によれば19年平均の雇用者数は約6000万人なので、2.1%に当たる126万人が失業を免れたとすると1人の雇用を守るのにかかった費用は約250万円である。政策の是非を論ずるためには、失業者が経験する収入減などと比較する必要がある。
    • 雇用保険の行政記録情報を用いれば雇用調整助成金の雇用維持効果はより正確に計算できる。すでにある貴重なデータを生かして、科学的な政策評価を政府は行うべきだ。
  • 2022年4月の完全失業率は2.5%と前月より0.1ポイント低下。2020年11月以降3%以下の水準で推移している。また、有効求人倍率は前月から0.01ポイント上昇の1.23倍。新型コロナの影響による雇用情勢の悪化には歯止めがかかっている。
  • 2020年4月、5月に大幅に増加した休業者は、6月以降は平年の水準に戻りつつあり、2021年4月、5月は前年の反動で大幅に減少した。なお、感染拡大により緊急事態宣言等が発出された月には休業者の増加幅が大きくなる傾向にある。
  • 2020年3月から4月以降にかけて男女とも大きく減少した雇用者数は、2020年後半から2021年始めにかけて回復基調にあったが、その後は一進一退の動きとなっている。なお、女性の方が回復の度合いは大きく、2022年4月にはコロナ前の水準を回復して上回っている一方、男性ではコロナ前の水準に戻っていない。
  • コロナ禍における雇用者数の減少は、非正規雇用労働者の減少の影響が大きく、特に初期段階においては女性の減少が目立っていた。なお、2021年4月から9月にかけてはコロナの影響を大きく受けた前年の動きの反動もあり増加で推移し、10月以降再び弱い動きとなっていたが、2022年3月以降は女性の正規雇用を中心に再び増加に転じている。
  • 非労働力人口については、2020年4月に大幅に増加した後、女性は減少傾向で推移し、2022年4月にはコロナ前の水準を下回っている。一方、男性は一旦減少した後は一進一退で推移し、2022年4月においてもコロナ前の水準を上回っている。
▼【資料3】議論の整理(案)概要
  • 計3回の議論の中では、コロナ禍においては、感染への忌避や宿泊業、飲食サービス業を中心に多くの雇用機会が失われたことにより、女性・高齢者が非労働力化の傾向にあることや、労働市場の調整機能の低下により、失業期間の長期化や求職者数の高止まりがみられ、雇用のミスマッチが顕在化していること、また、企業規模等によってデジタル化の進展に遅れがみられていることなどが指摘された。
  • 加えて、施策面では、アフターコロナを見据え、労働市場の基盤強化を進めることや、人材育成を加速させることの重要性などが確認された。
  • 以上のような指摘を踏まえて、今般の研究会では、具体的に、コロナ禍での労働市場を取り巻く新たな環境変化を整理するとともに、今後の政策の具体的方向性について議論の整理を行った。
  • コロナ禍の経験を踏まえた労働市場を取り巻く変化と課題
    • 我が国の労働市場はコロナ前より、少子高齢化による労働供給制約がある中で、労働生産性の伸び悩みなどの構造的課題を抱えていた。コロナ禍の影響により、それらの構造的課題に加えて、雇用のミスマッチの悪化といった労働市場の問題や、テレワークの導入や不本意な非労働力化といった企業の取組や労働者の働き方等への影響など、新たな課題が健在化している。
      1. 課題1 労働供給制約とそれに伴う人手不足
        • 女性・高齢者の非労働力化が進行。今後、一層の人手不足も懸念されるため、非労働力化した方々の労働市場への復帰を促し、労働供給量を確保することが必要。賃金の上昇が望まれる中、必要な人材を確保する観点からも、企業には処遇改善への取組の加速が求められている。
        • 失業期間の長期化や求職者数の高止まりなど雇用のミスマッチの課題が顕在化。
      2. 課題2 働き方の多様化
        • 非正規雇用労働者を中心に多くの雇用が失われた一方、フリーランスやプラットフォームワーカーといった新しい働き方も注目。テレワーク等を活用し、柔軟に働き方を変えて仕事を継続できる労働者とできない労働者といった新たな働き方の差もみられている。
        • 働き方が多様化する中で、各企業・労働者が個々の状況に合わせて、ワーク・エンゲージメントを高める雇用管理の改善を図って行く必要。
      3. 課題3 デジタル化への対応と労働生産性の向上
        • テレワークの活用や企業のDXへの認識が高まるなど、デジタル化に向けた動きが加速しており、デジタル化への対応の差が労働生産性、賃金、そして柔軟な働き方といった格差に繋がるおそれ。
        • デジタル化の進展により企業の成長に求められるスキル・能力が高度化していることを踏まえ、労働生産性の向上に資するようなOJTやOFF-JTを含む人的資本投資の見直しが求められている。
      4. 課題4 豊かな人生を支える健康的な職業生活の実現
        • 休業経験やテレワークなどの新しい働き方がメンタルヘルスなど労働者のウェル・ビーイングにも影響を与えたことが指摘。
        • 生活時間と仕事の両立にも影響がみられており、テレワーク等の新しい働き方の下での家事、子育て、介護等も含む生活時間と仕事の両立の難しさや家庭内での男女間の格差が顕在化。
      5. 課題5 都市部と地方部における地域間格格差
        • 感染拡大が都市部を中心に生じたこともあり、都市部への人口流入の緩和等の動き。一方、地方部においては地域に多様な産業がないことの脆弱性や良質な雇用機会・人材が不足しているといった構造的課題も指摘。
        • 都市部では緊急事態宣言等を契機に多くの企業でテレワーク制度の整備が進んだ。一方、地方部ではデジタル化に向けた動きに遅れ。
  • コロナ禍の経験を踏まえた不確実性に強い「しなやかな労働市場」の構築
    • コロナ禍の経験を踏まえ、我が国の構造的な課題を克服していくためには、これまでの内部労働市場の強み(企業内での安定した人材育成や多様な人材活用など)を更に強化するとともに、外部労働市場の機能(多様な教育訓練機会やマッチング機能など)も活用しながら、コロナ禍のような不測の事態やグローバル化の更なる進展、急速な技術進歩やデジタル化による産業構造の変化に「柔軟」に対応でき、そうした様々な変化に対しても「弾力」を持つ、持続可能な労働市場(しなやかな労働市場)の構築に向け、I~IVの仕組みづくりを進めていくことが重要
      1. 人口減少下ではワーク・エンゲージメントを高めることを通じた労働生産性の向上についても取り組んでいくことが重要。企業内では労働者の多様性やワーク・エンゲージメントを意識し、労働者の意欲と能力を高め、引き出すことや、デジタル化への対応を始めとする新しい高度な技能を有する人材を育成していくこと。
      2. OFF-JTや他企業・他団体での経験など企業外の様々な人的資本蓄積の機会を活用する取組も含め、企業内部の人材育成を強化し、変化への対応力を高めること。そのような取組や、外部労働市場に内部労働市場の情報(賃金や必要なスキル)が伝わることで、外部労働市場からの人材確保を通じ、必要な人材確保と処遇改善を両立していくこと。
      3. ウェルビーイングの観点から、職業生活の長期化や労働者の多様性に即し、ライフステージや就業ニーズに応じた教育訓練や働き方の選択肢を拡充することで、企業の人材確保や社会全体の労働供給の増加に繋げること。
      4. 上記を支えるため労働市場の基盤強化を行い、多様性に即したセーフティネットを構築すること。
        1. 労働者のワーク・エンゲージメントを高め、労働生産性と企業業績の向上に繋げる仕組み
        2. 多様なチャネルを活用した労働者のキャリア形成と企業の人材育成を促進する仕組み
        3. ウェル・ビーイングへの取組が人材確保と労働供給の増加に繋がる仕組み
        4. 労働市場の基盤強化と多様性に即したセーフティネットの構築を通じ最適な資源配分を実現する仕組み
  • 「しなやかな労働市場」
    • 短期的な経済情勢の変化や長期的な産業構造の変化に対して「柔軟」に対応でき、そうした様々な変化に対しても「弾力」を持つ、持続可能な労働市場

~NEW~
厚生労働省 第88回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月23日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約78人となり、今週先週比は0.98と減少が続いているが、その減少幅は鈍化しつつある。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少が続いている。
    • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が続いている。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(6/5)で0.94と1を下回る水準となっており、首都圏では0.93、関西圏では0.95となっている。
  • 地域の動向※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
    1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.82と1を下回り、約90(札幌市約104)。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割弱。
    2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が1.08と1を上回り、約51。30代以下が中心。20代、50代及び70代で微減となる一方、その他の年代では微増又は増加。病床使用率は1割未満。栃木、群馬では今週先週比がそれぞれ0.95、0.93と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約35、47。病床使用率について、栃木、群馬では1割弱。
    3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が1.09と1を上回り、約86。30代以下が中心。全ての年代で微減又は微増。病床使用率は1割弱、重症病床使用率は約1割。埼玉、千葉、神奈川では今週先週比がそれぞれ1.09、1.08、1.12と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約58、50、61。病床使用率について、埼玉では約1割、千葉では1割未満、神奈川では1割弱。
    4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.95と1を下回り、約73。20代以下が中心。70代で微増となる一方、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は1割未満。岐阜、静岡でも今週先週比がそれぞれ0.69、0.75と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約62、42。三重では今週先週比が1.04と1を上回り、新規感染者数は約58。病床使用率について、岐阜では1割強、静岡では1割未満、三重では約1割。
    5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.93と1を下回り、約88。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強、重症病床使用率は1割弱。兵庫、奈良でも今週先週比がそれぞれ0.94、0.92と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約71、56。京都では今週先週比が1.0となり、新規感染者数は約79。滋賀、和歌山では今週先週比がそれぞれ1.05、1.01と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約76、50。病床使用率について、滋賀、和歌山では1割弱、京都では1割未満、兵庫では約1割、奈良では2割強。
    6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.99と1を下回り、約92。20代以下が中心。60代で微増となる一方、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は約1割。大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.87、0.92、0.95と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約62、96、149。佐賀、長崎、熊本では今週先週比がそれぞれ1.09、1.08、1.12と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約131、118、163。病床使用率について、佐賀、大分では1割弱、長崎では約1割、熊本では2割強、宮崎では1割未満、鹿児島では1割強。
    7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.98と1を下回り、約567と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は約4割、重症病床使用率は約1割。
    8. 上記以外 青森、島根、広島、山口、愛媛、高知の新規感染者数はそれぞれ約119、67、84、62、72、101。病床使用率について、青森では2割強、島根、広島、山口、愛媛、高知では1割強。
  • 今後の見通しと必要な対策
    1. 感染状況について
      • 新規感染者数について、全国的には一部の地域を除いて減少傾向が続いているが、その減少幅は鈍化しつつある。地域別に見ると、減少を続けている地域もあれば、横ばい又は増加の兆しが見られる地域もあるなど、感染状況の推移に差が生じている。特に、一部の人口規模が小さい地域では、クラスターの発生による新規感染者数の急増が見られる。また、沖縄県では横ばいや微増を繰り返しつつも減少傾向が続いているが、足下の数日は増加していることに加え、他の地域と比べて人口あたりの感染者数が多い状況が続いているため、今後の感染状況の動向について特に注視が必要。
      • 年代別の新規感染者数では、全国的には全ての年代で微減又は減少が継続しており、地域別で見ても概ね同様の傾向が見られるが、一部の地域では増加している年代も見られる。
      • 新規感染者の感染場所について、学校等における割合が減少傾向にあるものの、依然として高い割合で推移している。また、足下の数日では、保育所等における割合が増加基調となっている。
      • 今後の感染状況について、大都市における短期的な予測では急激な増加は見込まれていないものの、(1)ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫には徐々に減衰していくこと、(2)7月以降は梅雨明け、3連休や夏休みの影響もあり、接触の増加等が予想されること、(3)オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性もあること等から、今後は感染者数の増加も懸念されるところであり、医療提供体制への影響も含めて注視していく必要がある。
    2. 感染の増加要因と抑制要因について
      • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
        1. 接触パターンについて
          • 夜間滞留人口について、1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピークに迫る地域や超える地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
        2. 流行株について
          • BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、減少スピードが遅れる一要因となり得る。また、BA.2.12.1系統、BA.4系統及びBA.5系統が国内でも検出されており、モニタリングの継続が必要。
        3. ワクチン接種等について
          • 3回目接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後徐々に減弱することが予想される。
        4. 気候要因について
          • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇や降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
    3. 医療提供体制について
      • 沖縄県では、入院者数や病床使用率は横ばいから微増の状況にある一方、重症病床使用率は概ね減少傾向となっている。全国的には、これまでの新規感染者数の減少の動きに伴い、一部の地域を除いて病床使用率が減少が続いている。
      • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに全国的に減少傾向が続いている。
    4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
      1. サーベイランス等
        • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
      2. 自治体における取組
        • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
        • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
        • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
        • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
        • 先般、効果的かつ負担の少ない医療・介護場面における感染対策が示されたところであり、感染リスクや感染対策に関する知見が蓄積される中で、各施設の実情に合わせた無理のない感染対策を考えていくことが重要。
      3. ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等
        • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
        • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種率について、6月22日公表時点で65歳以上高齢者では約90%、全体では約61%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として開始された。また、新たなワクチンを1~3回目接種用として接種開始できるようになった。このワクチンは、従来の新型コロナワクチンとは異なる種類であり、ワクチンの多様性を確保できるとともに、国内で製造が行われることからワクチン供給の安定性の確保につながるものである。
        • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
      4. 水際対策
        • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
    5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
      • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
        • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
        • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
        • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
    6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
      • 全国的には新規感染者数の減少傾向が続いているものの、未だに感染レベルは高い状況が続くとともに、一部の地域では横ばい又は増加の兆しが見られる地域がある。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
        1. ワクチン接種について
          1. ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。あわせて、これまで1・2回目接種できていない方々にも改めて接種を検討していただくことが重要。
        2. 感染対策の徹底
          1. 基本的な感染対策として、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
        3. 外出等に際して
          1. 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食はできるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
        4. 体調管理について
          1. 軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
    7. 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
      1. 感染性・伝播性
        • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
      2. 感染の場・感染経路
        • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
      3. 重症度
        • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、限られたデータであること等を踏まえると、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。例えば、感染する前から高齢者施設に入所している利用者が感染し、基礎疾患の悪化等の影響で死亡するなど、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されている。高齢の感染者や基礎疾患を有する感染者の基礎疾患の増悪や、心不全や誤嚥性肺炎等の発症にも注意が必要。
      4. ウイルスの排出期間
        • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
      5. ワクチン効果
        • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
      6. BA.2系統
        • 現在は、BA.1系統からBA.2系統へ概ね置き換わった。世界的にはBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は減少傾向となっている。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、実際の入院及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
      7. XE、4、BA.5及びBA.2.12.1系統
        • 世界における2.12.1系統、BA.4系統及びBA.5系統の占める割合が増加しており、これらの系統はBA.2系統と比較して感染者増加の優位性が示唆されている。
        • 2.12.1系統、BA.4系統及びBA.5系統:WHOレポートでは、複数の国から集積した知見によると、BA.2.12.1系統、BA.4系統及びBA.5系統に関して、既存のオミクロン株と比較した重症度の上昇は見られないとしている。BA.4系統及びBA.5系統については、一部の国や地域で検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでいる。
        • XE系統(BA.1系統とBA.2系統の組換え体):WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されているが、世界における感染者数は減少を続けている。
        • 2.12.1系統、BA.4系統、BA.5系統及びXE系統は全て検疫で検出されている。ゲノムサーベイランスによると、引き続き国内ではBA.2系統が主流であるが、BA.2.12.1系統、BA.4系統及びBA.5系統については今後、検出割合が増加する可能性もある。ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

~NEW~
厚生労働省「令和3年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」を公表します
  • 厚生労働省は、このたび、令和3年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」の速報値を取りまとめましたので、公表します。
  • 概要
    1. 労災保険給付
      • 令和3年度の請求件数は1,274件(石綿肺を除く)、支給決定件数は1,011件(同)で、請求件数は昨年度と比べ増加、支給決定件数は昨年度とほぼ同水準となりました。
      • 石綿による疾病※1で、療養や休業を必要とする労働者や死亡した労働者のご遺族は、疾病発症が仕事によるものと認められた場合、「労働者災害補償保険法」に基づく給付の対象となります。
    2. 特別遺族給付金
      • 令和3年度の請求件数は546件で、支給決定件数は32件でした。
      • 石綿による疾病※1で死亡した労働者のご遺族で、時効(5年)によって労災保険の遺族補償給付を受ける権利が消滅した人については、「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づき、疾病発症が仕事によるものと認められた場合、「特別遺族給付金」が支給される仕組みとなっています。
  • 「労災保険給付」の請求・支給決定状況
    1. 肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚
      • 請求件数1,274件(前年度比189件、17.4%増)
      • 支給決定件数1,011件(同5件、0.5%減)
    2. 石綿肺((1)の件数には含まれない)※2
      • ・支給決定件数64件(同20件、45.5%増)
  • 「特別遺族給付金」の請求・支給決定状況 【別添表3、表4、表5、図2、図3-2】
    • 請求件数546件(前年度比506件、1,265.0%増)
    • 支給決定件数32件(同12件、60.0%増)
      • ※1肺がん、中皮腫、石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚。
      • ※2「石綿肺」は、じん肺の一種であり、じん肺として労災認定された事案のうち、石綿肺と判断したものを抽出し、別途集計している。

~NEW~
厚生労働省 令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
  • 厚生労働省は、令和3年度の「過労死等※1の労災補償状況」を取りまとめましたので、本日公表します。
  • 厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数※2などを、平成14年以降年1回、取りまとめています。
    • ※1「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。
    • ※2支給決定件数は、令和3年度中に「業務上」と認定した件数で、令和3年度以前に請求があったものを含みます。
  • ポイント
    • 過労死等に関する請求件数3,099件(前年度比264件の増加)
    • 支給決定件数801件(前年度比1件の減少)うち死亡(自殺未遂を含む)件数:136件(前年度比12件の減少)
  1. 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
    1. 請求件数は753件で、前年度比31件の減少。
    2. 支給決定件数は172件で前年度比22件の減少。うち死亡件数は前年度比10件減の57件。
    3. 業種別の傾向
      • 業種別(大分類)
        • 請求件数は「運輸業,郵便業」155件、「建設業」105件、「卸売業,小売業」92件の順で多い。
        • 支給決定件数は「運輸業,郵便業」59件、「製造業」23件、「卸売業,小売業」22件の順に多い。P4表1-2
      • 業種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業,郵便業」のうち「道路貨物運送業」124件、56件が最多。
    4. 職種別の傾向
      • 職種別(大分類)
        • 請求件数は「輸送・機械運転従事者」161件、「専門的・技術的職業従事者」110件、「サービス職業従事者」と「建設・採掘従事者」78件の順で多い。
        • 支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」54件、「専門的・技術的職業従事者」27件、「管理的職業従事者」19件の順に多い。
      • 職種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」150件、53件が最多。
    5. 年齢別の傾向
      • 請求件数は「50~59歳」268件、「60歳以上」256件、「40~49歳」168件の順で多い。
      • 支給決定件数は「50~59歳」67件、「40~49歳」55件、「60歳以上」36件の順に多い。
    6. 時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)の傾向
      • 支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」20件が最も多い。また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」56件が最も多い。
  2. 精神障害に関する事案の労災補償状況
    1. 請求件数は2,346件で前年度比295件の増加。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比16件増の171件。
    2. 支給決定件数は629件で前年度比21件の増加。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比2件減の79件。
    3. 業種別の傾向
      1. 業種別(大分類)
        • 請求件数は「医療,福祉」577件、「製造業」352件、「卸売業,小売業」304件の順で多い。
        • 支給決定件数は「医療,福祉」142件、「製造業」106件、「卸売業,小売業」76件の順に多い。P16表2-2
      2. 業種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療,福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」336件、82件が最多。
    4. 職種別の傾向
      1. 職種別(大分類)
        • 請求件数は「専門的・技術的職業従事者」599件、「事務従事者」512件、「サービス職業従事者」353件の順で多い。
        • 支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」145件、「事務従事者」106件、「サービス職業従事者」105件の順に多い。
      2. 職種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」373件、67件が最多。
    5. 年齢別の傾向
      • 請求件数は「40~49歳」703件、「30~39歳」556件、「20~29歳」495件の順で多い。
      • 支給決定件数は「40~49歳」200件、「20~29歳」153件、「30~39歳」145件の順に多い。
    6. 時間外労働時間別(1か月平均)の傾向
      • 支給決定件数は「20時間未満」が73件で最も多く、次いで「80時間以上~100時間未満」が44件。P24表2-6
    7. 出来事*別の傾向
      • 支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」125件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」71件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」66件の順に多い。*「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。
  3. 裁量労働制対象者に関する労災補償状況
    • 令和3年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は2件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。また、精神障害の支給決定件数は7件で、専門業務型裁量労働制対象者6件、企画業務型裁量労働制対象者1件であった。
  • 新型コロナウイルス感染症に関連する*脳・心臓疾患の支給決定件数は4件、精神障害の支給決定件数は18件であった。*請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。
  • 複数業務要因災害*に関する脳・心臓疾患の決定件数は8件(うち支給決定件数2件)で、精神障害の決定件数は0件(うち支給決定件数0件)であった。*事業主が同一でない二以上の事業に同時に使用されている労働者について、全ての就業先での業務上の負荷を総合的に評価することにより傷病との間に因果関係が認められる災害。

~NEW~
厚生労働省 第50回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼【資料3】男女の賃金の差異の開示の方針と省令等の関係性等
  • 省令
    • 情報公表項目へ「男女の賃金の差異」を追加
    • 常用労働者数301人以上規模の企業への「男女の賃金の差異」の公表・状況把握を義務付け
    • 「男女の賃金の差異」について、雇用管理区分ごとに加えて、全労働者についても公表
    • 初回の情報公表は、他の情報公表項目と合わせて今年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示
  • 告示
    • 情報公表項目へ「男女の賃金の差異」を追加
    • 「男女の賃金の差異」の具体的な計算方法等は厚生労働省雇用環境・均等局長が定めること
  • 通達
    • 「男女の賃金の差異」を公表することの趣旨
    • 我が国における男女間賃金格差の状況が他の先進国と比較して依然として大きい状況を踏まえて義務付けることとしたこと
    • 「男女の賃金の差異」は結果指標であるが、女性活躍推進の取組を進めることで相対的に差異が拡大すること等もあり得るため、「説明欄」の活用が重要であること
    • 「男女の賃金の差異」の数値の大小に終始することなく、女性活躍推進法に基づき、虚心坦懐に状況把握・課題分析を行い、取組を進めることが重要であること
    • 「男女の賃金の差異」の算定に当たり必要となる要素の考え方
    • 「男女の賃金の差異」の公表の区分を正規雇用労働者、非正規労働者、全労働者の3区分とすること(省令に規定する「男女の賃金の差異」の「雇用管理区分ごと」の公表は、他の項目と異なり、「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分での公表を必須とすること)
    • 具体的な計算方法、開示のイメージ
    • 「説明欄」の活用方法
  • 男女の賃金の差異を的確に理解するリテラシー等について
    1. 男女の賃金の差異を的確に理解するリテラシーの重要性
      • 平均を使って男女の賃金の差異を計算することとした場合、その数値の大小のみをもって当該企業の女性活躍推進の取組を理解できるものではないことから、厚生労働省としては、以下の点について、周知啓発を進めることが必要ではないか。
      • 企業においては、男女の賃金の差異の数値の公表に際して、説明欄を適切に用いて、自社の女性活躍推進の取組を説明することが重要ではないか。
      • 就職活動を行う者や労働市場に関する情報を扱う者においては、男女の賃金の差異を見る場合、数字のみを切り取って比較するのではなく、説明欄の記載内容を含め、当該企業の女性活躍推進の取組の実情や将来に対する姿勢を注意深く見極めること、いわば、「労働市場に係る情報を的確に理解するリテラシー」を持つことが重要ではないか。
    2. 男女間賃金格差の分析とこれを踏まえた対策に役立つツール
      1. 男女間賃金格差分析ツール
        • 平成22年変化する賃金・雇用制度の下における男女間賃金格差に関する研究会報告書の成果を踏まえ、厚生労働省において開発し、HP上で提供。
      2. 一般事業主行動計画策定支援ツール(平成27年)
        • 女性活躍推進法(平成22年男女間賃金格差研究会報告書を踏まえた上で策定)を受け、厚生労働省にて開発、HP上で提供。
      3. 人事労務データの収集や整理・統合
        • 賃金を含めた人事労務データの分析をするに当たっては、その前提として、これらのデータの収集や整理・統合といった作業が必要となるが、これら人事労務データの収集、整理・統合についても、企業による現状や能力は一様でないと考えられる。
        • 厚生労働省としては、データの収集や整理・統合に関するポイントを整理し、企業規模にかかわらず、広く周知することが適当ではないか。

~NEW~
経済産業省 6月27日は東京エリアで電力需給が厳しくなる見込みのため節電のご協力をお願いします【需給ひっ迫注意報】
  • 明日6月27日(月曜日)は、25日時点の気象予報からさらに気温が上昇する見通しとなったことから、東京エリアの電力需給は16時30分から17時の予備率が3.7%と、厳しい見通しとなっています。
  • 明日は、昼過ぎまでは電力需給にある程度の余裕がありますので、暑い時間帯には適切に冷房等を活用し、水分補給を行って、熱中症にならないよう十分に注意してください。一方で、夕方15時~18時の時間帯は、冷房等を活用いただきつつ、使っていない照明を消すなど無理のない範囲でできる限りの節電をお願いします。
    1. 電力の需給の状況
      • 明日6月27日(月曜日)は、25日時点の気象予報からさらに気温が上昇する見通しとなったことから、東京エリアの電力需給は16時~16時30分の予備率が4.7%、16時30分から17時の予備率が3.7%と、厳しい見通しとなっています。
      • 電力会社においては、火力発電の増出力、連系線を活用した電力の融通など追加の供給力対策を実施することとしていますが、電力需給は予断を許さない状況であり、さらなる気温の上昇とそれに伴う需要の増加、突発的な電源トラブル等が生ずれば予備率が最低限必要な3%を下回り、ひっ迫警報発令の可能性があります。
    2. 節電のご協力のお願い
      • 明日は、昼過ぎまでは電力需給にある程度の余裕がありますので、暑い時間帯には適切に冷房等を活用し、水分補給を行って、熱中症にならないよう十分に注意してください。一方で、夕方15時~18時の時間帯は、冷房等を活用いただきつつ、使っていない照明を消すなど無理のない範囲でできる限りの節電をお願いします。

~NEW~
経済産業省 第8回「営業秘密官民フォーラム」を開催しました
  1. 概要
    • 本日、官民の実務者の参画の下、第8回営業秘密官民フォーラムを開催しました。
    • 経済産業省からは、営業秘密の保護・活用に関する最新の動き等について、情報処理推進機構、工業所有権情報・研修館及び日本貿易振興機構からは、サイバーセキュリティ動向や営業秘密相談窓口の活用状況、在外日系企業における営業秘密漏えい対策支援事業について、それぞれ説明しました。
    • また、内閣官房、警察庁及び公安調査庁からは、経済安全保障の観点も取り入れながら、変化する経済・社会環境における営業秘密の管理・保護と、最新の手口やその対応策について、弁護士知財ネットからは、最近の裁判例の動向について紹介しました。
    • その後、参加者による意見交換を行いました。
  2. 主な参加者
    • 産業界
      • 日本経済団体連合会、日本商工会議所・東京商工会議所、日本知的財産協会、経営法友会、電子情報技術産業協会、日本化学工業協会、日本化学繊維協会、日本機械工業連合会、日本自動車工業会、日本製薬工業協会、日本鉄鋼連盟
    • 産業界支援組織等
      • 日本サイバー犯罪対策センター、弁護士知財ネット、日本貿易振興機構、産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構、情報処理推進機構、工業所有権情報・研修館、JPCERT
    • 行政機関
      • 内閣官房(国家安全保障局、内閣情報調査室、内閣サイバーセキュリティセンター)、内閣府知的財産戦略推進事務局、警察庁(生活安全局、警備局)、法務省(刑事局、公安調査庁)、財務省関税局、文部科学省科学技術・学術政策局、農林水産省輸出・国際局、経済産業省(経済産業政策局、貿易経済協力局、特許庁)
    • ▼関連リンク 関係資料掲載ホームページ
▼安全保障防衛管理を巡る最近の動向
  • 外為法に基づき、規制対象技術を提供することを目的とする以下の取引が許可対象
    1. 外国において技術提供することを目的とする取引※(ボーダー管理)
      • ※技術の提供自体について許可を取っていない場合、特定の技術を持ち出す行為、特定の技術の電子データの外国への送信行為について許可が必要。
    2. 国内において、居住者から非居住者に技術提供することを目的とする取引(「みなし輸出」管理)
  • 入国後6ヶ月経過または国内の事務所に勤務する外国人は居住者として扱われ、「みなし」輸出管理の対象外→外国の影響下にある居住者からの機微技術流出懸念に対応できない
  • 「特定国の非居住者に提供することを目的とした取引」について、居住者への機微技術提供であっても、当該居住者が、非居住者へ技術情報を提供する取引と事実上同一と考えられるほどに当該非居住者から強い影響を受けている状態(特定類型)に該当する場合には、「みなし輸出」管理の対象であることを明確化する。
  • 以下の特定類型に該当する居住者への技術の提供については、みなし輸出管理の対象。あくまで個別に審査で確認する必要がある場合を類型的にまとめたものであり、特定類型に該当するからといって安全保障上懸念がある者とみなされるわけではない。
    • 契約に基づき、外国政府等・外国法人等の支配下にある者への提供
    • 経済的利益に基づき、外国政府等の実質的な支配下にある者への提供
    • 上記の他、国内において外国政府等の指示の下で行動する者への提供
    • 外為法に基づき、不正輸出を未然に防止するため、業として輸出・技術提供を行う者(輸出者等)が遵守すべき基本的な事項を省令で規定。昨今の安全保障環境下において機微な貨物等の管理が一層求められていることや、機微な貨物の流出事案が発生する中、一層の体制整備を通じて、不正輸出等の未然防止を図ることが重要であり、令和3年11月18日に省令を改正(令和4年5月1日施行)。
  • 昨今の安全保障環境下において安全保障上の機微な貨物等の管理が一層求められていることや、我が国から輸出された安全保障上の機微な貨物の流出事案が発生している中、安全保障貿易管理体制の一層の整備を通じて、不正輸出等の未然防止を図る。
  • ロシアによるウクライナへの侵略に対し、我が国は米国及び欧州諸国と連携しつつ、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、以下の輸出入禁止措置を実施。
    1. 国際輸出管理レジームの対象品目のロシア及びベラルーシ向け輸出等の禁止措置【3月18日施行】
      • 対象品目:工作機械、炭素繊維、高性能の半導体等及び関連技術
    2. ロシア及びベラルーシの軍事能力等の強化に資すると考えられる汎用品の両国向け輸出等の禁止措置【3月18日施行】
      • 対象品目:半導体、コンピュータ、通信機器等の一般的な汎用品及び関連技術
    3. ロシア及びベラルーシの特定団体(軍事関連団体)への輸出等の禁止措置【3月18日施行、4月1日団体追加、5月17日団体追加】
      • 対象団体:ロシア国防省、ロシアの航空機メーカー等ロシア201団体、ベラルーシ2団体。
    4. ロシア向け先端的な物品等の輸出等の禁止措置【5月20日施行】
      • 対象品目:量子コンピュータ、3Dプリンター等及び関連技術
    5. ロシア向け石油精製用の装置等の輸出等の禁止措置【3月18日施行、5月20日品目追加(石油精製関連の触媒)】
    6. ロシアの産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置【6月17日施行】
      1. 対象品目:貨物自動車、ブルドーザー等
    7. ロシア向け奢侈品(しゃし品)輸出の禁止措置【4月5日施行】
      1. 対象品目:高級自動車、宝飾品等
    8. ロシアからの一部物品の輸入禁止措置【4月19日施行】
      1. 対象品目:アルコール飲料、木材、機械類・電気機械
    9. 「ドネツク人民共和国」(自称)及び「ルハンスク人民共和国」(自称)との間の輸出入の禁止措置【輸入禁止は2月26日施行、輸出禁止は3月18日施行】
  • 技術情報管理認証制度の概要
    • 国が認定した認証機関が、事業者の技術情報管理体制や状況を審査・認証。(改正産業競争力強化法、平成30年9月25日施行)
    • 技術情報流出リスクに備えて、民間事業者は認証制度を活用し、サプライチェーン全体の技術情報管理体制の強靱化が可能。
    • サプライヤーは、認証取得によって技術情報管理体制が構築されていることを客観的に示し、取引先の信頼を獲得することが可能。
    • これまで7機関を認証機関として認定、認証取得事業者は32社(令和4年6月時点)。
    • 技術情報管理認証を取得した事業者の多くが、技術情報の管理体制が整備できていることを取引先に示すことができることに加え、社内の情報管理意識の向上につながることから認証取得の重要性・意義を強調。
  • 認証取得事業者への低利融資制度(令和4年度 財政投融資計画)
    • 日本政策金融公庫の「IT活用促進資金」は、情報技術の活用の促進を図る中小企業を支援。
    • 技術情報管理認証を取得した中小企業に対し、IT関連設備を取得するための設備資金及び運転資金を融資。
  • 技術情報管理のための専門家派遣事業
    • 経済産業省では、適切な技術情報管理を促進するため、(1)制度運用の見直し、(2)認証取得メリットの創出、(3)認証機関及び事業者への支援等を実施。
    • 認証取得を検討する事業者等への支援として、情報管理の専門家を派遣し、守るべき技術情報の見極めや具体的な情報管理手法のアドバイスに加え、業界毎の標準的な技術情報管理手法(モデル)の確立をサポート。【令和2年度利用実績:延べ176回、令和3年度利用実績:延べ82回】

~NEW~
総務省 青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォース(第18回)
▼資料18-5 事務局資料
  • 過去に誹謗中傷の経験者は何らかの対応をとっているケースが多いものの、約28%のSNSユーザーは特に対応を取ることなく終わってしまっている事がわかる。上述の28%のユーザーに対するアプローチが今後の誹謗中傷問題深刻化を未然に防ぐ策となっていく。
  • メッセージが理解できなかった5.2%以外の動画閲覧者の約95%が内容を理解することができている。アニメーションやセリフ、動画構成によって内容理解の促進に繋がり、ほぼすべてのユーザーに内容を理解していただくことができた。
  • 動画の内容の理解は80%を超えており、印象に残っているユーザーも70%超えと誹謗中傷問題に対する理解促進、記憶の定着という動画としての機能を果たすことができている。
  • 前向きな内容のアンケート内容の中で「参考になる」選択が半数を占めておりコンテンツとして有意義であったといえる。SNSでの誹謗中傷に対しての対応策を明確に、端的に述べていることで大きな集中を要さずに理解を促すことのできるコンテンツを制作できたことがアンケートの結果につながっている。
  • メッセージが理解できなかった4.4%以外の95%以上のユーザーには動画の内容が届いており、動画クリエイティブ、訴求コンテンツの両軸として効果的な配信ができたといえる。
  • 既出のアンケート結果と同様に内容理解の数字は非常に高くなっている。動画コンテンツがユーザー属性に対して効果的であったといえる。
  • 既出の質問同様に、動画のイメージは好感触なものが多くなっている。半数以上が参考になると回答している上で「記憶に残る」や「親しみがある」といった馴染みやすく定着しやすい、かつ理解を促すことができるといった鷹の爪起用の目的を達成している。
  • 「メッセージが理解できなかった」と「その他」の5.5%以外では約95%の回答で誹謗中傷問題に対しての行動をすべての項目に対して半数以上の理解を得ることができている。
  • 誹謗中傷に対する各対応策がそれぞれ半数以上の認知を得ることができている。理解度95%ということから、冒頭の誹謗中傷に対し「特に対応はとっていない」28%のユーザーにリーチできていることが見えているため広告配信を実施することで誹謗中傷被害の対策を確実に認知拡大できている。
  • 今回の商材と鷹の爪とのマッチ度合いに関して、70%の回答でポジティブな意見を得られており、起用としては好成果であったと考えられる。ネガティブな意見は10%程度となっており、約90%の人が鷹の爪による説明に違和感を覚えていないため、動画の内容の認知度を高めることができた要因の一つであると考えられる。
  • 誹謗中傷対策への前向きな行動が50%を超えているものが多くなっており、広告配信並びに動画閲覧によって効果的な内容理解を深められているといえる。統計上、自身で誹謗中傷への検索を行いたいというユーザーは少なくなっているため、誹謗中傷対策の認知拡大においては今回のように広告やSNSアカウントからの発信によって意図しないタイミングでの視聴を促し、リーチしていくことが重要となっている。

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第16回)
▼資料7 プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関する主な論点
  • プラットフォーム事業者等による利用者情報の取扱いのモニタリング結果
    • プラットフォーム事業者等による利用者情報の取扱いの状況はどのようになっているか。
    • 利用規約やプライバシーポリシーの内容はどのようになっているか。特に、各事業者において様々な形で利用者へ分かりやすく伝えるための工夫、透明性確保のための工夫はどのようになっているか。(階層的アプローチ、ダッシュボード、ジャストインタイム、アイコン、モバイル及びスマートデバイスの特徴の利用等プライバシーポリシーにおける工夫はどのようになっているか。)
    • ユーザーテストの実施や有識者の意見を聴くなどしながら対応が行われているか。利用者にとってそれぞれ異なる各取組を見つけにくい点やより分かりやすくするための課題があるか。
    • 利用者が利用者情報の提供や利用を希望しない場合のオプトアウト等、利用者による事後的なコントロールの提供状況はどうなっているか。データポータビリティについてどのような取組を行っているか。(オプトアウトやデータポータビリティがある場合、利用のしやすさに課題はないか)
    • 位置情報などプライバシー性の高い情報についてについてスマートフォンやウェブから取得する際に、どのような形で利用者の同意を得た上で、どのような配慮を行っているか。
    • 他アプリやサイトを経由してどのように情報収集を行っているか。他社へのデータ提供、他社との連携の状況はどのようになっているか。サードパーティーによる情報取得に関してどのような対応方針であるか。
    • アプリ提供マーケットにおいて、アプリ提供者にどのような働きかけをしているか。
    • PIAについてどのように実施されているか、利用者へ与えうる影響(アウトカム)についてどのように考えてサービス設計をしており、利用者への説明が行われているか。プロファイリングがどのように行われており、どう使われているか。
    • 個人情報保護管理者に相当する役職を設置しているか。設置している場合、当該役職の業務内容はどのようなものか。
  • 利用者情報を取り巻くグローバルな情勢の変化
    • 各国は利用者情報の取扱いに関して、特に本人へのサービス提供と直接関係がない本人が意図しないものを行おうとする際は本人にこれを知らせ、本人同意を求めること、事後的な検証可能性を高めるための透明性確保や報告・公表義務を課すこと等規制強化を進めている。グローバル展開するプラットフォーム事業者もこれに対応しつつあるところであり、我が国においても、利用者保護の観点から、適切な対応を検討していくことが求められている。
  • 利用者情報の適切な取扱いの確保
    • 第一に、利用者と直接の接点があるアプリ提供者やウェブサイト運営者等のサービス提供者が、まずはアプリやウェブサイトにおいてどのような情報取得や情報提供を行うべきか必要性を検討し、これを把握することが必要。
    • 第二に、アプリ提供者やウェブサイト運営者等のサービス提供者が、上記を踏まえ、取得や提供する情報の種類や用途などに応じて、利用者が理解できるように通知・公表又は同意取得を行っていくことが必要。
  • 分かりやすい通知や同意取得のあり方
    • 利用者に分かりやすく通知・公表や同意取得を行い、利用者が理解した上で有効な選択を行える環境を整えていく必要。欧米において、階層的な通知、個別同意、プライバシー設定などの工夫の導入が推奨されている。
    • プライバシーポリシーに階層別の表示や簡略版の作成などの工夫を行い読みやすさを高めることが期待される。また、取得される情報の種類や利用目的、第三者提供先などに関する個別同意、同意した内容の確認を可能とするConsent Receiptのような仕組みや、サービス開始後のオプトアウトなどのプライバシー設定を可能とするダッシュボード等の提供等により、個人による理解やコントロールを高めることが期待される
  • 定期的なモニタリングの実施
    • 令和4年4月に施行された電気通信事業GL・解説等に記載されたモニタリング事項を踏まえ、その遵守状況や事業者の自主的な取組の状況を定期的にモニタリングする。
    • 令和4年6月に成立した電気通信事業法の一部を改正する法律に基づき、外部送信の規律の施行状況や導入動向等に関しても、モニタリングを行うことが適当ではないか。
    • 電気通信事業者による利用者情報の取扱いの一環として、プロファイリングやレコメンデーションの透明性や利用者の選択の機会の有無、リスク評価の在り方などについても、モニタリングを行っていくことが有用ではないか。
  • 専門的な知見の蓄積と発信の重要性
    • 本第二次とりまとめにおいて本WGの検討結果を踏まえ把握された事項についてとりまとめた。今後も、有識者のTFなどにより、技術的動向について整理し、継続的にこれを更新していくことを検討。
    • 情報外部送信に関わるタグや情報収集モジュールの状況、様々な手法・精度のある位置情報についても、モニタリングの基礎資料として専門的知見を集めていくことが重要ではないか。
  • 利用者の理解促進・外部レビュー
    • 関係事業者や業界団体等が、利用者に対して周知啓発を推進し、利用者のリテラシー向上を図っていくことを期待。
    • 専門的見地から事業者のプライバシーポリシー等について外部レビューが実施され、結果が公表されることも有用。
    • 利用者の理解促進の観点から、4で得られた知見を一般の方にも分かりやすく発信していくことが有用ではないか。利用者の性質も踏まえたユーザーアンケート等を定期的に行いその知見を活用することが有用ではないか。
  • 国際的な対話と連携
    • 利用者情報の取扱いの透明性や利用者の選択の機会の確保等がグローバルな政策課題となっていることを踏まえ、我が国における制度的な検討やプラットフォーム事業者等のモニタリング等の取組を進めるとともに、積極的に、日米、日EU、日英、日仏、日独等の二カ国の枠組みにおける対話と連携を進めることが有用。
    • 更に、多国間連携の場として、OECD、APEC等の国際的機関や地域連合の場においても我が国における取組を説明し、連携しつつ対応することが有用。

~NEW~
国土交通省 「令和4年版国土交通白書」を公表します~気候変動とわたしたちの暮らし~
▼資料1:令和4年版国土交通白書の概要
  • 近年、紀元後2000年の歴史に例を見ない地球温暖化が進行しており、この影響による大雨や短時間強雨の頻発等により、世界中で洪水や土砂災害等の気象災害が激甚化・頻発化している。他方、進行する気候の変化の要因として、人間の活動による温室効果ガスの排出等の影響が指摘されている。
  • このような状況下、気候変動による気象災害リスクに的確に対応していくため、防災・減災対策に加え、気候変動そのものの緩和策として、脱炭素化に向けた取組みが必要不可欠である。特に、住まい・交通・まちづくり等の国土交通分野における取組みは、我が国全体の二酸化炭素排出量の動向に大きく寄与するとともに、国民一人ひとりの暮らしそのものに密接に関わるものである。
  • このため、「気候変動とわたしたちの暮らし」をテーマとして取り上げ、2050年カーボンニュートラル目標の達成に向け、国土交通分野における国・自治体・企業等の取組みとともに、国民一人ひとりの取組みも視野に入れ、わたしたちの暮らしの脱炭素化に向けた動向や今後の展望について考察する。
  • 気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化
    • 地球は、近年、温暖化が進んでおり、2011年~2020年の世界の平均気温は、工業化以前(1850年~1900年)と比べ、1.09℃高かった。1850年~2020年の期間における温暖化は紀元後(直近2000年以上)前例のないものであり、このままの状況が続けば、更なる気温上昇が予測される。気候の変化の要因について、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がないことが指摘されている。
    • 近年、異常気象は激甚化・頻発化しており、長期的な傾向として雨の降り方が変化している。気象災害をもたらす大雨・短時間強雨の頻発化の背景には、地球温暖化の影響があると考えられている。世界中で災害をもたらす異常気象が毎年のように発生し、大きな被害がもたらされている。我が国でも国民の生命・財産が脅かされている中、今後の気象災害リスクの高まりに備えていくためにも、気候変動とその影響を予測し、科学的知見を蓄えていくことが重要である。
    • 猛暑日・熱帯夜の日数は、過去約100年間で増加したと指摘され、近年、我が国における熱中症による死者は年間1,000人を超えている。気候変動により、将来的にも世界的に異常気象が増加する可能性が指摘されている。気温上昇や雨の降り方の変化により、熱中症や気象災害等のリスクが高まっていくことが懸念されている。
    • 近年、地球温暖化など気候変動がもたらす影響に対する人々の関心が高まっている。災害発生後の電力や交通サービスの維持といった地域の強靱性が必要であると考えられる。
    • 気候変動によるリスクは、ハザード(自然現象による災害外力)、脆弱性、曝露の3要素が相互に作用して決定するという考え方がある。都市化の進展によりハザードに晒される(曝露対象の)人口や資産が増大するなどの状況下、気象災害リスクに適切に対応してくためには、曝露対象となるいわゆるリスクエリアについての現状も考察する必要がある。
    • 気候変動による気象災害リスクに対応するため、脆弱性に対応するインフラ計画(治水計画、高潮対策)や曝露にも対応するハード・ソフト一体となった流域治水の取組みなどの防災・減災対策の重要性が増大している。気候変動の影響による将来の降雨量の増大を考慮して治水計画を見直すなど、対策の推進が重要。
    • 1927年から2021年の約100年において、都市化の影響の比較的小さい地点では気温が100年あたり約1.6度上昇している一方、東京では約3.3度上昇している。今後、気温上昇、猛暑日、熱帯夜の増加が見込まれる中、都市化によるヒートアイランド現象が顕著な都心部において、芝生化や緑化等により、涼しく快適な空間の創出等を図ることが必要である。
  • 脱炭素社会の実現に向けた動向
    • 諸外国・地域では、カーボンニュートラルを宣言している(COP26(2021年11月)終了時点150箇国以上)。また、主要国は、2050年カーボンニュートラルとともに、2030年目標(NDC)を表明している。2020年10月、日本政府は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言した。
    • 世界の二酸化炭素排出量はこれまで増加傾向にあったが、2020年はコロナ禍で暮らしや産業活動など人間活動が停滞したことなどにより、二酸化炭素排出量は世界的に落ち込んだ。国連環境計画(UNEP)の「Emissions Gap Report 2021」によれば、コロナ禍により、世界の化石燃料由来の二酸化炭素排出量は、2020年には5.4%減少したとされている。
    • 2020年度、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、我が国の二酸化炭素総排出量は対前年度比5.8%減少し、各部門で減少となった一方で、家庭部門については、外出自粛等による在宅時間増の影響等から4.5%の増加となった。我が国では、温室効果ガスの削減に向けて取り組んでおり、1990年度からの温室効果ガス削減の推移では、2013年度をピークにその後は減少傾向にあり、特に産業部門及び業務部門では、対2013年度比で2020年度は約23%の削減となっている。一方で、運輸部門及び家庭部門では、対2013年度比の削減率は2割に達しておらず、一層の取組みが必要。
    • 家庭部門は、近年、電力の二酸化炭素排出原単位の改善とともに、住宅の省エネルギー化や高効率な省エネルギー機器の普及等により、エネルギー消費量が減少し、二酸化炭素排出量は減少傾向にある。運輸部門は、近年、次世代自動車の普及や燃費改善、トラック輸送の効率化等により、二酸化炭素排出量は減少傾向にある。2020年度は、旅客・貨物輸送量の減少等により、二酸化炭素排出量は10.2%減少した。
    • 主要先進国は、経済成長を図りつつ温室効果ガスの削減を進めている。他方、我が国では、炭素生産性がかつて世界最高水準だったものの、近年、その世界における位置付けが低下しつつある。炭素生産性を考慮した気候変動対策として、炭素投入量の増加を伴わずに経済成長を実現するとともに、省エネルギー等により炭素投入量を減少させていくことが求められる。
    • 我が国では、二酸化炭素排出量削減と経済成長の両立に向けて、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定したとともに、「地域脱炭素ロードマップ」、「地球温暖化対策計画」、「エネルギー基本計画」を策定し、これらの戦略等に基づき、取組みを推進している。現行の地球温暖化対策計画等の策定を受け、国土交通省では「国土交通省環境行動計画」を策定。
    • 我が国の地球温暖化対策分野の市場規模は、直近の約20年間で増加傾向にある。また、グリーンプロジェクトの資金調達の動向について、グリーンボンドによる資金調達は、世界的に近年増加傾向にある。再生可能エネルギーや建築物の省エネルギー改修、次世代自動車の環境整備など、国土交通分野でも、グリーンボンドの活用等の動きが進んでいる。
    • 気候変動に対する関心は、民間レベルにおいても世界的に高まっており、気候変動対策が企業にとって経営上の重要課題となっている。国際的なビジネス・金融の分野においても、企業の年次財務報告において、財務に影響のある気候関連情報の開示を推奨する「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言に基づいた情報開示の取組みが世界的に広がりを見せるなど、企業活動における気候変動に関連する取組みの強化が求められる状況となっている。
  • 脱炭素社会の実現に向けた国土交通分野における取組み
    • 民生(家庭・業務)部門のエネルギー消費量は減少傾向にあるが、住まい・建築物の脱炭素化に向けて、住宅・ビル等での対策といったハード面とともに、住まい方といった運用面での対応も考慮した総合的な取組みが必要である。
    • 住まいの脱炭素化に向けて、省エネルギー性能・断熱性能の高い住宅の新築や住宅の断熱改修、省エネルギー型の設備の導入等により、暖房や冷房等に必要なエネルギー量を減少させる必要がある。住宅・小規模建築物(新築)の省エネルギー基準への適合を2025年度までに義務化するとともに、ZEH・ZEB水準の省エネルギー性能が確保された住宅・建築物の普及拡大によりさらなる省エネルギー化を目指す。
    • 高断熱・高気密な住宅や建築物で高効率な設備を用いることにより省エネルギー化を図るとともに、住宅や建築物内で消費するエネルギーを創ることで、エネルギー収支ゼロを目指すことが重要である。ZEH・ZEBの普及拡大や既存ストック対策の充実等を進めることにより、太陽光発電設備導入を進めていく。
    • 住宅建築後の運用時の二酸化炭素排出量削減とともに、新築時・改修時等の二酸化炭素排出量削減に取り組むことが重要である。建築物の「建設」、「居住」、「修繕・更新・解体」のサイクルにおける二酸化炭素排出量削減に向け、LCCM住宅の導入を促進していくとともに、LCCM住宅等や燃料電池の普及等により、再生可能エネルギーの利用を促進し、関連市場の拡大を通じた経済成長の実現を図ることが重要である。
    • 木材は成長時に二酸化炭素を吸収することから、住宅・建築物の素材として使われることにより、吸収源対策として効果がある。住宅・建築物の木造化・木質化の取組みにより、「伐って、使って、植える」という森林資源の循環利用に寄与するとともに、吸収源として木材利用の拡大に向けて取り組むことが重要である。
    • 2020年度の二酸化炭素排出量は、新型コロナウイルス感染症の影響等により減少幅が増大したが、2030年度排出量削減目標(対2013年度比35%削減)を達成するため、エネルギー消費の総量を継続的に抑制する取組みが重要である。次世代自動車の普及促進など単体対策や交通流の円滑化とともに、公共交通の利活用やモーダルシフトを含めた総合的な取組みが必要である。
    • 運輸部門の二酸化炭素排出量(2019年度)のうち約86%が自動車に起因し約46%は自家用乗用車が占める。また、次世代自動車の新車販売割合は年々増加しており、充電施設も着実に増えている。次世代自動車の普及促進に向け、燃費規制の活用や、費用の低減、利便性の向上を図っていくとともに、EV充電設備の公道設置の検討や走行中給電システムの研究開発を支援する。
    • 環境負荷の小さい交通体系の構築に向け、自家用乗用車から公共交通機関へのシフトを促すことが課題。地域の公共交通機関の利便性を高め、その活性化・再生を実現することは、公共交通機関の利用促進を通じて環境負荷の低減に寄与するのみならず、住民の移動手段の確保による暮らしの質の確保・充実とともに地域経済の発展にも貢献する。
    • 物流は、国民生活や産業競争力を支える重要な社会インフラであり、その機能を十分に発揮させていく必要がある。鉄道や船舶へのモーダルシフトの推進により、貨物輸送における二酸化炭素排出量の削減を図る。また、物流における二酸化炭素排出削減は荷主企業のみならず消費者もキープレーヤーであることから、「巣ごもり消費」で取扱量が増大した宅配便について、地球環境に負荷を与える再配達の防止が重要である。
    • 国際輸送(国際航空)については、国際民間航空機関(ICAO)における中期目標達成のため、「持続可能な航空燃料(SAF)」の活用が不可欠であり、技術開発及び実証を推進していくことが重要。「国際海運2050年カーボンニュートラル」実現のためには、水素・アンモニア等を燃料とするゼロエミッション船の技術開発が必要であり、我が国がイニシアティブを発揮していくことが重要。
    • 生活の拠点を形成するまちづくりは、わたしたちの暮らしの基盤であり、地域の活力や生活の質とともに、地域の持続可能性の確保に向けて環境負荷の軽減を図る必要がある。今後、地域脱炭素に向けて、地域特性に応じた対策が必要である。
    • 市街地の拡散は環境負荷の軽減の側面からも課題であり、集約型のまちづくりが必要である。歩いて暮らせるまちづくりや公共交通の整備により自家用車に過度に依存しない移動環境を整え脱炭素化を図るとともに、生活の利便性の観点からも、都市機能が集積し人々が集まるような魅力ある市街地の形成が重要である。また、緑地、水辺保全・再生等を通じ、居住環境等の改善とともに、地球環境負荷の軽減を図る必要がある。さらに、デジタル技術を活用したエネルギー融通の効率化を図ることや、人流・交通データ等を活用し、エリア内の二酸化炭素排出量等を見える化し、脱炭素対策の検討を行うこと等が重要である。
    • 暮らしの質や地域の活力、歴史、文化等との関係を常に意識し、それら暮らしや地域の豊かさの維持・向上と環境負荷の軽減とを両立させていくことが重要である。自然の豊かさや環境保全の状況、防災など都市や地域の生活環境は、地域の持続可能性とともに地域住民の生活の質を確保する観点からも重要である。生活の質を確保する観点からは、人々の意識の動向を踏まえた対応が必要である。例えば防災体制の強化といった重要度が高く満足度が低い分野の取組みの強化や、小都市での公共交通の利便性など地域差に考慮した取組み、さらには世代別の傾向の差に配慮した取組みに一層目を向けていくことが考えられる。
    • 民生・運輸部門においてエネルギー需要側での電化を図るとともに、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入し、暮らしを支える電力の脱炭素化を図ることが必要である。また、空港や港湾など暮らしを支える基幹インフラ等では、電化により対応できない熱需要について水素・アンモニア等により脱炭素化を進め、暮らしや経済社会を炭素中立型に転換していくことが必要不可欠である。政府では、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、再生可能エネルギー最優先の原則で取り組むこととしており、国土交通分野においても、案件形成の加速化・港湾機能の高度化等による洋上風力発電の導入促進や、インフラ空間における太陽光発電等の導入促進など、再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて取り組む。
    • 風力発電のうち、特に洋上風力については、欧州を中心に全世界で導入が拡大している。2050年に向けて、中国・韓国を中心にアジア市場での急成長が見込まれている。洋上風力発電は、大量導入によるコスト低減、経済波及効果も期待され、アジアの気象や海象に合わせた風車や浮体等の技術開発を加速化し、社会実装につなげていくことが必要である。また、洋上風力発電設備の設置及び維持管理に必要不可欠な基地港湾の計画的な整備が必要である。
    • 既存のインフラ等を活用し、再生可能エネルギーの導入・利用拡大を図ることが重要である。官公庁施設や空港、港湾などにおいて、本来の機能を損なわず、周辺環境への負荷軽減に配慮した上で、太陽光発電等の可能な限りの導入を進めている。
    • 脱炭素化に向け、海外からの安価な水素を確保するため、海上輸送による水素のサプライチェーン構築に向けた取組みが必要であり、海事・港湾分野での技術革新・社会実装が重要である。水素・アンモニアを運ぶために必要な技術開発とともに、水素・アンモニアで走るゼロエミッション船の開発、水素・アンモニア等の輸入・貯蔵等を可能とする港湾地域における受け入れ環境の整備等が重要である。
    • 企業等の取組みとともに、わたしたちの暮らしそのものを脱炭素型に変えていく取組みも重要である。家計需要により排出される温室効果ガスの全体像を把握する観点で効果的な「家計消費のカーボンフットプリント」は我が国全体のカーボンフットプリントのうち約6割、うち住居・移動に関するもので約3割を占める。住まい方や移動手段に加えて、暮らしを支える製品やサービス消費を含め、日常生活のあり方を二酸化炭素排出削減の観点から見直すことによる脱炭素型ライフスタイルへの転換が重要である。
    • 脱炭素型ライフスタイルの取込みについては、電気自動車などへの買い替え、エコ住宅への住み替えや再生可能エネルギーの使用などの項目で、「今後の取組み意向」がある人の割合は5割弱であり、人々の関心の高さがうかがえる。他方、それらの項目に十分に取り組めていない理由として、費用面の課題とする割合が高い。
    • 脱炭素型ライフスタイルの取込みに向けては、費用負担感を伴わないことに加え、生活の利便性維持等、二酸化炭素排出削減以外の付加価値が求められており、快適さや健康など生活の質に関する付加価値の創出も重要であることがうかがえる。また、脱炭素に向けた行動を促進するための社会の仕組みとして、関連するインフラ整備やまちづくり施策に寄せる期待が高い。
  • 気候変動時代のわたしたちの暮らし
    • 気候変動時代の地域づくりに向けて、地域の脱炭素化に加え、災害に強いまちづくり、生活の質の向上などの地域課題を解決した強靱で活力ある地域社会を実現することが必要である。カーボンニュートラル目標の2050年までの間に増大する気象災害リスクへ対応するため、地域づくりにおいて、災害時のエネルギー自給の観点など、脱炭素(緩和策)のみならず強靱性(適応策)の考慮が必要である。
    • 脱炭素化に向けた取組みと暮らし向きや生活の質との関係については、人々の意識に差異がある。人々の暮らしにおいて、脱炭素化に向けた取組みを持続可能なものとするためには、脱炭素化と同時に、二酸化炭素排出削減以外の付加価値(快適、健康、安全、安心など)が創出されることにより、生活の質の向上と活力ある地域社会の実現を図ることが重要である。
    • 脱炭素に向けた技術革新等を見据え、気候変動対策とともに生活の質の向上が図られていく側面に焦点を当て、想定される暮らしの変化の例を日常生活の局面ごとに紹介。住まいや移動、まちなかや自然環境、基幹インフラまでの至る所で、その特性を活かした取組みが進展することにより、気候変動時代のわたしたちの暮らしが支えられていく。

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国土交通省 令和4年4月の宅配便の再配達率は約11.7%
  • 国土交通省では、トラックドライバーの人手不足が深刻化する中、再配達の削減を図るため、宅配ボックスや置き配をはじめ多様な方法による受取を推進しており、これらの成果を継続的に把握すること等を目的として、宅配便の再配達率のサンプル調査を年2回(4月・10月)実施しています。
  • 令和4年4月の宅配便再配達率は約11.7%で、前年同月(約11.2%)と比べて約0.5%ポイント増、昨年10月(約11.9%)と比べて約0.2%ポイント減となりました。
  • 宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなど、重大な社会問題の一つとなっています。国土交通省では、引き続き宅配便の再配達削減に取り組んでまいります。
  • 近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(EC)が急速に拡大し、2020年には、電子商取引(EC)市場が全体で19.3兆円規模、物販系分野で12.2兆円規模となっています(注1)。
  • また、ECの拡大に伴い宅配便の取扱個数が5年間で約10.9億個(+約29.1%)増加しています(注2)。
  • 国土交通省では、「総合物流施策大綱」において宅配便の再配達率の削減目標(2020年度10%程度→2025年度7.5%程度)を設定し対策に取り組んでおり、この対策の成果を継続的に把握し、施策の進捗管理を行うことを目的として、本調査を実施しております。
    • 注1:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」より
    • 注2:国土交通省「令和2年度宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」より
  • 国土交通省では、引き続き再配達の発生状況を継続的に把握するとともに、民間事業者や関係省庁と連携しながら、宅配ボックスの活用や置き配の普及・促進(注3)等に向けた施策を進め、引き続き宅配便の再配達削減に取り組んでいくこととしています。

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国土交通省 心のバリアフリーに関するガイドラインを作成しました!~バリアフリー教室やまち歩き点検等を実施するためのポイントをまとめました~
▼別紙1:教育啓発特定事業の実施に関するガイドラインの概要
  • バリアフリー基本構想に基づいて心のバリアフリーの取組として実施される教育啓発特定事業について、市町村の継続的・計画的かつ円滑な取組を支援するため、基本的な考え方や事業計画作成のポイントや具体的な事業を行う際のポイントや事例等を示した『教育啓発特定事業の実施に関するガイドライン』を作成しました。
  • 「心のバリアフリー」に関する取組を実施することにより、バリアフリーに関する国民の理解と協力を得ることが当たり前の社会となるような環境を整備することが重要であり、令和2年の改正バリアフリー法においても、継続的かつ計画的に「心のバリアフリー」に取組を実施するため「教育啓発特定事業」が法律上位置付けられたところです。
  • こうしたことを踏まえて、今般、国土交通省において、障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」の考え方を反映しつつ、バリアフリー教室やまち歩き点検など、「心のバリアフリー」に関する取組を実施するためのポイントや留意事項等について、ガイドラインとして取りまとめましたので、公表いたします。
  • これまでも、地方公共団体等においてさまざまな取組が行われてきましたが、今後、本ガイドラインに基づいて、地方公共団体や施設設置管理者等、多様な主体において、さまざまな関係者と連携しながら「心のバリアフリー」の取組が実施されることを期待しています。
  • 別紙1:教育啓発特定事業の実施に関するガイドラインの概要
    • ガイドライン本編:実施計画の策定、具体的な取組内容や実施方法等の検討する際のポイント、及び「心のバリアフリー」「障害の社会モデル」の適切な理解のポイント等を紹介。
    • 実施マニュアル:特定事業として実施が想定される代表的な4つの取組について、「心のバリアフリー」の考え方を反映できるよう、障害当事者等の参画による体験や交流を推進や各取組のポイントや実施事例等を紹介。
    • 学校連携教育事業の視点からも取組事例等を掲載。

~NEW~
国土交通省 【防災関連】官庁施設の管理者の方々へのお知らせ
  • 「官庁施設の施設管理者のための防災性能確保ガイドブック」は、次の点に着目しています。
    • 建物の損傷、腐食その他の劣化により、防災性能が低下した状態
    • 関係法令等の改正により、防災性能が最新の基準を満たしていない状態
    • 過去の模様替えや不適切な運用などにより、意図せずに防災性能が低下した状態
  • 本ガイドブックでは、建物の各部位や機器が持つ防災上の役割や機能について、以下を整理し、”災害に備えるためにすべきこと”をとりまとめています。
    • 本来どのような状態にあるべきなのか
    • その根拠となる法令等の規定は何か
▼官庁施設の施設管理者のための防災機能確保ガイドブック 全体版
  • 施設の防災性能を低下させる12の状態
    1. 非常用照明が点灯しない状態 誘導灯が点灯しない状態
    2. 廊下・階段などに普段から障害物(物品等)がある状態
    3. 防火扉が閉まらない状態
    4. 防火シャッターが閉まらない状態
    5. 排煙窓が開かない状態排煙オペレーターが見えない状態
    6. 防煙垂れ壁が破損している状態
    7. 非常用進入口に障害物がある状態
    8. 防火区画貫通処理が不十分な状態
    9. 避難通路に物が落下したり、転倒してくる状態
    10. 外壁設置物等が落下する状態
    11. 屋上や外壁から雨漏りする状態 大雨などによって建物が浸水する状態
    12. 床の耐荷重が超過している状態
  • 施設利用者、逃げられなくなってませんか?
    1. 防災性能を損なう施設管理の例
      • 避難路に鍵付きの扉を設置して別室にしてしまっている。
      • 各室からの二方向避難用の避難路を知らない。
      • 避難路に物を置いてしまっている。
    2. 避難経路とは
      • 廊下や階段は、建物用途や規模によって、その幅や二方向の避難経路などがそれぞれ定められており、災害発生時には、多くの人が同時に安全な場所へ避難する経路となる。
    3. こうしてください!
      • 人に住所があるように、物(モノ)にもそれぞれ決められた住所があると思い、普段より適正な定位置での管理が重要。
      • 屋外に通じる階段の出口付近にも障害物が積み重なっている場合もあるため注意が必要。
      • 屋外避難階段の1階出入口部分に、管理上の施錠が行われている場合もあるが、避難経路の意義を認識して対処を。
  • 防火扉、閉まらなくしてませんか?
    1. 防災性能を損なう施設管理の例
      • どれが防火扉か知らない。
      • 防火扉が動く範囲に物を置いてしまっている。
      • 防火扉の開閉を不良のままにしている。
      • 防火扉に勝手に鍵を付けるなどしている。
    2. 防火扉とは
      • 火災発生時に、外壁や内部の防火区画等の開口部を閉じて、炎や煙の拡大を防ぐ防火戸である。
    3. こうしてください!
      • 防火扉は逃げる方向に開くようになっているので、その方向に開くように、防火扉周りは常に何もない状態にしておくことが重要。
      • 防火扉には常に閉鎖されている常時閉鎖式と、火災を感知して随時閉鎖する常時開放式があるが、本来、防火扉は適切に閉まっている状態でこそ、その役割を果たすものであることを認識。
      • 感知方式としては、煙感知器と連動して閉鎖するタイプと、防火扉自体に設けられたヒューズが溶けて閉鎖するタイプがあるので、それぞれ適切に点検を。
  • 消防隊の活動、阻害してませんか?
    1. 防災性能を損なう施設管理の例
      • どれが進入口なのか知らない。
      • 消防車が寄り付く場所を知らない。
      • 進入口の屋内側に物を置いてしまっている。
      • 消防車が寄り付く屋外に物を置いてしまっている。
    2. 非常用進入口とは
      • 災害発生時に、外部から消防隊が建物内に進入するための窓(開口部)やバルコニー(足場)である。
    3. こうしてください!
      • 普段何気なく見ている窓についている赤い逆▼マークは、いざという時に消防隊が建物内に入ってくる時の目印であることを認識する。
      • 普段から非常用進入口のマークのついた窓の周辺には物を置かないことを心掛ける。
      • 非常用進入口が設けられている位置は、主にはしご車が活動できる範囲であり、普段からそれらの敷地内の空地部分に車などの障害物がないようにしておくことが重要。
        • 非常用進入口の前は空いている(=好き勝手に使える)のではなく、空けておかなければならない
  • 炎や煙、どんどん回りませんか?
    1. 防災性能を損なう施設管理の例
      • どの壁が防火区画の壁なのか、知らない。
      • 防火区画に配線や配管を通した後、法令にしたがった処理をしていない。
    2. 防火区画とは
      • 建物内は、火災発生時に、延焼する範囲を限定するため、防火区画という区画で区切られている。
      • 防火区画を貫通する配管やケーブルは、火災の延焼を防止する観点から、貫通する壁や床部分(貫通孔)を適切に貫通処理しなければならず、またその方法は法令で詳細に定められている。
    3. こうしてください!
      • 部屋の模様替えに伴うエアコンの増設等に際し、不用意に壁や床に配管やケーブルの孔(あな)を空けないように注意が必要。
      • 防火区画を貫通する場合は、施工業者にその旨が確実に伝わるよう、工事発注図書において、法令に従った処理をおこなうよう明記する。

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国土交通省 「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画2022」を決定
▼行動計画2022 概要
  • 国土交通省は、政府の重要な成長戦略であるインフラシステム海外展開を推進するため、国土交通分野における今後取り組むべき主な施策や今後注視すべき主要プロジェクトを取りまとめた、「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画2022」を決定しました。
  • 「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画2022」のポイント
    1. 「インフラシステム海外展開戦略2025」追補を踏まえて、取り組むべき施策を強化
      • 政府全体の戦略である「インフラシステム海外展開戦略2025」追補(令和4年6月3日決定)を踏まえ、「O&Mの参画推進等継続的関与の強化」、「『技術と意欲のある企業』の案件形成・支援」、「国際標準化の推進と戦略的活用」、「デジタル・脱炭素技術の活用」を強化する取組と位置付け、2022年度以降取り組む具体的な施策をまとめました。
    2. 分野別の取組を決定
      • 従前の鉄道、港湾、航空、海事、交通ソフトインフラ、都市開発・不動産開発・スマートシティ、水、防災、道路、建設産業・建設技術の10分野に、「物流」を新たな分野として追加するとともに、「都市開発・不動産開発・スマートシティ」分野に「住宅開発」を明記しました。
    3. 今後注視すべき主要プロジェクトを決定
      • 我が国企業が新たな受注を獲得する観点から、今後注視すべき主要プロジェクトとして87件を選定しました。

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