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  • インパクト投資等に関する検討会(金融庁)/新型コロナ感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究(消費者庁)/公正な買収の在り方に関する研究会(経産省)/誹謗中傷等の違法・有害情報への対策(総務省)

危機管理トピックス

インパクト投資等に関する検討会(金融庁)/新型コロナ感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究(消費者庁)/公正な買収の在り方に関する研究会(経産省)/誹謗中傷等の違法・有害情報への対策(総務省)

2023.02.28
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更新日:2023年2月27日 新着18記事

ビジネス 経済 イメージ

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「インパクト投資等に関する検討会」(第5回)議事次第
  • 金融安定理事会による「分散型金融の金融安定上のリスク」の公表について
内閣官房
  • 物価・賃金・生活総合対策本部
  • 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」が閣議決定・国会提出されました。
内閣府
  • 2月月例経済報告
  • 障害者に関する世論調査
消費者庁
  • 第18回消費者志向経営に関する連絡会(2023年2月16日)
  • 第11回消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会(2023年2月21日)
  • 「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究」プロジェクトにおけるプログレッシブ・レポートの公表について
国民生活センター
  • 吹き出し口が変色したセラミックファンヒーター(相談解決のためのテストからNo.173)
  • 引っ越しの際の破損・紛失トラブルに気を付けて
経済産業省
  • 手形等のサイトの短縮化のさらなる促進に向けた要請を実施しました
  • 「公正な買収の在り方に関する研究会」における主要な論点についての意見・情報提供を募集します(パブリックコンサルテーションの実施)
  • 関西電力株式会社へ緊急指示を行いました
  • 官民でトランジション・ファイナンスを推進する上でのファイナンスド・エミッションに関する課題提起ペーパーを取りまとめました
総務省
  • 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第2回)配布資料
国土交通省
  • 地価LOOK、主要都市の地価は3年ぶりに全ての地区で上昇又は横ばいに~令和4年第4四半期地価LOOKレポート~
  • 「気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案」を閣議決定~官民の予報を高度化し、防災に関する情報提供を充実させます~

~NEW~
金融庁 「インパクト投資等に関する検討会」(第5回)議事次第
▼資料1 事務局説明資料
  • インパクト投融資はあくまで「投融資」であり、本検討会では、社会的効果を持つことに加えて、一定のリターンを目指すものを主眼とすべきではないか
  • 一方で、慈善団体による寄附事業、収益性が伴わない社会的事業等の推進も、わが国全体として重要な課題であり、必ずしも主たる議論の対象ではなくとも、例えば支援の拡充の必要性等を指摘すべきではないか
  • 社会的効果と経済性の双方を企図する投融資といっても、効果を生み出す時間軸や求める収益水準等は個々の投融資により様々である。黎明期・成長期にあるインパクト投融資の市場特性を踏まえて、今後の幅広い取組みを、制限するよりも支援する方向で検討していくことが望ましいのではないか
  • 個々の投融資に止まらず、金融機関・投資家の投融資全体を「インパクト志向」に出来ないか、との指摘も存在。こうした取組みと連携しつつも、現実的には、まずは個別投融資の議論・実例から始めることが有効ではないか
  • 通常の投融資・ESG投資と比べて特に「社会的効果」を明示的に取り上げコミットするため、投資先事業の社会的意義を積極的に見出すことにつながる。「社会的効果」に着目した投融資の拡大には意義がある
  • また、「社会的効果」を持つ投資や事業は、中長期的な成長可能性を持つ場合も多い。特に、投資収益の確保や、経済全体の持続可能性の拡大といった趣旨も踏まえると、成長可能性(スケーラビリティ)は欠かせない力点ではないか
  • 他方、「社会的効果」の実現やこれを通じた投資・事業の成長には、長期の時間軸が必要な場合が多い。長期目線での事業・技術等の評価が重要であり、インパクト投融資はこの点に積極的に着目すべきという点を打ち出してはどうか。長期的に実現する「社会的効果」に着目することで、将来価値の評価につなげていくべき
  • 投融資を通じて実現する「社会的効果」を明確化・明示化して関係者が取り組むこととなるので、その過程を通じ、「社会的課題」の重要性、解決に向けた取り組みの意義・方策等について、議論を深める効果が期待される。
  • こうした点も訴求していくべき
  • ESG投資は投資対象である企業のESGの取組みや体制を総合的に評価するが、「投融資を通じて効果を実現」するインパクト投融資では、企業の体制・組織等ではなく、事業そのものが実現する「効果」に着目すべき
  • 「インパクト投融資」は将来性のある分野であるが、広がりに課題。「インパクト投融資」として通常期待される要件やプロセス等を明確化することで、投資を行うアセットオーナー、アセットマネージャー、事業を進める企業等の共通認識を醸成し、取り組みやすくする環境整備が重要
  • 既に社会的効果の実現に焦点を当てる投融資や事業は様々に行われつつあるが、指針等でフレームワークを定め、サステナブルファイナンス全体における位置づけを明確化することで、こうした投融資の意義が理解され易く、また、投融資全体の状況・動向などもつかみ易くなるのではないか
  • 指針を、「インパクト投融資」で何を実現・明確化していくべきか、資金の出し手と受け手の間で共通理解を進めるものと出来れば、投融資・事業のプロセス全体での投資家・企業の間の対話が促進・具体化し、また、経験・知見の蓄積・向上などにもつながっていくのではないか
  • 企業経営では、会社を持続的に成長させる価値創造のストーリーが重要。投資家等がこうしたストーリーを理解し、企業評価に「インパクト」を活用出来る素地と出来るような内容が望ましいのではないか
  • 投資家にとっても、各社によって多様な企業経営の理念や事業の社会的意義が、事業推進を通じて具体的にどのように実現し、経済社会の持続可能性向上や事業の成長につながるか、社会的効果の理解、事業性の評価、双方の観点から重要。こうした点の対話に資する構成であるべき
  • グローバルにもインパクト投融資の指針等が策定されており、プラクティスも徐々に積みあがっている。これらと整合的な形で、検討していくことが必要
  • インパクト投融資は黎明期であり、様々な投融資例が生まれつつある。民間の創意工夫をより促すようなものが望ましいのではないか
  • 通常期待される要件等を指針として整理することには意義があるが、要件があまりに詳細又は定量的となれば、投融資の際の形式的なチェック項目が増えることとならないか。投資家等や企業が、ある投資を通じてどの様な事業・技術を育てて社会的効果と事業の成長につなげるか、潜在性に着目することが重要ではないか
  • 他方で、投資側・企業側双方にとって、インパクトウォッシュなどの批判の声は気にかかるところ。一定の要件を満たすということを自信をもって話す基盤となるものが望ましい
  • インパクト投融資には様々な分野があって取組み途上のイニシアチブや事業も多い。考え方や整理の仕方を思い切って示したうえで議論していくことが重要でないか
  • 中小企業やベンチャー企業は、特化したビジネスを行っている点でインパクト投融資として捉えやすいのではないか。特に創業期の企業については、投融資による事業創造などの効果を捉えやすい面がある
  • 大企業・上場企業については、事業が多角化されており、資金調達も既に様々な方法で行われていることから、ある投資を通じたインパクトをどのように特定・測定することが出来るか、課題がある。一方、事業規模の大きさ等から、事業の変容等がもたらす社会的効果は非常に大きく、大切な分野
  • 国内だけでなく、グローバルサウス・途上国に資する投融資も、世界的な観点から意義が大きい
  • 地域の企業への投融資についても、実際に、地域やコミュニティへの社会的価値の提供などを意図して地域金融機関と中小企業の間で事業創造などに取り組むファイナンス・事業の例があり、重要
  • ディープテック等のスタートアップ企業では、技術開発・実装を通じて事業を軌道に乗せ、収益と社会的効果を実現するまでに、相当の時間を要する場合も多い。長期的には投融資可能な案件でも、短期的な視点のみでは、「効果」「収益」いずれも投資目線に届かない可能性もある
  • 従来の発想では事業性を十分評価できなかった投融資先にも、「社会的効果」に着目・吟味し、いわば隠れていた事業性を発見・評価することで、リスクマネーを含む投融資が可能になる場合もあるのではないか
  • 投融資の対象となる企業・事業が多様であるのと同様、国内外で、財団、アセットオーナー、金融機関、ベンチャーキャピタル、PEファンドなど多様な投融資を行う主体の参入が見られつつある。多様なリスク・リターン等のプロファイルを持つ金融主体を取り込み、金融側・事業側の双方のニーズをマッチさせていくことが重要では
  • 上場投資、非上場投資いずれも、投資先や事業を選定してファンド組成等を行うアセットマネジャーの役割も併せて重要。逆に、アセットオーナーにおける基本的な理解や指図がない場合には、アセットマネージャーもインパクトに焦点を当てた資産運用の方針を具体化することは難しい。全体として層の厚みを増す必要
  • 例えば、リスクも潜在的な成長性も高い技術を開発し、脱炭素等の国際課題に取り組むスタートアップへの資金支援は、金融機関等による融資(デット)よりも出資(エクイティ)が馴染むとの考え方がある。一方、地域課題に取り組む持続的な事業については、比較的リスクも収益性も安定している場合デットが馴染むとも考えられる
  • インパクト投融資の要件は、「投融資の時点で、社会的効果を及ぼす意図があるか」で判別すべきであり、「結果として効果が実現したか」で判別すべきでない。後者の場合、事後でないと範囲が定まらない、結果如何で事後的にインパクト投資でなくなってしまう、といったことが生じるため、現実的でない
  • 投融資時点の意図で判断する場合、「インパクトの実現を企図していたが結果的に結果につながらなかった」投融資も含まれるが、あくまで結果であり、問題はないのでは。結果が伴っているかのモニタリングなどは重要
  • ESG投資は様々な手法があるが、特にインパクト投融資は、ネガティブスクリーニングやリスク評価と比べ、投融資による能動的な効果に力点を置くもの。この観点からも、「意図」がない「結果」のみの場合は対象外では
  • 投融資先の商品やサービスが他にはない追加的な付加価値を生みだしているか、投融資がそれを後押ししているかは、社会的効果を生み出すための中核的な考え方で、インパクト投融資を行う際に最も重視している
  • 社会的効果を生み出す主体は事業であり、インパクト投資は投融資を通じてその社会的効果を実現するもの
  • 継続的なエンゲージメントを行い将来の成長・持続可能性を高めることも資金提供者の役割としては重要。資金提供にとどまらない投融資先支援を行うことで、社会的効果やそれを通じた企業価値の向上が実現される
  • ESGは経営の在り方で、インパクトはビジネスの方向性。そのためインパクト投融資は、ESG要素を考慮しない経営への投資を避けるネガティブ・スクリーニングではなく、事業のポジティブな社会的効果の実現に着目
  • 投融資を通じて実現する「効果」を特定・測定・管理することが出来れば、どのような「効果」がどの程度実現するのか、また、こうした「社会的効果」が収益にどうつながってくるか、把握出来るのではないか
  • 投融資を通じて実現する「効果」を測定・管理するには、企業側の対応・協力が前提となるが、企業も、自社の経営方針の進捗管理を行うことは、金融関係者に止まらない幅広いステークホルダーとの対話等で有益では
  • 定量的な「効果」の方が分かり易いが、一方で、事業領域等によって定量化が難しい分野もあるほか、あまり細かいとチェックボックス化するおそれや、計測しやすい事業が過度に選好されるおそれもあるのでは。定性的な説明も重要ではないか
  • ESG投資の基本的意義は、持続可能性を高める企業への投資を通じ、経済社会の基盤を強化すること。インパクト投融資もこの中で整理されるものであり、多様性の尊重や社会課題への関心等のマインドセットが重要
  • 「課題の解決」「社会的効果の実現」という観点では、事業会社自身が、投融資を活用して行う自らの事業の「インパクト」について明確な考え方を持っていることが重要。昨今謳われるパーパス経営とも親和性がある
  • 投融資プロセス全体を通じ、インパクトの実現等がどのように取り扱われているか、明らかになることが重要
  • アセットクラスも課題も極めて広範に及ぶため、専門知識や部署の設置などが課題となることも。
  • グローバルな取組みでも、インパクトの測定・管理を投資プロセスのどこで組み込むかが重要な論点

~NEW~
金融庁 金融安定理事会による「分散型金融の金融安定上のリスク」の公表について
▼プレスリリース(仮訳)金融安定理事会は、分散型金融の金融安定上のリスクを評価
  • 金融安定理事会(FSB)は、本日、分散型金融(DeFi)の金融安定上のリスクに関する報告書を公表した。DeFiという用語は、暗号資産市場において、分散型といわれる方法で伝統的金融システムの一部の機能を再現することを目的としたサービスを説明するために一般的に用いられるが、実際の分散化の程度はサービスにより大きく異なる。
  • 本報告書は、2月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議に提出されたものであり、結論としては、DeFiがサービスを提供するプロセスは、多くの場合、新しいものであるが、DeFiが果たす機能やさらされる脆弱性の点では、伝統的金融と大きく異なることはないとしている。DeFi固有の特徴は、これらの脆弱性の一部(例えば、運用上の脆弱性、流動性と満期のミスマッチ、レバレッジ、相互連関性)を、時に伝統的金融とは異なる形で発生させる可能性がある。DeFiの多くを支える暗号資産には固有の価値がなく、非常に価格変動が大きいという事実は、最近の事件が示すように、これらの脆弱性が顕在化した時に、その影響を大きくする。
  • これらの脆弱性が金融安定上の懸念にどの程度つながりうるかは、主に、DeFi、伝統的金融及び実体経済との間の相互関係及び波及経路に依存する。これまでのところ、これらの相互関係は限定的である。しかし、DeFiエコシステムが大きく成長した場合、波及効果の範囲は拡大するであろう。本報告書では、DeFiの脆弱性や波及経路を監視するために使用できる指標を特定している。
  • これらの知見に基づき、FSBは以下の追加作業を実施する。
    • 資産のトークン化、すなわち金融商品又は実物資産のデジタル表現(トークン)の作成、の進展と影響を分析する。これは、同分野の発展が、暗号資産市場/DeFi、伝統的金融及び実体経済との間のつながりを強める可能性があるためである。
    • 基準設定主体(SSBs)及び規制当局と協働して、DeFiとの相互連関性を測定及び監視するためのデータギャップを埋めるためのアプローチを検討する。
    • 暗号資産関連の活動の国際的な規制に関するFSBの政策勧告案が、DeFi固有のリスクを認識し、ルールの適用と執行を促進するために、どの程度強化される必要があるかを検討する。
    • SSBsと協調して、どのDeFi活動及び事業体が規制の範囲内に該当するか、又は該当すべきかを決定するために、法域をまたぐ規制の範囲を検討する。それはまた、そのような事業体に対して、追加的な健全性及び投資家保護の要件を課すか、又は既存の要件の執行を強化するかの検討も含む

~NEW~
内閣官房 物価・賃金・生活総合対策本部
▼物価・賃金・生活総合対策本部(第7回)議事次第
  • 昨年11月から本年1月にかけて、大手電力会社7社(北海道、東北、東京EP、北陸、中国、四国、沖縄)から経済産業大臣に対して、規制料金の改定の申請が行われた。現在、各社からの申請内容について、公聴会等を通じて広く一般の御意見を伺いつつ、電力・ガス取引監視等委員会の公開の審議会において審査を行っているところ。燃料費の見積もりや経営効率化の取組などについて、引き続き厳格に審査を行っていく。
  • LPガス価格は、人件費・輸送費等の比率が大きいことから、零細事業者を含め、配送合理化への取組みを、前例のない補助率で推進する。昨年中に執行団体の選定を終え、公募開始に向け詳細制度の設計中。
  • 賃上げの機運醸成に向けて、西村大臣と大企業・中小企業の経営者との車座を実施。賃上げや人への投資に係る前向きな取組を伺い、意見交換するとともに、西村大臣より「気候変動対策をコストと見るのではなく成長への投資と捉えていくGXと同じように、人件費をコストと見るのではなく、未来への投資と捉える発想の転換が必要」である旨を発信。
  • 令和4年度税制改正において抜本拡充した賃上げ促進税制により賃上げを後押し。
  • 令和4年度第二次補正予算で753億円を計上。キャリア相談、リ・スキリング、転職までを一体的に支援することで、企業間・産業間の労働移動の円滑化とリ・スキリングを一体的に促進する。
  • 価格転嫁の取組について
    • 9月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果を受け、交渉と転嫁の状況が芳しくなかった約30社の親事業者に対して、指導・助言を実施していく。
    • 更に、10社以上の中小企業から回答があった発注側企業全て(約150社)について、価格交渉・価格転嫁に関する状況を整理したリストを作成。中小企業の視点から見た自社の価格交渉・価格転嫁の状況を認識し、自発的改善に繋がるよう、本リストを2月7日に初めて公表。
    • 2月10日の地方経産局長会議では各経産局に対し、価格転嫁の動向や、価格転嫁を受け入れている、事例の収集に加え、地域総合経済団体や各企業に積極的に交渉と転嫁に取り組んでもらえるよう、周知を指示。
    • 3月の価格交渉促進月間からはこれまでの2倍の中小企業30万社へのフォローアップ調査を行うとともに、300名に増強された下請Gメンにより年間約1万2千件を目指してヒアリング調査を実施するなど、今後も価格転嫁対策に全力で取り組む。
  • 取引先との共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」は、2月17日時点で約18,600社が宣言済み。うち大企業(資本金3億円超)は、約1,100社。更なる宣言拡大に取り組む。2月10日の拡大経済産業局長会議において、各地域における宣言の拡大に向けて、地方自治体や地域の経済団体との連携を指示。
  • 中小企業の大胆な賃上げを促すため、各種補助金において、給与支給総額年率6%以上増加等の意欲的な賃上げを行った場合のインセンティブ措置(補助上限・補助率の引上げ等)を拡充。加えて、事業再構築補助金において、年率3~5%以上の賃上げに取り組む事業者に対する加点措置を新たに講じることとしたい。なお、ものづくり補助金は同様の加点措置を実施済み。
  • 今後、民間ゼロゼロ融資の返済開始時期は2023年7月~2024年4月に集中する見込み。この状況を踏まえ民間ゼロゼロ融資からの借り換えに加え、他の保証付融資からの借り換えや、事業再構築等の前向き投資に必要な新たな資金需要にも対応する新しい保証制度を創設。2023年1月10日から運用開始。借換実績については、2月17日時点で約6,500件の保証承諾
  • 経済産業省、中小企業庁、ジェトロ及び中小機構が一体となり、全国の商工会・商工会議所等とも協力しながら、(1)新たに輸出に挑戦する事業者の掘り起こしや、(2)専門家による事前の輸出相談、(3)輸出用の商品開発や売込みにかかる費用への補助、(4)輸出商社とのマッチングやECサイト出展への支援、などを一気通貫で実施。2月19日までに、1,083者の登録。日本商工会議所とジェトロ共催の輸出促進セミナーを実施するとともに、全国商工会連合会専務理事会議での掘り起こしへの御協力依頼を実施。また、ジェトロが輸出商社とのマッチングのための商談会を開始。
  • 小麦の買付価格は、ウクライナ情勢を受けて昨年3月以降、急激に変動。仮に、通常どおり6か月間で算定していた場合、売渡価格は急上昇と下落を伴った改定となっていたところ、緊急措置により算定期間を1年間に延長したことにより、急激な価格変動の影響を平準化。令和5年4月期については、引き続き買付価格の動向を注視しつつ、価格の予見可能性、小麦の国産化の方針等を踏まえ、総合的に判断して決定。
  • 配合飼料の高騰対策として異常補填基金への665億円の積増し等を措置し、本年度第1・第2四半期の飼料コストを抑制。配合飼料価格が高止まり、補填後の飼料コストが急増すること等を踏まえ、9月には第3四半期の実質的な飼料コストを第2四半期と同程度の水準とする504億円の緊急対策を措置。また、令和4年度第2次補正予算で異常補填基金への103億円の積増しを措置。足元では、輸入原料穀物価格に落ち着きがみられるものの、第4四半期については、配合飼料価格が前期とほぼ同水準で推移すると見込まれることなどを踏まえ、第3四半期の緊急対策を継続することで、酪農や養鶏など様々な畜種の飼料コストを抑制していく。また、配合飼料に加え購入粗飼料の高騰等により特に収益性が悪化している酪農経営について、必要な対応を行う。さらに、令和5年度第1四半期以降についても、配合飼料価格の推移を踏まえつつ、飼料コストを適切に抑制していく必要。
  • 本年の春闘については、現在、個別の労働組合から賃上げ要求が順次提出されている状況。今後、3月末頃までに、大手企業からの回答が示される予定。これまでに提出されている主要産業別労働組合の賃上げ要求水準を見ると、前年を上回る水準となっている。また、企業による賃上げの動向を見ると、既に積極的な賃上げ方針を打ち出す企業に関する報道が相次いでおり、3月から賃上げを行う企業もある。

~NEW~
内閣官房 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」が閣議決定・国会提出されました。
▼特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案(フリーランス・事業者間取引適正化等法案)の概要 (新規)
  • 趣旨
    • 我が国における働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備するため、特定受託事業者に係る取引の適正化及び特定受託業務従事者の就業環境の整備を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的として、特定受託事業者に業務委託をする事業者について、特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示を義務付ける等の措置を講ずる。
  • 概要
    1. 対象となる当事者・取引の定義
      1. 「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しないものをいう。
      2. 「特定受託業務従事者」とは、特定受託事業者である個人及び特定受託事業者である法人の代表者をいう。
      3. 「業務委託」とは、事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造、情報成果物の作成又は役務の提供を委託することをいう。
      4. 「特定業務委託事業者」とは、特定受託事業者に業務委託をする事業者であって、従業員を使用するものをいう。
        • ※「従業員」には、短時間・短期間等の一時的に雇用される者は含まない。
    2. 特定受託事業者に係る取引の適正化
      1. 特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額等を書面又は電磁的方法により明示しなければならないものとする。
        • ※従業員を使用していない事業者が特定受託事業者に対し業務委託を行うときについても同様とする。
      2. 特定受託事業者の給付を受領した日から60日以内の報酬支払期日を設定し、支払わなければならないものとする。(再委託の場合には、発注元から支払いを受ける期日から30日以内)
      3. 特定受託事業者との業務委託(政令で定める期間以上のもの)に関し、1~5の行為をしてはならないものとし、6・7の行為によって特定受託事業者の利益を不当に害してはならないものとする。
        1. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく受領を拒否すること
        2. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく報酬を減額すること
        3. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく返品を行うこと
        4. 通常相場に比べ著しく低い報酬の額を不当に定めること
        5. 正当な理由なく自己の指定する物の購入・役務の利用を強制すること
        6. 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること
        7. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく内容を変更させ、又はやり直させること
    3. 特定受託業務従事者の就業環境の整備
      • 広告等により募集情報を提供するときは、虚偽の表示等をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければならないものとする。
      • 特定受託事業者が育児介護等と両立して業務委託(政令で定める期間以上のもの。以下「継続的業務委託」)に係る業務を行えるよう、申出に応じて必要な配慮をしなければならないものとする。
      • 特定受託業務従事者に対するハラスメント行為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じなければならないものとする。
      • 継続的業務委託を中途解除する場合等には、原則として、中途解除日等の30日前までに特定受託事業者に対し予告しなければならないものとする。
    4. 違反した場合等の対応
      • 公正取引委員会、中小企業庁長官又は厚生労働大臣は、特定業務委託事業者等に対し、違反行為について助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告、公表、命令をすることができるものとする。
        • ※命令違反及び検査拒否等に対し、50万円以下の罰金に処する。法人両罰規定あり。
    5. 国が行う相談対応等の取組
      • 国は、特定受託事業者に係る取引の適正化及び特定受託業務従事者の就業環境の整備に資するよう、相談対応などの必要な体制の整備等の措置を講ずるものとする。
      • 施行期日 公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日

~NEW~
内閣府 2月月例経済報告
▼月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(令和5年2月21日)
  • 日本経済の基調判断
    1. 現状【判断維持】
      • 景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。
      • (先月の判断)景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している
    2. 先行き
      • 先行きについては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染拡大の影響に十分注意する必要がある。
    3. 政策の基本的態度
      • 足下の物価高などの難局を乗り越え、日本経済を本格的な経済回復、そして新たな経済成長の軌道に乗せていくべく、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」及びそれを具体化する令和4年度第2次補正予算について、進捗管理を徹底し、迅速かつ着実に実行するとともに、令和5年度予算及び関連法案の早期成立に努める。
      • 今後とも、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める経済財政運営の枠組みを堅持し、民需主導の自律的な成長とデフレからの脱却に向け、経済状況等を注視し、躊躇なく機動的なマクロ経済運営を行っていく。
      • 日本銀行には、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
  • 我が国の実質GDP成長率
    • 2022年10-12月期の実質GDP成長率は、前期比+0.2%(年率+0.6%)。ウィズコロナの下で、旅行・外食等のサービス消費を中心に個人消費が増加するとともに、水際対策の緩和に伴うインバウンドの増加もあって外需がプラスに寄与。
    • コロナ禍前(19年10-12月期)対比での先進各国の実質GDPの回復状況をみると、我が国は他の先進国と比べて遜色ない水準。
    • 実質GNI(国民総所得)は、輸入物価下落による交易条件の改善や海外からの所得受取増により、実質GDP(国内総生産)の伸びを上回る。
  • 物価の動向
    • 国内で生産された付加価値全体の物価動向を示すGDPデフレーター上昇率は、昨年末にかけての原油価格下落等に伴い輸入デフレーターの押下げ寄与が低下する一方、価格転嫁の進展により消費や投資等の内需デフレーターの押上げ寄与が拡大した結果、2022年10-12月期にプラス転換。
    • 国際商品市況は、欧州の暖冬等を背景に、原油・LNG・石炭の価格がロシアによるウクライナ侵略前の水準まで低下。
    • 23年1月の国内企業物価は前月比で横ばい。電力・都市ガスのプラス寄与が縮小するとともに、石油・石炭製品の価格が低下してマイナス寄与に。
    • 消費者物価は、財に加えて、一般サービスにおいても上昇するなど、物価上昇に広がりがみられる。
  • 賃金の動向
    • 一人当たり賃金は、2022年は前年比で2.1%と31年ぶりの高い伸び。月次でみると、12月はボーナスの増加を受けて大幅なプラス。
    • 22年の冬のボーナスは31年ぶりの伸びとなり、事業所規模別にみても、中小企業を含めて全般的に高い伸び。
    • 大企業の今春の賃上げについて、各社の個別動向をみると、物価上昇や人手不足の状況下で積極的な賃上げの動きがみられる。また、中小企業は過半が22年度に賃上げを実施したが、その理由をみると、物価上昇を理由にする企業割合が増加。物価上昇を意識した賃上げの機運に高まりがみられる。
    • 物価上昇を超える賃上げの実現に向けては、原材料やエネルギーコストのみならず、賃上げ原資も含めた適切な価格転嫁が重要。
  • 個人消費の動向
    • 個人消費は緩やかに持ち直し。財消費が底堅く推移する中、外食・旅行等のサービス消費の回復が継続。
    • 宿泊者数(延べ人数)は、全国旅行支援の効果やインバウンド再開により、12月にはコロナ禍前の水準をほぼ回復。新車販売は、供給制約が徐々に緩和される中で、振れを伴いつつ、このところ持ち直し。
    • 景気ウォッチャー調査(街角景気)の先行き判断は1月は上昇。物価上昇への懸念が引き続き下押し要因となる一方、インバウンド拡大に加え、新型コロナ5類移行が先行き期待の押上げに寄与。
  • 企業収益・設備投資の動向
    • 2022年10-12月期の上場企業の決算をみると、経常利益は、為替変動による評価損で営業外収支が縮小して前年比マイナスとなるも、引き続き高い水準。本業の動向を示す売上高と営業利益は、ウィズコロナの下での人流回復や供給制約の緩和などを背景に堅調に増加しており、企業収益は総じてみて好調な状況が継続。
    • 企業の設備投資は、名目ベースでは過去最高となるなど持ち直し基調が継続。ただし、資材価格上昇の影響により、実質ベースでは回復が緩やか。投資の内訳をみると、機械投資は足下で持ち直しの動きに足踏みがみられるが、ソフトウェア投資はデジタル化の進展等を背景に堅調に増加。
  • 輸出と生産の動向
    • 我が国の輸出は、半導体市況の軟化や中国の感染拡大を背景にアジア向けで減少し、全体として弱含み。こうした中、製造業の生産も持ち直しの動きに足踏み。
    • 2022年の経常収支は、秋ごろまでの資源価格上昇や円安などを受け、貿易収支は過去最大の赤字幅。一方、所得収支は過去最大の黒字幅。貿易収支を月次の季節調整値でみると、昨年秋以降は原油価格の下落等を背景に鉱物性燃料の赤字幅が緩やかに縮小、1月は前月比で横ばい。
    • 訪日外客数は堅調に増加。国別に19年比での回復状況をみると、23年1月は多くの国で7割程度かそれ以上の水準まで回復。
  • 世界経済の動向
    • 世界の景気は一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直し。2022年10-12月期の実質GDP成長率は、ドイツはマイナス、中国と英国は0%となった一方、アメリカはプラス成長が継続。
    • 2022年末にかけて、世界的な半導体需要の鈍化や中国の景気減速があり、韓国、台湾、タイでは生産・輸出が減少し、景気に弱さがみられる。
    • 欧州では暖冬やエネルギー消費抑制策もあり、天然ガスの在庫確保が進展。こうした背景もあり、エネルギー価格は下落し、欧米の消費者物価の上昇に一服感。ただし、上昇率の水準は依然高く、物価安定に向けた金融引締めが継続。今後も世界的な金融引締めに伴う影響、物価上昇等による下振れリスクに留意が必要。

~NEW~
内閣府 障害者に関する世論調査
  • あなたは、障害のある・なしにかかわらず、誰もが社会の一員としてお互いを尊重し、支え合って暮らすことを目指す「共生社会」という考え方を知っていますか。(〇は1つ)
    • 知っている 48.5%
    • 言葉だけは聞いたことがある 31.5%
    • 知らない 19.3%
  • 国や地方公共団体では、「共生社会」の考え方に基づいて、障害のある人もない人も共に生活できるための環境づくりを進めています。あなたは、この「障害のある人が身近で普通に生活しているのが当たり前だ」という考え方について、どう思いますか。(〇は1つ)
    • 当たり前だと思う(小計) 93.9%(当たり前だと思う 64.8%、どちらかといえば当たり前だと思う 29.1%)
    • 当たり前だと思わない(小計) 5.6%(どちらかといえば当たり前だと思わない 4.1%、当たり前だと思わない 1.4%)
  • 国は、障害や障害のある人に関する理解と関心を深め、障害のある人の社会参加への意欲を高めるために、毎年12月3日から12月9日までの1週間を「障害者週間」と定めて、さまざまな取り組みを行っています。あなたは、「障害者週間」を知っていますか。(〇は1つ)
    • 知っている(小計) 29.1%(月日も含めて知っている 1.3%、月日までは知らないが、「障害者週間」があることは知っている 27.8%)
    • 知らない 69.9%
  • 「障害者週間」を何によって知りましたか。(〇はいくつでも)(上位3項目)
    • テレビ、ラジオ 62.8%
    • 新聞 44.7%
    • 国や地方公共団体の広報誌、ポスター、パンフレット 27.6%
  • あなたは、障害のある人が困っているときに、手助けをしたことがありますか。(〇は1つ)
    • したことがある 61.9%
    • したことがない 36.7%
  • 手助けをしたのは、どのような理由からでしょうか。(〇はいくつでも)(上位4項目)
    • 困っているときはお互い様という気持ちから 65.8%
    • 障害のある人を手助けするのは当たり前のことだと思うから 54.4%
    • 身内などに障害のある人がいて、その大変さを知っているから 27.6%
    • 何となく手助けをしたいと思ったから 25.2%
  • 手助けをしたことがないのは、どのような理由からでしょうか。(〇はいくつでも)(上位2項目)
    • 困っている障害者を見かける機会がなかったから 79.4%
    • どのように接したらよいかわからなかったから 16.5%
  • あなたは、世の中には障害のある人に対して、障害を理由とする差別や偏見があると思いますか。(〇は1つ)
    • あると思う(小計) 88.5%(あると思う 47.5%、ある程度はあると思う 41.0%)
    • ないと思う(小計) 9.8%(あまりないと思う 7.5%、ないと思う 2.3%)
  • 今から5年前と比べて障害のある人に対する差別や偏見は改善されたと思いますか。(〇は1つ)
    • 改善されたと思う(小計) 58.9%(かなり改善されたと思う 9.5% 、ある程度改善されたと思う 49.4%)
    • 改善されていないと思う(小計) 40.4%(あまり改善されていないと思う 34.2%、ほとんど改善されていないと思う 6.2%)
  • いわゆる「障害者権利条約」は、国連が障害者の権利や尊厳を保護・促進するため、障害を理由とする差別の禁止や、障害のある人が障害のない人と同じように暮らすためのさまざまな施策を定めたもので、日本は平成26年1月に締結しました。あなたは、「障害者権利条約」を知っていますか。(〇は1つ)
    • 条約の内容も含めて知っている 2.2%
    • 内容は知らないが、条約があることは知っている 22.5%
    • 知らない 73.7%
  • 障害のある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる社会づくりを目指すため、平成28年4月からいわゆる「障害者差別解消法」が施行され、令和3年6月には改正法も公布されています。あなたは、「障害者差別解消法」を知っていますか。(〇は1つ)
    • 知っている(小計) 24.0%(法律の内容を、改正法の内容も含めて知っている 2.0%、内容は知っているが、改正されたことは知らない 3.7%、内容は知らないが、法律があることは知っている 18.3%)
    • 知らない 74.6%
  • 「障害者差別解消法」を何によって知りましたか。(〇はいくつでも)(上位3項目)
    • テレビ、ラジオ 58.0%
    • 新聞 46.5%
    • 国や地方公共団体の広報誌、ポスター、パンフレット 19.1%
  • 障害のある人とない人が同じように生活するためには、例えば、受付窓口で耳の不自由な方に筆談で対応したり、商店で高い棚にある商品を店員が代わりに取ってあげたりするなど、さまざまな配慮や工夫が必要になることがあります。あなたは、もし、こうした配慮や工夫が行われなかったとしたら、それが「障害を理由とする差別」に当たる場合があると思いますか。(〇は1つ)
    • 差別に当たる場合があると思う(小計) 64.7%(差別に当たる場合があると思う 26.8% 、どちらかといえば差別に当たる場合があると思う 37.9%)
    • 差別に当たる場合があるとは思わない(小計) 33.1%(どちらかといえば差別に当たる場合があるとは思わない 17.1%、差別に当たる場合があるとは思わない 16.0%)
  • 政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しています。内閣府では、この報告書を「障害者白書」として公表しています。この「障害者白書」を読んだことはありますか。(○は1つ)
    • ある 1.0%
    • 障害者白書を知っているが、読んだことはない 6.1%
    • ない 91.2%
  • 政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しています。内閣府では、この報告書を「障害者白書」として公表しています。この「障害者白書」を読んだことはありますか。(○は1つ)
    • ある 1.0%
    • 障害者白書を知っているが、読んだことはない 6.1%
    • ない 91.2%
  • 国や地方公共団体では、「共生社会」の考え方に基づいて、障害のある人もない人も共に生活できるための環境づくりを進めており、障害のある人に関する主な施策として以下のような取り組みを行っています。
    • 障害のある人への理解を深めるための啓発・広報活動
    • ホームヘルプサービスなどの在宅サービスの充実
    • 生活の安定のための年金や手当の充実
    • 障害のある人に配慮した住宅や建物、交通機関の整備
    • 障害のある子どもの相談・支援体制や教育と、障害のある人への生涯学習の充実
    • 障害に応じた職業訓練の充実や雇用の確保
    • 保健医療サービスやリハビリテーションの充実
    • 点字・手話、字幕放送などによる情報提供の充実
    • 障害のある人が差別を受けた際の相談窓口や紛争解決機能の充実
      • (上記資料を提示して)あなたは、今から5年前と比べてこれらの障害者施策は進んだと思いますか。(〇は1つ)
        • 進んだと思う(小計) 62.5%
        • かなり進んだと思う 11.0%
        • ある程度進んだと思う 51.5%
        • 進んでいないと思う(小計) 35.5%
        • あまり進んでいないと思う 31.5%
        • ほとんど進んでいないと思う 4.0%
  • あなたは、障害のある人に関する国や地方公共団体の施策のうち、もっと力を入れる必要があると思うものは何ですか。(〇はいくつでも)(上位4項目)
    • 障害のある人に配慮した住宅や建物、交通機関の整備 59.0%
    • 障害に応じた職業訓練の充実や雇用の確保 57.7%
    • 障害のある子どもの相談・支援体制や教育と、障害のある人への生涯学習の充実 55.0%
    • 障害のある人への理解を深めるための啓発・広報活動 47.8%
  • あなたは、障害のある人のために企業や民間団体が行う活動について、どのようなことを希望しますか。(〇はいくつでも)(上位4項目)
    • 障害者になっても継続して働くことができる体制の整備 72.5%
    • 障害のある人の雇用の促進 64.2%
    • 障害のある人に配慮した事業所などの改善・整備 42.4%
    • 障害のある人への理解を深めるための研修の実施 38.8%
  • 「しょうがい」の表記について、法令では「障害」を使っていますが、この表記の在り方については、さまざまな意見があります。あなたは、「しょうがい」の表記として、どれがふさわしいと思いますか。(〇は1つ)
    • 障害 29.5%
    • 障碍 3.0%
    • 障がい 39.8%
    • どれでもよい 26.1%

~NEW~
消費者庁 第18回消費者志向経営に関する連絡会(2023年2月16日)
▼消費者志向経営の推進に向けた取組み(経団連)
  • 背景
    • コロナ禍を受け、消費者を取り巻く社会環境や日常生活は大きく変化
    • 消費者の変化に対応した各社の取組みと認識を共有し、今後の取組みについて示唆を得るべく、異なる業種の計11社からヒアリングを実施
  • 概要
    • コロナ禍により消費者の行動や意識が変化する一方、企業の受け止めには共通項が存在
    • ヒアリングを実施した企業の多様な事例について、5つの傾向と1つの課題に分類
      1. 5つの傾向
        • コロナ禍の健康と暮らしの安全・安心に向けた取組み
        • 多様な働き方に合わせた場所・空間、ワークスタイルの提案
        • 「巣ごもり消費」等の生活の充実に向けた提案
        • デジタル取引・コミュニケーションの変化等に合わせた利便性の提供
        • リアルの場所・体験ならではの価値の提供
      2. 1つの課題
        • 社会課題に対する意識の高まりを受けたサステナブルな消費の推進
  • 暮らしの安全・安心
    • 清潔、衛生用品の安定供給
    • 感染予防生活に役立つ情報発信
    • 住宅内の空気環境を整える換気設備や家電製品の提案 等
    • 感染防止対策、デジタル機器の活用(情報提供、消費者とのコミュニケーションの緊密化)
  • 健康の維持・増進
    • たんぱく質を多く摂取できる食品
    • 産官学連携のフィットネス施設 等
    • (課題)外出自粛等による運動量の減少傾向
    • (課題)高齢化、地域コミュニティの衰退等
  • 多様な働き方に合わせた場所・空間、ワークスタイルの提案
    • 居住空間における快適なワークプレイスの確保(例:コワーキングスペース、集中できるスペースの設置)
    • シェアオフィス、個室型ブースの設置
    • ワーケーション※施設の提供、多拠点居住スタイルの提案 等
    • テレワーク等を経験したことで、リアルに対面することの価値も再認識(例:イノベーションが創出されるような場の提供)
    • 様々な用途に合わせた場所・空間の提供
  • 生活スタイル、時間のゆとりの変化
    • 自宅における食の多様なニーズに対応(例:時短で手軽に準備、自宅で本格的な味)
    • 生活スタイルに合った健康、美容の提案(多忙になった人、時間にゆとりができた人)
    • デジタルを活用した消費者との新たな接点の形成
    • デジタルの娯楽、日用品、家電製品等、幅広い分野で「巣ごもり消費」が拡大
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速、デジタルを活用したサービス等の拡大
    • 取引・決済手段の変容・多様化、情報取集手段や消費者同士のコミュニケーションの変化
    • EC向けの物流・配送の強化、シームレスな買い物の実現(クロスショッピングの例)
    • デジタルアプリ等を活用したサービスの提供、情報発信 等
  • デジタル技術の活用が進む一方、リアルの価値が再認識
    • 生活基盤の維持、社会インフラの整備(例:交通インフラ、物流、小売店舗、飲食業)
    • 安全、安心を徹底し、出来立てを味わえる店舗を維持&テイクアウト、デリバリー等の強化
    • デジタル技術の活用が進む一方、触覚・嗅覚等を含む五感全体を使う体験・サービス等を求める志向が根強く存在
    • (スポーツや芸術、フェスティバル等のライブ・イベント型エンターテイメント、商業施設、観光や旅行、外食等はデジタル活用が図られる一方、リアルの体験にも期待)
  • コロナ禍もきっかけに、社会課題の解決に向けた消費のあり方も注目
    • プラスチックごみの減少
    • 食品ロスの削減
    • 社会課題解決に向けた寄付・仕組み
  • サステナブルな消費の推進における課題
    • エシカルな商品、サービス等の提供・販売と、それらの商品等の購入・消費の双方が重要(つくる責任、つかう責任)
    • 「安価であることよりも社会課題解決への貢献を優先する」という消費者の自発的な行動に依存するだけでは限界があるとの指摘
    • 複雑に関与するサプライチェーン、同業他社との関係があるなかで、多様な主体の間での連携・協働、消費者に対する横断的な啓発等が必要
  • 事例ヒアリングから得られた示唆
    1. 多様な消費者の行動・意識の変化を捉えた、社会にとって持続的に価値のある商品・サービスを提供することが重要
      • 安全・安心、多様な働き方・生活、デジタル、リアルの価値、社会課題解決
    2. デジタル技術・ツールを駆使し、コミュニケーションが緊密化
      • サステナブルな社会に向けたニーズ対応するため、デジタル活用は不可欠
    3. 多様な業種の連携、消費者や地方自治体、市民社会等との協働が重要
      • 社会課題の解決に向けては、エンドユーザ―たる消費者にも役割があり、社会全体としてサステナブル消費を推進していくべき
      • 消費者と企業がwin-winの関係になるような形でのサステナブルな消費を推進
      • 消費者の声を商品・サービスに反映しつつ、消費者の安全や取引の公正性の確保、中長期的な視点に立ったサステナブルな社会の構築を図り、消費者との信頼関係を築き上げる「消費者志向経営」を引き続き推進

~NEW~
消費者庁 第11回消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会(2023年2月21日)
▼【資料】消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会 これまでの議論の整理(案)
  • 消費者法で何を実現するか
    • 消費者の自由・自律性の保障や、安心・安全・幸福の保障等の目的規定
      1. 「消費者・事業者間の情報の質・量、交渉力の格差」のメルクマールのリバイス(消費者保護の正当化根拠の在り方)
        • 交渉力以外の能力格差(情報活用能力、脆弱性への対応能力等)の考慮
        • 消費者・事業者間の格差以外のメルクマール
      2. 消費者の脆弱性の利用に対する規制法としての役割
  • 消費者法の対象主体とその考え方
    1. 消費者概念の再考
      1. 消費者法のターゲットである「消費者」
        • 「消費をする者」か「(格差の劣位にある/脆弱な)自然人」か
      2. 消費者の脆弱性への対応
        • 現在の消費者法が前提としている「一般的・平均的・合理的」消費者概念の妥当性
        • 消費者の「不合理さ」「脆弱さ」を正面から捉えた法制度の必要性
        • 一般的消費者が持つ状況的脆弱性と若年・高齢・貧困等による類型的・属性的脆弱性
      3. CtoCの売り手Cの扱い
        • 売り手Cを保護する必要性(プラットフォーム利用者を保護する仕組み等)
        • 売り手Cと取引する消費者(買い手C)の保護の在り方
    2. 事業者の多様性の考慮
      1. 悪質性の度合に応じた対応
        • 事業者の悪質性に応じた法執行措置の複層化・連携化の必要性
      2. 取引当事者以外の事業者
        • 売り手、買い手、契約相手、取引基盤(プラットフォーム、決裁機能等)提供者、情報・広告提供者といった複数当事者の存在を踏まえた消費者法の在り方(複数当事者を対象として整備すべきか、それぞれ1対1関係で整備すべきか)
    3. 国の役割、事業者団体や消費者団体といった中間団体の役割の再考
      1. 国(行政)の機能拡充の必要性
        • 規制のスマート化、縦割りの排除、消費者法の規制権限の統合的な執行
        • 情報利活用のための環境整備と情報の信用を担保するための仕組み
        • 契約条項の適法性評価・勧告のような仕組みによる民事ルール形成
        • 消費者(団体)の強化、事業者(団体)との協働
        • 事業者が法・制度を遵守するためのインセンティブ設計
      2. 中間団体の役割
        • 消費者団体の役割の明確化と、それに見合った消費者団体の認定・育成の必要性
        • 適格消費者団体が新たな役割を担う可能性(プラットフォームの格付け、デザインの監視・評価、等)
        • 事業者団体の役割の位置づけ
  • 消費者法に何が必要か
    1. AI等の技術が果たす役割、法と技術の関係の整理
      • 法によって技術の役割と限界を画する必要性
        • ダークパターン、AI等についての消費者法における規制の必要性
        • 統計的AIにより不可避的に発生するエラーを重大被害につなげないための仕組み
    2. 社会の変化等に対応して新たに必要になる法規定
      1. 高齢化の進展に伴い新たに必要になる法的対応
        • 認知症高齢者など類型的・属性的な脆弱性を念頭に置いた法制度の必要性
        • 判断力が低下した者の消費者法での保護の必要性(成年後見制度対象程度に至らない者、同制度の利用を望まない者)
      2. デジタル化の進展に伴い新たに必要になる法的対応
        • ダークパターンに対する法規定の在り方
        • 消費者の限定合理性を前提とした制度の必要性
        • AIを使ったサービスに関するルール形成の在り方(体制整備義務、透明性確保、事後的監査 等)
        • サブスクリプション型契約への法的対応
        • プラットフォーム提供者の役割の拡大
      3. デジタル化による「越境取引」の普遍化への対応
        • 現行の準拠法ルールの見直しの必要性
        • 日本の消費者向けに事業を行う事業者に対する行政法規による規制の必要性
        • プラットフォーム提供者等の事業者に紛争処理の仕組みを義務化することの必要性
    3. 様々な法的手法の役割分担と関係性の検討
      • 法形成におけるハードローとソフトローの組み合わせ
        • 民事ルール・行政規制・刑事罰の役割分担と競合
        • 公私共働(自主規制、共同規制、消費者団体訴訟制度 等)
        • 業法と消費者法、消費者法間の役割分担
      • 「消費者契約法」の可能性
        • 抽象度・予見可能性・柔軟な効果の関係
        • 対象場面や規定のバリエーション拡充
        • 行政規制導入の可能性
        • フランス濫用条項委員会のような消費者・事業者対話型の仕組みの可能性
    4. 被害・損失をリカバリーする仕組みの検討
      • 柔軟な被害救済を図るための選択肢の拡充の必要性
        • 契約・取引に起因する消費者の被害・損失への対応(消費者契約における損害賠償規定、解除権や契約履行過程の規定等を新設する必要性 等)
        • 契約・取引に帰し難い消費者の被害・損失への対応(AIが不可避的にもたらす被害への対応 等

~NEW~
消費者庁 「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による消費行動の変化等に関する研究」プロジェクトにおけるプログレッシブ・レポートの公表について
▼コロナ禍における消費者の生活変化と情報源
  • 結果の総括と考察
    1. 生活の変化と不安
      • 新型コロナの感染拡大によって消費者の生活は大きく変化した。それは、緊急事態宣言の対象地域のみならず、対象外地域においても同様にみられた。「在宅勤務・オンライン授業」は、全国的に感染拡大以前より増えていたが、特に宣言対象地域の増加が大きかった。「保育・介護サービス利用」、「運動や体を動かす時間」、「友人・知人との交流時間」は、宣言対象地域のほうが減少していた。これらは、第2回の緊急事態宣言(2021年1月から)において不要不急の外出の自粛や出勤者の7割削減が要請されていたこと、保育・介護施設内での感染者発生を受けてのサービス休止などによる影響と考えられる。
      • 「買物の頻度」は、僅かな減少に留まった。緊急事態宣言の発出に伴い食料品や日用品などの在宅需要はむしろ増加したと考えられ、生活必需品を手に入れるためには買物の頻度を下げることができなかったと推測できる。なお、「仕事や勉強の量や時間」、「出張」、「通院」については、地域との関連性はみられなかった。
      • 「生活や品不足への不安」は対象外地域のほうがむしろ大きく、この差は人口の密集による違いではなかった。元吉(2020)の報告とも整合性のとれる結果である。宣言対象地域は感染拡大による現実問題への対応が求められる状況なのに対し、対象外地域では生活や品不足に対する不安を感じる人が多かったことが示唆される。
        1. 収入の減少に影響した要因
          • 収入は、緊急事態宣言地域でも対象外地域でも僅かな減少がみられ、大きな地域差はみられなかった。重回帰分析ではモデルの説明力が低いことから、ここで挙げた要因で収入は大きく変化するものではなかったと考えられる。
          • 「収入」の減少に影響していた要因としては、居住地域、年代、就業形態であり、働き盛りの年代や、特に非定型な就業形態の人が最も大きな影響を受けたことが分かる結果となった。実際に、新型コロナ感染拡大前の水準から非正規雇用者数は大きく減少しており(厚生労働省、2021)、収入の面にも影響が及んだと考えられる。ただし、配偶者がいるパート・嘱託・自営業等については、配偶者が安定的に収入を得ているケースもあるため世帯収入としては減少の影響を受けにくかったと考えられる。
          • なお、収入の減少を抑制する方向に働いたのは、緊急事態宣言対象地域か否か、性別、年収といった要因であった。女性については、コロナ禍における女性の収入減は各所で報告されているが(山本他、2020、石井他、2021)、本研究では世帯全体の収入の変化を尋ねているために、性別が大きな減少要因にならなかった可能性がある。また、高収入世帯については、新型コロナの影響を受けにくいことが観察された。コロナ禍において需要が伸びた職業に就いていた人が多かったのではないかと推測される。
          • なお、都市部では都市部以外よりも収入が減少していた一方で、緊急事態宣言対象地域においてはその減少は穏やかだった。これは都市部では飲食、宿泊、娯楽などの業種で売上の減少が大きかったこと、その中で宣言対象地域では緊急事態措置の影響緩和に係る支援金や協力金の給付が寄与していた可能性もあろう
        2. 買物の頻度に影響した要因
          • 先述の通り、買物の頻度は大きくは減少しなかった。重回帰分析でもモデルの説明力は低いことから、非常時においても買物の頻度を大きく変えることは難しいことがうかがえる。
          • その中でも、買物の頻度の減少に影響していた要因としては、性別、購入手段、年代であった。『From プラネット159』(株式会社プラネット、2021)によると、「家庭のなかで食品や日用品の買物を主に担っている」と回答した人が男性43.9%、女性90.1%であることを勘案すると、主に食品や日用品の買物を担っている女性において、新型コロナの感染拡大を受けてより買物頻度を下げたと考えられる。また、感染に対する不安感は女性の方が高い(元吉、2020、Yamamura et al.,2022)ことも、買物による外出機会の抑制に影響しただろう。
          • 食料品や日用品の購入手段では、普段からインターネット通販を利用している人は、インターネット通販を活用したまとめ買いなどにより買物の頻度を下げることができたと推察される。30歳代から70歳代までは、若年層と比べると外出を控える傾向がみられたが、坊(2021)の報告によると、新型コロナに関する「感染による健康面への不安」や「感染による偏見・中傷への不安」は20歳代が最も低く、年代が上がるにつれて大きくなったとのことから、当該年代は買物や友人・知人との交流など他者との接触機会に抵抗があったと考えられる。
          • 一方、居住地域や就業状況は、買物の頻度の減少を抑える要因となっていた。緊急事態宣言に伴い、宣言対象地域においては、食料品や日用品などの在宅需要が増加したことで、買物の頻度が高くならざるを得なかったことが推測される。また、就業者においては、仕事の量や時間の減少や在宅勤務の増加により、買物に費やすことができる時間が増えた面もあったのではないだろうか。
        3. 友人・知人との交流時間に影響した要因
          • 緊急事態宣言の対象地域では、たとえ郊外であっても人口が密集している都市部と同様に、友人・知人との交流時間は減少していた。緊急事態宣言の効果が表れ、多くの人が外出を控えていたことが示唆される。
          • 「友人・知人との交流時間」の減少に影響を与えていた要因は、性別、年代、学歴、就業状況、重視する情報の種類であった。女性や30歳代から70歳代までの減少が大きかった点については、前述の(2)買物の頻度と同様、感染に対する不安の大きさによるものだろう。フルタイム勤務者において減少が大きかったことの要因の一つとして、感染時の仕事への影響をおそれて、人との接触機会を避けていたと推測される。加えて、「大卒」、「新聞・テレビ等の報道を最重視」している人、「行政による情報を最重視」している人は、行政からの外出自粛要請を受け、行動に移していたともいえるだろう。
    2. 消費者が最重視する情報源
      • 日頃、注意深い情報収集を行っていると認識している人は、新型コロナに対して「行政からの情報」又は「SNSから入る情報」を最も重視する傾向がみられた。
      • 他方で、最重視する情報源には、属性や心理傾向の違いがみられた。例えば行政からの情報を最も重視する人は同調傾向が低いのに対し、新聞・テレビ等の報道を最も重視する人は同調傾向が高い傾向がみられた。また、年代については、高齢層が新聞・テレビ等の報道や行政による情報を、若年層がSNSから入る情報を最も重視している傾向が明確にみられた。最重視する情報源によって年代や同調傾向といった特徴がそれぞれ異なることから、違いを意識した情報発信が必要であるといえる。
      • また、行政による情報は教育歴の長い消費者が最も重視している傾向がみられたことは、裏返せば若年層や教育歴の短い消費者にも分かりやすく情報提供を行う必要があることを示しているだろう。居住地域による差は大きくなかったものの、都市部ではSNSを、都市部以外では新聞やテレビが重視される傾向にあった。地域による特徴に加えて、緊急事態宣言の対象外地域でも消費者の生活には大きな影響が生じていたことを踏まえ、全国的な情報提供を適切に行う必要性があるといえる。
    3. 総括と今後の課題
      • 新型コロナの感染拡大当初から約1年で、消費者の生活は感染拡大以前と比べて変化していたが、総括すると、緊急事態宣言の対象地域か否かでの違いは限定的であった。
      • 生活の変化のうち、消費に特に関連すると考えられる「収入」、「買物の頻度」、「友人・知人との交流時間」に影響する要因はそれぞれ異なっていたが、特に消費者の性別や年代、就業状況による影響がみられた。また、コロナ禍においても買物の頻度を変えることが難しい可能性も示唆された。なお、いずれもモデルの説明力がさほど高くなかったことから、今回分析で用いた変数以外が大きく影響しているとも考えられ、詳細を明らかにするには変数の更なる精査が課題といえる。
      • また、消費者が最も重視する情報源として、「新聞・テレビ等の報道」、「行政による情報」、「SNSから入る情報」には消費者の年代に特徴があった。中でも行政による情報は、高齢層や教育歴の長い層が重視していると推察される。
      • 以上の結果を踏まえ、非常時の混乱を避けるための適切な情報提供のあり方と行政における課題として、以下の2点を挙げる
      • 1点目は、緊急事態宣言の対象地域か否かにかかわらず、消費者の生活や心理面で大きな影響が生じることを踏まえた情報提供を行うことである。本稿では緊急事態宣言の対象地域か否かという観点で生活や心理面での変化の違いをみたが、渦中の地域以外においても変化が生じている、又は渦中の地域よりもより大きな変化が生じている可能性があることを意識する必要がある。むしろ、未知の状況におかれている地域のほうが不安は大きいことも考慮しながら、不安を抑えることができるような情報提供を心掛けることが重要だろう。
      • 2点目は、行政からの情報を、若年層や教育歴が短い消費者にも入手しやすい媒体かつ明瞭な内容で提供することである。感染拡大直後にトイレットペーパーの買溜め行動が行われたように、非常時は混乱が生じやすく、誤った情報の流布によって消費者が合理的な判断ができなくなり、消費者被害につながるケースも予想される。そのような非常時だからこそ、行政からの信頼性の高い情報を広く消費者に届け、理解と行動につながるような情報提供を行うことが重要である。さらに、非常時のために平時より備えておく大切さも、効果的に伝えることも必要であろう。行政による情報を重視していない層の特徴も分析により明らかとなったことを活かし、全ての人にリーチするような媒体や内容の工夫を行うことが行政に求められる。

~NEW~
国民生活センター 吹き出し口が変色したセラミックファンヒーター(相談解決のためのテストからNo.173)
  • 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
  • 依頼内容
    • 「セラミックファンヒーターを使用開始後、2週間位で吹き出し口が変色し、ひびが入った。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。
  • 調査
    • 当該品は、ファンにより背面の通気口からフィルターを通して吸入した空気を内部のヒーターで温め、吹き出し口から温風として吹き出す小型のセラミックファンヒーターでした。相談者によると、使用を開始してから2週間ほどで吹き出し口の中心部が変色し始め、1カ月後には亀裂が入ったとのことでした。
    • 当該品を調査した結果、樹脂製の吹き出し口の中央付近に熱の影響によると考えられる変色・亀裂がみられ、内側は外側よりも変色の度合いが大きいものでした。また、背面の通気口のフィルターを確認したところ、全面に埃(ほこり)が付着していました。
    • 当該品を稼働させて、吹き出し口の温度を測定したところ、最も温度の高い箇所は中央付近の内側で、約200℃でした。そこで、フィルターの埃を除去し、同様に稼働させたところ、最も温度が高かった箇所は、同じく中央付近の内側でしたが、最高温度は約180℃で、フィルターの埃を除去する前よりも低くなりました。
    • このことから、フィルターへの埃の付着により通気が不十分になったことが、より高温になった一因と考えられました。
    • また、吹き出し口の変色が見られない部分を約1cm×1cmに切り出した試験片を、200℃と180℃の環境下に4時間置いたところ、200℃に置いたものでは全体に変色がみられ、180℃に置いたものでは変色等の変化はみられませんでした。
  • 消費者へのアドバイス
    • セラミックファンヒーターに限らず、ドライヤー等の温風を出す商品は、空気を吸入するフィルターに埃が付着等すると通気が不十分になり、内部の温度が正常時よりも高温になる可能性があります。取扱説明書をよく読み、定期的にフィルターの掃除をするようにしましょう。

~NEW~
国民生活センター 引っ越しの際の破損・紛失トラブルに気を付けて
  • 内容
    • 引越事業者に荷造りを任せて引っ越しをした際、有名作家が作った一点ものの陶器の縁が欠けてしまった。引越事業者は責任を認めて弁償すると言うので、約4万円と申告したが、事業者が提示した金額はずいぶん少なかった。事前に貴重な陶器作品とは申告していないが、有名作家が作ったので今購入したらもっと高額である。納得できない。(60歳代)
  • ひとこと助言
    • 引っ越しの際に「荷物が破損した」「紛失した」といった相談が寄せられています。引っ越しの契約には、国が定めた標準引越運送約款か国土交通大臣の認可を得た事業者独自の約款が使用され、契約内容は原則、契約した際の約款の記載に従うことになります。契約の際は、約款をよく確認しましょう。
    • 貴重品や壊れやすいものなどはあらかじめ事業者に申告しましょう。
    • 破損や紛失があった場合、荷物の引き渡し後3カ月以内に申し出ないと事業者の責任が消滅します。引っ越し完了後は、すぐに荷物の状態を確認することが大切です。
    • 損害賠償が受けられる場合も、購入時の価格が補償されるわけではないことを認識しましょう。
    • 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
経済産業省 手形等のサイトの短縮化のさらなる促進に向けた要請を実施しました
  • 中小企業庁は、手形等のサイト(※)の短縮化の更なる促進を図るために、令和4年6月27日付け「下請事業者との取引に関する調査について」の回答において、サイトが60日を超える手形等により下請代金を支払っているとした親事業者約6,000者に対し、可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内に短縮することを求める要請を、公正取引委員会と連名で実施しました。
    • ※手形等のサイト:手形等(手形、一括決済方式及び電子記録債権)の交付日から満期までの期間。
  • 概要
    • 本日、公正取引委員会及び中小企業庁は、昨年度に引き続き、手形等のサイトの短縮化の更なる促進を図るために、令和4年6月27日付け「下請事業者との取引に関する調査について」の回答において、サイトが60日を超える手形等により下請代金を支払っているとした親事業者約6,000者に対し、連名で、可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内に短縮することを求める要請を連名で実施しました。
      • ※中小企業庁は、長期の手形等のサイトによる下請事業者の資金繰りの負担を減らし、下請代金の支払いの更なる適正化を図る観点から、支払条件の改善に向けた取組を進めており、その取組の一環として、令和3年3月31日に、公正取引委員会と連名で手形通達を見直し、おおむね3年以内(令和6年内)を目途として可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内とすることなど、下請代金の支払の適正化に関する要請を関係事業者団体約1,400団体に対して行っています。
    • また、当該要請に伴い、令和6年を目途として、サイトが60日を超える手形等を下請法の割引困難な手形等に該当するおそれがあるものとして指導の対象とすることを前提に、下請法の運用の見直しを検討することとしています。
    • 中小企業庁と公正取引委員会は、今後も引き続き、中小事業者の取引条件の改善を図る取組を進めてまいります。

~NEW~
経済産業省 「公正な買収の在り方に関する研究会」における主要な論点についての意見・情報提供を募集します(パブリックコンサルテーションの実施)
▼【別紙】公正な買収の在り方に関する意見・情報の募集 ~これまでの議論から見えてきた主な論点~
  1. 買収一般に関する原則
    • 買収一般に関する原則として、例えば以下のようなものが考え得るが、どういった原則を主要なものとして示すべきか。
      • 望ましい買収か否かは、企業価値を向上させるか否かを基準に判断されるべき。
      • 買収は、対象会社と買収者の双方による公正な手続を通じて行われることにより、
      • 般株主が享受すべき利益が確保されるべき。
      • 買収が企業価値の向上に資するかどうかの判断においては、株主の意思が尊重されるべきであり、判断のために必要な情報が適時に提供されるべき。
      • 買収者と対象会社は、買収に関連する法令を遵守し、買収に関する手続の透明性を確保すべき。
  2. 買収提案を巡る取締役・取締役会の行動
    1. 受領した買収提案の扱い
      • 上場企業の経営陣(業務執行取締役・執行役員等)が自社に対する買収提案について検討する際には、企業価値の向上に資するかどうかという観点から、買収の是非を検討すべきではないか。
      • その際には、「真摯な買収提案は真摯に検討する」ことを基本とした上で、経営陣が買収提案を受領した際にどう取り扱うかが論点となる。具体的な買収提案を受領した場合、経営陣として初期的な評価を行った上で取締役会に付議し、取締役会において真摯な提案かどうかを判断することが基本ではないか。
      • 取締役会が真摯な買収提案でないと考える場合に、その理由を株主に対して丁寧に説明し、また、これを対外的に開示することについて、どのように考えるべきか。
      • 取締役会は、真摯な買収提案と考える場合には、買収提案についての分析・評価及び買収者との交渉に関与するとともに、監督者としての役割を果たすべきではないか。
    2. 買収提案の検討・交渉
      • 買収提案の検討・交渉に携わる経営陣が従うべき行為準則として、例えば以下のようなものが考えられるが、どうか。
        • 検討・交渉を行う際には、買収条件の改善により当該買収提案が企業価値の向上及び一般株主が享受すべき利益の確保に資するものとなるよう、真摯に交渉しなければならない。
        • 買収提案への対応について株主への説明責任を果たす必要性を意識し、買収提案の内容、買収後の経営方針、買収者の経営能力・属性・資力等について真摯に検討・評価しなければならない。
        • 真摯な買収提案が複数寄せられた場合、それらの買収提案に対し、公正性を確保しつつ対応しなければならない。
        • 社外取締役を含め、適切な情報管理を行わなければならない。
      • 特にデューデリジェンスについては、企業内部の非公開情報を提供して行うものであり、どのような場合にどのような範囲で認めるべきか。
      • 複数の買収提案のうち、企業価値をより向上させる提案と一般株主が享受する利益の確保により資する提案とが異なる場合、対象会社としてはどのように判断し、行動すべきか。
    3. 取締役会の役割と特別委員会による補完
      • 会社が買収提案を複数受けた場合やキャッシュ・アウトの提案を受けた場合等には、取引の公正性を確保することが重要となる。特に取締役会の構成が社外取締役を主とするものでない会社においては、取締役会の独立性を補完し、取引の公正性を確保するために、買収の当事者(買収者及び経営陣)から独立した特別委員会を設置することも有益と考えられるのではないか。この観点からは、取締役会の独立性を高めることや買収の当事者から独立した特別委員会の判断を尊重することは、平時において、また有事の際の対抗措置の発動の場面で、どのように評価されるべきか。
      • その他にも、買収提案に対応する際に、取締役会の機動性、専門性を補完する観点から、特別委員会を設置することが有益な場合もあるのではないか。その際、その規模・構成はどうあるべきか。
  3. 買収に関する透明性の向上
    1. 対象会社による情報開示
      • 具体的かつ真摯な買収提案を受けた場合、これに対して取締役会や社外取締役がどのように対応したのかについて株主が評価できるよう、対象会社として何らかの情報開示を適切なタイミングで行うことについてどのように考えるべきか。
      • 特に、個々の社外取締役の機能発揮状況が分かる情報開示について必要と考えるかどうか。
    2. 買収者による情報提供・情報開示
      • 対象会社やその株主にとって必要な情報の提供を確保する観点から、買収しようとする者においても、例えば以下のような情報提供・情報開示をすることが考えられるが、どうか。
        • 買収が対象会社の一般株主やステークホルダーに与える影響、その他企業価値に及ぼす影響に関する情報を開示すべき。
        • 買収提案をした場合はもとより、現に買収提案をしていない状況においても、対象会社が買収の可能性を認識し、対話のため事実確認をしようとした場合には、株主は実質株主や協調行為をとる者等(共同保有者の定義に限らない)の事実確認に応じるべき。
        • 買収をしようとする者が、公開買付けに先立って株式の取得を進める場合には、株式取得の目的が支配権の取得にある旨を市場に適時に周知すべき。
        • 特に、公開買付けの実施を予告する場合には、買収のために要する資力等につき合理的な根拠を有した上で、公開買付けを実施する条件など市場の判断に資する情報を開示すべき(合理的な期間内に公開買付けを開始できない場合には、原則として、実施予告を取り下げるべきか)。
    3. 上記のうち、実質株主の確認については、現時点で買収を企図しているとはいえない者についても、一定の要件に該当する場合には、広く実質株主であることの確認に応じるべきという考え方もあり得るが、どう考えるか。
  4. 株主の意思決定を歪める行為の防止
    • 株主の意思決定を歪める行為を防ぐ観点から従うべき行為準則として、例えば以下のようなものが考えられるが、どうか。
      • 強圧的二段階買収等の構造的な強圧性を有する買収手法を行わない
      • 金品・財物等の交付による委任状勧誘等を行わない
      • 株主の合理的な判断に資する積極的な情報提供を行うこととし、不正確な情報開示や株主を誤導するような情報開示は行わない
      • -取引先株主等への優越的な地位に乗じた働きかけなど、株主の合理的な意思決定を歪め、その利益を損なうような働きかけを行わない
  5. 買収防衛策の在り方
    1. 企業価値を高める買収を阻害しないための考え方
      • 企業価値を高める買収を阻害しない観点からは、株主が適切な判断をするために必要な情報や判断の機会を提供すること(インフォームドジャッジメント)や、経営の支配権を取得しようとする買収者にとって、どうすれば買収防衛策の発動や発動による不利益を回避できるかが明らかであることが重要ではないか。
      • また、この観点から、対抗措置の設計や運用について、どのようなプラクティスが望ましいと考えるか。
    2. 有事導入型買収防衛策についての考え方
      • 市場における関係者の予見可能性を確保することが有益であり、これまで買収防衛指針で対象としていなかった有事導入型買収防衛策についても、その在り方を示すべきではないか。
      • 特に有事導入型においては、基本的には、株主意思を確認することにより、対抗措置の必要性が推認されやすくなると考えられ、少なくとも事後的に対抗措置の発動に関して株主の意思を問うことが合理的ではないか。他方、緊急性の高い場合や企業価値をき損することが明らかな場合等における例外やこれらを踏まえた留意点について、どのように考えるか。
      • 市場内における急速な買付けの影響を排除する等の観点から、買収者及び経営陣を除いた株主の意思を確認すること(いわゆるMOM決議)が合理的な場合もあるとも考えられるが、どうか。
      • 機関投資家や議決権行使助言会社は、買収防衛策の是非につき議決権の行使やその助言をする場合には、基準をもって形式的に判断するのではなく、スチュワードシップ・コードに則り、投資先企業の状況や当該企業との対話の内容、買収者による買収後の経営方針等を踏まえた上で、議案に対する賛否を判断すべきではないか。
    3. 買収防衛策の平時からの導入に関する考え方
      • 企業価値を高める買収かどうかを株主が情報を得た上で判断するための仕組みとして、これまで経済産業省では企業が平時から事前警告型買収防衛策を導入することについて指針等を示してきたが、改めてその在り方についてどのように考えるか。
      • 現状では、多くの機関投資家が平時における買収防衛策の導入議案について、企業価値の長期低迷や望ましい買収を阻害するおそれ等を理由に反対しているが、買収防衛策の設計において一般的に望ましくない点があるとすると、どういった点か。例えば、防衛策導入の理由、社外取締役の比率、買収手法の態様、発動時の株主総会決議の有無、発動要件の定め方等により賛成・反対の立場がどの程度異なりうるか。
      • 特に、(1)平時導入型のものでも発動時に株主総会決議を経ることが担保されており、有事において株主意思を確認する仕組みが確保されているものや、(2)一定の交渉時間の確保のみを目的に設計するなど裁量性を排除したものについては、機関投資家の見方は変わり得るか。
  6. 関連用語の呼称
    • 経営陣が同意していない状況でされる買収提案について、交渉の結果として友好的な取引になり得ることや、(敵対的買収という用語よりも)価値中立的な表現がふさわしいとも思われることを踏まえ、どのような用語を用いるべきか。
    • 買収防衛策については、いわゆる事前警告型のものや有事導入型の一定のものについて、ルールの遵守を求めるための交渉ツールという目的のみで用いられる場合には、必ずしも「防衛」という字義に即さない場合もあるが、どのように呼称することが適切か。

~NEW~
経済産業省 関西電力株式会社へ緊急指示を行いました
  • 経済産業省は、本日、関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)に対し、法令等遵守体制や、適正な競争環境の確保等の観点から緊急指示を行いました。
    1. 概要
      • 関西電力送配電株式会社と関西電力が併用する託送システムにおいて、新電力の顧客に係る非公開情報が、関西電力側から閲覧可能な状態となっており、関西電力の社員の多数が情報を閲覧していた事案が発生しました。この事案をうけ、本年1月16日(月曜日)に、法令等遵守の観点から、関西電力に対して報告徴収を実施し、同年2月17日(金曜日)に回答を受領しました。
      • 当該回答から、一般送配電事業者の有する非公開情報である関西電力以外の小売電気事業者と契約している顧客情報の閲覧及び小売電気事業者間の適正な競争環境を阻害する情報利用、業務改善の実施中における法令等遵守の観点から懸念がある事案の複数発生及び法令等遵守の観点から懸念がある事案に対する組織、報告体制、仕組みの問題が明らかになりました。
    2. 緊急指示の内容
      • 1.を踏まえ、法令等遵守体制や、適正な競争環境の確保の観点からの取組を一層強化していく必要があることから、本日、経済産業省は、同社に対しこれらの取組の強化等の緊急指示を行いました。
    3. 今後について
      • 2.の取組を実施するに当たっては、当該取組の実効性を高めるため、外部人材を活用した検証体制を構築すること、当該取組の実効性が不十分であると認められる場合においては、必要に応じて追加的な改善策を策定し、及び実施すること、定期的な報告に加え、経済産業省のフォローアップに誠実に対応することを併せて求めました。

~NEW~
経済産業省 官民でトランジション・ファイナンスを推進する上でのファイナンスド・エミッションに関する課題提起ペーパーを取りまとめました
▼金融機関によるトランジション・ファイナンスを通じた脱炭素化支援を推進していくための官民の取組について
  1. 問題意識
    1. カーボンニュートラル達成に向けて金融機関に期待される役割
      • 気候変動問題は人類共通の課題であり、世界全体で早期にカーボンニュートラルを達成するためには、特にアジアを中心とする新興国の脱炭素社会に向けた移行(トランジション)が重要である。気候変動に関するアジア投資家グループ(AIGCC)によれば、アジアの脱炭素化には2050年までに26兆~37兆ドル規模の投資が必要とされているところ、その全てを公的資金でまかなうことは現実的ではなく、金融機関による積極的な資金供給が不可欠である。
      • また、アジアにおけるカーボンニュートラル実現に向けては、アジア各国の状況にあわせ、持続可能な脱炭素化・エネルギー転換のための様々な取組支援が必要となる。とりわけ脱炭素化に向けて技術的・経済的に代替手段が限られる、多排出産業による移行の取組に対して、官民連携による資金供給(トランジション・ファイナンス)の拡大を行うことが不可欠である。そのため、再生可能エネルギー等の環境分野への資金供給であるグリーン・ファイナンスの拡大に加えて、トランジション・ファイナンス等による資金供給および資金供給者と資金調達者とによるエンゲージメントを通じて、金融機関が果たすべき脱炭素化実現への役割は非常に大きい。
      • 世界全体をみると、主要な金融機関の多くが、こうした脱炭素化に向けた積極的な貢献を表明しており、投融資に伴う排出量(financed emissions)を含めて自社の直接・間接的な排出量をネットゼロにする野心的な目標を掲げている。金融機関が課題解決に向けた固い意志を表明し、資金供給を通して脱炭素化に向けた金融としての役割を発揮しようとする動きについて、我が国としても歓迎するとともに、こうした動きを後押ししていく必要がある。
    2. financed emissionsの特性
      • financed emissionsは、金融機関における投融資先に内在する気候関連リスクや脱炭素化に向けた取組状況について容易に比較・評価出来る指標であり、定量的に取組状況の進捗が把握出来るという大きなメリットがある。したがって、TCFDやISSBにて、financed emissionsを含むScope3の開示を求める方向で議論が進められている等、financed emissionsが金融機関自身のネットゼロに向けた取組の評価指標として活用されつつある。
      • 一方、脱炭素化に向けて最も資金を必要とする多排出産業に対して新たに資金供給を行い、それが実体経済における排出量削減に繋がっている場合であっても、これを通じて、当該金融機関の視点では一時的にfinanced emissionsが増加する可能性がある。financed emissionsの数値そのものからは企業の排出削減に向けた戦略や行動等への評価を行うことが難しいため、足元のfinanced emissionsのみを重視した場合、金融機関において、ネットゼロに向けた中間目標の達成に支障をきたすfinanced emissionsの一時的な増加を忌避し、長期的に見れば脱炭素化に資する投融資を控える行動が生じ得る。
      • アジアを含めた世界全体のカーボンニュートラルを実現するためには、脱炭素化に向けた取組を行う多排出産業に対して、トランジションのための十分な資金が供給されることが必要であることから、国際原則との整合性にも留意しながら、世界の金融機関のネットゼロに向けた取組が適切に評価される為の基本的な考え方を打ち出すことが重要である。
  2. 基本的な考え方
    1. 金融機関の開示のあり方に関する検討の必要性
      • 上記のとおり、financed emissionsは金融機関のネットゼロに向けた取組について、分かりやすく進捗を把握出来る指標であり、TCFDの推奨開示指標として認識され、ISSBにおいても開示を求める方向で議論される等、financed emissionsは金融機関において、気候関連開示指標として重視されつつある。
      • 一方で、トランジション・ファイナンスによる脱炭素化は、パリ協定に基づく目標の達成・2050年カーボンニュートラルの実現に不可欠な取組である。金融機関によるトランジション・ファイナンスは、一時的には投融資を実施した金融機関のfinanced emissionsを増加させる可能性があるが、2050年ネットゼロを前提としており、中長期的な実体経済の排出量削減及び金融機関におけるfinanced emissionsの削減の双方に資するファイナンスである。
      • 足元の inanced emissionsのみを重視した場合、一時的なfinanced emissionsの増加を忌避することで、投融資先の脱炭素化を支援するトランジション・ファイナンスへの資金供給が滞る可能性もあり、結果として、パリ協定に基づく目標の達成・2050年カーボンニュートラルの実現が遠のくおそれがある。金融機関はトランジションに向けた資金供給の状況やイノベーションへの支援状況等にも焦点を当て、実体経済の脱炭素化への取組を総合的に説明していくことが重要であり、そのような金融機関が適切に評価されるように、従来のfinanced emissionsの算定・開示に加え、当該算定方法の工夫や他の指標を含む開示を促し、脱炭素化のための資金供給を更に後押しすべきである。なお、その前提として、事業会社のScope3を含む開示の充実が図られることも重要である。
    2. 我が国が果たすべき役割とワーキンググループの役割
      • 我が国では、脱炭素に向けた積極的な資金供給を促すべく、トランジション・ファイナンスの普及・拡大に向け、国際原則と整合的なトランジション・ファイナンスに関する国内向けの指針の策定や、トランジションの適格性を判断するための分野別技術ロードマップの策定等、世界に先駆けて具体的な制度整備を官民一体となり進めてきた。また、こうした知見について、アジア各国と共有し、アジアのトランジションに向けた包括的な支援を実施している。
      • トランジション・ファイナンスの促進を目的としたfinanced emissionsの算定や開示のあり方について、我が国では、本年2月に、グローバルに展開する金融機関等10社(※5)と、金融庁、経済産業省、環境省による官民でのワーキンググループを立ち上げたところであり、対応策を検討していく。既存の国際的なルールに則りつつ、金融機関自身のネットゼロに向けた取組が適切に評価される為の開示に関する国際原則にも具体的な選択肢を提示することで貢献すると共に、アジアでの脱炭素化に向けた動きを加速化させるべく、取り組んでいく。
      • 世界全体でカーボンニュートラルを早期に達成するためには、脱炭素化への資金供給における課題を早期に解決し、公的資金、民間資金を最大限投入していく必要がある。
      • その為、ワーキンググループとしては、(1)で述べた検討の必要性について、G7やG20を含め、政府間トラックでの機会も捉えて議論を行うとともに、民間においても、PCAFにおける算定・開示に関する議論、TCFDやISSBにおける開示に関する議論、GFANZ及びその傘下の金融アライアンスでの議論にも貢献し、金融機関が脱炭素化への資金供給を更に積極的に行える環境が整備されることを期待する。
  3. 今後の対応方針について
    • 官民でのワーキンググループでは、トランジション・ファイナンスの促進と整合的なfinanced emissionsの算定や開示のあり方について、国際的な民間イニシアチブ等の議論を踏まえて、2023年夏頃までに検討結果を取り纏める。取り纏め結果については政府間での議論や民間イニシアチブに還元することで知見を広く共有し、金融機関による脱炭素化への資金供給が更に進むよう環境整備を促していく。

~NEW~
総務省 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第2回)配布資料
▼資料2 検討アジェンダ(案)(事務局)
  1. プラットフォーム事業者の責務
    • プラットフォームサービスは、匿名で気軽に書き込みを行うことができる仕組みや、誰もが容易に情報を拡散し得る仕組みを有しており、情報の閲覧者が多くなるほどより多くの関心を集める機能を通じて、関心を得ることを目的とした刺激的な情報の発信を誘引する仕組みなどを備えており、こうした仕組みを背景に、ひとたび被害を生じさせる情報の送信や拡散が行われた場合には、被害が即時かつ際限なく拡大し、甚大になりやすく、プラットフォームサービスがインターネット上の違法・有害情報の流通の主要な舞台の一つとなっていると考えられるが、どうか。
    • こうした点に加え、ユーザが投稿するコンテンツを流通させることを通じて収益を上げるというプラットフォーム事業者の収益構造、プラットフォーム事業者が自らのサービス上の違法・有害情報の流通に最も実効的に関与し得る点を踏まえれば、プラットフォーム事業者には、表現の自由を確保しつつ、違法・有害情報の流通に対応し、自らのプラットフォームサービス上の情報流通の適正化を図る責務があると考えられるが、どうか。
    • また、プラットフォーム事業者がこのような責務を果たすための環境整備として、以下の2.から4.までに記載された事項が検討項目として考えられるが、どうか
  2. 透明性・アカウンタビリティの確保方策の在り方
    • 違法・有害情報に対応するにあたり、表現の自由を確保しつつ情報流通の適正化を図るためには、プラットフォーム事業者による自主的な取組を促進することが重要と考えられるが、どうか。具体的には、特定の要件を満たすプラットフォーム事業者に対し、予めコンテンツモデレーションに関する運用方針を策定・公表するとともに(Plan)、運用結果を公表し(Do)、運用結果について自己評価を実施・公表し(Check)、必要に応じて運用方針を改定する(Act)ことを求めることにより、プラットフォーム事業者による自主的な改善サイクル(PDCAサイクル)を確立することについて、どう考えるか。
    • また、個別のコンテンツモデレーションに関する手続の適正性を確保するために、特定のプラットフォーム事業者に対して、コンテンツモデレーションに関する申請窓口等の透明化や、コンテンツモデレーションの実施又は不実施の判断に係る理由の説明等の一定の措置を求めることについて、どう考えるか。
    • さらに、違法・有害情報に対する効果的かつ継続的な取組を確保する観点から、違法・有害情報への対応に関する取組状況の共有等の継続的な実施について、どう考えるか。また、こうした情報について、一般に公表することと、2-6において述べるような取組状況の共有の場に限って報告することの違いについて、どう考えるか。
      • 2-1 透明性・アカウンタビリティの確保が求められる事業者
        • 本来、なるべく多くのプラットフォーム事業者において、透明性・アカウンタビリティの確保が図られることが望ましいと考えられる。一方で、透明性・アカウンタビリティの確保には事業者に少なからず経済的負担が生じることや、ユーザ数や投稿数が多く、利用する時間が長いサービスにおいて、違法・有害情報の流通とそれに触れる機会が多いと考えられること等の諸点を踏まえて、まずは、違法・有害情報の流通の多い大規模なサービスから、サービスの特性等を踏まえ、透明性・アカウンタビリティの確保を求めることについて、どう考えるか。
      • 2-2 運用方針及び運用結果の公表
        • 運用方針及び運用結果を公表することについて、次の項目を検討する。
          1. コンテンツモデレーションの運用方針(実施基準、実施の手続)
            • プラットフォーム事業者におけるコンテンツモデレーションの実施の基準となる運用方針として、措置の対象となる情報や行為、取り得る措置の内容やその適用にあたっての判断基準、措置の実施のために経ることを要する手続を公表することについて、どう考えるか。
            • また、公表する運用方針は、日本語で、明確かつ分かりやすい表現を用いることについて、どう考えるか
          2. コンテンツモデレーションの運用結果
            • 上記(1)の運用方針に沿って、どのようにコンテンツモデレーションが運用されたかを公表することについて、どう考えるか。例えば、削除等のコンテンツモデレーションの実施に係る端緒の件数、端緒ごとに措置が実施された又は実施されなかった件数、根拠となるポリシーや法的根拠ごとに行われた措置件数、苦情申立ての件数やそれに対する対応結果ごとの件数、措置に要した時間の中央値等を公表することについて、どう考えるか。また、これらの数値は、日本のユーザに関連する投稿等に関するものとすることについて、どう考えるか。
      • 2-3 プラットフォーム事業者による評価、運用方針の改善
        • プラットフォーム事業者が、コンテンツモデレーションの運用について、自ら評価を行いその結果を公表することについて、どう考えるか。また、必要に応じて、プラットフォーム事業者が、自己評価結果に基づいて運用方針を改定することについて、どう考えるか。その際、自己評価には、ともすればいわゆるお手盛り評価となる可能性があり、評価の客観性や実効性を高める工夫を行うことが考えられるが、具体的にどのような工夫が考えられるか。
        • プラットフォーム事業者によっては、コンテンツモデレーションの判断の際、助言・審査等一定の関与を行う機関を設けるなど、判断の客観性向上に資する工夫を行っているところ、こうした取組状況を公表することについてどう考えるか。
        • このほか、自己評価の前提条件の把握のために、プラットフォーム事業者が、自らのサービス上に流通している違法・有害情報とそれによって生じている被害の実態についても、把握・公表することについて、どう考えるか
      • 2-4 その他透明性・アカウンタビリティの確保が求められる事項(運用体制等)
        • コンテンツモデレーションに従事する人員の数や監督者の有無など、実施に係る人的体制の整備や育成状況について、プラットフォーム事業者に公表を求めることについて、どう考えるか。また、これらの整備状況は、日本のユーザに関連する投稿等に関するものとすることについて、どう考えるか。
        • また、プラットフォーム事業によっては、AI等による自動処理といった、コンテンツモデレーションの迅速化に資する工夫を行っているところ、こうした取組状況を公表することについてどう考えるか。
        • さらに、プラットフォーム事業者は、例えば投稿時に再考・再検討を促す機能といった、アーキテクチャ上の工夫による違法・有害情報の被害低減に取り組んでいるところ、そうした取組状況について公表することについて、どう考えるか。
        • その他、プラットフォーム事業者に、透明性・アカウンタビリティの確保が求められる事項はあるか。
      • 2-5 手続の適正性確保のために透明性・アカウンタビリティの確保が求められる事項
        1. コンテンツモデレーションの措置申請窓口
          • プラットフォーム事業者による適切な対応につなげるため、被害者等がプラットフォーム事業者のポリシーに基づくコンテンツモデレーションの申請や法的な削除請求(以下「コンテンツモデレーションの申請等」という。)を行うにあたって、申請や請求の理由を容易かつ十分に説明できるよう手続を整備することについて、どう考えるか。
          • 例えば、コンテンツモデレーションの申請等の窓口の所在を分かりやすく公表することについて、どう考えるか。また、コンテンツモデレーションの申請等を受けた場合に、プラットフォーム事業者が当該申請等を行った者に申請等の受付に関する通知を行うことについて、どう考えるか。プラットフォーム事業者が当該申請等の受付に関する通知を行ったときには、申請等に係る情報の流通についてプラットフォーム事業者に認識があったものとみなすことについて、どう考えるか。
          • また、プラットフォーム事業者が措置を実施するか否かの判断に必要な期間をあらかじめ明らかにすることについて、どう考えるか。
        2. 個別のコンテンツモデレーションの実施又は不実施に関する理由
          • プラットフォーム事業者がコンテンツモデレーションの申請等に対して措置を実施しなかった場合に、申請等を行った者に対して、措置を実施しなかった事実及びその理由を説明することについて、どう考えるか。
          • プラットフォーム事業者がコンテンツモデレーションを実施した場合に、発信者に対して、コンテンツモデレーションを実施した事実及びその理由を説明することについて、どう考えるか。とりわけ、アカウントの停止・凍結やアカウントの再作成の制限等については、コンテンツモデレーションの中でも特に将来の投稿を制限する点で影響が大きいと考えられるが、これらの措置の実施にあたって発信者に対する手続的保障について、どう考えるか。
        3. コンテンツモデレーションに関する苦情処理
          • コンテンツモデレーションの申請等が認められなかった被害者等や、コンテンツモデレーションが行われた投稿の発信者に対して、苦情申出の機会を設けるため、処理手続や窓口について開示するとともに、こうした苦情への誠実な対応をプラットフォーム事業者に求めることについて、どう考えるか。
          • その他、個別具体の措置申請や措置に関する手続の適正性を確保する観点から、透明性・アカウンタタビリティの確保が必要な事項として、何があるか。
      • 2-6 取組状況の共有等の継続的な実施
        • プラットフォームサービスに関する研究会では、これまで、個別のプラットフォーム事業者や個別のサービスのみならず、日本のユーザに関連する違法・有害情報の全体の流通状況を俯瞰するとともに、プラットフォーム事業者をはじめとする各ステークホルダーにおける取組状況の共有を行ってきたところ、こうした取組について、引き続き、産官学民が協力して、継続的に実施することについて、どう考えるか。
  3. プラットフォーム事業者が果たすべき積極的な役割
    • プラットフォームサービス上では、ひとたび被害を生じさせる情報の送信や拡散が行われた場合、被害が即時かつ際限なく拡大し、甚大になりやすく、現に、誹謗中傷等の被害が発生し続けている。こうした点を踏まえ、表現の自由を確保しつつ、プラットフォーム事業者のより積極的な役割を検討する。具体的には、問題となる投稿の検知、削除の要請・請求、削除の実施といった各フェーズに応じて、以下のとおり検討を行う。
      • 3-1 投稿のモニタリングのフェーズ
        1. 権利侵害情報の流通の網羅的なモニタリング
          • プラットフォーム事業者に対し権利侵害情報の流通を網羅的にモニタリングすることを法的に義務づける場合、検閲に近い行為を強いることとなり、表現の自由や検閲の禁止の観点から問題が生じうると考えられ、また、事業者によっては、実際には権利侵害情報ではない疑わしい情報を全て削除することにつながりかねず、表現の自由に著しい萎縮効果をもたらす可能性があることについて、どう考えるか。
        2. 繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントのモニタリング
          • インターネット上の権利侵害は、スポット的な投稿によってなされるケースも多い一方で、そのような投稿を繰り返し行う者によってなされているケースも多いとの指摘がある。
          • 権利侵害情報の流通を網羅的にモニタリングすることをプラットフォーム事業者に対し法的に義務づけることには前述した問題があるとしても、繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントに対象を限定した上でこれを継続的にモニタリングすることは、権利侵害情報の流通を効果的に抑制する上で有効と考えられるか。その際、そうしたアカウントによる投稿については、プロバイダ責任制限法第3条が定める責任制限の要件に関して、プラットフォーム事業者に情報流通の認識があったとみなすことで、プラットフォーム事業者自身による適切な投稿の削除の促進に資すると考えられるか。その一方で、限定されたアカウントを対象とする場合であっても、プラットフォーム事業者に対し個別の権利侵害情報の流通をモニタリングすることを法的に義務づけた場合、表現の自由に萎縮効果をもたらす可能性があることについて、対象となる発信者のプライバシーへの影響も踏まえつつ、どう考えるか。さらに、悪質な侵害者は次々にアカウントを作成することでモニタリングを逃れることが可能であり、また、モニタリングの対象とするアカウントの範囲を法律で明確に規定することも困難であることを踏まえて、どう考えるか。
          • その他、繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントへの対応として、アカウントの停止・凍結等を行うことは、将来の権利侵害の抑止に有効と考えられるか。このようなケースでは、同一人が複数のアカウントを用いて権利侵害情報の投稿を行う場合も考えられることから、繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントの保有者が新たなアカウントを作成することや別のアカウントを用いた投稿をすることを制限する措置をとることは有効と考えられるか。一方で、アカウントの停止・凍結やアカウントの再作成の制限等については、将来の投稿を制限する点においてその影響が非常に大きく、繰り返し多数の権利侵害情報を投稿するアカウントへの対応であっても、公法上義務付けることについては極めて慎重であるべきとも考えられるが、どうか。
      • 3-2 要請・請求のフェーズ
        1. 削除請求権
          • 人格権を侵害する投稿の削除をプラットフォーム事業者に求める権利は、判例法理によって認められているところ、かかる権利を明文化することは、一定の要件において被害者がプラットフォーム事業者に対して差止請求を行うことが可能であるという事実を明確化し、被害者による削除請求に基づく権利侵害情報の削除の促進に資すると考えられるがどうか。
          • 一方で、判例法理を明文化するだけでは、現状とあまり変わらず、必ずしも被害者による削除請求に基づく権利侵害情報の削除の促進に資さない可能性もあることについて、どう考えるか。
          • また、営業権などの排他性を有しない財産上の権利を侵害する投稿も見受けられるとの指摘があり、こうした権利を侵害する情報について、削除を求める権利を創設することは有効と考えられるか。その一方で、こうした投稿の削除を求める権利が一般に認められるかについては、実務上あるいは学説上も明らかではなく、こうした権利の創設には慎重な検討を要すると考えられることについて、どう考えるか。
          • さらに、個々の投稿に違法性はないものの全体として人格権を侵害している投稿群の事案(いわゆる「炎上事案」)があるところ、このような事案について、現行法では削除請求できるか必ずしも明らかではないため、炎上事案においても削除請求を可能とする規定を定めることは有効と考えられるか。その一方で、削除できる投稿の範囲、個別には違法性がない投稿の削除の可否について、このような投稿を行った者の被害拡大への甚大な影響を考慮しつつも表現の自由との関係を検討する必要があると考えられ、検討すべき課題は多く慎重な検討を要すると考えられることについて、どう考えるか。
        2. プラットフォーム事業者による権利侵害性の有無の判断の支援
          • プラットフォーム事業者は、被害者から投稿の削除の請求を受けた際に、投稿内容の権利侵害性について一定の判断を行うことが求められるものの、プラットフォーム事業者は、特定の情報が真実かどうか、ひいては権利侵害性があるかどうかを判断することに困難を伴うことが多いことについて、どう考えるか。これに関して、削除の判断の迅速化を図るため、例えば、プラットフォーム事業者において、削除請求や苦情があった場合は、外形的な判断基準を満たしているときは、いたずらや嫌がらせと判断できるものでない限り、可及的速やかに削除の処置を行うこととし、発信者に削除の対象になったことを通知し、発信者から異議の申立てなどを受け付けた場合には再表示する環境を整備することについて、どう考えるか。
          • また、プラットフォーム事業者による権利侵害性の有無の判断を支援するための環境を整備することについて、どう考えるか。例えば、プラットフォーム事業者の判断を支援するための環境整備として、公平中立な立場からの削除要請等の法的位置づけや、要請を受けたプラットフォーム事業者に求められる対応を明確化することについて、どう考えるか。
          • そのほか、かかる公平中立な立場からの要請に対して、その実効性を高めるため、例えば、応答義務を課すことや、要請された投稿を削除した場合の免責を定めることについて、どう考えるか。一方で、要請の実効性を担保する仕組み、要請をする者の判断の確からしさや中立性を担保するための要件や仕組み、要請をする者の運営に関する事項、要請に法的効果を与える場合の根拠など、検討すべき課題は多く慎重な検討を要すると考えられることについて、どう考えるか。
          • さらに、削除の仮処分手続について、申立てから発令まで数ヶ月を要することが通例であり、その間に被害が拡大してしまうとの課題が考えられるところ、民事保全手続よりも簡易・迅速な、削除に特化した手続(裁判外紛争解決手続(ADR)等)を創設することについて、どう考えるか。一方で、ADRの制度設計によっては、プラットフォーム事業者が手続に参加しなければ実効性が伴わないとの課題が考えられるが、ADRの有効性について、どう考えるか。
        3. 行政庁からの削除要請を受けたプラットフォーム事業者の対応の明確化
          • 現状、法務省の人権擁護機関や警察庁の委託事業であるインターネット・ホットラインセンター等の行政庁からプラットフォーム事業者に対して、違法・有害情報の削除要請が行われており、一定の実効性が認められるところ、かかる削除要請を受けたプラットフォーム事業者が取ることが求められる対応を明確化することは、更なる実効性の向上を図る上で有効と考えられるか。
          • 一方、この要請に応じることをプラットフォーム事業者に義務付けることは、検閲の禁止の規定の趣旨や表現の自由への影響を踏まえると困難であると考えられるが、どうか。さらに、行政庁からの削除要請については、その要請に強制力は伴わないとしても、プラットフォーム事業者に対し何らかの対応を求めるのであれば、さらなる透明性の確保が求められると考えられるが、どうか。そのためには、どのような制度的対応が考えられるか。
      • 3-3 削除等の判断・実施のフェーズ
        1. プラットフォーム事業者による削除等の義務付け
          • プラットフォーム事業者に対して、権利侵害など一定の条件を満たす投稿について削除等の措置を行うことを公法上義務付けることは、この義務を背景として、当該プラットフォーム事業者によって、実際には権利侵害情報ではない疑わしい情報を全て削除するなど投稿の過度な削除等が行われ表現の自由への著しい萎縮効果をもたらすおそれがあることから、極めて慎重であるべきと考えられるが、どうか。
        2. 裁判外の請求への誠実な対応
          • プラットフォーム事業者によっては、裁判外での投稿の法的な削除請求に応じないケースもあるところ、裁判外の削除請求や削除要請に関して権利侵害性の有無の真摯な検討などの誠実な対応を行うことをプラットフォーム事業者に求めることは有効と考えられるか。
  4. その他
    • 4-1 検討対象となる情報の範囲
      • 受信者の属性や文脈によって評価が変化し、法律上の定義が一義的に定まらない有害情報については、プラットフォーム事業者や発信者、受信者との間の権利義務関係の変動をともなう措置や行政庁からの強制力を伴う削除要請等によって対応することには極めて慎重であるべきであり、まずは、プラットフォーム事業者によるポリシーの策定及びその運用と、それらの透明性・アカウンタビリティの確保を通じた対応の適正性を担保する仕組みによって対応されることが必要と考えられるが、どうか。
    • 4-2 行政の体制や手続
      • 2.や3.に記載された事項についてプラットフォーム事業者に対応を求めるに当たって、行政の体制や手続について留意すべき点があるか。
    • 4-3 相談対応の充実
      • インターネット上の違法・有害情報による被害の救済に関して、インターネット上の違法・有害情報に関する相談対応の充実を図ることが重要であると考えられるが、どうか。相談対応の充実を図るにあたって、改善すべき現状の課題や留意すべき点はあるか。
    • 4-4 発信者情報開示請求
      • DM(ダイレクトメッセージ)など一対一の通信における侮辱、差別表現、暴力的表現、脅迫により権利侵害が生じた際に、こうした情報の発信者が不明であることを踏まえ、これらの対象についても発信者情報開示請求を可能とすることについて、どう考えるか。一方で、現行の発信者情報開示制度は、情報が拡散され被害が際限なく拡大するおそれがあることに着目して不特定の者に受信されることを目的とする通信を対象としていることや、仮にそのようにした場合に、開示請求を受けた事業者において、開示の可否を判断するために、公になっていない一対一の通信の内容について確認することとなることについて、どう考えるか。また、DMなどの機能については、プラットフォーム事業者の中には、受信する側のアカウントにおいて、受信する範囲を選択することができる機能(例:友達の友達以外の者からのDMは受け取らないように設定可能とする等)を設けるなどの工夫を講じていることについて、どう考えるか

~NEW~
国土交通省 地価LOOK、主要都市の地価は3年ぶりに全ての地区で上昇又は横ばいに~令和4年第4四半期地価LOOKレポート~
  • 特徴
    • 主要都市の高度利用地等における地価動向※は、ウィズコロナの下で、マンション需要の堅調さに加え、店舗需要の回復が進み、令和元年第4四半期以来3年ぶりに、全ての地区において上昇又は横ばいとなり、下落地区がゼロとなった。
      • ※令和4年10月1日~令和5年1月1日
    • 変動率区分(上昇・横ばい・下落の区分)は、72地区で不変、8地区で上方に移行した。
    • 上昇地区が65地区から71地区に増加し、横ばい地区が14地区から9地区に減少、下落地区がゼロとなった。
    • 住宅地では、23地区全てで上昇が継続した。
    • 商業地では、0~3%の上昇から3~6%の上昇に転じた地区が1地区、横ばいから上昇に転じた地区が6地区、下落から横ばいに転じた地区が1地区あり、下落地区がゼロとなった。
  • 主な要因
    • 住宅地では、マンション需要に引き続き堅調さが認められたことから、上昇が継続した。
    • 商業地では、店舗系の地区を中心に、人流の回復傾向を受け、店舗需要の回復が見られたことなどから、上昇地区が増加し、下落地区がゼロとなった。

~NEW~
国土交通省 「気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案」を閣議決定~官民の予報を高度化し、防災に関する情報提供を充実させます~
  • 防災に関する情報提供の充実に向けて、国・都道府県が行う洪水等の予報・警報や民間の予報業務の高度化・充実を図るための「気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案」が、本日、閣議決定されました。
    1. 背景
      • 近年の自然災害の頻発化・激甚化を背景として、防災対応のために国・都道府県が行う予報・警報の高度化が求められています。また、国等が行う予報を補完する局所的な予報のニーズも高まっているところです。
      • こうしたニーズに応じて、防災に関する情報提供を充実させていくため、「気象業務法」と「水防法」を一括改正し、最新技術を踏まえながら官民それぞれの予報の高度化・充実を図ります。
    2. 法律案の概要
      1. 国・都道府県による予報の高度化
        1. 都道府県指定洪水予報河川の洪水予報の高度化
          • 国土交通大臣が、都道府県知事の求めに応じ、都道府県の洪水予報河川の予測水位情報を提供
          • 都道府県知事と気象庁長官は、提供された情報を踏まえ、共同して洪水予報を実施
        2. 火山現象に伴う津波の予報・警報の実施
          • 気象庁の予報及び警報の対象となる現象に、火山現象に伴う津波を追加
      2. 民間事業者による予報の高度化
        1. 最新技術を踏まえた予報業務の許可基準の最適化
          • 最新の予測手法の導入により予報精度の向上を図るため、洪水等に係る許可基準を新設 等
        2. 防災に関連する予報の適切な提供の確保
          • 洪水等の社会的影響が特に大きい現象の予報業務には事前説明を義務付け 等
        3. 予報業務に用いることができる気象測器の拡充
          • 予報精度向上のため、検定済みではない気象測器の補完的な使用を可能に

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