危機管理トピックス
更新日:2024年9月17日 新着19記事
【新着トピックス】
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
- 金融庁 「金融機関の内部監査の高度化に向けたモニタリングレポート(2024)」の公表について
- 警察庁 犯罪統計資料(令和6年1~8月分)
- 内閣府 高齢社会対策大綱(令和6年9月13日閣議決定)
- 経済産業省 第11回ロボット大賞が決定しました!
内閣官房
- リニア開業に伴う新たな圏域形成に関する関係府省等会議(第2回)
- コンテンツ産業官民協議会(第1回)・映画戦略企画委員会(第1回)配布資料
国民生活センター
- 2023年度 全国の危害・危険情報の状況-PIO-NETより-
- 65歳以上の消費生活相談の状況
- 今もなお注意が必要!マグネットセットの誤飲
厚生労働省
- 第71回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
- 労働基準関係法制研究会 第13回資料
- 外国人雇用対策の在り方に関する検討会(第11回)会議資料
- 第5回 日・ILO年次戦略協議の開催(結果)
- 第16回健康・医療・介護情報利活用検討会資料
- G7労働雇用大臣会合がイタリアで開催され、武見厚生労働大臣が出席しました。
総務省
- 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 電気通信番号政策委員会(第37回)配布資料・議事録
- 「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ」及び意見募集の結果の公表
国土交通省
- 10月は「土地月間」、10月1日は「土地の日」です。~土地月間作品コンテストの受賞作品が決定しました!~
- 日本貨物鉄道株式会社の輪軸組立時における不正行為について
~NEW~
金融庁 「金融機関の内部監査の高度化に向けたモニタリングレポート(2024)」の公表について
▼ 金融機関の内部監査の高度化に向けたモニタリングレポート(2024)
- 金融機関を取り巻く環境は常に変化しており、昨今は世界的な金融経済情勢の変化に加え、国内では金利上昇局面にあるなど、大きな転換期を迎えている。金融機関においては、こうした環境の下、自身が直面しているリスクを適時に把握した上で、フォワードルッキングな観点でリスク分析し、適切にリスクをコントロールしながらビジネスを推進する態勢を構築することが急務となっている。そのような態勢の構築には内部監査機能の発揮が欠かせず、金融機関の内部統制やリスク管理態勢及び業務運営に対する客観的な保証(アシュアランス)を与え、必要に応じて改善提案を行うなど、内部監査の重要性とその高度化の必要性がますます高まっていることは改めて論じるまでもないであろう。
- また、金融庁は、検査・モニタリングにおいて、金融機関のリスク管理態勢の脆弱性を見極めるとともにその顕在化を防止し、適正な内部管理態勢の構築を促すことを目的としており、この点で、内部監査の目的と軌を一にしている。このため、金融庁としては、金融機関の内部監査部門との協働を一層進めていきたいと考えている。
- 金融庁は、このような観点から、「中間報告2023」公表以降も、そこで示した「内部監査の高度化のための3つの論点」(以下、「3つの論点」という。)を中心に、大手銀行グループ、地域金融機関、大手証券会社及び大手保険会社に対するモニタリングを進めてきたほか、外部有識者(コンサルティング会社及び監査法人)とも意見交換を行ってきた。その中では、内部監査の水準【図表1】の各段階別評価の具体的な事例や第四段階(信頼されるアドバイザー)に関するイメージを提示してほしいといった要望が多く寄せられた。
- 全体評価(進捗状況)
- 金融庁は、「中間報告2023」にて示した3つの論点に基づいてモニタリングを進めてきた。その結果、各金融機関は、総じて、その規模・特性に応じ、継続して内部監査の高度化に取り組んでいることが確認できた。その一方で、内部監査の高度化に向けた取組が進んでいる先進的な金融機関(以下「先進的な金融機関」という。)と取組が発展途上にある金融機関(以下「発展途上にある金融機関」という。)とでは、その進捗状況に顕著な差異も見られ、内部監査の高度化に向けた取組は、規模の大小よりも経営陣の意識の差が大きく影響していることが確認できた。
- もとより、このような差異は、人材を含めたリソースの確保をはじめとする金融機関の経営全般にわたる問題で、内部監査部門だけでは解消が難しく、「経営陣や監査委員・監査役の理解と支援姿勢(論点1)」が大きく影響する。この点、先進的な金融機関では、内部監査部門との緊密なコミュニケーションを通じて、経営陣や監査委員・監査役1(以下、両者を指して「経営陣等」という場合がある。)における内部監査の重要性・有用性に対する認識が浸透・拡大しているのに対し、発展途上にある金融機関では、経営陣等と内部監査部門とのコミュニケーションが不足し、内部監査の目的や役割が共有できておらず、特に経営陣等の認識が低い場合には十分な支援が実現しにくい状況が確認できた。
- 「内部監査部門の監査態勢高度化・監査基盤強化(論点2)」に関しては、大手のみならず小規模な金融機関においても積極的な取組が見られた。他方、先進的な金融機関と発展途上にある金融機関との進捗状況の差異としては、先進的な金融機関では、監査プロセスを高度化させるために行うリスク・アセスメントやリスク変化を適時に把握して機動的に対応するオフサイト・モニタリングの仕組みをより精緻にしようとしている一方で、発展途上にある金融機関では、そもそもそうした仕組みを整備していない先も見られた。さらに、ITソリューションやコソーシングの活用においても取組姿勢に違いが見られた。
- こうした中、国際的に業務を展開する大手銀行グループでは、第三段階の水準にあるとの自己評価の下、「現状と課題」で「第四段階を実現するための主な取組」として示した「ITの活用、データ分析」、「企業文化(カルチャー)に対する監査手法」等2の導入に向けた取組を進め、更に高度化を目指していることが確認できた。この点、地域金融機関の中にも高度化の取組を進めている事例が見られた。
- 「被監査部門に対する内部監査への理解・浸透やリスクオーナーシップ醸成(論点3)」に関しても同様に、規模の大小にかかわらず積極的な取組が見られた一方で、被監査部門における内部監査への理解の浸透などの進捗状況に差異が見られた。
- 金融庁では、引き続き、経営陣等及び内部監査部門による一層の創意工夫を促していく。
- 3つの論点にかかる金融機関の取組状況
- 経営陣や監査委員・監査役による内部監査部門への支援
- 経営陣や監査委員・監査役による内部監査部門への支援に関して、以下のような好事例や課題事例のほか、【図表3】にあるような取組や課題が見られており、経営陣等による内部監査の重要性・有用性に対する認識が浸透・拡大している金融機関があることが確認できた。
- 【好事例】
- 内部監査の重要性・有用性に関して、内部監査の役割・期待を記した経営トップのメッセージの発信や、監査指摘を踏まえた改善対応への経営陣自らの積極的な関与など、内部監査の全社的な浸透を図っている(主要行等)
- 内部監査部門が将来のビジネスモデルや経営陣等のニーズや期待等を踏まえて「あるべき内部監査」や「ビジョン」を設定し、その十分性や高度化施策について社長・副社長及び監査等委員との複数回の協議を行っている
- ⇒その結果、高度化施策の対応に必要な予算が配賦された(地域金融機関)
- 監査結果は、取締役会のほか、頭取はじめ常勤役員、本部部長、営業エリア長が参加して毎月開催される監査報告会でも報告しており、その場で議論のうえ、頭取等から関係部署へ改善指示が出されている
- ⇒その結果、組織内に監査結果を重視しながら経営が進められている認識が浸透した(地域金融機関)
- 監査委員会への直接のレポーティングラインに変更した
- ⇒その結果、社外監査委員とのコミュニケーションの頻度が増え、内部監査への理解が深まり、監査委員から支援の発言が増加した(証券・保険)
- 【課題事例】
- 発展途上にある金融機関の特徴として、経営陣等と内部監査部門との間で、経営戦略や業務運営に関するリスク認識や課題、その対処方針などに関して十分なコミュニケーションが図れておらず、内部監査の機能発揮を通じて自金融機関の達成すべき目的が共有できていない
- ⇒営業拠点5に対する事務不備監査だけでなく本部に対するリスクベース監査を実施する態勢をどのように充実させていくか、第2線、第3線の役割・責任の明確化など、内部監査の高度化に向けた議論が十分に踏み込んだものになっていない
- 【好事例】
- 経営陣や監査委員・監査役による内部監査部門への支援に関して、以下のような好事例や課題事例のほか、【図表3】にあるような取組や課題が見られており、経営陣等による内部監査の重要性・有用性に対する認識が浸透・拡大している金融機関があることが確認できた。
- 内部監査部門における高度化に向けた取組
- 内部監査部門における高度化に向けた取組として、監査目線や監査手法の高度化等の監査態勢に関する取組と監査人材の確保・育成等の監査基盤に関する取組がある。
- 大手のみならず小規模な金融機関においても、各項目について積極的な取組が見られており、総じて、自金融機関の規模・特性に応じて、高度化に向け継続的に取り組んでいることが確認できた。以下に、好事例と課題事例を示す。
- ただし、先進的な金融機関と発展途上にある金融機関で顕著な差異が見られており、経営陣等の理解と支援姿勢で大きく変わることが確認できた。この点、人材を含めたリソースの確保は経営全般にわたる問題であり、内部監査部門だけでは解消が難しい状況が窺える。
- 【好事例】
- 経営陣や監査委員・監査役との意見・情報交換に関し、
- 内部監査部門が、半期毎に経営陣等とディスカッションを実施する機会を持ち、毎回テーマを定めて内部監査の高度化について議論を実施した
- ⇒その結果、経営陣等の内部監査への理解が進み、支援が得られるようになった(地域金融機関)
- 内部監査部門が、営業推進部門の掲げる高い目標数値の運営実態について営業拠点監査を行い、本部の業務運営に関し「事務ミス、顧客トラブルの存在、職員の疲弊」などの弊害が存在していることを監査指摘として取締役会に報告した
- ⇒その結果、取締役会において、目標数値の引き下げが実施された(地域金融機関)
- オフサイト・モニタリングに関し、モニタリング対象部署との協議を繰り返し実施した
- ⇒その結果、業務や業務に内在するリスク・コントロール状況の理解が深まり、個別監査での検証ポイントが明確化された(証券・保険)
- リスク・アセスメントに関し、
- リスク認識の網羅性や適時性の維持・向上のため評価項目を多様化・細分化し、経営陣等と目線を合わせて評価するだけでなく、評価根拠の文書化や評価ガイドラインの整備など、評価の客観性の確保に取り組んでいる(主要行等)
- 金融持株グループ一体での監査実施のため、構成銀行共通のリスク評価書を用い、毎月、各子銀行のオフサイト・モニタリングの結果を持ち寄って評価の見直しを行い、監査の目線や優先度、監査計画の見直しに活用している(地域金融機関)
- 真因分析に関し、
- 四半期毎の定期報告にて各監査の課題に通底する真因を整理して報告している
- ⇒その結果、課題に対する経営陣等の理解が浸透した(主要行等)
- 複数の個別監査で発見した問題点に共通する内部統制上の課題と統制が機能しなかった理由等を分析し、3線管理の考え方に則した各担当部門における問題点や経営陣の姿勢に関わる問題点を掘り下げるなどしている(証券・保険)
- 監査の品質評価に関し、若手監査員のスキルアップを目的として監査実施と同時並行でのレビューを実施するほか、グループ共通の課題を把握するために特定プロセスの横断的評価を行ったり、中期経営計画と外部評価のサイクルの同期化、外部評価をグループ・グローバル統一的に実施するなど、内部評価・外部評価ともに高度化に取り組んでいる(主要行等、証券・保険)
- 【課題事例】
- 発展途上にある金融機関の一部では、内部監査の水準の引き上げのため、監査態勢及び監査基盤の強化が望まれるものの、経営陣は、組織規模を理由に、人員増強などの監査基盤強化の取組を進めていない
- ⇒内部監査部門の人員が十分でなく、営業拠点に対する事務不備監査のほかに着手することが難しい状況にあるほか、新たに内部監査部門に配属された人材も即戦力として投入しOJTによる育成によらざざるを得ない状況を招いている
- なお、先進的な金融機関では、さらに内部監査の水準を上げるための取組を進めていることが確認できた。その特徴的な取組は以下及び【図表5】に記載のとおり。
- 【監査態勢】
- 機動的な監査手法に関し、アジャイル型監査を導入していたが、被監査部門との頻繁なミーティング等で負担が想定以上に大きいことから従来型の監査手法に復帰させた一方で、監査期間中に被監査部門との約2週間毎のミーティングを行い、検証内容の共有や早期の対応検討につなげるために監査の進捗・発見事項をタイムリーに共有した
- ⇒その結果、被監査部門とコミュニケーションを取ることで認識共有が図りやすく、従来よりも効率的かつ被監査部門の納得感を得られる監査が実施可能となった(証券・保険)
- ITの活用・データ分析に関し、
- 文字起こしツールやRPA、ChatGPTを活用し、監査に伴う作業負担の軽減につなげている(全業態)
- データ分析を用いた客観的な事実に基づく分析結果を被監査部門に提示することで納得感のある提言につなげているほか、サンプル検証から全量データの検証に移行することで保証(アシュアランス)精度の向上につなげている(主要行等、証券・保険)
- AIを活用して膨大なデータの中からスコアレベルを付与し、監査員が高スコアを重点的に検証することで、内部管理態勢上の不備を発見し、態勢強化につなげている(証券・保険)
- 個別監査でのデータ分析活用の目標値を設定するとともに、光学式文字認識(OCR)やNLP(自然言語プログラミング)を活用し、これまで抽出確認にとどまっていた契約書の確認を全件(数千件)確認に変更している
- ⇒その結果、データ分析の活用件数が増加するとともに、データ分析により、設定した基準と数千件の顧客情報を比較分析し、基準を満たしていないものを特定し、その特定された例外から、重要度のある課題提起を行った(証券・保険)
- 企業文化(カルチャー)に対する監査手法に関し、企業文化(カルチャー)がリスク・コントロールに与える影響を評価するためにテーマ監査にて、高リスク商品の販売時に顧客本位の業務運営に反する行動が懸念される場面における営業拠点管理者の行動パターンを検証する質問を作成し、ヒアリングを実施した
- ⇒当該ヒアリング結果から、あるべき行動に反する行動パターンの存在やその背景にある原因を特定した(主要行等)
- 長期にわたる大規模プロジェクトに対して、進行中に生じる環境変化に対応した監査が実施できるように態勢整備に取り組んでいる(全業態)
- 「アジャイル型監査」は、機動的な監査の実現のための手法の1つであって唯一の方法というわけではなく、各金融機関において、その規模・特性に応じた創意工夫が期待される。
- 【監査基盤】
- 内部監査部門を将来の経営層を担う人材の重要なキャリアパスの1つに位置づけている金融機関が見られたほか、被監査部門からトレーニー制度により一時的に監査業務に従事させるなど、将来の監査員の育成に取り組んでいる(全業態)
- トレーニー制度のある金融機関の一部は、トレーニー参加者の事後フォローを行うなど、将来の監査員の育成のために継続的なコミュニケーションを図っている(主要行等)
- 専門性が高い分野の監査や組織内の納得感のために、積極的にコソーシングを活用している(全業態)
- 【好事例】
- 被監査部門に対する内部監査への理解・浸透やリスクオーナーシップの醸成
- 被監査部門に対する取組状況を見ると、先進的な金融機関も、発展途上にある金融機関も、自身の状況に応じて、(1)被監査部門に対する内部監査への理解・浸透や(2)被監査部門のリスクオーナーシップの醸成に、引き続き取り組んでいることが確認できた。
- なお、被監査部門との関係構築においては、これまでの内部監査部門の社内の位置づけや地位等を踏まえると、短期間に内部監査部門と被監査部門の双方の理解が急進するものではなく、例えば、企業文化(カルチャー)に関する監査においても、その結果を被監査部門との間で認識を共有化させるには難しさがあることが窺える。しかしながら、この取組を止めることなく、内部監査部門は、経営陣等の支援を求めつつ、被監査部門へのリスクオーナーシップ醸成の取組を継続すべきである。この取組が最終的には自金融機関の内部統制を強化し、企業価値の向上につながるということを再認識すべきである。
- 以下に、好事例と課題事例及びその他の特徴的な取組【図表6】を示す。
- 【好事例】
- 被監査部門に対する内部監査への理解・浸透
- 内部監査の目的・意義や役割等を社内報で発信した(主要行等、地域金融機関)
- 社内版SNSを通じて、内部監査部門の活動を紹介した(主要行等)
- 営業拠点長のリスクオーナーシップの醸成等
- 営業拠点監査のリスク・アセスメント結果を「自店でリスクをコントロールできる項目」「自店でリスクをコントロールできない項目」に分けて、定期的に営業拠点に還元し、自律的改善対応の動機付けに活用した(地域金融機関)
- 営業拠点長と定期的に対話し、営業拠点長が適切なリスク認識の下で営業推進・管理を行っているかを評価するとともに、必要に応じ助言した(証券・保険)
- 被監査部門とのコミュニケーション等
- 監査手法を示達型から対話型に移行するほか、監査成績を業績評価項目から除外するなど、被監査部門との良好なコミュニケーション手法の導入や、コミュニケーションの機会を増やした
- ⇒その結果、被監査部門の心理的安全性が確保され、率直なコミュニケーションが実現したほか、被監査部門から内部管理態勢に関する助言をしてほしいとの要請を受けるまでに発展した(地域金融機関)
- 【課題事例】
- 被監査部門へのリスクオーナーシップ醸成の施策が十分機能していないため、第1線を担う部署の一部において、内部監査部門等から発信するリスク認識やリスク・コントロール等に関する情報が正しく理解できていない
- ⇒一部の被監査部門において誤った認識のまま営業推進したために、コンプライアンス上問題のある営業行為が複数発生している
- 第1線を担う部署の一部は営業推進の職責を果たすことを優先している
- ⇒この結果、リスク認識が甘くなり、手続の履行を形式的に行うなど形骸化していたことから、顧客本位の業務運営の観点から不適切な営業推進を招いている
- 「現状をより良くするため」に行う推進施策等の監査では、達成すべき目標や達成のためのプロセス、時間軸など答えが1つでない事項も多く、効果的な改善提案が難しい
- ⇒被監査部門の納得感につながらない
- 【好事例】
- 経営陣や監査委員・監査役による内部監査部門への支援
- 金融庁と内部監査部門とのコミュニケーションの重要性
- 金融庁では、より効率的に深度あるモニタリングを実践するため、金融機関の内部監査部門との良好なコミュニケーションが重要と認識している。
- 金融庁は、検査・モニタリングにおいて、特定した金融機関のリスク管理態勢の脆弱性とそれらの軽減策・改善策について、内部監査部門との間で深度ある対話を進めている。同時に、内部監査部門が発見したリスク管理態勢の脆弱性に経営陣が適時・適切に対応しているかを確認している。金融庁のモニタリングと金融機関の内部監査は、リスク管理態勢の脆弱性を発見し、その顕在化を防止する点で軌を一にしているといえよう。
- 金融庁モニタリング部門の経営資源は限られており、内部監査部門からの情報提供を受けつつ、その検証結果等を積極的に活用することにより、モニタリングにおける検証項目や検証範囲を主要論点に絞るなど、金融行政の効率化にもつながるものと認識している。
- このため、金融庁としては、金融機関の内部監査部門との協働を一層進めていきたいと考えている。
- なお、金融庁は、大手銀行グループに対するモニタリングにおいて、次のような取組を行っている。
- 半期に1回程度、金融機関の内部監査部門が取りまとめた監査報告書の提出を求めるなどし、内部監査の状況を共有のうえ意見交換を実施。これを通じ、金融機関自身のリスク認識を確認しつつ、金融庁のリスク認識を伝えることにより、内部監査部門におけるリスク・アセスメントに寄与
- 金融庁に寄せられた個別の苦情等の情報を金融機関の内部監査部門に提供し、事実関係の調査とその結果の共有を依頼するなどし、金融機関の内部監査部門における問題認識の醸成と、金融機関の自浄作用・自律的改善対応の発揮を促進
- 海外拠点やシステム等の統合プロジェクトに関する監査結果について報告を求め、金融庁においても重要プロジェクトの進捗状況を確認することを通じて、金融機関自身のプロジェクト管理の強化と、必要な改善対応を促進
- グループ会社で発生した問題事象について、事実関係の調査とそれを踏まえた改善対応を行っている中、金融庁が、グループ会社を管理する持株会社のグループ内部監査部門から情報提供を受けることにより、グループ会社又は他のグループ会社の取組状況の確認が容易になるほか、それを踏まえ各社と対話することにより、効率的・効果的なモニタリングが実現
- 金融庁の問題意識
- これまでのモニタリング結果を踏まえると、先進的な金融機関は、第二段階から第三段階、第三段階から第四段階に向けた態勢整備を着実に進めてきていることが確認できた。引き続き、経営環境の変化への対応や多様化・複雑化する自身のビジネスモデル・経営課題に応えるため、2025年1月より適用される予定の内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors:IIA)「グローバル内部監査基準」等も参考に、人材確保・配置を含め内部監査機能の高度化を図ることが望まれる7。
- また、こうした金融機関の中には、第1線、第2線、第3線の役割・責任を明確化する動きも見られており、中長期的な観点からビジネスの持続可能性を考え、内部監査高度化に取り組んでいる事例も見られた。
- 他方、発展途上にある金融機関については、経営陣等による内部監査に対する理解・支援への意識度合い(積極的か消極的か)により、同じ業態内でも取組の進捗度に大きな差が生じていることが確認できた。各金融機関は、それぞれ経営課題が異なっている部分があり、その対応の中で、限られた経営資源をどのように配分するかなど難しい判断が必要となることが窺える。
- しかしながら、実効的な内部監査は、財務の健全性と業務の適切性を確保する上で不可欠なコーポレート・ガバナンスに必須の要素であり、経営陣等や金融庁を含むステークホルダーに対して極めて重要な保証を提供するものである。経営陣等は、内部監査の重要性・有用性をより強く認識した上で、「中間報告2023」や本文書にて紹介した取組事例も参考にしつつ、自金融機関の規模・特性に応じどのような内部監査を目指すのかを議論し、高度化に向け不断に取り組むべきである。その際、以下に示す金融庁の期待水準も参考にしながら内部監査部門はじめ関係する部門が取組を進めやすいよう主導してほしい。そして、それがひいては中長期的なビジネスの持続性につながることを再認識してほしい。
- 金融庁の期待水準
- 上記の問題意識やモニタリング結果を踏まえて、「中間報告2023」で示した論点等に関し、次のとおり、金融庁の期待水準を示したい。
- ガバナンス、リスク管理を維持・高度化するための内部監査の役割
- 金融機関は、これまで内部監査機能を含む適切な内部管理態勢を構築・整備する努力を続けてきた。しかしながら、金融機関の経営に重大な影響をもたらし、また、その信頼を大きく損なうような不祥事等は後を絶たない。これら不祥事の多くは、その原因として、経営陣の姿勢、ビジネスモデル・経営戦略、企業文化等に関わる問題が関係していることが窺える。
- 上記を踏まえると、ガバナンス強化は重要な課題であり、その解決には内部監査の役割・機能発揮が大きく貢献すると考えられる。経営陣等は、内部監査の高度化が、組織全体としてガバナンスとリスク管理を維持・高度化させる手段であることを再認識すべきである。
- 特徴的な取組事例として、例えば、「3ラインモデル」8の概念が、金融機関の強固なガバナンスと最適なリスク管理態勢の構築に有益として、取組を進めている事例が見られた。
- オフサイト・モニタリング
- 加速する環境変化に伴い発生するリスクを適時に把握し、リスクの高まりが認められた場合は、リスク・アセスメントの見直し要否や機動的な監査の必要性、個別監査での検証ポイントの検討のほか、懸念点がある場合には速やかな改善を促すため、適時に所管部門に提言することが必要となる。そのためには、内部監査部門が、フォワードルッキングな観点でリスクの変動を即時に把握すること(動的リスク評価)が重要である。
- 特徴的な取組として、例えば、オフサイト・モニタリングにて顕在化したリスクの把握だけではなく、それを基に、今後想定されるリスクやその影響を検討している事例が見られた。
- リスク・アセスメント
- 金融機関を取り巻く環境が変化する中で、監査の対象領域も拡大されることから、リスク・アセスメントの網羅性を確保することが重要である。また、限られた監査資源を有効かつ効果的に活用するには、残余リスクの高い領域に監査資源を集中させるなど、効率的な監査資源の配分が必要となる。そのためには、組織全体(グループ全体)の業務運営に対するリスク・アセスメントの精度を高めることが重要である。なお、第2線部門がリスク管理に用いるリスクカテゴリーやリスク評価が有効であるならば、その結果を、内部監査部門のリスク・アセスメントとしても活用できる。
- 特徴的な取組として、例えば、リスク・アセスメントで用いる監査単位は、企業活動に応じて変更があり得るため、その変更を適時に捉えて監査単位の網羅性を確保するための仕組みを設ける事例が見られた。また、ITやデータ分析の活用により、リスク・アセスメントに必要なデータ収集と分析を実施し、効率化を図っている事例が見られた。
- 真因分析
- 個別監査における発見事項・指摘は、その重要性に応じ真因分析が実施される。真因分析は、組織運営上の課題やリスクの所在を明らかにする重要な手法であり、内部監査の水準にかかわらず、経営に求められる監査への前提と考えるべきである。
- 特徴的な取組として、例えば、一定期間の個別監査の結果を集約し、それらを俯瞰した上で、分析し改善(管理態勢の向上)につなげている事例が見られた。また、ITを活用した大量のデータ分析を通じてリスクの所在と大きさを客観的に評価し、高リスク項目について重点的に監査して、経営上重要な課題の提起につなげたといった事例が見られた。
- なお、個々の発見事項の真因は特定できているが、組織全体の共通課題に関する真因を特定し、経営に提言するまでには至っていないことを課題と考えている金融機関が見られた。
- グループ・グローバルな監査態勢の在り方
- 大手銀行グループや大手証券会社、大手保険会社では、グローバル化が一段と進展している。同時に、大手銀行グループは、銀行のほか、証券会社、リース会社、カード会社等の非銀行業務を行う会社を傘下に持つ金融グループとなっている。大手銀行グループ以外の証券会社や保険会社においても同様に、他の業態を傘下に持つ金融グループとなっている先が多い。
- このほか、地域銀行においても、持株会社体制へ移行し、傘下に証券会社や銀行業高度化等会社など、非銀行業務を行う会社を持つ動きが見られる。
- こうした状況を踏まえると、金融機関が、グループ・グローバルな観点で、実効性ある内部監査を実施することで、様々な組織活動の有効性等について評価することが重要である。
- 金融グループ内においては、様々な形態の金融会社、非金融会社が存在しており、グループの規模・特性も踏まえながら、監査手法や監査支援システム導入など効率性のみならず、品質管理の観点からも共通化・高度化を進めていくことが重要である。
- 特徴的な取組として、例えば、各金融機関において、グループ・グローバルな観点で監査態勢を構築し運用する事例が見られた。グループ内に内部監査部門が存在しない、存在しても少人数の会社がある場合、持株会社等が当該会社のために内部監査業務を実施するなど、必要な支援を提供している事例が見られた。また、海外拠点を有する金融機関においては、国・地域によって異なる内部監査に関する法令・制度や海外当局の方針等に対応する必要があるところ、これらの対応によって確立された先進的な取組を参考に、グループ・グローバルな観点での監査態勢の底上げを検討している事例が見られた。
- コソーシングの活用
- 内部監査の実施に当たって、コソーシング等により外部専門機関の活用が見られている。金融機関を取り巻く環境変化が著しい昨今、フィンテック業者と連携したデジタル分野での新しい金融サービスの提供といった金融機関のビジネス領域の拡大のほか、サステナビリティ等の社会的課題を踏まえた金融機関としての対応の高度化・複雑化に伴って、自社内のリソースだけで監査を担うのが難しい分野が現れており、これを適時・適切に検証していくためには、外部知見の活用が欠かせなくなっていることが窺える。金融庁は、外部専門機関の活用は、監査の効率性・実効性を向上させる上で、有用な手段の1つと考えている。ただし、外部専門機関は金融機関の内部監査部門の責任の下で活用されるべきで、その結果を内部監査部門が負うのは当然である。
- このため、コソーシングの監査品質は、内部監査部門が理解した上で、評価・管理する必要がある。外部専門機関による成果物について、内部監査部門自身の責任の下で管理し、その成果物等から、内部監査部門内に、スキル・専門知識を蓄積し活用することも重要である。
- おわりに
- 金融庁は、「中間報告2023」の公表以降も、大手銀行グループ、地域金融機関、大手証券会社及び大手保険会社などに対するモニタリングを継続し、今般、その結果を「3つの論点」に基づき整理した。
- 各金融機関においては、総じて、内部監査の高度化に向けた取組を進めている状況が確認できた。一方で、足元の水準がいまだ低位にとどまっている金融機関があること、現状の水準から一歩先へ進もうとする推進力には差異が見られることが確認できた。とりわけ地域金融機関においては「現状と課題」公表時の水準からあまり進展が見られない金融機関もあれば、第三段階に達していると自己評価する金融機関もあるなど、その乖離は広がっていることが窺える。
- この乖離の広がりは、一義的には、各金融機関の内部監査部門自らの取組の在り方によるものの、その取組には自ずと限界があり、経営陣等の取組姿勢が大きく影響を与えていると考える。特に経営資源の配分などでは経営陣が主体的に取り組まなければ成果は出ず、経営陣の考え方や取組姿勢についての意識改革が必要不可欠である。
- 金融庁は、今後も、「中間報告2023」で示した「3つの論点」に基づき、金融機関に対する深度あるモニタリングを進めるとともに、モニタリングを通じて内部監査の高度化を促していく方針である。
- その際、本文書や「中間報告2023」等で示した論点や着眼項目を、形式的なチェックリストとして用いることはないことを改めて強調する。
- また、金融機関に対するモニタリングに当たっては、引き続き、金融機関の内部監査部門との良好なコミュニケーションに努め、内部監査の水準に応じてモニタリングの対象領域や深度を決定するとともに、金融機関に内在する課題とその対応状況を適切に把握・分析し、金融機関のリスク管理態勢の構築・高度化に向けた取組を促していく方針である。金融機関の内部監査部門においては、金融庁とは、金融機関のリスク管理態勢の脆弱性の発見と改善に向けた協働関係にあるとの認識の下、積極的に対話等に応じてほしい。
- 併せて、金融庁では、金融機関に対して内部監査の一層の高度化を促す観点から、モニタリング結果や国際的な動向も踏まえて、引き続き「現状と課題」の更新(段階別評価の見直し要否を含む)の必要性等を検討していく方針である。
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警察庁 犯罪統計資料(令和6年1~8月分)
- 令和6年1~8月の刑法犯総数について、認知件数は480,939件(前年同期456,115件、前年同期比+5.4%)、検挙件数は180,457件(169,181件、+6.7%)、検挙率は37.5%(37.1%、+0.4P)
- 凶悪犯の認知件数は4,580件(3,537件、+29.5%)、検挙件数は3,876件(2,897件、*33.8%)、検挙率は84.6%(81.9%、+2.7P)、粗暴犯の認知件数は38,281件(39,024件、▲1.9%)、検挙件数は30,924件(30,983件、▲0.2%)、検挙率は80.8%(79.4%、+1.4P)、知能犯の認知件数は40,144件(31,332件、+28.1%)、検挙件数は11,800件(12,290件、▲4.0%)、検挙率は29.4%(39.2%、▲9.8%)、風俗犯の認知件数は11,607件(6,254件、+85.6%)、検挙件数は8,988件(4,443件、+102.3%)、検挙率は77.4%(71.0%、+6.4P)
- 詐欺の認知件数は37,049件(28,878件、+28.3%)、検挙件数は9,764件(10,523件、▲7.2%)、検挙率は26.4%(36.4%、▲10.0P)
- 万引きの認知件数は65,056件(61,499件、+5.8%)、検挙件数は43,575件(40,647件、+7.2%)、検挙率は67.0%(66.1%、+0.9P)
- 特別法犯総数について、検挙件数は41,270件(44,763件、▲7.8%)、検挙人員は33,066人(36,670人、▲9.8%)
- 入管法違反の検挙件数は3,922件(3,839件、+2.2%)、検挙人員は2,675人(2,679人、▲0.1%)、軽犯罪法違反の検挙件数は4,306件(5,024件、▲14.3%)、検挙人員は4,359人(4,952人、▲12.0%)、迷惑防止条例犯の検挙件数は3,657件(6,769件、▲46.0%)、検挙人員は2,693人(5,218人、▲48.4%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,700件(2,087件、+29.4%)、検挙人員は2,084人(1,645人、+26.7%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は281件(299件、▲6.0%)、検挙人員は100人(79人、+26.6%)、不正競争法違反の検挙件数は20件(34件、▲41.2%)、検挙人員は40人(40人、±0%)、銃刀法違反の検挙件数は2,974件(3,183件、▲6.6%)、検挙人員は2,537人(2,670人、▲5.0%)、大麻取締法違反の検挙件数は4,571件(4,623件、▲1.1%)、検挙人員は3,631人(3,806人、▲4.6%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は5,301件(4,889件、+8.4%)、検挙人員は3,576人(3,409人、+4.9%)
- 来日外国人による 重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員 対前年比較について、総数538人(410人、+31.2%)、ベトナム148人(141人、+5.0%)、ブラジル38人(27人、+40.7%)、フィリピン33人(14人、+135.7%)、スリランカ22人(10人、120.0%)、中国77人(47人、62.8%)、韓国・朝鮮20人(17人、+17.6%)、パキスタン18人(5人、+260.0%)、インド12人(10人、20.0%)、アメリカ12人(6人、+100.0%)
- 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・検挙人員 対前年比較、刑法犯総数について、検挙件数は6,153件(6,149件、+0.1%)、検挙人員は3,223人(3,857人、▲16.4%)
- 強盗の検挙件数は54件(75件、▲28.0%)、検挙人員は105人(158人、▲33.5%)、暴行の検挙件数は263件(383件、▲31.3%)、検挙人員は240人(355人、▲32.4%)、傷害の検挙件数は523件(666件、▲21.5%)、検挙人員は628人(756人、▲16.9%)、脅迫の検挙件数は190件(220件、▲13.6%)、検挙人員は193人(197人、▲2.0%)、恐喝の検挙件数は211件(237件、▲11.0%)、検挙人員は230件(296件、▲22.3%)、窃盗の検挙件数は3,114件(2,682件、+16.1%)、検挙人員は449人(541人、▲17.0%)、詐欺の検挙件数は1,013件(1,088件、詐欺6.9%)、検挙人員は678人(845人、▲19.8%)、賭博の検挙件数は48件(17件、+182.4%)、検挙人員は74人(68人、+8.8%)
- 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・検挙人員 対前年比較、特別法犯総数について、検挙件数は2,796件(3,134件、▲10.8%)、検挙人員は1,821人(2,191人、▲16.9%)
- 入管法違反の検挙件数は20件(14件、+42.9%)、検挙人員は20人(12人、+66.7%)、軽犯罪法違反の検挙件数は33件(53件、▲37.7%)、検挙人員は32人(40人、▲20.0%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は44件(45件、▲2.2%)、検挙人員は42人(45人、▲6.7%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は37件(13件、+184.6%)、検挙人員は50人(26人、+92.3%)、銃刀法違反の検挙件数は44件(60件、▲26.7%)、検挙人員は27人(42人、▲35.7%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は162件(137件、+18.2%)、検挙人員は65人(65人、±0%)、大麻取締法違反の検挙件数は496件(675件、▲26.5%)、検挙人員は295人(458人、▲35.6%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は1,587件(1,745件、▲9.1%)、検挙人員は1,019人(1,181人、▲13.7%)、麻薬特例法違反の検挙件数は60件(78件、▲23.1%)、検挙人員は19人(38人、▲50.0%)
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内閣府 高齢社会対策大綱(令和6年9月13日閣議決定)
- 第1 目的及び基本的考え方
- 大綱策定の目的
- 基本的考え方
- 年齢に関わりなく希望に応じて活躍し続けられる経済社会の構築
- 一人暮らしの高齢者の増加等の環境変化に適切に対応し、多世代が共に安心して暮らせる社会の構築
- 加齢に伴う身体機能・認知機能の変化に対応したきめ細かな施策展開・社会システムの構築
- 第2 分野別の基本的施策
- 就業・所得
- 年齢に関わりなく希望に応じて働くことができる環境の整備
- 高齢期を見据えたスキルアップやリ・スキリングの推進
- 企業等における高齢期の就業の促進
- 高齢期のニーズに応じた多様な就業等の機会の提供
- 公的年金制度の安定的運営
- 高齢期に向けた資産形成等の支援
- 年齢に関わりなく希望に応じて働くことができる環境の整備
- 健康・福祉
- 健康づくりの総合的推進
- 生涯にわたる健康づくりの推進
- 介護予防の推進
- 持続可能な介護保険制度と介護サービスの充実
- 地域包括ケアシステム構築の深化・推進
- 必要な介護サービスの確保
- 介護サービスの質の向上
- 仕事と介護の両立支援
- 持続可能な高齢者医療制度の運営
- 認知症施策の総合的かつ計画的な推進
- がん対策の推進
- 人生の最終段階における医療・ケアの体制整備
- 身寄りのない高齢者への支援
- 支援を必要とする高齢者等を地域で支える仕組みづくりの促進
- 加齢による難聴等への対応
- 健康づくりの総合的推進
- 学習・社会参加
- 加齢に関する理解の促進
- 高齢期の生活に資する学びの推進
- デジタル等のテクノロジーに関する学びの推進
- 社会保障教育及び金融経済教育の推進
- 消費者教育の推進
- 身近な場やオンラインでの学習機会の充実
- 地域における社会参加活動の促進
- 多世代による社会参加活動の促進
- 地域住民を支援する専門人材・団体の活動基盤の整備
- 生活環境
- 豊かで安定した住生活の確保
- 居住支援の充実
- 空き家対策の推進
- 安全・安心で快適な住生活と循環型住宅市場の実現
- 高齢社会に適したまちづくりの総合的推進
- 地域における移動手段の確保
- 多世代に配慮したまちづくりの総合的推進
- 農山漁村のコミュニティの維持
- 金融経済活動における支援
- 消費者被害の防止
- 認知機能の変化に応じた交通安全対策
- 情報アクセシビリティの確保
- 公共交通機関や建築物等のバリアフリー化
- 高齢期の特性に配慮した防災・防犯対策
- 防災施策の推進
- 犯罪、悪質商法、人権侵害等からの保護
- 成年後見制度の利用促進
- 豊かで安定した住生活の確保
- 研究開発・国際展開等
- 高齢社会に資する研究開発等の推進
- 高齢者等のサポートに係る技術の開発や社会実装等の推進
- 高齢期にかかりやすい疾病等及び健康増進に関する研究開発等
- 高齢社会対策の総合的な推進のための調査分析・データ等の利活用
- 健康・医療産業の国際展開及び国際社会への知見等の発信
- 健康・医療産業の国際展開
- 国際社会への知見等の発信
- 高齢社会に資する研究開発等の推進
- 就業・所得
- 第3 推進体制等
- 推進体制
- 推進に当たっての留意事項
- 大綱の見直し
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経済産業省 第11回ロボット大賞が決定しました!
- 経済産業省と一般社団法人日本機械工業連合会は、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省との共催により「第11回ロボット大賞」を実施し、この度、各賞の受賞ロボット等が決定しました。
- 9月18日(水曜日)、「Japan Robot Week 2024」(主催:一般社団法人日本ロボット工業会、株式会社日刊工業新聞社)の会場内において、表彰式と受賞ロボット等の展示を行います。
- 概要
- 「ロボット大賞」は、我が国のロボット技術の発展や社会実装を促進することを目的として、ロボットの先進的な活用や研究開発、人材育成といった様々な分野において、優れた取組を実施した企業等を表彰する制度です。
- 2006年度に第1回を開催し、2008年度からは隔年での開催を続け、今回が11回目の開催となります。
- 第11回ロボット大賞の審査結果
- 本年2月19日から4月12日までの募集期間に寄せられた全85件の応募の中から、第11回ロボット大賞審査特別委員会(委員長:川村貞夫 立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構 機構長代理 特別招聘研究教授)等の審査により、「別紙」のとおり各賞の表彰対象を決定しました。
- このうち経済産業大臣賞はファナック株式会社の「世界最小の大型加工機 高精度本格加工ロボットM-800」、中小企業庁長官賞(中小・ベンチャー企業賞)は株式会社ハーモテックの「KUMADE-FORK(ECシリーズ)」に決定しました。
- 経済産業大臣賞
- 名称:世界最小の大型加工機 高精度本格加工ロボットM-800
- 受賞者:ファナック株式会社
- 概要:従来の加工機では困難だった高精度な加工を実現する高精度6軸多関節ロボット。60kgの可搬重量ながら、大きな加工反力に耐える高剛性アームを搭載し、高い軌跡精度を実現。高精度キャリブレーション技術により、アーム誤差を補正し、±0.1mm以下の絶対精度を達成。高精度なレーザ切断やウォータジェット加工に加え、加工反力を受けても高い精度を維持できるため、切削加工、面加工、穴あけなどの本格加工が可能。小さい設置面積で広い動作範囲を持ち、様々な方向からの加工ができるため、経済的かつコンパクトな設備を提供する。自動車や航空機の部品加工に適用が進んでおり、厳しい環境下でも長期間の安定稼働を実現している。
- 評価のポイント:世界でもトップクラスの技術で実現された高剛性、極めて高い絶対位置精度、大きな加工反力を受けながら高い精度での動作が可能という特徴を有している。これまでのロボットでは不可能であった様々な加工作業を可能とし、自動車産業、航空機産業等での利用が始まっている。その省スペース効果、低コスト化は絶大であり、今後益々の利用が見込まれると共に、本ロボットで導入された技術の横展開も大いに期待できる。
- 中小企業庁長官賞(中小・ベンチャー企業賞)
- 名称:KUMADE-FORK(ECシリーズ)
- 受賞者:株式会社ハーモテック
- 概要:ベルヌーイ方式やエジェクターを複合的に利用し、広範囲に負圧を発生させることで、脆弱な極薄ウェハを優しく搬送する技術。特にパワーデバイス製造分野で高く評価され、大手企業にも採用されている。新型ECシリーズは、ウェハの反りや撓みを考慮して非接触搬送が可能。カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けて、次世代パワー半導体の製造に対応し、消耗部品がなくランニングコストがかからない。さらに、半導体産業以外の分野への応用も視野に入れている。食品業界などでも、脆弱な製品の傷つけない搬送が実証されており、今後の自動化分野での利用が期待される。
- 評価のポイント:これまで搬送が難しかった薄く大型のウェハを、接触せずに吸引固定し、さらに裏返すことができる技術は他に例を見ない技術。国の流通特許事業で、使われていなかった特許を引き受け、実用化した。半導体製造は、AI等の半導体チップのニーズから今後の市場拡大の期待が大きい。応募者独自の技術であり、また、産業分野としても今後に大きく波及効果の高い技術である。
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内閣官房 リニア開業に伴う新たな圏域形成に関する関係府省等会議(第2回)
▼ 資料1 リニア開業に伴う新たな圏域形成に関する関係府省等会議 中間取りまとめ 概要資料(案)
- リニア中間駅を始めとした新たな広域圏形成 ~かがやく未来へ~
- 「日本中央回廊」の核となる新たな圏域形成により、多様な自然や文化を有する地域を内包する新たな経済集積圏域の形成を目指す。
- (1)生活・交流(2)産業・しごと(3)観光(4)交通ネットワークという4つのテーマに基づく施策の実現により、新たな圏域形成の効果を広域に波及させる。
- 地域活性化やダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図る。
- 未来を呼ぶ、新しい暮らしの風景 ~地域生活圏の形成、二地域居住の促進へ~
- リニア中間駅を核とした高速交通ネットワークの強化やテレワークの普及等を通じて、新たな暮らし方・働き方の先導モデルの形成を図る。
- 新しいライフスタイルとしての「二地域居住」や「転職なき移住」の促進に向けて、空き家等の既存ストックの活用を含めた良質な住宅の提供やサテライトオフィス等の環境整備を進め、新たなライフスタイルを実現する。
- リニア中間駅から広がる次世代のビジネスフロンティア ~人流・物流の活性化による産業創造へ~
- 全国各地との時間距離短縮の効果をいかし、サテライトオフィス拠点やインキュベーション施設の設置、新たな産業創出に取り組むスタートアップ企業の誘致等、国内外各都市と新たな圏域の「人流」「物流」の活性化を図り、多様な自然や文化を有する地域を内包する世界に類を見ない魅力的な経済集積圏域を形成する。
- リニア中間駅周辺地域の先端技術拠点の形成や地場産業の強みをいかし、ビジネス・商圏・販路の拡大につなげることで、新たな圏域全体の活力を広域に波及させ我が国の成長を牽(けん)引する。
- リニアがつなぐ圏域を越えた魅力の創造 ~世界が注目する新たな広域観光モデルへ~
- リニア中央新幹線の開業による時間距離短縮の効果をいかすとともに、自然・文化等の個性豊かな地域の魅力をいかし、持続可能な広域周遊観光を創出する。
- AIオンデマンド交通や自動運転バス等を活用した観光拠点へのアクセスを強化し、観光消費の増加を促進する。国内外への積極的なプロモーションなど、ハード・ソフト両面の取組によりインバウンド需要も取り込み、二地域居住とも連動した観光交流の拡大につなげる。
- 4県ならではの観光資源・文化資源を保全・活用し、リニア中間駅を核とした世界に選ばれる新たな広域観光モデルを創出する。
- リニア中間駅、交通の新たな拠点へ ~人が出会い、ビジネスがつながる新たな結節点へ~
- リニア中間駅を始めとした新たな圏域内及び他圏域との交通ネットワークの形成、AIオンデマンド交通や自動運転技術の導入により、「シームレス」な交通体系を実現し、リニア中央新幹線開業による時間短縮効果を新たな圏域の内外に更に波及。
- 4県のつながりを強化し、新たな圏域を越えた「人流」、「物流」の更なる拡大・強化を通じたイノベーションの創造を図る。また、交通の結節点となるリニア中間駅周辺のまちづくりやリニア中間駅の効果を広域に波及させるためのアクセス向上等について検討を進め、人々が出会い、つながる場として地域活性化を促進する。
- 長野県の取組
- リニアと新幹線、高規格道路等を基軸に東日本と西日本、太平洋と日本海を結ぶ広域的な交通ネットワークの整備推進広域交通・地域振興の拠点となる駅周辺の整備
- 岐阜県の取組
- リニア中間駅を核とした東西・南北軸を形成する道路ネットワークの充実
- 新モビリティの整備による駅を起点としたシームレスな交通体系の構築
- 山梨県の取組
- 強靱で信頼性の高い道路ネットワーク整備推進民間活力を最大限にいかした駅周辺におけるまちづくり
- 神奈川県の取組
- リニア神奈川県駅と、現在、誘致を進めている新幹線新駅を核とした南北ゲートの形成及びそれに関連する鉄道ネットワーク等の充実強化によるネットワーク型都市圏の形成
- リニア神奈川県駅周辺、相模原駅周辺における広域交流拠点のまちづくり
- 長野県の取組
- 神奈川県のビジョン・施策
- 全国との交流と連携を促進するため、リニア神奈川県駅を核とした「北のゲート」と、現在、誘致を進めている東海道新幹線の新駅を核とする「南のゲート」の形成を図り、交通ネットワークの充実・強化を目指すとともに、さがみロボット産業特区を活用した先端技術の拠点づくりや、新たなイノベーションハブの形成を目指す。
- 働く世代に対し、多様な働き方・暮らし方を提供することにより、県内への人の流れを創出し、移住を促進する。
- 東京圏や中部圏からの速達性をいかした連携により、ヒト・モノを引き付ける魅力を高め、リニア神奈川県駅を「降りたくなる駅」にすることを目指す。
- 相模原市においては、リニア神奈川県駅周辺と地域間のアクセスや利便性の向上を図るため、広域的な交通網の整備を促進し、県内駅が設置される橋本駅周辺地区と、相模原駅周辺地区を広域交流拠点として一体的なまちづくりを進める。
- さがみロボット産業特区を活用し、先端技術等の研究開発に対する支援等の実施や、オープンイノベーション、ベンチャー・スタートアップ企業の創出促進等を通じ、相模原市一帯において、新たな価値やイノベーションを創出する基盤を形成する。
- 山梨県のビジョン・施策
- リニア中央新幹線の開業を見据え、県民の生活基盤を強く安心できるものにする「ふるさと強靱化」、物理的な面とともに意識の上での開化も進め、国内外全ての人に対して開かれた「『開の国』づくり」、それらの先に、県民一人一人に豊かさが漏れなく届けられる仕組みを持った「豊かさ共創社会」を築き上げていく。
- 産業・観光振興や災害発生時の輸送路確保(リダンダンシー確保)、また、都市部との二拠点居住の促進に向けて、県外とを結ぶ高速道路等の強靱で信頼性の高い道路ネットワーク整備を図る。リニア山梨県駅は県内各地からアクセスが容易な交通結節点となることを踏まえ、その駅前においては、民間活力を最大限にいかして生活・産業・観光の場が融合した新たな価値を生み出すまちづくりを進めるとともに、テレワークの普及等を通じて新たな暮らし方や働き方の先導モデルを形成することを目指す。
- また、リニア中央新幹線の開業を見据え、最先端技術やサービスの実証実験や社会実装に向けた支援を進める。
- 長野県のビジョン・施策
- アルプスの眺望と大自然に囲まれた伊那谷地域に、長野県の強みをいかし、東京一極集中から多極分散型国家の実証モデルとなる都市圏域を先行形成することで、「広域中核地方圏」としての新たな価値の創造を実現する。
- これにより、リニア中央新幹線の開業効果として期待される人流等の活発化を実現することで、地域活性化を目指すとともに、近隣県とも連携し、開業効果を広く全県下に拡大することにより、長野県の魅力向上につなげることとする。
- 岐阜県のビジョン・施策
- リニアをいかした地域づくりを戦略的に進めるため、「岐阜県リニア中央新幹線活用戦略」(平成26年策定、令和5年全面改訂)に基づき、「産業振興」、「観光振興・まちづくり」及び「基盤整備」の3分野並びに「森のまちづくり」の実現に向けた取組を進め、リニア中央新幹線の開業効果をリニア岐阜県駅から東美濃地域、県内全域、そして隣接県へ最大限に波及させていく。
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内閣官房 コンテンツ産業官民協議会(第1回)・映画戦略企画委員会(第1回)配布資料
▼ 資料3 基礎資料
- 世界のコンテンツ市場の規模
- 世界のコンテンツ市場規模の推移を見ると、日本は世界第3位。2022年は13.1兆円。
- 中国は、2013年に日本を抜き世界第2位へ。2022年時点で日本の2.5倍の市場規模(33.2兆円)。
- コンテンツ産業の世界市場・我が国輸出額規模の相場感
- 世界のコンテンツ市場の規模は、石油化学産業、半導体産業よりも大きい。
- 日本由来コンテンツの海外売上は、鉄鋼産業、半導体産業の輸出額に匹敵する規模。
- コンテンツの海外進出の日中韓比較
- 日本はアニメ、家庭用ゲームの海外収入では中国、韓国に勝り、実写映像の海外収入では韓国を下回る。
- PC・スマートフォン向けゲームでは中国・韓国を下回る
- コンテンツ産業のデジタル化
- 世界のコンテンツ市場は、今後もデジタルコンテンツが成長を牽引する見通し。日本は、分野により、デジタル化(配信)に遅れ気味。
- 映像コンテンツによる海外収入
- 映像による海外収入は、米国が一番大きく、144億ドル。
- 日本の映像による海外収入は、9.7億ドルでアニメが8割。
- 韓国の映像による海外収入は、8.7億ドルでテレビ番組が8割。
- 実写映画の興業収入と制作費との相関関係
- 世界興行収入が高い作品ほど、制作費が高い傾向が見られる。
- アニメの海外売上高
- アニメ制作会社の海外売上高は、増加傾向(856億円)。海外の地上波放送や有料チャンネル放送において、「ドラゴンボール」、「ポケットモンスター」等が継続して放送されていることが理由。
- 聖地巡礼による経済効果
- 日本各地にアニメの聖地巡礼地が存在。インバウンド観光客のうち聖地巡礼者数は140万人、アニメ関連グッズの購入額は380億円。
- 潜在的な聖地巡礼者の需要は310万人と見込まれ、4,700億円の国内消費支出が期待されている。
- キャラクターの累積収入の世界ランキング
- キャラクターが誕生してからの累積収入(USドルベース)ランキングでは、世界のTOP17の約半分にポケモン、ハローキティ、マリオ等の日本発コンテンツがランクインしている
- テレビ局の広告収入と番組制作費
- テレビの東京キー局すべてにおいて、過去7年間で、広告収入が減少し、これと相関して、番組制作費も減少
- 世界のNetflixの会員数と売上高の伸長
- 世界のNetflixの会員数と売上高は年々拡大。2023年時点で世界売上は337億ドル。
- 日本のテレビ局4局の制作費を合計しても、Netflixの制作費の5分の1。
- 世界の音楽市場の推移
- 世界の音楽市場は縮小から2015年以降デジタル化(特にストリーミング)により反転し、286億ドルに。
- 日本の音楽市場は、音楽ソフト(CD等)が66%、音楽配信(ストリーミング等)が35%であり、デジタル化が遅れている。
- 音楽業界は、旧譜が中心の市場に
- 検索が可能なサブスクリプションサービス(月単位または年単位で定期的に料金を支払い利用するサービスの形式)の増加に伴い、発表日が意味をなさなくなってきている。CD自体は新譜が売上げの大半だったが、現在は旧譜(18か月以上前発表)が7割を占める状況(米国の場合)。
- 旧譜が充実した日本には有利であり、「日本ブランド」の確立の契機。
- 他方で、旧譜については、我が国の慣行から、利用が難しいとの議論があり、契約の適正化が課題。
- 世界のコンサート市場の動向
- 音楽市場のストリーミング化の裏側で、リアルな接触を求めて、世界のコンサート収益(スポンサー権利+チケット売上)は、コロナ期を除き年々増加。
- 2023年~2030年の年平均成長率は4%と分析。
- 日本の雑誌販売額と電子出版の市場規模
- 雑誌の販売金額は、1997年以降右肩下がりで、2022年には3分の1まで縮小。
- 一方で電子出版の市場規模は、大きく増加。スマホで読める等の電子コミックの増加分が大半。
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国民生活センター 2023年度 全国の危害・危険情報の状況-PIO-NETより-
- 危害・危険情報とは、商品・役務・設備に関連して、身体にけが、病気等の疾病(危害)を受けたという「危害情報」と、危害を受けたわけではないが、そのおそれがある「危険情報」をあわせたものです。データは、2024年5月末日までの登録分。なお、消費生活センター等からの経由相談を除いています。
- 2023年度の傾向と特徴
- 全国の消費生活センター等から収集した「危害・危険情報」は14,781件で、対前年度比でみると1.1%減となりました。
- 「危害情報」は12,472件で、上位3商品・役務等は「化粧品」「健康食品」「医療サービス」でした。「危険情報」は2,309件で、上位3商品・役務等は「四輪自動車」「健康食品」「調理食品」でした。
- 「危害情報」は、2022年度より421件減少しました。「化粧品」が1,009件減少したことが影響しています。被害者の性別は女性が7割以上を占めていました。
- 「危険情報」は、2022年度より258件増加しました。
▼ [報告書本文] 2023年度 全国の危害・危険情報の状況-PIO-NETより-
- 危害内容
- 危害内容別にみると、最も件数が多かったのは「皮膚障害」4,401件(35.3%)で、2022年度(1位、5,404件)より1,003件減少した(表3)。商品・役務等別にみると「化粧品」が2022年度より996件減少したものの、3,084件と約7割を占めており、次いで「健康食品」が287件で、2022年度より40件増加した。
- 2位は「その他の傷病及び諸症状」(注3)3,453件(27.7%)で、2022年度(2位、3,194件)より259件増加した。「医療サービス」677件、「歯科治療」307件、「健康食品」296件などが多い。「歯科治療」は2022年度より1件減少したものの、「医療サービス」は141件、「健康食品」は107件、それぞれ増加した。
- 3位は「消化器障害」1,522件(12.2%)で、2022年度(3位、1,324件)より198件増加した。「健康食品」が2022年度より124件増加し、823件と過半数を占めている。このほか「調理食品」105件、「外食」95件、「飲料」87件などが多い。
- 4位は「熱傷」623件(5.0%)で、2022年度(5位、545件)より78件増加した。「エステティックサービス」132件、「医療サービス」97件、「美容院」37件などが多い。
- 5位は「擦過傷・挫傷・打撲傷」579件(4.6%)で、2022年度(4位、612件)より33件減少した。「エステティックサービス」49件、「商品一般」48件、「整体」41件などが多い。
- 被害者の性別・年代
- 危害を受けた被害者の性別件数をみると、女性が9,282件(74.4%)、男性が3,004件(24.1%)で、2022年度に比べて女性が680件減少する一方で、男性が232件増加した。
- 年代別件数では、70歳以上が2,566件(20.6%)と最も多く、以下、50歳代2,480件(19.9%)、60歳代2,215件(17.8%)、40歳代1,753件(14.1%)、30歳代1,126件(9.0%)、20歳代862件(6.9%)、10歳代250件(2.0%)、10歳未満172件(1.4%)と続いている。2022年度に比べ20歳代から60歳代の各年代で件数が減少した
- 次に、被害者の年代別に危害の多かった商品・役務等をみると、10歳未満では、1位は「外食」17件(2022年度1位、13件)、2位は「遊園地・レジャーランド」14件(2022年度5位、8件)、3位は「菓子類」12件(2022年度2位、9件)であった。2位の「遊園地・レジャーランド」、5位の「保育園」「商品一般」、7位の「スポーツ・健康教室」「宿泊施設」、9位の「家具類」「遊興施設利用」が10位以内に入るのは10歳未満のみであった。
- 10歳代では、1位は「化粧品」41件(2022年度1位、53件)、2位は「医療サービス」27件(2022年度2位、31件)、3位は「美容院」26件(2022年度4位、17件)である。6位の「自転車」、8位の「ヘアケア用具」が10位以内に入るのは10歳代のみであった。
- 20歳代では、1位は「医療サービス」193件(2022年度1位、183件)、2位は「エステティックサービス」124件(2022年度2位、146件)、3位は「化粧品」72件(2022年度3位、89件)である。
- 30歳代では、1位は「医療サービス」208件(2022年度2位、195件)、2位は「化粧品」130件(2022年度1位、214件)、3位は「エステティックサービス」92件(2022年度4位、80件)である。
- 40歳代では、1位は「化粧品」396件(2022年度1位、667件)、2位は「医療サービス」223件(2022年度3位、138件)、3位は「健康食品」194件(2022年度2位、154件)である。
- 50歳代では、1位は「化粧品」769件(2022年度1位、1,226件)、2位は「健康食品」360件(2022年度2位、295件)、3位は「医療サービス」207件(2022年度3位、143件)である。
- 60歳代では、1位は「化粧品」916件(2022年度1位、1,087件)、2位は「健康食品」328件(2022年度2位、233件)、3位は「医療サービス」95件(2022年度3位、80件)である。
- 70歳以上では、1位は「化粧品」833件(2022年度1位、807件)、2位は「健康食品」421件(2022年度2位、287件)、3位は「医療サービス」114件(2022年度3位、122件)である。
- また、8位の「家庭用電気治療器具」、10位の「ふとん類」「他の保健衛生用品」が10位以内に入るのは70歳以上のみであった。
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国民生活センター 65歳以上の消費生活相談の状況
- 契約当事者が65歳以上の消費生活相談について、2023年度までに全国の消費生活センター等に寄せられた相談の状況をまとめました。
- 2023年度の相談を商品役務等別にみると、「化粧品」「健康食品」は、契約当事者65歳以上と65歳未満で共通して上位となっています。また、65歳未満と比較して、65歳以上では「他の役務サービス」や「修理サービス」「その他金融関連サービス」に関する相談や「移動通信サービス」「インターネット接続回線」など通信に関する相談が上位となっています。
- 販売購入形態別にみると、「通信販売」の各年齢区分の相談全体に占める割合は65歳~69歳が最も高く、年齢が上がるにつれ割合が下がっています。一方、「訪問販売」「電話勧誘販売」「訪問購入」は年齢が上がるにつれ割合が高くなり、85歳以上になると「通信販売」を抜いて「訪問販売」の割合が最も高くなります。
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国民生活センター 今もなお注意が必要!マグネットセットの誤飲
- 内容
- 子どもの誤飲により重篤な症状となる事故が何件も発生したことから、強力な磁力を持つ複数個の磁石を組み合わせて遊ぶ「マグネットセット」は、新たな規制が導入され、技術基準に適合しない製品の販売が規制されています。
- 誤飲により開腹手術が必要となった事故は複数報告されており、海外では死亡事故も起きています。
- マグネットセットは、絶対に子どもに触れさせないでください!
- すでに持っている場合は、子どもの目につかず、持ち出せない場所に保管するか、自治体のルールに従い廃棄しましょう。
- 誤飲した可能性がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- インターネットサイトやフリマサイトなどで販売されていても、子どもがいる家庭ではマグネットセットを購入しないでください。
- ひとことアドバイス
- マグネットセット(磁石製娯楽用品)は、消費生活用製品安全法関係法令の改正により、2023年6月より販売が規制されています。技術基準を満たしPSCマークが表示されたものでなければ販売できません。
- 子どもがいる環境にマグネットセットがあることがあります。子どもが誤飲すると命にかかわる場合もあるため、保護者や周りの人は注意しましょう。
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厚生労働省 第71回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼ 資料4 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書 概要
- 令和元年に女性活躍推進法等改正法が成立し、一般事業主行動計画の策定義務拡大、情報公表の強化、パワーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置義務等の新設等を講じてきた。
- 改正法施行後において、
- 常時雇用する労働者の数が301人以上の企業について、男女の賃金の差異の情報公表が義務化されるという新しい動きがあったが、男女の賃金の差異は依然として大きく、女性管理職の割合も国際的に見るとその水準は低い、
- ハラスメント関係の相談件数は高止まり傾向にあり、カスタマーハラスメントや就活等セクシュアルハラスメントなどが社会問題化している、という課題がみられる。
- これらの課題に加え、平成28年度より施行してきた女性活躍推進法は、令和7年度末で失効するとされているところである。
- こうした状況を踏まえ、雇用の分野における女性活躍推進の方向性や、ハラスメントの現状と対応の方向性等について議論し、とりまとめた。
- 女性活躍推進法等を通じた雇用の分野における女性活躍の更なる推進
- 女性活躍推進法については、10年間期限を延長することが適当。
- 事業主行動計画の策定が努力義務である100人以下の企業については、努力義務を維持した上で、支援策の充実が必要。
- 現行のえるぼし認定では評価できない企業の積極的な取組・実績を評価できるような仕組みも視野に、必要な見直しを検討すべき。
- 女性活躍に関する情報公表について、・男女間賃金差異については、101人以上300人以下の企業においても公表を義務とすることが適当。
- 女性管理職比率については、企業の実情を踏まえつつ、開示必須項目とすることが適当。併せて、男女別管理職登用比率の付記を促すことも検討すべき。
- 情報公表義務がある企業に、女性活躍データベースにおける情報公表を促す方向で、具体的な制度設計を検討すべき。 等
- 月経・不妊治療・更年期等の健康課題への対応
- 性差の特徴に応じて健康課題に取り組むことは社会的便益につながり、労働者個人の生活や仕事のパフォーマンスの向上につながるという視点が重要。プライバシー保護への留意も必要。
- 女性特有の健康課題については、ヘルスリテラシーの向上が重要であり、国がコンテンツの作成・周知に取り組むことが望ましい。女性の健康ナショナルセンター(仮称)との連携も重要。
- 女性特有の健康課題への取組の要素を女性活躍推進法の事業主行動計画に盛り込むことを検討すべき。行動計画策定指針に、健康支援やヘルスリテラシー向上の意義、プライバシーへの配慮の必要性等を明記することが考えられる。なお、企業が取り組む際には、産業保健スタッフの活用も検討されることが望ましい。
- 女性特有の健康課題に取り組む企業を評価するための、えるぼし認定制度の見直しをすることが適当。 等
- 職場におけるハラスメント対策の充実
- 一般に職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確化することが考えられる。
- カスタマーハラスメントについては、
- 企業横断的に取組が進むよう、対策強化が必要。労働者保護の観点から事業主の雇用管理上の措置義務とすることが適当。
- 定義については、社会全体で幅広く受け入れられるものの検討が適当であり、別紙の3つの要素のいずれも満たすものとして検討すべき。
- 取組の強化に当たり、業界団体等や業所管官庁との協力・連携が必要。
- 就活等セクシュアルハラスメントについても、事業主の雇用管理上の措置が講じられるようにしていくことが適当。
- ILO第190号条約に関しては、本検討会で調査・議論した海外法制の状況が参考となるほか、(1)の法整備も批准に向けた環境整備に資するものと考えられ、引き続き、条約全般について更なる検討を進めることが適切。 等
- 女性活躍推進法等を通じた雇用の分野における女性活躍の更なる推進
- カスタマーハラスメントの3要素
- カスタマーハラスメントは以下の3つの要素を満たすもの
- 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと
- 社会通念上相当な範囲を超えた言動であること
- 労働者の就業環境が害されること
- 「社会通念上相当な範囲を超えた言動」か否かの判断については、「言動の内容」及び「手段・態様」に着目し、総合的に判断。「言動の内容」、「手段・態様」の片方のみで社会通念上相当な範囲を超える場合もあり得る。また、正当な指摘等を受けた事業者(労働者)の側の不適切な対応が端緒となっている場合があることにも留意する必要がある。
- なお、クレームの全てがカスタマーハラスメントに該当するわけではなく、客観的にみて、社会通念上相当な範囲で行われたものは、いわば「正当なクレーム」であり、カスタマーハラスメントに当たらないことに留意する必要がある。
- カスタマーハラスメントは以下の3つの要素を満たすもの
- 社会通念上相当な範囲を超える
- 言動の内容
- そもそも要求に理由がない又は商品・サービス等と全く関係のない要求
- 契約等により想定しているサービス等を著しく超える要求
- 対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求
- 不当な損害賠償請求 等
- 手段・態様
- 身体的な攻撃(暴行、傷害等)
- 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言、土下座の強要等)
- 威圧的な言動
- 継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動
- 拘束的な言動(不退去、居座り、監禁) 等
- 言動の内容
- 社会通念上相当な範囲を超える言動の内容及び手段・態様の例
- 言動の内容
- そもそも要求に理由がない又は商品・サービス等と全く関係のない要求
- 契約等により想定しているサービス等を著しく超える要求
- 対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求
- 不当な損害賠償請求 等
- 契約内容を著しく超える要求
- 会社の事業とは関係のない要求(性的なもの、プライバシーに関わるもの等)
- 商品やサービス等の内容と無関係である不当な損害賠償要求 等
- 手段・態様
- 身体的な攻撃(暴行、傷害等)
- 殴る、蹴る、叩く
- 物を投げつける
- わざとぶつかる
- つばを吐きかける 等
- 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言、土下座の強要等)
- 「物を壊す」、「殺す」といった発言による脅し
- SNSへの暴露をほのめかした脅し
- インターネット上の投稿(従業員の氏名公開等)
- 人格を否定するような発言
- 土下座の強要
- 盗撮 等
- 威圧的な言動
- 大声でオペレーターを責める
- 店内で大きな声をあげて周囲を威圧する
- 反社会的な言動 等
- 継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動
- 頻繁なクレーム
- 同じ質問を繰り返し、対応のミスが出たところを責める
- 当初の話からのすり替え、揚げ足取り、執拗な責め立て 等
- 拘束的な言動(不退去、居座り、監禁) 等
- 長時間の拘束・居座り・電話 等
- 身体的な攻撃(暴行、傷害等)
- 言動の内容
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厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第13回資料
▼ 資料1 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
- 時間外・休日労働時間の上限規制
- 今後、法定労働時間に係る上限規制については、特別条項に係る上限を原則的上限に近付けていくことが必要。
- 労使協定は法的には免罰効・強行性解除効を持つものであり、時間外労働をさせるには契約上の根拠を要するということになっているが、実際には就業規則で時間外労働をさせられるという規定があればそれが契約内容となる。労働者個人の希望・意図が反映される余地がほとんどなく、時間外労働をする働き方が正社員としてのデフォルトになっている。働き方のニーズが多様化する中で、労働者個人の希望を反映するため、36協定の適用に不同意の者は、原則である第32条の上限の適用に戻るような仕組みは考えられないか。
- もう少しマイルドな手法として「多様な正社員」の議論のように、契約で対応する形は今はあり得ると思う。
- 法定労働時間週44時間の特例措置
- 法定労働時間週44時間の特例措置については、基本的に週40時間にしていくべきであると考えるが、支障のある業種についてどう考えるか。
- 企業による労働時間の情報開示
- 情報開示については、積極的に義務化していくべき。現在、いくつかの法律で求めている情報開示の仕組みがあるが、見やすさ・わかりやすさの観点からは、統一した基準を作って一つの表にまとまったものがあると良いと思う。
- 人手不足の時代でいかにして人を雇うか、また離職抑制が重要な課題となっているからこそ機能するものとして、労働時間についての情報を公開することを義務化することで、どういう働き方・働かせ方をしているかという点での企業間の競争を通じて、労働条件の改善に繋がると考えられる。
- どの法律で実施するかという点について、所轄部局が異なるため、調整が必要。
- 開示項目のうち、平均残業時間や年次有給休暇の取得状況については、ワークライフバランスに関心が高い求職者が多いという点に鑑みても、必須の開示項目にして良い事項ではないか。ただ、小規模の企業の場合ウェブサイトをもっていない場合もあるので、その場合は、求職者への開示等の別の方法もあり得る。
- 企業外部への情報開示については、もし求めるのであれば、一体的な制度にするなど、制度の簡素化や整理が必要。
- 企業内部への情報開示について、特に衛生委員会等への労使の会議体への時間外労働の状況の情報開示は議論をする上で非常に重要。労使の会議体だけでなく、36協定を締結する過半数代表者についても、開示相手として含まれてくるべき。
- 管理職への開示については、労働基準法の構造上の問題もある。管理職は使用者として禁止規定の名宛人になっているということからも、労働基準法は事業主と管理職との関係を直接規律する発想に立っていない。事業主が管理職に対してコンプライアンス等を実現するための何らかの行動を行うという、ある種の企業内ガバナンス規律のようなものは、現在の労働基準法には無い。
- 本人への開示については、自主的な行動変容がメリットとしてあげられているが、自主的な行動変容によって労働時間を短縮できるのはある程度働き方に裁量のある労働者だけではないか。一方で、残業時間がどのくらいか、割増賃金が適正に払われているか確認することなどの権利行使をすべきかどうかという判断のための情報開示制度を設けていく、というのもひとつ検討課題。
- 労働基準法において何が労働時間に当たるのかということについて、手がかり又は基準のようなものを明らかにするという方策が、情報開示に限らず前提として必要となる。
- 実労働時間規制が適用されない労働者に対する措置
- 管理監督者は、手続規制がないだけでなく、高度プロフェッショナル制度で敷かれているような年収規制等の実体規制もない。実労働時間規制が合理的でないとされている制度にも要件等にかなり差が出てしまっているので、制度が複雑化している中で、これを全体として均す必要があると認識。
- 例えば、管理監督者に対して特別の長期休暇を取れるようにするとか、そのような処遇が可能になるくらいの時間的裁量を持っている人を管理監督者として認める要件にする等の方向性もある。管理監督者自身の健康確保やワーク・ライフ・バランスへの懸念だけではなく、現在では若い人が管理職になりたがらないという社会問題もある。管理監督者の規制・中身の見直しは必要。
- テレワーク等の柔軟な働き方
- テレワークに特化した形でのみなし制の創設ということが必要ではないか。労働時間を技術的には把握できるが、労働者がそれを望まないときに、みなし制ということを認めるべき。テレワーク一般というものを対象とするのではなく、在宅勤務でのテレワークに限定して検討するのが適切であり、サテライトオフィスの場合は、労働時間管理が困難でもなく、プライバシー保護の観点も必要ないので、認めるべきではない。
- テレワークによる過重労働の実態が生じているという中で、みなし労働時間制にすると実労働時間規制から外れ、過重労働のリスクが大きい。このため、テレワークについても実労働時間規制を基本としながら、部分フレックス制度を導入し、必ずしもテレワークに限ることなく、出社した場合にも適用できるような制度設計を考えていくのが適切ではないか。この制度はテレワークに関係なく成り立つものであり、仮にみなし制を導入する場合にも両立可能な選択肢になるのではないか。
- これまで裁量労働制の対象業務を厳密に定めてきた、それはみなし労働時間制の副作用を小さくしようとしてきたということでもあり、広くテレワークでみなし労働時間制を認めるとなれば、その趣旨を潜脱することになりかねないという懸念はある。テレワークについては、実労働時間規制として、フレックスタイムの活用という方向も検討すべきではないか。
- テレワークをみなし労働時間制で対応する場合も、健康管理の観点からは、一定の時間把握は必要になるのではないか。
- テレワークをみなし労働時間制で対応する場合、本人の同意のほかに、その撤回も認めるという高度プロフェッショナル制度同様のもので、過大な業務が割り当てられることが多ければ撤回できるようにするといった選択肢もあり得る。
- テレワークのみなし労働時間制の本人同意の撤回について、実際に撤回したときに、厳格な実労働時間の把握がなされプライバシーが侵害されるとか、在宅勤務を望んでいたのに、在宅勤務を認められず出社を求められるようになるとか、実質的には撤回を選択できないということになりかねないということで、実効性がある仕組みをどう考えるか。
- 休日制度
- 4週4休は健康確保の点から見直しをすべき。労災の心理的負荷の判断要素も根拠の一つとなり得る。
- 労災認定基準を労働基準法の規制に据えるという点で、本当に労働基準法に合致した制度設計になるのかは要検討。
- 連続勤務を何日まで認めるかということには議論があると思うが、労災関係では2週間以上の連続勤務が基準となっているし、単月100時間、複数月平均80時間という上限規制も、いわゆる過労死基準との関係で設定したということとパラレルで考えて、連続勤務規制を強行的、罰則付きでかけるということは大切になってくる。
- 13日を超える連続勤務というのは、疲労回復がかなり難しくなってくる。予防という観点では、週に1回の休日というのが理想であると思うが、せめて2週間に1回というのが、妥当なところではないか。
- 休日制度(法定休日の特定)
- 法定休日の特定については、労働者の私的生活の尊重、生活リズムの確保が趣旨と考えられることからすれば、あらかじめ休日を特定しなければならないということ自体を作為義務として罰則付きで命じることが考えられる。週休2日で法定休日ではない方の休日の取扱いについては難しい問題ではあるが、少なくとも週に1日は法定休日として特定するということを罰則付きで命じるということが大切。
- 法定休日の特定について、特定の頻度や、どのくらい事前に特定する必要があるのか、明確にする必要がある。
- 週休1日制で法定休日を特定しない場合の対応について、予め特定しなかったことをもって第35条違反となるように思う。年次有給休暇の使用者による時季指定に関する罰則同様、特別な罰則規定になるのではないか。
- 法定休日の特定について、4週4休制の規定を削除する場合、休日の振替えは同一週内に行わなければならないことになる。週休2日制の場合に、例えば日曜日から起算して日・土が休日、日曜日が法定休日の場合で、法定休日である日曜日に働かせる場合、土曜日が休日にも関わらず、その週に原則として振替休日を設けなければいけないということになってしまう。そこまでの縛りが必要なければ、例えば、休日に働かせた場合には、同一週内に法定外休日があればその日をもって法定休日とするというようなただし書きを推定規定のように入れるということは考えられる。
- 法定休日を特定した場合の振替えの議論は、法定休日の変更という問題でもあり、それについてどのような要件で認めるか等も法規律の在り方としては検討が必要。
- 勤務間インターバル制度
- 勤務間インターバルは是非設定いただきたいが、代替措置をどのように設けるかは非常に重要。原則としての設定をして、様々な事情で難しい場合については代替措置を設けることを検討できると良い。段階的な導入を目指す形で、一定の時期にインターバル規制を導入することを前提に、労使での話し合いを促すような政策的対応もあり得る。
- デフォルトとしてのインターバル規制を課すことについては、法令レベルで定めても良いのではないか。現場の実態に合わせて労使でより柔軟に設定する旨の同意・協定がある場合には、一定範囲で柔軟な勤務間インターバル等を設定することができる、とすることも考えられる。
- 勤務間インターバル制度の導入企業割合6.0%は低いと感じるが、多くの企業がそもそも時間外労働がないことを導入予定がない理由として回答していることからすると、ポテンシャルとしては義務化の余地がある。
- 勤務間インターバル制度の導入企業割合が6.0%であることからすると刑罰規制として労働基準法に入れるのは難しい。段階的導入であればあり得る。現行の努力義務規定が抽象的なので、それを具体化することも考えられる。
- インターバルの時間数は、11時間を原則とすべき。時間数については逸脱を認めすぎない方が良い。インターバルを確保できなかった場合の代替措置などは広めに認めるという方向。
- 理想として11時間という考え方がある一方、現実論は別途考える必要がある。どのような設定にすれば受け入れやすい形となるか、検討する余地がある。
- つながらない権利
- つながらない権利について、労働のON/OFFをはっきりさせた上で、OFFについては基本的に使用者が介入しないものであるのが本来なので、つながらない権利を労働者の権利として構成することには違和感がある。
- つながらない権利について、フランス等で先進的な事例があるものの、会社が違えばつながらない権利の具体的な形もそれぞれ違うというくらいに、非常に多様。このため、労使できちんと協議することを義務付けている。基本的には労使で、労働実態を踏まえてきちんと協議をし、ルールを定めて具体的に実現するようにすることとするしかないのではないか。
- 年次有給休暇制度
- 労働者に対して年次有給休暇の残日数を可視化することも有効だと思う。失効時期と残日数が分かれば、一部取得率が上がることも想定されるのではないか。
- 時間単位年休について、現状の上限日数拡大は労働者に対して、様々な事情を背景に年次有給休暇を利用しやすくなるという観点から有効という側面もあるが、年次有給休暇は1日単位での取得が原則であるという本来の趣旨を踏まえると、上限日数の拡大に踏み切るのは難しい。
- 欧州のように計画的に連休を取らせる趣旨で年次有給休暇の計画的付与が導入されたが、普及しないということで、時季指定5日の付与義務を働き方改革で設定した。ただ、労働者が自ら指定した休日についても時季指定義務分として算定とするという形になっている。
- 自ら指定した年次有給休暇を時季指定義務にカウントしないという形での検討が必要なのではないか。少なくとも年5日については、最初から計画的に取らせる必要があるのではないか。基本的には連続休暇の取得が本来の趣旨であるため、この原則に立ち返る良い機会ではないか。また、制度の趣旨に鑑み、現状課されている出勤率要件をなくすべきではないか。
- 連続休暇、バカンスのニーズがどの程度あるのか、実感としてはよくわからない。自分の用事であるとか、好きなタイミングで好きなところに出かけるというニーズが多いような気もする。
- 1年間にどのくらい休んでいるかという実態を見たときに、例えば日本は諸外国と比べて祝祭日が多いとか、実際に休んでいる日数で比較することが有益ではないか。
- 祝祭日が休日になるということは法的に保障されているわけではない。実際に、週休2日を実現できていないところであるとか、祝祭日も働いている業種も多い。
- 年度途中の育休復帰者や退職労働者について、時季指定義務5日の付与義務をどうするかについては、対応が必要だと思う。
- 年次有給休暇取得時の賃金支払いの在り方について、(1)平均賃金、(2)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、(3)当該事業場の労働者の過半数代表との労使協定により、健康保険法上の標準報酬月額の30分の1に相当する額とあるところ、本来、(1)や(3)はシフト制等不規則勤務を想定して導入されているもの。賃金を減らすことを目的に(1)や(3)で支払をする実態もある。原則(2)である等の制度設計が必要だと思う。
- 休憩
- 休憩について、労働者の心身の疲労回復という目的は今も変わらないと思うが、一斉付与の原則などの工場法の規制の延長となっているようなものについては、見直す可能性ということを検討しても良いのではないか。
- 労働時間が8時間超の場合の追加休憩や6時間を下回る場合に休憩を付与すると、かえって拘束時間が長くなるという見解はそのとおりと思う。
- 労働時間が6時間を下回る労働者への休憩付与について、昼休みがなくて昼食が取れないという問題も発生するとは思うが、これは労働基準法による規制を行うレベルの話でなく、各企業が労働契約のレベルで考えていくべき問題。
- 休憩の目的を達成するためには、休憩をどのように付与するのか、どのような長さの休憩時間を与えるのかということも重要であるが、休憩できる環境がその事業場に備わっているかということも重要。
- 実質的に休憩が取れている実態が無ければ、休憩時間に係る義務について議論したとしても、拘束時間が長くなる割に賃金が支払われず、実質的にも労働をさせているような時間が増えるだけというような可能性がある。寧ろ形式的に休憩を入れることの弊害が生じる。
- 生理現象であるトイレにも行かせず、トイレに行った場合には、労働時間外だとして給料をカットするなどの、非人間的な働き方が強制されている実態がある。生理現象からくる短時間の労働からのポーズについても、労働基準法そのものの問題ではないかもしれないが、休憩時間との関係において現場の問題を観察し、どう考えるかについて整理することが必要。
- 常識的な範囲における使用者の休憩配慮義務のようなものは、労働契約法上、想定しても良いかもしれない。
- 割増賃金
- 割増賃金率に関して、25%は国際的水準からすると非常に低い。均衡割増賃金率を考慮した上で割増賃金率を考えることや、割増賃金率が50%以上となる時間外労働が60時間超というラインにあることについて、36協定の原則的限度時間としての45時間とずれていることをどう考えるか。
- 裁量的な働き方をしている者の深夜割増賃金について、労働者の自己の選択において深夜労働をしている場合にも、使用者は割増賃金を支払うべきなのか。このような場合には、割増賃金の支払を不要にしても良いのではないか。
- 歩合給制との関係において、割増賃金についても、労使コミュニケーションの基盤がきちんとあることを前提に、一定の労使自治によるデロゲーションを認める余地があるのではないか。
- 日本で時間外労働が当然になっている背景は、雇用保障とセットで考えられてきたことにある。均衡割増賃金率の観点もあることは承知しているが、裏返せば、雇用維持を優先し時間外労働の増減で対処してきた雇用慣行の在り方とどの程度セットで考えられるか。
- 現場での賃金の決め方というのは、原資枠を配分する形なので、割増賃金率を上げたとしても、原資が増える訳ではない。また、割増賃金率を上げたとしても、インフレ下では賃金自体が上がらなければ、従来の長時間労働をしないと生活水準が維持できないという状況も想定される。
- 割増賃金の計算の基礎となる「通常の労働時間又は労働日の賃金」の考え方がはっきりしていない部分がある。立法による対処ではないかもしれないが解釈の整理は必要。
- 割増賃金(副業・兼業の場合の通算管理)
- 諸外国では労働時間の長さは通算するが、割増賃金までは通算しないということなので、この点から見直すべき。健康確保の観点からは通算に係る規制をかける必要はある。実労働時間の通算ということになれば、結局はある1人の使用者が、全体として時間外労働をさせたことについての責任という構造になると思うが、健康確保の観点でそれがいいかどうか検討は必要。
- ヨーロッパに実態調査に行き、状況を確認すると、副業・兼業で割増賃金の観点で労働時間を通算している国はなかった。EUのうち、半分ほどの国が実労働時間の通算を行っており、残りの半分は行わない、そういった実態であった。
- 副業・兼業の場合の割増賃金の計算の通算について、日本では割増賃金の経済的負担による長時間労働の抑制という趣旨が全面に出されてきたことにより、わかりにくさを生んでいる。事業主が異なる場合というのは、それぞれの労働時間が5時間、4時間の場合など、どちらも長時間ではないという状況だと、経済的負担による長時間労働の抑制という趣旨は薄くなる。労働基準法第38条の解釈としても、通算しない方が合致するという整理もできるのではと思う。
- 健康確保の観点から労働時間把握が必要となった場合、誰が把握するのかは、割増賃金とは別に検討すべき観点。情報提供を労働者がするのか、政府がやるのか、各企業がやることなのか等検討する必要がある。
- 一般に、労働時間の算定については自己申告制は望ましくないということも考慮しつつ、把握のスキームはいろいろあり得る。
- 労働安全衛生法上の労働時間の状況の適正把握義務や、労働契約法上における安全配慮義務との関係でどのように把握するか問題になる。割増賃金との関係で通算を外すという形になった場合、健康確保のための具体的施策を出していくための検討が必要になってくる。
- 副業・兼業時の割増賃金について、通算管理は不要と考えるが、同じ使用者の下で異なる事業場で働いている場合や、出向関係にある企業で、出向先で働き、かつ、出向元でも働かなければならないようなケースでは、なお割増賃金の支払も通算が必要ではないか。
- 兼業副業の場合の健康管理のための実労働時間の通算は重要で、各企業が働きかけるべきだということはそのとおりであるが、労働時間の情報を集める仕組みもなく、労働者本人の自発的な範囲で減らしてくださいと言ったことをもって安全配慮義務を満たせるのかということについては疑問であり、整理が必要。
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厚生労働省 外国人雇用対策の在り方に関する検討会(第11回)会議資料
▼ 【資料8】日本の移住労働者–OECD労働移民政策レビュー
- 日本は移民政策をとっていないのか?
- 日本はOECD加盟国の中で移民人口が最も少ない国のひとつである。
- 日本は、主に生産性の向上と国内人口による労働供給の引き上げを目的とした様々な政策を通じて、労働市場の構造的課題の解決に取り組んでいる。
- 労働移住は、労働市場の変化に対応するために検討された政策オプションのひとつである。日本は労働移住プログラムを、人口構造の変化から最も影響を受ける分野を含む、特定の分野に焦点を当てて進めてきた。
- 日本は需要主導型の労働移住システムである。日本への技能労働移住にはほとんど制限がない。
- 日本の移民政策は、技能移民の受け入れと留学生の誘致に重点を置いてきた。
- 日本は高度人材にとって魅力がないのか?
- 高技能移民の大半は、単一プログラムである「技術・人文知識・国際業務」(技人国)で日本に移住している。
- 人材の獲得は、日本型雇用システムによっても妨げられている。雇用慣行を変えることを目的とした最近の政策は、高い技能を持つ移民にとっての日本の魅力を向上させるかもしれない。
- 日本に来ることを選択した高技能移民は、日本に留まる傾向がある。日本は国際的にみても留学生の定着率が高い。留学生の30%から40%が、来日後5年経っても日本に留まっている。
- 日本は、潜在的な高技能移民を惹きつけるための雇用マッチング・プラットフォームを開発することができる。
- 移民にとって日本社会への統合は依然として課題である。他のOECD加盟国に比べて、永住資格取得のための居住条件は厳しい。配偶者の労働市場へのアクセスを促進すべき。
- 「OECD移民政策レビュー」(157)
- 技人国の賃金率(時間当たり賃金)は平均的な日本人男性労働者よりも35%低い。この差の大部分は、日本の労働市場での経験年数と勤続年数(同じ雇用主のもとで勤務した年数)が少ないことによる。これらの違いを考慮すると、賃金格差は10%と推定され、日本人男性と比較した場合、技人国の男性も女性も賃金格差は同程度である。
- 調査結果によれば、新卒採用者のうち、移民の「新卒者」の初任給は日本人と同程度である。
- 「令和6年度経済財政白書」(211-2)
- 各種属性の差異をコントロールしなかった場合、日本人労働者と外国人労働者との間の賃金差は28.3%であるが、差異をコントロールした場合、その差は7.1%となる。この結果から、日本人労働者と外国人労働者との間にある賃金差のうち、約4分の3は、労働者個人の属性や勤め先の事業所の属性によって説明される一方で、それらでは説明されない部分が約4分の1残ることも明らかになった。※(高技能に限定すると-4.2%)
- 「OECD移民政策レビュー」(157)
- 技能実習制度は単なる低スキル労働者の受入れの代替なのか?
- 技能実習制度は現在、技能レベルの低い外国人労働者を雇用するための主なプログラムである。
- 送出国における過剰な手数料とブローカーの関与は依然として問題である。技能実習生は「送出機関」又は雇用主に縛られ、到着後の雇用主の変更の可能性は限定的である。
- NGOが指摘する技能実習制度に対する主な批判のひとつは、技能実習生が同じ会社に留まることを義務付けられているため、搾取の対象になりやすいというものである。OECD加盟国の多くの期限付き労働移住プログラムは雇用者の流動性を制限しているが、こうした制限は通常、ホスト国に残留する労働者については徐々に緩和されることが多い。
- 特定技能制度は技能実習制度と同様、他のOECD加盟国の労働移住プログラムよりも厳重に管理されている。ほとんどの技能実習生が雇用主のもとに留まり、コンプライアンスのレベルも高い。アメリカ国務省の報告書では、強制労働を目的とした人身取引のリスクが引き続き技能実習制度の議論の焦点となっているが、これらの重要な点はほぼ解決されている。
- 技能実習制度には現在、通常の労働移住プログラムには含まれない多くの追加的支援メカニズムが含まれている。日本の労働市場の特殊性を考慮すれば、監理団体が提供する労働移住の初期段階におけるオリエンテーション、雇用者と労働者への支援、日常生活の責任という全体的枠組みは維持されるべきである。
- 技能実習制度は、出身国に対してより良い貢献ができる。そのためには、出身国における訓練の機会の提供を促進するために、試験の基準や要件を見直す必要がある。日本の労働慣行に焦点を当てた明確で現代的な試験であればより適切であり、それは参加者が日本又は自国で将来のキャリアに役立つ技能を身に付けることを促進するだろう。
- 特定技能制度は、職業資格を持つ移民に長期的な移住経路を作るために導入された。特定技能制度は将来の労働需要を効果的に満たす可能性を秘めているが、移民が必要な技能を習得できるようにするためには、別のプログラムに頼るべきである。つまり、技能試験よりも技能実習制度が特定技能制度への主な経路となっている。
- 技能実習制度の訓練と試験、及び特定技能制度の試験の存在は、これらのプログラムを包括的なスキルズ・モビリティ・パートナーシップ(Skills Mobility Partnership)アプローチとして有望なものにしている。
- アメリカ国務省の人身取引報告書と技能実習制度(249)
- アメリカ国務省は、人身取引(TIP)に関する年次報告書を発行している。この報告書では、人身取引撲滅に向けた政府の取り組みと、その活動の進捗状況に応じて、アメリカ自身を含む各国をランク付けしている。TIPランキングを注視している国もあり、この分野の政策立案に影響を与えることもある。強制労働と現代奴隷制はTIP報告書の対象である。日本は2020年から2023年までTier2であり、2018~19年のTier1から低下した。残念ながら、この評価は古く、主観的なものである。
- TIP報告書は、アメリカ在外公館からの情報だけでなく、公開された文書や聴取、ないしは寄せられた意見も活用した、混合的な方法論に基づいている。2022年の報告書では、その範囲や規模を定量化することなく、多くの出身国において送出機関が技能実習生を強制労働によって搾取している事例を挙げている。TIP報告書は、技能実習制度の下での労働者人身取引は日本政府が主張するよりも頻繁であると主張し、同様に、日本政府が送出国と結んでいる二国間協定について、仲介業者が過大な手数料を請求するのを防ぐことをできていないと評価している。TIP報告書は、日本における人身取引の証拠は限られていると強調している(例えば、2021年、日本の出入国在留管理庁は、契約終了前に日本を出国する1万2,865人の技能実習生に聞き取り調査を行ったが、その中に人身取引の被害者は1人もいなかった)。しかし、人身取引の証拠がないのは、審査手順と担当者の訓練が不十分だからだとしている。この評価は、数十万人の参加者を擁するプログラムのアウトカムに対する詳細な評価というよりは、エピソードベースの報告や極端な虐待のケースに基づいたものである。
- OECD加盟国における期限付き労働移住プログラムも、違法な募集費用や借金のために、濫用のリスクや強制労働への脆弱性と無縁ではない。しかし、こうしたケースのほとんどに対して、TIP報告書はプログラムの改革について抜本的な勧告を行っていない。
- 報告書から何を読み取るか?
- 日本は生産年齢人口の減少に対する政策オプションとして労働移民政策をとる国であり、多くの課題を他のOECD加盟国と共有する。
- 日本型雇用や日本語といったハードルによって高度人材の受入れは阻まれている部分もあるものの、留学を経由したり、いったん入国した高度人材外国人の定着率は高い。より多くの高度人材を獲得するためには、雇用の流動性を高め、生産性と賃金の連動性を高める現在の改革や、高度人材獲得のための「雇用マッチング・プラットフォーム」の開発も有用。
- 技能実習は特定技能制度と併せて、低ー中技能労働者の供給ルートとなりえる。その際、技能実習制度はスキル形成を通じて特定技能制度への人材供給源としての役割を果たす(スキルズ・モビリティ・パートナーシップ)。
- 技能実習制度、及び特定技能制度における現行のシステム(移住仲介機能の介在、技能検定との整合性)は今後の改革においても維持されるべき。
- 現在の改革の方向性はこうした指摘とおおむね一致する。
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厚生労働省 第5回 日・ILO年次戦略協議の開催(結果)
- 第112回ILO総会期間中の6月10日、12日~14日、日本政府と国際労働機関(ILO)は第5回日・ILO年次戦略協議を開催しました。
- 6月10日、ILO本部(スイス・ジュネーブ)において、本協議のハイレベルセッションとして、宮﨑政久厚生労働副大臣とジルベール・F・ウングボILO事務局長の会談を行いました。本セッションにおいては、宮﨑厚生労働副大臣とウングボILO事務局長のほか、ILOから中込ひとみ上級顧問アジア太平洋担当、日本政府から尾池厚之在寿府国際機関日本政府代表部特命全権大使、富田望厚生労働省総括審議官(国際担当)、髙島洋平寿府代表部参事官、佐藤仁美外務省国際協力局専門機関室長ほかが出席しました。
- 本セッションにおいて、日本とILOは、事務局長が就任当時から取り組んでいる「社会正義のためのグローバル連合」構想について、社会正義を実現する重要性について認識の共有等を行うとともに、労働分野における開発協力や国際労働基準の遵守・批准に関して意見交換を行いました。
- また、日本によるILOへの人的、財政的及び政策的貢献について確認するととも両者は、ILOにおける日本人職員の増強に向けて、引き続き双方の取組を進めていくことで一致しました。
- さらに、6月12日~14日に、対面形式(スイス・ジュネーブ)及びハイブリッド形式を併用し、政策担当者において人事、開発協力及び国際労働基準に関する各セッションを行い、ハイレベルセッションで確認された方向性等について、意見交換を行いました。
- [参考1]国際労働機関(ILO)
- ILOは、労働条件の改善を通じて、社会正義を基礎とする世界の恒久平和の確立に寄与すること、完全雇用、社会対話、社会保障等の推進を目的とする国際機関(本部はスイス・ジュネーブ)であり、唯一の政、労、使の三者で構成される機関。日本はILO加盟国として、政労使ともに総会や理事会等の各種会合に積極的に参加している(参照:厚生労働省ウェブページ、ILO駐日事務所ウェブページ)。
- [参考2]日ILO年次戦略協議の開催の背景
- 2017年5月、ガイ・ライダーILO事務局長と塩崎厚生労働大臣(当時)との間で結ばれた協力覚書に基づき開催しているもの。第1回年次戦略協議は2018年6月にジュネーブのILO本部、第2回年次戦略協議は2019年1月に東京において開催し、第3回年次戦略協議は2020年12月にオンライン形式で開催し、第4回年次戦略協議は2023年4月に東京・倉敷において開催した。
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厚生労働省 第16回健康・医療・介護情報利活用検討会資料
▼ 資料2 医療等情報の二次利用に関するワーキンググループの検討状況について
- 医療・介護DXの更なる推進
- 活力ある健康活躍社会を築く上で、デジタル化とデータサイエンスを前提とする医療・介護DXの推進は、国民一人ひとりの健康・生命を守り、今後の医療等の進歩のための基盤となるもの。より質の高い医療やケアを効率的に提供する体制を構築するとともに、医療分野のイノベーションを促進し、その成果を国民に還元していく環境整備を進めていく。
- 本年12月にマイナ保険証を基本とする仕組みへの移行を控える中で、医療DXの基盤であるマイナ保険証の利用促進を図りつつ、「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、各取組をより実効的かつ一体的に進める。また、速やかに関係法令の整備を行う。
- 全国医療情報プラットフォームの構築等
- 電子カルテ情報共有サービスの構築・普及(大病院における電子カルテ情報の標準化の加速化、診療所への標準型電子カルテの導入促進、必要な支援策の検討)、電子処方箋の普及促進
- 次の感染症危機に備え、電子カルテ情報と発生届との連携や臨床研究における電子カルテ情報との連携促進、JIHS(国立健康危機管理研究機構)への情報集約
- 診療報酬改定DX、介護情報基盤の構築、PMH(公費負担医療等の情報連携基盤)の推進
- 医療等情報の二次利用の推進
- 医療・介護等の公的DBの利用促進(仮名化情報の利用・提供、電子カルテ情報共有サービスで収集するカルテ情報の二次利用等)
- 公的DB等を一元的かつ安全に利活用できるクラウド環境の情報連携基盤の構築、利用手続のワンストップ化
- 検査や薬剤等に関するコードの標準化・質の高い医療データを整備、維持・管理するための取組推進
- 医療DXの実施主体
- 社会保険診療報酬支払基金を、医療DXに関するシステムの開発・運用主体の母体(「医療DX推進機構(仮称)」)として、抜本的に改組
- 国が医療DXの総合的な方針を示し、支払基金が中期的な計画を策定。保険者に加え、国・地方が参画し、運営する組織。情報技術の進歩に応じた迅速・柔軟な意思決定、DXに精通した専門家が意思決定に参画する体制に改組
- マイナ保険証の利用促進、生成AI等の医療分野への活用
- 国が先頭に立って、あらゆる手段を通じてマイナ保険証の利用を促進
- 生成AI等の医療分野への活用
- 全国医療情報プラットフォームの構築等
- 医療等情報の二次利用の推進向けた対応方針について(案)
- 医学・医療分野のイノベーションを進め、国民・患者にその成果を還元するためには、医療等情報の二次利用を進めていく必要がある。
- 他方で、我が国の医療等情報の二次利用については、以下のような現状・課題があり、医薬品等の安全性検証や研究開発、疫学研究等において、医療等情報が利用しづらいことが指摘されている。医療現場や患者・国民の理解を得ながら医療等分野の研究開発を促進していくため、次の対応を進めていく。
- 我が国では、カルテ情報(臨床情報)に関する二次利用可能な悉皆性のあるDBがなく、診療所を含む医療機関における患者のアウトカム情報について、転院等の場合も含めた長期間の分析ができない。
- データ利活用が進んでいる諸外国では、匿名化情報だけでなく臨床情報や請求情報等の仮名化情報の利活用が可能になっており、さらにそれら仮名化情報のデータを連結解析することが可能。
- 我が国では、厚生労働大臣が保有する医療・介護関係のデータベース(以下「公的DB」)で匿名化した情報の利活用を進めてきたところ、より研究利用で有用性が高い仮名化情報の利活用を進めるべきとの指摘。また、民間部門においては、R5年の次世代医療基盤法改正で、仮名加工医療情報の利活用を一定の枠組みで可能とする仕組みが整備された。
- 公的DBについては、データを操作する物理的環境に関して厳しい要件が求められているなど、研究者等の負担が大きい。
- また、我が国では、公的DBのほか、次世代医療基盤法の認定DB、学会の各種レジストリなど、様々なDBが分散して存在しており、研究者や企業はそれぞれに利用の交渉・申請を行わなければならない。
- 現在構築中である「電子カルテ情報共有サービス」で共有される電子カルテ情報について、二次利用を可能とする。その際、匿名化・仮名化情報の利活用を可能とする。具体的な制度設計については、医療関係団体等の関係者や利活用者等の意見を踏まえながら検討する。
- 公的DBについても、仮名化情報の利活用を可能とし、臨床情報等のデータとの連結解析を可能とする。
- 公的DB等に研究者・企業等がリモートアクセスし、一元的かつ安全に利用・解析を行うことができるVisiting環境(クラウド)の情報連携基盤を構築する。
- 公的DB等の利用申請の受付、利用目的等の審査を一元的に行う体制を整備する。
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厚生労働省 G7労働雇用大臣会合がイタリアで開催され、武見厚生労働大臣が出席しました。
- 9月12日(木)から13日(金)にかけて、イタリア(カリアリ)で開催されたG7労働雇用大臣会合に、武見厚生労働大臣が出席しました。
- 今回の会合においては、下記について活発な議論が行われ、労働雇用大臣宣言が採択されました。
- 仕事の世界におけるAIの人間中心の開発と利用
- 高齢社会における強靭な労働市場
- 柔軟で包括的なスキルと生涯学習施策システム
- 包摂的な労働市場と安全で健康的な労働環境の推進
- 武見大臣からは、高齢者の就業支援、介護サービスの充実、AI技術の活用等に関する我が国の取組を紹介しつつ、昨年の日本議長国下の議論を踏まえ、人口動態の変化や、デジタル・トランスフォーメーション、グリーン・トランスフォーメーションに対応するため、「人への投資」が益々重要になることを強調しました。
- また、この機を捉え、武見大臣は現地にて、イタリア共和国及び英国の担当大臣、国際労働機関(ILO:International Labour Organization)の事務局長と会談を行い、協力関係を深めました
- 関係閣僚会合を含むG7サミット全般に関する詳細は、以下のG7イタリアの公式ホームページをご覧ください。https://www.g7italy.it/en/
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総務省 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 電気通信番号政策委員会(第37回)配布資料・議事録
▼ 資料37-6 電気通信番号の犯罪利用対策に関するワーキンググループ 報告書 概要
- 構成員意見の概要
- 現行制度の課題
- 番号使用計画の認定基準については犯罪利用に関するものが入っていない。また、認定後に行う使用状況の報告においても、番号の犯罪利用に関する内容の報告を求めておらず、犯罪利用に関わったことによる法律上の担保がないと感じる。
- 逮捕・起訴され判決に至った認定事業者が、現在も認定を受けているのは問題なのではないか。
- 特殊詐欺に関与し、逮捕・起訴・有罪となった事業者でも、現在の番号制度では特殊詐欺などの犯罪に関与したことをもって認定の欠格事由とすることはできず、総務省が公開する認定事業者リストに引き続き掲載されていることは問題。
- 現行の認定基準は、公平、効率的な電気通信番号の使用等の観点からのみ規定されているが、この点を見直して、番号の不適正利用のおそれが疑われる事業者の認定を行わないための制度上の仕組みが求められるのではないか。
- 電話番号が特殊詐欺などに悪用されているという実態を考えると、何らかの制度的な対応が必要。
- 犯罪に結びつくおそれのある番号の制度であっては、我々が安心して電話番号を使うことができない。
- 対策方法(総論)
- 刑事的な世界での対処も考慮しつつ、軸となる電気通信事業法の中で、行政法的な手だてを考えていく議論が必要。
- 犯罪利用対策としては、電気通信事業法を見直して、必要な制度をインストールしていくという方向が適当。
- 電気通信事業法の第1条(目的)では「電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者等の利益を保護し」との記載があるが、この「利益」の中には、安心して安全に電話番号制度を利用するというところも含まれるもと考える。
- 世間的には、総務大臣が行う認定には犯罪に利用されていない適正な利用も含めて認定しているという期待があるのではないか。このため、電気通信事業法の中で、その担保が必要となるのではないか。
- 番号の使用状況報告を行っていない事業者の全てが悪質な事業者とはいえないことも考慮に入れる必要があるのではないか。
- 番号制度の見直しを行った上で、JUSAが構築しようとしている事業者評価制度等と協力していくやり方もあるのではないか。
- 対策方法(各論)
- 欠格事由・認定基準に関する意見
- 犯罪利用に関する認定基準や欠格事由を設けるというのが一つの方法として考えられるのではないか。
- 欠格事由に該当していることを認定申請時や認定後に申告してくるとは考えにくい。このため、疑義がある場合にはしっかり調査する仕組みが重要。また、欠格事由への該当についての虚偽申請や申告していなかった場合に何らかの強力なペナルティーや制裁が必要なのではないか。
- 番号の提供を行うに際し事業者に求める対応に関する意見
- 特殊詐欺に関与した事業者が起訴され、判決が出るまでには相当な時間が必要となる。このため、不適正利用の防止の観点からどのような対策を講じることが有効か考える必要があるのではないか。
- 認定の取消しだけで抑止力、制裁となり得るのか検討が必要ではないか。例えば、短命覚悟で犯罪利用する事業者に対しては、番号の提供元事業者が提供を行う際に対策を講じることが有効なのではないか。
- 番号の犯罪利用対策については、例えば、卸先事業者の確認、提供数の制限、使用計画の認定の確認、本人確認、二次卸の制限等が考えられるのではないか。
- 事業者及びその卸元事業者に対し、提供した番号を犯罪に利用させたことの責任を負わせるということもありうるのではないか。
- 電気通信番号の卸提供を行う事業者に対し、卸提供契約時に相手方の本人確認を行わせることに加え、当該番号が不適正に利用されないための対策等を講じさせるよう制度上の措置が必要ではないか。
- 例えば二次卸などを原則禁止として、二次卸に至る場合には、厳しい確認の要件を課すというようなやり方もあるのではないか。
- 卸先事業者が電話をユーザーに提供する際の本人確認等をもっと明確にしていくということ対策として有効ではないか。
- 各社が行っている犯罪利用対策の中で有効なものを全事業者が実施することで、悪用の可能性を減らしていけるのではないか。
- 制度整備にあたっては、事業者が対応可能で一定の効果が上げられる制度とする必要がある。
- 番号の卸契約時における提供先事業者の適正性の判断に関する意見
- 提供先事業者が怪しいかどうかあらかじめ判断することは困難(判断基準がない)。
- 犯罪利用対策の義務づけに関する意見
- 具体的にどのような対策が義務づけられるかが明確でないと事業者としてコメントできない。
- 過度なものとならないよう実行可能性の観点からも検討して欲しい。
- 日本市場の活性化、国際競争力の確保をおこないつつ、犯罪対策にもつながるような対応が理想ではないか。
- 電話転送役務の提供にあたっては番号制度と犯罪収益移転防止法に基づく本人確認が必要であるが、これは中小の電気通信事業者でも実施をしているものである。このため、同様の内容を課すのであればKYCプロセスの義務化に問題はないのではないか。
- KYCプロセスの義務化の検討を行うにあたっては、事業者の対応も必要だが、利用者等に理解いただく必要がある。個人情報の提出を求めるのは、仮に制度で定められていても利用者から理解を得るのが難しい。
- KYCについては、法律上義務化された方が利用者に対して説得力がある。
- 欠格事由・認定基準に関する意見
- 現行制度の課題
- 事業者の取組に対する意見の概要(電気通信番号使用計画の認定の確認について)
- 事業者意見
- 全体の方向性に関する意見
- これまでも現行制度に基づき認定状況の確認を実施しており、追加負担は大きくない。
- 電気通信番号使用計画の認定及び電気通信事業者であることの確認は有効であり、現状を鑑みるに行うべきだと考えられる。
- 各卸元事業者が主体的に取り組むべきものと認識しており、法令による取組の義務づけについては慎重に検討すべきではないか。
- 番号種別に関する意見
- 固定電話番号及び特定IP電話番号は賛成。音声伝送携帯電話番号は、携帯電話不正利用防止法で足りるのではないか。
- 音声伝送携帯電話番号は現状義務づけがないため、義務づけは事業者の過度な負担となる。
- 音声伝送携帯電話番号を確認対象とすることは負担ではあるが、犯罪利用対策という趣旨に鑑みれば対応可能。
- 確認方法に関する意見
- 確認方法は、認定証の確認と合わせて、総務省が公表している認定者リストと照合することが有効ではないか。
- 対象事業者に関する意見
- 確認対象はこれから卸提供を行う場合のみとして欲しい。
- 既存の卸契約も確認が必要。
- 外国事業者に流れた番号のサプライチェーンは特に確認が必要。
- その他意見
- 確実な実施に向けて、広報・啓発等の推進が必要。
- 認定を受けていることが確認できなかった場合の対応について明確にする必要がある。
- 事業者側の負荷についても考慮が必要
- 対象事業者に関する意見
- 認定の確認は、新規だけではなくて全ての事業者に対して実施が必要。
- 事業者への負担が特殊詐欺対策を超える正当な理由になるとは考えられない。
- 確認方法に関する意見
- 事業者による確認作業を、効率的かつ信頼性の高いものとするため、クリアな基準が設けられることが必要。基本的には認定証の照合を行うことが適切。
- 総務省は認定の取消しを受けた事業者を公表し、事業者はそのようなネガティブ情報を自主的に確認することで、より効果的な確認作業が行えるのではないか。
- 特殊詐欺の犯罪に関与する事業者に番号を提供しないため、事業者の自主的な取組として期待し得る内容をある程度整理したガイドライン等が必要ではないか。
- 事業者の自主的取組として認定事業者リストを参照してもらうのであれば、これに資するよう、総務省は当該リストを更新していく必要がある。
- 認定事業者リストは公表されている以上、悪意を持っている者は、当該リスト上の事業者名を用いて認定証の偽造が可能になる。そう考えるとリストの確認は重要とまではいえず、認定証の確認を重視した方が良いのではないか。
- 全体の方向性に関する意見
- 事業者意見
- 事業者の取組に対する意見の概要(電気通信番号提供数の制限について)
- 事業者意見
- 全体の方向性に関する意見
- 事業実績を確認し、実績の少ない事業者には大量の番号を提供しないよう制限することに賛同。
- 短命覚悟の悪意のある参入事業者に大量の番号を提供しない方法を検討するべきという考え方に賛同。
- 悪意を持って参入する事業者への対策として、事業実績の確認および実績の少ない事業者への番号提供制限を設けることに賛成。
- 新規参入事業者のビジネス機会の喪失、ひいては事業者のサービスやイノベーションを阻害することにつながりかねないと懸念。
- 悪意を持たない事業者の円滑なサービス提供に支障が生じる可能性がある。
- 義務づけの在り方に関する意見
- 全ての事業者に対して一律に制限することなく、例外適用となるケースが整理されることを希望。
- 判断基準が各社でバラバラとならない仕組みが必要。新規参入事業者の使用可能な番号数を総務大臣や第三者機関が直接審査するような方法も考えらえるのではないか。
- 国内の事業実績のみでなく、海外の実績も考慮すべき。
- 電気通信事業へのマーケットインを阻害しないこと、悪質事業者による規制逃れを許さないことに留意し検討すべき。
- 一律な制限を設けない、または例外規定を設けるなど、健全な事業者に対する過度な規制とならない配慮も必要。
- 例外規定に関する意見
- 事業開始が客観的に確認できる場合やグループ企業へのサービス提供を目的とすることが確認できる場合は例外とできないか。
- 事業実績による一律制限等ではなく、事業継続性を別の形で確認することを可能にする等、新規参入事業者のビジネスを阻害しない仕組みの検討が必要。
- 電気通信番号の指定事業者は当該制限の適用除外とする等の考慮が必要。
- 一定番号数以上の提供について法人契約に限るとしてはどうか。
- 一定番号数以上の提供について法人契約に限ることについては、一定の効果があると考える。
- 一定番号数以上の提供について法人契約に限ることについては、方法としてあり得るものの、犯罪利用対策につながるかはわからない。
- 法人により回線の使用方法が変わってくる。法人名義だから影響がないとは現時点ではいえない。
- 全体の方向性に関する意見
- 構成員等意見
- 義務づけの在り方に関する意見
- 提供制限数の定めについては、一定数以上の提供を禁止することを定めるか、一定数以上の提供は拒否できると定めた上で、提供する場合は事業者の責任で実施すると定めるべきか、どちらが事業者にとって望ましいか。
- 新規参入事業者の番号数を総務大臣が審査した場合、行政コストが発生する。また、第三者機関で審査するとしても結局事業者が参加することになるためコストが発生するのではないか。
- 例外規定に関する意見
- ウェブサイトでのニュースリリースやサービス紹介は客観的な情報であり、これが確認できた場合は例外とできるのではないか。
- 番号提供数の制限の例外として、真っ当なビジネスを行う事業者かどうかの判断に、例えば異業種であっても半年以上実績があること、国内外問わず上場企業であること、そのような企業が設立したグループ企業であること等が考えられないか。
- 一定件数を超える場合には法人契約を原則とする考えもあり得ると考えられるが、犯罪対策としての有効性は検討が必要。
- 卸先事業者が法人であることをもって一律に例外として認めることには反対。
- 法人であることを持って一律に例外にするのは犯罪の抑止にはならないのではないか。複雑な例外規定にすると運用が難しくなるとは思うが、何らかの絞り込みが必要。
- 法人であれば犯罪関与の蓋然性が低いということについて疑問は残るが、他の対策や今後の議論・意見を踏まえれば、まずは方針のとおりでも良いのではないか。
- 義務づけの在り方に関する意見
- 事業者意見
- 事業者の取組に対する意見の概要(本人確認、当人確認、与信審査及び二次卸の禁止について)
- 事業者意見
- 本人確認
- 電気通信番号使用計画の認定の確認で足りるとする考え方に賛同。
- 新たな本人確認の義務づけは重畳であるため改めての義務化は不要という考え方に賛同。
- 当人確認
- 事業者の負担を考慮して状況を見ることとする考え方に賛同。
- 当人確認の義務づけは「犯罪収益移転防止法」においてもハイリスク取引に限定されており対応の負担も大きい。
- 当人確認を全ての卸契約に対して履行することは難しい。
- 最近の犯罪実態では闇バイトなどで名義貸しなども行われていることなどから、より効果的な手法についても検討されるべき。
- 与信審査
- 番号制度の観点からは義務づける必要はないとの考え方に賛同。
- 卸先事業者の財務状況をもって番号の提供を拒むことは差別的取扱いとなりかねない。
- 番号制度の観点から一律に与信審査を義務化することは不適切。
- 悪質事業者と財務状況に相関があるデータはなく、財務状況による役務提供の拒否は不当な差別的取扱いに該当する恐れがる。
- 与信そのものと犯罪の関係性はそれほど高くないと考えられる。
- 番号の卸提供において統一的で合理的な与信基準を確保することは困難。
- 二次卸の禁止
- 二次卸の禁止の義務づけについては見送るとの考え方に賛同。
- 多段卸の提供形態は既に多く存在し、社会的影響が大きいため見送ることの考え方に賛同。
- まずは利用者への影響の程度を検討する等のステップを踏むべき。
- 既存の卸契約に遡って二次卸を禁止した場合、既に事業を行っている二次卸先事業者及びその利用者に対する影響が大きい。
- MVNOは二次卸となるため実施困難。
- 電気通信の卸ビジネス全体を否定するものと言え、過度な規制。
- 今後の動向を注視しつつ必要に応じて対策を検討する必要がある。
- 卸回数の制限を行う場合には番号の直接割り当てを推進するなど他国の事例も参考にしながら多面的な議論が必要。
- 二次卸を含む卸提供は既に多く実施されており、事業者に対する過度な規制に繋がる。
- 本人確認
- 構成員等意見
- その他意見
- JUSAが中心となって構築を進めている評価制度との連携について、事業者が当該評価制度に参加するインセンティブが働くよう、何らかの仕組みを検討してはどうか。
- 義務づけの効果を注視する必要がある。全体的な推移はもちろん、事業者ごとの効果確認を行い、一部の事業者で効果がみられないような場合には、警察庁からも情報共有を受けつつ、何らかの対応をする必要があるのではないか。
- 事業者の確認については、仮にすり抜けが発生した場合、その理由をしっかりと検証することが必要。どのような確認をしたか、確認時の書類等が必要になってくるのではないか。
- 情勢に応じた不断の見直しが必要
- その他意見
- 事業者意見
~NEW~
総務省 「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ」及び意見募集の結果の公表
▼ 別紙3 とりまとめ概要
- 偽・誤情報の流通・拡散等のリスク、それをもたらすアテンション・エコノミー等の構造的リスクが存在。PF事業者ヒアリングでは自主的な取組のみには期待できない状況。
- こうしたリスクは我が国特有の課題ではなく、諸外国にも共通。諸外国と連携・協力して対処しなければ、状況の悪化が見込まれるとの危機感を持って対応する必要。
- デジタル空間における情報流通の健全性確保に向けた基本理念や主体の役割・責務を明確化しつつ、情報流通の健全性確保に必要な「総合的な対策」を提言。
- 現状と課題
- SNS等の情報伝送プラットフォーム(PF)サービスは、国民生活・社会経済活動等に広く・深く浸透し、公益性が高まっている。
- 偽・誤情報の流通・拡散等の「表層上の」リスク、それをもたらすアテンション・エコノミー等の「構造的な」リスクがある。(令和6年能登半島地震やなりすまし型「偽広告」を巡り顕在化)
- 特に、SNS等には、(1)低廉な情報発信コスト、(2)拡散促進機能、(3)レコメンデーション機能という特徴(構造)があり、リスクを先鋭化。
- 金銭対価の仕組みが偽・誤情報の流通・拡散に関連するとも指摘。
- デジタル広告と広告が掲載されるメディア双方の信頼性にも影響。
- PF事業者ヒアリングの総括 2024年2~3月に実施
- デジタル空間における情報流通の適正化等に向けた取組として、全体として十分な回答が得られたとは言いがたい。
- 特に国外事業者は、日本の状況を踏まえた取組に関する明確な回答がなかったことに鑑みても、日本国内で公共的役割を果たす上で、透明性・アカウンタビリティの確保は総じて不十分。
- 取組状況についても、全体として十分とは言えない。事業者団体による偽・誤情報対策に関する行動規範の策定に関する議論が白紙となり中断されていることも鑑みると、事業者による自主的な取組のみには期待できない状況。新たに具体的な対応が必要。
- 日本
- 権利侵害情報への対応の迅速化、情報削除等に関する運用状況の透明化の措置を義務付ける情報流通プラットフォーム対処法が成立。
- 米国
- 合衆国憲法修正1条により表現の自由が手厚く保障。PF事業者に広範な免責が与えられているが、連邦・州レベルで議論の高まり。
- 欧州
- 2024年2月、違法情報等への対処を規定するデジタルサービス法の全面適用開始。偽情報に関する行動規範の遵守が事業者に奨励。
- その他
- 英国その他の先進国でも制度的な対応が進展。
- 基本理念
- 表現の自由と知る権利の実質的保障及びこれらを通じた法の支配と民主主義の実現
- 安心かつ安全で信頼できる情報流通空間としてのデジタル空間の実現
- 国内外のマルチステークホルダーによる国際的かつ安定的で継続的な連携・協力
- 情報発信
- 自由かつ責任ある発信の確保
- 信頼できるコンテンツの持続可能な制作・発信の実現
- 情報伝達
- 公平・オープンかつ多元的な情報伝送
- 組の透明性とアカウンタビリティの確保
- 利用者データの適正な取扱いと個人のプライバシー保護
- 情報受信
- リテラシーの確保
- 多様な個人に対する情報へのアクセス保障とエンパワーメント
- 総合的な対策
- 情報伝送PF事業者による偽・誤情報への対応
- 偽・誤情報に対するコンテンツモデレーション※の実効性確保策として、大規模な情報伝送PF事業者を対象とした次の方策を中心に、制度整備も含め、具体化を進めることが適当。※特定のコンテンツの流通・拡散を抑止するために講ずる措置(情報削除、収益化停止等)。
- 違法な偽・誤情報に対する対応の迅速化
- 行政法規に抵触する違法な偽・誤情報に対し、行政機関からの申請を契機とした削除等の対応を迅速化(窓口整備、一定期間内の判断・通知 等)
- ただし、前提として、行政機関による申請状況の透明性確保等が不可欠
- 違法な偽・誤情報の発信を繰り返す発信者への対応
- 特に悪質な発信者に対する情報の削除やアカウントの停止・削除を確実に実施する方策について、その段階的な実施を含め具体化
- 違法ではないが有害な偽・誤情報に対する対応
- 違法ではないが有害な偽・誤情報への対応は、影響評価・軽減措置の実施を求める枠組みの活用を含め、事業者による取組を促す観点が重要
- こうした取組の実効性を補完する観点から、情報の可視性に直接の影響がないコンテンツモデレーション(収益化停止等)を中心とした対応について、迅速化や確実な実施を含め、利用者の表現の自由の保護とのバランスを踏まえながら具体化
- 情報流通の態様に着目したコンテンツモデレーションの実施
- 送信された情報の内容そのものの真偽に着目せず、情報流通の態様に着目してコンテンツモデレーションを実施する方策について具体化
- コンテンツモデレーションに関する透明性の確保
- 基準や手続の策定・公表、人員等の体制に関する情報の公表 等
- 違法な偽・誤情報に対する対応の迅速化
- 偽・誤情報に対するコンテンツモデレーション※の実効性確保策として、大規模な情報伝送PF事業者を対象とした次の方策を中心に、制度整備も含め、具体化を進めることが適当。※特定のコンテンツの流通・拡散を抑止するために講ずる措置(情報削除、収益化停止等)。
- 情報伝送PFサービスが与える情報流通の健全性への影響の軽減
- 情報伝送PF事業者による社会的影響の予測・軽減措置の実施
- 政府による大枠の制度設計の下、社会的影響を事前予測し、軽減措置を検討・実施(サービスアーキテクチャの変更等による対応)
- 特に災害等における影響予測と事前の軽減措置の実施
- 情報伝送PF事業者による社会的影響の予測・軽減措置の実施
- マルチステークホルダーによる連携・協力の枠組みの整備
- 連携・協力の目的(行動規範の策定・推進、軽減措置の検証・評価 等)
- 協議会の設置
- 協議会の役割・権限等
- 広告の質の確保を通じた情報流通の健全性確保
- 広告事前審査の確実な実施と実効性向上
- 審査基準の策定・公表、審査体制の整備・透明化、本人確認の実施 等
- 事後的な広告掲載停止措置の透明性の確保
- 基準や手続の策定・公表、人員等の体制に関する情報の公表 等
- 事後的な広告掲載停止措置の迅速化
- 外部からの申請窓口の整備・公表、一定期間内の判断・通知 等
- 事後的な広告掲載停止措置の確実な実施
- 広告事前審査の確実な実施と実効性向上
- 質の高いメディアへの広告配信に資する取組を通じた健全性確保
- 広告主・代理店による取組促進(経営陣向けガイドライン等の策定)
- 広告仲介PF事業者による取組促進
- A 普及啓発・リテラシー向上
- プレバンキングの効果検証等有効な方法及び取組の推進
- 普及啓発・リテラシー向上に関する施策の多様化
- マルチステークホルダーによる連携・協力の拡大・強化
- B 人材の確保・育成
- 検証報道等の信頼性のある情報を適時に発信する人材
- コンテンツモデレーション人材
- リテラシー向上のための教える人材
- C 社会全体へのファクトチェックの普及
- ファクトチェックの普及促進
- ファクトチェック人材の確保・育成
- 関連するステークホルダーによる取組の推進
- D 技術の研究開発・実証
- 偽・誤情報等対策技術
- 生成AIコンテンツ判別技術
- デジタル広告関連技術
- E 国際連携・協力
- 普及啓発・リテラシー向上・人材育成の国際連携・協力
- 偽・誤情報等対策技術の国際標準化・国際展開の推進
- 欧米等とのバイやG7・OECD等とのマルチ連携・協力の推進
- 情報伝送PF事業者による偽・誤情報への対応
~NEW~
国土交通省 10月は「土地月間」、10月1日は「土地の日」です。~土地月間作品コンテストの受賞作品が決定しました!~
- 国土交通省では、毎年10月を「土地月間」、10月1日を「土地の日」と定め、地方公共団体や土地関係団体等と連携し、全国で『土地』に関連するテーマの講演会や無料相談会などを集中的に実施します。
- 『令和6年「土地月間」作品コンテスト』について、審査委員及び土地関係団体による審査を行い、受賞作品が決定しました。受賞作品は、ポスターや冊子に掲載され、広報・啓発に活用されます。 土地は、私たちの日常生活や企業活動にとって不可欠な基盤であり、貴重な資源です。土地基本法においても、土地所有者の責務として、適正な土地の利用及び管理並びに取引を行うことなどが定められています。
- 国土交通省では、国民の皆様が今一度身近な土地について考え、土地の制度に関する理解を深めていただけるきっかけとなるよう、10月を「土地月間」と定め、広報活動等を展開しています。
~NEW~
国土交通省 日本貨物鉄道株式会社の輪軸組立時における不正行為について
- 令和6年7月24日に山陽線・新山口駅構内で発生した貨物列車の脱線事故に関して、日本貨物鉄道株式会社(以下「JR貨物」)から、当該脱線車両の輪軸組立時に不正行為があった旨、以下のとおり報告を受けました。
- 国土交通省としては、同社に対して、全車両の輪軸について緊急点検を指示するとともに、11日から特別保安監査を行い安全管理体制等について確認することとしております。
- 引き続き、同社を指導し、輸送の安全確保と再発防止の徹底について、厳正に対処して参ります。
- JR貨物からの報告概要
- 車両の車軸組立時には、車輪や歯車等を車軸にはめるための圧力を管理・記録することとなっているが、当該輪軸組立時の大歯車圧入力値が基準値を超過し、また、当該歯車圧入力値に係る記録簿の差し替えが行われていた。
- 社内調査を行ったところ、複数の車両で基準値超過や改ざんが確認されたことから、それらの車両については、安全確認がとられるまで使用を停止することとしている。
- 国土交通省の対応
- 同社の報告を踏まえて、以下のとおり同社に緊急点検の指示を行った(9日)。
- 全車両の輪軸について、歯車等を圧入した際の圧入力値を至急確認すること。
- 基準値を超えている、記録簿の差し替えが行われている等の不適切な事案について、報告すること。
- 上記により報告対象となる輪軸を備えた車両について、安全に運転することができる状態であることが確認されるまで、使用を停止すること。
- 講じた措置等について報告すること。
- JR貨物に対し、11日から特別保安監査を実施し、安全管理体制等について確認を行う。
- 今後の監査結果や報告等を踏まえて、厳正に対処する。
- 同社の報告を踏まえて、以下のとおり同社に緊急点検の指示を行った(9日)。