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危機管理トピックス

サイバーセキュリティ戦略本部 第42回会合/令和6年の犯罪情勢について/令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について

2025.02.10
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更新日:2025年2月10日 新着19記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」に係るチラシの作成について
  • 「金融機関の内部監査高度化に関する懇談会」(第1回)議事次第
警察庁
  • 令和6年の犯罪情勢について
  • 令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)
消費者庁
  • 「タスク副業」で報酬が支払われるとうたい、実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起
  • 令和6年度第5回消費生活意識調査結果について
  • 電話勧誘販売業者【 株式会社Myself】に対する行政処分について
経済産業省
  • 国内初!レベル4自動運転の中型バス「ひたちBRT自動運転バス」の運行サービスが開始されました<
  • 「新市場創造型標準化制度」を活用したJIS開発案件を決定しました
国土交通省
  • 「第4回ドローンサミット」を愛知県で開催!~自治体の取組の発信、自治体間の連携強化により、ドローンの社会実装を進めます~
  • 航空従事者に対する航空法に基づく行政処分について
  • 「道路法等の一部を改正する法律案」を閣議決定~安全かつ円滑な道路交通の確保と道路分野の脱炭素化の推進に向けて~
  • 「港湾法等の一部を改正する法律案」を閣議決定~能登半島地震で顕在化した課題や海水面上昇等に対応~

~NEW~
サイバーセキュリティ戦略本部 第42回会合(令和7年2月5日)
▼ 資料1-1 サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた提言(概要)
  • 実現すべき具体的な方向性
    1. 官民連携の強化
      • 国家をも背景とした高度なサイバー攻撃への懸念の拡大、デジタルトランスフォーメーションの進展を踏まえると、官のみ・民のみでのサイバーセキュリティ確保は困難。インフラ機能など社会全体の強靱性を高めるため、産業界をサイバー安全保障政策の「顧客」としても位置づけ、政府が率先して情報提供し、官民双方向の情報共有を促進すべき。
      • 高度な侵入・潜伏能力を備えた攻撃に対し事業者が具体的行動を取れるよう、専門的なアナリスト向けの技術情報に加え、経営層が判断を下す際に必要な、攻撃の背景や目的なども共有されるべき。情報共有枠組みの設置や、クリアランス制度の活用等により、情報管理と共有を両立する仕組みを構築すべき。
      • これらの取組を効果的に進めるため、システム開発等を担うベンダとの連携を深めるべき。脆弱性情報の提供やサポート期限の明示など、ベンダが利用者とリスクコミュニケーションを行うべき旨を法的責務として位置づけるべき。
      • 経済安保推進法の基幹インフラ事業者によるインシデント報告を義務化するほか、その保有する重要機器の機種名等の届出を求め、攻撃関連情報の迅速な提供や、ベンダに対する必要な対応の要請ができる仕組みを整えるべき。基幹インフラ事業者以外についても、インシデント報告を条件に情報共有枠組みへの参画を認めるべき。被害組織の負担軽減と政府の対応迅速化を図るため、報告先や様式の一元化、簡素化等を進めるべき
    2. 通信情報の利用
      • 先進主要国は国家安保の観点からサイバー攻撃対策のため事前に対象を特定せず一定量の通信情報を収集し、分析。我が国でも、重大なサイバー攻撃対策のため、一定の条件下での通信情報の利用を検討すべき。
      • 国外が関係する通信は分析の必要が特に高い。まず、①外外通信(国内を経由し伝送される国外から国外への通信)は先進主要国と同等の方法の分析が必要。加えて、②攻撃は国外からなされ、また、国内から攻撃元への通信が行われるといった状況を踏まえ、外内通信(国外から国内への通信)及び内外通信(国内から国外への通信)についても、被害の未然防止のために必要な分析をできるようにしておくべき。
      • コミュニケーションの本質的内容に関わる情報は特に分析する必要があるとは言えない。機械的にデータを選別し検索条件等で絞る等の工夫が必要。
      • 通信の秘密であっても法律により公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける。先進主要国を参考に明確で詳細なルールとなるよう考慮し、緻密な法制度を作るべき。その際、取得及び情報処理のプロセスについて独立機関の監督が重要。
      • なお、通信当事者の有効な同意がある場合の通信情報の利用は、同意がない場合とは異なる内容の制度により実施することも可能であると考えられる。その際、制度により、基幹インフラ事業者の協議の義務化等で、必要に応じ、同意を促すことが考えられる。
      • 性質上非公開とすべき範囲はあるが適切な情報公開は行われるべき。公開困難な部分を独立機関の監督で補うべき。
    3. アクセス・無害化
      • サイバー攻撃の特徴((1)危険の認知の困難性、(2)意図次第でいつでも攻撃可能、(3)被害の瞬時拡散性)を踏まえ、被害防止を目的としたアクセス・無害化を行う権限は、緊急性を意識し、事象や状況の変化に応じて臨機応変かつ即時に対処可能な制度にすべき。こうした措置は、比例原則を遵守し、必要な範囲で実施されるものとする必要。その際、執行のシステム等を含め、従前から機能してきた警察官職務執行法を参考としつつ、その適正な実施を確保するための検討を行うべき。
      • 平時と有事の境がなく、事象の原因究明が困難な中で急激なエスカレートが想定されるサイバー攻撃の特性から、武力攻撃事態に至らない段階から我が国を全方位でシームレスに守るための制度とすべき。
      • アクセス・無害化の措置の性格、既存の法執行システムとの接合性等を踏まえ、権限の執行主体は、警察や防衛省・自衛隊とし、その能力等を十全に活用すべき。まずは警察が、公共の秩序維持の観点から特に必要がある場合には自衛隊がこれに加わり、共同で実効的に措置を実施できるような制度とすべき。
      • 権限行使の対象は、国の安全や国民の生命・身体・財産に深く関わる国、重要インフラ、事態発生時等に自衛隊等の活動が依存するインフラ等へのサイバー攻撃に重点を置く一方、必要性が認められる場合に適切に権限行使できる仕組みとすべき。
      • 国際法との関係では、他国の主権侵害に当たる行為をあらかじめ確定しておくことは困難。他国の主権侵害に当たる場合の違法性阻却事由としては、実務上は対抗措置法理より緊急状態法理の方が援用しやすいものと考えられるが、国際法上許容される範囲内でアクセス・無害化が行われるような仕組みを検討すべき。
    4. 横断的課題
      • 脅威の深刻化に対し、普段から対策の強化・備えが重要であり、サイバーセキュリティ戦略本部の構成等を見直すとともに、NISCの発展的改組に当たり政府の司令塔として強力な情報収集・分析、対処調整の機能を有する組織とすべき。
      • 重要インフラのレジリエンス強化のため、行政が達成すべきと考えるセキュリティ水準を示し、常に見直しを図る制度とするとともに、政府機関等についても国産技術を用いたセキュリティ対策を推進し、実効性を確保する仕組みを設けるべき。
      • 政府主導でセキュリティ人材の定義の可視化を行い、関係省庁の人材の在り方の検討を含め、非技術者の巻き込みや人材のインセンティブに資する人材育成・確保の各種方策を自ら実践しながら、官民の人材交流を強化すべき。
      • サプライチェーンを構成する中小企業等のセキュリティについて、意識啓発や支援拡充、対策水準等を検討すべき。
▼ 資料2-1 サイバー空間を巡る脅威に対応するため喫緊に取り組むべき事項について
  • 社会全体へのDXの浸透や、AI・量子技術等の進展により、急速に変化するサイバー空間をめぐるリスクに対応するため、「サイバーセキュリティ戦略」(特にサイバーセキュリティ2024における「特に強力に取り組む施策」)及び「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた提言」等を踏まえ、現行制度下において喫緊に取り組むべき事項について検討し、対処方針を示す。
  • サイバーセキュリティ2024(特に強力に取り組む施策)
    1. 政府機関や重要インフラ等の対処能力の向上
      • サプライチェーン・リスクへの対応強化
      • DXを推進・支援する取組の強化
      • 欧米主要国をはじめとする関係国との連携の一層の強化 等
    2. サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた提言(横断的課題等)
      • 政府機関や重要インフラ事業者等の対策強化
      • サイバーセキュリティ人材の育成・確保
      • 中小企業や地域における対策強化
      • 国産セキュリティ製品・サービスの供給強化
      • 被害組織の負担軽減(報告様式一元化) 等
    3. 検討事項(案)
      • 政府機関・重要インフラ事業者等の対応能力の向上
      • 社会全体のサイバーセキュリティ確保
        • 官民連携の強化
        • セキュアバイデザイン・セキュアバイデフォルト原則等を踏まえた対策強化
        • 中小企業のサイバーセキュリティ対策の促進
      • 国際連携の一層の強化
      • 横断的施策の推進
        • サイバーセキュリティ人材の育成・確保
        • 我が国のサイバーセキュリティ技術の研究開発・活用及び産業振興・育成(研究開発・社会実装の推進等)

~NEW~
内閣官房 重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案及び重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 概要
  • 趣旨
    • 国家安全保障戦略(令和4年12月16日閣議決定)では、サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させるとの目標を掲げ、(1)官民連携の強化、(2)通信情報の利用、(3)攻撃者のサーバ等への侵入・無害化、(4)内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の発展的改組・サイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整する新たな組織の設置等の実現に向け検討を進めるとされた。
    • 国家安全保障戦略に掲げられたこれら新たな取組の実現のために必要となる法制度の整備等について検討を行うため、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議を開催(令和6年6月7日~11月29日)、「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた提言」を取りまとめ。
    • これらを踏まえ、「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案」(新法)及び「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」(整備法)として必要な法制度を整備。
  • 官民連携(新法)
    • 基幹インフラ事業者による
      • 導入した一定の電子計算機の届出
      • インシデント報告
    • 情報共有・対策のための協議会の設置
    • 脆弱性対応の強化 等
  • 通信情報の利用(新法)
    • 基幹インフラ事業者等との協定(同意)に基づく通信情報の取得
    • (同意によらない)通信情報の取得
    • 自動的な方法による機械的情報の選別の実施
    • 関係行政機関の分析への協力
    • 取得した通信情報の厳格な取扱い
    • 独立機関による事前審査・継続的検査 等
  • アクセス・無害化措置(整備法)
    • 重大な危害を防止するための警察による無害化措置
    • 独立機関の事前承認・警察庁長官等の指揮等(警察官職務執行法改正)
    • 内閣総理大臣の命令による自衛隊の通信防護措置(権限は上記を準用)
    • 自衛隊・在日米軍が使用するコンピュータ等の警護(権限は上記を準用) 等(自衛隊法改正)
  • 組織・体制整備等(整備法)
    • サイバーセキュリティ戦略本部の改組 (サイバーセキュリティ基本法改正)
    • サイバーセキュリティ戦略本部の機能強化 (サイバーセキュリティ基本法改正)
    • 内閣サイバー官の新設 (内閣法改正)

~NEW~
内閣府 「男女共同参画社会に関する世論調査」の概要
  • あなたは、次の分野で男女の地位は平等になっていると思いますか。あなたの気持ちに最も近いものをお答えください。(〇は1つ)
    1. 家庭生活
      • 男性の方が優遇されている(小計)59.8%→60.7%(男性の方が非常に優遇されている9.0%→9.3%、どちらかといえば男性の方が優遇されている50.8%→51.4%)
      • 平等31.7%→30.0%
      • 女性の方が優遇されている(小計)8.0%→9.0%(どちらかといえば女性の方が優遇されている7.0%→7.8%、女性の方が非常に優遇されている1.0%→1.2%)
    2. 職場
      • 男性の方が優遇されている(小計)64.1%→63.8%(男性の方が非常に優遇されている16.0%→14.2%、どちらかといえば男性の方が優遇されている48.1%→49.6%)
      • 平等26.4%→25.8%
      • 女性の方が優遇されている(小計)7.7%→9.2%(どちらかといえば女性の方が優遇されている6.5%→8.1%、女性の方が非常に優遇されている1.2%→1.1%)
    3. 学校教育の場
      • 男性の方が優遇されている(小計)24.5%→21.9%(男性の方が非常に優遇されている3.0%→2.4%、どちらかといえば男性の方が優遇されている21.5%→19.5%)
      • 平等68.1%→70.4%
      • 女性の方が優遇されている(小計)5.3%→6.1%(どちらかといえば女性の方が優遇されている4.7%→5.6%、女性の方が非常に優遇されている0.6%→0.4%)
    4. 政治の場
      • 男性の方が優遇されている(小計)87.9%→87.9%(男性の方が非常に優遇されている46.4%→44.1%、どちらかといえば男性の方が優遇されている41.5%→43.8%)
      • 平等9.6%→9.4%
      • 女性の方が優遇されている(小計)1.7%→2.1%(どちらかといえば女性の方が優遇されている1.4%→1.9%、女性の方が非常に優遇されている0.3%→0.3%)
    5. 法律や制度の上
      • 男性の方が優遇されている(小計)52.3%→50.4%(男性の方が非常に優遇されている11.7%→11.4%、どちらかといえば男性の方が優遇されている40.6%→38.9%)
      • 平等37.0%→38.2%
      • 女性の方が優遇されている(小計)9.7%→10.8%(どちらかといえば女性の方が優遇されている8.3%→8.9%、女性の方が非常に優遇されている1.4%→1.9%)
    6. 社会通念・地域の慣習・しきたりなど
      • 男性の方が優遇されている(小計)81.8%→78.2%(男性の方が非常に優遇されている24.1%→21.2%、どちらかといえば男性の方が優遇されている57.8%→57.0%)
      • 平等12.9%→16.3%
      • 女性の方が優遇されている(小計)3.3%→3.9%(どちらかといえば女性の方が優遇されている3.1%→3.4%、女性の方が非常に優遇されている0.3%→0.5%)
    7. 自治会やPTAなどの地域活動の場
      • 男性の方が優遇されている(小計)47.8%→47.0%(男性の方が非常に優遇されている10.2%→8.8%、どちらかといえば男性の方が優遇されている37.6%→38.2%)
      • 平等40.2%→40.3%
      • 女性の方が優遇されている(小計)9.9%→10.5%(どちらかといえば女性の方が優遇されている8.8%→9.3%、女性の方が非常に優遇されている1.1%→1.2%)
  • あなたは社会全体でみた場合には、男女の地位は平等になっていると思いますか。あなたの気持ちに最も近いものをお答えください。(〇は1つ)
    • 男性の方が優遇されている(小計)78.8%→74.7%(男性の方が非常に優遇されている14.0%→11.9%、どちらかといえば男性の方が優遇されている64.7%→62.8%)
    • 平等14.7%→16.7%↑
    • 女性の方が優遇されている(小計)4.8%→6.8%(どちらかといえば女性の方が優遇されている4.2%→6.1%、女性の方が非常に優遇されている0.6%→0.7%)
  • 文部科学省の「令和5年度学校基本統計」によると、例えば、大学の理学部・工学部に進学する女性は男性より少ない、薬学部・看護学部に進学する男性は女性より少ないという現状であることが分かっています。進路選択の一例としてこのような状況がありますが、あなたは、一般的に進路選択に影響を与えるのは次のうちどれだと思いますか。(○はいくつでも)(上位4項目)
    • 母親63.0%
    • 父親59.3%
    • 友人や先輩40.7%
    • 学校の先生39.8%
  • 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、あなたはどうお考えですか。(〇は1つ)
    • 賛成(小計)33.5%→33.1%(賛成4.0%→4.5%、どちらかといえば賛成29.4%→28.6%)
    • 反対(小計)64.3%→64.8%(どちらかといえば反対38.2%→37.7%、反対26.1%→27.1%)
  • 賛成と思うのはなぜですか。(○はいくつでも)(上位4項目)
    • 育児・介護・家事と両立しながら、妻が働き続けることは大変だと思うから56.0%→61.3%
    • 妻が家庭を守った方が、こどもの成長などにとって良いと思うから59.0%→56.0%
    • 夫が外で働いた方が、多くの収入を得られると思うから32.1%→39.3%
    • 日本の伝統的な家族の在り方だと思うから11.1%→17.9%
  • 反対と思うのはなぜですか。(○はいくつでも)(上位4項目)
    • 固定的な夫と妻の役割分担の意識を押しつけるべきではないから70.8%→77.2%
    • 夫も妻も働いた方が、多くの収入が得られると思うから44.8%→43.2%
    • 男女平等に反すると思うから35.7%→40.8%
    • 妻が働いて能力を発揮した方が、個人や社会にとって良いと思うから40.0%→28.6%
  • あなたは今後、男性が育児・介護・家事、地域活動に積極的に参加していくためにはどのようなことが必要だと思いますか(〇はいくつでも)(上位5項目)
    • 男性による育児・介護・家事などについて、職場における上司や周囲の理解を進めること66.7%→67.8%
    • 男性が育児・介護・家事などに参加することに対する男性自身の抵抗感をなくすこと60.7%→63.1%
    • 夫婦や家族間でのコミュニケーションをよく図ること61.8%→60.9%
    • 労働時間の短縮や休暇制度、テレワークなどのICTを利用した多様な働き方を普及することで、仕事以外の時間をより多く持てるようにすること46.8%→47.8%
    • 社会の中で、男性による育児・介護・家事などについても、その評価を高めること44.5%→47.5%
  • あなたは、次の育児・介護・家事の家庭で担われている役割について、あなたと配偶者でどのように分担したいと思いますか。保育所、訪問介護、家事代行など外部サービスの利用も含め、あなたの気持ちに最も近いものをお答えください。なお、育児・介護・家事をしている、していないにかかわらず、お答えください。また、配偶者がいる、いないにかかわらず、お答えください。(〇は1つ)
    1. 育児
      • 外部サービスは利用せず、自分と配偶者で半分ずつ分担11.8%→15.5%
      • 外部サービスは利用せず、自分の方が配偶者より多く分担5.9%→6.9%
      • 外部サービスは利用せず、配偶者の方が自分より多く分担4.8%→5.3%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は自分と配偶者で半分ずつ分担57.6%→54.0%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は自分の方が配偶者より多く分担11.0%→10.3%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は配偶者の方が自分より多く分担5.5%→4.9%
    2. 介護
      • 外部サービスは利用せず、自分と配偶者で半分ずつ分担3.5%→3.8%
      • 外部サービスは利用せず、自分の方が配偶者より多く分担1.2%→1.9%↑
      • 外部サービスは利用せず、配偶者の方が自分より多く分担1.1%→1.4%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は自分と配偶者で半分ずつ分担73.8%→71.5%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は自分の方が配偶者より多く分担12.8%→13.5%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は配偶者の方が自分より多く分担5.0%→4.8%
    3. 育児・介護以外の家事
      • 外部サービスは利用せず、自分と配偶者で半分ずつ分担33.4%→35.1%
      • 外部サービスは利用せず、自分の方が配偶者より多く分担10.0%→11.3%
      • 外部サービスは利用せず、配偶者の方が自分より多く分担6.2%→5.6%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は自分と配偶者で半分ずつ分担39.1%→37.4%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は自分の方が配偶者より多く分担6.0%→5.3%
      • 外部サービスを利用しながら、それ以外は配偶者の方が自分より多く分担2.7%→2.5%
  • 総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、夫婦共働き世帯において1日の中で費やす時間を男女別に比較すると、育児・介護・家事に費やす時間は女性の方が長く、仕事に費やす時間は男性の方が長い現状となっています。このように、育児・介護・家事に女性の方がより多くの時間を費やしていることが、職業生活における女性の活躍が進まない要因の一つだという意見がありますが、あなたはこの意見について、どう思いますか。(○は1つ)
    • そう思う(小計)84.0%→84.3%(そう思う38.0%→41.4%、どちらかといえばそう思う46.0%→42.9%)
    • そうは思わない(小計)14.6%→14.6%(どちらかといえばそうは思わない10.2%→9.5%、そう思わない4.5%→5.1%)
  • 育児・介護・家事に費やす時間を男女間でバランスのとれたものとし、職業生活における女性の活躍を更に推進するためには、特にどのような支援が必要だと思いますか。(○は1つ)
    • 長時間労働慣行の是正やテレワークの推進など、男女共に育児・介護・家事に用いることができる時間を増やすための勤務環境の整備21.6%→26.5%↑
    • 育児や介護のための休業制度や短時間勤務制度など、男女共に仕事との両立を支援するための施策の整備40.5%→37.7%
    • 保育施設や介護施設の整備など、男女共に育児や介護の支援を受けられる設備やサービスの整備36.4%→34.8%
  • 夫婦の名字・姓に関する制度の在り方をめぐる議論について、自分又は自分の周囲の人に関わる身近なこととして、あなたはこれまでに考えたことがありますか。(〇は1つ)
    • 考えたことがある41.3%→44.0%↑
    • 考えたことがない54.1%→53.2%
    • 議論があることを知らない2.8%→1.9%
  • あなたは、仮に結婚して戸籍上の名字・姓が変わったとした場合、働くときに旧姓を通称として使用したいと思いますか。あなたが結婚している、していないに関わらず、お答えください。(〇は1つ)
    • 旧姓を通称として使用したいと思う39.1%→43.3%
    • 旧姓を通称として使用したいと思わない58.7%→55.2%
  • 政府は、男女共同参画社会の形成の促進を図る上での重要な課題として、DVや性暴力など個人としての尊厳を害する暴力の根絶に取り組んでいます。あなたが対策が必要だと考えるのは次のうちどれですか。(〇はいくつでも)(上位4項目)
    • 配偶者や元配偶者などからの暴力、いわゆるDV78.6%→74.3%↓
    • 児童買春や性的虐待、児童ポルノなど、こどもに対する性犯罪や性暴力68.3%→71.6%
    • 不同意性交等や不同意わいせつ、痴漢、盗撮などの、性犯罪や性暴力72.8%→67.2%
    • つきまといや待ち伏せなどのストーカー行為64.9%→65.9%
  • DVや性暴力の被害やそれに関する悩みを相談できる窓口などについて、あなたが知っているものをあげてください。(〇はいくつでも)(上位4項目)
    • こころの健康相談統一ダイヤル28.9%→36.7%
    • 警察相談専用電話#911014.0%→22.2%
    • 女性の人権ホットライン20.8%→21.1%
    • ひきこもり地域支援センター21.7%→20.1%
    • 知っているものはない33.1%→35.7%
  • 相談窓口の認知度を向上させるためには、どのような方法による周知が効果的だと思いますか。(〇はいくつでも)(上位4項目)
    • テレビ・ラジオ66.4%→64.4%
    • インターネット・SNS48.7%→54.1%
    • 学校における周知44.7%→46.8%
    • 公共施設や行政機関による紹介41.7%→43.0%
  • あなたは、DVや性暴力の被害やそれに関する悩みを相談できる窓口などで配慮してほしいと思うことはなんですか。(〇はいくつでも)(上位5項目)
    • 24時間相談ができる65.8%→63.7%
    • 医療費、カウンセリング費用、弁護士費用などについて、無料で支援が受けられる60.4%→57.4%↓
    • 通話料が無料で相談できる55.2%→54.9%
    • 匿名で相談ができる57.3%→54.3%
    • 弁護士など、法的知識のある相談員がいる50.3%→50.5%
  • 「男女共同参画社会」とは、「男女が、互いにその人権を尊重しつつ喜びも責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会」です。あなたはこの社会を実現するために、今後、行政はどのようなことに力を入れていくべきだと思いますか。(〇はいくつでも)(上位5項目)
    • 育児や介護中であっても仕事が続けられるよう支援する63.5%→62.7%
    • 育児や介護などで一旦、仕事を辞めた人の再就職を支援する62.7%→58.6%↓
    • 保育の施設やサービス、高齢者や病人の施設や介護サービスを充実する59.3%→57.9%
    • 労働時間の短縮や在宅勤務の普及など男女共に働き方の見直しを進める50.2%→51.0%
    • 法律や制度の面で見直しを進める47.9%→50.3%

~NEW~
国民生活センター 購入確定の前には解約方法もよく確認
  • 内容
    • 事例1:オンラインショッピングで、定期購入の白髪染めを申し込んだつもりが、育毛剤を申し込んでいたことが分かったので、次回以降の解約をしようと何度も事業者に電話をしているがつながらない。変更や一時中止はメールでできるが、解約は電話での連絡方法しかない。次回配送予定の2週間前までに解約を申し出なければならない。どうしたらよいか。(70歳代)
    • 事例2:SNSの動画を見て健康食品を注文したら、定期購入だった。解約しようと電話をしたところ2回目の商品が届いてからでないと解約できないと言われた。2回目の商品が届いたので電話をするとSNSやメールで問い合わせるようにというガイダンスが流れるのみだった。SNSで解約の申し出をしたが、何度も同じことの繰り返しになって解約できない。(60歳代)
  • ひとこと助言
    • 定期購入の場合、解約方法が電話だけの場合やアプリでの手続きなどを指定される場合があります。購入する際は、解約条件や方法、事業者の連絡先、定期購入かどうかなどをよく確認しましょう。ネット通販にはクーリング・オフ制度はありません。
    • スマホ等の操作に自信がない方は、事業者が指定する解約方法を自力ですることができるかも事前によく確かめましょう。
    • 電話がつながりにくかったり、返信がなかなか来ない場合もあります。解約の期日までに事業者に連絡がつかない不安がある場合は、電話やメールの発信履歴など連絡した証拠を残し、事業者が指定する手段で解約を申し出ようとしたことを、証明できるようにしておきましょう。
    • 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
厚生労働省 第2回労災保険制度の在り方に関する研究会 資料
▼ 資料1 第1回研究会における主な意見(「遺族(補償)等年金」及び「消滅時効」関係)
  • 遺族(補償)等給付
    • 遺族(補償)等年金の受給資格に関しては、まず生計維持要件が設けられていて、被災者の死亡により損害を受けた人の中でも特に被扶養利益を失った人に、まずは受給資格を限定し、さらに、年齢あるいは障害に関する要件を設けることによって、被災労働者の死亡によって損害を被った人の中でも経済的自立が困難な人に受給資格を絞っている。労基法上想定され得る遺族から受給資格では絞って、給付内容を年金化して非常に充実した補償を行っているという制度なのではないか。
    • 現行制度の枠組みを前提として、現行制度の下で労災保険が損害の填補、被扶養利益の喪失に対する填補という形で守ろうとしている利益の範囲が、性質がどのようなものなのかというところを整理した上で、議論を組み立て、検証していく必要があるのではないか。
    • 地公災の事案について、夫と妻の支給要件に違いがあることについて最高裁は合憲としたが、当時より更に共働き化が進むことなどを考慮すると、将来的にはこの男女差を維持することは困難であり、違憲の疑いも生じ得るため早急に解消することが不可欠。また、
  • その方法については、単に夫についている年齢要件を撤廃すればよいというものではないのではないか。
    • 遺族補償は、労働者の業務上の死亡によってもたらされる被扶養利益の喪失を補填すべきものと言われているが、現在の取扱いは生計維持関係を緩く判断されているのではないか。一時金ならともかく、年金について生計維持関係をもし緩く認めて支給を続けているのであれば、疑問がある。遺族補償給付の目的、性格、役割というものを改めて問い直す必要があるのではないか。
    • 「被扶養利益」といった表現も含めて、何が損害の填補として求められているのか。労災保険法ができたとき、遺族補償給付ができたときとか年金化されたときとは、事情が異なるので、それを現代的な場面で読み直すことが必要。
    • 労基法の災害補償に関する規定と労災保険法の遺族(補償)等給付の規定については配偶者の受給要件や順位が一致していい。これは、労働基準法の遺族補償と労災保険法の遺族補償給付との看過し得ない齟齬ではないか。
  • 消滅時効
    • 令和2年に労働基準法が改正されて、そこで消滅時効に関連する規定が改正されたが、災害補償請求権については2年という期間が維持されているところ、法案審議の過程等で、5年後に見直すこととされており、その際には労災保険法の給付請求権との関係も併せて検討するということも指摘されていた。この機会に検討することができるのかと思う。

~NEW~
総務省 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第62回)
▼ 資料2-1 携帯電話端末販売価格に関する調査結果(概要)
  • 購入する携帯電話端末の選択について質問した。
    • 購入時に価格を重視したと回答した割合は約60%、機種ごとの価格を比較したと回答した割合が40%と、価格が購入機種の選定に影響していることがうかがえる。
  • 「端末の販売価格」について質問した。
    • 通信キャリアやメーカーのオンライン価格を確認したと回答した割合は約45%。
    • 同じ通信キャリアの同一機種であっても、店舗ごとに端末販売価格は異なると考えている人は42%。
    • また、半数以上が、携帯電話販売現場における頭金の用法が一般的な割賦販売におけるものと違うことを知らないという結果であった。
  • 携帯電話端末の購入場所の選定について質問した。
    • 価格を重視して購入場所を選んだ割合が45%。そのうち、店舗ごとに販売価格が異なると認識している割合は約半数であった。
  • 「頭金」について、以下質問した。
    • 端末購入時に、頭金を支払ったと回答したのは約21%であり、支払ったうちの約半数は「頭金」について理解をしていた。
    • 一方で、頭金を支払ったと回答した者のうち、約20%は頭金について理解できておらず、また約16%は頭金の説明があったかどうか覚えていなかった。

~NEW~
金融庁 「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」に係るチラシの作成について
  • 金融庁は、令和6年8月、警察庁と連名で、預金取扱金融機関の業界団体等に対し、預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化を要請しました。当該要請の中では、口座売買が犯罪であることの顧客への周知や、不正等のおそれを検知した取引に係る顧客への確認、出金停止・凍結・解約等の措置の迅速化を求めています。
  • 金融機関がこのような対策を実施し、その効果を一層高めるためには、顧客と接する金融機関の現場の取組みが重要となるだけでなく、顧客側の理解・協力も必要となります。
  • そのため、金融庁では警察庁と連携し、今般、顧客となる国民の皆様のご理解・ご協力を得られるよう、各金融機関で活用いただけるチラシを作成しました。
▼ 法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について(令和6年8月23日)
  • 昨今、SNS等を通じたやりとりで相手を信頼させ、投資等の名目で金銭をだまし取る「SNS型投資・ロマンス詐欺」が急増しているほか、法人口座を悪用した事案がみられるなど、預貯金口座を通じて行われる金融犯罪への対策が急務であることから、8月23日、金融庁は下記の団体等に対して、警察庁と連名で、預貯金口座の不正利用等防止に向けた以下のような対策を要請しました。
    1. 口座開設時における不正利用防止及び実態把握の強化
    2. 利用者側のアクセス環境や取引の金額・頻度等の妥当性に着目した多層的な検知
    3. 不正の用途や犯行の手口に着目した検知シナリオ・敷居値の充実・精緻化
    4. 検知及びその後の顧客への確認、出金停止・凍結・解約等の措置の迅速化
    5. 不正等の端緒・実態の把握に資する金融機関間での情報共有
    6. 警察への情報提供・連携の強化

~NEW~
金融庁 「金融機関の内部監査高度化に関する懇談会」(第1回)議事次第
▼ 資料2 懇談会事務局説明資料
  • 内部監査高度化懇談会の趣旨・目的
    • 金融庁は、2024年9月に、大手銀行グループのほか、地域金融機関等に対する内部監査高度化に向けたモニタリング結果を整理し、金融庁の問題意識・期待水準とともに「金融機関の内部監査の高度化に向けたモニタリングレポート(2024)」を公表。
    • 同レポートでは、引き続き、金融機関に対して深度あるモニタリングを進めるとともに、内部監査の高度化を促していく方針とし、内部監査に関するモニタリング結果や国際的な動向も踏まえて、2019年6月に公表した「現状と課題」の更新(段階別評価の見直しを含む)の必要性等を検討していくとした。
    • 「現状と課題」の更新等に関し、関係機関や外部有識者との議論等を通じて、信用を前提とする金融機関全体の内部監査水準の向上を促し、国内外のステークホルダーの信頼確保に資するような目線を提示するとともに、金融セクター以外の事業会社や海外金融監督当局も活用できる目線を提供することを目的に、「金融機関の内部監査高度化に関する懇談会」を開催。
  • 金融機関の内部監査高度化に向けた具体的な水準感の形成
    • 「段階別評価」にかかる各段階の定義・水準感の明確化
    • 「第四段階」のイメージの具体化
    • IIA「グローバル内部監査基準」との関係性の整理
  • 第一段階(1.0):事務不備監査
    • 内部監査部門に対する経営陣からの信頼度・期待度、経営陣による監査の理解度が低く、規程の準拠性等の表層的な事後チェックといった限定的な役割に留まっている段階。内部監査部門には、事務不備や規程違反等の発見を通じた営業店への牽制機能を発揮する役割が求められている。
    • 監査手法は、リスクベースではなく、監査部員の経験・勘に依存しており、営業店の現物検査等を通じた指摘型監査が中心である。
    • 人材について、内部監査部門として中長期的な方針はなく、通常の人事ローテーションによる人員配置がなされる。また、内部監査の品質評価は、未実施又は実施していても形式的である等、PDCAサイクルが確立されていない。
  • 第二段階(2.0):リスクベース監査
    • 内部監査部門に対する経営陣からの信頼度・期待度、経営陣による監査の理解度が徐々に高まり、第一段階の役割に加え、リスクアセスメントに基づき、高リスク領域の業務プロセスに対する問題を提起する役割が求められている。
    • 具体的には、内部環境や外部環境の状況を踏まえたリスクアセスメントを行い、高リスク領域の業務プロセスにかかる整備状況や運用状況の検証、営業店のみならず本部に対する監査や部署をまたいだテーマ監査の実施等が行われるようになる。
    • 中長期的な視点で監査人材のポートフォリオ管理を行い、ビジネスに対する専門性を意識した人員配置が行われるようになる。また、営業店等における管理能力向上の観点で、執行部門から短期トレーニーとして受け入れる等、部分的に内部監査部門を活用する動きが見られる。さらに、内部監査にかかる国際基準(IIA基準)に基づく品質評価を実施する取組みが見られ始める。
  • 第三段階(3.0):経営監査
    • 内部監査部門に対する経営陣からの信頼度・期待度、経営陣による監査の理解度が更に高まり、内部監査部門を経営陣への有益な示唆をもたらす有用な部門と捉えている。第二段階の役割に加え、組織体のガバナンス、リスク・マネジメント及びコントロールの各プロセスの有効性・妥当性を評価し、各々の改善に向けた有益な示唆を積極的に提供する役割が求められている。内部監査部門は、経営目線を持つとともに、よりフォワードルッキングな観点から、内外の環境変化等に対応した経営に資する保証を提供している。
    • 具体的には、実質的に良質な金融サービスが提供されているかといった点に重点を置いた監査、経営環境の変化や収益・リスク・自己資本のバランスに着目した監査、経営戦略の遂行状況に対する監査も行われるようになる。これに伴い、よりフォワードルッキングなリスクの識別が必要となる。また、ビジネスモデルやガバナンス等にかかる問題の根本原因の追及が行われるようになる。さらに、グループ・グローバルで業務を展開する金融機関においては、国内外の内部監査拠点との連携・報告連絡体制の見直しや監査手法の標準化等、グループ・グローバルベースでの内部監査態勢の構築がなされるようになる。
    • 経営監査のため、組織全体のビジネスや経営戦略を理解した人材が戦略的に配置されるようになる。また、内部監査部門の地位向上や組織におけるキャリア形成の観点から、若手職員、部門長候補又は経営者候補を内部監査部門に配属して経験を積ませた上、執行部門に管理職として戻す等のキャリアパスの運用といった動きが見られる。さらに、IIA基準以外に、国際的にビジネス展開する地域等において関連する規制やガイドライン等を踏まえた品質評価を実施する等の取組みが見られ始める。
    • 経営監査のため、内部監査部門の独立性が強く意識され、取締役会への直接的な職務上の指示・報告経路及び、内部監査部門の日々の業務を円滑に進めるための最高経営責任者(CEO)への部門運営上の指示・報告経路を確保する等の取組みが見られる。
    • 経営陣が3つの防衛線の重要性を認識し、内部監査部門(第3線)が事業部門(第1線)及び管理部門(第2線)から独立した立場で保証を提供している。
  • 第四段階(4.0):信頼されるアドバイザー
    • 第四段階に到達した金融機関の内部監査部門は、保証やそれに伴う課題解決に留まらず、信頼されるアドバイザーとして、経営陣をはじめとする組織内の役職員に対し、経営戦略に資する助言を提供することが期待される。
    • 《第四段階を実現するために必要と考えられる主な取組み》
      1. 機動的な監査手法
        • 加速する環境変化等に対応するためには、リスクの変動を即時に把握し、リスクの高まりが認められた場合には、必要な監査を速やかに実施するとともに、監査の内容も状況変化に合わせて迅速かつ柔軟に変更できる態勢を整えておく必要がある。(具体例:動的なリスク評価、アジャイル型監査)
      2. 内部監査におけるITの活用、データ分析等
        • ITインフラの整備及びデータ分析をはじめとするITを活用した監査手法の高度化を図っていく必要がある。
      3. 企業文化(カルチャー)に対する監査手法
        • コンダクト・リスクは、従来のような方針、制度、システム等の整備のみによって低減することは難しいことから、経営陣は、従業員等の行動に影響を与える企業文化を、ステークホルダーの要求を満たすものにしておく必要がある。
      4. 経営環境の変化等に対応した予測とそれに基づく助言
        • 内部監査部門が、保証に留まらない、経営戦略に資する助言を行うためには、内外環境変化やビジネスモデルの変革等に対応した積極的な予測を行うとともに、経営戦略の策定段階から、内部監査部門が同時並行でモニタリングを機動的に実施する取組みが期待される。
      5. 内部監査部門における専門人材の確保
        • 内部監査部門には、…組織やビジネス及び監査手法の双方について精通するとともに、複雑で高度な事象を分かりやすく説明できる翻訳力が備わった人材が求められる。加えて、内部監査においてデータ分析を含むITを活用した監査手法が重視されるようになると、これに対応した監査人材の必要性が高まると考えられる。
▼ 資料3 一般社団法人全国銀行協会説明資料
  • アンケート結果を踏まえた主な論
    • 各段階の定義の明確化(第四段階)
      • 「現状と課題」では第四段階の例としてアジャイル監査やカルチャー監査が紹介されていたが、監査手法の議論に留まらず、第四段階は、経営や被監査部門との連携も含めた組織体全体としての高度化が必要と理解。
      • 第四段階は、G-SIFIsを参考としたベストプラクティスのレベルであり、「過去から未来」・「部分から全体」・「形式から実質」等の幅広い観点から、複雑化するビジネスの状況を、統合的に包摂・俯瞰し、洞察を提供することが求められていると理解。
      • また、ガバナンスにおける監査の位置付けが劇的に変化しない限りは、第一段階から第四段階のいずれかに評価されると理解していると思われる回答が複数あった(第五段階以上は想定せず)。
      • 今後の議論の前提としてこの点を明確化すべき。
    • 3つの論点ごとの段階別評価の水準
      • 今後も多数の事例を紹介してほしいとの声がある一方で、事例だけではどの段階にあるかの評価が難しいとの声もあり、段階別評価と、3つの論点ごとの事例の関係性と目線・水準感を明らかにする必要があるものと考える。
      • また、論点ごとに段階が異なる場合に、総合的な段階別評価をどう考えるかは明確化が必要と考える。

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警察庁 令和6年の犯罪情勢について
  • 刑法犯認知件数の総数については、平成15年から令和3年まで一貫して減少してきたところ、令和6年は73万7,679件と、戦後最少となった令和3年から3年連続で前年を上回った(前年比4.9%増加)
  • また、人口千人当たりの刑法犯認知件数4については5.9件と、刑法犯認知件数の総数と同様に、戦後最少となった令和3年から3年連続で前年を上回った
  • 認知件数の内訳を見ると、総数に占める割合が大きい窃盗犯が50万1,507件(前年比3.7%増加)と総数の増加に大きく寄与しているほか、風俗犯が1万8,465件(前年比56.8%増加)、凶悪犯が7,034件(前年比22.3%増加)、知能犯が6万1,986件(前年比23.9%増加)とそれぞれ大きく増加している
  • 窃盗犯については、自転車盗(17万4,020件、前年比6.0%増加)及び万引き(9万8,292件、前年比5.5%増加)が大きく増加した。また、金属盗5についても統計をとり始めた令和2年以降増加傾向にあり、令和6年は2万701件(前年比27.2%増加)となった。
  • 近年、組織的・広域的に金属盗や自動車盗、万引きが敢行され、盗品が海外へ不正に輸出されるなどの組織的窃盗・盗品流通事犯が発生しており、例えば、太陽光発電施設内の銅線ケーブルが大量に窃取され、これらの犯罪収益が不法滞在外国人等による匿名・流動型犯罪グループの資金源になっているなど、治安上の大きな課題となっている。
  • また、風俗犯については性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和5年法律第67号。以下「性的姿態撮影等処罰法」という。)違反(8,436件、前年比232.4%増加)及び不同意わいせつ(6,992件、前年比14.7%増加)が、凶悪犯7については不同意性交等(3,936件、前年比45.2%増加)がそれぞれ大きく増加しているところ、これらについては、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和5年法律第66号。以下「改正刑法」という。)及び性的姿態撮影等処罰法により性犯罪に対処するための刑事法が整備されたことや、政府として性犯罪の被害申告・相談をしやすい環境の整備を強力に推進してきたこともあいまって、認知件数が増加したものと推認される。
  • なお、不同意わいせつ及び不同意性交等について、男性被害者の数が増加している(不同意わいせつは363人で前年同期比41.8%増加、不同意性交等は156人で前年同期比56.0%増加)。
  • さらに、知能犯については詐欺が大きく増加している
  • 重要犯罪の認知件数について、令和6年は1万4,614件と、前年比で18.1%増加となった。その内訳を見ると、前記のとおり不同意わいせつ及び不同意性交等が大きく増加しているほか、殺人、略取誘拐及び強盗がいずれも前年比で増加となった。殺人については、被疑者と被害者との関係としてこれまでも大きな割合を占めていた親族間での発生が増加の主な要因となっているほか、略取誘拐については、わいせつ目的の事案及び未成年者を対象とした事案が、強盗については、路上強盗がそれぞれ増加の主な要因となっている。
  • また、SNS等で実行犯を募集する手口による強盗等が関東を中心に相次いで発生しており、こうした事犯についても匿名・流動型犯罪グループの関与が認められる。
  • このような犯罪実行者募集情報に応募した者は、個人情報を握られ、自身や家族への危害のおそれから離脱が困難となる実態があるところ、警察庁は令和6年10月、犯罪実行者募集情報の応募者やその家族等を保護すると呼びかけて警察への相談を促す動画を公開し、12月末までに全国で181件の保護措置を実施した。
  • 街頭犯罪13の認知件数について、令和6年は25万5,247件と、前年比で4.6%増加した。その内訳を見ると、総数に占める割合が大きい自転車盗が前記のとおり大きく増加している。また、侵入犯罪については5万3,568件と、前年比で3.1%減少し、このうち侵入強盗、侵入盗及び住居侵入のいずれも前年比減少となっている。
  • 刑法犯の検挙件数については、検挙件数は28万7,273件、検挙人員は19万1,826人と、共に前年(26万9,550件、18万3,269人)を上回り(それぞれ前年比6.6%、4.7%増加)、刑法犯の検挙率は38.9%と増加した(前年比0.6ポイント増加)。また、重要犯罪の検挙率は86.5%、重要窃盗犯の検挙率は55.7%と、いずれも前年を上回った(それぞれ前年比4.7ポイント、4.3ポイント増加)
  • 人口千人当たりの検挙人員は1.7人と、前年からほぼ横ばいである一方、少年人口千人当たりの少年検挙人員は3.3人と、3年連続で増加となった
  • 刑法犯少年の包括罪種別検挙人員の内訳を見ると、全ての罪種において前年を上回った。このうち、凶悪犯については不同意性交等(286人、前年比49.7%増加)及び強盗(467人、前年比41.9%増加)、粗暴犯については暴行(1,052人、前年比20.2%増加)及び傷害(2,282人、前年比10.9%増加)、窃盗犯についてはオートバイ盗(1,167人、前年比37.6%増加)、自転車盗(2,608人、前年比10.9%増加)及び万引き(4,999人、前年比11.0%増加)、知能犯については詐欺(769人、前年比6.4%増加)、風俗犯については性的姿態撮影等処罰法違反(638人、前年比474.8%増加)の増加がそれぞれの罪種における少年検挙人員の増加に大きく影響している。
  • なお、強盗の少年検挙人員については、手口別にみると路上強盗の増加が強盗全体の検挙人員の増加に大きく影響している。また、年齢別にみると各年齢が増加しているが、特に16・17歳が大きく増加している。
  • 財産犯の被害額については、約4,021億円16と前年比で59.6%増加し、平成元年以来最も高かった平成14年の水準を大きく上回った。その内訳を見ると、詐欺による被害額が約3,075億円と前年比で大きく増加(89.1%増加)している。
  • 詐欺の認知件数について、令和6年は前年比で24.6%増加して5万7,324件となっており、詐欺における一被害当たりの被害額が高額化している実態が認められる。また、詐欺の犯行動機としては、「生活困窮」が占める割合が最も大きく(39.9%)、その割合は増加傾向にある(前年比0.7ポイント増加)。
  • 特殊詐欺の認知件数は2万987件17、被害額は約722億円と、いずれも前年比で増加(それぞれ前年比10.2%、59.4%増加)し、被害額が過去最多となった平成26年を大きく上回るなど、厳しい情勢が続いており、犯行手口別に見るとオレオレ詐欺19の認知件数は6,671件、被害額は約453億円と大きく増加している(それぞれ前年比で68.7%、239.2%増加)。また、SNSを使用した非対面型の投資詐欺やロマンス詐欺(以下「SNS型投資・ロマンス詐欺」という。)20の被害が急増しており、令和6年は1万164件、被害額は約1,268億円と、それぞれ前年比で164.3%、178.6%の増加となった。
  • 特殊詐欺については、事件の背後にいる暴力団や匿名・流動型犯罪グループが、資金の供給、実行犯の周旋、犯行ツールの提供等を行い、犯行の分業化と匿名化を図った上で、組織的に敢行している実態にあるほか、SNS型投資・ロマンス詐欺についても匿名・流動型犯罪グループの関与が認められる。
  • 令和6年における詐欺の検挙件数は1万6,175件(前年比3.0%減少)、検挙人員は9,025人(前年比7.5%減少)と、共に前年を下回った。特殊詐欺の検挙件数21は6,595件(前年比8.6%減少)、検挙人員は2,320人(前年比5.5%減少)となったほか、SNS型投資・ロマンス詐欺の検挙件数22は232件、検挙人員は113人となった。
  • インターネット上には、児童ポルノ等の違法情報、犯罪を誘発するような重要犯罪密接関連情報23や自殺誘引等情報(以下「違法・有害情報」という。)が存在する。
  • 特に、近年SNS上には、重要犯罪密接関連情報のうち、匿名・流動型犯罪グループ等による犯罪の実行者を直接的かつ明示的に誘引等(募集)する情報(犯罪実行者募集情報)が氾濫しており、応募者らにより実際に強盗や特殊詐欺等の犯罪が敢行されるなど、深刻な治安上の脅威となっている。
  • 警察庁では、インターネット利用者等から違法・有害情報に関する通報を受理し、警察への通報、サイト管理者等への削除依頼等を行うインターネット・ホットラインセンター(IHC)を事業委託するとともに、重要犯罪密接関連情報及び自殺誘引等情報を収集し、IHCに通報するサイバーパトロールセンター(CPC)を事業委託している。
  • 令和6年におけるIHCの受理件数のうち、運用ガイドラインに基づいて546,941件を分析した結果、違法情報を66,834件、重要犯罪密接関連情報を14,149件、自殺誘引等情報を6,582件と判断した。
  • 重要犯罪密接関連情報のうち、令和6年中にIHCの運用ガイドラインに基づき犯罪実行者募集情報と判断された情報は13,852件となり、9,234件(削除依頼を行う前に削除されたものを除く。)についてサイト管理者等に削除依頼を行った結果、7,831件が削除に至った。
  • ランサムウェアによるサイバー攻撃の被害は、依然として深刻な状況にある。令和6年6月、出版大手企業のサーバがランサムウェアを含む大規模な攻撃を受け、調査・復旧費用等として20億円を超える損失を計上する見込みであることを発表したほか、令和6年中に警察庁に報告された企業・団体等におけるランサムウェアによる被害件数が222件と、高水準で推移している。
  • 世界中の企業や政府機関等に被害を与えてきたランサムウェアグループ「Phobos」について、日本を含む関係各国の捜査機関が連携して捜査を行い、本年11月、米国FBIがその運営者であるロシア人被疑者を検挙した。この事案ではサイバー特別捜査部が被疑者を独自捜査により特定し、当該情報を関係国捜査機関に提供した。
  • フィッシングはインターネットバンキングに係る不正送金やクレジットカードの不正利用に使われているところ、令和6年におけるフィッシング報告件数は171万8,036件となり、前年比43.6%増加となった。
  • インターネットバンキングに係る不正送金事犯については、令和6年は発生件数が4,207件、被害総額は約82億1,600万円となり、前年からは減少(それぞれ前年比で24.6%、5.9%減少)したものの、依然として高い水準で推移している。また、クレジットカードの不正利用事犯についても、被害額が高水準で推移している(令和6年9月末時点で392.7億円、前年同期比2.4%減少)。インターネットバンキングに係る不正送金事犯やクレジットカードの不正利用事犯の中には、匿名・流動型犯罪グループが関与する事例も確認されている。
  • サイバー事案の検挙件数については、令和6年中は3,609件を検挙しており、前年比で20.2%の増加となった。その内訳を見ると、犯罪収益移転防止法違反30が894件と、大きく増加した(前年比120.7%増加)。
  • また、令和6年における不正アクセス禁止法違反及びコンピュータ・電磁的記録対象犯罪31の検挙件数は、それぞれ564件、1,156件であった(それぞれ前年比8.3%増加、15.6%増加)。
  • なお、近年、SNS上での特定の個人に対する誹謗中傷も社会問題化しており、令和6年中は487件をインターネット上での名誉棄損罪及び侮辱罪で検挙している(前年比11.7%増加)。また、サイバー特別捜査部と連携した捜査の結果、令和6年7月、石川県警察が能登半島地震に関して虚偽の救助要請を投稿した男を偽計業務妨害罪で逮捕した。
  • SNSに起因する事犯の被害児童32数は1,488人(前年比10.6%減少)と、依然として高い水準にある
  • ストーカー事案の相談等件数は19,567件(前年比1.4%減少)と、依然として高い水準で推移している。また、ストーカー事案の検挙件数についても、ストーカー規制法違反の検挙が1,338件、刑法犯等の検挙が1,742件(それぞれ前年比23.8%増加、2.0%増加)と、依然として高い水準で推移している
  • 配偶者からの暴力事案等の相談等件数は増加傾向にあり、令和6年は94,937件と、前年比で7.1%増加し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)の施行以降で最多となった。配偶者からの暴力事案等に関連する刑法犯等の検挙件数については8,423件(前年比2.5%減少)と、依然として高い水準で推移している。
  • 令和6年中に児童虐待又はその疑いがあるとして警察から児童相談所に通告した児童数は122,378人(前年比0.3%減少)と、過去最多であった前年より僅かに減少したが、依然として高い水準で推移している。また、その態様別では、心理的虐待が90,418人と全体の73.9%を占めている。児童虐待事件の検挙件数については、2,649件と、前年比11.1%増加し、過去最多となっており、その態様別では、身体的虐待が2,136件と全体の80.6%を占めている。
  • 前項までに述べたような指標からは捉えられない国民の治安に関する認識を把握するため、令和6年10月、警察庁において「治安に関するアンケート調査」を実施したところ、日本の治安について「よいと思う」旨回答した方は、全体の56.4%を占めた。その一方で、ここ10年間での日本の治安に関し、「悪くなったと思う」旨回答した方は全体の76.6%を占めた。
  • インターネット上の違法・有害情報、特にSNS上に氾濫する犯罪実行者募集情報が深刻な治安上の脅威となっており、令和6年8月以降、SNS等で実行犯を募集する手口による強盗等の凶悪な事件が相次いで発生したほか、SNS型投資・ロマンス詐欺についても認知件数、被害額が共に前年比で著しく増加し、さらにSNSに起因する事犯の被害児童数も高水準で推移しているなど、インターネット上で提供される技術・サービスを犯罪インフラとして活用して実行される犯罪について、極めて厳しい情勢となっている。
  • また、匿名・流動型犯罪グループが深く関与している特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺、インターネットバンキングに係る不正送金事犯、クレジットカードの不正利用事犯の令和6年中の合計被害額が2千億円を超えており、匿名・流動型犯罪グループがこのような犯罪で得た収益を有力な資金源としているほか、犯罪によって獲得した資金を新たな資金獲得活動に充てるといった構造がみられ、治安上の課題となっている。
  • さらに、人身安全関連事案については、ストーカー事案の相談等件数が高水準で推移しているほか、配偶者からの暴力事案等の相談件数は増加傾向が続いており、さらに児童虐待又はその疑いがあるとして警察から児童相談所に通告した児童数が高い水準で推移しているなど、注視すべき状況にある。
  • 以上を踏まえれば、我が国の犯罪情勢は、厳しい状況にあると認められる。
  • 今後の取組
    • 国民の安全・安心を確保するため、警察としては、我が国の社会情勢等が大きく変化している中、警戒の空白が生じることを防ぎ、直面する様々な課題に的確に対処するため、総合的な対策を、引き続き強力に推進する。特に、令和6年8月以降、SNS等で実行犯を募集する手口による強盗事件等が関東を中心に相次いで発生したことを受けて、同年12月、犯罪対策閣僚会議で取りまとめられた「いわゆる「闇バイト」による強盗事件等から国民の生命・財産を守るための緊急対策」(以下「緊急対策」という。)に基づき、一層踏み込んだ対策を迅速かつ的確に講じる。また、これら強盗事件等を含め、匿名・流動型犯罪グループが、その匿名性、流動性を利用して、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺、組織的窃盗・盗品流通事犯、インターネットバンキングに係る不正送金事犯等の現下の治安上の課題となっている事犯に深く関与している実態を踏まえ、これらの事犯の実態解明・取締り等に重点的に取り組むこととし、警察の部門や都道府県警察の垣根を越えて、警察の総力を挙げた戦略的な取組を推進する。
    • 自転車盗等の街頭犯罪や万引きといった身近に存在する犯罪の抑止に向け、それぞれの地域における治安情勢等に応じ、地域社会や関係機関・団体等との連携の下、各種取組を推進する。また、性犯罪に関しては、令和5年6月に公布された改正刑法及び性的姿態撮影等処罰法の内容、趣旨等を踏まえ、被害申告・相談しやすい環境の整備や、被害者の心情に配意した適切な捜査をより一層推進する。さらに、少年犯罪に関しては、街頭補導活動や学校での広報啓発活動、少年の立ち直り支援活動等を通じて、非行少年を生まない社会づくりのための取組を推進する。
    • 詐欺については、手口が急激に巧妙化しつつ多様化する中で、その変化のスピードに立ち後れることなく対処し、国民をその被害から守るため、令和6年6月、犯罪対策閣僚会議において決定された「国民を詐欺から守るための総合対策」及び緊急対策に基づき、詐欺手口の変化に応じ、地方公共団体、民間事業者等の協力を得ながら、各種施策を強力に推進する。また、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺について、その被疑者や犯行拠点の多くは首都圏をはじめとした大都市圏に所在しているものの、全国各地で被害が発生しているという実態を踏まえ、捜査範囲が広域にわたる捜査を全国警察が一体となって効率的に進めるため、令和6年4月、他の都道府県警察から依頼を受けて管轄区域内で行うべき捜査を遂行する「特殊詐欺連合捜査班(TAIT34)」を各都道府県警察に構築したところ、こうした捜査体制を活用し、広域的な捜査連携を強化する。
    • サイバー事案については、SNS等で実行犯を募集する手口による強盗等をはじめとした犯罪の実行者を募集する情報等がSNS上に氾濫していることを踏まえ、AI検索システムを活用したサイバーパトロールを行うなど、インターネット上の違法・有害情報の排除に向けた取組等を推進する。また、ランサムウェア等によるサイバー攻撃等の脅威に対して、令和6年4月に関東管区警察局サイバー特別捜査隊を発展的に改組して設置されたサイバー特別捜査部と都道府県警察とが一体となった捜査、実態解明等に取り組み、外国捜査機関等と連携した対処等を推進するとともに、脅威の深刻化に対応するための捜査・解析能力の高度化や事業者等と連携した被害防止対策を強力に推進する。
    • 人身安全関連事案については、被害が潜在化しやすく、事態が急展開するおそれが大きいという特徴を踏まえ、関係機関と緊密に連携しつつ、被害者等の安全の確保を最優先に、関係法令を駆使した加害者の検挙等による加害行為の防止や被害者等の保護措置等の取組を推進する。
    • これらの犯罪への対処を含め、その時々の情勢の変化に的確に対応するため、所属・部門を超えたリソースの重点化や能率的でメリハリのある組織運営を一層強力に推進することにより、警察機能を最大限に発揮し、国民の期待と信頼に応えていく。

~NEW~
警察庁 令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)
  • 特殊詐欺
    • 令和6年の特殊詐欺の認知件数(以下1(1)において「総認知件数」という。)は20,987件(+1,949件、+10.2%)、被害額(以下1(1)において「被害総額」という。)は721.5億円(+269.0億円、+59.4%)と、前年に比べて総認知件数、被害総額ともに増加。
    • 被害は大都市圏に集中しており、認知件数は東京都3,494件(+576件)、大阪府2,658件(+2件)、神奈川県2,000件(-25件)、埼玉県1,589件(+253件)、愛知県1,461件(+104件)、兵庫県1,442件(+218件)及び千葉県944件(-366件)で、総認知件数に占めるこれら7都府県の合計認知件数の割合は64.7%(-2.6ポイント)。
    • 1日当たりの被害額は1億9,714万円(+7,315万円、+59.0%)。
    • 既遂1件当たりの被害額は352.5万円(+108.8万円、+44.6%)。
    • オレオレ詐欺、預貯金詐欺及びキャッシュカード詐欺盗(以下3類型を合わせて「オレオレ型特殊詐欺」という。)の認知件数は10,303件(+1,377件、+15.4%)、被害額は492.6億円(+290.8億円、+144.1%)で、総認知件数に占める割合は49.1%(+2.2ポイント)。
    • オレオレ詐欺は、認知件数6,671件(+2,716件、+68.7%)、被害額452.8億円(+319.3億円、+239.2%)と、認知件数、被害額ともに増加し、総認知件数に占める割合は31.8%(+11.0ポイント)、被害総額に占める割合は62.8%(+33.3ポイント)。
  • 形態(文言)別では、「その他の名目」の認知件数が4,192件(+3,174件、+311.8%)と大幅に増加しており、警察官等をかたり、捜査(優先調査)名目で現金等をだまし取る手口による被害が顕著。
    • 預貯金詐欺は、認知件数2,256件(-498件、-18.1%)、被害額22.7億円(-15.7億円、-40.9%)と、いずれも減少し、総認知件数に占める割合は10.7%(-3.7ポイント)。
    • キャッシュカード詐欺盗は、認知件数1,376件(-841件、-37.9%)、被害額17.1億円(-12.8億円、-42.8%)と、いずれも減少し、総認知件数に占める割合は6.6%(-5.1ポイント)。
    • 架空料金請求詐欺は、認知件数5,492件(+294件、+5.7%)、被害額131.9億円(-8.5億円、-6.1%)と、認知件数は増加、被害額は減少し、総認知件数に占める割合は26.2%(-1.1ポイント)。パソコンのウイルス除去をサポートするなどの名目で電子マネー等をだまし取る「サポート名目」は、認知件数1,506件(-663件、-30.6%)と減少し、被害額は11.9億円で、架空料金請求詐欺の認知件数に占める割合は27.4%(-14.3ポイント)。「その他の名目」は、認知件数2,146件(+1,179件、+121.9%)と増加しており、副業を名目とした手口による被害が顕著。
    • 還付金詐欺は、認知件数4,066件(-119件、-2.8%)、被害額64.7億円(+13.3億円、+26.0%)と、認知件数は減少したものの、被害額は増加し、総認知件数に占める割合は19.4%(-2.6ポイント)
    • 振込型の認知件数は11,048件(+4,552件、+70.1%)、被害額431.4億円(+236.2億円、+121.0%)と、いずれも増加し、総認知件数に占める割合は52.6%(+18.5ポイント)。被害総額に占める割合は59.8%(+16.7ポイント)。
    • 被害額が500万円以上の振込型(認知件数1,688件、被害額314.4億円)におけるインターネットバンキング利用の認知件数は1,023件、被害額は211.7億円で、被害額500万円以上の振込型全体に占める割合は、認知件数が60.6%、被害額は67.3%。
    • キャッシュカード手交型の認知件数は2,419件(-616件、-20.3%)、被害額は29.3億円(-18.5億円、-38.8%)と、いずれも減少。また、キャッシュカード窃取型の認知件数は1,376件(-841件、-37.9%)、被害額は17.1億円(-12.8億円、-42.8%)と、いずれも減少。両交付形態を合わせた認知件数の総認知件数に占める割合は18.1%(-9.5ポイント)。
    • 現金手交型の認知件数は3,221件(-200件、-5.8%)、被害額は140.3億円(+38.9億円、+38.4%)と、認知件数は減少したものの、被害額は増加し、総認知件数に占める割合は15.3%(-2.6ポイント)。
    • 現金送付型の認知件数は414件(-24件、-5.5%)、被害額は43.6億円(-5.9億円、-11.9%)と、いずれも減少し、総認知件数に占める割合は2.0%(-0.3ポイント)。
    • 電子マネー型の認知件数は2,279件(-1,091件、-32.4%)、被害額は18.4億円(-3.0億円、-14.1%)と、いずれも減少し、総認知件数に占める割合は10.9%(-6.8ポイント)。
    • 高齢者(65歳以上)被害の認知件数は13,707件(-1,188件、-8.0%)で、法人被害を除いた総認知件数に占める割合は65.4%(-13.0ポイント)。65歳以上の高齢女性の被害認知件数は9,241件で、法人被害を除いた総認知件数に占める割合は44.1%(-12.0ポイント)。
    • 被害者を欺罔する手段として犯行の最初に用いられたツールは、電話79.1%、メール・メッセージ※49.7%、ポップアップ表示※58.9%、はがき・封書等62.3%と、電話による欺罔が8割近くを占めている。
    • 主な手口別では、オレオレ型特殊詐欺及び還付金詐欺では電話が99%を超える。架空料金請求詐欺では電話が37.4%、ポップアップ表示が31.7%、メール・メッセージが25.9%。
    • 警察が把握した、電話の相手方に対して、住所や氏名、資産、利用金融機関等を探るなどの特殊詐欺が疑われる電話(予兆電話)の件数は192,686件(+60,818件、+46.1%)で、月平均は16,057件(+5,068件、+46.1%)と増加。
    • 都道府県別では、東京都が35,715件と最も多く、次いで埼玉県17,561件、愛知県13,016件、大阪府11,838件、千葉県11,000件、兵庫県9,004件、神奈川県7,698件の順となっており、予兆電話の総件数に占めるこれら7都府県の合計件数の割合は54.9%
  • SNS型投資・ロマンス詐欺
    • 令和6年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数(以下1(2)において「総認知件数」という。)は10,164件(+6,318件、+164.3%)、被害額は1,268.0億円(+812.8億円、+178.6%)と、前年に比べて認知件数、被害額ともに著しく増加。
    • 都道府県別の認知件数では、大阪府が1,016件(+597件)と最も多く、次いで兵庫県913件(+528件)、東京都871件(+532件)、愛知県675件(+405件)、福岡県663件(+476件)、神奈川県537件(+349件)、広島県345件(+217件)の順で、総認知件数に占めるこれら7都府県の合計認知件数の割合は49.4%(-0.4ポイント)となっており、特殊詐欺に比べると大都市圏に集中していない。
    • 1日当たりの被害額は3億4,644万円(+2億2,174万円、+177.8%)。
    • 既遂1件当たりの被害額は1,247.9万円(+64.4万円、+5.4%)。
  • SNS型投資詐欺
    • 令和6年のSNS型投資詐欺の認知件数は6,380件(+4,109件、+180.9%)、被害額は871.0億円(+593.1億円、+213.4%)と認知件数、被害額ともに前年から大きく増加しており、特に被害額については前年の約3倍に上る。
    • 被害額の分布は、500万円以下が3,185件(+2,054件、+181.6%)、1千万円以下が1,076件(+680件、+171.7%)、2千万円以下が978件(+607件、+163.6%)、5千万円以下が795件(+513件、+181.9%)、1億円以下が252件(+187件、+287.7%)、1億円超が94件(+68件、+261.5%)。
    • 500万円以下の件数の割合が全体の49.9%を占めるが、500万円超の合計被害額が812.7億円と、全体の被害額の93.3%を占めており、被害の高額化が顕著。
    • 既遂1件当たりの被害額は1,365.4万円(+141.7万円、+11.6%)。
    • 被害金の主たる交付形態は、振込が5,485件(86.0%)、暗号資産が751件(11.8%)と振込が9割近くを占めている。
    • 振込のうち、インターネットバンキング利用の認知件数は3,487件、被害額は558.4億円で、振込全体に占める割合は、認知件数が63.6%、被害額が73.4%。
    • 被害者の性別は、男性が3,552人、女性が2,823人と、男性が女性を11.4%上回っている。
    • 被害者の年齢層は、男性、女性ともに40代~70代が多数を占め、幅広い年代に被害が及んでいる。
    • 当初接触ツールは、インスタグラムが1,470件(23.0%)、LINEが1,118件(17.5%)、フェイスブックが990件(15.5%)と、これらのツールで全体の半数以上を占める。
    • 男性では、フェイスブックが680件(19.1%)、LINEが646件(18.2%)、インスタグラムが594件(16.7%)、女性では、インスタグラムが875件(31.0%)、LINEが471件(16.7%)、フェイスブックが308件(10.9%)と、男女ともにこれらのツールが半数以上を占める。
    • TikTokが6月以降増加している傾向。
    • 被害時の連絡ツールは、LINEが5,791件(90.8%)で9割を占める。
    • 当初の接触手段は、バナー等広告が2,861件(44.8%)、ダイレクトメッセージが2,036件(31.9%)と、これらが全体の8割近くを占める。
    • バナー等広告のツール別内訳は、インスタグラムが781件(27.3%)、フェイスブックが468件(16.4%)、投資のサイトが412件(14.4%)と、これらのツールが半数以上を占める。
    • ダイレクトメッセージのツール別内訳は、インスタグラムが524件(25.7%)、フェイスブックが423件(20.8%)、LINEが298件(14.6%)と、これらのツールが半数以上を占める。
    • 投資家や著名人になりすました「偽広告」等を含むバナー等広告については、令和6年4月まで急増したものの、同年5月以降減少に転じており、同年7月以降はダイレクトメッセージがバナー等広告を上回っている。
    • 被疑者が詐称した身分(地域)は、日本(国内)が4,989件(78.2%)。
    • 被疑者が詐称した職業は、投資家が2,181件(34.2%)、その他著名人740件(11.6%)、会社員327件(5.1%)。
  • SNS型ロマンス詐欺
    • 令和6年のSNS型ロマンス詐欺の認知件数は3,784件(+2,209件、+140.3%)、被害額は397.0億円(+219.7億円、+123.9%)と、認知件数、被害額ともに前年から大きく増加しており、前年の約2倍に上る。
    • 金銭等の要求名目のうち、「投資名目」の認知件数は2,744件(72.5%)、被害額は336.4億円(84.7%)と、認知件数、被害額ともに全体の7割以上を占める。
    • 被害額の分布は、500万円以下が2,034件(+1,218件、+149.3%)、1千万円以下が658件(+367件、+126.1%)、2千万円以下が583件(+344件、+143.9%)、5千万円以下は378件(+213件、+129.1%)、1億円以下は95件(+45件、+90.0%)、1億円超が36件(+22件、+157.1%)。
    • 500万円以下の件数の割合が53.8%を占めるが、500万円超の合計被害額が361.3億円と、全体の被害額の91.0%を占めており、被害の高額化が顕著。
    • 既遂1件当たりの被害額は1,049.7万円(-75.8万円、-6.7%)
    • 被害金の主たる交付形態は、振込が2,802件(74.0%)、暗号資産が772件(20.4%)と振込が7割以上を占める。
    • 振込のうち、インターネットバンキング利用の認知件数は1,416件、被害額は212.4億円で、振込の全体に占める割合は認知件数が50.5%、被害額が68.8%。
    • 被害者の性別は、男性が2,384人、女性が1,400人と、男性が女性を26.0%上回っている。
    • 被害者の年齢層は、男女ともに、40代~60代が多数を占め、幅広い年代に被害が及んでいる。
    • 当初接触ツールは、マッチングアプリが1,323件(35.0%)、インスタグラムが849件(22.4%)、フェイスブックが776件(20.5%)とこれらのツールで全体の8割近くを占める。
    • 男性の上位では、マッチングアプリが837件(35.1%)、フェイスブックが542件(22.7%)、インスタグラムが400件(16.8%)、女性の上位では、マッチングアプリが486件(34.7%)、インスタグラムが449件(32.1%)、フェイスブックが234件(16.7%)と、男女ともにこれらのツールで7割以上を占める。
    • 被害時の連絡ツールは、LINEが3,561件(94.1%)で9割以上を占める。
    • 当初の接触手段は、ダイレクトメッセージが最多となっており、3,200件(84.6%)と全体の8割以上を占めている。
    • ダイレクトメッセージのツール別内訳は、マッチングアプリが1,030件(32.2%)、インスタグラムが798件(24.9%)、フェイスブックが698件(21.8%)と、これらのツールが全体の8割近くを占める。
    • 被疑者が詐称した身分(地域)は、日本(国内)が2,039件(53.9%)とSNS型ロマンス詐欺の認知件数の半数を占める一方、東アジア、日本(国外)、北米等の海外の地域も認められる。
    • 被疑者が詐称した職業は、投資家425件(11.2%)、会社員420件(11.1%)、会社役員263件(7.0%)のほか、芸術・芸能関係や医療関係等様々なものがみられる。
  • 検挙状況:特殊詐欺
    • 令和6年の特殊詐欺の検挙件数は6,595件(-617件、-8.6%)、検挙人員(以下「総検挙人員」という。)は2,320人(-135人、-5.5%)と、いずれも減少。
    • 手口別では、オレオレ詐欺の検挙件数は1,775件(-351件、-16.5%)、検挙人員は910人(-63人、-6.5%)と、いずれも減少。架空料金請求詐欺の検挙件数は538件(+204件、+61.1%)、検挙人員は279人(+107人、+62.2%)と、いずれも増加。
    • 中枢被疑者の検挙人員は58人(+9人、+18.4%)で、総検挙人員に占める割合は2.5%(+0.5ポイント)。
    • 受け子や出し子、それらの見張り役の検挙人員は1,691人(-165人、-8.9%)で、総検挙人員に占める割合は72.9%(-2.7ポイント)。
    • このほか、特殊詐欺に由来する犯罪収益を隠匿又は収受した組織的犯罪処罰法違反で606件(+250件、+70.2%)、240人(+113人、+89.0%)を検挙。
    • また、預貯金口座や携帯電話の不正な売買等の特殊詐欺を助長する犯罪で4,926件(+1,063件、+27.5%)、3,493人(+675人、+24.0%)を検挙。
    • 暴力団構成員等※10の検挙人員は403人(-36人、-8.2%)で、総検挙人員に占める割合は17.4%(-0.5ポイント)。
    • 暴力団構成員等の検挙人員のうち、中枢被疑者は20人(-6人、-23.1%)であり、出し子・受け子等の指示役は12人(-7人、-36.8%)、リクルーターは45人(-29人、-39.2%)。また、中枢被疑者の検挙人員(58人)に占める暴力団構成員等の割合は34.5%(-18.6ポイント)と、依然として暴力団が主導的な立場で特殊詐欺に深く関与している実態がうかがわれる。
    • このほか、現金回収・運搬役として33人(-9人、-21.4%)、道具調達役として6人(±0人、±0%)を検挙。
    • 少年の検挙人員は425人(-6人、-1.4%)で、総検挙人員に占める割合は18.3%(+0.8ポイント)。
    • 少年の検挙人員のうち、受け子は288人(-22人、-7.1%)で少年の検挙人員の67.8%(-4.2ポイント)を占める。また、受け子の検挙人員(1,409人)に占める少年の割合は20.4%(+0.6ポイント)と、受け子の5人に1人が少年。
    • 外国人の検挙人員は134人(+12人、+9.8%)で、総検挙人員に占める割合は5.8%(+0.8ポイント)。
    • 外国人の検挙人員のうち、受け子は76人(+10人、+15.2%)、出し子27人(-2人、-6.9%)で、外国人の検挙人員に占める割合は、それぞれ56.7%、20.1%を占める。
    • 国籍別では、中国40人(29.9%)、ベトナム34人(25.4%)、韓国18人(13.4%)、マレーシア13人(9.7%)、ペルー8人(6.0%)、フィリピン7人(5.2%)、ブラジル6人(4.5%)、タイ3人(2.2%)、その他5人(3.7%)。
    • 令和6年中に特殊詐欺の受け子等として検挙した被疑者2,229人のうち、受け子等になった経緯は、SNSから応募が952人(調査対象全体の42.7%)で、4割を占めている。
  • 検挙状況:SNS型投資・ロマンス詐欺
    • 令和6年のSNS型投資・ロマンス詐欺の検挙件数は232件、検挙人員は113人(出し子31人、受け子17人、単独犯23人、リクルーター2人、現金回収・運搬役2人、道具調達12人、出し子・受け子・見張りの指示役2人、出し子・受け子の見張り役2人、打ち子1人、その他21人)。
    • 手口別では、SNS型投資詐欺の検挙件数は115件、検挙人員は50人で、SNS型ロマンス詐欺の検挙件数は117件、検挙人員は63人。
    • 検挙人員のうち、暴力団構成員等は3人(リクルーター1人、出し子2人)、少年は1人(受け子)、外国人は26人(受け子9人、出し子6人、現金回収・運搬役1人、道具調達3人、出し子・受け子・見張りの指示役2人、出し子・受け子の見張り役1人、その他4人)。
    • 外国人の国籍別では、中国17人、ナイジェリア2人、ベトナム2人、フィリピン2人、カンボジア1人、マレーシア1人、韓国1人。
  • 架け場等の摘発状況
    • 犯行グループが欺罔電話をかけたり、架空の人物になりすましてメール等を送信したりする架け場等の犯行拠点について、令和6年中、国内では29箇所を摘発(+14箇所)。
    • また、海外拠点を外国当局が摘発し、日本に移送等して検挙した人数については、同年中50人(-19人)となっている。
  • 特殊詐欺連合捜査班(TAIT)の運用状況
    • 令和6年4月、特殊詐欺事件及びSNS型投資・ロマンス詐欺事件の捜査を、全国警察が一体となって迅速かつ効果的に推進するため、他の都道府県警察からの捜査共助依頼を受理する体制として、全ての都道府県警察に「特殊詐欺連合捜査班(TAIT(タイト):Telecom scam Alianced Investigation Team)」を構築し、運用を開始した。
    • 同月から同年12月末までに、3,567件の捜査共助依頼が行われ、TAITは、捜査共助依頼を行った都道府県警察とも連携し、被疑者の特定に向けた捜査等の各種捜査を推進した。同年12月末までに、TAITを活用した特殊詐欺事件等の検挙は322件であった。
    • (検挙事件)
      • 神奈川県警察のTAITが特殊詐欺事件の共助依頼を受けて、新横浜駅で捜査を行っていたところ、共助依頼に係る被疑者が駅構内に入り、関西方面に向かう新幹線に乗車する状況を確認。新幹線沿線の各府県警察のTAITに手配したところ、愛知県警察のTAITが名古屋駅で降車した被疑者を確保。別の特殊詐欺事件の指名手配被疑者として逮捕
  • 金融機関やコンビニエンスストア等と連携した被害の未然阻止
    • 金融機関の窓口において高齢者が高額の払戻しを認知した際に警察に通報するよう促したり、コンビニエンスストアにおいて高額又は大量の電子マネー購入希望者等に対する声掛けを働き掛けたりするなど、金融機関やコンビニエンスストア等との連携による特殊詐欺予防対策を強化。この結果、関係事業者において、19,967件(-2,379件、-10.6%)、91.9億円(+20.2億円、+28.2%)の被害を阻止(阻止率12 49.4%、-5.2ポイント)。
    • 金融機関と連携し、一定年数以上にわたってATMでの振込実績がない高齢者のATM振込限度額をゼロ円又は極めて少額とする取組(ATM振込制限、令和6年12月末現在、47都道府県、414金融機関)及び高齢者のATM引出限度額を少額とする取組(ATM引出制限、令和6年12月末現在、43都道府県、281金融機関)を推進。
  • 犯行に利用されたSNSアカウントの利用停止等
    • 令和6年9月から、警察からLINEヤフー株式会社(以下「LY社」という。)に対して、警察が認知したSNS型投資・ロマンス詐欺及び特殊詐欺において犯行に利用されたLINEアカウントの利用停止や削除等を促すための情報提供を行う仕組みの運用を開始。同月から同年12月末までに、LY社に情報提供したアカウントは5,446件であった(SNS型投資・ロマンス詐欺2,884件、特殊詐欺2,562件)。
    • 令和6年10月から、警察からMeta Platforms,Inc(以下「Meta社」という。)に対して、警察が認知したSNS型投資・ロマンス詐欺及び特殊詐欺において犯行に利用されたFacebookアカウント及びInstagramアカウントの削除等を促すための情報提供を行う仕組みの運用を開始。同月から同年12月末までに、Meta社に情報提供したアカウントは148件であった(SNS型投資・ロマンス詐欺134件、特殊詐欺14件)。
  • 犯行に利用された電話番号の利用停止等
    • 主要な電気通信事業者に対し、犯行に利用された固定電話番号等の利用停止及び新たな固定電話番号の提供拒否を要請する取組を推進。令和6年中は固定電話番号1,246件、050IP電話番号2,078件が利用停止され、新たな固定電話番号等の提供拒否要請を14件実施。
    • 悪質な電話転送サービス事業者が保有する「在庫番号」を一括利用停止する仕組みにより、令和6年中は新規番号の提供拒否対象契約者等が保有する固定電話番号等の利用停止等要請を10事業者に行い、在庫番号10,126番号を利用停止。
    • 犯行に利用された携帯電話(仮想移動体通信事業者(MVNO)が提供する携帯電話を含む。)について、携帯電話事業者に対して役務提供拒否に係る情報提供を推進(1,009件の情報提供を実施)
  • 組織的な詐欺に対する各国との連携強化
    • 令和5年12月のG7茨城水戸内務・安全担当大臣会合等により、国境を越える組織的詐欺と闘う国際的な機運が高まる中、令和6年9月には、我が国において、各国の治安機関等の実務者が議論する国際詐欺会議を開催した。
    • 各国の政府、国際機関等が把握する最新の脅威情報・取組状況、検挙事例を踏まえた着眼点・教訓等を共有し、参加国等の発表を踏まえつつ、海外拠点の摘発等に係る国際捜査協力、各国の詐欺対策について、実務的な議論等を行った。
    • 参加国等[16カ国・3機関]オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、フィジー、ドイツ、インドネシア、イタリア、ニュージーランド、ナイジェリア、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、英国、米国及びベトナムASEANAPOL、国際刑事警察機構(INTERPOL)及び国連薬物・犯罪事務所(UNODC)

~NEW~
消費者庁 「タスク副業」で報酬が支払われるとうたい、実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起
  • 「タスク副業」で報酬が支払われるとうたい、実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起を行いました。
  • 詳細
    • 遅くとも令和6年1月以降、スマートフォンで見ていたSNSに表示された副業に関する広告をきっかけに、「動画をスクリーンショットした画像を送れば報酬がもらえる」とうたう副業に勧誘された後、Telegram等のアプリを使用して、参加費用を支払うタスク副業に誘導された上、作業ミスなどの名目で高額の追加送金をしてしまったなどという相談が、各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。
    • 消費者庁が調査を行ったところ、Telegram等上で、「椿美」等のアカウントを使用していた事業者が、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(消費者を欺く行為)を行っていたことを確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。
    • また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
▼ 「タスク副業」で報酬が支払われるとうたい、実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起

~NEW~
消費者庁 令和6年度第5回消費生活意識調査結果について
  • 「『消費者教育』を受けた機会」について
    • 消費生活や消費者問題に関する「消費者教育」を受けたことがあると回答した人(821人)に「消費者教育」を受けた機会について聞いたところ、「学校(小・中・高校等)の授業」と回答した人の割合は34.6%と最も高く、次いで「職場での研修等」が23.9%、「地方自治体が行う講座・講演会」が16.7%となった。
  • 「消費生活に関する知識」について
    • 消費生活に関する知識の正誤問題(全7問)について、完全正答率(以下「正答率」という。)の全設問の平均は39.2%であった。設問ごとの正答率をみると、最も基本的な知識の一つである「契約の成立時期」については全体では33.5%だったところ、15~17歳は50.9%、18~19歳は47.5%と全体より高かった。なお、全設問の正答率の平均を年代別にみると、20歳代が31.6%と最も低かった。
  • 「過去1年間に実際に遭った消費者トラブルの内容」について
    • 過去1年間に実際に消費者トラブルに遭ったことがあると回答した人20.4%(1,018人)について、具体的なトラブルの内容として、「商品の機能・品質やサービスの質が期待より大きく劣っていた」と回答した人の割合が42.6%と最も高くなった。次いで「表示・広告と実際の商品・サービスの内容が大きく違っていた」と回答した人の割合が26.3%、「けが、病気をするなど、安全性や衛生面に問題があった」が22.4%となった。
  • 「消費者トラブルに遭った際の相談先」について
    • 消費者トラブルに遭ったと回答した人(1,018人)のうち、どこ(誰)かに相談した人72.5%(738人)について、相談先は、「地方自治体の消費生活センター・相談窓口」と回答した人の割合が31.8%と最も高く、次いで「国民生活センター」が25.2%、「商品・サービスの勧誘や販売を行う販売店や代理店等」が24.8%となった。
  • 「オンラインショッピングで思っていたものと違う商品が届いた時の対応」について
    • オンラインショッピングで思っていたものと違う商品が届いたことがあると回答した人45.7%(2,284人)について、「すぐに販売者に連絡を取り交換・返品を求めた」と回答した人の割合は45.2%となっており、次いで「インターネット通販サイト事業者に連絡を取り交換・返品を求めた」が35.1%となった。また、交換・返品を求める等の行動をしたことがある人の割合は67.4%3であった。
  • 「消費者として心がけている行動」について
    • 消費者として心がけている(「心がけている」と「ある程度心がけている」のいずれか)と回答した行動について、「商品やサービスの購入・契約をする際は、表示や説明を十分確認する」が最も多く84.3%となっていた。次いで「個人情報の管理について理解し、適切な行動をとる」が77.3%となった。

~NEW~
消費者庁 電話勧誘販売業者【株式会社Myself】に対する行政処分について
  • 近畿経済産業局が特定商取引法に基づく行政処分を実施しましたので公表します。
  • 詳細
    • 近畿経済産業局は、起業、物販ビジネス及び不動産投資のノウハウの教示に係る動画コンテンツ及びサポートサービスに係る役務の提供を行う電話勧誘販売業者である株式会社Myself(本店所在地:大阪府大阪市)(以下「Myself」といいます。)(注)に対し、令和7年2月6日、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」といいます。)第23条第1項の規定に基づき、令和7年2月7日から同年8月6日までの6か月間、電話勧誘販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。
      • (注)同名の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください。
    • あわせて、近畿経済産業局は、Myselfに対し、特定商取引法第22条第1項の規定に基づき、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなどを指示しました。
    • また、近畿経済産業局は、Myselfの代表取締役である森貞仁(もり さだまさ)に対し、特定商取引法第23条の2第1項の規定に基づき、令和7年2月7日から同年8月6日までの6か月間、Myselfに対して前記業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を命じました。
    • なお、本処分は、特定商取引法第69条第3項の規定に基づき、消費者庁長官の権限委任を受けた近畿経済産業局長が実施したものです。

~NEW~
経済産業省 国内初!レベル4自動運転の中型バス「ひたちBRT自動運転バス」の運行サービスが開始されました
  • 経済産業省と国土交通省で取り組んでいる茨城県日立市でのレベル4自動運転※の実証事業において、必要な全ての許認可を取得し、本日より営業運行を開始しました。また、これに先立ち、2月2日に国と日立市で出発式を開催しました。
    • ※特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
  • レベル4自動運転による中型バスの営業運行開始について
    • 2021年度より経済産業省と国土交通省が共同で進めてきた「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト」にて、自動運転移動サービスの実現に向けた実証実験を実施しており、茨城県日立市の「ひたちBRT」での取組において、2025年1月24日までに必要な許認可を取得し、レベル4での営業運行が可能となりました。
    • これを受け、ひたちBRTを運行する茨城交通株式会社によるレベル4でのサービスを、本日から開始しました。路線バスで多く使用される中型バス車両では、国内初のレベル4での営業運行となります。
    • 運行スケジュールはこちらを御覧ください。
  • ひたちBRTレベル4自動運転移動サービス出発式について
    • 2025年2月2日、加藤経済産業大臣政務官、小川日立市長らの出席の下、ひたちBRT自動運転移動サービス出発式を開催しました。
    • 当日は、日立市民の方々によるレベル4自動運転バスの試乗会も行いました。この自動運転バスが、地域に根付いた新たなモビリティサービスのモデルとなることが期待されます。

~NEW~
経済産業省 「新市場創造型標準化制度」を活用したJIS開発案件を決定しました
  • 経済産業省は、JISC 注1の審議結果を受け、長崎県と新潟県の中小企業から提案のあったJIS開発におけるテーマについて、「新市場創造型標準化制度 注2」の活用を新たに2件決定しました。
  • こうした中小企業を始めとする特定企業が保有する先端技術の標準化などの取組を通じて、新たな市場の創出と、ユーザーの利便性向上を達成します。
    • 注1 日本産業標準調査会:産業標準化法に基づき、経済産業省に設置されている審議会
    • 注2 新市場創造型標準化制度:従来の標準化プロセスでは、推進することが難しい、複数の関係団体にまたがる技術・サービスや特定企業が保有する先端技術等に関する標準化を後押しする制度。制度概要は、こちらをご参照ください。
  • 概要
    • 標準化は、新しい技術や優れた製品を速やかに普及させるためのツールであり、事業戦略を練る際に欠かせない存在です。
    • 今般、JISC標準第一部会において、以下のテーマについて、「新市場創造型標準化制度」を用いた標準化の活用可能性を審議し、適切であると認められました。
      • 「新市場創造型標準化制度」の活用が決定されたテーマ
        1. 樹脂製亀甲形網の引張試験方法に関するJIS開発(樹脂でできた亀の甲のように六角形が上下左右に並んだ網の引張強さの評価が可能に)株式会社粕谷製網【長崎県】(標準化活用支援パートナー機関 注3):長崎県工業技術センター)
        2. 塗膜の深さ方向強度分布試験方法-スラリー投射試験に関するJIS開発(多層からなる塗膜について高精度な耐久性評価が可能に)株式会社パルメソ【新潟県】
          • 注3 標準化活用支援パートナー機関:中小企業等の規格開発をサポートする経済産業省の制度「標準化活用支援パートナーシップ制度」において登録を受けた機関であり、標準化支援を行う日本規格協会と連携しながら、中小企業等を支援する。各地域に根差して活動を展開し、中小企業等にとって身近である、自治体・産業振興機関、地域金融機関、大学・公的研究機関等、計190機関(2024年12月時点)が登録されている。制度概要及び機関一覧は、こちらをご参照ください。
  • 今後のスケジュール
    • JISの作成に向けて、消費者も含めた利害関係者のコンセンサスを得るべく、原案作成委員会を設置し、JIS原案の作成が進められることになります。
    • 原案作成委員会で作成されたJIS原案について、JISCでの審議等所要の手続きを経て、その内容が適切であると認められれば、JISとなります。

~NEW~
国土交通省 「第4回ドローンサミット」を愛知県で開催!~自治体の取組の発信、自治体間の連携強化により、ドローンの社会実装を進めます~
  • 国土交通省は、経済産業省及び愛知県庁と共同で、令和7年9月24日・25日に、愛知県において「第4回ドローンサミット」を開催します。展示会やデモフライト、自治体間のパネルディスカッション等を通じて、ドローン等の社会実装をより一層加速することを目指します。
  • 令和4年12月に有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(レベル4飛行)を可能とする制度が施行され、令和6年1月に発生した能登半島地震では発災直後から被災地にてドローンが活用されるなど、今後もドローンの活用範囲の更なる拡大が見込まれます。
  • ドローンの社会実装には、制度整備に加え、持続可能なビジネスモデルの形成や社会受容性の向上が重要であり、各地で実証実験を主導する自治体の役割にも大きな期待が寄せられています。優れた自治体の取組を全国に発信することで、自治体間の連携を強化し、実証実験のより一層の加速、更にはその先の社会実装につなげることを目的に、国と自治体で連携して「ドローンサミット」を開催します。
  • 第4回ドローンサミットの開催地は愛知県です。愛知県は、自動車、航空・宇宙産業をはじめ、国内屈指の産業集積地となっている強みを生かして、幅広い企業の出展などが見込まれ、ドローンを含めた次世代航空モビリティの社会実装や産業化の加速が期待されることから、第4回ドローンサミットの開催地となりました。
  • 開催日時:令和7年9月24日(水)~25日(木)
  • 開催場所:ポートメッセなごや第1展示館
  • プログラム:
    • シンポジウム(ドローン等の活用に取り組む自治体や事業者によるパネルディスカッション等)
    • 展示会 (自治体の取組紹介や関連事業者の製品技術PR)
    • ドローン等のデモフライト
    • 商談イベント(※同時開催される「エアロマート名古屋2025」と連携)

~NEW~
国土交通省 航空従事者に対する航空法に基づく行政処分について
  • 航空従事者2名に対して、航空法第30条に基づく行政処分を行いました。
  • 操縦士A
    • 事案の概要
      • 令和6年12月1日、操縦士Aは機長として乗務予定であったところ、運航規程において、『飛行勤務開始時に酒気帯びとならないよう飛行勤務開始12時間前に体内に残存するアルコール量を4ドリンク相当以下に自己を制限すること。』と規定されていることを認識していたにもかかわらず、これを大きく超過する過度な飲酒を行った。
      • 操縦士Aは、飲酒に関する自己管理や相互確認等に関する教育、緊急安全討議等が実施されていたにもかかわらず、乗務前日に過度な飲酒を行った。
      • さらに、操縦士Aは、機長として運航乗務員の健康状態を確認する責務を有する立場であるにもかかわらず、前日の過度な飲酒の影響を受けている自身や副機長の身体の状態について運航管理者等への報告を行わず、加えて、乗務前日の飲酒量の過少申告について副機長に口裏合わせを働きかけ、到着後の会社からの聞き取りに対して虚偽の説明を行い、乗務前日の過度な飲酒の事実の隠ぺいを図った。
      • 操縦士Aの行為は、航空法第30条第2号に規定する航空従事者としての職務を行うに当たっての非行に該当するものである。
    • 処分内容
      • 操縦士Aに対して、180日間の航空業務停止(行政処分)
  • 操縦士B
    • 事案の概要
      • 令和6年12月1日、操縦士Bは副機長として乗務予定であったところ、運航規程において、『飛行勤務開始時に酒気帯びとならないよう飛行勤務開始12時間前に体内に残存するアルコール量を4ドリンク相当以下に自己を制限すること。』と規定されていることを認識していたにもかかわらず、これを大きく超過する過度な飲酒を行った。
      • また、操縦士Bは、飛行勤務開始時点において、自主的な検査でアルコールが検知されており、また、その後においても前日の過度な飲酒の影響を受けている自身の身体の状況について運航管理者等への報告を行うことなく、アルコールが検知されなくなるまで検査を繰り返し、その間、飛行勤務に必要な運航情報の確認等を行った。これらは、運航規程の、『乗員は、飛行勤務開始前12時間以内に飲酒を行った場合またはそれ以前であっても飛行勤務開始時に酒気帯び状態となるおそれがある過度な飲酒を行った場合は飛行勤務を行ってはならない。』ことに違反する行為であった。
      • 操縦士Bは、飲酒に関する自己管理や相互確認等に関する教育、緊急安全討議等が実施されていたにもかかわらず、乗務前日に過度な飲酒を行った。加えて、操縦士Bは過去に飲酒に起因するアルコール事案を発生させており、飲酒に関する自己管理の徹底が求められている状況にありながら、乗務前日に過度な飲酒を行った。
      • さらに、操縦士Bは、乗務前日の飲酒量の過少申告に関する機長からの口裏合わせに応じ、到着後の会社からの聞き取りに対して虚偽の説明を行い、乗務前日の過度な飲酒の事実の隠ぺいを図った。
      • 操縦士Bの行為は、航空法第30条第2号に規定する航空従事者としての職務を行うに当たっての非行に該当するものである。
    • 処分内容
      • 操縦士Bに対して、210日間の航空業務停止(行政処分)

~NEW~
国土交通省 「道路法等の一部を改正する法律案」を閣議決定~安全かつ円滑な道路交通の確保と道路分野の脱炭素化の推進に向けて~
  • 昨年1月に発生した令和6年能登半島地震や、市町村の技術系職員の減少、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、平時からの備えと有事における初動対応の充実、インフラ管理の担い手不足への対応、道路分野の脱炭素化の推進を図るための「道路法等の一部を改正する法律案」が、本日閣議決定されました。
  • 背景
    • 昨年1月に発生した令和6年能登半島地震においては、発災時における道路啓開の強化や平時からの防災活動拠点の整備、トイレコンテナ等の配備の充実の重要性が明らかになりました。また、橋、トンネル等の老朽化が進む中、担い手となる市町村の技術系職員の減少により、持続可能なインフラ管理が課題となっています。加えて、気候変動に伴い自然災害が激甚化・頻発化する中、道路分野の脱炭素化の推進が急務となっています。
  • 概要
    • 令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の深化
      • 道路啓開計画を法定化し、実効性のある計画に基づいた道路啓開を実施。
      • 地方公共団体が管理する自動車駐車場について、災害復旧等の拠点として活用するため、国土交通大臣が必要な管理を代行することができる制度を創設。
      • 被災地への出動が可能なトイレコンテナ等の平時からの配備を促進するため、その占用許可基準を緩和し、設置に対して無利子貸付制度を創設。
    • 持続可能なインフラマネジメントの実現
      • 効率的な道路管理を実現するため、道路管理者間の協議により道路の点検や修繕等を他の自治体が代行できる制度(連携協力道路制度)を創設。
    • 道路の脱炭素化の推進
      • 道路管理者が協働して脱炭素化を推進するため、国の道路脱炭素化基本方針に基づき、道路管理者が道路脱炭素化推進計画を策定する枠組みを導入。
      • 脱炭素技術の活用を促進するため、道路の構造に関する原則に脱炭素化の推進等への配慮を位置づけ、計画に基づく脱炭素化に資する施設等の占用許可基準を緩和。
    • 道路網の整備に関する基本理念の創設
      • 道路が持続的な成長、安全・安心で豊かな国民生活、地方創生に重要な役割を果たしていることを踏まえ、効率的・効果的な整備、防災機能の確保、脱炭素化の推進等を定めた基本理念を創設。

~NEW~
国土交通省 「港湾法等の一部を改正する法律案」を閣議決定~能登半島地震で顕在化した課題や海水面上昇等に対応~
  • (1)令和6年能登半島地震を踏まえた港湾の緊急物資等の輸送拠点機能の確保、(2)海水面上昇等に対応した官民協働での備えの促進、(3)技術職員が不足する港湾管理者への支援及び(4)洋上風力発電の基地港湾の円滑な利用調整等を図るための措置を講ずる「港湾法等の一部を改正する法律案」が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 令和6年能登半島地震で生じた課題を踏まえると、災害時において緊急物資輸送拠点としての港湾機能を迅速かつ確実に確保することが必要です。
    • また、海水面上昇等による浸水リスクの増大に対し官民が協働して備えること、港湾管理者の技術職員不足の中でも公共岸壁等の適切な機能を確保すること、洋上風力発電の基地港湾の円滑な利用調整の仕組みを設けることが必要です。
  • 法律案の概要
    • 緊急物資等の輸送拠点としての港湾機能の確保等
    • 港湾施設の応急復旧に他人の石材等を活用できるようにする制度の創設
    • 港湾管理者が災害時に民有港湾施設を使用することができる協定制度の創設
    • 倒壊した場合に緊急物資等の輸送に支障を及ぼす恐れのある港湾施設への勧告制度の拡充
    • 国から港湾管理者への支援船舶の入港需要等の情報の提供 等
    • 気候変動に伴う海水面上昇等に対応した港湾の保全
    • 護岸の嵩上やコンテナの固縛等といった官民連携での海水面上昇等への備え(協働防護)を促進するための計画・協議会・協定制度の創設 等
  • 公共岸壁等の適切な機能確保のための工事代行等
    • 港湾管理者の要請に基づく、国による高度な技術等を要する港湾工事の代行制度の創設
    • 国が行う港湾工事に必要な権限を代行する措置の創設
  • 洋上風力発電の導入促進に向けた課題への対応
    • 基地港湾の一時的な利用の調整のための協議会制度の創設 等

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