SPNの眼
2.結果事象型BCPの危うさと同モデルに潜む更なる課題の明確化(問題提起)
4.結果事象型BCPへの移行に関して、改めて押さえておくべき点
1.東日本大震災以降注目を浴びる結果事象型BCP
東日本大震災から3年が経ち、大震災の記憶が一部では薄れつつあるが、東海地震や南海トラフ地震の被害予測が多方面から発表されるなど、地震大国である我が国においては、災害を風化させずに、次に備えることが欠かせない。
そんな中、事業継続マネジメントシステムの構築においては、従来の地震や津波、インフルエンザ等の原因事情(発生事象)別の事業継続計画(Business Continuity Plan:いわゆる「BCP」)の限界が東日本大震災で浮き彫りになり、例えば、「本社社屋が使えなくなった場合」とか「電気の供給が止まった」等の結果(災害等により被害として発生した結果)事象想定をベースとしたBCPの策定に注目が集まっている。
例えば、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が2013年2月19日に公表した「企業の事業活動の継続性強化に向けて」では、「事業継続の支障となる事象、例えば、部材・部品不足、要員不足、停電、通信途絶等への対策を援用し、あらゆるリスクに対応するといった「結果事象」型BCPも有効である。」(同11ページ)としている 。
2.結果事象型BCPの危うさと同モデルに潜む更なる課題の明確化(問題提起)
ところで、この結果事象型BCPについては、既に、リスクフォーカスレポートVOL.1「実効性のある事業継続マネジメントシステムの構築を目指して~危機管理の視点から」(統合版)において、「結果事象想定の方が応用範囲が広く、想定の幅が広がることは間違いない。しかしながら、注意しなければいけないのは、結果事象想定をベースとする状況想定が、過度のインフラ依存の対策を誘発しかねない点である。すなわち、結果事象想定に従った場合、例えば、「本社社屋が使えなくなった」、「電気の供給が止まった」等の状況想定を前提とした被害(損害)分析が行われ、当該損害を回避するための方法論として、比較的安易な本社社屋や電気供給機能の「代替設備を用意する」という、物理的な代替設備確保という方法論による事業継続戦略が策定されやすい」とその危うさを指摘した。
物理的代替戦略や別拠点への機能移転による事業継続戦略は確かに有効な方法論の一つであることは間違いないため、資金等の余裕のある企業においては、上記の問題点の克服はそれほど困難ではないという発想になるであろう。
しかし、結果事象BCP型のモデルに潜む問題点はこれだけにとどまらない。BCPのモデル論においても、特定利権が絡んでいるかどうかはともかく(あえて言及しない)、東日本大震災の前においても、後においても、同じようなモデルをベースとした考え方があたかも有用であるかのように語られていることである。
しかし、だからこそ、批判的検証が不可欠なのである。特定のモデルありきではなく、種々のリスクを的確に認識して、真により機能するBCPを策定すること、これが企業の危機管理・BCP担当者に求められる役割である。
原子力ムラによる特定ドグマが福島原発の重大事故をもたらしたように、仮想BCPムラの論理に無批判に引っ張られては、当該企業にとって重大な事故をもたらしかねない。「賢者は歴史(社会的事実)に学び、愚者は経験に学ぶ」(ビスマルク)の喩え通り、賢明な担当者は、東日本大震災の歴史を踏まえた考察が必要である。
そこで、今回は、より本質的な視点、すなわち、大震災事態下に置かれた場合、あるいは昨年12月に中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループが公表した「首都直下地震の被害想定と対策について」(最終報告)(以下、「首都直下地震被害想定」)に書かれた状況を前提として、結果事象BCPが克服すべき重大な課題(リスク)について、解説してみたい。
3.結果事象型BCP論の前提は正しいか
(1)結果事象型BCPの考え方
結果事象型BCPとは、災害の影響(それにより発生した結果)に着目をした考え方であり、「災害の影響に着目することで、仮に想定していなかった、あるいは想定を超えたリスク事象(地震の規模や津波の波高など)が発生したとしても、その影響度合いに応じて事前に考えていた体制や対応策で問題解決を図ることが可能となる。理屈の上では、「想定外」はないことになる。」とされる[i]。
一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が2013年2月19日に公表した「企業の事業活動の継続性強化に向けて」では、「事業継続の支障となる事象、例えば、部材・部品不足、要員不足、停電、通信途絶等への対策を援用し、あらゆるリスクに対応するといった「結果事象」型BCPも有効である。」(同11ページ)としていることはすでに引用の通りである。
確かに、事業継続の支障となる事象、いわゆる「(災害による)結果」の共通性に着目をすれば、この考え方は非常に有用な考え方であり、想定外の事象が原因事象(発生事象)というパターン別の考え方よりは、少ないように感じられる。
(2)結果事象型BCPの考え方で克服すべき重大な課題①~状況確認の容易性(現実性)
ところで、果たして、結果事象BCPは経団連が指摘するような「あらゆるリスクに対応する」モデルと言えるのであろうか。例えば、火災により本社社屋が使えなくなったという場合、結果事象型BCPによると、理論的にはBCPが発動されることになる。大規模地震等の災害ではなく、単純な火災の場合は、本社社屋(及びそこにあった会社資産)が火災で利用できないという状況であるものの、大地震下での社会混乱の状況はないため、比較的容易に代替施設や設備の確保による事業の継続は可能であろう。この状況下でBCPを発動するとういうのであれば、想定外もなく、通常に機能するであろう。
しかし、このような状況はそもそも本来的にBCPを発動する状況下なのであろうか。逆の見方をすれば、もっと深刻な状況、言い換えれば、資源や機能において著しい制限があるため、事業を相当の規模で縮小してでも、中核的な業務を継続して、企業活動を続けて行くためのアクションプランがBCPであるとするならば、中核的な業務の継続のために資源を絞り込んでいかなければいけない状況下で発動されるのが本来のBCPであり、そもそも比較的容易に代替施設や設備の確保による事業の継続が可能な状況下で発動されるものではないということができる。
これもBCPであるとすることは構わないが、事業継続がそれほど困難ではない状況下であれば、そもそもBCPなどなくても事業継続は実現できてしまう。本質論から離れた議論はあまり実益のあるものではない。
とすれば、資源や機能に著しい制限があるため、事業を相当の規模で縮小してでも、中核的な業務を継続して、企業活動を続けて行くというBCPの本質的状況を前提に結果事象型BCPの有効性を考えていく必要がある。
結果事象、すなわち災害で事業を縮小せざるを得ないほどの影響を受けた場合のBCPを考える以上、災害で事業継続に大きな影響を及ぼす程の被害を出した状況下で、そもそもその災害の影響をどのように確認するのであろうか。例えば、本社社屋が使えなくなった場合のBCPを発動するとして、事業継続に大きな影響を及ぼす程の被害を本社社屋にもたらしたその災害状況下で、本社まで行って、本社社屋に入れないこと、機能しないことを確認しなければいけないということになるが、その確認に要する時間や手間を考慮に入れているであろうか。
事業継続に大きな影響を及ぼす程の被害を本社社屋にもたらしたその災害状況下であれば、電車は止まり、道路も不通の箇所があり、あるいは渋滞で、仮に徒歩であっても、何時まで経っても本社にたどりつけないという事態にもなりかねない。
首都直下地震被害想定によると、M7クラスの都心南部直下地震においては、「市街地火災の多発と延焼」が発生するとして、「地震発生直後から火災が連続的、同時に多発し、地震に伴う大規模な断水による消火栓機能停止、深刻な交通渋滞による消防車両のアクセス困難、同時多発火災による消防力の分散等により、環状六号から八号線の間をはじめとして、木造住宅密集市街地が広域的に連担している地区を中心に、大規模な延焼火災に至ることが予想される」とされている。また、「道路」については、「都区部の一般道は、被災や液状化による沈下、倒壊建物の瓦礫により閉塞し、通行できない区間が大量に発生し、渋滞と相まって復旧には1か月以上要することが見込まれる」としている。さらに「鉄道」についても、「地下鉄」は「架線や電気・信号設備等、非構造部材等の損傷に留まる場合でも復旧に時間を要し、運転再開には1週間程度を要することが見込まれる」としている。
このような状況において、本社社屋の機能状況を確認するまで、どれぐらいの時間を要し、誰が確実にそれを行うことができるのか。災害による被害発生を前提とする結果事象型BCPを採用するのであれば、この点に対する現実的かつ対処可能な方策の検討が不可欠であることは言うまでもないが、十分に検討されているのであろうか。実現性に乏しいBCPになっていないか、今一度検証が必要であることは論を俟たない。
(3)結果事象型BCPの考え方で克服すべき課題②~BCP発動の伝達可能性
また、本社社屋の状況を確認できたとして、災害で本社機能等が影響を受けた場合にBCPの発動を関係者に伝達をしなければいけなくなる。しかし、ここでも、大震災後は、通信インフラ障害や通話制限等が起こることを想定しておかなければならない。
東日本大震災においては、安否確認すらままならない状況も見受けられたが、結果事象型BCPにおいては、その状況下で、BCPの発動と関係者の招集を行うことを当然に含んでいるが、果たしてこれが現実的に可能といえるのであろうか。
首都直下地震被害想定によると、M7クラスの都心南部直下地震においては、「通信」に関しては、「固定電話」は、「通信規制が行われ、ほとんどの一般電話は通話が困難となり、概ね通話規制が緩和されるのは2日目になると想定される」としているし、「携帯電話」に関しては、音声通話は集中・輻輳に伴う通信規制等により著しく使用が制限され、ほとんど接続できなくなり、規制の緩和は2日目となると見込まれる」。「メール」は、「概ね利用可能であるが、集中により大幅な遅配が発生する可能性がある」としている。
このような著しい通信制限等がある中で、関係者に対して、どのようにBCPの発動を伝え、関係者の招集をかけるのか、しかも、大震災等の著しい社会状況下で、現実にそれができるのか、結果事象型BCPを前提とする以上、この点についての実効的な対策の検討も欠かせない。
そもそもBCPの発動を効果的に伝達できなければ、BCPそのものが起動しない点を改めて再認識しておく必要がある。
(4)結果事象型BCPの考え方で克服すべき課題③~関係者の予測可能性
さらに、結果事象型BCPにおいては、BCPが発動されるかどうかは、災害が起きた後でなければ分からない上、被害が発生するかはその時々の状況によるという博打的状況を前提としている。取引先はもちろん、社員ですら、実際に誰かが確認し、連絡を受けるまで容易にその状況を予想・予見できない。
瞬時に状況が予測できないということは、それだけ事業継続に向けた「初動」が遅れることを意味する。「初動」が遅れれば、それだけ事業の復旧も遅れるし、そもそも被害が出るような災害を前提としている以上、交通インフラや社会インフラの機能停止・低下により、各種行動に通常の時間以上の時間を要することになるから、その遅れは一層大きくなることを前提とせざるを得ないことに十分に留意しておかなければならない。
特に従来から強化が模索されているサプライチェーンのBCPや、昨今注目が高まっている各方面との連携を視野に入れたBCPを模索するのであれば、関係者が予見可能であること、言い換えれば、各社が自発的にBCPを発動することを前提に、相互に早期に行動・連携できることが強く求められるが、災害が起きた後でなければ分からない上、被害が発生するかはその時々の状況によるという博打的状況を前提とする結果事象型BCPは、関係者をどのようなBCPが発動されるか分からないという不安な状況に追い込むことになりかねない。
原因事象型BCP、例えば、「震度6弱が都内で発生した場合」にBCPが発動するということであれば、地震速報で誰もがその状況を把握でき、BCPが発動されることを前提に動くことができる。他の災害事象や事象についても、往々にしてニュース等で配信されることから、BCPが発動することの認識は容易である。しかし、結果事象BCPでは、震度6強でも本社機能が停止するかどうかは、個社単位の事情で異なることから、各社のBCPが発動されるかどうか分からないということになるのである。
つまり、結果事象BCPは、被害が出るほどの災害の状況を前提としているから、各社が個別に連絡を取りあうことすら容易ではないことに鑑みれば、結果事象型BCPそのものが、それこそ事業継続上の大きなボトルネックになるという皮肉な結果をもたらしかねないのである。
昨今のBCP強化の流れを受けて、各社免震施設への移転や耐震補強、インフラの多層化等各種のリスクマネジメントを行っているが、このような対策強化の状況は、予見可能性という観点から見た場合、被害が生じるか、どんな被害が生じるかが分かりににくくなる上、「ここまで対策を行っているから、大丈夫」というバイアスを生じさせてしまい、かえって事業停止のリスクを増幅しかねない点に留意が必要である。他社とのサプライチェーンや連携を模索しようとする場合、他社からすれば、尚更その状況やBCP発動の可否、BCPの内容が分からないということになる。どのようなBCPが発動されるか分からない状況下で、他社は、事業継続を模索しなければいけないという状況に置かれることになるが、このような前提では、そもそもサプライチェーンの継続やその連携を前提とするBCPの基礎をなす、各社間の信頼関係すら構築するのが難しくなりかねないであろう。
4.結果事象型BCPへの移行に関して、改めて押さえておくべき点
ここまで、結果事象型BCPに潜む問題点を検証してきた。東日本大震災後の事業継続マネジメント構築に関する議論を見ると、各方面から結果事象BCPの有効性が提言されている。なぜ、結果事象型BCPが有効とされるのか。
例えば、インターリスク総研の笹平康太郎氏は2011年10月12日付けの同社WEBサイト「今月のオピニオン」(http://www.irric.co.jp/opinion/more/080/index.html)において、「結果事象BCPで複合災害の備える」と題した論考において、次の様に解説している。
すなわち、「地震・津波により広域に被害が及び、それに伴い、火災や爆発、原発事故などの二次災害が発生し、ガソリン・電力の不足や世界規模で原材料の供給途絶という 事態にまで発展した。現在、事業継続計画(BCP)の策定・見直しを行っている企業が急増しているが、それら企業の中には、今後も発生しうる複合災害にどのように対応していけばよいのか悩んでいる企業も多い。そのヒントとなるのが「結果事象BCP」である」と。
また、「結果事象BCPとは、経営資源(リソース)に注目したBCPである。これまで多くの企業が策定してきたBCPは、地震やインフルといったリスクイベントに 注目したものが一般的であった。地震のBCPであれば、最も深刻な被害が発生すると考えられる地震を想定して被害想定シナリオを描き、そのシナリオでの災害が発生した際に実施すべきことを時系列に整理し、事業を復旧・再開させるための手順・対応を検討する。この場合、想定したシナリオである地震が発生しないと、その場での応用が難しく、うまく活用できないケースがありうる。一方、結果事象BCPは、拠点(工場、オフィス)が使えなくなった場合、社員(ヒト) が確保できなくなった場合など、重要業務の実施に必要なリソースに注目し、何のリスクによってかの如何にかかわらず、その事業リソースが使用できなかった場合にどうするかを考えるアプローチである。この考え方をとることによって、想定シナリオ通りの地震でなくても、他のリスクイベントが発生した場合にも活用することができる。」としている。
平成25年8月に策定された内閣府の「事業継続ガイドライン~あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応」においても、「事業継続戦略の検討に当たっては、優先的に対応すべき発生事象(インシデント)を念頭に置いて行うものの、BCMは「どのような危機的な事象が発生しても重要業務を継続する」という目的で実施するものであることも考慮することが重要である。この点から、BCMでは、自社に生じた事態を原因事象(例えば、直下型地震)により考えるのでなく、結果事象(例えば、自社の○○拠点が使用不能)により考え、対応策を検討することが推奨される。」としている。
このように原因事象別では複合災害の場合に、事業継続を実現できないとして、原因はどうあれ発生した事象に着目すれば、復旧プロセス後に共通性があることから、危機全般に対応できるとして結果事象型BCPが提唱されてきた経緯がある。
ところで、このロジック、何か違和感を覚えないだろうか。確かに地震に対するBCPを整備していたところ、地震に加えて津波や原発災害が発生すれば、地震型BCPでは限界があることは間違いがない。しかし、複合的に発生するのは、災害事象(原因事象)だけであろうか。
結論からいえば、災害事象(原因事象)だけが複合的に発生して、発生事象(結果事象)は複合的に発生しない等ということはあり得ない。結果事象であっても複合的に生じうることは疑いのない事実である。例えば、本社の機能が停止し、さらに社員が出社できないとか、サーバーも損傷したとか、発生事象(結果事象)とて、複合的に生じうることは過去の事例をみても明らかである。
とすれば、原因事象型BCPは、複合事象に対応できないから、結果事象型BCPが有効であるという論理そのものが、そもそも成り立たないことになる。原因事象型BCPより結果事象型BCPが必ずしも優れているとは、言い切れないのである。この点についてはよく吟味すべきであろう。
5.最後に
万能のBCPのモデルは存在しない。そもそも発生する災害等の規模や内容が予見できない以上、想定外の事態をなくすことも、現実的には不可能である。その中で、各社がより強固でありながら柔軟性のあるBCPを構築すべく、種々模索・検討していることと思う。
BCPの策定は非常に難しいテーマでもあることから、往々にして既定のモデルや特定のスキーム、コンサルティング会社の宣伝文句等に踊らされがちである。
ガイドラインの策定に際しても、国内事情を踏まえてそれなりの議論はされているが、メンバーは旧態依然のBCPムラを主導してきたメンバーや企業が大勢を占めている。実務においても法制度や企業の統治システム、業務オペレーション等が全く異なるアメリカのモデル、特に危機対応のシステムとしてのICS(Incident Command System)を形だけ導入しようとしてみたり、ISO31000の考え方の導入により従来の規格よりリスクマネジメントシステムの要素が色濃く反映されたISO22301の考え方をそのまま整備しようとしたりする動きが盛んである。
もちろん種々のモデル等に潜む本質的な問題点や国内における社会制度、大震災下での状況を踏まえて、各社が問題意識をもってBCPを構築・整備するのであれば、これらの考え方や規格は大いに参考になる。
今回は、現在主流となっている結果事象型BCPの考え方に潜むリスクについて検証してきたが、BCPの策定に当たっては、漫然と特定のガイドラインや書籍、モデルを受け入れるのではなく、そのモデルやスキームに潜む問題点を正しく検証し、手当をしておくことが欠かせない。批判的検証を通じて、さらに一歩も二歩も深い考察をしていくこと、そしてそのようなプロセスを通じて、問題意識の高い従業員を育てていくことが、BCPを強化する上では不可欠であることを、改めて確認いただきたい。
以上
[i] 川村雅彦、「東日本大震災からみたBCP(事業継続計画)~「想定外の連鎖」と「災害の影響」に着目したBCPへの転換」、NLI Research Institute REPORT October 2011