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【第1回】企業不祥事の原因は企業風土!企業に求められる道徳とは!?~論理的に説明しきれないコンプライアンスの世界~

2024.04.02
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総合研究部 上級研究員 安藤未生

コンプライアンスのイメージ画像

0.はじめに:「捨てられていた国旗でトイレ掃除をすること」の是非

皆さんは「捨てられていた国旗でトイレ掃除をすること」は不道徳だ(道徳上、問題である)と思いますか。社会心理学者のジョナサン・ハイト氏が道徳に関する興味深い実験をしました。実験の参加者たちに、「捨てられていたアメリカ国旗でトイレ掃除をすること」「自動車事故で死んだ飼い犬をその家の人たちが食べること」「死の床にある母親に誓った墓参りの約束を破ること」などについて、道徳的に問題ないかどうかを質問したところ、いずれの場合も「問題がある」と回答しました。しかし、その理由を尋ねられると、参加者たちは言葉に詰まって悩み苦しんだ末に、降参して「分かりません。説明はできないですが、とにかくそれは間違っていると分かります」と答えました。このように、道徳規範を言葉で説明することが難しい現象を、ハイト氏は「道徳の無言化(moral dumbfounding)」と称しています。人はしばしば、ある行為が不道徳だと直感的に判断しますが、何故それが不道徳なのかを説明しようとすると、答えに詰まって、しばしば最後まで理由を考え付けないというのです。[1]

ハイト氏は、著書『社会はなぜ左と右にわかれるのか―対立を超えるための道徳心理学』の中で、道徳が何に由来するのかについて、以下のとおり結論付けていて、「道徳の主な源泉を合理的な思考に求められない」と述べています。

  • 道徳の領域は文化ごとに異なる。欧米の啓蒙化された個人主義的な文化のもとでは、その領域は異常なほど狭い。内社会的な文化は、道徳の領域を広げ、生活のより多くの側面をカバーし、規制する。
  • とりわけ嫌悪をもよおす行為や不敬に対し、ときに人間は本能的な不快感を覚える。また、それによって思考は影響を受ける。道徳的な思考は、あとづけの正当化と見なせる場合がある。
  • 道徳は、危害に関する理解の発達に基づいて、子どもが自分で一から築きあげていくようなものではない。合理主義的な理論が想定している以上に、文化的な学習や手引きが大きな役割を果たしている。[2]

そもそも、「道徳」とは、「道」と「徳」からなり、この場合の「道」とは世の中で人が従うべき道のことで、「徳」とはそれを体得した状態のことです。中国の古典『易経』では、道徳は天の道でもあって、人間の従うべき理法と自然の理法とが一体であることが示されています。道徳にあたる英語のmoralは「習俗」を原義とするラテン語のmoresに由来しますので、この側面に注目すれば、道徳とは時代的、地域的に限定された特定の社会において成立している慣習的な掟の総体とみることができます。なお、「道徳」と「倫理」はおおむね同じ意味で用いられますが、区別するとすれば、反省道徳(道徳的善悪についての反省の上にたった自律的な道徳)を倫理と呼ぶようです。倫理学は、反省道徳の立場で道徳の原理を探究する学問だからです。[3]

企業のコンプライアンスと道徳の関係性について、金融庁は「コンプライアンス・リスク管理に関する検査・監督の考え方と進め方(コンプライアンス・リスク管理基本方針)」において、「近時、コンダクト・リスクという概念が世界的にも注目を集めはじめている。コンダクト・リスクについては、まだ必ずしも共通した理解が形成されているとは言えないが、リスク管理の枠組みの中で捕捉及び把握されておらず、いわば盲点となっているリスクがないかを意識させることに意義があると考えられる。そのようなリスクは、法令として規律が整備されていないものの、①社会規範に悖る行為、②商慣習や市場慣行に反する行為、③利用者の視点の欠如した行為等につながり、結果として企業価値が大きく毀損される場合が少なくない」[4]と言及していますので、この①~③に道徳(世の中で人が従うべき道を体得した状態や、時代的・地域的に限定された特定の社会において成立している慣習的な掟)が関係してきます。つまり、理由を説明できない道徳上の問題が、企業のコンプライアンスの領域になるのです。

コンプライアンスの領域のイメージ図

道徳がコンプライアンスに含まれるなら、企業は、論理的に説明できないことについても、自社のスタンスを決めなければならければならなくなるのですが、そもそも、企業に求められる道徳とは何でしょうか。本稿では、以下の流れで、論理的に説明しきれないコンプライアンスの世界について考察します。

※本稿は全3回の連続掲載記事です。今回は上記0.~2.を掲載します。

1.企業不祥事の原因はつまるところ「風土」「体質」「文化」

(1)企業不祥事の調査報告書から見た共通項

日野自動車株式会社、三菱電機株式会社、ダイハツ工業株式会社における調査報告書を見ると、以下のとおり、不祥事の真因として「風土」や「体質」が指摘されています。

① 日野自動車株式会社の認証不正問題に関する調査報告書[5]
(前略)日野においては、エンジン開発における過去の先駆者や功績者に対する尊敬の念が強く、上の世代の言うことには、素直に従うことが美徳であるという気風があるように見受けられる。それは尊敬の念というよりは、畏怖の念かもしれない。開発に関連する資料や議事録等を見ていても、上位者の何気ない発言に対しても、下位者が過敏に反応し、対応策を検討しようとする様が目に付く。

(中略)

こうした上意下達の組織運営は、若い世代の従業員から歓迎されるかはさておき、効率的な組織運営という観点からは、一概に否定されるべきとは言えない。しかしながら、こうした気風が行き過ぎると、やがて「上に物を言えない」、「できないことをできないと言えない」風通しの悪い組織となり、最終的には、E7 規制対応エンジンにおける燃費の問題のように、押し付けられた「無理」を不正行為で成し遂げてしまうところまで行き着くのである。

また、上意下達の組織は、パワーハラスメントが起きやすい組織でもある。(中略)かつては、パワーハラスメントは熱血指導が行き過ぎてしまった結果であり、これが許されないと職場での指導が難しくなるのではないかなどと、パワーハラスメントを許容するような風潮もあったが、今や、そのような考え方は全く時代にそぐわない。職場における上下の力関係を背景にした指導しかできない人材は、指導すべき立場に適さないというのが良識ある企業のスタンダードである。

しかしながら、従業員アンケートにおいて、日野のパワーハラスメント体質を問題視する回答が数多く寄せられたことも考え合わせると、日野は、残念ながら、このパワーハラスメントに対する社会の認識の変容に付いていけなかったがために、結果として、古くから社内の一部に蔓延るパワーハラスメント体質をいまだ抱えているように思われる。

(中略)

日野が世の中の変化に取り残されてしまっているのは過去の成功体験に引きずられているからである。その結果、ダメージを最小限にするための「撤退戦」も苦手になっている。その背景には、「無理」を「可能」にしようとする現場の頑張りや献身性を上長が礼賛する風土、そして、何か問題を指摘すると、指摘した者が自ら解決を指示されることになるため、問題を指摘することが憚られるといった「言ったもの負け」の風土も関係しているように思われる。

日野においては、問題を起こした担当部署や担当者が、他の部署も数多く出席する会議の場で、そのミスを責め立てられる様子を「お立ち台に上がる」と揶揄する言葉がある。また、従業員アンケートの回答にも、「助け合いではなく、犯人捜し」、「言ったもの負け」といった風土を指摘するものがあった。こうした風土の組織においては、失敗や非を認めた場合に予期される社内での批判や非難の苛烈さを考えると、時代の変化に伴う自己修正の必要性を訴えたり、戦略の過ちを認めて「撤退戦」を敢行するよりも、時代の変化をあえて直視せず現状を維持することに固執したり、ミスであることを隠し通せなくなる限界まで「撤退戦」に抗う方が合理的であるという判断に傾きやすい。(後略)

※太字は引用者によるものです。

② 三菱電機株式会社の品質不適切行為に関する調査報告書[6]
(前略)当委員会は、第1報から第3報を通じて、三菱電機で品質不正が行われ、また長期間にわたって温存されてきた直接的な原因として、(1)三菱電機の従業員の間に、規定された手続により品質を証明するという姿勢が徹底されておらず、「品質に実質的に問題がなければよい」との正当化が行われていたこと、(2)本来牽制機能を果たすべき品質部門が脆弱であったこと、(3)ミドル・マネジメントが機能不全を起こしていたこと、及び(4)本部・コーポレートと現場との間に距離・断絶があったことを指摘した。そして、これら直接的な原因を生み出した真因として、(1)拠点単位の内向きな組織風土が存在したこと、(2)内向きな組織風土が生み出される背景に、事業本部制が影響していること、及び(3)品質を第一にするとの経営陣の決意の「本気度」にも課題があったことを指摘した。

(中略)

当時の執行役社長が辞任した上で膿を出し切るための徹底的な調査を行う等して経営陣の本気度を示したことは事実であるが、同時に、長年にわたり培われてきた組織・風土が、何かのきっかけで劇的に変化するわけではないことも事実である。執行役社長の辞任は、いわば「ショック療法」的な意味で、多くの従業員の背中を押し、品質不正行為を自主的に申告させ、また品質不正行為を中止させた。しかし、それが全ての従業員に当てはまるわけではない。これは、赤穂工場のように、他の拠点と比べても、拠点単位の帰属意識が強く、本社・コーポレートとの距離が遠い拠点だけに当てはまる問題ではなく、姫路製作所や三田製作所といった大規模な拠点においても、品質不正が継続されていたことからも明らかなとおり、三菱電機の全ての拠点に共通する課題であるという意識を持つ必要がある。今後も、品質不正を二度と起こさないという経営陣の固い決意を示し続けることは肝要であるが、同時に、三菱電機の風土を徹底的に改革していかなければ、再び、経営陣の本気度が現場に届かない事態を招来しかねない。(後略)

※太字は引用者によるものです。

③ ダイハツ工業株式会社の認証申請の不正行為に関する調査報告書[7]
(前略)ダイハツには、自分の抱える問題は他者に頼ることなく自分の責任として解決する風潮があった模様であり、こうした風潮が認証試験の問題は現場レベルで解決をするしかないという思考プロセスを後押ししたと考えられる。

(中略)

当委員会は、ダイハツの役職員等合計147名に対するヒアリングやアンケート調査を実施したが、ダイハツの開発部門の組織風土の特徴として、以下のような事象を把握した。

  • 現場と管理職の縦方向の乖離に加え、部署間の横の連携やコミュニケーションも同様に不足していること
  • 「できて当たり前」の発想が強く、何か失敗があった場合には、部署や担当者に対する激しい叱責や非難が見られること
  • 全体的に人員不足の状態にあり、各従業員に余裕がなく自分の目の前の仕事をこなすことに精一杯であること

(中略)

これらは、一言でいえば、「自分や自工程さえよければよく、他人がどうであっても構わない」という自己中心的な風潮である。こうした風潮が生まれた背景として、人事ローテーションが少なく、人事が固定化されており、他の部門や部署の業務経験により自工程の前後の工程の立場を考慮し、さらには工程全体を俯瞰して考える従業員が少ないことが挙げられる。そして、人事ローテーションが少ない要因としては、人事に関して目の前の人員不足に直面した各部門の要望が強く、中長期的な視点からの人材育成の施策が弱いことが指摘できる。くるま開発本部では、かつては部門内で人事機能をもっていたが、2012年の組織改正以降は、現場から距離感のある人事部門が主要な人事機能を担う一方、それまで部門人事を担っていた技術管理部が要員管理や手続的な面のみ対応を行うようになり、現場の課題を吸い上げるような部門人事の機能が弱体化していた。このような自己中心的な風潮がある組織風土が、認証試験の担当者に対するプレッシャーや部門のブラックボックス化を促進し、リスク情報の経営層への伝達を滞らせる土壌となっていたと思われる。その意味では、ダイハツの開発部門の組織風土の問題は、まさに本件問題の真因のうち、最も大きなものとして指摘すべきものである。また、こうした組織風土の問題は必ずしも開発部門に限られるものではなく、ダイハツの全社的な組織風土、すなわち「社風」として深く根付いている可能性がある。(後略)

※太字は引用者によるものです。

(2)コンプライアンスは「空気」をどう捉えて、どう変革していくかが肝

金融庁も「コンプライアンス・リスク管理に関する検査・監督の考え方と進め方(コンプライアンス・リスク管理基本方針)」において、「金融機関の役職員が共有する基本的な価値観・理念や行動規範、すなわち企業文化が、役職員の行動や意思決定に大きな影響を及ぼすことがある。このような企業文化は、コンプライアンス・リスク管理に関する経営陣や中間管理者の姿勢及び内部統制の仕組み全体に通じる、いわば屋台骨をなすものである。健全で風通しの良い企業文化が醸成されていればコンプライアンス・リスクの抑止に繋がる一方、収益至上主義あるいは権威主義の傾向を有する企業文化がコンプライアンス上の問題事象を誘発することもある。経営陣は、経営方針を踏まえた、あるべき価値観・理念や企業文化を明確にし、その醸成に努めることが重要である」[4]とコンプライアンスにおける企業文化の重要性について言及しています。

「風土」「体質」「文化」とは、まさしく社内の「空気」に他なりません。コンプライアンスは「空気」をどう捉えて、どう変革していくかが肝と言えるでしょう。当たり前のことですが、企業は人で構成されていますから、社内の「空気」を変えたいなら、企業の構成員一人ひとりの道徳観を変えることにも発展します。

(3)「空気」の変革は、企業における投資の方針と密接不可分な問題

近年、金融市場を中心に「人的資本経営」の取り組みが進んでいます。経済産業省によると、「人的資本経営」とは、人材を「資本」として捉えて、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方を指します[8]。企業を構成する「人」をどう捉え、どのように投資していくかは、上場か非上場かにかかわらず、企業にとって重要な課題です。

経済産業省によると、人的資本経営を本当の意味で実現させていくには、「経営戦略と連動した人材戦略をどう実践するか」が重要であり、「経営陣においては、企業理念や存在意義(パーパス)、経営戦略を明確化した上で、経営戦略と連動した人材戦略を策定・実行すべきである」とされています。さらに、「人材戦略が実行されるプロセスの中で、組織や個人の行動変容を促し、企業文化として定着しているか」や「持続的な企業価値の向上につながる企業文化は、所与のものではなく、人材戦略の実行を通じて醸成されるものである。そのため、人材戦略を策定する段階から、目指す企業文化を見据えることが重要である」とされているように、人的資本経営の実現においても、企業不祥事の原因として言及した「文化」が登場するのです。[9]

そもそも、人的資本経営は、「人」を人的資本というアセットで捉え、企業が目指す姿になるために投資をすることですから、目指す姿の検討材料として道徳にも目を向ける必要がありますし、企業文化の醸成のためには、構成員一人ひとりにどのような道徳観があるかを把握した上で、目指す企業文化とのギャップを埋める作業も必要になるでしょう。ギャップを埋めるには、教育訓練投資も必要になると考えられます。

2.世の中の「空気」の変化

前項では、企業不祥事の原因である「風土」「体質」「文化」とは、まさしく社内の「空気」に他ならず、コンプライアンスは「空気」をどう捉えて、どう変革していくかが肝ということを言及しました。本項では、世の中の「空気」が変わっている中で、企業の対応も自ずと変わってきていることについてご紹介します。

(1)1990年代の勝新太郎氏の記者会見は「笑い」にできたが、今は?

「座頭市」「兵隊やくざ」を始めとする数多くの作品に出演して活躍した、俳優の勝新太郎氏について、NHKは「『勝新』の愛称で親しまれ、数々の不祥事・事件を起こしながらも人々に愛された」[10]、朝日新聞編集委員の小泉信一氏は「1990年1月に麻薬を下着に隠してハワイの空港で逮捕された件は、いまでも『平成の芸能事件』として語り草になっている」[11]と評しています。さらに、スポニチアネックスの2015年8月16日の記事では、以下のとおり、芸能リポーターが大爆笑した様子が回顧されています。

勝新太郎さんもう一つの“伝説の会見”父の法要後の囲みで…[12]

(スポニチアネックス 2015年8月16日)

(前略)90年1月の「もうパンツはかない」発言と、96年11月のがん公表中の喫煙。これに加えて芸能界で「勝新3大記者会見」と呼ばれる伝説の会見がもう1つある。同年4月7日、父で長唄三味線方の杵屋勝東治さん(享年86)の四十九日法要後の囲み会見だ。

当時の取材ノートを久しぶりに開いてみた。法要という、本来なら笑いが起きないはずの場。それなのに、取材メモには「芸能リポーター大爆笑」と書かれてある。

当日は、懲役2年6月の判決を受けたハワイでの薬物事件で、4年の執行猶予期間が満了する日でもあった。「今、何が一番したいですか?」の質問に、「まずハワイ行って…オレを捕まえた人たちを全部呼んでだね…まぁ、あれだね…一服吸ったりなんかして」と高笑いし、何かを吸引するポーズをとった。

薬物吸引ポーズかと勘違いした女性リポーターは慌てて「やめてください」。これを逆手にとった勝さんは「タバコを吸うのに、なんで?」と聞き返し、このリポーターに向かって「(薬物を)吸ったこと、あるんだろ?だから知ってるんじゃない?」と突っ込んで周囲を爆笑させた。さらに去り際には、テレビカメラの前でのやりとりについて「うまく編集しておいて」と付け加え、最後まで笑いを誘った。(後略)

もしも、今、同じことを芸能人がしたら、笑ってもらえるでしょうか。近年では、エンターテインメント業界にもコンプライアンスのメスが入っています。かつては黙認されていたことが白日の下に晒され糾弾されたり、かつては許されていたことが許されなくなったりしているのです。

例えば、旧株式会社ジャニーズ事務所(現株式会社SMILE-UP.)における調査報告書では、「ジャニー氏による性加害は、遅くとも1970年代前半には芸能界関係者には広く知られていたものと思われる。エンターテインメント業界は、従来、性加害やセクシュアル・ハラスメントが発生しやすい土壌があると指摘されてきた」と述べた上で、アメリカでは、有名な映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン氏の長年の性加害事件をきっかけとして、性加害やセクシュアル・ハラスメントを受けた女性がその被害を告白する「#MeToo運動」と呼ばれる世界的な社会現象へと繋がったことが言及されていますし、結語として「現在、海外でもエンターテインメント業界における性加害やセクシュアル・ハラスメントに関する問題が大きな社会問題となっているが、ジャニーズ事務所には、日本を代表する芸能プロダクションとして、世界でも高いレベルの人権方針を掲げ、自ら先頭に立って日本のエンターテインメント業界を変えていく役割を果たすことを期待するものである」と締めくくられています。[13]

また、落語家の三遊亭圓歌氏から理不尽な暴言や暴行を何度も受けたとして、弟子だった男性が賠償を求めた裁判で、三遊亭圓歌氏側は「落語という文化芸術を伝承する指導の一環だ」などとして争っていましたが、2024年1月26日に東京地方裁判所は「落語界の師弟関係は濃密な人間関係であると同時に師匠の優越的立場を背景とする歴然たる上下関係が存在し、パワーハラスメントが生じる可能性をはらんでいる」や「落語家としての活動に悪影響を与えるパワーハラスメントというほかない」と指摘し、三遊亭圓歌氏に80万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。[14]

さらに、吉本興業ホールディングス株式会社は、所属タレントの松本人志氏が2015年に女性と性的行為をしたことに関する記事が、2023年12月27日発売の週刊誌に掲載されたことについて、発売日当日は「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです」[15]と、全面的に松本人志氏側に立ったようなコメントを発表していましたが、2024年1月24日には、その前日に開催されたガバナンス委員会におけるコンプライアンスアドバイザーからの指摘を受け、以下のとおり、方針を変更しました。

週刊誌報道等に対する当社の対応方針について[16]

(吉本興業ホールディングス株式会社 2024年1月24日)

(前略)今般、私的行為とはいえ、当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております。

当社は、これまでもコンプライアンスの徹底・ガバナンスの強化に取り組んでまいりましたが、とりわけ昨年7月以降は、事業整理・組織改編と共に、社外有識者を交えたガバナンス委員会を設置し、複数の外部弁護士をコンプライアンスアドバイザーとして招聘するなど体制を整備して、様々な事案について指導・助言を仰ぎながら、コンプライアンスの周知徹底及びガバナンスの強化に努めてまいりました。

現在、当社におきましては、コンプライアンスアドバイザーの助言などを受けながら、外部弁護士を交えて当事者を含む関係者に聞き取り調査を行い、事実確認を進めているところです。

そして、昨日開催されたガバナンス委員会において、これまでの経緯及び現状等を報告したところ、「所属タレントが提訴した訴訟の経過も注視しつつ、事実確認をしっかり行った上で、何らかの形で会社としての説明責任を果たす必要がある。」「当初の『当該事実は一切なく』との会社コメントが世間の誤解を招き、何を指しているのか不明確で混乱を招いたように思う。時間がない中での対応とはいえ、今後慎重に対応すべきである。」等の厳しい指摘を受けるとともに、今後、タレントのみならず、全てのグループ会社を含めた当社社員に対しても、改めて個人の尊厳に対する意識を高め、日常におけるハラスメントを防止するための教育・研修を実施していく必要があるとの意見を承りました。(後略)

※太字は引用者によるものです。

(2)企業は過去のプライベートの問題にも介入せざるを得ない?

上記の吉本興業ホールディングス株式会社の公表文の中で、私が注目したいのは「今般、私的行為とはいえ、当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております」の部分です。これは、企業にとっては「コンプライアンスの観点から、プライベートにも企業が介入せざるを得なくなっているのではないか」という問題提起になるかもしれません。さらに、約8年前の行為が今になって掘り起こされ大々的に報道された点も注目すべきです。つまり、「昔のことだ」では済ませられなくなっているため、「過去の言動もしっかり調査した上で、人を採用しなければならないのか」という問題提起にもなるかもしれません。いずれの問題提起も、プライバシーの侵害となる危険をはらんでいます。

企業にとって所属タレントは、まさに「企業の顔」ですから、プライベートであっても、何年も前のことであっても、社会から非難されるような問題を起こされてしまっては、企業イメージが低下しかねません。もちろん程度の差はあると思いますが、所属タレントはそもそもパブリックな存在であり、たとえプライベートであったとしても、過去も含めて一切の高潔さが求められるということではないでしょうか。

ただ、何をもって「企業の顔」と判断するか、企業が介入しなければならないプライベートの問題はどのようなものなのかは、ケースバイケースでしょうし、どこかで線を引こうとしても、グレーゾーンに当たる人たちは必ず存在するでしょう。どのような媒体にどれくらいの頻度で登場したら「企業の顔」なのか、プライベートの問題の中で、犯罪行為や法令違反に当たる場合に限って介入するのか、被害者がいる場合に限って介入するのか、不倫のような犯罪ではない行為にまで介入するのか、いつまで遡るのか等について、世の中の「空気」を捉えながら判断していくしかないのが現実でしょう。

見方を変えると、企業は、人によってプライベートに介入する濃淡が異なり、不平等な対応をせざるを得ないとも言えますので、「皆、同じ人間で、人権に差はないはずだ」「有名税(知名度と引き換えに生じる代償)は不合理だ」といった主張に対する反論は用意しておく必要があると考えられます。

(3)誰かを傷つけるかもしれない要素は、見つかった順に排除される

企業が過去のプライベートの問題に介入した例として、2018年7月、ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)は、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの1作目と2作目を製作したジェイムズ・ガン氏を、過去のツイートの内容を理由に、同シリーズの3作目の監督から解雇しました。解雇理由となった過去のツイートとは、2008~2011年に同氏が強姦や小児性愛についてジョークを飛ばした一連のツイートを指します。このツイートが問題視されるようになったきっかけについて、BBCによると「左派のガン氏は、ドナルド・トランプ米大統領に批判的な発言を繰り返してきた。今回の解雇原因となった過去の問題ツイートは、ガン監督のトランプ氏批判に反発する保守派勢力が見つけ出した」とのことです。なお、解雇の直後から同氏の再雇用を求めるオンライン署名運動が多数立ち上がったのに加え、同シリーズの主要キャストが公開書簡で復職を求めるなどの事態に発展し、最終的に同シリーズの3作目の監督に復帰しました。[17][18]

これに類似する事例は日本にもあります。2021年7月、東京オリンピック・パラリンピックの開会式で使用する楽曲を担当していたミュージシャンの小山田圭吾氏は、過去の雑誌インタビューで告白した学生時代のいじめを理由に、辞任を申し出ました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、辞意を受け入れ、同氏の楽曲を使用しないことを決定しました。辞任の理由となったのは、1994年と1995年に発行された2つの雑誌のインタビューで語ったいじめのことで、東京新聞は「武勇伝のごとく語られたいじめは、虐待や犯罪レベルだ」と表現しています。この辞任の発端について、東京新聞によると「小山田氏の楽曲制作担当が公表された直後から、インターネット上には『ふさわしくない』などと批判があふれた」とのことです。[19][20]

さらに、同月には東京オリンピックで開閉会式のディレクターを務める小林賢太郎氏が解任されました。小林氏はお笑いコンビ「ラーメンズ」として活動していた当時のコントで「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」というセリフを用いた動画がインターネット上で拡散し、ユダヤ人権団体等からも含めて批判が集まっていました。問題になったコントは、1998年に発売されたビデオに収録されたものです。[21][22]

上記の3つの事例の共通点は、解任や辞任の理由となった言動と、それがインターネット上で大きく批判され始めたタイミングとの間に大幅なタイムラグがあることです。ガン氏の場合は10年近く前のツイート、小山田氏の場合は20年以上前のインタビュー記事、小林氏の場合は20年以上前のビデオが解任や辞任の理由となっていて、才能・能力・実績よりも、過去の言動の方が重視されたようにも見えます。このように、近年、著名人等の過去の言動が掘り起こされ、非難されることで、結果として、職を解かれたり表現の機会が奪われたりする事態が発生しています。これは「キャンセルカルチャー」と呼ばれ、九州大学大学院法学研究院の成原慧准教授によると、「英語圏では、『非難を表明し社会的圧力を行使する方法として集団でのキャンセルに携わる実践または風潮』や、『文化的に受容できない思想を促していると考えられる個人や組織等に対して、公然とボイコットし、排斥し、または支援を取りやめる行為または実践』などと定義ないし説明されている。『キャンセル』という語の用法には、SNSでの批判の殺到から、出版や講演の中止、解雇、友人からの絶交までさまざまな方法や態様のものが含まれる」とされています。[23]

キャンセルカルチャーの発祥地はアメリカです。キャンセルカルチャーの形成とその背景について、成原准教授は「2017年のMeToo運動などフェミニズム運動の一環として、Twitterでハッシュタグを用いて被害者らが過去に性犯罪、セクシュアルハラスメント、性差別的言動を行った者を非難(call out)する運動が展開される。このような運動のあり様が、『コールアウトカルチャー』と呼ばれるようになった。2020年のBLM運動など黒人の権利擁護運動においても、SNS等で黒人活動家らが人種差別的言動を行ったとされる個人や組織を非難する運動が展開される。そして、このような運動のあり様が、それに対し批判的な立場から『キャンセルカルチャー』と呼ばれるようになった」と述べています。[23]

キャンセルカルチャーに密接に関係する概念として、「ポリティカルコレクトネス」があります。日本では略称で「ポリコレ」とも呼ばれ、映画やゲームがお好きな方には、キャンセルカルチャーよりも、ポリコレの方が馴染みのある言葉かもしれません。ポリコレの発祥地もアメリカです。成原准教授によると「差別的表現など違法ではないが社会的に望ましくない表現に対して自粛や配慮を求める際に用いられてきた概念」で、ポリコレを求める運動は、1950~60年代の公民権運動にまで遡ることができるそうです。「1980年代以降マイノリティの権利擁護運動の一環として大学を中心に影響力を拡大した」一方で、ポリコレという用語は、「1990年代に保守派から左派の運動に対して批判的意味を込めて使われたのをきっかけに、人口に膾炙したもの」であり、キャンセルカルチャーも、ポリコレの「延長線上にある、より先鋭化した現象として位置付けることが可能であろう」とされています。[23]

キャンセルカルチャーは、誰かを傷つけるかもしれない要素は、見つかった順に排除されることを意味しています。これはテレビ等の公共性の高い媒体だけでなく、SNSの削除方針にも及んでいます。例えば、YouTubeでは、有害コンテンツへの対応について「対象分野は、ヘイトスピーチ、ハラスメント、子どもの安全、暴力的な過激主義など多岐に渡ります。(中略)ポリシーに違反するコンテンツが削除されるまでの間に、当該コンテンツが広く視聴されないよう、あるいはまったく視聴されないように最大限の努力を重ねています」[24]と説明されていますし、YouTubeの利用規約には「(a)お客様による本契約への違反が深刻である、もしくは繰り返される場合、(b)法的義務もしくは裁判所の命令に従うために必要である場合、または(c)他のユーザー、第三者、YouTube、YouTubeの関係会社のいずれかに不利益または損害を与える(もしくはその可能性がある)行為が行われているとYouTubeが判断する場合、YouTubeは、お客様のGoogleアカウントまたはお客様の本サービスの全部もしくは一部へのアクセスを停止または解除する権利を留保します。(中略)解除または停止が誤って行われたと思われる場合は、こちらのフォームから再審査を請求できます」[25]とあるため、YouTubeが削除をした後に削除への反論を受け付ける方法が採られています。つまり、削除の対象範囲は多岐に渡り、先に削除ありきなのです。

キャンセルカルチャーの存在を踏まえると、企業がコンプライアンスの一環として社会からの非難を回避するための対応は、

  • 過去も含めて、誰かを傷つけていた、あるいは傷つけるかもしれない言動の有無を確認しなければならない。
  • 誰かを傷つけていた、あるいは傷つけるかもしれない人物や組織とは最初から関わらない。
  • もし関わった場合は、関わったことが世間に知られる前にとにかく関係を絶つ。

ということになるのかもしれません。

ただ、「誰かを傷つけていた、あるいは傷つけるかもしれない言動」の判断基準は不明確です。また、キャンセルカルチャーには、他者の表現の自由を事実上抑制させたり、委縮させたりする側面がある一方で、それ自体が不適切な言動等に対する抗議活動としての表現の自由そのものである側面もあるため、表現の自由に関するジレンマがあります。成原准教授は「解雇や会場利用中止などキャンセルする権限を有する企業や公的機関が、正当な批判や抗議に真摯に耳を傾け応答する一方で、不当なキャンセルの要求に安易に屈せず、自律的な判断を行うことが求められるだろう。また、(中略)私人間の言論がきわどく対抗しているという微妙な場面が多いことから、法の果たし得る役割は限られており、倫理や文化に期待される役割も大きいといえるだろう」と述べています。倫理や文化に期待される役割が大きいということは、冒頭でご紹介した理由を説明できない道徳上の問題が出てくるのです。[23]

では、キャンセルカルチャーが広まったのは何故でしょうか。教育における個人の権利のための財団(FIRE)の会長兼CEOのグレッグ・ルキアノフ氏と、社会心理学者のジョナサン・ハイト氏は、著書『傷つきやすいアメリカの大学生たち――大学と若者をダメにする「善意」と「誤った信念」の正体』において、アメリカの大学でキャンセルカルチャーが広まった要因を世代にスポットを当てながら社会学的・心理学的に分析しています。その中で言及されているのは、「安全(safety)」の意味合いが時代とともに変わっていることです[26]。次回は、「安全」の意味合いがどのように変化し、それが企業にどのような影響を与えるのかについて、ご紹介します。

参照文献

  1. スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』千代田区 : 株式会社青土社,2015 ISBN978-4-7917-6847-9. pp.452-453
  2. ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか―対立を超えるための道徳心理学』新宿区 : 株式会社紀伊國屋書店,2014 ISBN978-4-314-01117-4. pp.59-60
  3. 株式会社DIGITALIO、株式会社C-POT 『日本大百科全書(ニッポニカ)「道徳」の意味・わかりやすい解説』コトバンク (オンライン) (引用日:2024年2月21日)
  4. 金融庁 『コンプライアンス・リスク管理に関する検査・監督の考え方と進め方(コンプライアンス・リスク管理基本方針)』金融庁ウェブサイト (オンライン) 2018年10月15日 (引用日:2024年2月9日)
  5. 日野自動車株式会社 特別調査委員会 『調査報告書』日野自動車株式会社ウェブサイト (オンライン) 2022年8月1日 (引用日:2024年2月9日)
  6. 三菱電機株式会社 調査委員会 『調査報告書(第4報・最終報告)』三菱電機株式会社ウェブサイト (オンライン) 2022年10月20日 (引用日:2024年2月9日)
  7. ダイハツ工業株式会社 第三者委員会『調査報告書』ダイハツ工業株式会社ウェブサイト (オンライン) 2023年12月20日 (引用日:2024年2月9日)
  8. 経済産業省『人的資本経営~人材の価値を最大限に引き出す~』経済産業省ウェブサイト (オンライン) (引用日:2024年3月8日)
  9. 経済産業省『人的資本経営の実現に向けた検討会報告書(人材版伊藤レポート2.0)』経済産業省ウェブサイト (オンライン) 2022年5月 (引用日:2024年3月8日)
  10. 日本放送協会(NHK)『勝新太郎 かつしんたろう』(オンライン) (引用日:2024年2月9日)
  11. 小泉 信一『【勝新太郎の生き方】麻薬所持で逮捕され、裁判で「今回のことで30歳くらい大人になった」 滅茶苦茶な人格を愚直に演じ続けた天才役者の実像』デイリー新潮 (オンライン) 2023年12月16日 (引用日: 2024年2月9日)
  12. スポニチアネックス『勝新太郎さん もう一つの“伝説の会見” 父の法要後の囲みで…』(オンライン) 2015年8月16日 (引用日:2024年2月9日)
  13. 株式会社ジャニーズ事務所 外部専門家による再発防止特別チーム『調査報告書(公表版)』株式会社SMILE-UP.被害補償特設サイト (オンライン) 2023年8月29日 (引用日:2024年2月9日)
  14. 日本放送協会(NHK)『落語家パワハラ裁判 元師匠に80万円支払い命じる判決 東京地裁』NHK NEWS WEB (オンライン) 2024年1月26日 (引用日:2024年2月9日)
  15. 吉本興業ホールディングス株式会社『一部週刊誌報道について』吉本興業グループウェブサイト (オンライン) 2023年12月27日 (引用日:2024年2月9日)
  16. 吉本興業ホールディングス株式会社『週刊誌報道等に対する当社の対応方針について』吉本興業グループウェブサイト (オンライン) 2024年1月24日 (引用日:2024年2月9日)
  17. 英国放送協会(British Broadcasting Corporation)『「ガーディアンズ~」キャスト、問題ツイートで解雇の監督の復帰求める』BBC NEWS Japan (オンライン) 2018年7月31日 (引用日:2024年2月21日)
  18. 株式会社エイガ・ドット・コム『ジェームズ・ガン監督「ガーディアン・オブ・ギャラクシー3」に電撃復帰』映画.com (オンライン) 2019年3月18日 (引用日:2024年2月25日)
  19. 東京新聞(中日新聞東京本社)『組織委、小山田圭吾さん楽曲「五輪開会式で使用しない」と発表 パラ担当も辞任』東京新聞TOKYO Web (オンライン) 2021年7月19日 (引用日:2024年2月22日)
  20. 東京新聞(中日新聞東京本社)『「いじめ五輪」ダメ、ゼッタイ。開会式楽曲担当だった小山田氏 「いじめ自慢」で辞任』東京新聞TOKYO Web (オンライン) 2021年7月20日 (引用日:2024年2月22日)
  21. 株式会社朝日新聞社『五輪開閉会式ディレクターの小林賢太郎氏を解任 組織委』朝日新聞デジタル (オンライン) 2021年7月22日 (引用日:2024年3月12日)
  22. 東京新聞(中日新聞東京本社)『ユダヤ人権団体、小林賢太郎さんを非難 五輪開会式、演出チーム「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」』東京新聞TOKYO Web (オンライン) 2021年7月22日 (引用日:2024年3月12日)
  23. 成原 慧『キャンセルカルチャーと表現の自由』九州大学付属図書館 (オンライン) 2022年12月21日 (引用日:2024年2月21日)
  24. YouTube『YouTube は有害なコンテンツにどのように対応していますか? How YouTube Works』(オンライン) (引用日:2024年2月22日)
  25. YouTube『利用規約 YouTube』(オンライン) 2023年6月1日 (引用日:2024年2月22日)
  26. グレッグ・ルキアノフ、ジョナサン・ハイト『傷つきやすいアメリカの大学生たち――大学と若者をダメにする「善意」と「誤った信念」の正体』新宿区 : 株式会社草思社,2022 ISBN978-4-7942-2615-0.pp.37-55

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以上

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