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5分でわかる!ハラスメント対策

ハラスメント対策の法制化

ハラスメント対策は法律で定められている

企業はハラスメント対策を講じなければなりません。

「セクハラ対策」「マタハラ対策」を行うことは、事業者の義務として、男女雇用機会均等法、育児介護休業法で定められています。

▼「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(通称:男女雇用機会均等法)第11条の2
▼「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(通称:育児介護休業法)第25条

なお、マタハラについては、男女雇用機会均等法第9条第3項、育児介護休業法の第10条等で、行為そのものも禁止されています。

▼「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(通称:男女雇用機会均等法)第9条第3項
▼「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(通称:育児介護休業法)第10条等

「パワハラ対策」は、労働施策総合推進法の改正により、大企業は2020年6月1日から、中小企業は2022年4月1日から、事業主の義務となりました。

▼「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(通称:労働施策総合推進法)第30条の2

事業主が講ずべき措置等に関しては、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して 雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)に示されています。

該当する?しない?判断が難しいパワハラ

パワーハラスメント(パワハラ)

パワハラとは、次の3点全てを満たすものをいいます。
  • 優越的な関係を背景とした言動であること
    すぐに想像できるのは、上司から部下に対するパワハラですが、それ以外にも「抵抗・拒絶できない」関係性はあります。
    例えば、豊富な経験や知識を持っていること、集団の力を使うことによる、同僚や部下からのパワハラもありえるということです。
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えていること
    社会通念に照らし、その言動が明らかに業務上必要性がない、またはその態様が相当でないものを指します。
    この判断には、その言動の目的や経緯、その頻度や継続性など、様々な要素を総合的に考慮する必要があります。
    たとえ本人が不満に感じても、業務上の適正な範囲内の指示・注意・指導であればパワハラには該当しません。
  • 労働者の就業環境が害されること。
    本人の意に沿わないことがすべてハラスメントとならないよう、
    「苦痛を与えたか」「就業環境を害したか」の判断には、一定の客観性が必要とされています。

パワハラかそうでないかは、例えば「○分以上の叱責ならパワハラ」というように、一律の基準で定められるものではありません。
個々のケースにおいて状況をよく確認し、パワハラかそうでないか判断していく必要があります。

セクハラ、マタハラ防止のポイント

セクシャルハラスメント(セクハラ)

職場でのセクハラは、働く人の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であり、能力を十分発揮することの妨げにもなります。

セクハラ対策で念頭に置いていただきたいのが、「性別役割分担意識」に基づく言動がハラスメントにつながるということです。

そして男女間だけでなく、同性同士のハラスメントにも注意する必要があります。

また、「これくらいはOK」には個人差があります。特に環境型セクハラにはその違いが表れやすいので要注意です。

セクハラは大きく分けて2種類、環境型セクハラと対価型セクハラがあります。

マタニティハラスメント(マタハラ)

上記の通り、マタハラは明確に法律で禁止されている行為です。

悪意はなくても、「子育ては女性がするものだ」「女性は家庭を一番に考えるべきだ」といった、
性別役割分担意識や無意識の偏見によって発生することがありますので、注意が必要です。

また、女性がマタハラにあう職場は、男性にとっても働きにくい職場であることも多く、「女性がいない職場では関係ない」と考えてはいけません。

妊産婦であることを理由に過剰な優遇を求める「逆マタハラ」で、周囲が疲弊してしまうこともあり、注意が必要です。

ハラスメントをなくすべき理由

ハラスメントが常態化した職場、適切な指導ができない職場には、さまざまなリスクがあります。

不調者や退職者が発生し、常に人材不足に悩むことになるでしょう。

労働問題に発展し、その対応に追われることにもなりえます。

また、職場で活発なコミュニケーションはなくなり、情報共有や育成もうまくいきません。

モチベーションが下がり、ミスが増えて、お客様も離れていくでしょう。

ハラスメントを恐れた人が、不正行為に走ることもあり、ハラスメントは不正の温床ともなりえます。

ハラスメントは、経営上の大きなリスクであると認識すべきです。

会社が「正しく儲ける」ために、ハラスメント防止の取組は不可欠です。

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