ピックアップトピックス pickup topics

★4月10日更新<br>2025年4月の「最新の暴排動向」<br>チェックはこちらから

★4月10日更新
2025年4月の「最新の暴排動向」
チェックはこちらから

反社会的勢力対応の専門家が30分前後の動画で解説します。

記事一覧

もっと見る

30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの視点から時事ニュースを考察しました。

統計上の数字と実態の乖離が示すもの~令和6年における組織犯罪の情勢から

統計上の数字が実態を正しく表しているとは限らない。例えば、暴力団は顕著な減少傾向を示しているが本当はどうか。例えば、暴力団としてあえて登録しないまま実質的に暴力団として活動している実態。トクリュウが本質的に不透明であるがゆえ数字での補足がそもそも困難な実態。暴力団を辞めても更生は厳しく、「元暴アウトロー」や完全なアウトローといった危険分子が増加している実態。そして「暴力団の肩書がむしろ邪魔になり、表だった活動の機会が減っている」実態。離脱しても今さら社会に適合できず、あえて暴力団にとどまる高齢者の増加など「少子高齢化」が顕著な実態。これらが数字に表れないリアルな姿だ。もはや統計上の数字が以前ほど大きな意味を持たなくなっている。だが、正にこの乖離こそが、今、暴力団を再定義すべき理由でもある。(芳賀)

▼警察庁 令和6年における組織犯罪の情勢について

厚労省 スーパーマーケット業界向けカスハラ対策マニュアル公開

4月1日、カスハラ防止条例が東京都や群馬県、北海道などで施行。あわせて厚生労働省もスーパーマーケット業界向けカスハラ対策マニュアルを公開した。マニュアルのうちスーパーマーケット等へのアンケートの結果では、過去3年間に従業員からカスハラ等の相談があった企業のうち、カスハラがあったとする企業は9割を超え、件数の割合は「増加(42.9%)」が「減少(5.2%)」より大幅に高いという結果を示した。スーパーマーケットでカスハラは増えているのだ。さて、マニュアルのうちカスハラ客の対応方法についてだが、少し物足りなさを感じる。各社で接客スタイルが違うので業界共通としては踏み込めなかったのかもしれないが、現場で働く従業員は“激怒した客とどんなトークで応対するか”がもっとも知りたい。ここは各社、オリジナルで作るしかないようだ。(宮本)

▼業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(スーパーマーケット業編)等を作成しました。厚生労働省

▼株式会社エス・ピー・ネットワーク クレーム・カスハラ対応サービス紹介ページ

ミャンマー地震における長周期地震動

3月末にミャンマー中部で発生したマグニチュード7の大地震。軍は6日の朝時点で、これまでに3455人が亡くなり、214人が行方不明と発表した。今回の地震の教訓の1つは長周期地震動の恐ろしさだ。震源から1000km離れたタイの建設現場で長周期地震動により建設中のビルなどが倒壊。多くの被害者を出している。東京を中心にして考えると福岡までの直線距離が887km、韓国のソウルが1150kmというからその距離感について推して知るべしだろう。東日本大震災では、震源から770km離れた大阪府庁舎が長周期地震動によって約10分間揺れ、最上階付近の揺れ幅は最大約2.7mに達したという。政府は現在、緊急地震速報の発表基準のなかに長周期地震動階級の予想値を追加。長周期地震動階級3以上を予想した場合も緊急地震速報を発表する。BCP担当者は知っておきたい知識だ。(大越)

▼緊急地震速報の発表基準の変更について(気象庁)

罪悪感を抱くことがおかしいはずなのに…~楽しい雰囲気を壊してごめんなさい~

新入社員だった頃の話。配属先で開かれた新人歓迎会の二次会はカラオケ店だった。最高潮に盛り上がった頃、どこからともなく「脱げ!脱げ!」のコールが始まると1年先輩の男性社員が「いつもの脱ぎ芸」を披露し、全裸になった。筆者は女子大の出身。酔っぱらって脱ぐ人、それも全部脱ぐ人など見たことがなく、非常に驚き…泣いてしまった。盛り上がっていた場は一気に冷め、カラオケの音だけが響く。ばつの悪そうな先輩社員、えげつないジョークでもう一度盛り上げようとしてくれた同期の女性、心配そうな目で見る先輩社員…。自分が泣いたことで場の空気を完全に壊してしまったことに焦り、その後ひたすら謝った。はて、あの時「謝ったこと」は正しかったのか?なぜ私が謝ったのだろう。何かおかしいのはわかる。だがまだ、あの時の罪悪感が消せない。(吉原)

公益通報に関する不利益取扱いの防止のために、懲罰委員会等の牽制機能・相互監視機能が重要

兵庫県の第三者委員会から「告発者の特定や懲戒処分は違法」と認定された内部告発文書への対応について、兵庫県知事は「当時としてはやむを得ない適切な対応だった」と従来の主張を繰り返している。3月4日に閣議決定された公益通報者保護法の改正案では、公益通報を理由として懲戒処分を行った者に対する罰則が新設されるため、兵庫県知事と同様の対応はますます許されなくなってくるだろう。多くの事業者では懲罰委員会等の合議制で懲戒処分が決定されている。合議制は、個人の暴走を止める牽制機能・相互監視機能を持たせるものだ。これらの機能を発揮するには「懲戒の対象者は通報者である」という情報が合議体のメンバーに伝わっていなければならないため、メンバーを公益通報対応業務従事者に指定し、守秘義務を課すことも検討すべきだろう。(安藤(未))

▼読売新聞『斎藤元彦知事、第三者委の指摘に「一つの意見」…幹部「握り潰されるなら声を上げようと思えない」』(2025/04/04 09:53)

▼消費者庁「公益通報者保護法の一部を改正する法律案(概要」(2025/3/4)

カスハラをめぐる実務に関する迷走に関して~クレームとの区別について

厚労省や東京都からカスハラ対応マニュアルのひな形を公表しているが、マニュアル作成についてよく聞かれるのは、「正当なクレームとカスハラの線引きが難しい」ということだ。これについては、カスハラに関する誤解が原因だ。誹謗中傷等カスハラに当たりうる行為があれば「カスハラ」と判断してしまうから、線引きが難しくなる。しかし、カスハラの行為類型に該当しただけではカスハラは成立しない。各社の定義には条例等の定義もそうだが、「就業環境を害する」という要件が入っている。行為類型に該当し、就業環境を害する程度になった場合にカスハラになるのだ。「就業環境を害する」といえる為の対応基準・要領を決めればカスハラ該当性の判断は容易だ。国等の概念整理の拙さもあるが、再三指摘しているように、ノウハウや専門家の見極めが重要だ。(西尾)

官製カスハラマニュアルのひな形や組織名に惑わされるな

厚労省や東京都からカスハラ対応マニュアルのひな形等が公表されている。いずれも総論や全体像は相応のクオリティで書かれているが、対応要領の部分は非常に抽象的で、実際に現場で使えるクオリティにはなっていない。特に東京都は条例制定過程から刑法で対処できるのでカスハラには罰則を設けないスタンスであり、マニュアルの記述も同様のスタンスが前提だ。しかし、刑法で対処するということは、対応者が「被害を受けること」が前提であり、従業員の心身に傷を残す。カスハラにより、深刻な被害を受けないための対策・対応要領が必要なのに、刑法を前提としていること自体が、そもそも論理矛盾なのだ。本当に従業員を守りたいなら、民事的法理も活用した実践的対応要領が不可欠だ。「生兵法は大けがの元」。名義や組織名に惑わされないことが重要だ。(西尾)

バックナンバーを見る
Back to Top