30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2018年11月19日号

暴排の徹底に必要なこと~青少年教育の重要性

今年のハロウィンでも、六代目山口組総本部で子供たちにお菓子を配る光景が見られた。「子どもが楽しめると思って行っただけ」と話す母親を見て暗澹たる気持ちになった。昨年末も、同組の餅つきに近隣住民が訪れ、「餅をもらうことは悪いとは思っていない。私は被害を受けたことがないから」とのコメントを目にした。さらに、昨年のハロウィン前に、兵庫県警から子供を参加させないよう指導を要請された神戸市教育委員会が、「組員の子どもが差別される」として「知らない大人から物をもらわないように」と文言を和らげて伝えたとも聞く。人権を重んじるのは当然だが、暴排を軽んじてよいわけでもあるまい。暴排の徹底には社会全体の合意が必須だ。暴力団を容認する者や加入する者を生まないために、青少年に対する暴排教育が果たす役割は極めて大きい。(芳賀)

パート・アルバイトの時給上昇、迫られる人手不足対応

リクルートジョブズが15日発表した三大都市圏における10月度のアルバイト・パート募集時の平均時給は前年同月比より26円増加の1,047円と2006年調査開始以来過去最高を更新した。パート・アルバイトへの依存度が強い小売業や外食産業における慢性的な人手不足を反映している。吉野家ホールディングスは3~8月期の連結決算で、売上高は過去最高水準だったにもかかわらず、最終損益が赤字となった。自動化を含めた業務の効率化や省力化による生産性の向上は必須だ。人材の確保という点では、時給のアップだけでは限界がある。マクドナルドでは、応募前の体験制度やシフトの自由を前面に出しスタッフの確保に成功しているという。もはや企業は選ばれる立場を認識して、働きやすさや仕事の楽しさという労働者に金銭以外の価値を示す意識変革が求められる。(伊藤)

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