30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

緊急事態に乗じた犯罪組織の跋扈を許してはならない

資金繰りに苦しむ事業主らの不安につけこみ、政府系金融機関から融資を受けられるよう斡旋するなどと金融庁職員をかたって高額な手数料を請求する犯罪が増えているという。その背後に反社会的勢力の関与も疑われる事例も散見されている。助成金を巡っても同様の構図が見られ、これから始まる現金給付も「貧困ビジネス」に悪用されかねないリスクも孕む。融資や助成金の利用申し込みが急増する中、金融機関や行政が、膨大な件数の相談をこなしながら不正を見抜くのは容易ではない。本当に苦しむ事業者に必要な資金を行き渡らせることが緊急事態における金融機関や行政の役割であり、次々と打ち出される諸政策も理解できる。だが、膨大な事務処理に時間的圧迫が重なり審査が形骸化すれば、犯罪組織を助長しかねない。コロナ禍は犯罪組織との闘いでもある。(芳賀)

“怪しいZoom”に注意、使うとサポート料金を請求

ビデオ会議ツール「Zoom」のダウンロードページを装ったサイトが報告されているとして、情報処理推進機構(IPA)が注意を呼び掛けている。同サイトが配布しているソフトウェアを誤ってインストールすると、起動後に偽のセキュリティ警告が表示され、記載の番号に電話をかけるとサポート料金を請求されるという。正規に見せかけた偽ソフトや、偽サイトのポップアップ表示など、偽のセキュリティ警告を表示して不安を煽り、サポート料金などをだまし取る手口だ。Zoomの偽サイト以外でも日々閲覧するWebサイトには偽物やなりすましが多く存在し、騙される可能性があるということを客観的に理解しておく必要がある。急ぎ足でテレワークを導入しているこの時期、ツールの利便性や使い方の他、便乗するフィッシング詐欺や最新の攻撃手口もあわせて周知しておきたい。(佐藤)

雇用調整助成金の利用広がらず、専門家の支援のあり方

雇用を維持し休業した企業を国が支援する同助成金の相談が厚労省には12万件以上寄せられているが、申請に至ったのは985社で利用が広がっていない。法定書類が揃っていない中小企業の支援に社会保険労務士が二の足を踏むケースもあるという。中小企業は全企業の99.7%、従業員は3200万人と全体の7割を占める。とくに中小の飲食・サービス業では労働基準法で定める就業規則などの書類を作っていないことが多い。専門家に書類の作成を依頼する資金も時間もないというのが本音かもしれないが、なかには専門家の助言をやり過ごした経営者もいよう。一方、専門家はクライアントであれば、軋轢を恐れず本気で対峙し助言しなければならない。そして、経営者の意識と行動に変化をもたらす「結果」にもこだわることが必要だ。頭の知識だけでなく心の知性が求められる。(伊藤)

緊急事態宣言下のGW前に整備すべき事項

大型連休を間近に控えた緊急事態宣言下の日本列島。企業として、GWに備えた対策は検討しているだろうか。最も重要なのは、緊急連絡網の整備と連絡体制だろう。もしGW前半にPCR検査の陽性反応が授業員やその家族に出た場合、さかのぼってGW前の就業中に濃厚接触した従業員などを特定する必要がある。従業員を特定した後は、その通知や該当地域の保健所への連絡、オフィスビルへの通知や経営層への報告など企業としてやらなければいけない業務は事前に整備しておくことが望ましい。対策本部を作っている企業は、本部内でのGW中の連絡・情報共有手段なども決めておいたほうが良いだろう。できればGW中の緊急事態を想定し、模擬通信訓練を実施することも非常に有効だ。万一の時に冷静に対処できるための準備をしておくことを、GW前の最後の業務としてほしい。(大越)

新型コロナウイルスへの日常的対処法

新型コロナウイルスの症状は、無発症・軽症・重篤・死亡と段階的に分かれるようだ。もちろん、その中で重要な回復というステージもある。我々にできることは、マスクの着用や清潔を保持するということに加えて、不要不急の外出を控える、いわゆる3密を避けるといったことぐらいだ。しかし、それ以外にもとにかく免疫を向上させる食べ物を積極的に摂ることだ。自然免疫はもちろんのこと、抗体強化のためにも免疫強化は欠かせない。ただ、重篤になるとサイトカインストームによって、免疫が暴走するとの報告がなされている。ということは、重篤前にいかに検査体制を充実し、重篤化を防ぐ治療を実現できるかである。これが実現する前後での医療崩壊がそれぞれどのようなレベルになるのかを考える必要もある。国民に自粛を求めるだけが政府の仕事ではない。(石原)

金正恩重病説、一部では死亡説!?

北朝鮮の金正恩委員長に重篤な健康危機が迫っている。一部では既に死亡説も流れている。それらの情報を総合すると、金委員長は昨年の秋口に脂肪吸引手術を行ったものの術後の経過が悪化し、この間公式な場にも一切出ず、仏の医師団や直近では中国の医師団の訪朝により今月15日時点で脳死状態と判断され、その後正式に死亡が確認されたというのだ。それに併せて、妹の金与正氏の権力基盤が固められているとも言われる。真偽の程は不明だが、近々重大な発表がなされるかもしれない。もし事実ならば、現在世界中にコロナウイルスが蔓延している中、大きなリスクとなる。東アジアでの安全保障体制に脅威を与えないためにも、米中日韓当局の冷静な協議が不可欠だ。同時に北朝鮮内部での権力闘争が激化しないように、各国が平和的な影響力を行使すべきである。(石原)

Back to Top