2021年07月05日号
【もくじ】―――――――――――――――――――
「誰ひとり取り残されない社会」の実現とは?
SDGsやESG、社会的包摂やダイバーシティといった概念は、「きれいごと」「お題目」ではもはやない。ユニクロの柳井氏は「社会に貢献し消費者に選ばれる企業にならないとこれからは生き残れない」と指摘したが、企業にその覚悟があるのかをあらためて問いたい。例えば、「誰ひとり取り残されない社会」の実現とは耳障りはいいが、「一発アウト」の社会から排除され孤立を深めている暴力団離脱者や薬物事犯者などに対し、「社会的包摂」の観点から「働きがいのある人間らしい雇用」(ディーセント・ワーク)を実現できているのか。国際情勢に鑑みて「リスクが高いから」対応するという「受け身」の姿勢でよいのか。企業には今、「主体性」や「本気度」こそ問われているのであり、底の浅い取り組みは、社会や消費者に見透かされ、「選ばれる」ことはないのだ。(芳賀)
アパレル在庫回転悪化、在庫管理のシステム化
コロナ禍によりアパレル各社の衣料品の在庫回転日数が悪化している(日経新聞6/25付朝刊)。在庫回転日数の悪化は効率よく売上を上げられていないことになる。特にアパレルでは季節性や流行といった要素が販売を左右する傾向が強く、タイミングを逃すことは値下げ販売や廃棄といった利益率の低下に直結する。各社の在庫削減の取り組みは、既製品の比率を減らす、短期生産による発注から納品までの期間短縮、在庫を人事評価に組み込むなど試行錯誤している。ファーストリテイリングでは、RFIDタグを商品の在庫管理に導入し、データをAIで分析し需要予測に活用している。ただ、多くはバイヤーの経験や勘に依存する。単に在庫を絞るだけでは縮小均衡に陥る。システムで効率化を図りつつも、売れる商品を仕入れて売り切るという商売の原則に立ち返る必要がある。(伊藤)
隠蔽に堕すのか、コロナ報道
マスコミは、反コロナウイルス、反コロナワクチンに関する一部の情報をもって、フェイクニュースや陰謀論として切って捨てている。その根拠を"非科学的"と称しているが、そこに登場する"専門家"と称されるのは、医学界・科学界のごく一部の人たちであり、批判の矛先は、怪しげなネットニュースやSNSに向けられている。しかしながら、もう一方の専門家の多くが、コロナ報道の偏向を打ち消すような声を上げているにも関わらず、それらを一向に取り上げないし、彼らを登場させない。何度も言うが、双方の立場・見解の者を議論させる場を何故設定しないのか。VAERSの最新報告では、ワクチン接種後の死者は、7000人に迫ろうとしている。政府とメディアの共犯関係は、戦前を想起させる。深く取材するネタは尽きない。調査報道の強化とは一体何を指しているのか。(石原)
▼VAERS(CDCワクチン有害事象報告システム)最新データ
▼「第4回医薬品等行政評価・監視委員会」佐藤嗣道委員長代理(東京理科大学薬学部准教授)ワクチン接種に警告
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▼イタリア国会議員:コロナ死の96.3%は他の死因
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ワクチンパスポート強制導入は何をもたらすのか
政府は、新型コロナウイルスワクチンの接種歴を公的に証明する「ワクチンパスポート」を7月下旬に書面で発行するという。実はこれに先立ち、国はワクチンパスポートに関するパブコメを募集していたのをご存じだろうか。何とその募集期間は6/25〜7/1のたった一週間。その最終日の1日に加藤官房長官が会見で明らかにしたわけだ。反対意見の内容は、十分吟味されたのだろうか。ワクチン接種の判断は、あくまでも個人の自由と権利であり、それを侵害することは許されない。ましてや、航空機利用だけでなく、飲食店や各種施設の利用、口座開設、さらには個人の健康情報を管理・監視するところまで行きかねない。これでは悪夢のデジタル社会だ。この点に関しても、多くの専門家が異議申し立てをしており、また同パスポートの導入を廃止した国も続いているのだ。(石原)
▼米国医師外科医協会(AAPS)の調査結果:医師の過半数はCOVIDショットを拒否
▼ピーター・マカロー博士(米国循環器専門医)ワクチン強制接種に警鐘(Twitter)
▼ピーター・マカロー博士(米国循環器専門医)ワクチン強制接種に警鐘(Brighteon TV)
▼イスラエル、コロナの行動制限ほぼ解除 ワクチンパスポートも廃止
出されなかったレベル4(避難指示)
風光明媚な温泉の町を、無情な土石流が襲った。2人が死亡し、5日午前7時時点で連絡の取れない人は113人にのぼる。人命救助の黄金時間とされる72時間まであとわずか。亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、政府には一刻も早い行方不明者の救助を望む。今回の災害で指摘するべき点はいくつもあるが、まずすべきは避難情報のあり方だろう。周知のとおり、熱海市ではレベル3の高齢者等避難情報は出されたものの、レベル4の避難指示は発せられなかった。検討しているときに雨が弱まったことも一因にあったという。ただ、土砂災害は長雨によって土に蓄積された水分により斜面が崩壊するということは、2014年の広島の例を見るまでもなくこれまで何度も指摘されてきた。引き続き九州や日本海側を始め豪雨が予想されている。警戒を怠らないようにしたい。(大越)