30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

抗争終結が迫る中、静かに進行する地殻変動に注目せよ

「2つの山口組」(正確には「4つの山口組」か)の分裂抗争が最終局面に差し掛かったようだ。だが、その陰で進行する重要な変化を見落としてはならない。半グレと暴力団の関係性だ。これまで両者は「持ちつ持たれつの関係」と評されることが多かった。暴力団と一定の距離感を保ちながら、アメーバのような形態で暴力団対策法の規制の枠外で活動してきた半グレだが、その外観はそのままに、暴力団の資金獲得活動や対立抗争の先兵を担う役割を任されるまでに、両者の関係性が一層強固となりつつある。暴力団の潜在化が指摘されて久しいが、半グレが水面下で実質的な組員となれば、その実態の把握や組織的犯行の解明や摘発はますます困難になる。抗争終結を見据えた今、暴力団のあり様や暴力団対策のあり方を根本から問い直す必要に迫られているといえる。(芳賀)

コロナ第7波の兆し。担当者は注意を

東京都内の7月10日のコロナ感染確認は9872人。先週日曜日からおよそ5600人上回り、約2.5倍の感染者数となった。全国各地でも感染者数は激増し、前週の約2倍となっている。少し前の数字になるが6月中旬、トヨタ自動車は新型コロナ感染拡大に伴う出勤率の低下や部品供給不足などを理由に、国内工場において約4万台の減産を公表している。私事で恐縮だが、先週あたりから訪問先の職場でクラスター発生して打合せがキャンセルとなったり、予定していた講演が中止となったりと、緊急事態宣言前夜のような雰囲気をひしひしと感じる。大手自動車メーカーではゴールデンウィーク明けから原則出社勤務となった。原則論としての出社か在宅かの判断は企業側に委ねるとして、時期としてはまだ尚早であったのではと考えざるを得ない。担当者は注意深く対応して欲しい。(大越)

七夕の短冊に思うこと

各所に飾られた七夕の短冊。「早く戦争が終わりますように」子どもらしい筆跡で書かれた短冊に大きく頷きつつ、子どもが戦争の心配などしなくても済む世の中に思いをはせる。「神様、私のコレステロールと肝臓の数値を下げてください。どうかお願いします。」明らかに大人の筆跡の短冊。よく見ると同じ筆跡の短冊がいっぱいあり、自身のみならず、家族やペットの健康を事細かく、切実な調子で願っていらっしゃった。七夕に何を願うかはもちろん自由。自分に余裕がないときには、なかなか周囲の人や世界にまで目を向けるのは難しいものだ。テレビで流れる恐ろしいニュースから、そっと目を逸らす自由も、今のところ私たちに与えられている。自分のことも、家族のことも大事にしつつ、周囲や世界にも目を向けられるような、そんな心の余裕を星に願った。(吉原)

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