30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「つながり」を意識せよ~これからのAML/CFTに必要な視点

報告書は、「単一の金融機関は、トランザクションの一部しか把握しておらず、多くの場合、大きくて複雑なパズルの小さなピースしか見ていない。犯罪者は、法域内または法域全体で複数の金融機関を利用して、この情報のギャップを悪用し、違法な資金の流れを重ねている」としたうえで「より正確で一貫した情報がなければ、個々の金融機関がこれらの活動を検出することはますます困難になる。共同分析を使用したり、データをまとめたり、他の共有イニシアチブを責任ある方法で開発したりすること」でAML/CFTリスクの軽減を図る必要があると指摘する。一方、「これらの目的での個人データの収集と使用は、データ保護とプライバシーの問題を引き起こす可能性があること」からそのバランスが重要とした。リスク管理は今後さらに点から線、面への発想が重要となる。(芳賀)

▼FATF「金融犯罪との闘いにおける提携:データ保護、テクノロジー、民間セクターの情報共有に関する報告書」

地震保険料、火災保険料が10月から改定へ

地震保険料の改定が10月から実施される見込みだ。地震保険料は東日本大震災以降段階的に上げられており、17年(+5.1%)、19年(+3.8%)、21年(+5.1%)と基本的に値上げされてきた。今回の改定では全国平均では0.7%の「値下げ」になるそうだが、地震保険の特殊性で地域によって大きな差が出る。マンションなどの場合で見ると、最大引上げ率(+29.9%)となるのは茨城、埼玉、徳島、高知。最大引き下げ率(-38.1%)となるのは大分だそうだ。東京、神奈川などは±0%となっている。一方で、火災保険も10月から10.9%の値上げが実施される見込みだ。地震保険は火災保険の特約でしか入れないため、全体で見れば実質的な値上げと考えられるだろう。痛い出費だが、保険は災害が発生した時の数少ない希望の光となる。まだ入られていない方は9月中にご一考を。(大越)

ベビーカーに抱く緊張感

前職では、業務の関係で昼間の時間帯に住宅街を走る電車に度々乗っていた。時間帯のせいか場所柄なのか、乗ろうとした電車の扉の前にベビーカーが数台あることが常で、つい緊張してしまう自分がいた。私には子どもがいない。子育ての苦労を知らない。それを負い目と感じているのか、「自分が『ベビーカーを邪魔に思っている人』だと思われたくない」という一心で、おそらく必要以上に緊張し、「申し訳ありませんが乗せてください」と、そっとベビーカーの横をすり抜けていた。絶対にベビーカーにバッグなどが当たってはならない。緊張している顔が不機嫌な顔に見えないよう、無理に微笑む。あぁ、普通に電車に乗ることの難しさよ!気にし過ぎなのはわかっている。私はベビーカーに悪意などない。ベビーカーを邪険にする人の存在が、私を緊張させるのだ。

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