30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

生き残るのは誰だ(2)~抗争終結は確実に迫っている。離脱者支援態勢の整備を

神戸山口組が離合集散を繰り返しながら弱体化する一方、六代目山口組は虎視眈々と、だが確実に抗争終結を見据えた動きを見せる。抗争終結は確実に迫っている。一方、工藤会の壊滅に向けて福岡県警が取り組んでいる頂上作戦では、多くの構成員らが摘発され弱体化が進んだが、真の意味での壊滅には離脱者支援の強化が不可欠だ。本心では脱退したい組員が多い中、脱退への意志を後推しする力となり、組織を内部から崩壊させるためには、官民挙げた力強い離脱者支援(とりわけ就労支援)が今こそ必要だ。そして、それは何も工藤会に限った問題ではない。暴力団の壊滅、暴力団排除には、暴排アウトローの跋扈や再犯を防止するための「受け皿」が必要で、「離脱者支援」がその最後の重要なピースとなる。暴力団が壊滅した先に「生き残る」のは当然、離脱者だ。(芳賀)

台風14号、静岡県では弁護士会が積極的に支援

今年9月24日の朝にかけて静岡県などで大きな被害を出した台風14号。現在でも現地ではボランティアなどによる復旧作業が進んでいる。消防庁によると、同県内で犠牲者2人、行方不明者1人。住家の被害は全壊から床下浸水まで合計4489件(9月28日消防庁公表資料より)。ご冥福をお祈りするとともに、一刻も早い日常への復旧を願う。今回も迅速な対応をしたのが静岡県弁護士会だ。27日に発行した静岡県弁護士会ニュースでは、本稿でいつも指摘している「写真撮影・浸水対処」「り災証明書」「被災者支援制度」「すまいの支援」「お金の支援」「借り入れの支援」「自動車の支援」「解体や撤去」など必要な項目がA41枚に非常に分かりやすくまとめられている。現在は平日に弁護士無料相談窓口も設置。被災者支援にあたっている。被災した方はまずご連絡を。(大越)

▼静岡県弁護士会ニュース

本当に「ダメに決まっている」だろうか?

今よりもっと良くなることを目指そうとしても、今のままに踏みとどまりたい人はいるものだ。「ダメに決まっている」「無理に決まっている」という思考停止が、改善にブレーキをかけているように思う。法律に違反するのは「ダメに決まっている」。しかし職場の人間関係の適正化や業務効率の改善、より良い成果につながるモチベーション対策等も、「ダメ・無理に決まっている」だろうか?考えること、何かを変えることは面倒くさいかもしれない。うまくいくとは限らず、頭ごなしに否定されればやる気も失せる。自分が現状に耐えられるならば、適応できない人を「ダメなヤツは何を言ってもダメ」と決めつけ、切り捨てた方が簡単かもしれない。しかし仕事に求められる粘り強さは、現状に耐えることばかりではない。思考停止せず、トライを続ける力が必要だ。(吉原)

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