30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

反社リスク対策に「境界防御」と「ゼロトラスト」の取組みを

当社が実施した「反社リスク対策に関する実態調査」(2021年)から見えてきたのは「反社リスク対策の実効性は、全体的に反社会的勢力の実態に対峙できるレベルにない」という現実だ。例えば、反社チェックについては、反社会的勢力がどこに潜んでいるかを考慮することなく、表面的なチェックに止まり、存在の不透明化や手口の巧妙化を進める反社会的勢力の実態とのミスマッチが顕著だ。実効性の低い反社チェックや役職員の意識の低さは、むしろ反社会的勢力の活動を助長することになる。反社リスク対策の実効性を高めるために役職員の意識改革や内部統制システムの見直しが急務だが、内部統制システムの限界は「人」だ。役職員は「防波堤」にも「接点」にもなりうる。反社会的勢力は「人」を介し容易に企業内に侵入するとの危機感を常に持ってほしい。(芳賀)

▼SPN 会員限定動画「反社リスク対策の最前線」を少しだけご紹介します!

衛星電話サービス「ワイドスターⅡ」に中断の可能性

NTTドコモは10月7日、同社が運営する衛星電話サービス「ワイドスターⅡ」についてサービス中断の可能性があると発表した。通信衛星の設備において、ソーラーパネルの発電力の低下が発生しているという。現在においてすぐにサービスに影響があるというものではないが、発電力の低下がさらに進行した場合は一時的なサービスの中断や、サービス提供そのものができなくなる恐れがある。後継機種のワイドスターⅢについては、2023年度初頭の提供開始を予定している。衛星電話は、理論上この世で最も広範囲にわたって通信を可能にするものだが、衛星を使用するというその構造上、ビルの中などの閉ざされた空間では使用できないため屋外にアンテナを立てる必要があることや、厚い雲などの天候に左右される場合もあるため、都市部の災害対応では特に注意が必要だ。 (大越)

▼衛星電話サービス(ワイドスターII)のサービス中断の可能性について(NTTドコモ)

ルールを守ることなく、ルールを守らせることはできない

出張先のホテルにて。部屋のトイレにはペーパーホルダーが2つ。環境に配慮し、ペーパーの使い切りを呼び掛けているが、「こちらから」と指定されたペーパーよりも、予備のぺーパーの巻きが小さいのはなぜだろう。朝食ブッフェでは、受付で「食事中」のカードを渡される。食事中はこれをテーブルの上に置き、終わったら受付に返却するよう説明された。しかし食事も終盤、コーヒーを取りに行っている間に、食べかけの皿もカードも全て回収されてしまった。すぐ新しい席は用意いただけたが、何のためのカードだったのか。トイレットペーパーも食事中のカードも、きっとルールを守らない客がいるのだろう。しかしルールが守られないことを前提にされるのは悲しい。もしやルールを作ったことさえ忘れてしまったのでは?それではルールが守られるはずがない。(吉原)

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