30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

肝心なものは目に見えない~「ルフィ」の摘発は氷山の一角だ

その背後に反社会的勢力の関与があることは間違いない。多種多様な「犯罪インフラ」が相互に連携して犯罪の成功率を高め、「犯罪インフラ」1つ1つに組織犯罪ならではの膨大なノウハウが詰まっていることを考慮すれば、それは自明のことだ。「ルフィ」グループは多くの実行部隊の1つに過ぎず、同様の犯罪は、今後も姿かたちを変えながら、より巧妙に、より狡猾に、より無慈悲に続いていくはずだ。だからこそ、当局は、1つ1つの「犯罪インフラ」を構成する関係者を洗い出し、国際的な連携を深めながら摘発を進め、犯罪をやりにくいものとすること、犯罪組織の全容解明に向け「真の首謀者」に迫っていくことことが求められている。「見えない」「見えにくい」「真剣に見ていない」領域だからこそ跋扈する治安上の脅威を、これ以上放置してはならない。(芳賀)

トルコ地震は他人事ではない

トルコ南部で発生した大地震から本日13日で1週間となる。報道によると、現時点で犠牲者は東日本大震災を大きく上回る3万4千人。被災地を訪れた国連のマーティン・グリフィス事務次長は「この地域の100年で最悪の出来事」とし、犠牲者が5万人に上る可能性もあると指摘している。トルコは日本と同じく、ユーラシアプレート、アラビアプレート、アフリカプレートおよびアナトリアプレートの4つのプレートがせめぎ合っている地域として知られる地震の多発地帯だ。今回の地震はトルコ南東部の東アナトリア断層が原因とみられており、M7.8の地震が発生した9時間後に同断層上でM7.5の地震が発生し、被害を拡大させた。4つのプレートが重なり合う地域という意味では、日本も他人事ではない。今回の地震を他山の石とし、地震対策を加速させる必要があるだろう。(大越)

バレンタインデーと同調圧力

「今年はどうする?」職場の女性たちの間で、毎年この時期に交わされていた会話が懐かしい。出社が当り前ではなくなったことで、なし崩しに職場内でチョコレートを配る習慣がなくなったが、街がチョコレートで賑わい始めると、少し気持ちがザワザワする。ある人にとっては「いつもお世話になっています」の思いを込めた感謝チョコも、別の人には完全に義理チョコ。「お金がかかる」「一人が配ると配らないわけにいかない」「お返しを用意させるのはかえって迷惑」などと聞くと、迂闊に感謝チョコも配れない。あぁ、こんなところにも同調圧力。気を遣わせない程度で美味しいチョコレートをいかにお安く用意するかに燃えるのも、案外楽しかったのだが…。小さなお楽しみは頑張って働くためのエネルギー。周囲と足並みを揃えるために消えていくのは残念だ。(吉原)

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