30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

青少年の犯罪抑止のために私たちがすべきこと

「闇バイト」に応募する青少年は、「最初から犯罪行為であると知りつつ加担する者」と、「犯罪行為であるとの認識が薄い(ない)まま、個人情報を盾に脅され、仕方なく加担する者」との2パターンがあるが「犯罪行為に加担したことを後悔している」点が共通するという。報酬を受け取れない現実、一度で終わらない構図、検挙された後の悲惨な現実、被害者の苦しみなどを伝え、道徳心に訴えかける啓発が重要だ。それは、若者への大麻蔓延の構図とも重なる。SNS等に飛び交う真贋不明な情報や濃密な人間関係を背景に、好奇心、無知、お金欲しさによる短絡的な行動が深刻な事態を招いている点で共通する。大人には常識でも、「してはいけないこと」「すべきこと」の理解がなければ、彼らは未熟な常識で判断するしかない。大人こそ教育の責任を果たすべきだ。(芳賀)

▼警察庁 事例集「犯罪実行者募集の実態」について

不祥事会見で絶対に言ってはいけない3つのこと

筆者が広報マンとして、初めて緊急事態対応記者会見を開催したのは2006年。おりしも、雪印事件やパロマガス事件など企業不祥事が相次いでメディアに取りざたされ、企業に対して風当たりが強い時期だった。もともと新卒時にはメディアに就職しており、その経験を見込まれての不祥事対応だったが、メディアにいただけで不祥事対応ができるわけではない。記者会見に当たっては様々な専門家のトレーニングやレクチャーを受け、その時の経験が現在にも役立っている。その時に教わったことの1つに、「不祥事会見で絶対に言ってはいけないこと」がある。「法律には反していない」「大したことではない(業界では当たり前)」そして最後に「知らなかった(社員・業者がやった)」の3つだ。昨今の事件を振り返り、自社の危機管理広報マニュアルを見直してほしい。(大越)

評価は、「結果だけ」を全てにしてはいけない

仕事で高い成果を上げた人を高く評価するのは、ごく真っ当なことだと思う。しかし成果を表面的な「結果だけ」で見るのは間違いだろう。その結果に至る「過程」は正しいだろうか?「正しく稼いでいるか」の観点をないがしろにした評価制度は、百害あって一利なしだと思う。成績に過剰にこだわり、高成績者を褒め称え、低成績者を罰するような環境では、なんとしても好成績を維持し続けなければと躍起になり、不正や成果の横取りが横行しがちだ。正しく稼いで好成績を上げるには、様々な工夫や努力が必要なはずであり、その結果に至る「過程」をよく見て、正しい工夫や正当な努力を褒めるべきだ。不正に得た利はいずれ水泡に帰すばかりか、会社を根本から揺るがす負債となり得る。目の前の利ばかり追うことは、未来を失うことと肝に銘じなければならない。(吉原)

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