2024年04月01日号
テロに備えよ~今こそ国際的な連携の強化を
モスクワ近郊で起きた大規模テロで犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)が欧州を標的にするとの懸念が広がっている。欧州では今年、ドイツで6~7月にサッカーの欧州選手権本大会が開かれるほか、7~8月にはフランスでパリ五輪の開催を控えるなど、ソフトターゲットを狙った大規模テロのリスクは極めて高い。さらに、アフガニスタンを統治するタリバンが西側諸国や思想的に異なるシーア派であるイランの政府当局者と関係を築いていることに対し、ISは不信心者だとして非難するなど、思想的な対立が先鋭化している。加えて、世界中で重要な選挙が行われる「選挙イヤー」であることもテロリスクを高める要因だ。各国はテロに最大限警戒するとともに、テロ組織への資金の流れを断つなど、テロの未然防止に向けて国際的な連携の強化が急務だ。(芳賀)
説明・対応責任を果たすべき先は誰なのかを忘れるな。危機管理体制の立て直しが急務
先週金曜日に小林製薬が記者会見を行い、徐々に全容が見えだした。現在進行形の案件だけにコメントは出しにくいが、亡くなられた方もおり、相当数の入院者がいることに鑑み、一言言及したい。同社の対応をみて思うのは、行政対応、消費者対応、記者会見の全体を通して、危機管理の観点から適切な判断・統制がなされていないことだ。厚労省の会見との食い違いがあれば隠ぺいを疑われるのは当然だし、第6報までリリースを出しながら、記者会見まで、この間の経緯や調査内容を公表していない。消費者向けに各種情報を出すべく本来なら特設サイトを立ち上げるべきだが、未だになされていない(コールセンターに電話が殺到するのも当然だ)。健康への影響がある案件での危機管理の失敗は余計に世間を混乱させる。速やかに危機管理体制の立て直しが急務だ。(西尾)
製造現場でのリスクマネジメントを総点検すべし
小林製薬の紅麹を用いた健康食品の自主回収を受け、食の安全に関心が高まっている。いかなる原材料をいかなる会社から仕入れていようが、消費者は「この製品は安全なのか」と疑うようになっている。現に、食品産業を担う各社には「御社の製品は食べて安全なのですか」といった問い合わせが寄せられているようだ。消費者の疑念を取り去るにあたり「当社は安全です」だけでは足りず、具体的な品質管理体制の説明ができなければ信頼を勝ち取ることはできないだろう。ぜひこの機会に自社工場の製造過程やトレーサビリティを点検のうえ、説明できる態勢を取ることをおすすめしたい。特に点検をおすすめしたいのは、"工場の従業員等による故意での異物混入の防止策が徹底できているか"だ。皆さんの会社を疑いたくないが、前例からこの種の事案は起きている。(宮本)
紅麹サプリによる健康被害の原因はまだ特定されていない
紅麹サプリからプベルル酸が検出されたことが大々的に報道されているが、小林製薬の会見中に厚労省が何故発表したのか疑問だ。プベルル酸の毒性が高いとのことだが、抗マラリア作用に高い毒性があるのなら、全ての抗マラリア薬は危険ということになってしまう。現状、プベルル酸自体も誘導体も腎臓に対する悪作用は分かっていない。それなのにまるで、これが原因だと思い込ませるような発表や報道が続く。紅麹の歴史そのものは古く、千年以上前から人間が取っていたといわれる。日本人がワクチン接種を開始した頃から、紅麹の健康被害の事例が出てきたのは偶然だろうか。日本でもワクチン接種開始後から超過死亡者数が増大しており、その原因は追究されないままにされている。特に他の先進国では既にワクチンの効果への疑問から追加接種はされていない。(石原)
▼世界初※!紅麹(Monascus pilosus)の全ゲノムを解析、腎機能障害をもたらすカビ毒シトリニン※1生成不能を証明
新入社員研修に防災ワークショップを
今日(4月1日)から新入社員が入社する企業も多い。新入社員研修の1つに、防災教育を入れてみてはどうだろうか。ここでは防災の専門家がいなくても簡単にできる防災ワークショップを2つ紹介する。1つ目は「目黒巻き」。防災を専門とする東京大学の目黒公郎教授が考案された災害イマジネーションを高めるツールだ。災害が発生する状況(曜日・時間帯・天候など)を想定し、災害が発生したらどのようなことが起こるのかを時系列にイメージし、書き出してみる。2つ目は「マイ・タイムライン」。こちらは水害を想定し、災害発生前にどのような行動を取ればよいのか、何を準備したらよいのか、家族とどのようなコミュニケーションをとればいいのかを考えていく。両方とも、ファシリテーター用の資料も揃っているので1度自分でやってみると面白いだろう。(大越)
新社会人に伝えたい、「仕事を通して学ぶこと」の重要性
厚生労働省の「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」にて、求職者等が提供を求める情報の一つとして「業務により習得できるスキル」が挙げられている。気持ちはわかるが、スキルはある業務に従事すれば一律に習得できるものではなく、業務を通して何に気付き、何を考え、どんな行動をしたかで、何をどこまで習得するかが大きく変わるものと思う。社会人になれば、学費を払って「教えてもらう」「スキルを身に付けさせてもらう」立場から、与えられた仕事でより良い成果を出すために、「必要なスキルを自ら考え、自ら学ぶこと」を求められる立場に変わる。これが仕事で求められる主体性だろう。「新しいスキルを自ら習得するスキル」は一生もののスキル。上司等は、「言われた通りにやれ!」の一言で、新人からスキル習得の機会を奪わないように!(吉原)