30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

彼を知り己を知れば百戦殆うからず~トクリュウ・巨額マネロン事件の本質

この格言は金融機関が目指すべきリスク管理のあり方だが、本件ではトクリュウを中心とした犯罪グループが見事に体現したものと言わざるを得ない。「単一の金融機関は、トランザクションの一部しか把握しておらず、多くの場合、大きくて複雑なパズルの小さなピースしか見ていない」というFATFの指摘する脆弱性を突き、金融機関の実務を深く知り、マニュアルなど対策を十分練ったうえで、最新の犯罪インフラを駆使して数多くのペーパーカンパニーを設立、数多くの口座開設を実現させ、巨額のマネロンを鮮やかに完遂した。さらにトクリュウは「闇バイト」により自らのリスク管理を徹底。残念ながら、私たちは、私たちの敵をより深く知り、自らの脆弱な部分を省みることから始める必要がある。二度と犯罪グループを利するような過ちを繰り返してはならない。(芳賀)

自民の政治資金規正法改正案はザル法、企業側も襟を正せ!

自民党の政治資金パーティー裏金事件問題は、同党の政治資金規正法改正案が成立すれば何の解決にもならないだろう。パーティー券購入者の公開基準を引き下げたところで中途半端。また政策活動費をチェックする第三者機関を設置するというが、メンバー構成次第だ。政党交付金がある以上、企業団体献金は不要だ。社会の格差が拡大し、「実質賃金」は過去最長の25か月連続で減少している。一方、大企業は必要以上の内部留保を増加させ、輸出還付金の恩恵を享受している。5月7日の自民への2000万円以上の献金を行った企業・団体への東京新聞のアンケート結果では、献金を今後止めるとの回答はゼロ。また献金理由では「社会貢献」が目立つ。何か勘違いをしているのではないか。そんな姿勢では危機管理やCSRはおろか、自社の経営理念に合致しているのだろうか。(石原)

浅間山が噴火警報レベル2に

群馬県と長野県にまたがる浅間山の噴火警報レベルが2(火口周辺規制)に上がっている。対象は群馬県嬬恋村のほか、長野県小諸市、軽井沢町、御代田町。理由は明白で、火山性地震の回数が増えているからだ。気象庁によると火山性地震の日回数は、6月3日32回、4日53回、5日42回、6日46回、7日15時までに33回(速報値)だった。5日に実施した火山ガス(二酸化硫黄)観測では、1日あたりの放出量は600トン(前回5月29日、200トン)だった。火山性地震は、4月中旬以降増加しており、山頂火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるという。言うまでもなく、天明の大噴火では当時の文献に残るだけでも1600人以上の犠牲者を出し、その後の天明の大飢饉の原因の1つになったともいわれている。周辺の企業は冷静な対応が望まれる。(大越)

▼浅間山の活動状況(気象庁)

▼浅間山の噴火警報レベル

男性にももう少し知って欲しい…生理のこと

あるTV番組にて、男性が生理用ナプキンの1日の使用量を「1日1枚くらい」とイメージしていると話題になったそうな。女性からすれば驚きあきれてしまう話なのだが、男性は一生体験することもなく、生理の話はタブー視され、情報として入ってくることもほぼないことを思えば仕方ないのかもしれない。労働の場では男女は平等。しかし体の構造は明らかに異なり、「男女が同じように働く」ことはそう簡単ではない。かといって女性である筆者も女性を優遇して欲しいとは思えず、どうして欲しいとも言えないのだが…せめてもう少し「知って」もらえまいか。ドラッグストアに並ぶナプキンは、手の平サイズからショーツ型まで、大きさや形の種類は非常に多く、パッケージはなかなかかさばるもの。チラッと見ただけでも、1日1個で済むとは思えないだろうに。

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