30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴力団の「自壊」の先を見据えよ~暴力団からトクリュウへ

暴力団の「生き残り」をかけた戦いは、今後熾烈さを増しながら、暴力団が暴力団であろうとすればするほど、今の形態のままでは生き残れない状況を自ら作り出し、「自壊」をもたらすだろう。一方、こうした「自壊」によってトクリュウが台頭したのは偶然ではない。暴力団とは異なる、治安上の脅威となる新たな反社会的勢力が、市民や事業者にとっての戦うべき相手として、暴力団から移行しつつあるということだ。トクリュウはその匿名性・流動性の高さや暴力団の持つ組織性とは異なる緩やかな「組織性」によって、これまでの暴力団の限界を超え、様々な犯罪にいち早く、広く、深く、そして巧妙に関与している。私たちは、戦うべき相手を正しく見定め、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」というレベル感まで取り組みを進化/深化させていく必要がある。(芳賀)

富士山噴火に備え「広域降灰予報」導入へ

富士山が大規模噴火した場合に備え、気象庁は「広域降灰予報」導入する方針を固めた。富士山は過去5600年間、平均して30年に1回程度噴火した痕跡が見られるが、1707年に発生した宝永噴火以来、約300年間沈黙を保っている。噴火が発生した場合、風向きによっては神奈川や山梨などで厚さ約30センチ程度、東京都内でも10センチ程度に降灰が達するとみられ首都圏ではライフラインに大きなダメージを与えることが予想されている。現在、気象庁が発出する「降灰予報」は降灰量の区分が「1ミリ以上」「0.1~1ミリ」「0.1ミリ未満」となっており、10センチ以上に及ぶ降灰は想定しておらず、予報期間も最大6時間。新たな広域降灰予報では長時間にわたる降灰により「30センチ以上」「3センチ以上」「微量以上」の3段階で示す方針だ。BCP担当者も注視しておく必要がある。(大越)

「良心的な顧客」への「良心的な対応」ができる職場であれ!

コールセンターで働くといえば、クレームや不当要求の対応で大変そう、離職者が多そう…と想像しがちだが、穏やかなコールセンターもあるらしい。某社のコールセンターは、商品の使い方に関する問合せ対応が主流。担当者が商品知識を得られるよう、会社は実際に使ってみる機会も設けているそうで、研修もしっかりしている。困っているお客様に対し親身に対応できる仕事であり、定着率が高いのは、自分の良心に従った仕事だからではなかろうか。一方で、「面倒な客からの問い合わせを捌く」「要求を断る」を基本としたコールセンターは、高ストレスになりがち。困っているお客様を切り捨てる後ろめたさ、不当に怒鳴られるやるせなさは、自分の良心を傷付ける。受ける側も掛ける側も良心的でいられれば、コールセンターはもっと幸せな職場になるだろうに。(吉原)

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