2024年09月24日号
【もくじ】―――――――――――――――――――
サプライチェーン・リスクマネジメントの強化は時代の要請だ
ヒズボラの戦闘員を狙った爆発で、日本製のトランシーバーが悪用された可能性が指摘される。自社製品が軍事活動やテロに悪用されれば、ブランドイメージの毀損に直結する。出荷後の製品が戦争やテロに悪用される懸念は後を絶たず、過去にはイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)がトヨタ自動車製の車両を宣伝動画に使っているとして米財務省が調査に入った例もある。さらに露のウクライナ侵略でも、露軍のドローンなどに日本製の部品が使われていることも発覚した。外為法上の輸出規制に沿った厳格な管理をしていてもそのリスクを完全に排除することは困難だ。だが、ビジネスと人権における人権デューデリジェンス同様、軍事転用等のリスクがあるなら、その流通経路を可能な限り管理していくことは時代の要請であり、企業の責務と言ってよい。(芳賀)
能登半島豪雨、残念でならない
9月20日深夜から降りだし、甚大な被害をもたらした能登豪雨。21日の午前8時ごろからその雨量は劇的に増し、11時までの3時間に集中した豪雨は1時間雨量が最大121ミリ。3時間雨量は最大で222ミリを記録した。昨年の輪島市の9月1か月分の雨が、3時間で降り注いだことになる。「100年に一度の豪雨」の想定を上回ったこの豪雨の影響で、23日時点で7人がお亡くなりになり、未だ2人が行方不明だ。犠牲になった方には心からご冥福をお祈り申し上げる。残念だったのは、輪島市内などの仮設住宅でも浸水被害が発生してしまったことだ。後の調査によると、仮設住宅の4割がハザードマップで浸水想定区域に建設されていたという。熊本地震でも、地震発生後に豪雨被害に見舞われており、複合災害の恐ろしさを専門家は認識できていたはずだ。残念でならない。(大越)
平穏であることのありがたさ、楽しめることの奇跡
能登を思うと苦しくてならない。前を向き、生活を再建しようとしつつある人に、どうかこれ以上の試練を与えないでほしい。平穏であることは何と有難いことだろう。平穏な日常に特別な楽しさを得ることは何と素晴らしいことだろう。筆者のこの夏の最大の楽しみは某ライブに行くことだった。会場へ向けて家を出て1分で転倒してケガはしたが、会場にはたどり着けた。ライブは神席で、大興奮の余韻に浸りながら日常に戻っていた矢先、翌週の別の場所でのライブが台風で中止になったとの知らせ。どうやらライブに行けたこと自体が奇跡だったらしい。今日生きていること、家に帰ってご飯が食べられること、大好きな人や物があること、そして笑顔でいられること、全ての奇跡を大事にしつつ、自分にできることを誠実に行うことが自分の務めと考えたいと思う。(吉原)