2025年03月17日号
オンラインカジノを助長する行為だ~広告の持つ犯罪インフラ性を認識せよ
オンラインカジノの害悪が深刻だ。さまざまな背景要因がある中、広告を巡る問題も無視できない。総務省によると、オンラインカジノは有料版も含めて規制がなく、無料版であっても有料版に誘引してギャンブル依存につながる可能性があるなら、違法ではないが「有害情報だ」と注意喚起している。「無料だから問題ない」とか「禁止されていないから大丈夫」ではなく、現に無料版が有料版(違法行為)への入り口となり被害の拡大を助長している実態がある以上、そこに関与するメディアやインフルエンサーの責任は重い。それは、オンライン詐欺被害の深刻化にもかかわらず、なりすまし広告等を放置したSNS事業者等に道義的な責任が問われていることと同様の構図だ。また、自らのサイトにそうした広告が掲載されるのを放置している事業者の責任もまた大きい。(芳賀)
「カスハラ」防止策を企業に義務づけ 労働施策総合推進法改正案を閣議決定
“事業主は、顧客等によるカスタマーハラスメントによって労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないものとする(条文案要約)”政府は3月11日、カスハラ防止策を企業に義務づけることなどを柱とした労働施策総合推進法改正案を閣議決定した。施行後、全国の企業でコンプラアインスの観点でのカスハラ対策が必要になる。同改正法を見据えた対策を考えれば、従業員からの相談受付体制の整備、カスハラ対応マニュアルの策定、カスハラ禁止の旨を含めた研修が基本となる。だがコンプライアンスの理念を踏まえれば、一歩踏み込み、カスハラの予防、組織的な顧客対応マネジメントの見直しなど着手すべきだろう。実のある策を実行願う。(宮本)
▼「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」の答申 厚生労働省 2025年1月27日
危機管理能力の底上げを
CBRNE(シーバーン)災害という言葉をご存じだろうか。化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)、爆発物(Explosive)の頭文字をとったもので、テロ攻撃や大規模な事故を巻き起こす可能性がある公衆衛生上の危機管理対象物を指す。実は、このCBRNEを全て経験した国は日本しかない。先の大戦でNを経験し、Rについては東日本大震災の福島第一原発事故が挙げられるほか、30年前の3月20日に発生した地下鉄サリン事件はCの典型だ。14人が亡くなり、6千人以上が負傷したこのテロは、同年に発生した阪神・淡路大震災と合わせて日本の危機管理を変える大きな転機となった。が、あれから30年、日本の危機管理が進化したかといわれると心許ない。サイバー攻撃や国家の分断など新たな脅威も生れてしまった。国家を挙げての危機管理能力の底上げが必要だ。(大越)
ホワイトデーに気付く、「心理的安全性」の難しさ
どうも私は素直でない。日頃の周囲の方々への「ごめんなさい」と「ありがとう」が溜まり過ぎ、先月一気にチョコレートとして配ったのだが…すっきりした!と思ったのも束の間、今月それらの一部が返ってきてしまった。あれほど「お返しはいらないと思ってもらえる程度」の量や内容を吟味したのに、返ってきては意味がなく、むしろ「気を遣わせてしまったこと」への申し訳なさが増していく。なぜ素直に受け取れないのか?おかしいと思うことを「おかしい」と言うことは、危機管理的には悪くないはずだが、自分の感覚での一言が誰かを傷つけることもある。だから言うたびに「ごめんなさい」と「聴いてくれてありがとう」が積み上がるのだ。「お前もおかしいぞ!」と日頃から言い合えるならば、「お互い様ね」と3月のお菓子もニコニコ受け取れるだろうに。(吉原)
経営者にも人権がある~女性起業家へのセクハラを例に~
読売新聞によると、女性起業家が投資家からセクハラをされるケースが後を絶たず、出資してもらう立場から声を上げにくいそうだ。企業にセクハラ防止措置の実施を義務づけた、男女雇用機会均等法では、経営者は保護されない。当たり前だが、経営者であろうと人権がある。ILO(国際労働機関)の「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約」では、暴力やハラスメントを受けることなく働くことは、「使用者としての権限を行使し、義務・責任を果たす者」も含め、あらゆる人の権利だとされている。今回は女性起業家を例にしたが、男性起業家だってあり得るし、男女問わずパワハラをされてしまうこともあるだろう。ハラスメントは、単純に「名刺」だけで判断できない。経営者でも弱い立場になり得ることを、しっかりと覚えておきたい。(安藤(未))
▼読売新聞『投資会社の担当者から「女の人生狂わせたい」…女性起業家の半数超がセクハラ被害、声上げられず』(2025/3/14 05:00)