30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

ギャンブル等依存症対策を徹底せよ~国内外の犯罪組織を利することはあってはならない

オンラインカジノで賭け金送金を仲介する「決済代行業者」への規制などを盛り込んだギャンブル対策の基本計画が閣議決定された。警察庁が公表した実態調査結果では、国内のカジノ経験者が推計約337万人に上り、利用者の4割は「違法だと知らなかった」と回答した。調査では、若者を中心に70歳代まで幅広い世代が利用していることも判明。利用拡大の背景には、賭け金の決済を代行する国内業者の存在があり、その一部にはトクリュウが関与している。対策が遅れる日本は、世界中から標的にされており、警察庁が日本語で利用できる計40のカジノサイトを分析した結果、うち6サイトが日本からの接続が100%だった。オンラインカジノは一回の勝負が早くのめり込みやすく依存症リスクも高い。犯罪組織の資金源を断つべく、官民挙げた規制や啓蒙の強化が急がれる。(芳賀)

▼首相官邸 ギャンブル等依存症対策推進基本計画

▼警察庁 オンラインカジノの実態把握のための調査研究の業務委託 報告書

「俺のはカスハラじゃないからな!?」からのカスハラ

人々に“カスハラ”というワードが浸透してきている。店員などに対しカッとなった客に自制を促しカスハラ言動を踏みとどまらせている。予防の機運が高まることは、たいへん喜ばしいことだ。試しに、当社のカスハラ対応支援サービス部門の社員に「どう?変化ある?」と聞いてみた。すると「電話でいきなり怒鳴りはじめるのではなく『俺が今から言うことはカスハラじゃないからな!』と、一言添えてから怒鳴り始めるように変わった」とのこと。「え???」世間でのカスハラ予防はまだまだ道半ばのようだ。東京都、北海道、そして群馬県でもカスハラ防止条例が成立。4月の施行が迫る中、特に“顧客対応現場で、従業員が顧客の言動を敏感に察知し、ただちに毅然とした対応が取れるかどうか”の点検をお願いしたい。条例があろうがなかろうがカスハラを行う人はいるのだから。(宮本)

▼令和7年第1回定例会 知事提出議案 番号16 群馬県カスタマーハラスメント防止条例 群馬県議会

▼株式会社エス・ピー・ネットワーク クレーム・カスハラ対応サービス紹介ページ

フェイクニュースと誹謗中傷の関係

フェイクニュースは意図的であれ非意図的であれ、流布された結果として、炎上の有無や規模に関わらず、誹謗中傷に陥りやすい。意図的であれば、それは間違いなくデマゴギーであり、非意図的であっても軽率な同調は、まんまとプロパガンダの片棒を担ぐ結果になる。特に誹謗中傷は、“正義の暴走”として現れ、“歪んだ正義”の自分勝手な押し付けになりやすく、“非意図的な同調”自体が“意図的なシナリオ”に沿ったものに嵌まってしまう。そもそも政敵や論敵、あるいは気に食わない相手を攻撃するのに虚言を弄したり、誹謗中傷で相手を追い込み、追い詰め、人権を侵害することは、“反正義”に他ならない。現代社会ではファクトチャックですらチェックの基点によって結果が分かれる。信じたいものを信じるには、欺瞞・無思慮・幼稚性の排除から始まる。(石原)

富士山噴火における住民避難指針案を公表

内閣府の有識者会議は21日、富士山が噴火した場合に備えて灰の降り積もる量などに応じて危険度を4段階に分け、避難の必要性を示す初の指針案をまとめた。富士山は過去5600年間に約180回の噴火があったとされているが、江戸時代の宝永噴火(1707年)以来、噴火が確認されていない。「いつ噴火してもおかしくない」と指摘する専門家もいる。今回の指針では「降灰30cm以上」をステージ4として原則避難としたほか、降灰が30cm未満では「できる限り自宅等で生活を継続することが基本」としながらも、ステージ3では交通機能のマヒにより生活物資が入手困難になる状態も想定している。宝永噴火では江戸を含む関東一円に降灰が確認されており、降り積もる灰は東京ドーム400杯分にも及ぶという。関東に所在する事業者としては何を備えるべきか。早急な検討が必要だ。(大越)

長く活躍してほしいなら、予防や加齢に伴う変化を見込んだ戦略が必要だ

腰痛を理由に業務制限を求める人がいるからと、採用面接で腰痛の有無を確認するのは妥当だろうか?メンタル面で既往のない人を採用すれば、メンタル不調者は発生しないだろうか?いやいや、採用時点では問題なくても、無理な姿勢で作業をすれば誰でも腰痛は発生し得るし、潰れるまで追い込む人が一人でもいればメンタル不調者は次々発生するだろう。採用時点の状態より、採用後の予防が重要なはず。長く働いて欲しいなら猶更で、高齢者の労働災害防止に向け、特性に配慮した職場環境の改善等の措置が労働安全衛生法でも努力義務化される見込みだ。労働力人口が減れば職場に占める高齢者の割合はますます増える。「今は問題ない」を前提とした策を捨て、高齢でも活躍できる仕事の開発と共に、成果を発揮できる高齢者の育成・活性化に向けた戦略が必要だ。(吉原)

身近な人を不幸にしてまで、会ったことのない人の幸せを追求するのは正しいのか~兵庫県知事のパワハラ問題を例に~

昨年4月に新R25の企画で「ソフト老害」をテーマにした対談があり、『街録ch』ディレクターの三谷氏が「まわりの家族や一緒に働いてくれている人たちをないがしろにしてまで、会ったことがない人を幸せにしようとする感情は正しいの?」と語っていた。兵庫県知事を巡る内部告発問題で、第三者委員会が3月19日に公表した調査報告書には「知事のパワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくる」との指摘があった。兵庫県知事からすると「すべては県民のために」ということかもしれないが、結局、遠くだけを見ていて、近くの人(職員)の幸せは見えていなかったのかもしれない。前述の対談では、ヒットメーカーのような成功者にも同様の傾向があり、成功者本人も本当は不幸であると指摘されていた。…あなたとあなたの身近な人は幸せですか?(安藤(未))

▼新R25編集部『「よかれと思って送ったLINEが間違っていた」鈴木おさむが自身の老害化に気づいた“三谷事件”を振り返る【鈴木おさむ×三谷三四郎×箕輪厚介×渡辺将基②】』(2024/04/08)

▼兵庫県『「文書問題に関する第三者調査委員会」調査報告書』(記者発表日時:2025年3月19日16時)

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