【イベントレポート】企業危機管理オープンセミナー「小売店舗ロス対策、カスタマーハラスメント対策セミナー」を開催しました
2021.11.252021年11月9日に開催された本セミナーでは、店舗でのロス対策やカスタマーハラスメントについて3部構成で解説しました。
セミナー概要
第一部 利益改善に直結する店舗ロス対策
講師:総合研究部 上席研究員 伊藤 岳洋
第二部・第三部 カスタマーハラスメントに負けないための勘所
講師:総合研究部 主席研究員 西尾 晋
講演
第一部 利益改善に直結する店舗ロス対策
1.はじめに
コロナ禍で企業業績の悪化により失業者が増加しており、それにともない、小売業は窃盗被害の脅威にさらされていることを説明しました。日本では、原因が分からない「不明ロス」も万引きのせいにしてしまう傾向があります。そして、不明ロスこそ対策が打たれず、大きな損失の原因となっており、ロスの改善が進まない大きな構造的な問題があることを言及しました。
2.ロスの種類と特徴
主に万引きによるロスと従業員の不正によるロスについて解説しました。
万引きによるロスは、店舗におけるロスのうち多くを占めており、換金目的のプロによる犯行と、自己消費目的のアマチュアによる犯行に大きく分けられます。また、従業員の不正は、被害額という視点で万引き1件当たりの被害額の15倍に及ぶというデータもあります。ロス問題の改善において、自店のロスの種類や特徴を理解することが適切な対策につながります。
3.ロスの防止策
ロスの防止策として導入事例を解説しました。また、当社サービスのロスマイニング🄬についても紹介しました。ロス対策などの新しいデジタル技術は有効ですが、、その活用には法的な知識や万引き犯に対する対処のノウハウを組み合わせた専門性が必要になります。
4.事例紹介
非食品小売業における、ロスマイニング🄬を行った事例を紹介しました。ロスマイニング🄬の結果、防犯体制に大きな穴があることなどが判明し、追加の対策として保安員を配置することとなりました。また、従業員への防犯教育なども行い、チェーン全体へ取り組みを水平展開しています。
5.まとめ
ロスは、顕在化しているものしか認識されず、原因と対策にミスマッチが起きています。潜在的なロスの要因を抽出して、そこに対処することで、結果的に持続的な利益につなげることができます。
第二部・第三部 カスタマーハラスメントに負けないための勘所
1.カスタマーハラスメントの現状と示唆
当社が2019年と2021年に実施したカスタマーハラスメント実態調査結果を解説しました。主に、カスタマーハラスメントや不当要求の特徴、カスタマーハラスメント対応を行う上での課題などについて言及しました。
2.カスタマーハラスメントとは何か~企業での対策の必要性
パワハラ防止対策法令において、「カスタマーハラスメント対策」について、企業に努力義務が課されています。また、企業は安全配慮義務の観点から見た、カスタマーハラスメント対策について解説しました。
3.クレーム難化・カスタマーハラスメント増加の背景と対応要領~対応指針5ヶ条
情報化社会の発展や、消費者保護法制により、お客様(消費者)側の考え方が変化し、企業が苦慮している現状を説明しました。カスタマーハラスメント顧客の特徴や思考回路を示した上で、現場で「使える」「大事なこと」を押さえた対応指針について解説しました。
4.企業としてなすべきカスタマーハラスメント対策~体制整備
企業がカスタマーハラスメント対策を進める上で3つの切り口として、1.「不当要求=ロス」も意識を持つ、2.現場で戦うための武器の整備、3.現場スタッフの安心の醸成を挙げて解説しました。
お客様の声
- 具体的な対応ロジックがありわかりやすかったです。では当社に当てはめるとというところがもっと知りたくなりました。
- カスタマーサービスとしての保証対応面の客観性の評価がしたいと思いました。
- 現場スタッフへのリアルな教育指導方法をもっと知りたいと思いました。
関連ページ
サービス
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書籍
コラム
- コロナ禍におけるロス対策
- 顔認証システムなどのデジタル化~事業者が最低限遵守しなければならない義務~
- カスタマーハラスメント実態調査(2021年)
- 【緊急レポート】新型コロナウイルス禍における顧客対応~カスタマーハラスメント対策も含めて
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