【イベントレポート】出版記念セミナー「クレーム対応の「超」基本エッセンス 新訂第2版~カスタマーハラスメントハラスメントに負けない鉄壁の5ヶ条」を開催しました
2022.07.282022年7月14日に開催された本セミナーでは、新刊書籍「クレーム対応の「超」基本エッセンス 新訂第2版~カスタマーハラスメントハラスメントに負けない鉄壁の5ヶ条」のポイントをはじめ、どんな不当要求やカスタマーハラスメントにも負けない「危機管理的顧客対応5ヶ条」について紹介いたしました。さらに、2022年2月に厚生労働省より公表された「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の課題やその活用方法も解説いたしました。
セミナー概要
講演
本書籍は、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の内容も含めたカスタマーハラスメントに関する体系的解説書です。現場の対応テクニックに限らず、組織体制整備の視点からも言及しています。そして、クレーマーの思考回路や手口についても豊富に解説するほか、実践対応ノウハウである「5ヶ条」の使い方について、事例を交えて詳細に解説しています。
本セミナーでは、書籍の内容につき、最も抑えておくべきポイントを重点的に紹介いたしました。
- カスタマーハラスメント対策の全体像と必ず押さえておくべき重要な点
- 不当要求やカスタマーハラスメントに負けないための5ヶ条の要点と活用方法
- 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の意義と活用していく上での留意点
カスタマーハラスメント対策の全体像と対策の推進に向けた重要な視点
カスタマーハラスメントに対して企業及び事業主として適切な対応をしていない場合、被害を受けた従業員から責任を追及される可能性があります。
過去にも、市立小学校において、保護者からの苦情に対し、校長がその場を収める目的で、安易に教員に謝罪するよう求めたことで市と県の損害賠償請求が認められた裁判例(甲府地判平成30年11月13日/厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」P17)があります。
その一方、従業員から安全配慮義務違反を主張された小売店が、日ごろから苦情を申し出る顧客への初期対応指導や、トラブル時に近隣店舗等に連絡できるような体制整備などの対策を講じていたことで、安全配慮義務違反が否定された裁判例(東京地判平成30年11月2日/厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」P17)もあります。
この2つの裁判例からもわかる通り、企業等におけるカスタマーハラスメント対策は「従業員を守る」ためでなく、従業員への安全配慮義務を果たすことによって「会社を守る」ことにもつながります。そしてその対策には、「現場の対応要領」の整備・標準化と「組織的体制の整備」が欠かせません。
不当要求やカスタマーハラスメントに負けないための5ヶ条の要点と活用方法
カスタマーハラスメントに対応できる人材育成は多くの企業で課題になっています。担当者の経験値やスキルが俗人化してしまうことや、ノウハウの研修などのトレーニングが難しいことなどの様々な原因があります。こうした背景から、闇雲に対応して失敗した結果顧客対応に苦手意識を持ってしまう従業員も少なくありません。
そこで当社が生み出した対応方針が「危機管理的顧客対応指針5ヶ条」です。
現場で、誰でも活用できるような原理原則に基づくシンプルな対応方針であり、CS(Customar Satisfuction:顧客満足)対応の延長で対応することができます。
本セミナーでは、各項目について、そのロジックや現場での活用方法も含めて詳細に解説しました。
初期対応は慎重かつ冷静に対処せよ。
「クレーム」と「不当要求」は似て非なるもの。対応時は考え方を切り替えよ。
初期対応では3つの基本を徹底せよ
① 話を聞くに徹する/② 事実関係の確認・明確化/③ 対応時の内容の記録・共有
お客様の「話」は4つの要素の使い分けを意識せよ。
①事実、②不満、③意見、④要求
お客様の要求に応じるか否かは、5つの基準で判断せよ
① 責任の有無、② 損害(不利益)との因果関係、③ 要求行為の正当性、
④ 要求内容の対価性、⑤ 要求内容と原因の関係性
厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の意義と活用していく上での留意点
厚生労働省のマニュアルには、現場の対応要領に限らず、カスタマーハラスメント対策の全体像の概要がきちんと記載されている点や、企業の取り組み事例が紹介されている点が評価できます。
ただ、マニュアル内の定義の活用にあたっては、まずは自社の実態を把握し、自社に合わせた定義、行為類型を明確化して現場に落とし込むことが重要です。
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものでああって、当該手段・態様により、労働者の就業環境ががいされるもの
さらに、厚生労働省のマニュアルには多く記載されておりませんが、安全配慮義務の観点からも経営者・経営陣のカスタマーハラスメント対策に関する責任も大きく、対策には組織的な対応が不可欠です。まずは経営幹部が重要性を認識し、ポリシー策定やトップメッセージの発信などを通して、会社の方針を社内に明確に示すことが必要です。
お客様の声/さいごに
セミナーにご参加いただいた方からは、「わかりやすかった」「勉強になった」「書籍を読んでみたい」などのお声をいただきました。
当社では25年間にわたり、不当要求やカスタマーハラスメント対応について最前線で直接的に支援してきました。企業の体制整備状況の診断やクレーム相談窓口、現場での直接対応や組織的な体制強化など様々な支援が可能です。カスタマーハラスメントにお悩みの方は是非お気軽にご相談ください。
関連ページ
サービス
クレーム等顧客対応リスクサービス一覧
書籍
クレーム対応の「超」基本エッセンス 新訂第2版 カスタマーハラスメントに負けない!エキスパートが実践する鉄壁の5ヶ条
動画
SPクラブ会員サイト(SP Club PREMIUM)では今回のセミナー動画をご覧いただけます。
【7/14 Web開催】クレーム対応の「超」基本エッセンス~カスタマーハラスメントに負けない エキスパートが実践する鉄壁の5ヶ条【新訂第2版 出版記念セミナー】
SP Club PREMIUM 登録申し込みはこちら
SP Club PREMIUM とは
その他ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ先】 株式会社エス・ピー・ネットワーク info@sp-network.co.jp